JP2015526100A - 高収量で小型rnaを含むrnaを単離するための方法 - Google Patents

高収量で小型rnaを含むrnaを単離するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下:a)RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物を提供するステップ;b)アルコールを加えるステップ;c)該混合物を少なくとも2分間、インキュベートするステップ;d)該混合物における全体のアルコール濃度を50%以上に調整するために追加のアルコールを該混合物に加えるステップ;e)該混合物に含有されるRNAを核酸結合性固相に結合させるステップ;f)任意で、結合したRNAを洗浄するステップ;g)任意で、RNAを該固相から溶出するステップを含む、200nt以下のサイズを有する小型RNAを含むRNAを試料から単離するための方法を提供する。アルコールの段階的添加により、全体のRNA収量および小型RNAの収量が改善する。

Description

本発明は、試料から、小型RNAを含むRNAを単離するための方法に関し、特に、様々な試料から高収量で、小型RNAを含む全RNAを効率的に単離するための手段を提供する。
様々な組織、体液、および他の生物学的試料由来の500ヌクレオチド以下のオーダーでの小型核酸の研究は、極めて興味深い領域であり、将来もそうであり続ける見込みがある。小型核酸には、特に、非限定的に、とりわけミクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA分子などの小型RNAが挙げられ、それらのどちらも遺伝子の発現に強力な影響を有し得る。さらに、mRNAおよびrRNAプロセシングに関与する他の低分子核内RNAおよび低分子核小体RNA(例えば、snRNAおよびsnoRNA)もまた興味深い。さらに、500ヌクレオチド以下の長さを有するRNAなどの核酸はまた、他の試料における分解産物として含有される場合が多く、それらから効率的に捕獲されなければならない。それぞれの小型RNAにおける関心が増加するにつれて、標準単離手順は、小型核酸の単離を促進するように、特に、小型核酸の収量を改善させるように改変されている。全RNAを単離するための標準として用いられる公知のプロトコールとしてのこれは、通常、小型RNAを単離することにとって理想的ではない。なぜなら、小型RNAが、標準方法を用いて、効果的には捕獲されず、かつ単離工程中に溶出される場合が多いからである。それゆえに、標準手順を用いて単離された全RNAは通常、小型RNAが結合されないか、または核酸単離手順中に行方不明になるかのいずれかのために、小型RNAを十分な量では含まず、したがって、許容され得る収量を提供しない。したがって、所望の小型RNAを含む全RNAの効率的な単離のための改善した技術の必要性がある。
小型RNAの単離のために最適化されている方法は、フェノール/クロロホルム抽出および引き続きのアルコール分画に頼る場合が多い。フェノール/クロロホルムに基づいた有機抽出方法は、Chomczynski方法(ChomczynskiおよびSacchi、1987:Single−step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate−phenol−chloroform extraction.Anal.Biochem.(162):156−159)に従って実施される場合が多い。前記方法に従って、RNAは、フェノール/クロロホルム抽出中に水相に濃縮され、その後、引き続いて、例えば、アルコールを加えて、核酸結合性固相にRNAを結合させることにより、それから単離される。前記結合ステップにおいて、単離された全RNAにおける小型RNAを効率的に捕獲するために特別な条件が再び、必要とされる。それぞれのフェノール/クロロホルム方法に基づいている市販キットは、MirVana miRNA単離キット(Ambion)である。フェノール/クロロホルム抽出後、プロトコールは、分画ストラテジーに従い、そのストラテジーにおいて、より大きいRNA(200ヌクレオチドより大きい)が、第1の結合ステップにおいて中程度のアルコール濃度(典型的には30〜40%)で核酸結合性固相に結合している。フロースルーは、小型RNAを含む。アルコール濃度を50%より高く(典型的には55〜70%)に上昇させ、かつ小型RNAを第2固相へ結合させることによる第2の結合ステップにより、前記小型RNAはフロースルーから捕獲される。このプロトコールは、2つの異なる結合条件および2つの異なる核酸結合性固相が必要とされるため、不便である。さらに、小型RNAを含む全RNAが、フェノール/クロロホルム抽出後に得られた水相から単離される、MirVana miRNA単離キットと共にプロトコールが提供されている。ここでは、結合条件は、アルコール濃度を必要量(典型的には55〜70%)へ1ステップで増加させることにより確立されている。それぞれの方法はまた、WO2005/012523およびWO2005/054466に記載されている。しかしながら、これらのプロトコールにおいてもまた、有機フェノール/クロロホルム抽出ステップが前もって実施される。別のフェノール/クロロホルムに基づいた市販の製品は、miRNAeasy Miniキット(QIAGEN)である。それは、様々な異なる生物学的試料からの小型RNAを含む高品質かつ高収量の全RNAを提供する。
しかしながら、特にフェノール/クロロホルム抽出などの有機抽出ステップを必要とするそのような方法は、フェノールが毒性作用物質であるため、弱点を有する。様々な試料から高収量および高品質で、小型RNAを含む全RNAを単離することを可能にする、フェノールを含まないRNA単離方法についての大きな需要が存在する。
小型RNAを含むRNAを単離するためのフェノールを含まない方法もまた、先行技術において知られている。小型RNAを含む全RNAの核酸結合性固相への結合を可能にするために、カオトロピック剤および高濃度のアルコールが用いられる。通常、用いられる核酸結合性固相は、シリカを含むか、またはそれからなる。しかしながら、アルコールおよびカオトロピック物質の存在下でRNAをシリカ表面に結合させることに基づいている方法におけるmiRNAのような小型RNA種の回収は、非常に高いアルコール濃度を必要とする。通常、およそ少なくとも50%アルコールが結合混合物に用いられ、通常の範囲には、結合混合物における50〜80%(v/v)アルコールが挙げられる。しかしながら、小型RNAの結合を可能にするために高いアルコール濃度を含む、(フェノールに基づいた有機抽出ステップを含まない)それぞれのプロトコールを用いる場合、全RNA収量およびまた得られる小型RNA収量は低下する場合が多い。例えば、線維組織試料(例えば、心臓または筋肉試料)などのある特定の生物学的試料に関して、RNA単離は、特に困難である。したがって、一般的に、これらのプロトコールの性能は、残念ながら、フェノール/クロロホルムに基づいた単離方法とは比べものにならない。どんな型の核酸結合性固相が用いられるかに関わらず、その問題には遭遇する。これらの問題は、カラムに基づいた方法、加えて、磁気粒子の使用を含む方法についても観察される。
国際公開第2005/012523号 国際公開第2005/054466号
先行技術方法の上記の欠点の少なくとも1つを克服する、小型RNAを含む全RNAを単離するための方法を提供することが、本発明の目的である。特に、線維組織を含む種々の試料型に関して、フェノールの使用を回避し、かつ良いRNA収量、特に、良い小型RNA収量を提供する、小型RNAを含む全RNAを単離するための方法を提供することが本発明の目的であった。
本発明者らは、小型RNAを核酸結合性相に結合させるための条件を調整するために必要とされるアルコールが段階的様式で加えられる場合には、全RNA調製における小型RNAの回収およびまた全体的なRNA収量が有意に改善し得ることを見出している。実施例によって示されているように、最高4倍の全RNA収量における増加が、アルコールを段階的様式で加えた場合に観察された。さらに、小型RNA収量もまた、有意に改善した。結合混合物における全体のアルコール濃度だけが、小型RNAを効率的に結合させること、およびそれゆえ単離することにとって決定的であると仮定される限り、これは非常に予想外の所見であった。しかしながら、本発明者らは、先行技術において知られた同じアルコール濃度および結合条件が用いられる場合、しかし、アルコールを1ステップで加える代わりに段階的様式で加える場合には、小型RNA収量、および全体の全RNA収量が有意に改善し得ることを見出している。
これらの有意な改善の根底にある分子機構はわかっていない。理論によって縛られることを望まないが、ただ1ステップだけでアルコール濃度を50%以上に調整することは、RNAの即時の沈殿を生じ、RNAの個々の凝集物が、固相との生産的相互作用および固相への結合には急速すぎて、大きすぎるまでに成長する。加えて、フェノールに基づいた有機抽出ステップが前もって実施されない(例えば、フェノール/クロロホルム抽出がない)場合には、高いアルコール濃度をただ1ステップだけで調整することは、夾雑物、特にタンパク質の溶解度を劇的に低下させる可能性がある。それにより、核酸結合性相のRNA結合能は低下し得、それにより、単離されたRNAの全体の収量を低下させる。本発明の教示に従う場合、これらの問題は回避されるということがあり得る。しかしながら、本発明の根底にある分子論拠は決定的なものではない。達成された改善は、種々の核酸結合性固相および様々な組織に関して実証されている。
