以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの外観を示す図である。
図において、10は画像形成装置としてのプリンタであり、後述されるホスト装置36等の上位装置が送信する印刷データを受信し、印刷を行うようになっている。なお、前記プリンタ10はインクジェット式、熱転写式等いかなる種類のプリンタ装置であってもよいが、ここでは、電子写真式のプリンタ装置であるものとして説明する。
そして、前記プリンタ10には、被印刷物となる媒体としての用紙14を格納しておく給紙トレイ13が装着される。また、前記プリンタ10は装着部としての排出スタッカ接続ユニット11を備え、印刷済みの用紙14を格納しておくための排出スタッカ16及び媒体収容部としての機密保護排出スタッカ17a〜17cは、前記排出スタッカ接続ユニット11に接続されることによって、プリンタ10に装着される。ここで、排出スタッカ16はプリンタ10と一体となるように固定され、機密保護排出スタッカ17a〜17cは着脱可能にプリンタ10に装着されている。また、排出スタッカ16及び機密保護排出スタッカ17a〜17cの各々には、スタッカNo.1〜4が指定されている。本実施の形態においては、図に示されるように、一つの給紙トレイ13、一つの排出スタッカ16、及び、三つの機密保護排出スタッカ17a〜17cがプリンタ10に装着されているが、各々、最低でも一つ以上が装着されていればよく、何個装着されていてもよい。なお、機密保護排出スタッカ17a〜17cは、いずれも同様の構成を有するものであり、統合的に説明する場合には、機密保護排出スタッカ17として説明する。
ここで、前記プリンタ10は、前記給紙トレイ13内に格納されている用紙14を給紙し、用紙搬送経路15に沿って用紙14を搬送する。そして、プリンタ10が内部に備える画像形成部12は、実際の画像の生成を行い、生成された画像を用紙14へ転写する。そして、画像が転写された用紙14は、用紙搬送経路15に沿って搬送され、スタッカNo.1〜4によって指定された排出スタッカ16及び機密保護排出スタッカ17a〜17cのいずれかの内部に排出される。
次に、前記機密保護排出スタッカ17について説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における機密保護排出スタッカの外観を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるデータストリームを示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における機密保護排出スタッカの概略を示すブロック図、図5は本発明の第1の実施の形態における機密保護排出スタッカが備える不揮発性メモリ内の情報を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタが備える排出スタッカ接続ユニットの外観を示す図である。
本実施において、プリンタ10を使用して機密情報を印刷する特定利用者としてのユーザは、上位装置としての後述されるホスト装置36を操作して、図3(a)に示されるような印刷データとしての機密印刷データ26を作成し、該機密印刷データ26をプリンタ10に送信する。そして、該プリンタ10は、機密印刷データ26の印刷を行うと、印刷された用紙14を機密保護排出スタッカ17a〜17cのいずれかに格納する。なお、前記機密印刷データ26は、図3(b)に示されるような通常印刷データとしての印刷データ24の前段にユーザ情報に対応する情報としてのIDナンバー25を付加したデータストリームとして作成される。
図2には機密保護排出スタッカ17が示されている。そして、該機密保護排出スタッカ17は、印刷済みの用紙14を内部に取り入れるための用紙格納口21、内部に格納されている印刷済みの用紙14を取り出すための用紙取り出し扉22、及び、外部装置と接続するための外部装置接続部23を備える。そして、前記用紙格納口21は、用紙14を一枚通過させることはできるが、複数枚を重ねて通過させることができない程度の適切な大きさを有する。また、格納された用紙は、用紙格納口21から外に出ない構成を有する(例えば、図2(b)参照。)。本実施の形態において、前記外部装置接続部23としては、USB(Universal Serial Bus)ポートの凸側を利用する。さらに、前記用紙取り出し扉22は、施錠可能であり、図示されないキーによって解錠することができる。なお、排出スタッカ16の図示されない用紙取り出し扉は、誰もが開けることができるように施錠不能となっている。
そして、図4に示されるように、機密保護排出スタッカ17は、記憶部としての不揮発性メモリ31を備える。外部装置接続部23を介して接続されたパーソナルコンピュータ32から、図5に示されるようなユーザ情報としてのIDナンバー33を不揮発性メモリ31に書き込んで記憶させることができる。また、外部装置接続部23を介して接続されたプリンタ10から、不揮発性メモリ31が記憶しているIDナンバー33を読み取ることができる。プリンタ10を介して、IDナンバー33を書き込むこともできる。このとき、書き込みを許可するためのパスワード等が必要となる。コマンドについては、後述する。
また、排出スタッカ接続ユニット11には、排出スタッカ16が着脱不能に接続されている。そして、排出スタッカ接続ユニット11は、機密保護排出スタッカ17a〜17cの各々が接続される接続凹部18a〜18cを備える。また、接続凹部18a〜18cの各々には、スタッカNo.2〜4が指定されている。なお、接続凹部18a〜18cのいずれも同様の構成を有するものであり、統合的に説明する場合には、接続凹部18として説明する。そして、該接続凹部18は、前記機密保護排出スタッカ17への用紙排出口34と、機密保護排出スタッカ17との機密保護排出スタッカ接続部35を備えている。本実施の形態においては、機密保護排出スタッカ17との機密保護排出スタッカ接続部35として、USBポートの凹側を利用する。そして、機密保護排出スタッカ17が備える外部接続部23と排出スタッカ接続ユニット11が備える機密保護排出スタッカ接続部35とが接続されることによって、プリンタ10が、機密保護排出スタッカ17が備える不揮発性メモリ31内のIDナンバー33を参照したり、排出スタッカ接続ユニット11が備える用紙排出口34から排出された印刷済みの用紙14が、機密保護排出スタッカ17が備える用紙格納口21を通って、機密保護排出スタッカ17の内部に格納されたりすることが可能となる。
次に、前記プリンタ10について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ内の揮発性メモリ内の情報を示す図である。
図7に示されるように、前記プリンタ10は、上位装置としてのホスト装置36から印刷データ24を受信する印刷データ受信部41、機密保護排出スタッカ17の着脱を監視する機密保護排出スタッカ監視部49、プリンタ10が種々の制御を行うための情報を一時的に記憶しておくための揮発性メモリ43、プリンタ10のユーザへのメッセージを表示したり、ユーザがプリンタ10の操作を行うための操作パネル44、機密印刷データ26を格納しておくためのハードディスク等から成る不揮発性記憶装置45、機密保護排出スタッカ17が備える不揮発性メモリ31内のIDナンバー33と機密印刷データ26が含むIDナンバー25との比較を行うIDナンバー比較部46、実際の印刷動作を実行する印刷機構部48、該印刷機構部48に渡すための実際の描画データを生成する印刷制御部47、及び、揮発性メモリ43内に存在するIDナンバー管理テーブル37を初期化するためのIDナンバーテーブル初期化部42を有する。なお、前記印刷データ受信部41及び不揮発性記憶装置45は、印刷データ格納部として機能し、IDナンバー比較部46は比較部として機能する。
ここで、前記揮発性メモリ43には、図8に示されるようなIDナンバー管理テーブル37が記憶されている。該IDナンバー管理テーブル37によって、接続凹部18a〜18cの各々に指定されたスタッカNo.2〜4と、プリンタ10に一体化されている排出スタッカ接続ユニット11に着脱可能に接続された機密保護排出スタッカ17a〜17cの不揮発性メモリ31に書き込まれたIDナンバー33との対応を管理する。IDナンバーの部分に−1が書き込まれている場合、それは、機密保護排出スタッカ17が該当するスタッカNo.の接続凹部18に接続されていないことを示す。また、IDナンバーの部分に−2が書き込まれている場合、それは、機密保護排出スタッカ17が該当するスタッカNo.の接続凹部18に接続されてはいるが、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31にIDナンバー33が設定されていないことを表す。さらに、IDナンバー管理テーブル37のIDナンバーの部分に−1及び−2以外が書き込まれている場合、それは、該当するスタッカNo.の接続凹部18にいずれかの機密保護排出スタッカ17が接続され、かつ、接続された機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31からIDナンバー33が読み出せたことを意味する。
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。まず、プリンタ10内のIDナンバーテーブル初期化部42が行うIDナンバー管理テーブル37の初期化処理の動作について説明する。
図9は本発明の第1の実施の形態におけるIDナンバー管理テーブルの初期化処理の動作を示すフローチャートである。
まず、プリンタ10の電源投入時、又は、リブートによる再起動時に、IDナンバーテーブル初期化部42は、スタッカNo.2〜4に対応するIDナンバー値として、IDナンバー管理テーブル37におけるすべてのIDナンバーの部分に−1を格納する。次に、機密保護排出スタッカ17の装着状況をチェックして、揮発性メモリ43のIDナンバー管理テーブル37にその情報を格納し、初期化処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 スタッカNo.2〜4に対応するIDナンバー値として、すべて−1を格納する。
