JP2007006728A - 被覆無機粒子およびその利用 - Google Patents

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美晴 田辺
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三樹子 今田
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Abstract

【課題】 緻密度に優れ、内包する成分をほとんど溶出させることのない被覆を備えた被覆無機粒子を提供すること。
【解決手段】 無機成分を金属酸化物からなる被膜によって被覆し、被覆した無機成分をエタノール溶液中で超音波処理した後に焼成する工程を包含する方法によって、金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、核酸を含有する可能性がある物質から核酸を抽出、単離または精製するために用いられる微粒子に関するものである。
最近の遺伝子解析技術の進歩に伴い、種々の疾患を核酸レベル(DNAレベルまたはRNAレベル)で解析することが可能になった。特に、PCR法などの核酸増幅方法の開発により、それまで検出が非常に困難であった微量の核酸を検出することが可能になった。
核酸増幅方法による解析は、高感度であるが夾雑物の影響を受けやすい。よって、解析の対象とする生物学的サンプル中に存在する核酸は、サンプル中に大量に含まれる他の夾雑物(例えば、タンパク質、脂質、糖など)と首尾よく選択的に分離されることが必要とされる。
古典的な核酸分離法としては、フェノール法およびアルカリ法が挙げられる。これらの方法は、実験室規模では非常に有用であるが、フェノールおよびクロロホルムのような有機溶媒が有害であり、水酸化ナトリウムもまた危険物であるので、工業規模での使用には適さない。
ガラスビーズまたはヒドロキシアパタイトを核酸結合のための担体として用いる方法もまた知られているが、多数のサンプルを一度に処理することが困難であり、核酸の単離に時間を要するという問題を有している。
近年、シリカ粒子とカオトロピックイオンを用いた方法が、核酸単離の自動化に適しているという観点で注目されている。この方法は、核酸結合能を有するシリカ粒子とサンプル中の核酸を遊離させる能力を有するカオトロピックイオンとをサンプルに添加して混合することにより、核酸をシリカ粒子に結合させ、洗浄することにより夾雑物を除去し、シリカ粒子に結合した核酸を回収する技術である。
このような微粒子には、特に表面をシリカで被覆した磁性粒子が用いられている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
これを解決するためには、被覆緻密な被膜を作製すればよく、そのための試みが紹介されている(例えば、特許文献2〜4を参照のこと)。
特開昭60−1564号公報(昭和60年1月7日公開) 特開平6−306356号公報(平成6年11月1日公開) 特開2002−69442号公報(平成14年3月8日公開) 特開2003−261869号公報(平成15年9月19日公開)
しかしながら、特許文献1に記載されるような方法では、同じ重さの微粒子に対する核酸の抽出量が低かったり、抽出される際に核酸だけでなく不要なタンパク質などが同時に抽出されるために、目的とする核酸純度が低くなったりする問題がある。これらの原因として、被覆されたコア微粒子の成分が、被覆物の微小な隙間を通って溶出することが原因といわれている。
また、特許文献2〜4に記載される技術を用いても好ましい結果は得られていない。原因としては、緻密性が依然として不足していたからであると考えられる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、緻密度に優れ、内包する成分をほとんど溶出させることのない被覆を備えた被覆無機粒子を提供することにある。
鋭意検討の結果、本発明者らは、特定の条件を用いて被膜を作製すると、被覆後に、被覆されたものの成分元素がほとんど溶出されない程度の緻密性を有する被覆膜を作製することができることを見出した。
すなわち、本発明に係る金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子を製造する方法は、無機成分を金属酸化物からなる被膜によって被覆する工程;および、被覆した無機成分をエタノール溶液中で超音波処理した後に回収する工程、を包含することを特徴としている。