第1の態様により、以下のステップを含む、300nt以下、好ましくは200nt以下の長さを有する小型RNAを含むRNAを試料から単離するための方法が提供される:
a)RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物を提供するステップ;
b)アルコールを加えるステップ;
c)該混合物を少なくとも2分間、インキュベートするステップ;
d)該混合物における全体のアルコール濃度を50%以上に調整するために、追加のアルコールを該混合物に加えるステップ;
e)該混合物に含有されるRNAを核酸結合性固相に結合させるステップであって、ステップe)後、小型RNAを含むRNAが該固相に結合している、ステップ;
f)任意で、結合したRNAを洗浄するステップ;
g)任意で、RNAを該固相から溶出するステップ。
フェノールに基づいた抽出ステップを含まない方法を用いて良い収量でRNAを単離することが特に難しい試料を含む、様々な試料から、miRNAなどの小型RNAを含む全RNAを単離するための非常に効率的な方法を本発明が提供することを実施例は示している。フェノールまたは他の有機抽出剤の使用を必要としない本発明による方法は、RNAを単離するためにフェノールを用いる先行技術方法と類似した結果およびRNA収量を提供する。フェノールの使用を回避しながら、匹敵するRNA収量を提供する方法を提供することにより、本発明は、先行技術へ大きな貢献をもたらし、既存のフェノールを含まないRNA単離方法を有意に改善させる。さらに、様々な試料から、小型RNAを含む全RNAの単離を目指すか、または小型RNAを含む全RNAおよびDNAの並行した単離を目指すかのいずれかである既存のプロトコールにおいて、本発明によるRNA単離方法は容易に実行することができる。
本出願の他の目的、特徴、利点、および態様は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかになるだろう。しかしながら、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および特定の実施例は、本出願の好ましい実施形態を示すものの、例示としてのみ与えられることは、理解されるべきである。開示された本発明の精神および範囲内での様々な変化および改変は、以下を読むことから当業者にとって容易に明らかになるだろう。
図1は、先行技術アプローチか、または本発明の原理によるアルコールの段階的添加のいずれかに従って、腎臓組織に関して得られたRNA収量を示す(実施例1参照)。 図2は、先行技術アプローチか、または本発明の原理によるアルコールの段階的添加のいずれかに従って、筋肉組織に関して得られたRNA収量を示す(実施例1参照)。 図3および4は、先行技術アプローチか、または本発明の原理によるアルコールの段階的添加のいずれかに従って(実施例2参照)、筋肉組織に関して得られたRNA収量を、図(図3)、および単離されたRNAのゲル電気泳動後に得られた写真(図4)として、示す。 図3および4は、先行技術アプローチか、または本発明の原理によるアルコールの段階的添加のいずれかに従って(実施例2参照)、筋肉組織に関して得られたRNA収量を、図(図3)、および単離されたRNAのゲル電気泳動後に得られた写真(図4)として、示す。 実施例2によるmiRNAアッセイ結果。 図6〜8は、異なる単離プロトコールに従って、異なる組織(図6−脳;図7−心臓;図8−肝臓)に関して得られたRNA単離結果を示す(実施例3参照)。単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真が示されている。 図6〜8は、異なる単離プロトコールに従って、異なる組織(図6−脳;図7−心臓;図8−肝臓)に関して得られたRNA単離結果を示す(実施例3参照)。単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真が示されている。 図6〜8は、異なる単離プロトコールに従って、異なる組織(図6−脳;図7−心臓;図8−肝臓)に関して得られたRNA単離結果を示す(実施例3参照)。単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真が示されている。 図9は、異なる単離プロトコールに従って、異なる組織に関して得られたRNA単離結果を示す(実施例4参照)。単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真が示されている。 DNA単離ステップ中に実施されるオンカラムタンパク質消化への、およびDNA収量への温度の影響(実施例4参照)。 DNA単離ステップ中に実施されるオンカラムタンパク質消化への、およびDNA収量への温度の影響(実施例4参照)。 DNA単離ステップ中に実施されるオンカラムタンパク質消化への、およびDNA収量へのインキュベーション時間の影響(実施例4参照)。 DNA単離ステップ中に実施されるオンカラムタンパク質消化への、およびDNA収量へのインキュベーション時間の影響(実施例4参照)。 図12〜14は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図12)およびmiRNAアッセイ結果(図14)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図13)が示されている。 図12〜14は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図12)およびmiRNAアッセイ結果(図14)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図13)が示されている。 図12〜14は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図12)およびmiRNAアッセイ結果(図14)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図13)が示されている。 図15〜17は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図15〜17は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図15〜17は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図18および19は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図18および19は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図18および19は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図18および19は、異なる単離プロトコールに従って、筋肉組織から得られたRNA単離結果を示す(実施例5参照)。全体の収量(図15)およびmiRNAアッセイ結果(図17)の図、ならびに単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真(図16)が示されている。 図20〜22は、異なる試料型から単離されたRNAにおけるmiRNA回収へのDNアーゼ消化および再結合ステップの効果を示す(実施例6参照)。miRNAアッセイ結果が示されている。 図20〜22は、異なる試料型から単離されたRNAにおけるmiRNA回収へのDNアーゼ消化および再結合ステップの効果を示す(実施例6参照)。miRNAアッセイ結果が示されている。 図20〜22は、異なる試料型から単離されたRNAにおけるmiRNA回収へのDNアーゼ消化および再結合ステップの効果を示す(実施例6参照)。miRNAアッセイ結果が示されている。 インキュベーションステップc)におけるプロテイナーゼK消化あり、またはなしでの細胞からのRNAおよびDNAの単離(実施例7参照)。 プロテイナーゼKおよび/またはDNアーゼの消化あり、またはなしでの全血試料からのRNAの単離(実施例8参照)。単離されたRNAのアリコートのゲル電気泳動後に得られた写真が示されている。 図25は、実施例9により単離されたRNAに関して得られたmiRNAアッセイ結果を示す。
本発明は、200nt以下の長さを有する小型RNAを含むRNAを試料から単離するための改善された方法を提供する。方法は以下のステップを含む:
a)RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物を提供するステップ;
b)アルコールを加え、それにより、RNA、カオトロピック塩、およびアルコールを含む混合物を提供するステップ;
c)該混合物を少なくとも2分間、インキュベートするステップであって、前記インキュベーションステップ中、好ましくはタンパク質消化が行われる、ステップ;
d)追加のアルコールを該混合物に加えて、該混合物における全体のアルコール濃度を50%以上、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上に調整するステップ;
e)該混合物に含有される小型RNAを核酸結合性固相へ結合させるステップであって、ステップe)後、小型RNAを含むRNAが固相へ結合している、ステップ;
f)任意で、結合したRNAを洗浄するステップ;
g)任意で、RNAを該固相から溶出するステップ。
