JP2007009039A - 乾性潤滑被膜組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境問題による規制を受けず且つ比較的低温での加熱により被膜化できる熱硬化性樹脂を使用し、低摩擦且つ低摩耗であり、耐食性に優れた潤滑被膜組成物を提供する。
【解決手段】 フルフラール若しくはフルフリルアルコールのいずれか片方又は両方を出発物質とし、硬化により低摩擦のフラン樹脂となるフラン樹脂初期縮合物と、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤とを、有機溶剤中に分散含有した潤滑被膜組成物である。フラン樹脂初期縮合物の配合量は、組成物全体の30〜65重量%が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属部材表面に塗布して乾性潤滑被膜を形成させるための組成物に関するものであり、詳しくは潤滑性、耐摩耗性、耐食性に優れた固体潤滑剤を配合した乾性潤滑被膜組成物に関する。
従来から、OA機器、家電、自動車、産業機械などの初期なじみ対策、焼き付き性向上、オイルレス化などのために、固体潤滑剤を樹脂中に分散含有させた乾性潤滑被膜が使用されている。この乾性潤滑被膜は、固体潤滑剤と熱硬化性樹脂を含む組成物を金属部材表面に適切な膜厚で塗布し、乾燥又は加熱硬化させることにより被膜化したものである。
金属材表面で硬化した乾性潤滑被膜は、樹脂の接着力により金属部材表面に定着され、固体潤滑剤によって潤滑性や耐摩耗性を発揮する。かかる潤滑被膜形成用の組成物では、固体潤滑剤として、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイトなどが一般的に使用されている。また、熱硬化性樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂やエポキシ樹脂などが広く使用されている。
例えば、特開2003−160756号公報には、エポキシ樹脂に二硫化モリブデンやグラファイトなどの滑剤を配合してなる、耐候性、耐薬品性、耐食性、潤滑性に優れたコーティング組成物が記載されている。しかしながら、このコーティング組成物は耐摩耗性が満足すべきものとはいえず、特にセラミック粉のような防食顔料を含むときには十分な潤滑性が得られず、摩耗量も増加してしまうという問題があった。更に、エポキシ樹脂は環境問題から規制を受ける傾向にあるうえ、その特性として耐アルカリ性に劣るという問題もあった。
また、特開2002−47447号公報には、ポリイミド樹脂3〜50重量%とポリアミドイミド樹脂50〜97重量%からなる熱硬化性樹脂成分と、二硫化モリブデンやグラファイトなどの固体潤滑剤成分とからなり、耐摩耗特性に優れた潤滑組成物が記載されている。しかし、この組成物の硬化には、80〜100℃で30分程度予備加熱し、次に140〜160℃で45分程度保持し、更に260〜280℃で40分程度焼き付ける必要がある。そのため、高温加熱の繰返しによって被膜材質の硬度低下が懸念されるうえ、高温且つ長時間の焼付けはコストの上昇を招くという問題があった。
更に、近年の地球環境問題等の高まりから、国際的な環境法令により環境負荷物質の規制が、従来から乾性潤滑被膜に使用してきた樹脂についても環境法令等で使用が制限される傾向にある。法規制以外でも、自動車、家電、弱電メーカー等では、自主規制による使用禁止物質を発表している。これらの規制の中には、例えば上記特開2003−160756号公報に記載されたエポキシ樹脂であるビスフェノールAが含まれるものもある。しかも、今後は更に規制が厳しくなることが予想されるため、より安全な樹脂の使用が望まれている。
また、最近では、ランニングコストの削減が強く要望され、これに伴って乾性潤滑被膜組成物の被膜を硬化させるための加熱条件等についても、より低温且つ短時間とすることが要求されている。そのため、上記特開2002−47447号公報に記載されるような高温での加熱処理は、コストアップの原因として避けなければならない。このような加熱条件等の制限によって乾性潤滑被膜組成物に使用可能な樹脂の選択範囲が制限されるようになり、これまで使用されていた熱硬化性樹脂では要求される性能が得られなくなる傾向にあった。