ステップS2 各接続ユニットと通信を行い、各機密保護排出スタッカ17の装着状況をチェックし、得られた情報(装着なしやIDナンバー等)を格納し、処理を終了する。
次に、印刷データ受信部41が行う印刷データ受信処理の動作について説明する。
図10は本発明の第1の実施の形態における印刷データ受信部の印刷データ受信処理の動作を示すフローチャートである。
まず、印刷データ受信部41は、ホスト装置36から印刷データ24を受信したか否かを判断を繰り返して待機する。そして、ホスト装置36から印刷データ24を受信すると、該印刷データ24にIDナンバー25が付加されているか否か、すなわち、機密印刷データ26であるか否かを判断する。ここで、前記IDナンバー25が付加されていない場合、受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をスタッカNo.1に排出して処理を終了する。すなわち、印刷制御部47により、受信した印刷データ24を元に描画データが生成され、印刷機構部48によって印刷が行われ、印刷された用紙14は固定的に接続されている排出スタッカ16に排出される。
また、受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されている場合、IDナンバー比較部46は、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在するか否かを判断する。そして、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在しない場合、受信した印刷データ24をIDナンバー25を含めて受信した機密印刷ジョブであるところの機密印刷データ26として、ハードディスク、すなわち、不揮発性記憶装置45に格納し、処理を終了する。
一方、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在する場合、これは、IDナンバー25と同一の値が不揮発性メモリ31上のIDナンバー33に書き込まれている機密保護排出スタッカ17が、スタッカNo.2〜4のいずれかの位置に接続されていることを意味する。そこで、受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバー33が一致したスタッカNo.に排出し、処理を終了する。すなわち、印刷制御部47により、受信した印刷データ24を元に描画データが生成され、印刷機構部48によって印刷が行われ、印刷された用紙14は、IDナンバー管理テーブル37上でIDナンバー25と一致した値が設定されているスタッカNo.2〜4のいずれかに排出される。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 印刷データ24を受信したか否かを判断する。印刷データ24を受信した場合はステップS12に進み、印刷データ24を受信しない場合は待機する。
ステップS12 受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されているか否かを判断する。受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されている場合はステップS13に進み、受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されていない場合はステップS16に進む。
ステップS13 IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在するか否かを判断する。IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在する場合はステップS15に進み、IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在しない場合はステップS14に進む。
ステップS14 受信した印刷データ24をIDナンバー25も含めた機密印刷データ26として不揮発性記憶装置45に格納し、処理を終了する。
ステップS15 受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバー25が一致したスタッカNo.に排出し、処理を終了する。
ステップS16 受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をスタッカNo.1に排出し、処理を終了する。
次に、機密保護排出スタッカ監視処理の動作について説明する。
図11は本発明の第1の実施の形態における機密保護排出スタッカ監視処理の動作を示すフローチャートである。
まず、機密保護排出スタッカ監視部49は、機密保護排出スタッカ接続部35に新たな機密保護排出スタッカ17の外部装置接続部23が接続されたか、又は、機密保護排出スタッカ接続部35に既に接続されている機密保護排出スタッカ17の外部装置接続部23が抜かれたかを監視する。すなわち、新たな機密保護排出スタッカ17が装着されたか否か、及び、機密保護排出スタッカ17が抜かれたか否かの判断を繰り返す。そして、機密保護排出スタッカ接続部35に既に接続されている機密保護排出スタッカ17の外部装置接続部23が抜かれた場合、IDナンバー管理テーブル37上の、機密保護排出スタッカ17が抜かれたスタッカNo.に対応するIDナンバーの領域に−1を格納し、処理を終了する。
また、機密保護排出スタッカ接続部35に新たな機密保護排出スタッカ17の外部装置接続部23が接続された場合、新たに装着された機密保護排出スタッカ17からIDナンバー33の値を読み取る。この場合、機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31に格納されているIDナンバー33の値を読み取る。そして、機密保護排出スタッカ17にIDナンバー33が格納されているか否かを判断する。ここで、該IDナンバー33が格納されていない場合、IDナンバー管理テーブル37上の、機密保護排出スタッカ17が接続されたスタッカNo.に対応するIDナンバーの領域に−2を格納する。そして、機密保護排出スタッカ17にIDナンバーが設定されていない旨を、プリンタ10の操作パネル44に表示させ、処理を終了する。
また、機密保護排出スタッカ17にある不揮発性メモリ31にIDナンバー33が格納されている場合、IDナンバー管理テーブル37上の、機密保護排出スタッカ17が装着されたスタッカNo.に対応するIDナンバーの領域に、機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31から読み取ったIDナンバー33の値を書き込む。そして、印刷制御部47が機密情報印刷処理を実行して処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 各接続ユニットに対して、通信を行い得られた状況から新たな機密保護排出スタッカ17が装着されたか否かを判断する。ある接続ユニットに対して、得られた情報がテーブルに格納されている情報と異なる場合は新たな機密保護排出スタッカ17が装着されたと判断してステップS24に進み、新たな機密保護排出スタッカ17が装着されない場合はステップS22に進む。
ステップS22 機密保護排出スタッカ17が抜かれたか否かを判断する。テーブルに情報(IDナンバー)があるのに、(−1)が得られた場合は機密保護排出スタッカ17が抜かれたと判断しステップS23に進み、機密保護排出スタッカ17が抜かれない場合はステップS21に戻る。
ステップS23 IDナンバー管理テーブル37上の、機密保護排出スタッカ17が抜かれたスタッカNo.に対応するIDナンバーに−1を格納し、処理を終了する。
ステップS24 機密保護排出スタッカ17にIDナンバー33が格納されているか否かを判断する。機密保護排出スタッカ17にIDナンバー33が格納されている場合はステップS25に進み、機密保護排出スタッカ17にIDナンバー33が格納されていない場合はステップS27に進む。
ステップS25 IDナンバー管理テーブル37上の、機密保護排出スタッカ17が装着されたスタッカNo.に対応するIDナンバーに、揮発性メモリ31から読み取ったIDナンバー33を書き込む。
ステップS26 機密情報印刷処理を行い、処理を終了する。
ステップS27 IDナンバー管理テーブル37上の、スタッカNo.に対応するIDナンバーに−2を格納する。
ステップS28 機密保護排出スタッカ17にIDナンバーが設定されていない旨を操作パネル44上に表示させ、処理を終了する。
次に、機密情報印刷処理の動作について説明する。
図12は本発明の第1の実施の形態における機密情報印刷処理の動作を示すフローチャートである。この処理は新しいIDナンバーを有する機密保護排出スタッカ17が装着された場合に行われる処理である。
まず、印刷制御部47は、ハードディスク、すなわち、不揮発性記憶装置45に機密印刷データ26が格納されているか否かを判断する。そして、不揮発性記憶装置45に機密印刷データ26が格納されていない場合、該機密印刷データ26が格納されていない旨を操作パネル44に表示し、処理を終了する。
また、機密印刷データ26が格納されている場合、IDナンバー比較部46は、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されている機密印刷データ26のIDナンバー25と一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在するか否かを判断する。そして、一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在しない場合、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されているすべての機密印刷データ26が検索されるまで処理を繰り返す。
