JP5028032B2 - 機能性膜パターン形成用構造体、及び、機能性膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体、圧電体、焦電体、磁性体、半導体等を含む機能性膜の製造方法に関し、特に、パターンを有する機能性膜の製造方法に関する。また、本発明は、そのような機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜パターン形成用構造体に関する。
近年、電子デバイスの小型化、高速化、集積化、多機能化等のニーズに伴い、誘電体、圧電体、磁性体、焦電体、半導体のように、電界や磁界を印加することにより所定の機能を発現する電子セラミックス等の機能性材料を含む素子を、様々な成膜技術を用いて製造する研究が盛んに進められている。
例えば、インクジェットプリンタにおいて高精細且つ高画質の印字を可能とするためには、インクジェットヘッドのインクノズルを微細化すると共に高集積化する必要がある。そのため、各インクノズルを駆動する圧電アクチュエータについても、同様に、微細化及び高集積化することが求められる。そのような場合に、バルク材よりも薄い層を形成でき、且つ、微細なパターン形成が可能な成膜技術が望まれており、スパッタ法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法等の成膜技術が研究されている。
従来より、機能性材料の膜(単に、「機能性膜」ともいう)をパターニングするためには、フォトリソグラフィ技術が用いられている。即ち、概略的には、基板上に機能性膜の層を形成し、その上にレジストを塗布して露光及び現像を行うことによりマスクパターンを形成し、さらに、機能性膜の層をドライエッチング又はウェットエッチングすることにより機能性膜パターンが得られる。
ところが、成膜によって形成された機能性膜は、成膜後の状態では十分に機能を発揮しておらず、バルク材に比較して性能が劣ることは知られている。そこで、機能性膜の機能を十分に発現させるためには、成膜後に比較的高温(例えば、500℃〜1000℃程度)で熱処理することが必要となる。また、機能性膜に熱処理を施す際には、成膜基板も同時に熱処理されることになるので、成膜基板の材料に高い耐熱性が要求される。一方、作製された機能性膜を利用する場合には、例えば、樹脂を用いたフレキシブル基板のように、機器に応じて様々な種類の基板を使用したいという要望がある。そのため、成膜基板上に形成された機能性膜を、その機能を損なうことなく成膜基板から剥離又は転写できる方法が検討されている。
関連する技術として、特許文献1には、高密度のマイクロパターンを形成するための方法が開示されている。この方法は、第1の基板上に有機単分子膜を形成する工程と、有機単分子膜をフォトリソグラフィ技術によって微細加工し、有機単分子膜パターンを形成する工程と、有機単分子膜パターン上に薄膜を選択成長させる工程と、該薄膜を第2の基板上に転写し、第2の基板上に薄膜よりなるマイクロパターンを形成する工程とを備えている(第2頁)。
特開2005−64289号公報(第2頁)
特許文献1に開示されている方法によれば、パターニングされた機能性膜(特許文献1の図4に示す薄膜15)を比較的容易に転写することができる。しかしながら、この方法においては有機単分子膜が使用されているので、高温プロセスによって機能性膜を形成したり、形成された機能性膜に高温の熱処理を施すことはできない。
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、微細なパターンを形成できる機能性膜の製造方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、高温プロセスを経て形成された機能性膜を所望の基板に配置することができる機能性膜の製造方法を提供することを第2の目的とする。また、本発明は、そのような機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜パターン形成用構造体を提供することを第3の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る機能性膜パターン形成用構造体は、所定のパターンが形成された基体と、加熱されることにより、若しくは、電磁波を照射されることにより、分解してガスを発生し、若しくは、雰囲気中の成分又は隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料、又は、へき開性を有する材料を含み、基体上に直接又は間接的に配置された分離層と、該分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層とを具備する機能性膜パターン形成用構造体であって、上記被剥離層が、分離層を加熱することにより、若しくは、分離層に向けて電磁波を照射することにより、若しくは、分離層に外力を与えることにより、基体から剥離される、又は、上記被剥離層と基体との接合強度が、分離層を加熱することにより、若しくは、分離層に向けて電磁波を照射することにより、若しくは、分離層に外力を与えることにより低下する。
本発明に係る機能性膜の製造方法は、所定のパターンが形成された基体を用意する工程(a)と、基体上に、直接又は間接的に分離層を形成する工程(b)と、分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、分離層を加熱することにより、又は、分離層に向けて電磁波を照射することにより、又は、分離層に外力を与えることにより、被剥離層を基体から剥離させる、又は、被剥離層と基体との接合強度を低下させる工程(d)とを具備する。
ここで、「反応」とは、物質又は物質系から組成や構造が異なる別の物質又は物質系が生成される過程のことをいい、1種の化合物が2種以上のより簡単な物質に変化する過程、及び、少なくとも一方が化合物である2種の物質に基づいて、最初とは異なる2種以上の物質が生成される過程を含む。また、前者の場合を、特に「分解」といい、加熱によりもたらされる分解のことを「熱分解」という。
