JP2000347026A - 転写用素子 - Google Patents
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Abstract
の偏光を生じるコレステリック液晶フィルムから構成さ
れる転写用素子を提供する。 【解決手段】 支持基板/コレステリック液晶層/接着
剤層から少なくとも構成される積層体であって、コレス
テリック液晶層が、温度40〜300℃、圧力0.05
〜80MPaの加温加圧条件下において回折素子基板の
回折パターンを転写し、一部に回折能を示す領域を形成
したコレステリック液晶フィルムから少なくとも構成さ
れる転写用素子である。
Description
折光を生じるコレステリック液晶フィルムを容易に転写
することができる転写用素子に関する。
分光や光束の分割を行う目的で広く用いられている汎用
光学素子である。回折素子は、その形状からいくつかの
種類に分類され、光が透過する部分と透過しない部分を
周期的に配置した振幅型回折素子、透過性の高い材料に
周期的な溝を形成した位相型回折素子などに通常分類さ
れる。また、回折光の生じる方向に応じて透過型回折素
子、反射型回折素子と分類される場合もある。
(非偏光)を入射した際に得られる回折光は非偏光しか
得ることができない。分光光学などの分野で頻繁に用い
られるエリプソメーターのような偏光光学機器では、回
折光として非偏光しか得ることができないため、光源よ
り発した自然光を回折素子により分光し、さらにこれに
含まれる特定の偏光成分だけを利用するために、回折光
を偏光子を通して用いる方法が一般的に行われている。
この方法では、得られた回折光のうちの約50%以上が
偏光子に吸収されるために光量が半減するという問題が
あった。またそのために感度の高い検出器や光量の大き
な光源を用意する必要もあり、回折光自体が円偏光や直
線偏光のような特定の偏光となる回折素子の開発が求め
られていた。
解決するものであり、特定の条件で回折素子基板の回折
パターンを液晶層に転写することで、コレステリック液
晶層の一部の領域に回折能を付与することに成功し、偏
光回折という新たな光学特性を有するコレステリック液
晶フィルムを被転写物に対して容易に転写することがで
きる転写用素子を発明するに至った。
基板/コレステリック液晶層/接着剤層から少なくとも
構成される積層体であって、コレステリック液晶層が、
温度40〜300℃、圧力0.05〜80MPaの加温
加圧条件下において回折素子基板の回折パターンを転写
し、一部に回折能を示す領域を形成したコレステリック
液晶フィルムから少なくとも構成される転写用素子に関
する。
る。本発明の光学積層体は、支持基板/コレステリック
液晶層/接着剤層から少なくとも構成されるものであ
る。ここで支持基板/コレステリック液晶層/接着剤層
とは、支持基板、コレステリック液晶層、接着剤層の順
に積層された構成を意味する。なお支持基板とコレステ
リック液晶層との間には、中間層を有することもでき、
例えば接着剤層、剥離層等を中間層として用いることが
できる。以下、順に本発明の構成要素について説明す
る。
レステリック液晶層の支持体として機能するものであ
り、コレステリック液晶層が被転写物に転写された後、
支持基板は剥離除去される。このような機能を有する支
持基板としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルフ
ァイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコ
ール、セルロース系プラスチックスや、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ノ
ルボルネン系樹脂などの鎖式または脂環式ポリオレフィ
ン等から形成されたプラスチックフィルムやシート等が
挙げられる。また支持基板としては、後述するコレステ
リック液晶フィルム形成の際に用いることができる各種
配向支持基板をそのまま支持基板として利用することも
できる。
ルムやシートの表面にシリコン処理等の表面処理、また
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいは
パラフィン系のワックスをコーティングしたもの等も支
持基板として使用することができる。さらには支持基板
となるプラスチックフィルムやシートに対して、エンボ
ス加工等の物理的変形処理、親水化処理、疎水化処理等
を行ったものも本発明の構成要素である支持基板として
使用することができる。
好ましくは15〜150μm、さらに好ましくは20〜
100μmである。8μmより薄い場合、得られる転写
用素子のハンドリング性を悪化させる恐れがある。また
200μmより厚い場合には、剥離転写操作がスムーズ
に行えない可能性がある。
ク液晶層が転写された際には除去されるものであり、そ
の剥離界面は通常、支持基板とコレステリック液晶層と
の界面間である。
ック液晶層とは、温度40〜300℃、圧力0.05〜
80MPaの加温加圧条件下において回折素子基板の回
折パターンを転写し、一部に回折能を示す領域を形成し
たコレステリック液晶フィルムから少なくとも構成され
るものである。該コレステリック液晶フィルムは、コレ
ステリック配向フィルムに温度40〜300℃、圧力
0.05〜80MPaの加温加圧条件下において回折素
子基板の回折パターンを転写することにより得ることが
できる。
ンを転写する際に用いられる回折素子基板の材質として
は、金属や樹脂のような材料であっても良く、あるいは
フィルム表面に回折機能を付与したもの、あるいはフィ
ルムに回折機能を有する薄膜を転写したもの等、およそ
回折機能を有するものであれば如何なる材質であっても
良い。なかでも取り扱いの容易さや量産性を考えた場
合、回折機能を有するフィルムまたはフィルム積層体が
より望ましい。
グラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定
義として含む。またその種類については、表面形状に由
来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプ
であってもよいし、表面形状に因らない、または表面形
状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変
調ホログラムのタイプであっても良い。本発明において
は、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶に付
与することができる点から、膜厚変調ホログラムのタイ