一方、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されている機密印刷データ26のIDナンバー25と一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在する場合、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されている機密印刷データ26を、IDナンバー管理テーブル37上において、IDナンバーが一致したスタッカNo.で示される機密保護排出スタッカ17を出力先として印刷を開始する。更に、操作パネル44上に印刷中である旨を表示する。その後、印刷が終了するまで待機し、印刷が終了した場合、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されているすべての機密印刷データ26が検索されるまで処理を繰り返す。
そして、不揮発性記憶装置45としてのハードディスクに格納されているすべての機密印刷データ26の検索が終了した場合、印刷を行ったか否かを判断する。印刷を行った場合には処理を終了する。また、印刷を行わなかった場合、該当する機密印刷データ26が不揮発性記憶装置45に格納されていない旨を操作パネル44に表示し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 不揮発性記憶装置45に機密印刷データ26が格納されているか否かを判断する。不揮発性記憶装置45に機密印刷データ26が格納されている場合はステップS33に進み、不揮発性記憶装置45に機密印刷データ26が格納されていない場合はステップS32に進む。
ステップS32 機密印刷データ26が格納されていない旨を操作パネル44上に表示し、処理を終了する。
ステップS33 不揮発性記憶装置45に格納されている機密印刷データ26のIDナンバー25と一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在するか否かを判断する。不揮発性記憶装置45に格納されている機密印刷データ26が中のIDナンバー25と一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在する場合はステップS34に進み、不揮発性記憶装置45に格納されている機密印刷データ26が中のIDナンバー25と一致するIDナンバーがIDナンバー管理テーブル37に存在しない場合はステップS36に進む。
ステップS34 不揮発性記憶装置45に格納されている機密印刷データ26をIDナンバー管理テーブル37上にて、IDナンバー25が一致したスタッカNo.で示される機密保護排出スタッカ17を出力先として印刷を開始する。更に、操作パネル44上に印刷中である旨を表示する。
ステップS35 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS36に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS36 不揮発性記憶装置45に格納されているすべての機密印刷データ26を検索したか否かを判断する。不揮発性記憶装置45に格納されているすべての機密印刷データ26を検索した場合はステップS37に進み、不揮発性記憶装置45に格納されているすべての機密印刷データ26を検索しない場合はステップS33に戻る。
ステップS37 印刷を行ったか否かを判断する。印刷を行っていない場合はステップS38に進み、印刷を行った場合は処理を終了する。
ステップS38 該当する機密印刷データ26がなかった旨を操作パネル44上に表示し、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、着脱可能であり、かつ、ユーザを特定することができる任意のIDを設定可能な複数の機密保護排出スタッカ17を入れ替えて利用することができるようになっている。そのため、印刷が終了しているであろう機密保護排出スタッカ17を抜き取り、自分の機密保護排出スタッカ17を装着することによって多人数のユーザが機密情報の印刷を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
本実施の形態におけるプリンタ10及び排出スタッカ接続ユニット11の構成は前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略し、機密保護排出スタッカについて説明する。
図13は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカの外観を示す図、図14は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカの保管手段を示す図、図15は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカの構成を示すブロック図、図16は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカが備える不揮発性メモリ内の情報を示す図である。
本実施においては、プリンタ10を使用して機密情報を印刷したいユーザは、前記第1の実施の形態と同様に、図3に示されるIDナンバー25とパスワードを付加したデータストリームとしての機密印刷データ26を生成し、それをプリンタ10に送信する。プリンタ10は、指定されたIDナンバーを有する機密保護排出スタッカ17へ印刷出力する。
図13には本実施の形態における機密保護排出スタッカ17が示されており、格納されている用紙14に印刷された印刷データ24固有の識別子であるジョブIDを表示するためのジョブID表示部51を備える。他の点の構成については、前記第1の実施の形態における機密保護排出スタッカ17と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施の形態においては、プリンタ10が備えるスタッカNo.の個数以上の機密保護排出スタッカ17が存在することを想定している。この場合、該機密保護排出スタッカ17は、図14に示されるような機密保護排出スタッカ格納棚52に収容される。該機密保護排出スタッカ格納棚52は、複数の機密保護排出スタッカ17を格納することができる。
そして、図15に示されるように、機密保護排出スタッカ17は、スタッカ制御部54、用紙取り出し扉22の開錠及び施錠を制御するドアロック機構部55、IDナンバーを記憶しておくためのEEPROM等から成る不揮発性メモリ31、プリンタ10又は機密保護排出スタッカ開錠施錠装置57からの命令を受信するための通信制御部53、メモリに格納されているジョブIDを表示するためのジョブID表示部51、並びに、ドアロック機構部55及びジョブID表示部51に電源を供給するための電源供給部56を有する。
また、機密保護排出スタッカ17は、前記第1の実施の形態における機密保護排出スタッカ17と同様に、不揮発性メモリ31を備え、該不揮発性メモリ31内には、図16に示されるように、機密保護排出スタッカ17固有のIDナンバー58とパスワードが保持される。
次に、前記機密保護排出スタッカ開錠施錠装置57について説明する。
図17は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ開錠施錠装置の外観を示す図、図18は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ開錠施錠装置の構成を示す図である。
機密保護排出スタッカ開錠施錠装置57は、図18に示されるように、開錠施錠装置制御部64、機密保護排出スタッカ17のユーザに対しての情報を表示するメッセージ表示部62、機密保護排出スタッカ17のユーザが機密保護排出スタッカ17を占有するためのIDナンバーを入力するためのIDナンバー入力部63、及び、開錠施錠装置制御部64と通信可能な通信制御部65を有する。また、前記開錠施錠装置制御部64は、通信制御部65を利用し、図17に示される機密保護排出スタッカ接続部61に機密保護排出スタッカ17が接続されたか否かを監視するとともに、該機密保護排出スタッカ17の制御を行う。61は、機密保護排出スタッカ17の外部装置接続部23と係合する部分である。
次に、機密保護排出スタッカ制御コマンドについて説明する。
図19は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ制御コマンドの一覧を示す図、図20は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ制御コマンドの内容を示す図である。
図20に示されるように、機密保護排出スタッカ制御コマンド66は、コマンド種別67と補足情報68との二つの情報から成る。図19に示されるように、コマンド種別67がIDナンバー設定の場合には、補足情報68の領域には、設定するIDナンバーが格納される。また、コマンド種別67がIDナンバーリードの場合には、補足情報68の領域には、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31から読み出したIDナンバー58の値が格納される。さらに、コマンド種別67がジョブID設定の場合には、補足情報68の領域には、ジョブIDが格納される。それ以外のコマンド種別67、すなわち、IDナンバー消去、施錠指示、開錠指示及びジョブID消去の場合には、補足情報68は使用されない。
次に、プリンタ10について説明する。
図21は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの構成を示すブロック図、図22は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ内の揮発性メモリ内の情報を示す図である。
図21に示されるように、本実施の形態におけるプリンタ10は、機密保護排出スタッカ通信部71及び不揮発性メモリ72を有する。そして、前記機密保護排出スタッカ通信部71は機密保護排出スタッカ17に対して機密保護排出スタッカ制御コマンド66を送信し、不揮発性メモリ72は、図22に示されるようなジョブIDカウンタ73を情報として記憶する。該IDカウンタ73は、プリンタ10の出荷時には0に設定され、以降、印刷データ24を受信する度に数値が1ずつ増加するようになっている。なお、前記不揮発性メモリ72はプリンタ10の電源が切断された場合であっても情報を保持する。他の構成については前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。本実施の形態におけるIDナンバー管理テーブル37の初期化処理の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。まず、機密保護排出スタッカ開錠施錠装置57の行う機密保護排出スタッカIDデータ設定処理の動作について説明する。