本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法において、上記無機成分は磁性を有することが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法において、上記金属酸化物はシリカであることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法において、上記被膜の少なくとも一部分はポリマーによってさらに被覆されていることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法は、上記被膜に官能基が修飾されていることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子は、上記方法によって製造されることを特徴としている。
本発明に係る被覆無機粒子は、金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子であって、該被膜を介する該無機成分の溶出が100ppm以下であることを特徴としている。
本発明に係る被覆無機粒子は、金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されており、かつ被覆された該無機成分が該被膜から実質的に溶出しないことを特徴としている。
本発明に係る被覆無機粒子は、金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子であって、該被膜は、該無機成分が実質的に溶出しない程度に緻密であることを特徴としている。
本発明に係る被覆無機粒子において、上記無機成分は磁性を有することが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子において、上記金属酸化物はシリカであることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子において、上記被膜の少なくとも一部分はポリマーによってさらに被覆されていることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子において、上記被膜に官能基が修飾されていることが好ましい。
本発明に係る核酸抽出キットは、上記の被覆無機粒子、サンプル中の核酸を該被覆無機粒子に吸着させるための核酸吸着用溶液、および被覆無機粒子と核酸との複合体から核酸を溶出するための核酸溶出用溶液を備えることを特徴としている。
本発明に係る核酸抽出方法は、上記の被覆無機粒子を生物学的サンプルとインキュベートする工程を包含することを特徴としている。
本発明を用いれば、緻密なシリカ被膜を有し、被覆された微粒子の成分の影響が少なく、核酸抽出量が大きく、核酸純度が高い、核酸抽出用の被覆微粒子を得ることができる。
<1:被覆無機粒子およびその製造方法>
本発明は、金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子を製造する方法を提供する。本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法は、無機成分を金属酸化物からなる被膜によって被覆する工程;および、被覆した無機成分をエタノール溶液中で超音波処理した後に回収する工程、を包含することを特徴としている。一実施形態において、上記無機成分は磁性を有することが好ましい。磁性を有する無機成分としては、鉄、ニッケル、コバルト、酸化鉄、コバルト白金、鉄白金などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法において、回収された被覆無機成分は焼成されてもされなくてもよい。
本発明に係る製造方法に従えば、被覆された無機成分が被膜から実質的に溶出しないという被覆無機粒子を製造することができる。すなわち、本発明に係る被覆無機粒子は、無機成分が実質的に溶出しない程度に緻密である被膜を有するという特徴を有する。
このような緻密性を有する被覆は、被覆化反応後に未反応の試薬、残存する塩、アルカリ成分、酸成分、残存溶媒をできる限り除去したことにより得られたと考えられる。従来技術では、未反応の反応系、アルカリ成分、酸成分が存在することによって、加熱による加水分解が促進される結果となり、被膜の緻密化が不十分であったと推測される。
従来の被覆無機粒子の製造方法において、デカンテーションまたはゲル濾過を用いた被覆後の粒子の洗浄は行われていたが、被覆後に残留する未反応の試薬などを可能な限り除去することの重要性は認識されていなかった。本発明に係る被覆無機粒子を製造する方法において、エタノール溶液中で超音波処理は複数回行われることが好ましい。超音波処理後に遠心分離などにより粒子と分離された上清の電気伝導度は100μS/cm以下であることが好ましく、20μS/cm以下であることがより好ましく、10μS/cm以下であることが最も好ましい。
