JP2007012330A - 表示灯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プリズム装置5は、断面がV字状(またはL字状)または山型状によって、複数の発光ダイオード4からの出射光を、各隙間から正面方向、階段状(ここでは3段×2)の直角プリズムの斜面反射によって前方方向および後方方向の3方向に導く機能を有している。このように、プリズム装置5は、長尺棒状プリズムを複数本用いて、前方方向および後方方向の両側からも視認できるように複数段(ここでは片側3段)に構成している。しかも、プリズム屈折率により光が透過もするし全反射もすると共に互いの隙間からの直接光により前面方向からも視認できるようにしている。
【選択図】 図1
Description
特許文献2には、図10に示すような列車非常停止スイッチの表示灯110が開示されており、1枚の正面方向用のプリント基板(図示せず)のみを配置し、そこに正面方向に光出射する3個の発光ダイオード111〜113を配置し、さらにその前方にプリズム114を配置して、X,YおよびZ方向の3方向に光を出射させることにより様々な方向からの視認性を改善している。
上記特許文献2に開示された従来技術では、前述したように2枚のプリント基板を用いて前方および後方、さらに正面の多数の方向での視認性を良好にしているものの、プリント基板および発光ダイオードの数が十分に少ないとは言えず、多数の発光ダイオードを密集させて用いるとその温度上昇により、最も温度の高い中央部分から劣化が生じるという問題がある。
上記特許文献2に開示された従来技術は、前述したようにホームの鉄道設備における列車非常停止スイッチの表示灯110であり、点灯・消灯の視認性は数mあればよく、電車のボディ側壁面に取り付けられた車側表示灯のように遠く(例えば200m)からの視認性を必要としないことから、デザイン的に表示灯設置表面からの突出量をできるだけ小さくするために、上記特許文献1のように2枚のプリント基板を立てて用いるのではなく、1枚のプリント基板を寝かせて用い、しかも、発光ダイオードの前方にプリズムを設けて、X、YおよびZ方向の3方向からの点灯確認ができるようにLED光をそれぞれ出射させている。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車側表示灯の要部構成例を示す斜視図であり、図2(a)は、図1の車側表示灯の正面図、図2(b)は、図2(a)の車側表示灯のC−C’線断面図、図2(c)は、図2(a)の車側表示灯のD−D’線断面図である。
図1および図2(a)〜図2(c)において、本実施形態1の車側表示灯10は、電車の車体の側壁ボディ上に設置可能とされるベース板1と、このベース板1上に対向して立設された2枚の組み立て板2と、この各組み立て板2間に設けられた1枚のプリント基板3と、このプリント基板3上に2次元状(面状)に搭載された複数の光源としての複数の発光ダイオード4(LED)と、複数の発光ダイオード4の上方で、各組み立て板2間に設けられた光通過および反射部材としての複数のプリズム装置5と、プリント基板3と外部電源とを接続する端子台6とを有している。
プリント基板3は、表面上にプリント配線が配置された片側基板、両面基板または多層基板で構成されており、ベース板1(電車の側壁ボディ)の面に沿った方向で、プリント基板3の両端面からの突出部が各組み立て板2の中央角穴内にそれぞれ差し込まれて取り付けられている。
発光ダイオード4は、ここでは危険を示すために赤色発光ダイオードを用いている。この発光ダイオード4ではプリント基板3への取り付け精度にもよるが、プリント基板3の面に対して垂直方向外側に光出射するように取り付けられている。即ち、電車の側壁ボディの面に沿った方向に1枚のプリント基板3を配置してこの面に垂直な外側方向に発光ダイオード4からのLED光を出射するようになっている。