本発明によれば、予めパターンが形成された基体上に機能性膜を形成するので、機能性膜にドライエッチング又はウェットエッチングを施す工程を省略することができる。そのため、材料によってはエッチング工程において機能性膜にダメージを与える場合があるが、本発明によればそのようなダメージを与えることもない。また、基体上に分離層を介して機能性膜を形成するので、分離層に対して加熱又は電磁波の照射又は外力の印加を行うことにより、基体と機能性膜とを容易に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させて、後工程において力学的に簡単に剥離することができる。そのため、基板上に、高温プロセスを経て形成された微細な機能性膜パターンを、比較的耐熱性の低いフレキシブル基板等に容易に転写して利用することが可能となる。従って、優れた特性を有する素子をアプリケーションに応じて適切に搭載することが可能となり、そのような素子を利用する機器全体の性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1〜第3の実施形態に係る機能性膜の製造方法を示すフローチャートである。また、図2及び図3は、本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための図であり、その内の図2は、本発明の第1の実施形態に係る機能性膜パターン形成用構造体を作製する工程を示している。
まず、図1の工程S1において、図2の(a)に示すように、凹凸を有するパターンが形成された基体(モールド)101を用意する。この基体101においては、凸部が製造目的とする機能性膜に形成されるパターンに相当する。
基体101の材料としては、半導体単結晶材料及び酸化物単結晶材料を含む単結晶材料、セラミックス材料、ガラス材料、又は、金属材料を用いることができる。基板材料は、機能性膜を形成する際の成膜工程や、必要に応じて施される熱処理工程におけるプロセス温度に対する耐熱性等を考慮して選択される。
酸化物単結晶材料としては、具体的に、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル(アルミン酸マグネシウム、MgAl)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、ランタンアルミネート(アルミン酸ランタン、LaAlO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)等が挙げられる。酸化物単結晶材料を用いる場合には、製造目的とする機能性膜に応じて、所定の格子定数を有する材料を選択することにより、エピタキシャル成長により機能性膜を形成することができる。また、これらの材料は酸化雰囲気において安定しているので、大気中において高温(例えば、酸化マグネシウムの場合には、1000℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
半導体単結晶材料としては、具体的に、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)、インジウム燐(InP)等が挙げられる。半導体単結晶材料を用いる場合には、製造目的とする機能性膜に応じて、所定の格子定数を有する材料を選択することにより、エピタキシャル成長により機能性膜を形成することができる。また、これらの材料は還元雰囲気において安定しているので、還元雰囲気中において高温(例えば、シリコンの場合には、1000℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
セラミックス材料としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)等が挙げられる。セラミックス材料は単結晶材料よりも安価なので、製造コストの低減を図ることができる。また、これらの材料は大気中において安定していると共に高い耐熱性を有しているので、大気中において高温(例えば、アルミナの場合には、1100℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
ガラス材料としては、具体的に、ケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス等が挙げられる。ガラス材料は単結晶材料よりも安価なので、製造コストの低減を図ることができる。また、これらの材料は酸化雰囲気において安定しているので、大気中において高温(例えば、ケイ酸ガラスの場合には、900℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
金属材料としては、具体的に、白金(Pt)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)等の金属、及び、ステンレス等の合金が挙げられる。金属材料は単結晶材料よりも安価なので、製造コストの低減を図ることができる。また、これらの材料は還元雰囲気において安定しているので、還元雰囲気中において高温(例えば、白金の場合には、1000℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
基体101は、先に挙げた材料で作製された基板に、ドライエッチングや電子ビーム描画法等を用いてパターン形成することにより作製することができる。その際には、例えば、ナノインプリント技術において用いられるモールド作製技術を適用しても良い。或いは、市販のナノインプリント用モールドを使用しても良い。