プがより好適に用いられる。また屈折率変調のタイプで
あっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したもので
あれば本発明に好適に用いることができる。
ムに転写する際の加温加圧条件は、通常、温度40〜3
00℃、好ましくは70〜180℃、圧力0.05〜8
0MPa、好ましくは0.1〜20MPaの条件下で行
う。温度が40℃未満の場合、室温で十分安定な配向状
態を有するコレステリック配向フィルムにおいては回折
パターンの転写が不十分となる恐れがある。また300
℃を越えるとコレステリック配向フィルムの分解や劣
化、また配向乱れ等が起こる恐れがある。また圧力が
0.05MPaより低い場合、回折パターンの転写が不
十分となる恐れがある。さらに80MPaより高い場合
には、コレステリック配向フィルムや他の基材の破壊等
が起こりうる可能性があり望ましくない。
配向フィルムを形成しているフィルム材料の種類、フィ
ルム形態、回折パターン型の材質などにより異なるため
一概には言えないが、通常0.01秒以上、好ましくは
0.05秒〜1分である。処理時間が0.01秒より短
い場合、回折パターンの転写が不十分となる恐れがあ
る。また1分を越えるような処理時間は生産性の観点か
ら望ましいとは言えない。
満足する例えば一般の圧縮成型機、圧延機、カレンダー
ローラー、ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタ
ンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、コレステリッ
ク配向フィルムの液晶面と回折パターン面が接するよう
にした状態で成型機等に供することにより、回折素子基
板の回折パターンをコレステリック配向フィルムに転写
することができる。また回折パターンの転写は、コレス
テリック配向フィルムの片面のみに限られるものではな
く、同様の方法により、コレステリック配向フィルム両
面に回折パターンを転写することもできる。
晶フィルムは、コレステリック配向フィルムに回折パタ
ーンを転写することにより、転写された領域におけるコ
レステリック液晶フィルムの配向状態が、螺旋軸方位が
膜厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向、好
ましくは螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、か
つ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレス
テリック配向を形成する。またそれ以外の領域において
は、回折パターンを転写する前のコレステリック配向フ
ィルムが通常形成している配向状態、すなわち螺旋軸方
位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔な螺旋構造を形成している。このよう
な特異なコレステリック配向状態を形成・固定化するこ
とによってフィルムの一部に回折能を示す領域を形成す
ることができる。ここで回折能を示す領域とは、その領
域を透過した光またはその領域で反射された光が、幾何
学的には影になる部分に回り込むような効果を生じる領
域を意味する。また回折能を有する領域の有無は、例え
ばレーザー光等を前記領域に入射し、直線的に透過また
は反射する光(0次光)以外に、ある角度をもって出射
する光(高次光)の有無により確認することができる。
また別法としては、原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡
などで液晶層の表面形状や断面形状を観察することによ
り回折能を示す領域が形成されているか否か確認するこ
とができる。また回折能を示す領域は、フィルム表面お
よび/またはフィルム内部のいずれの領域であってもよ
く、例えばフィルム表面の一部(フィルム表面領域)、
フィルム内部の一部(フィルム内部領域)に形成するこ
とができる。また当該領域は、コレステリック液晶フィ
ルムの複数領域、例えばフィルム表裏面領域、複数のフ
ィルム内部領域にそれぞれに形成することもできる。な
お本発明で言うフィルム表面とは、コレステリック液晶
フィルム単体において外部に接する部分を、またフィル
ム内部とは、外部に接する以外の部分をそれぞれ意味す
る。
形成された回折能を示す領域は、例えばフィルム表面や
内部に均一な厚さを持った層状態として形成されている
ことは必ずしも必要とせず、フィルム表面やフィルム内
部の少なくとも一部に回折能を示す領域が形成されてい
ればよい。例えば回折能を示す領域が、所望の図形、絵
文字、数字等の型を象るように有したものであってもよ
い。さらに回折能を示す領域を複数有する場合、全ての
前記領域が同じ回折能を示す必要性はなく、それぞれの
領域において異なった回折能を示すものであってもよ
い。
されている場合、回折能を示す層(領域)の厚みとして
は、コレステリック液晶フィルムの膜厚に対して通常5
0%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは1
0%以下の厚みを有する層状態で形成されていることが
望ましい。回折能を示す層(領域)の厚さが50%を超
えると、コレステリック液晶相に起因する選択反射特
性、円偏光特性等の効果が低下し、本発明の効果を得る
ことができない恐れがある。
リック液晶フィルムにおいて、回折能を示す領域が一方
のフィルム表面領域に有する際、そのフィルムの表裏、
すなわち回折能を示す領域を有するフィルム面とその面
とは反対のフィルム面とは多少異なった光学効果、呈色
効果等を示すものである。したがって用途や目的とする
機能等に応じ、コレステリック液晶フィルムのフィルム
面の配置位置等を選択することが望ましい。
向フィルムは、高分子液晶および/または低分子液晶を
フィルム材料として、均一でモノドメインなコレステリ
ック配向が固定化されたフィルム状物、シート状物、板
状物等であり、コレステリック配向フィルム自体の製法
等には何ら限定されるものではない。
料となる高分子液晶としては、コレステリック配向が固
定化できるものであれば特に制限はなく、主鎖型、側鎖
型高分子液晶等いずれでも使用することができる。具体
的にはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、あるい
はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネ
ート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶ポリマーなどが
挙げられる。なかでもコレステリック配向を形成する上
で配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエ
ステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例え
ば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは
脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
ム材料となる低分子液晶としては、例えばアクリロイル
基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入したビフェ
ニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン
誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。また低
分子液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピ
ック性のどちらも用いることができるが、サーモトロピ
ック性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより
好適である。
知の方法、例えば高分子液晶を用いる場合には、配向基
板上に高分子液晶を配した後、熱処理等によってコレス
テリック液晶相を発現させ、その状態から急冷してコレ
ステリック配向を固定化する方法を用いることができ
る。また低分子液晶を用いる場合には、配向基板上に低
分子液晶を配した後、熱処理等によってコレステリック
液晶相を発現させ、その状態を維持したまま光、熱また
は電子線等により架橋させてコレステリック配向を固定
化する方法等を適宜採用することができる。
フィルムの耐熱性等を向上させるために、フィルム材料
中にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、
例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等
の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加す
ることによりコレステリック相を発現させた状態で架橋
させることもできる。さらにフィルム材料には、コレス
テリック液晶相の発現を妨げない範囲において二色性色
素、染料や顔料等を適宜添加することもできる。
得られるコレステリック配向フィルムに特定の加温加圧
条件で回折素子基板の回折パターンを転写することによ
り、本発明の構成要素であるコレステリック液晶層を構
成するコレステリック液晶フィルムを得ることができ
る。
晶層の構成は、通常、上記の方法によって得られたコレ
ステリック液晶フィルム1層からなる。また用途や要求
される光学特性等に応じてコレステリック液晶フィルム
を複数層積層してなる構成、またコレステリック液晶フ
ィルム1層または複数層と回折能を示す領域を有しない
コレステリック配向フィルム等を1層または複数層とを
積層した構成等であってもよい。さらにコレステリック
液晶フィルムおよび回折能を示す領域を有しないコレス
テリック配向フィルムをそれぞれ2層以上積層する場
合、コレステリック液晶フィルムとコレステリック配向
フィルムを交互に積層した構成とすることもできる。
3〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好
ましくは0.7〜10μmである。この範囲を外れた場
合には本発明の効果を有効に発現できない恐れがある。
なお複数層のフィルムから構成される場合には、その全
フィルムの膜厚の合計が上記範囲に入ることが望まし
い。
写物とコレステリック液晶層との間の接着を目的として
形成されるものである。接着剤層としては、特に限定さ
れるものではなく、従来公知の様々な粘・接着剤、具体
的にはホットメルト型接着剤、光または電子線硬化型の
反応性接着剤等を適宜用いることができる。なかでも転
写時の作業性の観点からホットメルト型接着剤が本発明
では好適に用いられる。
ないが、ホットメルトの作業温度が250℃以下、好ま
しくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜16
0℃程度のものが作業性等の観点から望ましく用いられ
る。具体的には、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、熱可塑性ゴム系、ポリアクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、石油系樹脂、テル
ペン系樹脂、ロジン系樹脂等をベース樹脂とするホット
メルト接着剤を用いることができる。
線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマー
に必要に応じて他の単官能性モノマー、多官能性モノマ
ー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を
配合したものを用いることができる。
ーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポ
リエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレー
ト、ポリオールメタクリレート等を例示することができ
る。また光または電子線重合性を有するモノマーとして
は、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官
能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の
多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示で
きる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えば
アロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;
東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学
(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)
等を用いることができる。
フェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイ
ン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベン
ジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィン
オキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等
により適宜選択するものであり一概にはいえないが、通
常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50
〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜50
0mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場
合、所望の厚さが得られ難くくなる。また2000mP
a・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり
望ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合に
は、適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にす
ることが好ましい。
合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例
えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ等を使用することができ
る。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異
なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ
/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2であ
る。
場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力
や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえ
ないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好まし
くは100〜500kVの条件で照射して硬化すること
ができる。
剤を用いる場合も特に制限されるものではなく、例えば
ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテ
ル系粘着剤などを用いることができる。接着剤層の厚さ
は、用いられる用途やその作業性等により異なるため一
概にはいえないが、通常0.5〜50μm、好ましくは
1〜10μmである。
る転写用素子の製造方法により異なるが、例えばロール
コート法、ダイコート法、バーコート法、、カーテンコ
ート法、エクストルージョンコート法、、グラビアロー
ルコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公
知の方法を用いてコレステリック液晶層上等に形成する
ことができる。
てもよく、また転写する前に予め接着剤層を形成してお
くことも可能である。例えば当該接着剤層上に離型紙等
を積層する等の方法によって、支持基板/コレステリッ
ク液層層/接着剤層/離型紙という構成として予め転写
用素子を用意しておき、転写を行う際に離型紙を接着剤
層から除去して転写工程を行う等、適宜転写工程に応じ
て選択することができる。
板とコレステリック液晶層との間には中間層を有するこ
ともできる。中間層としては、例えば接着剤層、離型
層、保護層等を挙げることができる。
はないが、例えば先に説明した光または電子線硬化型の
反応性接着剤を適宜用いることができる。また離型層と
しては、例えば熱により流動性を示すワックス、シリコ
ーン、フッ素系離型剤等から形成することができる。
により、転写後のコレステリック液晶層の表面保護、強
度増加、環境信頼性向上といった効果を予め付与してお
くこともできる。保護層としては、紫外線吸収性および
/またはハードコート性を有するものであれば特に限定
されるものではない。例えば紫外線吸収剤およびハード
コート剤を含有した保護層形成材料をフィルム状物、シ
ート状物、薄膜状物、板状物に形成したものが挙げられ
る。また紫外線吸収剤を含有した保護層形成材料からな
る紫外線吸収性を有した保護層(以下、紫外線吸収層)
と、ハードコート剤を含有した保護層形成材料からなる
ハードコート性を有した保護層(以下、ハードコート
層)との積層物を保護層として用いることもできる。ま
た一般に市販されている紫外線カットフィルムとハード
コートフィルムとの積層物を保護層として用いることが
できる。また紫外線吸収層に各種ハードコート剤を塗布
して成膜した積層物も保護層として用いることができ
る。ここで紫外線吸収層およびハードコート層は、それ
ぞれ2層以上から形成されてもよく、各層はそれぞれ接
着剤層等を介して積層することができる。
ものが望ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリスチレ
ン、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリスルフォン、セルロース系樹脂等に紫外線吸収剤お
よび/またはハードコート剤を添加したものを用いるこ
とができる。また保護層としては、熱、光または電子線
硬化型の反応性接着剤に紫外線吸収剤および/またはハ
ードコート剤を添加した接着剤組成物を用いることもで
き、その接着剤組成物の硬化物を保護層とすることもで
きる。
板とコレステリック液晶層との間には、接着剤層および
離型層の2層、接着剤層、離型層および保護層の3層を
中間層として構成することもできる。また中間層を有す
る場合において、当該転写用素子を転写した際の支持基
板との剥離界面は、支持基板と中間層との界面となる。
さらに中間層として保護層を設けることなく、転写後の
コレステリック液晶層表面に直接保護層を形成すること
もできる。保護層としては上記の如き紫外線吸収性およ
び/またはハードコート性を有するものであれば特に制
限されるものではない。
(1)支持基板上に順次本発明の構成となるように積層
する、(2)表面にあらかじめ接着剤層を形成した支持
基板に、別途作製した残りの積層体を、加圧、加熱、硬
化等の手段を単独または組み合わせて貼合する、(3)
支持基板に、別途作製した残りの積層体を剥離性基板上
