JP2007010280A - フィンチューブ型熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィンチューブ型熱交換器1は、気流中に配置された伝熱フィン2と、伝熱フィン2に挿入されており気流の流れ方向に略直交する方向に配置された複数の伝熱管3とを備えている。伝熱フィン2には、伝熱管3の両側において、気流の流れ方向上流側に向かって拡開する案内フィン21a、21bが、切り起こしにより、伝熱フィン2面に形成されている。伝熱フィン2の案内フィン21a、21bの気流の流れ方向下流側の部分2bは、ワッフル形状になっている。
【選択図】 図1
Description
このようなフィンチューブ型熱交換器では、伝熱フィンにおける伝熱管の空気流の流れ方向下流側の部分に形成される死水域の低減、及び、伝熱フィンにおける境界層の更新を目的とした伝熱促進手法として、伝熱フィン面の伝熱管の両側の位置に、空気流の流れ方向上流側に向かって拡開する案内フィンを、切り起こしにより形成する手法が採用されることがある(特許文献1参照)。
本発明の課題は、フィンチューブ型熱交換器において、伝熱フィンの強度低下を抑えつつ、切り起こしにより形成された案内フィンによる伝熱促進効果を得ることにある。
このフィンチューブ型熱交換器では、ワッフル形状を有する伝熱フィンの後縁側部分に、伝熱管近傍の気流を伝熱管の気流の流れ方向後側に案内する案内壁部を形成しているため、死水域を低減する効果を得ることができる。
このフィンチューブ型熱交換器では、伝熱フィンの後縁側部分に形成された膨出部が、伝熱管近傍の気流を伝熱管の気流の流れ方向後側に案内するように形成されているため、死水域を低減する効果を得ることができる。これにより、伝熱フィンが切り起こしにより形成された案内フィンを有しているにもかかわらず、フィンチューブ型熱交換器を組み立てる際の拡管作業において、伝熱フィンと伝熱管との十分な接触を確保することができるようになり、熱交換性能を高めることができる。
このフィンチューブ型熱交換器では、案内フィンの形状を気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増した形状にすることによって、案内フィンの背後に縦渦を生じさせることができるため、案内フィンによる伝熱促進効果をさらに高めることができる。
第1の発明では、案内フィンによる伝熱促進効果を得ながら、伝熱フィンの強度が低下するのを抑えることができる。
第2の発明では、死水域を低減する効果を得ることができる。
第3の発明にかかるフィンチューブ型熱交換器は、案内フィンによる伝熱促進効果を得ながら、伝熱フィンの強度が低下するのを抑えることができる。
第5の発明では、案内フィンの背後に縦渦を生じさせることができるため、案内フィンによる伝熱促進効果をさらに高めることができる。
<第1実施形態>
図1〜図4に本発明の第1実施形態にかかるフィンチューブ型熱交換器1の要部を示す。ここで、図1は、フィンチューブ型熱交換器1の断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、図1のC部分を示す斜視図である。
フィンチューブ型熱交換器1は、いわゆるクロスフィンアンドチューブ型熱交換器であり、主として、複数の伝熱フィン2と、複数の伝熱管3とを備えている。
伝熱フィン2は、その平面方向を空気等の気流の流れ方向に概ね沿わせた状態で、板厚方向に並んで配置されている。伝熱フィン2は、気流の流れ方向上流側の部分(以下、前縁側部分2aとする)が平坦なプレート状であり、気流の流れ方向下流側の部分(以下、後縁側部分2bとする)がワッフル形状となっている。
後縁側部分2bは、前縁側部分2aの気流の流れ方向下流側の最後縁である中央線部24から伝熱フィン2の気流の流れ方向の最後縁までの間の部分を板厚方向に交互に折り曲げることにより、伝熱フィン2の板厚方向の一方側に突出する稜線を有する山部25、伝熱フィン2の板厚方向の一方側とは反対側に突出する稜線を有する谷部26、及び、伝熱フィン2の板厚方向の一方側に突出する稜線を有する山部27を、中央線部24から伝熱フィン2の気流の流れ方向の最後縁に向かって、順次に形成した部分である。そして、伝熱フィン2には、気流の流れ方向に略直交する方向に間隔を空けて複数の貫通孔2cが形成されている。これらの貫通孔2cは、本実施形態において、中央線部24上において、前縁側部分2aと後縁側部分2bに跨るように形成されている。貫通孔2cの周囲部分は、伝熱フィン2の板厚方向の一方側に突出する環状のカラー部23となっている。そして、カラー部23は、板厚方向に隣り合う伝熱フィン2のカラー部23が形成された面と反対の面に当接しており、各伝熱フィン2の板厚方向間に所定の間隔Hを確保している。
上述のように構成されたフィンチューブ型熱交換器1では、伝熱フィン2の気流の流れ方向上流側の部分である前縁側部分2aに切り起こしにより案内フィン21a、21bを形成し、伝熱フィン2の案内フィン21a、21bの気流の流れ方向下流側の部分である後縁側部分2bをワッフル形状にして、伝熱フィン2の伝熱管3の近傍部分の強度が低下するのを抑えるようにしている。このため、フィンチューブ型熱交換器1の組立時の拡管作業により伝熱管3をカラー部23の内面に密着させる際に、伝熱フィン2の伝熱管3の近傍部分の変形を抑えることができるようになり、伝熱管3とカラー部23の内面との間の密着性の低下を抑えることができる。このように、フィンチューブ型熱交換器1では、案内フィン21a、21bによる伝熱促進効果を得ながら、伝熱フィン2の強度が低下するのを抑えることができるようになり、熱交換性能を高めることができる。
さらに、このフィンチューブ型熱交換器1では、各案内フィン21a、21bの形状を気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増した形状にすることによって、各案内フィン21a、21bの背後に縦渦を生じさせることができるため、各案内フィン21a、21bによる伝熱促進効果をさらに高めることができる。
図5〜図7に本発明の第2実施形態にかかるフィンチューブ型熱交換器101の要部を示す。ここで、図5は、フィンチューブ型熱交換器101の断面図である。図6は、図5のA−A断面図である。図7は、図5のC部分を示す斜視図である。