次に、工程S2において、図2の(b)に示すように、基体101上に分離層102を形成する。分離層102は、後の工程において形成される機能性膜を基体101から剥離する際に除去される犠牲層である。分離層102の材料としては、加熱されることにより熱分解等の反応を生じてガスを発生させる材料が用いられる。具体的には、炭酸マグネシウム(MgCO、約600℃で分解)、炭酸カルシウム(CaCO、約900℃で分解)、炭酸ストロンチウム(SrCO、約900℃で分解)、炭酸バリウム(BaCO、約1450℃で分解)、炭酸リチウム(LiCO、約618℃で分解)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等の炭酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物、硫酸マグネシウム(MgSO、約1185℃で分解)、硫酸カルシウム(CaSO、約1000℃で分解)、硫酸ストロンチウム(SrSO、約1130℃で分解)、硫酸バリウム(BaSO、約1200℃で分解)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)等の硫酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)等の硝酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物が用いられる。これらの化合物は、所定の波長を有する電磁波を照射されることにより分解してガスを発生させる。例えば、炭酸カルシウムを加熱することにより、分解反応(CaCO→CaO+CO↑)が生じて炭酸ガス(CO)が発生する。
或いは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga(窒化ガリウムは、約900℃で分解)、Zr、Mo(窒化モリブデンは、約900℃で分解)、Ta、Wの内の少なくとも1つの元素を含む金属窒化物、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Ta、Wの内の少なくとも1つの元素を含む金属硫化物、TiC等の金属炭化物を用いても良い。これらの化合物は、所定の波長を有する電磁波を照射されることにより、雰囲気中の成分や隣接する層、即ち、基体101や後述する被剥離層103に含まれる成分と反応してガスを発生させる。例えば、酸化物を含む基体及び金属窒化物を含む分離層を用いる場合には、分離層が酸化物と反応して窒素(N)を発生させる。
また、分離層を形成する方法としては、スピンコーティング、スパッタ法、CVD(化学気相成長法)等の公知の方法を用いることができる。
次に、工程S3において、図2の(c)に示すように、分離層102上に、製造目的とする機能性膜の材料(機能性材料)を含む被剥離層103を形成する。被剥離層103は、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション(aerosol deposition:AD)法等の公知の方法を用いることにより形成される。ここで、AD法とは、原料の粉体をガス中に分散させたエアロゾルを生成し、それをノズルから基板に向けて噴射して原料の粉体を下層に衝突させることにより、原料を基板上に堆積させる成膜方法であり、噴射堆積法又はガスデポジション法とも呼ばれている。
本実施形態においては、機能性材料として具体的に次のような材料が用いられる。
メモリー素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、SrBi(Ta,Nb)、BiTi12等が挙げられる。
アクチュエータ等の圧電素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Zn1/3Nb2/3)O、Pb(Ni1/3Nb2/3)O等、及び、これらの固溶体が挙げられる。
赤外線センサ等の焦電素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O等が挙げられる。
コンデンサ等の受動部品に用いられる機能性膜の材料として、BaSrTiO、(Pb,La)(Zr,Ti)O等が挙げられる。
光スイッチ等の光学素子に用いられる機能性膜の材料として、(Pb,La)(Zr,Ti)O、LiNbO等が挙げられる。
超伝導磁束量子干渉計(superconducting quantum interference device:SQUID)等の超伝導素子に用いられる機能性膜の材料として、YBaCu、BiSrCaCu10等が挙げられる。ここで、SQUIDとは、超伝導を利用した高感度の磁気センサ素子のことである。
太陽電池等の光電変換素子に用いられる機能性膜の材料として、アモルファスシリコンや化合物半導体が挙げられる。
磁気ヘッド等のマイクロ磁気素子に用いられる機能性膜の材料として、PdPtMn、CoPtCr等が挙げられる。
TFT等の半導体素子に用いられる機能性膜の材料として、アモルファスシリコン等が挙げられる。
これらの工程S1〜S3によって形成された基体101、分離層102、及び、被剥離層103が、本実施形態に係る機能性膜パターン形成用構造体に含まれる。
次に、工程S4において、図3の(a)に示すように、被転写用基板204を用意し、その上に、被剥離層103が被転写用基板104に対面するように、機能性膜パターン形成用構造体101〜103を配置して固定する。その際には、接着剤等を用いることにより、剥離層103と被転写用基板104とを固定しても良い。被転写用基板104としては、後述する工程S5における熱処理温度に対して耐熱性を有していれば、エポキシ等の合成樹脂基板やガラス基板を含む所望の基板を用いて良い。また、被転写用基板104側に電極や配線を予め形成しておいても良い。
次に、工程S5において、機能性膜パターン形成用構造体101〜103に熱処理を施す。熱処理の温度は、分離層102に熱分解等の反応を生じさせるために、分離層102の反応温度と同程度又はそれ以上とする。それにより、図3の(b)に示すように、分離層102において熱分解等の反応が生じてガスが発生する。その結果、図3の(c)に示すように、被剥離層103が基体101から剥離されて被転写用基板104に転写される。或いは、ガスが発生した結果、被剥離層103と基体101との接合強度が低下するので、被剥離層103を基体101から力学的に容易に剥離できる状態になる。その場合には、加熱と同時に、又は、後の工程において被転写用基板104を剥がすことにより、被剥離層103を転写することができる。