図23は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカIDデータ設定処理の動作を示すフローチャートである。
まず、開錠施錠装置制御部64は、通信制御部65を利用し、機密保護排出スタッカ接続部61に機密保護排出スタッカ17が接続されたか否かの判断を繰り返して監視する。そして、機密保護排出スタッカ接続部61に機密保護排出スタッカ17が接続された場合、接続された該機密保護排出スタッカ17に対して、IDナンバーリードをコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31に格納されているIDナンバー58を読み取り、前記機密保護排出スタッカ17には既にIDナンバー58が設定されているか否かを判断する。そして、既にIDナンバー58が設定されている場合、機密保護排出スタッカ開錠処理を実行して処理を終了する。また、IDナンバー58が設定されていない場合、すなわち、接続された機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31にIDナンバー58が設定されていない場合、機密保護排出スタッカ施錠処理を実行して処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 機密保護排出スタッカ17が接続されたか否かを判断する。機密保護排出スタッカ17が接続された場合はステップS42に進み、機密保護排出スタッカ17が接続されない場合は待機する。
ステップS42 機密保護排出スタッカ17には、既にIDナンバー58が設定されているか否かを判断する。機密保護排出スタッカ17には、既にIDナンバー58が設定されている場合はステップS43に進み、機密保護排出スタッカ17には、既にIDナンバー58が設定されていない場合はステップS44に進む。
ステップS43 機密保護排出スタッカ開錠処理を行い、処理を終了する。このとき、パスワードの入力後、開錠するようにしてもよい。
ステップS44 機密保護排出スタッカ施錠処理を行い、処理を終了する。
次に、前記機密保護排出スタッカ開錠処理について説明する。
図24は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ開錠処理の動作を示すフローチャートである。
まず、開錠施錠装置制御部64は、「排出スタッカを開錠します。IDナンバー(orパスワード)を入力して下さい。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示させる。続いて、開錠施錠装置制御部64は、IDナンバー入力部63を監視し、IDナンバー58が入力されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、IDナンバー入力部63に対してIDナンバー58が入力されると、IDナンバーリードをコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66によって読み取った機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と、入力されたIDナンバーとを比較し、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとは一致するか否かを判断する。ここで、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致しない場合、「IDナンバーが違います。もう一度IDナンバーを入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示させ、再度、IDナンバー58が入力されたか否かの判断を繰り返して待機する。
また、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致する場合、開錠施錠装置制御部64は、接続された機密保護排出スタッカ17に対して、開錠指示をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17の用紙取り出し扉22を開錠する。すなわち、機密保護排出スタッカ17を開錠する。続いて、接続された機密保護排出スタッカ17に対して、IDナンバー消去をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31に格納されている機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58を消去する。続いて、装着された機密保護排出スタッカ17に対して、ジョブID消去をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17のジョブID表示部51の表示を消去して処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 「排出スタッカを開錠します。IDナンバーを入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示する。
ステップS52 IDナンバー58が入力されたか否かを判断する。IDナンバー58が入力された場合はステップS53に進み、IDナンバー58が入力されない場合は待機する。
ステップS53 機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致するか否かを判断する。機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致する場合はステップS55に進み、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致しない場合はステップS54に進む。
ステップS54 「IDナンバーが違います。もう一度IDナンバーを入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示する。
ステップS55 機密保護排出スタッカ17を開錠する。
ステップS56 機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58を消去する。
ステップS57 機密保護排出スタッカ17のジョブID表示部51の表示を消去し、処理を終了する。
次に、前記機密保護排出スタッカ施錠処理について説明する。
図25は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ施錠処理の動作を示すフローチャートである。
まず、開錠施錠装置制御部64は、「排出スタッカを施錠します。IDナンバーを入力して下さい。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示させる。続いて、開錠施錠装置制御部64は、IDナンバー入力部63を監視し、IDナンバー58が入力されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、IDナンバー入力部63に対してIDナンバー58が入力されると、接続された機密保護排出スタッカ17に対して、IDナンバー設定をコマンド種別とし、補足情報68に入力されたIDナンバーが格納された機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31にIDナンバー58を格納する。すなわち、機密保護排出スタッカ17にIDナンバー58を設定する。
続いて、開錠施錠装置制御部64は、装着された機密保護排出スタッカ17に対して、施錠指示をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17の用紙取り出し扉22を施錠する。すなわち、機密保護排出スタッカ17を施錠し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS61 「排出スタッカを施錠します。IDナンバー(orパスワード)を入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部62に表示する。
ステップS62 IDナンバー58が入力されたか否かを判断する。IDナンバー58が入力された場合はステップS63に進み、IDナンバー58が入力されない場合は待機する。
ステップS63 機密保護排出スタッカ17にIDナンバー58を設定する。
ステップS64 機密保護排出スタッカ17を施錠し、処理を終了する。
次に、前記機密保護排出スタッカ17のスタッカ制御部54が行う機密保護排出スタッカ制御処理について説明する。
図26は本発明の第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ制御処理の動作を示すフローチャートである。
まず、スタッカ制御部54は通信制御部53を利用して、外部装置であるプリンタ10、又は、機密保護排出スタッカ開錠施錠装置57からの機密保護排出スタッカ制御コマンド66の受信を待機する。すなわち、コマンドを受信したか否かの判断を繰り返して待機する。そして、いずれかの機密保護排出スタッカ制御コマンド66を受信した場合、コマンドの種類を判断する。具体的には、受信した機密保護排出スタッカ制御コマンド66のコマンド種別67を参照してその種類を識別する。