に用意しておき、支持基板側へ加圧、加熱、硬化等の手
段を単独または組み合わせて転写して剥離性基板を取り
除き、最外層となるコレステリック液晶層上に接着剤層
を形成する、といった方法等が挙げられる。
基板上に形成したコレステリック液晶フィルム層を、表
面にあらかじめ接着剤層を形成した支持基板またはコレ
ステリック液晶フィルムに接着剤層を形成して支持基板
に転写し、配向基板を剥離除去する。次いでコレステリ
ック液晶フィルム層に接着剤層を形成する方法、(2)
配向基板上に形成したコレステリック液晶フィルムを配
向基板とは異なる別の第2の基板上に接着剤層を介して
転写し、配向基板を剥離除去する。次いであらかじめ接
着剤層を形成した支持基板またはコレステリック液晶フ
ィルムに接着剤層を形成して、支持基板にコレステリッ
ク液晶フィルムを転写し、コレステリック液晶フィルム
から第2の基板のみ剥離除去した後、コレステリック液
晶フィルム上に接着剤層を形成する方法、(3)配向基
板上に形成したコレステリック液晶フィルムを配向基板
とは異なる第2の基板に接着剤層を介して転写し、配向
基板を剥離除去する。次いで第3の基板上に接着剤層を
介してコレステリック液晶フィルムを転写し、第2の基
板を剥離除去する。次いであらかじめ接着剤層が形成さ
れた支持基板にコレステリック液晶フィルムを転写し、
第3の基板を剥離除去した後、コレステリック液晶フィ
ルム上に接着剤層を形成する方法、等が挙げられる。
再剥離性基板という。)とは、再剥離性を有し、自己支
持性を具備する基板であれば特に限定されず、該基板と
しては、通常剥離性を有するプラスチックフィルムが望
ましく用いられる。またここでいう再剥離性とは、接着
剤を介しコレステリック液晶フィルムと再剥離性基板を
接着した状態において、接着剤層と再剥離性基板との界
面で剥離できることを意味する。このような再剥離性基
板の材料としては、具体的にはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、4−メチルペンテン−1樹脂等のオレフィン系
樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルス
ルフォン、ポリケトンサルファイド、ポリスルフォン、
ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セル
ロース系プラスチック等が挙げられる。これら材料から
形成されるプラスチックフィルムはプラスチックフィル
ム自身を再剥離性基板として用いてもよいし、適度な再
剥離性を持たせるためにプラスチックフィルム表面に、
シリコーンやフッ素系樹脂をコートしたもの、有機薄膜
または無機薄膜を形成したもの、化学的処理を施したも
の、蒸着は表面研磨等の物理的処理を施したものも用い
ることができる。
性基板に転写する際に用いられる接着剤としては、特に
限定されるものではないが、望ましくは上述にて説明し
た熱、光または電子線硬化型の反応性接着剤等を適宜用
いることができる。
しては、例えば配向基板や再剥離性基板のコーナー端部
に粘着テープを貼り付けて人為的に剥離する方法、ロー
ル等を用いて機械的に剥離する方法、構造材料全てに対
する貧溶媒に浸積した後に機械的に剥離する方法、貧溶
媒中で超音波をあてて剥離する方法、配向基板、再剥離
性基板とコレステリック液晶フィルムとの熱膨張係数の
差を利用し、温度変化を与えて剥離する方法等を適宜採
用することができる。なお上記製造方法は、あくまでも
例示であり本発明の転写用素子はこれらに限定されるも
のではない。
する接着剤層の種類にもよるが、例えばポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリス
ルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアル
コール、ポリアセタール、ポリアリレート、セルロース
系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の
シート、フィルムあるいは各種成型品、または紙、合成
紙等の紙類、金属箔、ガラス等の様々な被転写物に対し
て容易に支持基板からコレステリック液晶層を配向乱れ
や割れを生じることなく、また所望の形状で転写するこ
とができる。また本発明の構成要素である接着剤として
ホットメルト型接着剤を用いた場合には、加熱、加圧、
衝撃を瞬時に加えることができるいわゆるホットスタン
プ装置を用いた際には、転写、剥離、除去の一連の操作
が同時に、また瞬時に行うことが可能である。
を有するという、従来の光学部材には無い特異な効果を
有するコレステリック液晶層を被転写物に転写すること
ができる。この特異な効果により、例えばエリプソメー
ターのような偏光を必要とする分光光学機器にコレステ
リック液晶層を転写して用いることにより、光の利用効
率を極めて高くすることが可能となる。従来の偏光を必
要とする分光光学機器では、光源より発した光を回折格
子やプリズム等の分光素子を用いて波長ごとに分光した
後に偏光子を透過させる、または偏光子を透過させた後
に分光する必要があり偏光子が必須であった。この偏光
子は、入射した光の約50%を吸収してしまい、また界
面での反射が生じるために光の利用効率が極めて悪いと
いった問題があったが、本発明の転写用素子を用いてコ
レステリック液晶層を所望の箇所に転写することにより
光の利用効率を極めて高く、理論的には約100%利用
することが可能となる。また本発明の転写用素子を構成
するコレステリック液晶層は、通常の偏光板を用いるこ
とによって容易に回折光の透過および遮断をコントロー
ルすることが可能である。通常、偏光性を有していない
回折光では、どのような偏光板と組み合わせても完全に
遮断することはできない。すなわち本発明の転写用素子
の構成要素であるコレステリック液晶層では、例えば右
偏光性を有する回折光は、左円偏光板を用いた時にのみ
完全に遮断することができ、それ以外の偏光板を用いて
も完全な遮断を実現することができないものである。こ
のような特異な効果を有することから、例えば観察者が
偏光板越しに回折像を観察する環境において、偏光板の
状態を変化させることによって、回折像を暗視野から突
然浮かび上がらせたり、また突然消失させたりすること
が可能となる。
写物に容易にコレステリック液晶層を転写することがで
き、また転写されたコレステリック液晶層は新たな回折
機能素子として応用範囲は極めて広く、種々の光学用素
子や光エレクトロニクス素子、装飾用部材、偽造防止用
素子等として使用することができる。