特開2003−160756号公報 特開2002−047447号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、環境問題等による規制を受けず且つ比較的低温での加熱により硬化できる熱硬化性樹脂を使用して、低摩擦且つ低摩耗であり、耐食性に優れた潤滑被膜組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、これまで結合樹脂として使用されてきた熱硬化性樹脂に代えて、低摩擦の熱硬化性樹脂であるフラン樹脂を用いること、及びこのフラン樹脂に二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイトを必須成分とする固体潤滑剤を含有させることにより、要求性能を満たす潤滑被膜組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明が提供する潤滑被膜組成物は、フルフラール若しくはフルフリルアルコールのいずれか片方又は両方を出発物質とし、硬化によりフラン樹脂となるフラン樹脂初期縮合物と、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤と、有機溶媒を分散含有することを特徴とする。
上記本発明の潤滑被膜組成物において、前記フラン樹脂初期縮合物の配合量は組成物全体の30〜65重量%であることが好ましい。
また、上記本発明の潤滑被膜組成物において、前記二硫化モリブデンの配合量は組成物全体の1〜12重量%であること、前記ポリテトラフルオロエチレンの配合量が組成物全体の5〜12重量%であること、前記グラファイトの配合量が組成物全体の1〜5重量%であることが好ましい。
更に、本発明は、硬化したフラン樹脂の基材中に、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤が分散含有していることを特徴とする乾性潤滑被膜を提供するものである。
本発明によれば、低摩擦の熱硬化性樹脂であるフラン樹脂を結合樹脂とするため、環境問題等による規制を受けることがなく、従来よりも低摩擦且つ低摩耗であり、耐食性や耐薬品性等に優れた潤滑被膜組成物を提供することができる。しかも、フラン樹脂は硬化のための加熱温度を従来よりも低くできるため、金属部材への影響が少なく、且つ被膜化のコストを低減することができる。
一般にフラン樹脂とは、フルフラール若しくはフルフリルアルコールを出発物質とし、縮合反応により重合して得られる熱硬化性樹脂の総称である。従って、フラン樹脂は、例えば、フルフリルアルコールの縮合、フルフリルアルコールとフルフラールの共縮合、フルフラール又はフルフリルアルコールとアルデヒドなど他の物質との共縮合などによって得ることができる。フラン樹脂は、比較的低温での硬化が可能な熱硬化性樹脂であり、耐アルカリ性、耐薬品性、耐熱性、耐溶剤性、耐油性に優れている。加えて、本発明者による種々の検討の結果、フラン樹脂は低摩擦性に優れることも明らかとなった。
本発明の潤滑被膜組成物に用いるフラン樹脂初期縮合物は、上記した縮合反応による初期縮合物であり、加熱あるいは硬化剤により硬化してフラン樹脂となるものである。例えば、フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フルフラール・フェノール共縮合樹脂、フルフラール・ケトン共縮合樹脂、フルフリルアルコール・尿素共縮合樹脂、フルフリルアルコール・ジメチロールユリア樹脂、フルフリルアルコール・アンモニウムチオシアネート・アルデヒド樹脂などのフラン樹脂の初期縮合物を使用することができる。その中でも、コーティング用として使用可能で且つ安定的に供給され、最も一般的なフルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂の初期縮合物が好ましい。
潤滑被膜組成物中におけるフラン樹脂初期縮合物の配合量は、組成物全体の30〜65重量%であることが好ましい。フラン樹脂初期縮合物の配合量が組成物全体の30重量%未満では、耐摩耗性が低下し、金属部材との密着性低下により耐食性が低下するなどの影響がある。逆に、フラン樹脂初期縮合物の配合量が組成物全体の65重量%を超える場合には、十分な潤滑性能が得られないなどの影響がある。
また、フラン樹脂は熱硬化性樹脂であるため、加熱による硬化が可能である。しかも、180℃程度の比較的低温で硬化するうえ、無機又は有機酸の硬化剤を用いることで常温硬化も可能であるため、従来使用されていたエポキシ樹脂やポリイミド樹脂など熱硬化性樹脂に比べて適用範囲が広い。ただし、硬化剤を用いる場合には、添加後の潤滑被膜組成物のポットライフが短くなる場合もあるため、乾性潤滑被膜を適用する金属部材及び要求性能などに応じて、硬化剤の配合を調整する必要がある。
フラン樹脂初期縮合物に分散含有させる固体潤滑剤のうち、二硫化モリブデン(MoS)は、低速重荷重に適しており、荷重依存性を有しているなどの特徴がある。二硫化モリブデンの配合量は、組成物全体の1〜12重量%であることが好ましい。二硫化モリブデンの配合量が1重量%未満では十分な潤滑性能が得られず、配合量が12重量%を超えると耐摩耗性が低下し、金属部材との密着性の低下により耐食性が低下するなどの影響がある。また、二硫化モリブデンの粒径は持続性及び付着性に相関関係があり、長期持続性が必要な乾性潤滑被膜に使用する場合には、平均粒径が5μm以下のものを使用することが好ましい。