実施例によって示されているように、小型RNAを含むRNAを効率的に捕獲するための結合条件を確立するために必要とされるアルコールの段階的添加は、驚くべきことに、小型RNA収量の改善を含む、全RNA収量の有意な改善を生じる。線維組織試料および血液などの複雑な試料を含む様々な生物学的試料からRNAを単離する場合、著しい効果が観察される。本明細書で教示されているような段階的アプローチに従うことは、段階的アプローチに従わない同一のプロトコールと比較して4倍およびそれを超えるまで、増加する全体のRNA収量を生じる。さらに、実施例はまた、小型RNA結合のために高いアルコール濃度に調整した場合、段階的アプローチに従うならば、小型RNA収量も同様に増加することを示している。さらに、実施例によって示されているように、本発明による方法は、線維組織試料を含む様々な組織試料を含む多数の試料型に関してこれらの結果を達成している。その方法のこの幅広い適用性は、ユーザーが、小型RNAを含む全RNAを様々な異なる試料から単離するために、便利なことに、1つのRNA単離プロトコールを用いることを可能にするため、有利である。上記から、本発明が先行技術へ有意に貢献することは明らかである。
続いて、本発明者らは、各ステップおよびその好ましい実施形態を詳細に説明する。
RNA単離手順は、RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物が提供される、ステップa)から始まる。前記組成物を提供するために、いくつかの選択肢が存在し、それらもまた、後で詳細に説明される。通常、前記組成物は、例えば、細胞または組織試料などの生物学的試料を溶解することにより得られた溶解産物である。適切な溶解手順は先行技術において知られており、溶解手順もまた下で記載されている。前記溶解産物は、ステップa)の前にさらに加工されていてもよい。適切な加工ステップには、溶解産物を清澄化すること、または溶解産物からDNAを除去することが挙げられるが、それらに限定されない。いずれにせよ、RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物がステップa)において提供され、その後、RNAが、本明細書に記載されたステップを実施して、前記組成物から単離される。
カオトロピック剤は、タンパク質または核酸において障害を引き起こし、それは、例えば、一次構造を無傷のままにしておくものの、タンパク質または核酸の二次、三次、または四次構造を変化させることによるものであるが、それらに限定されない。好ましくは、ステップa)において提供される組成物に含まれるカオトロピック剤は、グアニジウム塩などのカオトロピック塩である。好ましいカオトロピック剤には、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム(GTC)、イソチオシアン酸グアニジウム(GITC)、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、尿素などが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、カオトロピック剤は、GTCもしくはGITC、または同等に強いカオトロピック剤である。それぞれの強いカオトロピック剤は、それらが、組成物に含まれるRNAを酵素分解から効率的に保護し得るため、有利である。さらに、カオトロピック剤は、RNA結合条件を確立するのに寄与する(特に、下記のステップe)を参照)。カオトロピック剤は、溶解のためのカオトロピック剤の使用が好ましいため、溶解中に導入されていてもよい。一実施形態により、ステップa)において提供される組成物は、カオトロピック剤、好ましくはカオトロピック塩を、0.5M〜飽和まで、0.75M〜5M、1M〜4.5M、1.25M〜4.25M、1.5M〜4M、1.75M〜3.75M、および2M〜3.5Mからなる群から選択される濃度で含む。GTCまたはGITCなどのカオトロピック塩が用いられる場合には、最も好ましいのは、2.75〜3.75の濃度である。
ステップb)において、アルコールが加えられる。ステップb)において加えられるアルコールは、結合ステップe)のための結合条件の調製を助ける。好ましくは1〜5個の炭素原子を有する、脂肪族の短鎖分岐型または非分岐型アルコールを用いることが好ましい。例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールである。アルコールの混合物もまたステップb)において加えることができる。アルコールは、好ましくは、イソプロパノールおよびエタノールから選択され、特に、エタノールがよく適している。それぞれのアルコールはまた、小型RNAを捕獲することも可能にするRNA結合条件を調整するために先行技術においても加えられる。しかしながら、先行技術方法とは対照的に、小型RNAを含むRNAを核酸結合性固相に結合させることを可能にする結合条件を調整するために必要とされるアルコールの全量(およそ少なくとも50%(v/v);好ましくは少なくとも60%(v/v))がステップb)において加えられるわけではない。逆に、アルコールの必要とされる総量の一部だけがステップb)において加えられる。ステップb)において加えられるアルコールの一部は、通常、ステップe)において小型RNA結合のために加えられる全体のアルコール濃度のおよそ40%〜80%に対応する。したがって、ステップe)における結合のために用いられる最終アルコール濃度が60%(v/v)である場合には、アルコールは、生じた混合物中に、(最終アルコール濃度のおよそ41%に対応する)およそ25%(v/v)〜(最終アルコール濃度の約78%に対応する)47%(v/v)の濃度で含まれるような量でステップb)において加えられる。好ましくは、ステップb)において加えられるアルコールの一部は、ステップe)における小型RNA結合のために確立される全体の、すなわち、最終のアルコール濃度のおよそ45%〜75%、50%〜70%、55%〜65%、57%〜64%、58%〜63%、最も好ましくは、59%〜62%に対応する。
一実施形態により、アルコールは、生じた混合物中に、少なくとも25%(v/v)、好ましくは少なくとも30%(v/v)、より好ましくは少なくとも35%(v/v)の濃度で含まれるような量でステップb)において加えられる。しかしながら、ステップd)において確立される全体のアルコール濃度が少なくとも60%(v/v)である場合には、混合物におけるアルコール濃度が、48%(v/v)アルコールを超えないことが好ましい。生じた混合物が、アルコールを25%(v/v)〜45%(v/v)、好ましくは27.5%(v/v)〜42.5%(v/v)、より好ましくは30%〜40%(v/v)、最も好ましくは32.5%〜38%(v/v)から選択される範囲にある濃度で含むように、アルコールの量をステップb)において加えることが好ましい。これらの量は、ステップe)における結合のための最終アルコール濃度がおよそ60%(v/v)である場合に特に適している。
ステップc)において、得られた混合物は、少なくとも2分間、好ましくは、少なくとも3分間、少なくとも4分間、少なくとも5分間、少なくとも7分間、より好ましくは、少なくとも10分間、インキュベートされる。それぞれのインキュベーションステップは、アルコールが実際に段階的に加えられることを保証するために、ならびに、したがって、高い全RNA回収、および特に、高い小型RNA回収を保証するために、重要である。混合物は、インキュベーション中、撹拌することができる(下記も参照)。
好ましい実施形態により、タンパク質分解酵素を用いるタンパク質消化は、インキュベーションステップc)において実施される。ステップc)においてタンパク質消化を実施することは、特に線維組織または血液などの困難な、または複雑な試料が加工される場合には、RNA単離を収量および純度に関して改善させる。本明細書において教示されているようなアルコールの段階的添加は、プロテイナーゼKなどのタンパク質分解酵素が用いられるタンパク質消化と併用される場合、特に有利であることが想定される。(ステップa)において提供されるRNA含有組成物に含まれる)中程度に高い濃度のカオトロピック塩および(ステップb)により提供される)中間濃度のアルコールにおけるプロテイナーゼKでの消化は、高いカオトロープ(chaotrop)濃度かつアルコール(例えば、エタノールなど)なしと、より低いカオトロープ濃度かつ高いアルコール濃度の両方と比較して、有意により効率的である。タンパク質分解酵素はタンパク質を消化する。これは、タンパク質が、ステップd)において調整される、より高いアルコール濃度で沈殿し得、それにより、固相へのRNA結合を低下させ得るため、有利である。さらに、タンパク質消化は、線維組織試料などの困難な試料の消化を援助する。
タンパク質分解酵素は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドにおける、ペプチド結合の切断を触媒する酵素を指す。例示的なタンパク質分解酵素には、プロテイナーゼおよびプロテアーゼ、特に、サブチリシン、サブチラーゼ(subtilase)、アルカリセリンプロテアーゼなどが挙げられるが、それらに限定されない。サブチラーゼは、セリンプロテアーゼのファミリー、すなわち、活性面にセリン残基を有する酵素である。サブチリシンは、幅広い基質特異性を有する細菌のセリンプロテアーゼである。サブチリシンは、尿素および塩酸グアニジンなどのカオトロピック剤、ならびにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの陰イオン性界面活性剤による変性に比較的抵抗性である。例示的なサブチリシンには、プロテイナーゼK、プロテイナーゼR、プロテイナーゼT、サブチリシン、サブチリシンA、QIAGEN Proteaseなどが挙げられるが、それらに限定されない。サブチラーゼ、サブチリシン、プロテイナーゼK、および他のプロテアーゼの議論は、その他にも、Genovら、Int.J.Peptide Protein Res.45:391〜400、1995に見出され得る。好ましくは、タンパク質分解酵素はプロテイナーゼKである。