上記無機成分は、当該分野において公知の種々の方法を利用して製造することができる。また、被覆する工程としても、ゾルゲル法、気相法などの当該分野において公知の種々の方法を採用することができる。
本発明に係る被覆無機粒子において、被覆される無機成分の形状としては、針状、板状、球状、粒状、楕円状、立方形状など各種の形状のものが使用することができるが、粒子形状は、核酸が結合した被覆無機粒子からの核酸の溶出に影響しやすいので、球状ないし粒状であることが好ましい。
本発明に係る被覆無機粒子において、平均粒子サイズとして0.01〜100μmの範囲のものが好ましく、0.02〜1μmの範囲のものがより好ましい。また、被覆する材料としても、特に限定されないが、核酸抽出を考えた場合に、シリカ、チタニア、セリア、イットリアなどの金属酸化物が好ましく、シリカが特に好ましい。
また、本発明に係る被覆無機粒子において、粒子表面における非特異的吸着を抑制するために、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドなどのポリマーによって粒子表面をさらに被覆したり、特定の反応を生じさせるためにアミノ基、カルボキシル基、マレイミド基などの官能基によって粒子表面を修飾したりしてもよい。
本発明に係る被覆無機粒子は、無機成分が実質的に溶出しない程度に緻密である被膜を有し、具体的には、被膜を介する無機成分の溶出が100ppm以下、より好ましくは10ppm以下であり得る。
つまり、本発明の目的は、無機成分が実質的に溶出しない程度に緻密である被膜を有する被覆無機粒子およびその利用ならびにその製造方法を提供することにあるのであって、本明細書中に具体的に記載した無機成分の形状、種類およびその製造方法、ならびに被覆方法などの条件に存するのではない。
<2:被覆無機粒子の利用>
本発明は、上記被覆無機粒子の利用の一態様として、核酸抽出キットを提供する。本発明に係る核酸抽出キットは、上記被覆無機粒子を備えることを特徴としている。好ましくは、本発明に係る核酸抽出キットは、被覆無機粒子、サンプル中の核酸を該被覆無機粒子に吸着させるための核酸吸着用溶液、および被覆無機粒子と核酸との複合体(被覆無機粒子−核酸複合体)から核酸を溶出するための核酸溶出用溶液を備え得る。また、本発明に係る核酸抽出キットは、核酸分離キットでも核酸精製キットでもあり得る。
本明細書中において使用される場合、用語「核酸」は、DNAまたはRNAを意味し、DNAとしては、2本鎖DNA、1本鎖DNA、プラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNAなどが挙げられ、RNAとしては、ウイルス、細菌あるいは真菌等の外来性寄生生物由来のRNAに加えて、生物に由来する内在性のRNAを含み、t−RNA、m−RNA、r−RNAなどが挙げられる。
本明細書中において使用される場合、核酸吸着用溶液は、サンプル(好ましくは、生物学的サンプル)中に存在する核酸を被覆無機粒子に結合させる溶液が意図される。本発明において使用される核酸吸着用溶液としては、カオトロピック物質のような被覆無機粒子表面の疎水性を高める物質を含む溶液、好ましくは、グアニジン(イソ)チオシアン酸塩および/またはグアニジン塩酸塩のような核酸分解酵素の阻害活性を有する化合物を含む溶液が挙げられる。
本明細書中において使用される場合、用語「生物学的サンプル」は、生物の個体、体液、細胞株、組織培養物、または核酸(例えば、DNAもしくはmRNA)を含む他の供給源から得られる、任意の生物材料(生物試料)が意図される。生物学的サンプルとしては、核酸を含む体液(例えば、血液、唾液、歯垢、血清、血漿、尿、滑液、および随液)または種々の組織供給源が挙げられ、組織サンプルまたは細胞サンプルもまた包含される。本明細書中で使用される場合、用語「組織サンプル」は、組織供給源より得られた生物学的サンプルが意図される。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知である。本明細書中で使用される場合、用語「細胞サンプル」は、生体から分離・精製した細胞であっても培養細胞であってもよい。本明細書中で使用される場合、用語「サンプル」は、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプル以外に、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプルより抽出した核酸サンプル(例えば、ゲノムDNAサンプルまたは総RNAサンプル)もまた意図される。