また、工程S5においては、機能性膜において粒成長を促進したり、結晶性を向上させることによって、膜の機能を向上させるための熱処理(ポストアニール)を同時に行っても良い。例えば、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、BaSrTi等の機能性膜を製造する場合には、500℃以上の温度で熱処理される。また、SrBi(Ta,Nb)、BiTi12、YBaCu、BiSrCaCu10等の機能性膜を製造する場合には、700℃以上で熱処理される。なお、その場合には、熱処理温度に対する耐熱性を考慮して被転写用基板104及び接着剤の材料を選択する必要がある。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、基体と機能性膜との間に分離層を設けることにより、熱処理によって機能性膜を基体から容易に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させて剥離し易くすることができる。そのため、成膜技術によって作製された高性能の機能性膜を、所望の基板に所望のパターンで配置することが可能となる。また、機能性膜に対する熱処理温度や熱処理雰囲気に応じて、適切な分離層の材料を選択することにより、熱処理工程と剥離(転写)工程とを同時に行うことができるので、製造工程が簡単になり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法について、図1及び図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための図である。本実施形態に係る機能性膜の製造方法は、被剥離層を基体から剥離する工程(工程S5)において電磁波を用いることを特徴としている。
まず、図1の工程S1〜S3において、図4の(a)に示すように、基体201、分離層202、及び、被剥離層203を含む機能性膜パターン形成用構造体201〜203を作製する。
基体201の材料としては、第1の実施形態において挙げた半導体単結晶材料及び酸化物単結晶材料を含む単結晶材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料の内から、使用される電磁波の波長等に応じて適切なものが選択される。例えば、工程S5において紫外線等の光を用いる場合には、所定の波長成分を伝播又は透過させる材料を用いることが望ましい。なお、第1の実施形態とは異なり、金属材料は電磁波をほとんど反射してしまうのであまり好ましくない。また、成膜工程や、必要に応じて施される熱処理工程におけるプロセス温度に対する耐熱性も併せて考慮することが望ましい。
分離層202の材料としては、電磁波を照射されることにより分解等の反応を生じさせてガスを発生する材料が用いられる。また、分離層202の材料は、成膜工程等におけるプロセス温度を考慮して、約350℃以上の耐熱性を有していることが望ましい。具体的には、第1の実施形態において説明したのと同様に、炭酸塩、硫酸塩、又は、硝酸塩を含む化合物、又は、金属窒化物、金属硫化物、又は、金属炭化物等の金属化合物が用いられる。前者は、所定の波長を有する電磁波を照射されることにより分解してガスを発生させる。また、後者は、所定の波長を有する電磁波を照射されることにより、雰囲気中の成分や隣接する層、即ち、基体201や後述する被剥離層203に含まれる材料と反応してガスを発生させる。
被剥離層203の材料については、本発明の第1の実施形態において説明したものと同様である。また、基体201の作製方法、並びに、分離層202及び被剥離層203の形成方法についても、第1の実施形態において説明したのと同様である。この後で、必要に応じて、機能性膜パターン形成用構造体201〜203に、機能性膜の機能を向上させるための熱処理を施しても良い。
次に、図1の工程S4において、被転写用基板204を用意し、その上に、被剥離層203が被転写用基板204に対面するように、機能性膜パターン形成用構造体201〜203を配置して固定する。その際には、接着剤等を用いることにより、被剥離層203と被転写用基板204とを固定しても良い。被転写用基板204としては、エポキシ等の合成樹脂基板やガラス基板を含む所望の基板を用いて良い。また、被転写用基板204側に電極や配線を予め形成しておいても良い。
次に、工程S5において、機能性膜パターン形成用構造体201〜203に向けて電磁波を照射する。それにより、図4の(b)に示すように、分離層202において分解等の反応が生じてガスが発生する。その結果、被剥離層203が基体201から剥離され、図4の(c)に示すように、被剥離層203が被転写用基板204に転写される。或いは、ガスが発生した結果、被剥離層203と基体201との接合強度が低下するので、被剥離層203を基体201から力学的に容易に剥離できる状態になる。その場合には、電磁波の照射と同時に、又は、後の工程において被転写用基板204を剥がすことにより、被剥離層203を転写することができる。
電磁波としては、マイクロ波を含む電波、赤外線、可視光線、紫外線、及び、X線の内から、分離層202に分解等の反応を生じさせることができる電磁波が選択される。ここで、マイクロ波とは、1m〜1mm程度の波長を有する電磁波のことであり、UHF波(デシメータ波)、SHF波(センチ波)、EHF波(ミリ波)、及び、サブミリ波を含んでいる。
例えば、分離層202に対して、その分離層材料の吸収波長を含む赤外線を照射する場合には、分離層材料に含まれる分子が赤外線エネルギーを吸収して大きく振動し、その結果分離層において分解等の反応が生じる。具体的には、炭酸カルシウムの分離層に波長が6.8μm程度又は11.6μm程度の赤外線を照射する場合が挙げられる。また、分離層202に対して、その分離層材料の吸収波長を含む紫外線を照射する場合には、分離層材料に含まれる原子が紫外線エネルギーを吸収することにより外殻電子が遷移して活性化し、その結果分離層において分解等の反応が生じる。具体的には、炭酸カルシウムの分離層に波長が248nm程度の紫外線を照射する場合が挙げられる。この場合には、基体201や被剥離層203に対して熱による影響を与えることがないという利点がある。なお、赤外線や紫外線等の光を用いる場合には、図4の(b)に示すように、基体201側から分離層202に向けて電磁波を照射することが望ましい。または、機能性膜パターン形成用構造体の側面に向けて電磁波を照射しても良い。
ところで、分離層202に対してマイクロ波を照射する場合には、マイクロ波加熱の原理により分離層202が発熱して反応が生じる。ここで、マイクロ波の吸収エネルギーPは、次式(1)によって表される。
P=(1/2)σ|E|+πfεε"|E|+πfμμ"|H|