タンパク質分解酵素は、ステップb)の前、中、または後のいずれでも加えることができる。これらの実施形態は、多くの生物学的試料について実行可能である。しかし、ステップb)においてアルコールを加える前にタンパク質分解酵素を加えることが好ましい。例えば、筋肉組織などの特定の試料について、ステップb)においてアルコールを加える前にタンパク質分解酵素を加えることは決定的であり、そうでなければ、RNAは効率的には精製することができないからであることを本発明者らは見出した。他の試料型については、最初に加えられるのがアルコールであろうとタンパク質分解酵素であろうと、違いは生じない。しかしながら、方法が普遍的に適用できることを保証するために、ステップb)の前にタンパク質分解酵素を加え、したがって、ステップb)によるアルコールの添加の前にタンパク質分解酵素を加えることが好ましい。いずれにしても、タンパク質消化は、アルコールおよびカオトロピック剤の存在下でインキュベーションステップc)において起こる。タンパク質消化がカオトロピック塩およびアルコールの存在下で実施される場合には、タンパク質分解酵素を用いる消化が最も効率的であることが見出された。
実施例によって示されているように、ステップc)において、本発明の教示に従って加工することができる様々な試料について適切なインキュベーション時間は異なる。平均して、3分間〜15分間の間のインキュベーション時間が、高RNA収量を達成するのに十分である。したがって、好ましくは、インキュベーションは、少なくとも2.5分間、少なくとも3分間、好ましくは少なくとも5分間、より好ましくは少なくとも7.5分間、または最も好ましくは少なくとも10分間行う。実施例によって示されているように、より長いインキュベーション時間は、これがRNA収量をさらに増加させることはないので、必要ではない。これは、プロトコールを実施するための必要な時間を考慮すれば、有利である。しかしながら、必要に応じて、より長いインキュベーション時間も用いることができる。上記で論じられているように、ステップc)においてタンパク質消化を実施するためにステップb)の前にタンパク質分解酵素を加えることが好ましい。インキュベーションステップc)の間、タンパク質分解酵素は活性であり、したがって、混合物に含まれるタンパク質を消化することができる。それぞれのタンパク質消化ステップを組み入れることは、RNA収量の有意な増加を生じることが見出された。消化は、加熱または撹拌によって補助することができる。先行技術において、プロテイナーゼKなどのタンパク質分解酵素での消化は、例えば、少なくとも50℃、またはさらに少なくとも55℃の上昇した温度で実施される場合が多い。しかしながら、そのような加熱ステップは、特別な実験装置が必要とされるため、不都合である場合が多い。さらに、多くの自動化システムは、加熱ユニットを含まない。ここで、驚くべきことに、タンパク質消化がカオトロピック塩およびアルコールの存在下で実施されるという、本明細書に特定された条件を用いることが、より低い温度およびさらに室温でさえもタンパク質消化を実施することを可能にすることが、本発明者らによって見出された。それゆえに、インキュベーションステップc)が45℃以下、40℃以下、37℃以下、または30℃以下の温度で行うことが好ましい。好ましくは、加熱ステップが実施されず、かつインキュベーションステップc)が、15℃〜30℃の間の温度、したがって、室温で実行される。室温でインキュベーションステップc)を実施することは、非常に便利で、さらに、驚くべきことに、タンパク質消化中に一般的な加熱ステップを用いる方法と比較して、RNAの分解がよりいっそう少ないという有利な効果を生じる。
インキュベーションステップc)は、混合物を撹拌しながら実施されてもよい。しかしながら、撹拌は必要ではない。撹拌の非限定的例には、振盪、かき混ぜ(stirring)、混合、振動、または、例えば、磁気ビーズを加工するために用いることができるロボットシステムの、プランジャーを垂直に動かすことによることが挙げられる。特定の態様において、撹拌は振盪を含む。振盪は、1次元、2次元、または3次元の振盪であり得る。撹拌は、例えば、ミキサーにおいて、少なくとも50rpm、少なくとも100rpm、少なくとも200rpm、少なくとも500rpm、または少なくとも1,400rpmで実施することができる。少なくとも1つのタンパク質分解酵素を用いる場合、前記酵素が効率的に働き、かつ触媒的に活性であることを保証するインキュベーション条件が用いられる。好ましくは、インキュベーションは、タンパク質分解酵素の活性を促進および/または維持する塩および/またはイオンの存在下で実施される。カオトロピック塩などのカオトロピック剤が混合物に含まれ、かつ酵素はこれらの条件下で非常に活性であるので、通常、さらなる塩を加える必要はない。しかしながら、さらなる塩または他の添加剤は、必要に応じて加えることができる。適切な塩には、NaCl、KCl、MgCl、もしくはCaCl、またはカオトロピック塩などのカオトロピック剤が挙げられるが、それらに限定されない。上記の条件は、プロテイナーゼKなどのタンパク質分解酵素を用いる場合、特に好都合であり、前記条件は、消化を促進し、かつ全体のRNA収量を増加させる。
したがって、一実施形態により、ステップb)においてアルコールを加えた後に得られる混合物は、以下を含む:
− RNA;
− 少なくとも1つのカオトロピック塩;
− 25%〜42.5%(v/v)、好ましくは30%〜40%(v/v)、より好ましくは32.5%〜38%(v/v)の間の濃度でのアルコール、好ましくはイソプロパノールまたはエタノール。
好ましい実施形態により、ステップb)においてアルコールを加えた後に得られ、かつそれに応じて、その後のステップc)においてインキュベートされる混合物は、以下を含む:
− RNA;
− 0.5M〜5M、0.75M〜4M、1M〜3.5M、1.25M〜3.25M、1.5M〜3M、1.75M〜2.75M、および1.75M〜2.5Mから選択される濃度でのカオトロピック塩;
− タンパク質分解酵素、好ましくはプロテイナーゼK;
− 25%〜42.5%(v/v)、好ましくは30%〜40%(v/v)、より好ましくは32.5%〜38%(v/v)の間の濃度でのアルコール、好ましくはイソプロパノールまたはエタノール。
上記のように、ステップb)の前にタンパク質分解酵素を加えることが好ましい。しかしながら、それは、ステップb)においてアルコールを加えた後に加えられてもよい。非限定的態様において、タンパク質分解酵素は、ステップc)においてインキュベートされる前記混合物中に、少なくとも12mAU、少なくとも20mAU、少なくとも25mAU、または少なくとも30mAUの濃度で含まれる。適切な範囲には、10mAU〜100mAU、15mAU〜75mAU、および25mAU〜50mAUが挙げられるが、それらに限定されない。
上記のように、RNAおよびカオトロピック剤を含む、ステップa)において提供される組成物は、様々な手段によって得ることができる。適切な、非限定的例は、以下に記載される。
一実施形態により、ステップa)において提供される組成物は、少なくとも以下のステップを実施することにより得られている:
− RNA含有生物学的試料を取得するステップ。好ましくは、前記試料は、特に組織試料または体液などの細胞含有試料である。好ましくは、前記試料はまたDNAを含む。この場合、後でより詳細に記載されているように、同じ試料からRNAおよびDNAを並行して単離することも可能である。
− 生物学的試料を溶解するステップであって、その溶解は、好ましくは、少なくとも1つのカオトロピック剤の使用を含む。
試料の溶解を達成するために種々の方法を用いることができ、適切な溶解方法は先行技術においてよく知られている。本明細書で用いられる場合、用語「溶解」は、試料またはその部分もしくは画分の破壊、分解、および/または消化を指す。それぞれの溶解ステップにおいて、特に核酸などの生体分子は、細胞から遊離させることができ、または例えば、タンパク質などの他の試料付加物から解放することができる。本明細書において、それは、特に核酸などの生体分子が細胞から遊離されるかどうか、または溶解が、例えば試料に含まれるタンパク質もしくは他の物質から、核酸などの生体分子を遊離させるために実施されるかどうかに関わらず、一般的に試料を破壊、分解、および/または消化するためのそれぞれのステップを言及する。ゆえに、試料は、細胞を含んでもよいし、または、例えば血漿の場合のように、細胞を全く含まず、もしくは微量のみの細胞を含んでもよい。好ましくは、溶解のために、試料を、1つまたは複数の溶解剤と接触させる。RNAは、溶解中、ヌクレアーゼによる分解から保護されるべきである。選択された溶解条件はまた、加工されることになっている試料の型によって異なり得る。一般的に、溶解手順には、試料への機械的、化学的、物理的、および/または酵素的作用が挙げられ得るが、それらに限定されない。例として、ビーズミルにおける、もしくはガラスビーズの存在下での試料の粉砕、試料のホモジナイズ、超音波の適用、加熱、1つもしくは複数の界面活性剤の添加、および/または例えば、タンパク質分解性酵素もしくは塩などのタンパク質分解性化合物の添加が挙げられるが、それらに限定されない。さらに、β−メルカプトエタノールまたはDTTなどの還元剤を溶解のために加えて、例えば、ヌクレアーゼの変性を補助することができる。上記で論じられているように、本発明の教示により、少なくとも1つのカオトロピック剤、好ましくは少なくとも1つのカオトロピック塩を試料の溶解中に用いたことは好ましい。適切なカオトロピック剤、特にカオトロピック塩は上で記載された。さらに、溶解中、キレート剤、ヌクレアーゼ阻害剤、特にRNアーゼ阻害剤またはDNアーゼ阻害剤(特に、RNAおよびDNAの並行した単離が意図される場合)などの他の添加剤もまた加えることができる。試料の溶解を援助するために、および遊離した核酸、特に遊離したRNAを保護するために用いることができるそれぞれの添加剤は先行技術においてよく知られており、したがって、本明細書において詳細に記載される必要はない。