そして、前記コマンド種別67がIDナンバーリードである場合、不揮発性メモリ31上のIDナンバー58を読み込んで返し、処理を終了する。すなわち、不揮発性メモリ31上に格納されているIDナンバー58を読み込んで、その値を受信した排出スタッカ制御コマンド66の補足情報68に書き込むことによって、機密保護排出スタッカ制御コマンド66の発行元へ通知し、処理を終了する。また、コマンド種別67がIDナンバー設定である場合、不揮発性メモリ31上に指定されたIDナンバー58を書き込み、処理を終了する。すなわち、補足情報68に格納されているIDナンバー58を不揮発性メモリ31に書き込み、処理を終了する。さらに、コマンド種別67がIDナンバー消去である場合、不揮発性メモリ31上のIDナンバー58、すなわち、不揮発性メモリ31に書き込まれているIDナンバー58を消去して処理を終了する。そして、コマンド種別67が施錠指示である場合、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の施錠を指示し、該用紙取り出し扉22を施錠して処理を終了する。また、コマンド種別67が開錠指示である場合、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の開錠を指示し、該用紙取り出し扉22を開錠して処理を終了する。さらに、コマンド種別67がジョブID設定である場合、補足情報68に設定されているジョブIDをジョブID表示部51に表示させ、処理を終了する。そして、コマンド種別67がジョブID消去である場合、ジョブID表示部51の表示を消去し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS71 コマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS72に進み、コマンドを受信しない場合は待機する。
ステップS72 コマンドの種類を識別し、IDナンバーリードである場合はステップS73に進み、IDナンバー設定である場合はステップS74に進み、IDナンバー消去である場合はステップS75に進み、施錠指示である場合はステップS76に進み、開錠指示である場合はステップS77に進み、ジョブID設定である場合はステップS78に進み、ジョブID消去である場合はステップS79に進む。
ステップS73 不揮発性メモリ31上のIDナンバー58を読み込んで返し、処理を終了する。
ステップS74 不揮発性メモリ31上に指定されたIDナンバー58を書き込み、処理を終了する。
ステップS75 不揮発性メモリ31のIDナンバー58を消去し、処理を終了する。
ステップS76 用紙取り出し扉22を施錠し、処理を終了する。
ステップS77 用紙取り出し扉22を開錠し、処理を終了する。
ステップS78 ジョブIDをジョブID表示部51に表示させ、処理を終了する。
ステップS79 ジョブID表示部51の表示を消去し、処理を終了する。
次に、印刷データ受信部41が行う印刷データ受信処理について説明する。
図27は本発明の第2の実施の形態における印刷データ受信処理の動作を示すフローチャートである。
まず、印刷データ受信部41は、ホスト装置36から印刷データ24を受信したか否かの判断を繰り返して待機する。そして、ホスト装置36から印刷データ24を受信すると、現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それを1増加させたものを新たなジョブIDカウンタ73として書き込む。すなわち、1増加させた値を、不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73に上書きする。
続いて、印刷データ24にIDナンバー25が付加されているか否かを判断する。ここで、該IDナンバー25が付加されていない場合、受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をスタッカNo.1に排出する。すなわち、印刷制御部47により、受信した印刷データ24を元に描画データが生成され、印刷機構部48によって印刷が行われ、印刷された用紙14は、固定的に接続されている排出スタッカ16に排出される。そして、ジョブIDカウンタ73の値を印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。すなわち、現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それを受信した印刷データ24のIDとして印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。
また、受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されている場合、IDナンバー比較部46は、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在するか否かを判断する。そして、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在しない場合、IDナンバー管理テーブル37に−2が格納されているもの、すなわち、IDナンバー管理テーブル37のIDナンバーの領域に−2が格納されているスタッカNo.が存在するか否かを判断する。これは、IDナンバー58が不揮発性メモリ31に設定されていない機密保護排出スタッカ17が接続されているスタッカNo.はないか否かを検索することを意味する。
ここで、IDナンバー管理テーブル37のIDナンバーの領域に−2が格納されているスタッカNo.が存在しない場合、受信した印刷データ24をIDナンバー25を含めて受信した機密印刷データ26として、ハードディスク、すなわち、不揮発性記憶装置45に格納する。そして、現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それを受信した印刷データ24のIDとして印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。
また、IDナンバー管理テーブル37のIDナンバーの領域に−2が格納されているスタッカNo.が存在する場合、受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバー33として−2が格納されているスタッカNo.に排出する。すなわち、印刷制御部47により、受信した印刷データ24を元に描画データが生成され、印刷機構部48によって印刷が行われ、印刷された用紙14は、IDナンバー管理テーブル37上でIDナンバーの領域に−2が格納されているスタッカNo.に排出される。
そして、排出先のスタッカにIDナンバー25を設定する。すなわち、選択した排出先スタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17に、IDナンバー設定をコマンド種別67に設定し、補足情報68に受信した機密印刷データ26で指定されたIDナンバー25の値を格納した機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行する。続いて、排出先のスタッカを施錠する。すなわち、施錠指示をコマンド種別67に設定した機密保護排出スタッカ制御コマンド66を機密保護排出スタッカ17に発行し、該機密保護排出スタッカ17の用紙取り出し扉22を施錠する。
続いて、排出先のスタッカのジョブID表示部51にジョブIDカウンタ73の値を表示させる。すなわち、選択した排出先スタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17に、ジョブID設定をコマンド種別67に設定し、補足情報68に現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を格納した排出スタッカ制御コマンド66を発行することによって、機密保護排出スタッカ17のジョブID表示部51に現在のジョブIDカウンタ73の値を表示させる。そして、現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それを受信した印刷データ24のIDとして印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。
また、IDナンバー管理テーブル37に受信した印刷データ24に付加されていたIDナンバー25が存在しない場合、これは、IDナンバー25と同一の値が不揮発性メモリ31上のIDナンバー33に書き込まれている機密保護排出スタッカ17が、スタッカNo.2〜4のいずれかの位置に接続されていることを意味する。そこで、受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバー33が一致したスタッカNo.に排出する。すなわち、印刷制御部47により、受信した印刷データ24を元に描画データが生成され、印刷機構部48によって印刷が行われ、印刷された用紙14は、IDナンバー管理テーブル37上でIDナンバー25と一致した値が設定されているスタッカNo.2〜4のいずれかに排出される。更に、スタッカにジョブIDを表示する。すなわち、ジョブIDが機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ72に格納されるとともに、ジョブID表示部51に表示される。そして、現在の不揮発性メモリ72上のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それを受信した印刷データ24のIDとして印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS81 印刷データ24を受信したか否かを判断する。印刷データ24を受信した場合はステップS82に進み、印刷データ24を受信しない場合は待機する。
ステップS82 現在のジョブIDカウンタ73の値を読み出し、それに1増加させたものを新たなジョブIDカウンタ73として書き込む。
ステップS83 受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されているか否かを判断する。受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されている場合はステップS84に進み、受信した印刷データ24にIDナンバー25が付加されていない場合はステップS85に進む。