…(1)
式(1)において、σは導電率、f(Hz)はマイクロ波の周波数、εは真空の誘電率、ε"は複素比誘電率、μは真空の透磁率、μ"は複素比透磁率、Eは電場の強さ、Hは磁場の強さをそれぞれ示している。また、式(1)の第1項はジュール損失(抵抗損失)を表し、第2項は誘電損失を表し、第3項は磁気ヒステリシス損失を表している。
分離層202にマイクロ波を照射することによって電磁場を印加すると、式(1)によって表されるエネルギーに対応する熱が発生する。その結果、分離層202において分解等の反応が生じる。従って、マイクロ波を用いる場合には、効率良く熱を発生させるために、複素比誘電率ε"が大きい材料や、複素比透磁率μ"が大きい材料や、導電率σが大きい材料を分離層202として用いることが望ましい。
このようなマイクロ波加熱の原理によれば、マイクロ波が照射されることにより、分離層202はその内部まで急速且つ均一に加熱される。そのため、分離層202において素早く分解等の反応が生じるので、被剥離層203を基体201から短時間に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させることが可能となる。また、マイクロ波が照射されている間には、マイクロ波照射領域のみが局所的に加熱されており、マイクロ波の照射を停止することにより、その領域は急速に冷却されるので、他の層(例えば、被剥離層203及び被転写用基板204)に与える影響を最小限に留めることができる。なお、マイクロ波を用いる場合には、機能性膜パターン形成用構造体に照射されるマイクロ波の向きを特に限定しなくても、マイクロ波を機能性膜パターン形成用構造体の内部まで十分に到達させることができる。
(実施例1)
まず、石英のモールドを作製した。そのために、石英基板にレジストを塗布し、露光及び現像を行うことにより、レジストパターンを形成した。次に、このレジストパターンをマスクとして用いてドライエッチングを行うことにより、石英基板にパターンを形成した。さらに、アッシング(レジスト剥離)を行った。
このように作製された石英のモールド上に、PLD(パルス・レーザ成膜)法を用いて、分離層として厚さが0.1μm程度の窒化タンタル(TaN)膜を形成した。この窒化タンタル膜上に、スパッタ法により白金(Pt)の下部電極を形成し、その上に、PLD法により厚さが約200nmのBST(チタン酸バリウムストロンチウム)膜を形成した。その際には、基板温度を約550℃に加熱した。さらに、BST膜上に、スパッタ法により白金の上部電極を形成することにより、Pt/BST/Pt薄膜コンデンサを作製した。
次に、モールドの凸部に形成されたPt/BST/Pt薄膜コンデンサの上部電極上に接着剤を塗布し、エポキシの被転写用基板に接着した。さらに、モールドの裏側から窒化タンタル膜に向けて、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)を照射したところ、窒化タンタル膜が反応してガスが発生した。それにより、Pt/BST/Pt薄膜コンデンサがモールドから剥離されて被転写用基板に転写された。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、分離層に電磁波を照射することにより、比較的低温(約10℃〜約100℃)で、機能性膜を基体から容易に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させて剥離し易くすることができる。従って、蒸着法やPLD法等の成膜技術により、所定のプロセス温度(例えば、350℃以上)を経て形成された機能性膜や、高温の熱処理(例えば、800℃)により高機能を付与された機能性膜を含む素子を、所望の基板に容易に転写して利用することが可能となる。即ち、比較的耐熱性の低い樹脂基板に対して転写することもできるので、フレキシブル基板のように、アプリケーションに応じて基板の選択の幅を広げることが可能となる。
本実施形態においては、転写工程(図1の工程S5)において、機能性膜パターン形成用構造体を加熱しながら電磁波を照射しても良い。それにより、分離層202における反応を促進することができるので、より短時間に、或いは、より強度の弱い電磁波で被剥離層203を基体201から剥離し、又は、両者の接合強度を低下させることができる。併せて、機能性膜の材料に応じて熱処理温度を調節することにより、機能性膜の機能を向上させる効果も期待される。
次に、本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法の変形例について説明する。
この変形例においては、図5の(a)に示すように、基体201と分離層202との間に、さらに電磁波吸収層210を配置する。電磁波吸収層210は、電磁波を照射されることにより、その電磁波エネルギーを吸収して発熱する層である。具体的には、カーボン、セラミックス、又は、ガラス等によって形成されている。電磁波吸収層210の材料は、後の工程において使用される電磁波(マイクロ波を含む電波や赤外線等)に応じて決定することが望ましい。
このような機能性膜パターン形成用構造体を被転写用基板204上に配置し、電磁波吸収層210に向けて電磁波を照射する。それにより、図5の(b)に示すように、発熱した電磁波吸収層210によって隣接する分離層202が加熱され、分離層202において分解等の反応が生じてガスが発生する。その結果、被剥離層203が基体201から剥離され、被転写用基板204に転写される。或いは、ガスが発生した結果、被剥離層203と基体201又は電磁波吸収層210との接合強度が低下するので、電磁波の照射と同時に、又は、後の工程において被転写用基板204を剥がすことにより、被剥離層203を転写することができる。
この変形例によれば、分離層自体が電磁波に対してあまり感度を有していない(電磁波に対する反応性が高くない)場合においても、分離層に熱による反応を生じさせることができるので、電磁波の種類(波長)や分離層材料の選択の幅を広げることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る機能性膜の製造方法について、図1及び図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための図である。本実施形態に係る機能性膜の製造方法は、被剥離層を基体から剥離する工程(工程S5)において物理的な外力を用いることを特徴としている。