ステップd)において、混合物における全体のアルコール濃度を50%(v/v)以上、好ましくは55%(v/v)以上、より好ましくは60%(v/v)以上に調整するために、追加のアルコールが混合物に加えられる。アルコール濃度を50%(v/v)以上に増加させることにより、小型RNAを核酸結合性固相に結合させることを可能にするRNA結合条件が確立される。もちろん、より長いRNA分子もまた、これらの条件下で結合することができる。ステップd)の前記混合物におけるアルコール濃度についての適切な範囲には、50%(v/v)以上〜80%(v/v)以下、55%(v/v)以上〜75%(v/v)以下、好ましくは60%(v/v)以上〜70%(v/v)以下が挙げられる。RNA結合条件を確立するために用いることができる適切なアルコールは、ステップb)と共に上で記載された。またそれは、ここで適用されるそれぞれの開示に言及されている。ステップb)に用いられたものと同じ、または異なるアルコールがステップd)において用いることができる。好ましくは、同じ型のアルコールがステップb)とd)に用いられる。好ましくは、エタノールまたはイソプロパノールがステップd)において加えられる。本明細書に記載されているように、段階的様式でアルコール濃度を増加させ、好ましくはステップc)においてタンパク質消化を実施することにより、例えば、線維組織などの困難な試料を加工する場合でさえも、高効率で、小型RNAを含む全RNAを結合させるのに特に適しているRNA結合条件が提供される。本明細書で教示されているような結合条件を確立するためのアルコールの段階的添加であって、そのアルコール添加ステップ間にインキュベーションステップが実施される、アルコールの段階的添加は、全体のRNA収量を増加させるために、特に、小型RNAの収量を増加させるために重要である。実施例によって実証されているように、前記段階的手順は、特に追加としてステップc)においてタンパク質消化を実施する場合、アルコール濃度が、単一(同時的)ステップで、小型RNAを含む全RNA結合のために調整され、かつしたがって、インキュベーションステップc)を欠く従来の先行技術方法に対してかなり有利である。本発明はまた、第1のステップにおいて大きなRNAが核酸結合性固相に結合し、かつ第2のRNA結合ステップにおいて小型RNAがさらなる固相に結合するという方法と比較して、好都合である。本発明による方法を用いる場合、2つの別々のRNA結合ステップを実施する必要性はない。その代わりに、より大きいRNAおよび小型RNAが同じ核酸結合性固相へ一緒に結合する。したがって、同じ固相が、小型RNAおよびより長いRNAを結合させるために用いられてもよい。さらに、RNAを結合させる前にフェノール/クロロホルムに基づいた方法などのフェノールでの有機抽出を含む方法と比較して、本発明は、匹敵し、かつ時々、さらに改善したRNA単離結果が本発明による方法で達成されるが、本発明による方法は、毒性フェノールまたは他の有機抽出ステップの使用を必要としないという利点を有する。
ステップd)においてアルコールを加えることは、ステップe)において小型RNAを含むRNAを核酸結合性固相に結合させることを可能にする結合条件を調整する。前記結合混合物において、好ましくは上記のようなカオトロピック塩であるカオトロピック剤は、好ましくは、0.1Mから飽和限界までの範囲にある濃度で含まれる。好ましい濃度範囲は、用いられるカオトロピック剤に依存して、0.3M〜5M、0.5M〜4M、0.75M〜3.75M、および1M〜3Mの範囲内にある。適切なカオトロピック剤、特に適切なカオトロピック塩は上で記載されており、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、尿素などが挙げられるが、それらに限定されず、特に好ましいのは、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、およびイソチオシアン酸グアニジウムである。結合中に存在するカオトロピック剤は、溶解手順に由来したものであってもよいし、または結合条件を確立するために別々に加えられてもよい。より高い濃度のカオトロピック剤が、RNAの収量を増加させるために好都合であり得る。したがって、さらなる量のカオトロピック剤を加えることにより、結合のためにカオトロピック剤の濃度を増加させることもまた、本発明の範囲内である。さらに、追加の添加剤、例えば、界面活性剤が、RNA結合を改善させるために加えることができる。
ステップe)において、ステップd)から生じた混合物に含有される小型RNAは、アルコール濃度が、ステップe)において小型RNAの効率的な捕獲を確実にするのに十分高いため、核酸結合性固相に結合する。一実施形態により、ステップd)から生じた結合混合物を、ステップe)において前記の目的のために固相と接触させる。この実施形態は、カラムに含まれる核酸結合性相が用いられる場合、特に適している。カラムに基づいた手順が用いられる場合には、核酸結合性固相が、ステップe)において、小型RNAを含む全RNAを固相に結合させるために用いられ得る。この実施形態において、好ましくは、固相へのRNA結合はステップe)の前に起こらず、小型RNAを含む全RNAがステップe)において初めて固相へ結合する。しかしながら、ステップe)の前、例えば、ステップa)、b)、c)、またはd)の間、核酸結合性固相を加えることも可能である。例えば、実施例によって示されているように、磁気粒子などの粒子を核酸結合性固相として用いる場合には、粒子は、ステップa)において提供された組成物と直接接触させることができ、そのことは、取り扱いの容易さのために好ましい。したがって、粒子はまた、ステップa)、b)、c)、および/またはd)の間、存在し得、したがって、ステップe)の前に存在してもよい。この場合、RNA、特により長いRNA分子はまた、ステップe)の前に、例えば、ステップc)および/またはd)において、粒子に結合してもよい。この実施形態において、特に小型RNAは、ステップe)において固相に結合している。なぜなら、アルコール濃度が、ここで、結合混合物において、小型RNAを核酸結合性固相に効率的に結合させるのに十分高い(ステップd)において加えられた追加量のアルコールのため)からである。それぞれの実施形態のいずれが用いられるかに関わらず、小型RNAを含むRNAは、ステップe)後、固相に結合している。適切な核酸結合性固相は、以下においてより詳細に記載される。
ステップe)における結合のために用いることができる核酸結合性固相として、RNAを結合する能力がある任意の材料を用いることができる。これには、本明細書に記載された結合条件下で核酸を結合する能力がある様々な材料が挙げられる。本発明と共に用いることができる例示的な固相には、非限定的にシリカ粒子、シリカファイバー、ガラスファイバー、二酸化ケイ素、珪藻土、ガラス、アルキルシリカ、ケイ酸アルミニウム、およびホウケイ酸塩を含む、シリカを含む化合物;ニトロセルロース;ジアゾ化ペーパー;ヒドロキシアパタイト(ヒドロキシルアパタイトとも呼ばれる);ナイロン;金属酸化物;鉱物、ジルコニア;アルミナ;高分子支持体、有機ポリマー、ジエチルアミノエチル誘導体化およびトリエチルアミノエチル誘導体化支持体、疎水性クロマトグラフィー樹脂などが挙げられるが、それらに限定されない。固相という用語は、その形態またはデザインに関していかなる制限も含意するものではない。したがって、固相という用語は、多孔性または非多孔性;透過性または不透過性である適切な材料を包含し、それには、膜、フィルター、シート、粒子、磁気粒子、ビーズ、ゲル、粉末、繊維などが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態により、例えば、シリカ固相などの固相の表面は、修飾されておらず、例えば、官能基で修飾されていない。
特に好ましいのは、固相として、シリカおよびポリケイ酸材料、ホウケイ酸塩、ケイ酸塩、ならびに無機ガラス(anorganic glass)などのケイ素含有材料の使用である。シリカに基づいた核酸単離方法は、先行技術において広く用いられており、結合のためにカオトロピック剤および高いアルコール濃度を用いて、小型RNAを含むRNAを単離する場合、特に良く働く。シリカを含む固相は、例えば、フィルター、繊維、膜、または粒子の形態をとってもよい。本発明により、カラムに基づいた固相の使用、または粒子、特に磁気粒子の使用が好ましい。