ステップS84 IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在するか否かを判断する。IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在する場合はステップS87に進み、IDナンバー管理テーブル37に同一のIDナンバー25が存在しない場合はステップS86に進む。
ステップS85 受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をスタッカNo.1に排出する。
ステップS86 IDナンバー管理テーブル37に、IDナンバーとして−2が格納されているものが存在するか否かを判断する。IDナンバー管理テーブル37に、IDナンバーとして−2が格納されているものが存在する場合はステップS89に進み、IDナンバー管理テーブル37に、IDナンバーとして−2が格納されているものが存在しない場合はステップS88に進む。
ステップS87 受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバーが一致したスタッカNo.に排出し、スタッカにジョブIDを表示する。
ステップS88 受信した印刷データ24を、IDナンバーも含めた機密印刷データ26として不揮発性記憶装置45に格納する。
ステップS89 受信した印刷データ24を印刷し、印刷結果をIDナンバーとして−2が格納されているスタッカNo.に排出する。
ステップS90 排出先のスタッカにIDナンバーを設定する。
ステップS91 排出先のスタッカを施錠する。
ステップS92 排出先のスタッカのジョブID表示部51に、ジョブIDカウンタ73の値を表示させる。
ステップS93 ジョブIDカウンタ73の値を印刷データ24の送信元へ返し、処理を終了する。
なお、本実施の形態における機密保護排出スタッカ監視処理及び機密情報印刷処理の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、着脱可能であり、かつ、ユーザを特定することができる任意のIDを設定可能な複数の機密保護排出スタッカ17を入れ替えて利用可能とすることができる。さらに、IDが設定されていない機密保護排出スタッカ17を装着した場合でも、IDを保有する印刷データ24を受信すると、印刷後に該印刷データ24に付加されているIDを機密保護排出スタッカ17に設定して施錠することができる。そのため、多人数のユーザが機密情報の印刷をより容易に行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図28は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの構成を示すブロック図、図29は本発明の第3の実施の形態における操作パネルの概観を示す図、図30は本発明の第3の実施の形態における操作パネルのメニュー情報のリンク構造を示す図である。
図28に示されるように、本実施の形態におけるプリンタ10は、ユーザによって操作される操作パネル44の操作を監視するためのメニュー操作監視部74を有する。そして、本実施の形態における操作パネル44は、図29に示されるように、ユーザに対して情報を表示するためのメッセージ表示部75、及び、ユーザが操作して種々の情報を入力する情報入力部76を備える。該情報入力部76は、例えば、テンキーパッドであるが、ジョグダイヤルの様な形式のものであってもよい。
そして、操作パネル44のメッセージ表示部75には、図30に示されるようなリンク構造に従って、メッセージが表示される。この場合、ユーザが、操作パネル44の情報入力部76の図示されないメニュー操作開始キーを押下することによって、メッセージ表示部75にメニュー階層のトップ画面81が表示される。この状態において、ユーザが情報入力部76の図示されないキーを操作することによって「スタッカ開錠・施錠」が表示されている部分を選択すると、メッセージ表示部75にはスタッカNo.選択画面82が表示される。なお、該スタッカNo.選択画面82に表示されるスタッカNo.は、実際に排出スタッカ接続ユニット11に排出スタッカが接続されているスタッカNo.のみを表示する。
続いて、ユーザが情報入力部76の図示されないキーを操作することによってあるスタッカNo.を選択した場合、既にそのスタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31にIDナンバー58が設定されているときは、メッセージ表示部75にスタッカ開錠ID入力画面83が表示される。また、そのスタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31にIDナンバー58が設定されていないときは、メッセージ表示部75にスタッカ施錠ID入力画面84が表示される。
そして、メッセージ表示部75にスタッカ開錠ID入力画面83が表示されている状態で、ユーザが情報入力部76の図示されないキーを操作することによってIDナンバーの入力を完了した場合に、入力されたIDナンバーと、選択されたスタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31に設定されているIDナンバー58が異なっているときは、該IDナンバー58が異なっている旨を表すスタッカ開錠失敗画面85がメッセージ表示部75に表示される。また、メッセージ表示部75にスタッカ開錠ID入力画面83が表示されている状態で、ユーザが情報入力部76の図示されないキーを操作することによってIDナンバーの入力を完了した場合に、入力されたIDナンバーと、選択されたスタッカNo.に接続されている機密保護排出スタッカ17の不揮発性メモリ31のIDナンバー58が一致していたときは、実際に機密保護排出スタッカ17の媒体取り出し扉22を開錠し、正常に開錠したことを表すスタッカ開錠成功画面86がメッセージ表示部75に表示される。
さらに、該メッセージ表示部75にスタッカ施錠ID入力画面84が表示されている状態で、ユーザが情報入力部76の図示されないキーを操作することによってIDナンバーの入力を完了した場合、実際にその入力されたIDナンバーを利用して機密保護排出スタッカ17の媒体取り出し扉22を施錠し、正常に施錠したことを表すスタッカ施錠成功画面87がメッセージ表示部75に表示される。
なお、その他の点の構成については、前記第1及び第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ17と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、メニュー操作監視部74の動作について説明する。
図31は本発明の第3の実施の形態におけるメニュー操作監視部のメイン処理の動作を示すフローチャートである。
まず、メニュー操作監視部74は、ユーザによって操作パネル44の情報入力部76における図示されないメニュー操作開始キーが押下されたか否かの判断を繰り返して監視する。そして、操作パネル44の情報入力部76におけるメニュー操作開始キーが押下された場合、図8に示されるようなIDナンバー管理テーブル37を参照して、IDナンバーの領域に−1以外が格納されているスタッカNo.を抽出し、抽出したスタッカNo.を記述したスタッカNo.選択画面82をメッセージ表示部75に表示する。すなわち、IDナンバー管理テーブル37上で、IDナンバーの領域に−1以外が格納されているスタッカNo.のみをスタッカNo.選択画面82として表示する。
続いて、ユーザが、操作パネル44の情報入力部76の図示されないキーを利用して、スタッカNo.選択画面82上で表されているスタッカNo.を選択するのを監視する。この場合、スタッカNo.が選択されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、ユーザが、操作パネル44の情報入力部76におけるキーを利用してスタッカNo.を選択した場合、IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.に対応するIDナンバーを参照し、IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.が−2であるか否かを判断する。
ここで、その値が−2であった場合、機密保護排出スタッカ17を施錠すると判断し、機密保護排出スタッカ施錠処理を実行して処理を終了する。また、その値が−2でない場合、機密保護排出スタッカ17を開錠すると判断し、機密保護排出スタッカ開錠処理を実行し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS101 メニュー操作開始キーが押下されたか否かを判断する。メニュー操作開始キーが押下された場合はステップS102に進み、メニュー操作開始キーが押下されない場合は待機する。
ステップS102 IDナンバー管理テーブル37上で、IDナンバーの領域に−1以外が格納されているスタッカNo.のみをスタッカNo.選択画面82として表示する。
ステップS103 スタッカNo.が選択されたか否かを判断する。スタッカNo.が選択された場合はステップS104に進み、スタッカNo.が選択されない場合は待機する。
ステップS104 IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.に対応するIDナンバーが−2であるか否かを判断する。IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.に対応するIDナンバーが−2である場合はステップS106に進み、IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.に対応するIDナンバーが−2でない場合はステップS105に進む。
ステップS105 機密保護排出スタッカ開錠処理を行い、処理を終了する。
ステップS106 機密保護排出スタッカ施錠処理を行い、処理を終了する。
次に、機密保護排出スタッカ開錠処理の動作について説明する。
図32は本発明の第3の実施の形態におけるメニュー操作監視部の機密保護排出スタッカ開錠処理の動作を示すフローチャートである。
