JP2007009526A - 保護管用スペーサ - Google Patents

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昌之 大嶽
Hachidai Yanamoto
八大 柳元
Koichiro Sonoda
紘一郎 薗田
Satoshi Tanaka
智 田中
Fumiaki Minazu
文明 水津
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Abstract

【課題】本発明は、斜張橋における保護管用スペーサに関し、その配設作業性を向上させるとともに、ケーブルの共振を防止し、制振させることが課題である。
【解決手段】主塔3側と桁4側との両定着部間に架設したストランド5と、該ストランド5を被覆する保護管6との間にできる間隙7に、前記両定着部間に連続されているとともに、可撓性を有して挿着された間隙用部材である保護管用スペーサ1とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、斜張橋の斜材ケーブルにおける、外側の保護管とその内部のケーブルとの間の間隙を充填する保護管用スペーサに関するものである。
従来、斜張橋における斜材ケーブルは、PC鋼より線のストランンドを保護管に挿通させて、塔側と桁側との両定着部に架設・緊張し、防錆処理としてストランドと保護管との間にグラウト材を充填していたが、前記ストランドがそれぞれPE被覆したものを使用するようになり、前記保護管との間には、適宜間隔を置いてスペーサが配設されるようになっている。このスペーサにより、ストランドの位置を保護管の略中央に配置させ維持すると共に、前記ストランドの防振作用を果たすものとして知られている(特許文献1、2参照)。
特開平05−287707号公報 特開平05−230809号公報
しかし、従来の保護管用スペーサに関して、保護管を熱溶着して所要の長さに接続し、それをワイヤ等で引き上げて塔側と桁側とに架設し、PE被覆ストランドを前記保護管に挿通させて塔側と桁側とに架設して緊張・定着させる。そして、前記保護管とストランドとの隙間に、間隔保持用のスペーサを挿入している。この際に、図4に示すように、前記接続した保護管6,6同士の接続部分に、溶融した保護管の内側への突部(ビード部)11が形成されてしまう。この突部11に前記スペーサ10が通過する際にぶつかって、この部分での抵抗が大きくなり、前記スペーサ10を長い距離において、ウインチ等で引き上げることが不可能となる、という課題がある。本発明に係る保護管用スペーサは、このような課題を解決するために提案されたものである。
本発明に係る保護管用スペーサの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、主塔側と桁側との両定着部間に架設したストランドと、該ストランドを被覆する保護管との間にできる間隙に、前記両定着部間に連続されているとともに、可撓性を有して挿着された間隙用部材であることである。
前記間隙用部材は、中空な部材または中実な部材であるとともに、間隙に変形して挿着される部材であることを含むものである。
本発明の保護管用スペーサによれば、保護管とストランドとの間隙に、可撓性の間隙部材が主塔側と桁側との間に連続して通されるので、適宜間隔を置いて配置されるスペーサの場合よりも作業性が良く、効率的な作業となり工期短縮されて低コストとなる。前記間隙が埋められてガタ付きが防止され、斜材ケーブルの制振とも成るとともに、共振の課題についても解消される。
本発明に係る保護管用スペーサ1は、図1に示すように、斜張橋2の主塔3側と桁4側との両定着部間に架設される複数本の斜材ケーブル9において使用されるものである。
前記斜材ケーブル9を構成するストランド5は、予め外皮としてPE(ポリエチレン)被覆されたストランドであり、架設に当たっては、図2に示すように、ドラムBから引き出されてプッシングマシーンA等でPE被覆ストランド5を主塔3側に迫り上げ、この主塔3側の定着部に挿通させて、既に定着部間に熱溶着によって連結し架設してある保護管6内に挿通させて、桁4側に下ろして定着部に架設される。
前記主塔3側でストランド5を定着部に止めて適宜長さを突出させて切断し、桁4側で定着させた後にジャッキにて緊張させる。それを繰り返してストランド5群を前記主塔3側及び桁4側に架設する。なお、図3に示すものは、前記ストランド5群を定着部の近傍で束ねている場合の一例であり、勿論、束ねない場合もある。
前記保護管6は、桁4側において熱溶着により筒体を首尾連接して所要の長さに連結される。そして、それを、ワイヤ等で引き上げて、主塔3側と桁4側との定着部間に架設するものである。また、この保護管6は、図3に示すように、前記ストランド5群に対して重力で下がって、当該ストランド5群と保護管6の下部内壁面との間に間隙7ができる。この間隙7に、可撓性を有する保護管用スペーサ1を挿通させるものである。
前記保護管用スペーサ1は、主塔3側と桁4側との定着部間に連続し、且つ、可撓性を有する間隙用部材である。この保護管用スペーサ1の具体例として、中空な部材としては、ポリエチレン(PE)製やゴム製等の合成樹脂製パイプである。また、中実な部材としては、スポンジ製,ゴム製やウレタン製等の部材である。そして、この間隙用部材は、前記間隙7の寸法に対して少なくとも同じ寸法で挿着されるか、又は、若干大きい寸法で挿着される。こうして、保護管用スペーサ1は、前記間隙7において、若しくは突部11(図4参照)において若干変形して挿着されるものである。
前記保護管用スペーサ1の端部を、主塔3側のウインチ(図示せず)からワイヤを引き出して前記保護管6の間隙7に挿通させて一旦、桁4側に下ろした当該ワイヤ先端部に繋着させる。そして、前記ウインチによりワイヤを引き上げる。これにより、前記保護管用スペーサ1が図3に示すように、少し潰れて楕円状になって、桁4側から主塔3側に引き上げられ、前記保護管6内の間隙7を通り、保護管6,6接続部の突部(ビード部)11(図4参照)を容易に乗り越えて上方に移動する。また、図3に示すように、直径又は太さの異なる寸法の保護管用スペーサ1a,1b, …を数本挿着することもある。
こうして、主塔3側の定着部と桁4側の定着との間に、連続して可撓性を有した保護管用スペーサ1としての間隙用部材が挿着される。これにより、前記間隙7が埋められてガタ付きが解消されると共に、斜材ケーブル9の共振が防止され、雨風による斜材ケーブル9の振動についても制振作用するものである。また、前記保護管用スペーサ1が、中空な部材である合成樹脂製パイプの場合には、当該中空部分に充填材を充填して、この保護管用スペーサ1の剛性や重量を可変することで、前記斜材ケーブル9の振動を抑制することができる。
本発明に係る保護管用スペーサ1が適用される斜張橋の概略図である。 同本発明の保護管用スペーサ1が適用される斜材ケーブルの9のストランド5を架設する様子を説明する説明図である。 本発明による斜材ケーブル9の内部構造を示す断面図である。 従来例に係るスペーサ10により、間隙7に挿通させて突部(ビード部)11を乗り越えて行くことが困難な様子を示す説明図である。
符号の説明
1,1a,1b 保護管用スペーサ、
2 斜張橋、
3 主塔、
4 桁、
5 ストランド、
6 保護管、
7 間隙、
9 斜材ケーブル、
10 スペーサ、
11 突部(ビード部)。

Claims (2)

  1. 主塔側と桁側との両定着部間に架設したストランドと、該ストランドを被覆する保護管との間にできる間隙に、前記両定着部間に連続されているとともに、可撓性を有して挿着された間隙用部材であること、
    を特徴とする保護管用スペーサ。
  2. 間隙用部材は、中空な部材または中実な部材であるとともに、間隙に変形して挿着される部材であること、
    を特徴とする請求項1に記載の保護管用スペーサ。
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