したがって、一実施形態により、ビーズの形態をとり得る、シリカ粒子が用いられる。好ましくは、前記粒子は、約0.02〜30μm、より好ましくは0.05〜15μm、最も好ましくは0.1〜10μmのサイズを有する。核酸結合性固相の加工を容易にするために、好ましくは、磁気シリカ粒子が用いられる。磁気粒子は、磁場に応答する。磁気シリカ粒子は、例えば、フェリ磁性、強磁性、常磁性、または超常磁性であってもよい。適切な磁気シリカ粒子は、例えば、WO01/71732、WO2004/003231、およびWO2003/004150に記載されている。他の磁気シリカ粒子もまた先行技術から知られており、例えば、WO98/31840、WO98/31461、EP 1 260 595、WO96/41811、およびEP 0 343 934に記載されており、例えば、磁気シリカガラス粒子もまた挙げられる。磁気粒子の使用が好ましい。なぜなら、結合したRNAを含む磁気粒子は、磁場の助けを借りて、例えば、永久磁石を用いることにより、容易に加工することができるからである。この実施形態は、磁気粒子を加工する能力がある確立されたロボットシステムと適合するので、好ましい。この場合、核酸が結合した磁気粒子を加工するために本発明と共に用いることができる、種々のロボットシステムが先行技術において存在する。一実施形態により、磁気粒子は、反応容器の底面または側面で収集され、核酸が結合している収集された磁気粒子を残して、残りの液体試料は反応容器から除去される。残りの試料の除去は、デカンテーションまたは吸引によって行うことができる。そのようなシステムは先行技術においてよく知られており、したがって、ここで詳細な説明を必要としない。磁気粒子を加工することで知られている代替システムにおいて、通常、カバーまたはエンベロープで覆われている磁石が、磁気粒子を収集するために反応容器へ突入する。それぞれのシステムは先行技術においてよく知られており、かつ市販もされている(例えば、QIASYMPHONY(登録商標);QIAGEN)ため、それらは、ここで、いかなる詳細な説明も必要としない。磁気粒子を加工することで知られている、さらなる代替システムにおいて、磁気粒子を含む試料を、ピペットチップへ吸引することができ、例えば、ピペットチップの側面へ磁石をあてがうことにより、磁気粒子をピペットチップにおいて収集することができる。その後、結合した核酸を保有する収集された磁気(magnet)粒子がピペットチップ内に磁石のために留まりながら、残りの試料をピペットチップから放出することができる。その後、収集された磁気粒子はさらに加工することができる。そのようなシステムもまた、先行技術においてよく知られており、かつ市販もされており(例えば、BioRobot EZ1、QIAGEN)、したがって、ここでいかなる詳細な説明も必要としない。
好ましい実施形態により、固相がカラム内に含まれる、カラムに基づいた核酸単離手順が実施される。好ましくは、核酸結合性膜または核酸結合性繊維が、核酸結合性固相として用いられる。例として、シリカ膜、ガラスファイバー膜、ナイロン膜、ニトロセルロース膜などのセルロース膜、修飾セルロース膜(例えば、アセチル−またはヒドロキシ−)、ペーパー膜、特に修飾されたペーパーが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、膜は多孔性である。さらに、シリカを含むか、またはシリカからなる膜または繊維を用いることが好ましい。適切かつ好ましいシリカに基づいた材料はまた、上で記載された。カラム内に含まれるさらなる一般的な核酸結合性固相は、カラム1杯分(fill)の、シリカ粒子などの核酸結合性粒子、または1層の核酸結合性材料(例えば、シリカゲル)である。例えば、シリカ粒子は、不活性フィルターまたは膜上の1層として配置され、それにより核酸結合性固相を形成することができる。カラムに含まれる核酸結合性固相を通っての結合混合物の通過を緩和するために、例えば、遠心分離、または例えば、カラム、それぞれ核酸結合性固相を通して試料に圧力をかけ、もしくは減圧を適用することにより核酸結合性固相を通してそれを吸い上げる、圧力差発生装置の使用などの適切な手段を用いることができる。それぞれの手段は先行技術においてよく知られており、したがって、ここでさらなる説明を必要としない。カラムに基づいたアプローチを用いる場合、小型RNAを含む全RNAを核酸結合性固相に結合させるために、ステップd)において得られた混合物を、ステップe)において核酸結合性固相に接触させることが好ましい。この実施形態において、ステップe)は、RNAを結合することを目的とする唯一の結合ステップである。
好ましくは、本発明による方法は、フェノール、フェノール/クロロホルム、および/またはクロロホルムの使用を含まない。
小型RNAを含むRNAがステップe)において核酸結合性固相に結合した後、結合したRNAは、任意で、ステップf)において洗浄されてもよい。この目的のために、一般的な洗浄溶液が用いられてもよい。一実施形態により、洗浄のために用いられる溶液は、少なくとも1つのカオトロピック剤および/または少なくとも1つのアルコールを含む。洗浄溶液中に用いることができるカオトロピック剤には、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、およびヨウ化ナトリウムが挙げられるが、それらに限定されない。アルコールとして、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する、短鎖分岐型または非分岐型アルコールが、それぞれ洗浄溶液において、洗浄のために用いることができる。例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールである。好ましくは、イソプロパノールおよび/またはエタノールが用いられる。しかしながら、カオトロピック剤を含まない洗浄溶液もまた用いることができる。
代替として、または上記の洗浄溶液に加えて、用いることができるさらなる適切な洗浄溶液は、アルコールおよび緩衝液を含む。適切なアルコール、および生物学的緩衝液などの緩衝液は上で記載されている。好ましくは、イソプロパノールまたはエタノール、最も好ましくはエタノールが、この第2の洗浄ステップのために用いられる。好ましくは、エタノールは、少なくとも60%(v/v)、少なくとも70%(v/v)、好ましくは少なくとも80%(v/v)の濃度で用いられる。緩衝液は、好ましくは、およそ7〜8のpHにおけるTrisである。一実施形態により、洗浄のために用いられる溶液は、少なくとも1つのカオトロピック剤、少なくとも1つのアルコール、少なくとも1つの界面活性剤、および/または少なくとも1つの緩衝構成要素を含む。
上記の任意の1回または複数回の洗浄ステップの前かまたは後のいずれかに、RNAが核酸結合性固相に結合している間に、DNアーゼ消化を実施してもよい。それにより、単離されたRNAにおけるゲノムDNA混入の量を、さらに低下させることができる。それぞれのDNアーゼ消化を実施するための適切な実施形態は、本明細書に記載されており、また先行技術においても知られている。それぞれのDNアーゼ消化ステップは任意である。
RNAが核酸結合性固相に結合している間に、DNアーゼ消化を実施するために用いられる条件は、RNA、特に小型RNAが核酸結合性固相から部分的に放出されることが生じ得る。それゆえに、小型RNAの高い回収を保証するために、放出された可能性のある小型RNAが、核酸結合性固相に再結合することを保証することが好ましい。用いられる核酸結合性固相の型、例えば、用いられるのが、カラムに基づいたアプローチなのか、または粒子に基づいたアプローチなのかに依存して、実行可能な手順が異なる。
磁気粒子などの粒子が核酸結合性固相として用いられる場合には、任意のDNアーゼ消化を実施した後、カオトロピック剤およびアルコールを加えることができ、それにより、小型RNAを粒子に再結合させることを可能にする結合条件を確立する。この目的のために、例えば、カオトロピック塩および/またはアルコールを含む溶液を用いることができる。それぞれの溶液はまた、洗浄溶液としての役割を果たし得る。再結合のためにアルコール濃度を増加させるために、追加のアルコールをまた、別途、加えることができる。適切なアルコール、アルコール濃度、カオトロピック塩、およびカオトロピック濃度は、ステップe)と共に上で記載された。その同じ条件が再結合のために用いることができる。
カラムに基づいた核酸結合性固相が用いられる場合には、RNAが固相に結合している間に、任意のDNアーゼ消化(オンカラムDNアーゼ消化と呼ばれることも多い)を実施した後、以下のステップを実施することが好ましい:
− フロースルーとしてDNアーゼ消化中に核酸結合性固相から放出された可能性がある小型RNAを収集するステップ;
− 含有される小型RNAを前記核酸結合相に再結合させるために、回収溶液と混合された、小型RNAを含む前記フロースルーを、核酸結合性固相に接触させるステップ。
オンカラムDNアーゼ消化中、部分的に放出された可能性があるRNAが、核酸結合性固相に再結合することを保証するために、および放出された小型RNAをフロースルーとして収集するために、DNアーゼ消化が完了した後、回収溶液をカラムに通すことが好ましい。回収溶液によって確立される条件下で再結合することができるRNAは、核酸結合性固相に強固に再結合しており、「逃避した」小型RNAは、フロースルーとして収集することができ、したがって、ステップe)において用いられた核酸固相に再度加えることができ、それに応じて、再結合することができる。これは、オンカラムDNアーゼ消化が実施された場合でも、小型RNAが行方不明になることを防ぐ。したがって、回収溶液は、「逃避した」可能性がある小型RNAを収集するために、およびステップe)において用いられた核酸結合性固相に小型RNAを再結合させるために適した条件を確立するために、用いられる。回収溶液はまた、1つもしくは複数の溶液および/または成分を混合することにより取得されてもよい。回収溶液によって提供される結合条件は、カラムに含まれる核酸結合性固相に小型RNAを含むRNAを結合させるためにステップe)において用いられる条件と同じ、または類似であり得る。しかしながら、好ましくは、回収溶液はまた、ステップe)において用いられる結合条件よりさらに強い結合条件を確立してもよい。好ましくは、同様に1つまたは複数の溶液または化学的作用物質を混合することにより取得されてもよい回収溶液は、少なくとも1つのカオトロピック剤および/または少なくとも1つのアルコールを含む。適切なカオトロピック剤およびアルコールは上で記載された。好ましくは、カオトロピック剤は、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、および尿素からなる群から選択される。好ましくは、カオトロピック塩が用いられる。特に、塩酸グアニジウムおよび/またはチオシアン酸グアニジウムがカオトロピック剤として用いることができる。回収溶液における少なくとも1つのカオトロピック剤の濃度は、0.5Mから飽和限界までの範囲にあり得る。好ましい濃度範囲は、用いられるカオトロピック剤に依存して、約1M〜7M、約1.5M〜6M、約2M〜5.5Mの範囲内にあり、好ましくは約2.5〜5.5Mの範囲内にある。