固体潤滑剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、速度や荷重に影響を受けにくく、バランスの良い潤滑性を有するが、耐熱性が比較的低いため高温での使用には適さないなどの特徴がある。PTFEの配合量は、組成物全体の5〜12重量%が好ましい。PTFEの配合量が5重量%未満では十分な潤滑性能が得られず、逆に配合量が12重量%を超えると耐摩耗性が低下し、金属部材との密着性の低下により耐食性が低下するなどの影響がある。また、PTFEの平均粒径は、10μm以下のものが好ましい。
固体潤滑剤のグラファイトは、高温時の潤滑性、低荷重時の低摩擦が特徴である。また、グラファイトは二硫化モリブデンと組み合わせることにより、耐荷重性及び耐摩耗性が向上する。グラファイトの配合量は、組成物全体の1〜5重量%が好ましい。グラファイトの配合量が1重量%未満では十分な潤滑性能が得られず、5重量%を超えると耐摩耗性が低下し、金属部材との密着性の低下により耐食性が低下するなどの影響がある。また、グラファイトの平均粒径は、5μm以下のものが好ましい。
本発明の潤滑被膜組成物は、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤をそれぞれの特徴を生かし且つ欠点を補うように配合し、低摩耗のフラン樹脂初期縮合物と共に、有機溶剤中に通常のごとく分散混合することにより製造する。有機溶剤としては、フラン樹脂初期縮合物を溶解し得るものであれば特に制限はないが、中でもプロピレングリコールメチルエーテルアセテートが好ましい。尚、固体潤滑剤以外にも、分散性や塗布性の向上、膜質改善などの目的により、従来と同様に、湿潤分散剤、レベリング剤、沈降防止剤等の添加剤を適量使用することができる。
また、潤滑被膜組成物は、従来と同様の方法により、金属部材の表面に適用することができる。即ち、潤滑被膜組成物又は必要に応じて更に有機溶剤を添加した塗布液を、予め材質や用途にあわせた公知の方法で前処理を施した金属部材表面に、上記塗布液をスプレー、刷毛塗り、浸漬、タンブリング等の方法により塗布した後、乾燥させ、焼成することにより、硬化した乾性潤滑被膜を形成することができる。
潤滑被膜組成物の塗膜を硬化させる際に、フラン樹脂初期縮合物を短時間で硬化させたい場合には、150〜200℃で焼成することが好ましい。また、150℃以下の温度で硬化させる場合には、塗装直前に潤滑被膜組成物にフラン樹脂用硬化剤を添加することにより、短時間での低温硬化が可能である。尚、硬化剤を使用するにあたっては、目的とする硬化温度と硬化時間に応じて適量を添加することが好ましい。
得られる乾性潤滑被膜は、硬化したフラン樹脂の基材中に二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤が分散含有され、下地である金属部材との密着性が良好であり、耐アルカリ性、耐薬品性、耐熱性、耐溶剤性、耐油性、耐食性に優れると共に、低摩擦で且つ低摩耗である。従って、この乾性潤滑被膜をOA機器、家電、自動車、産業機械などの金属部材表面に形成することによって、摺動部の潤滑性能が改善され、初期なじみ性や耐焼き付き性の向上、オイルレス化などを図ることができる。
本発明による試料1の潤滑被膜組成物を、以下のごとく調整した。まず、フラン樹脂初期縮合物(フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂の初期縮合物)を46.0重量%、二硫化モリブデン(MoS)を4.0重量%、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を6.0重量%、グラファイトを1.0重量%となるように添加した。更に通常の湿潤分散剤、レベリング剤、沈降防止剤を約3重量%となるように添加し、最後に溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)を前記組成となるように粘度調整しながら添加して、撹拌することにより試料1の潤滑被膜組成物とした。
固体潤滑剤として、二硫化モリブデン8.0重量%と、PTFE12.0重量%と、グラファイト2.0重量%を用いた以外は上記試料1の場合と同様にして、試料2の潤滑被膜組成物を得た。また、フラン樹脂初期縮合物の配合量を32.0重量%とした以外は上記試料1の場合と同様にして、試料3の潤滑被膜組成物を得た。更に、フラン樹脂初期縮合物の配合量を65.0重量%とした以外は上記試料1の場合と同様にして、試料4の潤滑被膜組成物を得た。
一方、比較例の試料として、フラン樹脂初期縮合物の代わりにエポキシ樹脂を用いた以外は上記試料1の場合と同様にして、試料5の潤滑被膜組成物を得た。また、フラン樹脂初期縮合物の代わりにポリアミドイミド樹脂を用いた以外は上記試料1の場合と同様にして、試料6の潤滑被膜組成物を得た。上記本発明の試料1〜4の潤滑被膜組成物と、比較例である試料5〜6の潤滑被膜組成物の各組成を、下記表1にまとめて示した。