プリズム装置5は、透明アクリル樹脂の断面直角三角形の押出樹脂成形品で構成されており、これらを等間隔にスリット状の所定の隙間5aを有するように、対向配置された2枚の組み立て板2間に複数本が配置されている。この複数本のプリズム装置5の配置は断面がV字状(またはL字状)または山型状(この場合は光源と反射面との位置が上下逆になる)となるように階段状に配置され、これによって、複数の発光ダイオード4からの出射光を、各隙間から正面方向、階段状(ここでは3段×2)の直角プリズムの斜面反射によって電車の前方方向および後方方向の3方向に導く機能を有している。
細い長尺棒状プリズムにする理由は、大きい体積のプリズムでは材料も多くなる上に、肉だまりで成形乾燥時にひけができて正確に反射するよいプリズムが作れずにコスト高になり、しかも、プリズム体積が小さい方がそこを通過する光の減衰量も少なくて済むというメリットがあるからである。
複数段のプリズム配置(V字状または山型状)にする理由は、表示灯設置表面からの所定の突出量により多方向(前方および後方)からの視認性を確保した状態にするために、長尺棒状プリズムを複数本用いて、ある程度の高さ(例えば200mは離れても視認可能な面積)を確保している。高さも例えば3段階に分けて、中心角度が90度の断面V字状や山状で、ベース板1(電車ボディ)とのプリズム反射面がなす角度は45度とする。
透明アクリル樹脂でも屈折率の高い樹脂材料を用いて全反射させる場合には正面視認用に隙間を設ける。また、プリズムで全反射させない場合には、正面からもLED光が出射して点灯確認ができる。
端子台6は、ベース板1の裏面側(側壁ボディの裏面側)に設けられ、プリント基板3上の複数の発光ダイオード4への電力供給を中継している。
上記構成により、細い長尺棒状プリズムを複数本用いて光の減衰を抑え、前方方向および後方方向の両側からも視認できるように複数段(ここでは片側3段)にして遠方からも確認可能な面積を確保し、しかも、プリズム屈折率により光が透過もするし反射もする正面方向全面も明るくなり、互いの隙間からのLED光によって前面方向からの視認性も良好となる。このため、正面、前方面および後方面のある程度の面積と輝度が確保されて、表示灯設置表面からの所定の突出量により多方向で遠く(例えば200m)からの視認性を確保した状態で、プリント基板3(1枚)および発光ダイオード4の数を削減すると共に、これによって発光ダイオード4の寿命をも向上させることができる。
また、本実施形態1のプリズム装置5では、複数段(複数本)の細長い長尺棒状プリズム間に所定の隙間を有するように配置し、この各隙間から発光ダイオード4のLED光が出射されてその点灯・消灯の視認性を高めるように構成したが、これに限らず、正面からの視認性をそれほど考慮しない場合には、各長尺棒状プリズム間の隙間がなくてもよい。この場合でも、プリズムの屈折率によっては、プリズムで全反射させずに、光の一部がプリズムを通過して正面全体側が明るくなって正面方向からの点灯確認をすることができる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る車側表示灯の要部構成例を示す斜視図であり、図4(a)は図3の車側表示灯の正面図、図4(b)は、図4(a)の車側表示灯のE−E’線断面図、図4(c)は、図4(a)の車側表示灯の上面図、図4(d)は、図4(a)の車側表示灯のF−F’線断面図である。なお、上記図1および図2の構成部材炉同一の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3および図4(a)〜図4(d)において、上記実施形態1の車側表示灯10と本実施形態2の車側表示灯20との異なる点は、上記実施形態1の複数階段状のプリズム装置5に代えて、断面がV字状(またはL字状)または山型状の光通過および反射部材としての透明反射板7で構成されている点である。