さらに、収集された小型標的核酸を核酸結合性固相に結合させるために用いられる回収溶液は、任意でまた、少なくとも1つのアルコールを含んでもよい。アルコールとして、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する短鎖分岐型または非分岐型アルコールを用いることが好ましい。例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールである。また、アルコールの混合物も用いることができる。アルコールは、好ましくは、イソプロパノールおよびエタノールから選択され、標的核酸としてRNAを単離する場合、特によく適しているのは、イソプロパノールである。50%v/v以上、好ましくは60%v/v以上、70%以上のアルコール濃度を用いることは有益である。好ましくは、アルコール濃度は、約50%v/v〜90%v/vまたは約55%v/v〜85%の範囲内、より好ましくは、約60%v/v〜80%v/vの範囲内にある。オンカラムDNアーゼ消化後のそれぞれの再結合ステップの詳細はまた、参照により本明細書に組み入れられている、WO2012/028737に記載されている。逃避した可能性がある小型RNAを核酸結合性固相に再結合させた後、再び、1回または複数回の洗浄ステップを実施することができる。適切な条件は上で記載された。
RNAを固相から溶出するための溶出ステップを実施することが望ましい場合、溶出は、例えば、水、溶出緩衝液などの古典的溶出溶液、特に、Tris、MOPS、HEPES、MES、BIS−TRIS、プロパンなどの生物学的緩衝液で達成することができる。好ましくは、意図される下流適用に干渉しない溶出溶液が用いられる。溶出後、溶離液を、熱変性させることができる。しかしながら、例えば、加熱などの他の溶出手段によって核酸を固相から放出させ、それにしたがって、溶出することもまた、本発明の範囲内である。
続いて、RNAおよびDNAを含む試料から、小型RNAを含む全RNAを単離することを可能にする適切な実施形態を記載する。ここでは、小型RNAを含む全RNAを、DNAと並行して、選択的に単離することを可能にする実施形態を記載する。したがって、RNA、加えてDNAは、同じ試料から本発明の方法に従って単離することができる。しかしながら、必要に応じて、DNAはまた、精製工程中、単に選択的に排除することもでき、それにより、DNA、特にゲノムDNAを含まない、単離された、小型RNAを含む全RNAを提供する。この場合、DNAを除去するための種々の選択肢が存在する。非限定的かつ好ましい実施形態を、後で記載する。さらに、試料からDNAを枯渇させ、それにより、単離されたRNAの純度を増加させ、かつ精製されたRNA中のDNA混入を回避することにおいて、特に効果的である実施形態を記載する。
一実施形態により、ステップa)において提供される組成物は、RNA、加えてDNAを含み、RNAおよびDNAは、ステップe)後、核酸結合性固相に結合している。RNAおよびDNAがどちらもステップe)において核酸結合性固相に結合している場合に実行可能である、一実施形態により、差次的溶出工程に従い、それにより、小型RNAを含む全RNAからDNAを別々に単離することを可能にすることができる。例えば、結合したRNAを溶出する前に、DNAを選択的に溶出することができ、または逆も同様である。それぞれの差次的溶出条件は、例えば、WO95/21849またはEP 1 693 453に記載されている。
さらなる実施形態により、溶解産物中に含まれるDNAを除去するRNA単離工程において中間ステップが含まれる。一実施形態により、DNAは、DNアーゼなどのDNAを特異的に破壊する適切な酵素を加えることにより破壊される。前記酵素は、溶解産物に、またはステップa)において提供される組成物に加えることができる。それぞれのDNアーゼ消化ステップを実施するための適切な実施形態は、先行技術(WO2011/104032参照)において知られており、したがって、ここでいかなるさらなる説明も必要とはしない。
試料から得られる溶解産物はまた、任意で、ステップa)の前にさらに加工されてもよい。例えば、溶解産物は、ホモジナイズすることができ、それはまた、溶解工程自体の間でも起こっている可能性がある。さらに、溶解産物は、細胞破片を除去するために清澄化することができる。溶解産物清澄化方法は、濾過、および/または、例えば、イオン性基、特にカルボキシル基などの陰イオン性基を保有する表面などの適切な表面へ細胞破片および他の夾雑物を結合させることを含んでもよい。
一実施形態により、ステップa)において提供される組成物は、少なくとも以下のステップを実施することにより取得されている:
− RNAおよびDNAを含有する生物学的試料を取得するステップ;
− 該試料を溶解するステップであって、溶解が好ましくは、少なくとも1つのカオトロピック塩の使用を含む、ステップ;
− 任意で、該溶解産物をホモジナイズするステップ;
− 任意で、該溶解産物を清澄化するステップ;
− 該溶解産物からDNAを除去するステップ。
この実施形態により、DNAは、好ましくは、DNAを適切な条件下で核酸固相へ選択的に結合させ、その後、小型RNAを含むRNAをまだなお含む残りの試料から、核酸結合性固相に結合したDNAを分離することにより、除去される。これは、例えば、溶解産物を適切な核酸結合性固相と、主にDNAが固相に結合するが、RNAは結合しないという条件下で接触させることにより、達成することができる。DNAの結合を可能にする適切な核酸結合性固相は、先行技術においてよく知られている。さらに、RNA結合ステップについての上記の核酸結合性固相、特にケイ素含有固相がまた、DNA結合のために用いることができる。DNAを選択的に結合させ、それにしたがって、DNAを除去するための適切な方法は、例えば、参照により本明細書に組み入れられている、EP 0 880 537およびWO95/21849に記載されている。例えば、エタノールまたはイソプロパノールなどの短鎖アルコールの非存在下でカオトロピック塩などのカオトロピック剤を用いて試料を溶解する場合には、DNAについて選択的である結合条件を、確立することができる。所望される場合、結合したDNAは、さらに用いられ、例えば、さらに加工され、例えば、任意で、洗浄され、核酸結合性固相から溶出されることができ、それにより、RNAを実質的に含まないDNA画分を提供する。したがって、本発明はまた、RNAおよびDNAが同じ試料から単離され得る方法を提供する。しかしながら、そのDNAが関心対象ではない場合には、結合したDNAはまた、小型RNAを含む全RNA(のみ)を単離することを意図するならば、単に廃棄されてもよい。また、この場合、そのようなDNA結合および除去ステップは、それが、精製されたRNAにおけるDNA混入の量を低下させるため、好都合である。
DNAを、例えばシリカ含有固相などの核酸結合性固相に結合させ、結合したDNAを残りの試料から分離する場合、DNA枯渇化RNA含有組成物が、本発明による方法のステップa)のために提供される。
本発明による方法がDNAおよびRNAを並行して単離するために用いられる好ましい実施形態は、以下:
− RNAおよびDNAを含有する生物学的試料を取得するステップ;
− 該試料を溶解するステップであって、溶解が、少なくとも1つのカオトロピック塩の使用を含む、ステップ;
− 任意で、該溶解産物をホモジナイズするステップ;
− 任意で、該溶解産物を清澄化するステップ;
を含み、ここで、DNAの単離は、以下:
a)DNAを核酸結合性固相に選択的に結合させ、結合したDNAを残りの試料から分離することによりDNAを該溶解産物から除去し、それにより、カオトロピック塩を含み、それゆえRNA単離のステップa)において用いることができる組成物を提供する、DNA枯渇化RNA含有組成物を提供するステップ;
b)任意で、結合したDNAを洗浄するステップ;
c)任意で、DNAが核酸結合性固相に結合している間に、タンパク質消化を実施するステップ;
d)任意で、結合したDNAを洗浄するステップ;
e)任意で、結合したDNAを溶出するステップ;
を含み、かつRNAの単離は、以下:
a)DNA単離工程のステップa)後に得られたDNA枯渇化RNA含有組成物を取得するステップであって、前記組成物がカオトロピック塩を含む、ステップ;
b)アルコールを加えるステップ;
c)該混合物を少なくとも2分間、好ましくは少なくとも5分間、インキュベートするステップであって、前記インキュベーションステップ中、好ましくは、タンパク質消化が実施され、好ましくはこの目的のために、タンパク質分解酵素がステップb)の前に加えられる、ステップ;