まず、図6の(a)に示すように、基体301、分離層302、及び、被剥離層304を含む機能性膜パターン形成用構造体301〜303を作製し(図1の工程S1〜S3)、さらに、被転写用基板304を配置して固定する(図1の工程S4)。
基体301の材料としては、第1の実施形態において挙げた半導体単結晶材料及び酸化物単結晶材料を含む単結晶材料、セラミックス材料、ガラス材料、又は、金属材料を用いることができ、それらの内から、機能性膜を形成する際の成膜工程や、必要に応じて施される熱処理工程におけるプロセス温度に対して耐熱性を有する材料が選択される。
分離層302の材料としては、へき開性を有する材料のように、外力を与えられることにより容易に割れが生じるものが用いられる。また、後の工程におけるプロセス温度(例えば、約350℃以上)を考慮して、耐熱性を有していることが望ましい。そのような材料として、六方晶窒化ホウ素(h−BN)や、雲母や、グラファイトや、ニ硫化モリブデン(MoS)を含む遷移金属カルコゲナイド等が挙げられる。また、分離層302を形成する方法としては、スパッタ法、CVD(化学気相成長法)等の公知の方法を用いることができる。
被剥離層303の材料については、本発明の第1の実施形態において説明したものと同様である。また、基体301の作製方法、及び、被剥離層303の形成方法についても、第1の実施形態において説明したものと同様である。
被転写用基板304としては、エポキシ等の合成樹脂基板のように、ある程度の弾性を有しているものを用いることが望ましい。また、被転写用基板304側に電極や配線を予め形成しておいても良い。さらに、接着剤等を用いることにより、被剥離層303と被転写用基板304とを固定しても良い。
次に、工程S5において、分離層302に外力を与える。外力を与える方法としては、例えば、分離層302に対して被転写用基板304を相対的に変位又は変形させる。具体的には、図6の(b)に示すように、基板301から被転写用基板304を剥がすようにして良いし、基板301に対して被転写用基板304を水平方向に引っ張るようにしても良い。それにより、分離層302の層内又は界面において割れが生じ、図6の(c)に示すように、被剥離層303が基体301から剥離されて被転写用基板304に転写される。或いは、外力を与えることにより、被剥離層303と基体301との接合強度が低下するので、さらに被転写用基板304を引っ張り上げることにより、被剥離層303を転写しても良い。
(実施例2)
まず、石英のモールドを作製した。そのために、石英基板にレジストを塗布し、露光及び現像を行うことにより、レジストパターンを形成した。次に、このレジストパターンをマスクとして用いてドライエッチングを行うことにより、石英基板にパターンを形成した。さらに、アッシング(レジスト剥離)を行った。
このように作製された石英のモールド上に、反応性スパッタ法を用いて、分離層として厚さが約0.2μmの六方晶窒化ホウ素(h−BN)膜を形成した。この六方晶窒化ホウ素膜上に、スパッタ法により白金(Pt)の下部電極を形成し、その上に、PLD法により厚さが約200nmのBST(チタン酸バリウムストロンチウム)膜を形成した。その際には、基板温度を約550℃に加熱した。さらに、BST膜上に、スパッタ法により白金の上部電極を形成することにより、Pt/BST/Pt薄膜コンデンサを作製した。
次に、モールドの凸部に形成されたPt/BST/Pt薄膜コンデンサの上部電極上に接着剤を塗布し、エポキシの被転写用基板に接着した。さらに、モールドを固定して非転写用基板を引っ張り上げることにより六方晶窒化ホウ素膜に外力を加えたところ、この膜において割れが生じた。それにより、Pt/BST/Pt薄膜コンデンサがモールドから剥離されて非転写用基板に転写された。
このように、本発明の第3の実施形態によれば、分離層に外力を与えることにより、機能性膜を成膜基板から容易に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させて剥離し易くすることができる。その際には、機能性膜パターン形成用構造体の外部だけでなく、内部においても温度が上昇することはないので、機能性膜や機能性膜を含む素子を、耐熱性の低い樹脂基板に転写して利用することが可能となる。
また、本実施形態において用いられている分離層302の材料は、比較的耐熱性が高いので、被転写用基板304を配置する前に、機能性膜を高温で熱処理することが可能である。例えば、h−BNは、酸素雰囲気中において安定しており、800℃〜1000℃程度の耐熱性を有している。そこで、分離層としてh−BNを用いてPZT膜を作製する場合には、例えば、800℃程度の熱処理を行うことにより、PZT膜の圧電性能を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る機能性膜の製造方法の変形例として、機能性膜パターン形成用構造体を加熱しながら分離層302に外力を与えても良い。それにより、分離層302に割れが生じ易くなるので、より少ない力で被剥離層303を剥離することができる。その際に、機能性膜の材料に応じて温度を調節することにより、機能性膜の機能を向上させることも期待される。その場合には、熱処理温度に応じて、被転写用基板304や接着剤の材料を選択することが望ましい。
或いは、本実施形態に係る機能性膜の製造方法の別の変形例として、分離層302に電磁波を照射しながら外力を与えても良い。例えば、紫外線を照射することにより分離層302に含まれる材料を活性化したり、赤外線やマイクロ波を照射することにより分離層302を加熱することができるので、より少ない力で分離層302内に割れを生じさせることができる。なお、赤外線や紫外線等の光を照射する場合には、使用される電磁波に対して透明な基体材料を用いて、基体301の裏側から分離層302に向けて電磁波を照射することが望ましい。