素子としては、例えば支持基板として透明かつ等方なフ
ィルム、例えばフジタック(富士写真フィルム社製)、
コニカタック(コニカ社製)などのトリアセチルセルロ
ースフィルム、TPXフィルム(三井化学社製)、アー
トンフィルム(日本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィ
ルム(日本ゼオン社製)、アクリプレンフィルム(三菱
レーヨン社製)等に本発明の転写用素子を用いてコレス
テリック液晶層を転写し、光学積層体を得ることによっ
て様々な光学用途への展開を図ることが可能である。例
えば前記光学積層体をTN(twisted nema
tic)−LCD(Liquid Crystal D
isplay)、STN(Super Twisted
Nematic)−LCD、ECB(Electri
cally Controlled Birefrin
gence)−LCD、OMI(Optical Mo
de Interference)−LCD、OCB
(Optically Compensated Bi
refringence)−LCD、HAN(Hybr
id Aligned Nematic)−LCD、I
PS(In Plane Switching)−LC
D等の液晶ディスプレーに備えることによって色補償お
よび/または視野角改良された各種LCDを得ることが
できる。また前記光学積層体を上記したように分光され
た偏光を必要とする分光光学機器、回折現象により特定
の波長を得る偏光光学素子、光学フィルター、円偏光
板、光拡散板等として用いることも可能であり、さらに
1/4波長板と組み合わせることによって直線偏光板を
得ることもできる等、光学用素子や光エレクトロニクス
素子として従来にない光学効果を発現しうる様々な光学
部材を提供することができる。
色効果とコレステリック液晶による色鮮やかな呈色効果
等を併せ持った新たな部材としてさまざまな製品等にコ
レステリック液晶層を転写することができる。また容易
にコレステリック液晶層を転写することができることか
ら既存製品等に添付する、一体化する等の方法によっ
て、他の類似製品との差別化にも大きく貢献することが
期待できる。例えば、意匠性のある回折パターンを組み
込んだ本発明のコレステリック液晶層をガラス窓等に転
写すると、外部からはその視角によって前記回折パター
ンを伴ったコレステリック液晶特有の選択反射が異なっ
た色に見え、ファッション性に優れたものとなる。また
明るい外部からは内部が見え難く、それにもかかわらず
内部からは外部の視認性がよい窓とすることができる。
コレステリック液晶のそれぞれの偽造防止効果を併せ持
った新たな偽造防止フィルム、シール、ラベル等として
用いることができる。具体的には本発明の転写用素子を
用いて例えば自動車運転免許証、身分証明証、パスポー
ト、クレジットカード、プリペイドカード、各種金券、
ギフトカード、有価証券等のカード基板、台紙等に転写
することによって、コレステリック液晶層をカード基
板、台紙等と一体化するまたは一部に設ける、具体的に
は貼り付ける、埋め込む、紙類に織り込むことができ
る。また本発明の転写用素子を構成するコレステリック
液晶層は、回折能を示す領域がコレステリック液晶層の
一部に有しており、またコレステリック液晶の波長選択
反射性、円偏光選択反射性、色の視角依存性、コレステ
リックカラーの美しい色を呈する効果を併せ持ったもの
である。したがって本発明の転写用素子の構成要素であ
るコレステリック液晶層を、偽造防止用素子として用い
た場合には、該コレステリック液晶層の偽造は極めて困
難である。また偽造防止効果あわせて、回折素子の虹色
呈色効果、コレステリック液晶の色鮮やかな呈色効果を
有することから意匠性にも優れたものである。これらの
ことから本発明の転写用素子を構成するコレステリック
液晶層は偽造防止用素子として非常に有用である。
の転写用素子は、従来、回折素子単体、コレステリック
液晶性フィルム単体が使用されている各種用途や、新た
な光学的効果を発現することが可能であること等から前
記用途以外の様々な用途に、その特異な光学効果を発現
するコレステリック液晶層を容易に、かつ該液晶層に配
向乱れ、割れ等が生じることなく転写することができる
ことから、様々な用途において応用展開が可能である。
れらに限定されるものではない。
タン(重量比60/40)混合溶媒、濃度0.5g/d
l、温度30℃での対数粘度が0.144、ガラス転移
温度(Tg)85℃の液晶性ポリエステルのN−メチル
−2−ピロリドン溶液を調製した(溶液濃度20重量
%)。この溶液をラビング処理したポリフェニレンスル
フィドフィルム上にスピンコート法で製膜し、200℃
で5分間熱処理したところ、金色の鏡面反射を呈するフ
ィルムが得られた。得られたフィルムを日本分光(株)
製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペク
トルを測定したところ、中心波長約600nm、選択反
射波長帯域幅約100nmの選択反射を示すコレステリ
ック配向フィルムが形成されていることが確認された。
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面と参考例1で得たポリフェニレンス
ルフィドフィルム上に形成されたコレステリック配向フ
ィルムの液晶面が向き合うように重ね、伸栄産業社製2
6トンプレスのプレート上に乗せ、95℃、5MPaの
条件で加熱加圧し1分間保持した。保持した後、プレス
から取り出し、刻線式回折格子フィルムを取り除いた。
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
フィルムに回折パターンを転写することによって回折能
を示す領域が形成されたコレステリック液晶フィルムが
得られたことを確認した。
ステリック液晶層上にホットメルト接着剤層を形成し、
転写用素子を得た。得られた転写用素子を、10cm
角、厚さ1mmのポリ塩化ビニル製のプラスチックシー
トの上に、ホットスタンプ装置を用いて140℃で転写
した。
約1cm角の、コレステリック液晶層を転写することが
できた。なお支持基板として用いたポリフェニレンスル
フィドフィルムは、ホットスタンプ時にコレステリック
液晶層から剥離した。また接着層は、ポリ塩化ビニルシ
ートと強固に接着されていた。転写後のコレステリック
液晶フィルムに光を当てると、選択反射光と同時に、回
折光も観察された。このことから転写後のコレステリッ
ク液晶フィルムが偏光回折素子としての機能を有するこ
とが確認できた。
ニレンスルフィドフィルム上の回折能を示す領域を有す
るコレステリック液晶フィルムを用い、当該液晶フィル