まず、メニュー操作監視部74は、「排出スタッカを開錠します。IDナンバーを入力して下さい。」というメッセージが記述されたスタッカ開錠ID入力画面83をメッセージ表示部75に表示させる。続いて、メニュー操作監視部74は、ユーザが操作パネル44の情報入力部76の図示されないキーを利用して、IDナンバー58を入力するのを監視し、該IDナンバー58が入力されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、IDナンバー58が入力されると、入力されたIDナンバー58と、IDナンバー管理テーブル37上で選択されたスタッカNo.に対応するIDナンバー58とを比較し、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとは一致するか否かを判断する。ここで、一致しない場合、「IDナンバーが違います。」というメッセージが記述されたスタッカ開錠失敗画面85をメッセージ表示部75に表示させる。そして、ユーザが十分にスタッカ開錠失敗画面85を目視することができる適切な時間が経過すると、再度、「排出スタッカを開錠します。IDナンバーを入力して下さい。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示させ、前述の動作を繰り返す。
また、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致する場合、メニュー操作監視部74は、接続された機密保護排出スタッカ17に対して、開錠指示をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17の用紙取り出し扉22を開錠する。すなわち、機密保護排出スタッカ17を開錠する。続いて、接続された機密保護排出スタッカ17に対して、IDナンバー消去をコマンド種別とする排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31に格納されている機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58を消去する。続いて、装着された機密保護排出スタッカ17に対して、ジョブID消去をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17のジョブID表示部51の表示を消去する。そして、「開錠されました。」というメッセージが記述されたスタッカ開錠成功画面86をメッセージ表示部75に表示し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS111 「排出スタッカを開錠します。IDナンバーを入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示する。
ステップS112 IDナンバー58が入力されたか否かを判断する。IDナンバー58が入力された場合はステップS113に進み、IDナンバー58が入力されない場合は待機する。
ステップS113 機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致するか否かを判断する。機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致する場合はステップS115に進み、機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58と入力されたIDナンバーとが一致しない場合はステップS114に進む。
ステップS114 「IDナンバーが違います。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示する。
ステップS115 機密保護排出スタッカ17を開錠する。
ステップS116 機密保護排出スタッカ17のIDナンバー58を消去する。
ステップS117 機密保護排出スタッカ17のジョブID表示部51の表示を消去する。
ステップS118 「開錠されました。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示し、処理を終了する。
次に、機密保護排出スタッカ施錠処理の動作について説明する。
図33は本発明の第3の実施の形態におけるメニュー操作監視部の機密保護排出スタッカ施錠処理の動作を示すフローチャートである。
まず、メニュー操作監視部74は、「排出スタッカを施錠します。IDナンバーを入力して下さい。」というメッセージが記述されたスタッカ施錠ID入力画面84をメッセージ表示部75に表示させる。続いて、メニュー操作監視部74は、ユーザが操作パネル44の情報入力部76の図示されないキーを利用して、IDナンバー58を入力するのを監視し、IDナンバー58が入力されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、IDナンバー58が入力されると、選択されたスタッカNo.に接続された機密保護排出スタッカ17に対して、IDナンバー設定をコマンド種別とし、補足情報68に入力されたIDナンバーが格納された機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17内の不揮発性メモリ31にIDナンバー58を格納する。すなわち、機密保護排出スタッカ17にIDナンバー58を設定する。
続いて、選択されたスタッカNo.に接続された機密保護排出スタッカ17に対して、施錠指示をコマンド種別とする機密保護排出スタッカ制御コマンド66を発行し、機密保護排出スタッカ17の用紙取り出し扉22を施錠する。すなわち、機密保護排出スタッカ17を施錠する。そして、「施錠されました。」というメッセージが記述されたスタッカ施錠成功画面87をメッセージ表示部75に表示させ、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS121 「排出スタッカを施錠します。IDナンバーを入力してください。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示する。
ステップS122 IDナンバー58が入力されたか否かを判断する。IDナンバー58が入力された場合はステップS123に進み、IDナンバー58が入力されない場合は待機する。
ステップS123 機密保護排出スタッカ17にIDナンバー58を設定する。
ステップS124 機密保護排出スタッカ17を施錠する。
ステップS125 「施錠されました。」というメッセージをメッセージ表示部75に表示し、処理を終了する。
なお、本実施の形態におけるIDナンバー管理テーブル37の初期化処理の動作、機密保護排出スタッカ制御処理の動作、印刷データ受信処理の動作、機密保護排出スタッカ監視処理の動作及び機密情報印刷処理の動作については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、着脱可能であり、かつ、ユーザを特定することができる任意のIDを設定可能な複数の機密保護排出スタッカ17を入れ替えて利用可能とすることができる。また、IDが設定されていない機密保護排出スタッカ17を装着した場合でも、IDを保有する印刷データ24を受信すると、印刷後に該印刷データ24に付加されているIDを機密保護排出スタッカ17に設定して施錠することができる。さらに、プリンタ10自体に任意の機密保護排出スタッカ17の開錠施錠機能が設けられている。そのため、多人数のユーザが機密情報の印刷をより容易に行うことができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図34は本発明の第4の実施の形態における機密保護排出スタッカの外観を示す図、図35は本発明の第4の実施の形態における機密保護排出スタッカの操作パネルの概観を示す図、図36は本発明の第4の実施の形態における機密保護排出スタッカの構成を示すブロック図、図37は本発明の第4の実施の形態における機密保護排出スタッカが備える不揮発性メモリ内の情報を示す図である。
図34には本実施の形態における機密保護排出スタッカ17が示されており、ユーザへのメッセージを表示させたり、ユーザが前記機密保護排出スタッカ17の操作を可能とする操作パネル91を備える。
そして、該操作パネル91は、図35に示されるように、ユーザに対して情報を表示するためのメッセージ表示部92と、ユーザが機密保護排出スタッカ17に対してIDナンバーの入力を可能とする、例えば、テンキーパッドのようなID入力部93と、入力したIDナンバーの決定を指示するID入力決定キー94とを備える。なお、前記ID入力部93はテンキーパッドである必要はなく、例えば、ジョグダイヤルのような形式のものであってもよい。
また、図36に示されるように、機密保護排出スタッカ17は、操作パネル91の操作を監視する操作パネル監視部95を有する。
さらに、不揮発性メモリ31内には、図37に示されるように、IDナンバー58及び施錠状態フラグ96が格納される。なお、該施錠状態フラグ96には、用紙取り出し扉22が施錠されている場合は1が設定され、施錠されていない場合は0が設定される。その他の点の構成については、前記第2の実施の形態における機密保護排出スタッカ17と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、機密保護排出スタッカ制御処理の動作について説明する。
図38は本発明の第4の実施の形態における機密保護排出スタッカ制御処理の動作を示すフローチャートである。
まず、スタッカ制御部54は通信制御部53によって、外部装置であるプリンタl0からの機密保護排出スタッカ制御コマンド66の受信を待機する。すなわち、コマンドを受信したか否かの判断を繰り返して待機する。そして、いずれかの機密保護排出スタッカ制御コマンド66を受信した場合、コマンドの種類を判断する。具体的には、受信した機密保護排出スタッカ制御コマンド66のコマンド種別67を参照してその種類を識別する。