(1)フィンチューブ型熱交換器の構成
フィンチューブ型熱交換器101は、いわゆるクロスフィンアンドチューブ型熱交換器であり、主として、複数のプレート状の伝熱フィン102と、複数の伝熱管3とを備えている。伝熱フィン102は、その平面方向を空気等の気流の流れ方向に概ね沿わせた状態で、板厚方向に並んで配置されている。伝熱フィン102には、気流の流れ方向に略直交する方向に間隔を空けて複数の貫通孔102cが形成されている。貫通孔102cの周囲部分は、伝熱フィン102の板厚方向の一方側に突出する環状のカラー部123となっている。カラー部123は、板厚方向に隣り合う伝熱フィン102のカラー部123が形成された面と反対の面に当接しており、各伝熱フィン102の板厚方向間に所定の間隔Hを確保している。伝熱管3は、内部に冷媒等の熱媒体が流れる管部材であり、板厚方向に並んで配置された複数の伝熱フィン102に挿入されており、気流の流れ方向に略直交する方向に配置されている。具体的には、伝熱管3は、伝熱フィン102に形成された貫通孔102cを貫通しており、フィンチューブ型熱交換器101の組立時の拡管作業によって、カラー部123の内面に密着している。
そして、伝熱フィン2の気流の流れ方向上流側の部分(以下、前縁側部分とする)には、各伝熱管3の両側(すなわち、各伝熱管3の下側及び上側)において、気流の流れ方向上流側に向かって拡開する案内フィン121a、121bが、切り起こしにより、伝熱フィン102面に形成されている。案内フィン121a、121bの切り起こし方向は、カラー部123の突出方向と同じである。また、各案内フィン121a、121bは、気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増するように形成されている。本実施形態において、各案内フィン121a、121bは、略台形状又は略三角形状であり(図3参照、図3は、案内フィン121bを示す図であるが、案内フィン121aについても同様の形状を有する)、その最大高さhがカラー部123の高さHよりも低くなるように形成されている。また、案内フィン121a、121bが切り起こされる際に伝熱フィン102に形成されるスリット孔122a、122bは、案内フィン121a、121bを挟んで伝熱管3よりも遠い側に配置されている。
上述のように構成されたフィンチューブ型熱交換器101では、伝熱フィン2の気流の流れ方向上流側の部分である前縁側部分に切り起こしにより案内フィン121a、121bを形成し、伝熱フィン102の案内フィン121a、121bの気流の流れ方向下流側の部分である後縁側部分に伝熱フィン102を切り込むことなく膨出させた膨出部129a、129bを形成することによって、伝熱フィン102の伝熱管3の近傍部分の強度が低下するのを抑えるようにしている。このため、フィンチューブ型熱交換器101の組立時の拡管作業により伝熱管3をカラー部123の内面に密着させる際に、伝熱フィン102の伝熱管3の近傍部分の変形を抑えることができるようになり、伝熱管3とカラー部123の内面との間の密着性の低下を抑えることができる。このように、フィンチューブ型熱交換器101では、案内フィン121a、121bによる伝熱促進効果を得ながら、伝熱フィン102の強度が低下するのを抑えることができるようになり、熱交換性能を高めることができる。
さらに、このフィンチューブ型熱交換器101では、各案内フィン121a、121bの形状を気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増した形状にすることによって、各案内フィン121a、121bの背後に縦渦を生じさせることができるため、各案内フィン121a、121bによる伝熱促進効果をさらに高めることができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
2、102 伝熱フィン
3 伝熱管
21a、21b、121a、121b 案内フィン
29 案内壁部
129a、129b 膨出部
Claims (5)
- 気流中に配置された伝熱フィン(2)と、
前記伝熱フィンに挿入されており、気流の流れ方向に略直交する方向に配置された複数の伝熱管(3)とを備え、
前記伝熱フィンには、前記伝熱管の両側において、気流の流れ方向上流側に向かって拡開する案内フィン(21a、21b)が、切り起こしにより、前記伝熱フィン面に形成されており、
前記伝熱フィンの前記案内フィンの気流の流れ方向下流側の部分は、ワッフル形状になっている、
フィンチューブ型熱交換器(1)。 - 前記伝熱フィン(2)の前記ワッフル形状になっている部分の一部は、前記伝熱管(3)近傍の気流を、前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内する案内壁部(29)を形成している、請求項1に記載のフィンチューブ型熱交換器(1)。
- 気流中に配置された伝熱フィン(102)と、
前記伝熱フィンに挿入されており、気流の流れ方向に略直交する方向に配置された複数の伝熱管(3)とを備え、
前記伝熱フィンには、前記伝熱管の両側において、気流の流れ方向上流側に向かって拡開する案内フィン(121a、121b)が、切り起こしにより、前記伝熱フィン面に形成されており、
前記伝熱フィンの前記案内フィンの気流の流れ方向下流側の部分には、前記伝熱フィンを切り込むことなく膨出させた膨出部(129a、129b)が形成されている、
フィンチューブ型熱交換器(101)。 - 前記膨出部(129a、129b)は、前記伝熱管(3)近傍の気流を、前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内するように形成されている、請求項3に記載のフィンチューブ型熱交換器(101)。
- 前記案内フィン(21a、21b、121a、121b)は、気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増している、請求項1〜4のいずれかに記載のフィンチューブ型熱交換器(1、101)。
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