ム面にアクリルオリゴマー系のリポキシSP−1509
(昭和高分子(株)製品)にアエロジルR812(日本
アエロジル(株)製品)を5重量%及び光重合開始剤と
してイルガキュアー907(チバガイギー社商品名)3
重量%添加した試製紫外線硬化型ハードコート剤(イソ
プロピルアルコール溶液(固形分20重量%))をバー
コーターで厚さ5μmとなるよう塗布した。次いで表面
をシリコン処理を施したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムで覆い、該ポリエチレンテレフタレートフィルム
の上から高圧水銀灯による紫外光を照射して、該ハード
コート剤を硬化させ(保護層)、ポリフェニレンスルフ
ィドフィルムを剥離して除去した。この上にさらにポリ
ビニルアルコール系ホットメルト接着剤層を形成させ、
転写用素子を完成させた。
mのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホッ
トスタンプ装置を用いて1cm角の保護層/コレステリ
ック液晶性フィルム/接着剤層の積層体を140℃で転
写を試みた。その結果、ポリ塩化ビニル製のプラスチッ
クシートに1cm角の、保護層(接着剤硬化物層)を有
したコレステリック液晶フィルムを転写することができ
た。転写用素子の支持基板であるポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、ホットスタンプ時に保護層から剥離
した。また接着剤層は、ポリ塩化ビニルシートに強固に
接着されていた。転写後のコレステリック液晶フィルム
には配向乱れや割れ等は発生していなかった。
耐摩擦性試験をスガ試験機(株)製摩擦試験機FR−I
型を用いて行った。試験片として該積層体を保護層が上
面になるように固定し、摩擦子に乾燥状態の白綿布を装
着して試験片上10cmの間を50秒間50往復の摩擦
操作を行い、試験後のフィルムの保護層を目視観察した
ところ、保護層にほとんど傷は見られなかった。変色の
判定基準による評価は、4−5であった。 また、この
転写用素子を用いて、A4サイズの紙の上に転写するこ
とを試みた。ポリ塩化ビニルシートを被転写体としたと
きと同様、良好な転写が行えた。転写後のコレステリッ
ク液晶フィルムに光を当てると、選択反射光と同時に、
回折光も観察された。このことから転写後のコレステリ
ック液晶フィルムが偏光回折素子としての機能を有する
ことが確認できた。
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−
350のラミネートロールに巻き付け固定し、120
℃、0.3MPa、ロール接触時間1秒の条件下、回折
格子フィルムの回折面と参考例1で得たコレステリック
配向フィルムの液晶面が接する向きで加熱加圧した。
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
フィルムに回折パターンを転写することによって回折能
を示す領域が形成されたコレステリック液晶フィルムが
得られたことを確認した。
のコレステリック液晶面にバーコーターを使用してハー
ドコート剤を含有する市販の光硬化型アクリル系オリゴ
マーからなる接着剤を厚さ5μmとなるように塗布し
た。次に塗布面にポリエチレンテレフタレートフィルム
(支持基板)を卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、
紫外線照射し、接着剤を硬化させた。接着剤を硬化させ
た後、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィド
フィルムの端部を手で持ち、180°方向にポリフェニ
レンスルフィドフィルムをコレステリック液晶層との界
面で剥離させた。
を除去したコレステリック液晶面上にホットメルト接着
剤層を形成し、転写用素子を作製した。
mのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホッ
トスタンプ装置を用いて140℃で転写した。その結
果、ポリ塩化ビニル製のプラスチックシートの右隅に約
1cm角の、コレステリック液晶層を転写することがで
きた。なお転写用素子の支持基板として用いたポリエチ
レンテレフタレートフィルムは、ホットスタンプ時にコ
レステリック液晶層から剥離した。また接着層は、ポリ
塩化ビニルシートと強固に接着されていた。
を当てると、選択反射光と同時に、回折光も観察され
た。このことから転写後のコレステリック液晶フィルム
が偏光回折素子としての機能を有することが確認でき
た。
の上にコレステリック液晶層を転写することを試みたと
ころ、ポリ塩化ビニルシートを被転写物としたときと同
様、コレステリック液晶層に配向乱れや割れなどが生じ
ることなく転写を行うことができた。また転写されたコ
レステリック液晶層は、転写前と同様に鮮やかな選択反
射光と回折光が観察された。
リック配向フィルムの液晶面にバーコーターを使用して
紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社
製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞
合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を
同社製M−111(商品名)で希釈し、粘度を250m
Pa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μm
となるように塗布した。次に塗布面にポリエチレンテレ
フタレートフィルム(支持基板)を卓上ラミネーターを
用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ
た。接着剤を硬化させた後、ポリフェニレンスルフィド
フィルム(配向基板)の端部を手で持ち、180°方向
にポリフェニレンスルフィドフィルムを当該フィルムと
コレステリック配向フィルムとの界面で剥離させた。以
上の工程により積層体(ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム/保護層(接着剤硬化物層)/コレステリック配
向フィルム)を得た。
・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900本/m
m)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−350
のラミネートロールに巻き付け固定し、120℃、0.