そして、前記コマンド種別67がIDナンバーリードである場合、不揮発性メモリ31上のIDナンバー58を読み込んで返し、処理を終了する。すなわち、不揮発性メモリ31上に格納されているIDナンバー58を読み込んで、その値を受信した機密保護排出スタッカ制御コマンド66の補足情報68に書き込むことによって、機密保護排出スタッカ制御コマンド66の発行元へ通知し、処理を終了する。また、コマンド種別67がIDナンバー設定である場合、不揮発性メモリ31上に指定されたIDナンバー58を書き込み、処理を終了する。すなわち、補足情報68に格納されているIDナンバー58を不揮発性メモリ31に書き込み、処理を終了する。さらに、コマンド種別67がIDナンバー消去である場合、不揮発性メモリ31上のIDナンバー58、すなわち、不揮発性メモリ31に書き込まれているIDナンバー58を消去して処理を終了する。
一方、コマンド種別67が施錠指示である場合、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の施錠を指示し、用紙取り出し扉22を施錠する。そして、「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させ、不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に1を設定し、処理を終了する。また、コマンド種別67が開錠指示である場合、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の開錠を指示し、用紙取り出し扉22を開錠する。そして、「開錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させ、不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に0を設定し、処理を終了する。
さらに、コマンド種別67がジョブID設定である場合、補足情報68に設定されているジョブIDをジョブID表示部51に表示させ、処理を終了する。そして、コマンド種別67がジョブID消去である場合、ジョブID表示部51の表示を消去し、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS131 コマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS132に進み、コマンドを受信しない場合は待機する。
ステップS132 コマンドの種類を識別し、IDナンバーリードである場合はステップS133に進み、IDナンバー設定である場合はステップS134に進み、IDナンバー消去である場合はステップS135に進み、施錠指示である場合はステップS136に進み、開錠指示である場合はステップS139に進み、ジョブID設定である場合はステップS142に進み、ジョブID消去である場合はステップS143に進む。
ステップS133 不揮発性メモリ31上のIDナンバー58を読み込んで返し、処理を終了する。
ステップS134 不揮発性メモリ31上に指定されたIDナンバー58を書き込み、処理を終了する。
ステップS135 不揮発性メモリ31上のIDナンバー58を消去し、処理を終了する。
ステップS136 用紙取り出し扉22を施錠する。
ステップS137 「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
ステップS138 不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に1を設定する。
ステップS139 用紙取り出し扉22を開錠する。
ステップS140 「開錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
ステップS141 不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に0を設定する。
ステップS142 ジョブIDをジョブID表示部51に表示させ、処理を終了する。
ステップS143 ジョブID表示部51の表示を消去し、処理を終了する。
次に、操作パネル監視部95が行うメイン処理の動作について説明する。
図39は本発明の第4の実施の形態における操作パネル監視部のメイン処理の動作を示すフローチャートである。
まず、操作パネル監視部95は、機密保護排出スタッカ17のユーザが、ID入力部93を操作することによってIDナンバー58を入力し、ID入力決定キー94を押下されるのを待機する。すなわち、ID入力決定キー94が押下されたか否かの判断を繰り返して待機する。そして、ID入力決定キー94が押下されると、不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96の値を調べ、施錠状態フラグ96の値が1であるか否かを判断する。
ここで、施錠状態フラグ96の値が1でない場合、操作パネル監視部95は、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の施錠を指示し、用紙取り出し扉22を施錠する。続いて、「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させ、不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に1を設定し、処理を終了する。
また、施錠状態フラグ96の値が1である場合、操作パネル監視部95は、ID入力部93を操作して入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とを比較し、入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致しているか否かを判断する。そして、入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致している場合、操作パネル監視部95は、ドアロック機構部55に用紙取り出し扉22の開錠を指示し、用紙取り出し扉22を開錠する。続いて、「開錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させ、不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に0を設定し、処理を終了する。
一方、入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致していない場合、「IDナンバーが違っています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させる。そして、機密保護排出スタッカ17のユーザが前記メッセージを認識することができる適切な時間、例えば、5秒間WAITする。この場合、WAITする時間は、ユーザが前記メッセージを認識することができる適切な時間であれば、5秒間でなくてもよい。続いて、「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示させ、再び、ID入力決定キー94が押下されたか否かの判断を繰り返して待機する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS151 ID入力決定キー94が押下されたか否かを判断する。ID入力決定キー94が押下された場合はステップS152に進み、ID入力決定キー94が押下されない場合は待機する。
ステップS152 施錠状態フラグ96の値は1であるか否かを判断する。施錠状態フラグ96の値は1である場合はステップS156に進み、施錠状態フラグ96の値は1でない場合はステップS153に進む。
ステップS153 用紙取り出し扉22を施錠する。
ステップS154 「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
ステップS155 不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に1を設定し、処理を終了する。
ステップS156 入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致しているか否かを判断する。入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致している場合はステップS157に進み、入力されたIDナンバーと不揮発性メモリ31上のIDナンバー58とが一致していない場合はステップS160に進む。
ステップS157 用紙取り出し扉22を開錠する。
ステップS158 「開錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
ステップS159 不揮発性メモリ31上の施錠状態フラグ96に0を設定し、処理を終了する。
ステップS160 「IDナンバーが違っています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
ステップS161 5秒間WAITする。
ステップS162 「施錠されています。」というメッセージをメッセージ表示部92に表示する。
なお、本実施の形態におけるIDナンバー管理テーブル37の初期化処理の動作、機密保護排出スタッカ制御処理の動作、印刷データ受信処理の動作、機密保護排出スタッカ監視処理の動作及び機密情報印刷処理の動作については、前記第1〜第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、着脱可能であり、かつ、ユーザを特定することができる任意のIDを設定可能な複数の機密保護排出スタッカ17を入れ替えて利用可能とすることができる。また、IDが設定されていないの機密保護排出スタッカ17を装着した場合でも、IDを保有する印刷データ24を受信すると、印刷後に該印刷データ24に付加されているIDを機密保護排出スタッカ17に設定して施錠することができる。さらに、該機密保護排出スタッカ17自体に開錠施錠機能が設けられている。そのため、多人数のユーザが機密情報の印刷をより容易に行うことができる。
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、画像形成装置がプリンタである例について説明したが、複写機、及び、MFP(複合型プリンタ:Multi Function Printor)と呼ばれる複合機にも適用することが可能である。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。