Figure 2007009039
これら本発明の試料1〜4の潤滑被膜組成物と、比較例である試料5〜6の潤滑被膜組成物を評価した。即ち、これらの組成物を80℃に予備加熱した鉄材表面にスプレーコーティングし、80℃で十分乾燥させた後、焼成温度180℃で30分間焼付けを行った。ただし、ポリアミドイミド樹脂を用いた試料6の組成物では、80℃で十分乾燥させた後、焼成温度230℃で30分間焼付けを行った。得られたものをテストピースとし、下記する方法により潤滑性の評価及び塗膜の評価を行い、潤滑性の評価結果を下記表2に及び塗膜の評価結果を下記表3に示した。
[潤滑性評価:往復動摩擦摩耗試験]
潤滑性評価方法は、往復動摩擦摩耗試験装置を使用し、テストピースであるプレート及びピンの鉄材はS45Cを使用した。プレートは表面を耐水研磨ペーパー#800で研磨し、メチルエチルケトンで洗浄したものを使用した。ピンの表面は、最終的に耐水研磨ペーパー#2000で研磨して仕上げた。往復動摩擦摩耗試験の設定条件は、摺動速度80サイクル/分、摺動距離10mm往復、摺動回数4000サイクル、荷重40kgf又は60kgfで実施し、静摩擦係数、平均動摩擦係数を測定した。また、被膜の摩耗状態を評価するため、表面粗さ測定装置を用いて、上記試験終了後の被膜の摩耗深さを測定した。
Figure 2007009039
[被膜評価:耐食性試験]
被膜評価試験として、耐食性試験と耐湿性試験と耐油性試験を行い、テストピースの鉄材にはSPCC−Bを使用した。耐食性試験は塩水噴霧試験方法(JIS Z 2371)により100時間行い、耐湿性試験は耐湿性試験方法(JIS K 2246)により200時間実施した。また、耐油性試験では、テストピースをエタノール20重量%とメタノール10重量%を配合した市販ガソリン中に室温雰囲気下で500時間浸漬した。各試験の終了後、被膜の状態を目視により評価した。評価方法は、被膜の外観に全く変化が認められないものを良好、被膜の一部に剥離等の異常が認められたものを不良、剥離等の異常はないが表面状態に若干変化が認められたものを可として表示した。
Figure 2007009039
上記の結果から分かるように、潤滑性評価において、本発明の試料1〜4の組成物による被膜は、各荷重における静摩擦係数及び平均動摩擦係数において、比較例の試料5〜6と同等又はそれ以下の値を示し、特に試料1の組成物は最も小さい摩擦係数を示した。また、試験後の摩耗深さにおいても、本発明の試料1〜4の組成物は、比較例の試料5〜6に比べて少なかった。この潤滑性評価の結果から、本発明の潤滑被膜組成物は、比較例の組成物よりも低摩擦特性及び耐摩耗性に優れていることが確認された。
また、被膜評価において、本発明の試料1〜4の組成物による被膜は不可の評価はなく、耐湿性試験及び耐油性試験では全て良好であり、耐食性試験でも試料1と試料4は良好、試料2と試料3は可の評価であった。一方、比較例の試料5は、耐湿性試験及び耐油性試験は良好であり、塩水噴霧試験は可であった。また、比較例の試料6は、耐湿性試験、耐食性試験、耐油性試験のいずれも良好であったが、被膜を硬化させるために230℃という本発明の試料1〜4よりも高い焼成温度が必要であるという欠点がある。


Claims (5)

  1. フルフラール若しくはフルフリルアルコールのいずれか片方又は両方を出発物質とし、硬化によりフラン樹脂となるフラン樹脂初期縮合物と、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン及びグラファイトの3種の固体潤滑剤とを、有機溶剤中に分散含有することを特徴とする乾性潤滑被膜組成物。
  2. 前記フラン樹脂初期縮合物の配合量が組成物全体の30〜65重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の乾性潤滑被膜組成物。
  3. 前記二硫化モリブデンの配合量が組成物全体の1〜12重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乾性潤滑被膜組成物。
  4. 前記ポリテトラフルオロエチレンの配合量が組成物全体の5〜12重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の乾性潤滑被膜組成物。
  5. 前記グラファイトの配合量が組成物全体の1〜5重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の乾性潤滑被膜組成物。


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