本発明の第1〜第3の実施形態に係る機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜パターン形成用構造体の変形例として、機能性膜の上面や下面に電極を形成しても良い。例えば、図7に示すように、電極層105a及び機能性材料層105bを含む被剥離層105を形成しても良いし、図8に示すように、機能性材料層106a及びその上面の電極層106bを含む被剥離層106を形成しても良い。また、機能性材料層の上面及び下面の両方に電極層を形成したものを被剥離層としても良い。電極層105a及び106bは、スパッタ法、蒸着法等の公知の方法により形成することができる。
また、本発明の第1〜第3の実施形態においては、被剥離層を基体から剥離するのと同時に被転写用基板に転写している。しかしながら、被転写用基板を用いることなく、単に、被剥離層の剥離のみを行っても良い。それにより、予め所望の形状に成形された機能性膜、又は、機能性膜及び電極を含む機能性素子を得ることができる。なお、へき開性を有する材料を分離層として用いる場合には、例えば、分離層の側面に物理的な刺激(例えば、衝撃等)を加える等の方法により、分離層に外力を与えることができる。
以上説明した第1〜第3の実施形態において使用される基体は、被剥離層を剥離した後で洗浄又はエッチング等を行って残留した分離層等を除去することにより、再使用することができる。従って、基体を作製する工程を削減できると共に、製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明は、誘電体、圧電体、焦電体、磁性体、半導体、超伝導体等の機能性材料を含むメモリー素子、圧電素子、焦電素子、コンデンサ等の受動素子、光学素子、超伝導素子、光電変換素子、マイクロ磁気素子、及び、半導体素子、並びに、それらの素子が適用された機器において利用することが可能である。
本発明の第1〜第3の実施形態に係る機能性膜の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 機能性膜パターン形成用構造体の変形例を示す断面図である。 機能性膜パターン形成用構造体の別の変形例を示す断面図である。
符号の説明
101、201、301 基体
102、202、302 分離層
103、105、106、203、303 被剥離層
104、204、304 被転写用基板
210 電磁波吸収層
105a、106b 電極層
105b、106a 機能性材料層

Claims (41)

  1. 所定のパターンが形成された基体と、
    加熱されることにより、若しくは、電磁波を照射されることにより、分解してガスを発生し、若しくは、雰囲気中の成分又は隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料、又は、へき開性を有する材料を含み、前記基体上に直接又は間接的に配置された分離層と、
    前記分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層と、
    を具備する機能性膜パターン形成用構造体であって、
    前記被剥離層が、前記分離層を加熱することにより、若しくは、前記分離層に向けて電磁波を照射することにより、若しくは、前記分離層に外力を与えることにより、前記基体から剥離される、又は、前記被剥離層と前記基体との接合強度が、前記分離層を加熱することにより、若しくは、前記分離層に向けて電磁波を照射することにより、若しくは、前記分離層に外力を与えることにより低下する、前記機能性膜パターン形成用構造体。
  2. 前記分離層が、炭酸塩と、硫酸塩と、硝酸塩との内の少なくとも1つを含む、請求項1記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  3. 前記分離層が、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)の内の少なくとも1つを含む、請求項2記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  4. 前記分離層が、金属窒化物と、金属炭化物と、金属硫化物との内の少なくとも1つを含む、請求項1記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  5. 前記基体と前記分離層との間に配置され、電磁波を吸収することにより発熱する材料によって形成された電磁波吸収層をさらに具備する、請求項1〜4のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  6. 前記電磁波吸収層が、カーボン、セラミックス、又は、ガラスを含む、請求項5記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  7. 前記分離層が、窒化ホウ素を含む、請求項1記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  8. 前記分離層が、雲母、グラファイト、ニ硫化モリブデン(MoS)を含む遷移金属カルコゲナイドの内の少なくとも1つを含む、請求項1記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  9. 前記基体が、酸化物単結晶材料又は半導体単結晶材料を含む単結晶材料と、セラミックス材料と、ガラス材料との内のいずれか1つを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  10. 前記基体が、金属材料を含む、請求項1及び7〜9のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  11. 前記機能性膜が、圧電性材料と、焦電性材料と、強誘電性材料との内の少なくとも1つを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  12. 前記機能性膜が、超伝導材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  13. 前記機能性膜が、磁性材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  14. 前記機能性膜が、半導体材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  15. 前記被剥離層が、機能性膜と、該機能性膜の上面又は下面に形成された電極層とを有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の機能性膜パターン形成用構造体。