3MPa、ロール接触時間1秒の条件下、回折格子フィ
ルムの回折面と当該積層体のコレステリック配向フィル
ムの液晶面が接する向きで加熱加圧した。
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
フィルムに回折パターンを転写することによって回折能
を示す領域が形成されたコレステリック液晶フィルムが
得られたことを確認した。
フィルム面上にアクリル樹脂からなる粘着層を形成し、
転写用素子(ポリエチレンテレフタレートフィルム/保
護層(接着剤硬化物層)/コレステリック液晶フィルム
/粘着層)を作製した。
に切り出し、粘着層を介してガラス板に貼り合わせた。
次いで、転写用素子の支持基板であるポリエチレンテレ
フタレートフィルムにセロテープを貼り、ポリエチレン
テレフタレートフィルムを剥離除去した。
を当てると、選択反射光と同時に、回折光も観察され
た。このことから転写後のコレステリック液晶フィルム
が偏光回折素子としての機能を有することが確認でき
た。
てポリ塩化ビニルシートや紙への転写にも適用できるこ
とを確認した。
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面と参考例1で得たコレステリック配
向フィルムの液晶面が向き合うように重ね、伸栄産業社
製26トンプレスのプレート上に乗せ、30℃、30M
Paの条件で加熱加圧し、1分間保持した。プレスから
取り出し刻線式回折格子フィルムを取り除いて、コレス
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色を呈していなかった。
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−
350のラミネートロールに巻き付け固定し、130
℃、0.02MPa、ロール接触時間0.5秒の条件
下、回折格子フィルムの回折面と参考例1で得たコレス
テリック配向フィルムの液晶面が接するようにして加熱
加圧した。加熱加圧後のコレステリック配向フィルム
は、僅かな回折光を呈していたが、実用上十分な回折光
を有する回折パターンは転写されてなかった。
ク配向フィルムの液晶面とエドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面とが向き合うように重ね、水圧プレ
スのプレート上に乗せ、130℃、100MPaの条件
で加熱加圧し、30秒間保持した。プレスから取り出
し、刻線式回折格子フィルムを取り除いたところ、コレ
ステリック液晶層に割れが発生し、配向の乱れが生じて
いた。
されたコレステリック液晶フィルムを被転写物に対して
転写することができる転写用素子である。また当該転写
用素子は、回折光が円偏光性を示すという特異な光学特
性を有するコレステリック液晶フィルムを、その光学特
性を損なうことなく被転写物に容易に転写することがで
きるものである。さらに当該コレステリック液晶フィル
ムを容易にかつ精度よく転写することができることか
ら、光学用素子、光エレクトロニクス素子、装飾用材
料、偽造防止用素子に代表される様々な光学部材に応用
展開できる等、工業的価値が極めて高い。
Claims (1)
- 【請求項1】 支持基板/コレステリック液晶層/接
着剤層から少なくとも構成される積層体であって、コレ
ステリック液晶層が、温度40〜300℃、圧力0.0
5〜80MPaの加温加圧条件下において回折素子基板
の回折パターンを転写し、一部に回折能を示す領域を形
成したコレステリック液晶フィルムから少なくとも構成
される転写用素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159431A JP2000347026A (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 転写用素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159431A JP2000347026A (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 転写用素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000347026A true JP2000347026A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15693605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11159431A Pending JP2000347026A (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 転写用素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000347026A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007019481A (ja) * | 2005-06-07 | 2007-01-25 | Fujifilm Holdings Corp | 機能性膜パターン形成用構造体、及び、機能性膜の製造方法 |
-
1999
- 1999-06-07 JP JP11159431A patent/JP2000347026A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007019481A (ja) * | 2005-06-07 | 2007-01-25 | Fujifilm Holdings Corp | 機能性膜パターン形成用構造体、及び、機能性膜の製造方法 |
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