カオトロピック物質としては、具体的にはグアニジンチオシアン酸塩、グアニジン塩酸塩、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸ナトリウム、尿素等が挙げられるが、これらのうち、RNAを分解するリボヌクレアーゼに対する阻害効果の大きなグアニジンチオシアン酸塩あるいはグアニジン塩酸塩が好ましい。これらのカオトロピック物質は、使用されるものによって異なるが、1〜8M、好ましくは4〜7Mの濃度範囲であることが好ましく、例えばグアニジン塩酸塩を使用する場合は、4〜7.5Mの濃度範囲であり、グアニジンチオシアン酸塩を使用する場合には、3〜5.5Mの濃度範囲である。
本発明において使用される核酸吸着用溶液は、特定のpH範囲を有することが好ましい。よって、本発明に係る核酸抽出キットにおいて、緩衝化剤は、核酸吸着用溶液中に含有されていても、キット中に別に備えられていてもよい。緩衝化剤(緩衝液)としては、当該分野において一般に使用されるものであれば、特に限定されないが、中性付近、すなわち、pH5〜9において緩衝化作用を有するものが好ましく、例えば、Tris−HCl塩、四ホウ酸ナトリウム−塩酸、リン酸二水素カリウム−四ホウ酸ナトリウム緩衝液などが挙げられる。緩衝化剤(緩衝液)の好ましい使用濃度は、当該分野において公知であるが、好ましくは1〜500mMの範囲である。
また、本発明に係る核酸抽出キットは、生物学的サンプル中の組織もしくは細胞を破壊するため、または組織もしくは細胞中のタンパク質を変性させるために、界面活性剤を備え得る。本発明に係る核酸抽出キットにおいて、界面活性剤は、核酸吸着用溶液中に含有されていても、キット中に別に備えられていてもよい。界面活性剤としては、当該分野において一般に使用されるものであれば、特に限定されないが、具体的には、トリトン系界面活性剤およびTween系界面活性剤などの非イオン界面活性剤、N−ラウロイルサルコシンナトリウムなどの陰イオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい使用濃度は、当該分野において公知であるが、好ましくは0.1〜2%の範囲である。
さらに、本発明に係る核酸抽出キットは、サンプル中に含まれるタンパク質(例えば、リボヌクレアーゼ)を変性および/または失活させるために、還元剤を備え得る。本発明に係る核酸抽出キットにおいて、還元剤は、核酸吸着用溶液中に含有されていても、キット中に別に備えられていてもよい。還元剤としては、当該分野において一般に使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、2−メルカプトエタノールまたはジチオスレイトールが挙げられる。還元剤の好ましい使用濃度は、当該分野において公知である。
本発明に係る核酸抽出キットは、核酸を被覆無機粒子に結合させかつタンパク質、糖類、脂質の被覆無機粒子への結合を妨げるために、洗浄液を備え得る。本発明に係る核酸抽出キットにおいて、洗浄液は、核酸吸着用溶液中に含有されていても、キット中に別に備えられていてもよい。洗浄液としては、当該分野において一般に使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、グアニジン塩酸塩溶液またはエタノールが挙げられる。洗浄液の好ましい使用濃度は、当該分野において公知である
本明細書中において使用される場合、核酸溶出用溶液は、核酸が結合した被覆無機粒子から核酸の溶離を促進する溶液が意図される。本発明において使用される核酸溶出用溶液としては、水、TE緩衝液(10mM Tris−HCl緩衝液、1mM EDTA(pH8.0))などが好ましい。
本発明はまた、上記被覆無機粒子の利用の一態様として、核酸抽出方法を提供する。本発明に係る核酸抽出方法は、被覆無機粒子を生物学的サンプルとインキュベートする工程を包含することを特徴としている。好ましくは、上記インキュベートする工程は、核酸吸着用溶液中にて行なわれ、当該工程において、被覆無機粒子と核酸との複合体(被覆無機粒子−核酸複合体)が形成される。より好ましくは、本発明に係る核酸抽出方法は、上記複合体を洗浄する工程を包含し得る。さらに好ましくは、本発明に係る核酸抽出方法は、上記複合体から核酸を溶出する工程を包含し、当該工程は、核酸溶出溶液中にて行なわれることが好ましい。また、本発明に係る核酸抽出方法は、核酸分離方法でも核酸精製方法でもあり得る。
本発明に係る核酸抽出方法において、上記インキュベートする工程は、被覆無機粒子および核酸を混合して被覆無機粒子と核酸とを結合させる工程である。混合させる手段としては、ボルテックスによる攪拌、転倒混和、磁気攪拌などが挙げられる。被覆無機粒子および核酸質を混合することによって、サンプル中の核酸、タンパク質、糖類、脂質などが被覆無機粒子に物理的に吸着する。