  16. 所定のパターンが形成された基体を用意する工程(a)と、
    前記基体上に、直接又は間接的に分離層を形成する工程(b)と、
    前記分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、
    前記分離層を加熱することにより、又は、前記分離層に向けて前記電磁波を照射することにより、又は、前記分離層に外力を与えることにより、前記被剥離層を前記基体から剥離させる、又は、前記被剥離層と前記基体との接合強度を低下させる工程(d)と、
    を具備する機能性膜の製造方法。
  17. 前記分離層が、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を含む、請求項16記載の機能性膜の製造方法。
  18. 前記分離層が、電磁波を照射されることにより分解してガスを発生する無機材料を含む、請求項16記載の機能性膜の製造方法。
  19. 前記分離層が、炭酸塩と、硫酸塩と、硝酸塩との内の少なくとも1つを含む、請求項17又は18記載の機能性膜の製造方法。
  20. 前記分離層が、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)の内の少なくとも1つを含む、請求項19記載の機能性膜の製造方法。
  21. 前記分離層が、加熱されることにより、雰囲気中の成分又は隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を含む、請求項16記載の機能性膜の製造方法。
  22. 前記分離層が、電磁波を照射されることにより、雰囲気中の成分又は隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を含む、請求項16記載の機能性膜の製造方法。
  23. 前記分離層が、金属窒化物と、金属炭化物と、金属硫化物との内の少なくとも1つを含む、請求項21又は22記載の機能性膜の製造方法。
  24. 工程(b)に先立って、前記基体上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程をさらに具備する請求項17〜23のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  25. 前記電磁波吸収層が、カーボン、セラミックス、又は、ガラスを含む、請求項24記載の機能性膜の製造方法。
  26. 工程(d)が、前記分離層に向けて紫外線を照射することを含む、請求項18又は22記載の機能性膜の製造方法。
  27. 工程(d)が、前記分離層又は前記電磁波吸収層に向けて赤外線を照射することを含む、請求項18、22、24、及び、25のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  28. 工程(d)が、前記分離層又は前記電磁波吸収層に向けてマイクロ波を照射することを含む、請求項18、22、24、及び、25のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  29. 前記分離層が、へき開性を有する材料を含む、請求項16記載の機能性膜の製造方法。
  30. 前記分離層が、窒化ホウ素を含む、請求項29記載の機能性膜の製造方法。
  31. 前記分離層が、雲母、グラファイト、ニ硫化モリブデン(MoS)を含む遷移金属カルコゲナイドの内の少なくとも1つを含む、請求項29記載の機能性膜の製造方法。
  32. 前記基体が、酸化物単結晶材料又は半導体単結晶材料を含む単結晶材料と、セラミックス材料と、ガラス材料との内のいずれか1つを含む、請求項16〜31のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  33. 前記基体が、金属材料を含む、請求項17、21、及び、29〜31のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  34. 前記機能性膜が、圧電性材料と、焦電性材料と、強誘電性材料との内の少なくとも1つを含む、請求項16〜33のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  35. 前記機能性膜が、超伝導材料を含む、請求項16〜33のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  36. 前記機能性膜が、磁性材料を含む、請求項16〜33のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  37. 前記機能性膜が、半導体材料を含む、請求項16〜33のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  38. 工程(c)が、前記分離層上に電極層を形成する工程と、該電極層上に機能性膜を形成する工程とを含む、請求項16〜37のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  39. 工程(c)が、前記分離層上に直接又は間接的に形成された機能性膜上に電極層を形成する工程を含む、請求項16〜38のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  40. 工程(d)に先立って、前記被剥離層上に第2の基板を配置する工程(c')をさらに具備し、
    工程(d)が、前記被剥離層を前記基体から剥離して、前記第2の基板に転写することを含む、請求項16〜39のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  41. 工程(c')が、接着剤を用いることにより、前記被剥離層に対して前記第2の基板を固定することを含む、請求項40記載の機能性膜の製造方法。
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