この透明反射板7は、透明アクリル樹脂板など透明板の表面に反射シートまたは蒸着めっき(例えばアルミニュウム)が施されてミラー構成とすることもできる。その断面がV字状(またはL字状)または山型状(この場合は光源と反射面との位置が上下逆になる)とすることによって、電車の前方方向および後方方向にLED光を出射させることができる。正面の方向にLED光を出射させることが必要な場合には、その反射シートや蒸着めっきの材質や膜厚を調整して光の透過率を調整することにより、一部のLED光を透過させて正面方向に出射させたり、残る一部のLED光は反射させて電車の前方方向および後方方向に光出射させたりすることができる。その正面方向と、前方方向および後方方向とのLED光の強さ関係は、必要に応じて、光透過および反射膜としてのその反射シートや蒸着めっきの材質や膜厚により調整することができる。ここでは、光透過および反射膜の材質および膜厚を調整することにより光の透過と反射の割合を調整可能としている。さらに、透過フィルム(20パーセント)、蒸着めっき(20パーセント)を施してもよい。
また、透明反射板7は、ダイクロイックミラーのように、透明板の表面に特殊な光半透過膜をコーティングすることによっても、一部の入射光を透過し、残る一部の入射光を反射させるようにすることもできる。
なお、本実施形態2において、透明反射板7を正面(電車の側壁面ボディに垂直な方向)から見た場合に、透明反射板7を透過した一部のLED光によって正面全体が明るくなるため、これで正面方向の点灯確認を行うことができたが、これに限らず、透明反射板7を短冊状にしたり、透明反射板7に図1のようなスリット状の隙間5aを持たせて発光ダイオード4からのLED光(直接または間接光)にて正面方向の点灯確認を行ってもよい。この場合には、透明反射板7は半透過とする必要はなく、完全に反射するようにミラー状に構成してもよい。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る車側表示灯の要部構成例を示す斜視図であり、図6(a)は図5の車側表示灯の正面図、図6(b)は、図6(a)の車側表示灯のG−G’線断面図、図6(c)および図6(d)は、図6(a)の車側表示灯のH−H’線断面図である。なお、上記図1および図2の構成部材炉同一の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5および図6(a)〜図6(d)において、上記実施形態2の車側表示灯20と本実施形態3の車側表示灯30との異なる点は、上記実施形態2の透明アクリル樹脂製の透明反射板7に代えて、断面がV字状(またはL字状)または山型状の透明反射板を構成することは同様であるが、正面(電車の側面ボディに垂直な方向)から見た場合に、2次元状に千鳥状(またはランダム)に、各通過光により点灯確認が可能な程度に光通過用の複数の穴8aが開いている光通過および反射部材としての透明反射板8を構成している点である。
この複数の穴8aの位置は、その下方に配列された各発光ダイオード4の位置と重ならない位置(ラップしない位置)にある。即ち、穴8aの位置は、発光ダイオード4の位置と互い違いの位置にある。例えば図6(c)に示す所定行の各発光ダイオード4(斜線部分)の真上には穴8aは位置しておらず、また逆に、穴8aの真下にも各発光ダイオード4は位置していない。これによって、前方方向および後方方向のLED光に減衰があまりない。また、例えば図6(c)に示す所定行の各発光ダイオード4の1行奥にある行の各発光ダイオード4は図6(d)に斜線部分で示しているが、その斜線部分の各発光ダイオード4の真上にも穴8aは位置しておらず、また逆に、その穴8aの真下にも各発光ダイオード4は位置していない。穴8aの真下に位置している発光ダイオード4はその1行奥かまたは手前の発光ダイオード4で配置位置をずらしている。
この透明反射板8は、前述した透明反射板7の場合と同様に、透明アクリル樹脂板など透明板の表面に反射シートまたは蒸着めっき(例えばアルミニュウム)が施されて反射可能な構成としてもよい。その断面がV字状(またはL字状)または山型状とすることによって、電車の前方方向および後方方向にLED光を出射させることができる。正面の方向にLED光の光量をより多く出射させることが必要な場合には、その反射シートや蒸着めっきの材質や膜厚を調整して光の透過率を調整することにより、一部のLED光を透過させて正面方向に出射させたり、残る一部のLED光は反射させて電車の前方方向および後方方向に光出射させたりすることができる。その正面方向と、前方方向および後方方向とのLED光の強さ関係は、必要に応じて、その反射シートや蒸着めっきの材質や膜厚により調整することができる。