本発明に係る核酸抽出方法において、上記洗浄する工程は、被覆無機粒子に吸着したタンパク質、糖類、脂質など除去する工程である。上記洗浄する工程は、1回または2回以上行うことが好ましい。また、本発明に係る核酸抽出方法において、上記核酸溶出工程は、被覆無機粒子−核酸複合体から核酸を溶出する工程である。本発明を用いて取得された核酸は、そのまま酵素反応(例えば、制限酵素処理、PCRなど)に直接用いてもよいが、その純度を向上させるために、当該分野において公知の方法(例えば、透析、エタノール沈殿法などの脱塩、濃縮操作など)に供されてもよい。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様および以下の実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、当業者は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲内で変更して実施することができる。
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
(実施例1)
市販の磁性粒子(カルボニル鉄、BASF製HQグレード)25gを分取し、エタノール(和光純薬工業製)120ml、イオン交換水12ml、28%アンモニア水(和光純薬工業製)18mlを添加して分散させた。この溶液を攪拌しながら、オルトケイ酸テトラエチル(和光純薬工業製)11gをエタノール60mlに溶解させた溶液をさらに添加し、8時間攪拌し続けてシリカ被覆磁性粒子を得た。約2,280×gで10分間遠心分離を行い、上清を除去した後にメタノール(和光純薬工業製)150mlを添加し、3分間超音波処理を行い、手にてよく振とうし、同様に遠心分離を行った。この操作を2回行った。メタノールを除去して水でよく洗浄した。その後、重量変化がなくなるまでダイアフラム型真空ポンプを用いて減圧乾燥した後、300℃の乾燥機で8時間焼成した。
(実施例2)
市販の磁性粒子(マグネタイト;三井金属鉱業株式会社)を使用する以外は、実施例1と同様に行って、シリカ被覆磁性粒子を得た。
(比較例1)
実施例1で使用した磁性粒子をシリカ被覆せずに用いた。
(比較例2)
実施例2で使用した磁性粒子をシリカ被覆せずに用いた。
(成分元素の溶出評価)
磁性粒子またはシリカ被覆磁性粒子1.5gを、0.1モル%塩酸水溶液(和光純薬工業製)20mlに5時間浸漬して、上清中に含まれるFe量を原子吸光分析装置(島津製作所製)で測定した。
Figure 2007006728
本発明を用いれば、夾雑物の影響を受けることなく遺伝子解析を行うことができるので、基礎研究の進展に寄与するだけでなく、臨床診断などの医療分野、および関連産業の発展に貢献することができる。

Claims (13)

  1. 金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子を製造する方法であって、
    ・無機成分を金属酸化物からなる被膜によって被覆する工程;および
    ・被覆した無機成分をエタノール溶液中で超音波処理した後に回収する工程
    を包含することを特徴とする方法。
  2. 前記無機成分が磁性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属酸化物がシリカであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記被膜の少なくとも一部分がポリマーによってさらに被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記被膜に官能基が修飾されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法によって製造された被覆無機粒子。
  7. 金属酸化物からなる被膜によって無機成分が被覆されている被覆無機粒子であって、該被膜を介する該無機成分の溶出が100ppm以下であることを特徴とする被覆無機粒子。
  8. 前記無機成分が磁性を有することを特徴とする請求項7に記載の被覆無機粒子。
  9. 前記金属酸化物がシリカであることを特徴とする請求項7に記載の被覆無機粒子。
  10. 前記被膜の少なくとも一部分がポリマーによってさらに被覆されていることを特徴とする請求項7に記載の被覆無機粒子。
  11. 前記被膜に官能基が修飾されていることを特徴とする請求項7に記載の被覆無機粒子。
  12. 請求項6または7に記載の被覆無機粒子、サンプル中の核酸を該被覆無機粒子に吸着させるための核酸吸着用溶液、および被覆無機粒子と核酸との複合体から核酸を溶出するための核酸溶出用溶液を備えることを特徴とする核酸抽出キット。
  13. 請求項6または7に記載の被覆無機粒子を生物学的サンプルとインキュベートする工程を包含することを特徴とする核酸抽出方法。

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