また、透明反射板8においても、前述したように、ダイクロイックミラーのように、透明板の表面に特殊な半透過膜をコーティングすることによっても、一部の入射光を透過し、残る一部の入射光を反射させるようにすることができる。
以上により、上記実施形態1〜3によれば、複数の発光ダイオード4からのLED光の出射方向に対して45度の角度だけ傾いた反射面を2枚有して、電車の前方方向と後方方向に90度角度を変えてLED光が出射される。また、前方方向には隙間や穴を設けるかまたは光を半透過さることにより点灯確認ができるようにしている。これによって、表示灯設置表面からの所定の突出量により多方向で遠くからの視認性を確保した状態で、プリント基板3および発光ダイオード4の数を削減させると共に、発光ダイオード4の寿命をも向上させることができる。しかも、各発光ダイオード4の上方に反射面が設けられていることや、隙間からの換気がよいことなどでも、太陽光線や自発熱による温度上昇や太陽光線による紫外線劣化が抑えられて素子寿命が向上する。
また、上記実施形態1〜3において、カバーケースとして、前方方向および後方方向位置にそれぞれLED出射光を拡散させず、所定領域の大きさに集光させるための光透過度の高い透明集光部材としてのレンズ部材を設けて、遠方における点灯確認の視認性を向上させることができる。即ち、光通過および反射部材で反射した互いに逆方向の光を所定領域の大きさに集光させるための透明集光部材を本体のカバーケースと共に設けている。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
2 組み立て板(取付け板)
3 プリント基板
4 発光ダイオード(LED)
5 プリズム装置
5a 隙間
6 端子台
透明反射板
8a 穴
10,20,30 車側表示灯
Claims (12)
- 多方向からの点灯確認を可能とする表示灯において、
取り付け面に沿って設けられたプリント基板と、
該プリント基板上に設けられ、該プリント基板の面に交差する方向に光を出射する複数の光源と、
該複数の光源の光出射側に設けられ、該複数の光源からの光を、該光出射方向と、該光出射方向と直交し、互いに向きの異なる各光出射方向とに光を通過および反射させる光通過および反射部材とを有する表示灯。 - 前記複数の光源は複数の発光ダイオードである請求項1に記載の表示灯。
- 前記複数の光源は2次元状に千鳥配置されている請求項1または2に記載の位置表示灯。
- 前記光通過および反射部材は、中心角が略直角の断面V字状または山型状の光の一部通過および一部反射面を有している請求項1に記載の表示灯。
- 前記光通過および反射部材は、互いに対向して配設される各取付け板間に設けられている請求項1または4に記載の表示灯。
- 前記光通過および反射部材は、複数本の長尺棒状の直角プリズムが階段状に設けられている請求項1、4および5のいずれかに記載の表示灯。
- 前記複数本の長尺棒状の直角プリズムと前記各取付け板は一体樹脂成形品で構成されている請求項5に記載の表示灯。
- 前記光通過および反射部材には複数の光通過穴またはスリット状の隙間が設けられている請求項1および4〜7のいずれかに記載の表示灯。
- 前記光通過穴は、平面視で、前記光源の位置をずらした位置に設けられている請求項8に記載の記載の表示灯。
- 前記光通過および反射部材は、透明部材の光透過および反射面の裏面側に光透過および反射膜が成膜されている請求項1,4〜6および8のいずれかに記載の表示灯。
- 前記光透過および反射膜の材質および膜厚を調整することにより光の透過と反射の割合を調整可能としている請求項10に記載の表示灯。
- 前記光通過および反射部材で反射した互いに逆方向の光を所定領域の大きさに集光させる透明集光部材をカバーケースと共に設けている請求項1に記載の表示灯。
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