d)該混合物における全体のアルコール濃度を50%以上に調整するために追加のアルコールを該混合物に加えるステップ;
e)該混合物に含有されるRNAを核酸結合性固相に結合させるステップ;
f)任意で、結合したRNAを洗浄するステップ;
g)任意で、RNAを該固相から溶出するステップ
を含む。
個々のステップはすでに上記で説明され、それぞれの開示を参照する。DNAを結合させるために、およびRNAを結合させるために、シリカまたはガラス核酸結合性固相などのケイ素を含む核酸結合性固相を用いることは好ましい。固相はカラム内に含まれてもよい。
DNA単離ステップの特別な改善は、以下に記載されている。一実施形態により、DNAが核酸結合性固相に結合している間に、DNA単離のステップc)においてタンパク質消化が実施される。DNAが固体支持体に結合している間に、タンパク質消化を実施することの一般的な利点、および適切な消化条件は、参照により本明細書に組み入れられている、WO2009/016110に記載されている。タンパク質消化がアルコールおよびカオトロピック塩の存在下で起こるならば、オンカラムタンパク質消化が実質的に改善され得ることが見出された。したがって、RNA単離手順のインキュベーションステップc)において実施されるタンパク質消化におけるものと類似した消化条件が用いられる。タンパク質分解酵素は、カオトロピック塩およびアルコールの存在下で活性の増加を示す。タンパク質消化を実施するために、アルコールおよびカオトロピック塩を含む組成物を、タンパク質分解酵素、好ましくはプロテイナーゼKと接触させ、その後、その結果として生じた混合物を、DNAが結合している核酸結合性固相と接触させる。好ましくは、タンパク質分解酵素を含む、生じた混合物は、アルコールを、25%(v/v)〜60%(v/v)、30%(v/v)〜55%(v/v)、35%(v/v)〜50%(v/v)、および40%(v/v)〜45%(v/v)から選択される範囲内にある濃度で含み、かつ好ましくはグアニジウム塩などのカオトロピック塩であるカオトロピック剤を、0.75M〜5M、1M〜4M、1.25M〜3.5M、および1.5M〜3.25M、1.5M〜3M、1.75M〜2.75M、および2M〜2.5Mから選択される範囲内にある濃度で含む。
カオトロピック剤および実質的な量のアルコールを含むこれらの改善された消化条件を用いることにより、DNAが固相に結合している間に、15℃〜35℃または15℃〜30℃の範囲内などのより低い温度、したがって室温においてさえも、タンパク質消化を実施することが可能になる。加熱ステップは必要とされない。これは、加熱のための特別な装置が時代遅れとなり、それにより、例えば、その方法を、ロボットシステムを用いる自動化ワークフローへ統合することを可能にするため、大きな利点である。さらに、徹底的な消化に必要なインキュベーション期間は、新規な消化条件を用いることにより低下させることができた。例えば、タンパク質消化は、それが5分間行われるか、または30分間行われるかに関わらず、実質的に同じ結果を達成する。したがって、非常に短いインキュベーション時間を用いることができる。これらは、先行技術において知られたオンカラムタンパク質消化に対してかなり有利である。
単離されたRNAにおけるDNAの量をさらに低下させるために、上記のようにDNAを核酸固相に結合させることにより溶解産物からDNAが除去された後、適切な酵素を用いてDNAを分解するための中間ステップを実施することができる。DNアーゼ消化を実施することは、残存する微量のDNAが効率的に除去され得るという利点を有する。一実施形態により、DNアーゼ消化は、DNA枯渇化溶解産物に実施される。適切な条件は、参照により本明細書に組み入れられている、WO2011/104032に記載されている。RNA結合の前に溶解産物においてDNアーゼ消化を実施することは、DNアーゼ消化中に小型RNAを見失うリスクがないという利点を有する。さらに、オンカラムDNアーゼ消化と比較して、取り扱いステップを省くことができる。さらなる実施形態により、DNアーゼ処理は、RNAが核酸結合性固相に結合した後に実施される。詳細は上で記載された。オンカラムDNアーゼ消化を実施した場合には、上記のように回収溶液を用いることにより、逃避した可能性がある小型RNAを収集することが好ましい。それぞれの開示が参照される。
用語「試料」は、本明細書では広い意味で用いられ、核酸を含有する様々な提供源を含むことを意図される。試料は生物学的試料であってもよいが、その用語はまた、他の、例えば、核酸を含む人工試料を含む。例示的な試料としては、概して非限定的に肝臓、脾臓、腎臓、肺、腸、脳、心臓、筋肉、脂肪(fat)、膵臓を含む組織、細胞培養物、体液;全血;血清;血漿;赤血球(red blood cell);白血球;バフィーコート、腫瘍細胞、胎児細胞、宿主および移植片細胞;非限定的に、頬側スワブ、咽頭スワブ、膣スワブ、尿道スワブ、頚部スワブ、咽頭スワブ、直腸スワブ、病変スワブ、膿瘍(abcess)スワブ、鼻咽頭スワブなどを含むスワブ;尿;痰;唾液;精液;リンパ液;分泌液(liquor);羊水;脳脊髄液;腹水;胸水;嚢胞由来の液体;滑液;硝子体液;眼房水;嚢液(bursa fluid);洗眼液;眼吸引液;肺洗浄液;肺吸引液;骨髄穿刺液;懸濁物中の細胞、加えて試料上、または試料中に存在する可能性がある任意の細胞および微生物およびウイルスから得られる溶解産物、抽出物、または材料などが挙げられるが、それらに限定されない。核酸を含有する臨床的または法医学的設定から得られる材料もまた、試料という用語の意図された意味の範囲内である。さらに、当業者は、上記の例示的な試料のいずれかから得られる溶解産物、抽出物、または材料もしくはその一部もまた、試料という用語の範囲内であることを理解しているだろう。好ましくは、試料は、ヒト、動物、植物、細菌、または真菌由来の生物学的試料である。特に、用語「試料」は、細胞も含む、核酸含有試料を指す。好ましくは、試料は、細胞、組織、体液、例えば血液、バフィーコート、血漿、および血清などの血液産物、尿、分泌液、痰、便、CSFおよび精液、上皮スワブ、生検材料、骨髄試料、ならびに多様な組織試料からなる群から選択される。例示的な組織試料は上で記載された。本発明による方法は、線維組織からRNAを単離するのに特に適している。線維組織には、骨格筋、心臓、および大動脈が挙げられるが、それらに限定されない。これらの線維に富む組織は、大量の収縮タンパク質、結合組織、およびコラーゲンのせいで加工することが難しい。したがって、多くの先行技術プロトコールでは、それぞれの組織からRNAを単離することは不可能である。しかしながら、実施例によって示されているように、本発明による方法は、フェノールが精製中に用いられないにもかかわらず、それぞれの試料から、小型RNAを含む全RNAを効率的に単離することを可能にする。
本発明による方法は、血液試料、特に、例えば、抗凝固剤を用いて安定化された血液試料を加工するのにも適している。血液試料を安定化させるために用いられる典型的な抗凝固剤には、EDTAおよびクエン酸塩が挙げられるが、それらに限定されない。本発明による方法を用いてRNAを、またはRNAとDNAを並行して、単離するために、血液試料を、まず、赤血球(erythrocyte)を溶解するために、赤血球(erythrocyte)溶解溶液内で処理する。赤血球(red blood cell)を溶解するための適切なプロトコールは先行技術において知られている。例えば、赤血球(red blood cell)は、赤血球(erythrocyte)、すなわち、赤血球(red blood cell)を溶解するが、白血球を実質的には溶解しない、赤血球(red blood cell)溶解組成物を用いることにより選択的に溶解することができる。先行技術において知られた任意の赤血球(red blood cell)溶解緩衝液がこの目的のために用いることができ、それぞれの赤血球(red blood cell)溶解緩衝液はまた市販されている。標準赤血球(red blood cell)溶解緩衝液の適切な例には、赤血球(erythrocyte)溶解緩衝液ELB1(320mMスクロース、50mM Tris/Cl pH7.5、5mM MgCl、1% Triton X−100)またはELB2(155mM NHCl、10mM KHCO)が挙げられるが、それらに限定されない。その後、白血球が、例えば、遠心分離により、または白血球を結合するのに適した適切な固相に白血球を結合させることにより、収集される。RNA、または核酸の両方の型が関心対象である場合にはRNAおよびDNAが、後で、上記のように、本発明による方法を用いて細胞ペレットから単離される。この場合、RNA単離プロトコールのインキュベーションステップc)の間、タンパク質消化をまた含むことは、その結果が有意に改善するため、好ましい。さらに、追加としてDNAを単離することを意図する場合には、上記のように、DNAが核酸固相に結合している間に、タンパク質消化を実施することもまた、好ましい。
本明細書で用いられる場合、用語「核酸(nucleic acid)」または「核酸(nucleic acids)」は特に、典型的にはサブユニット間のホスホジエステル結合によるが、場合によっては、ホスホロチオエート、メチルホスホネートなどにより、共有結合しているリボヌクレオシドおよび/またはデオキシリボヌクレオシドを含むポリマーを指す。DNAには、DNAの全ての型、例えば、gDNA;環状DNA、プラスミドDNA、および循環DNAが挙げられるが、それらに限定されない。RNAには、hnRNA;mRNA;細胞外RNA、非限定的にrRNA、tRNA、lncRNA(長鎖非コードRNA(long non coding RNA))、lincRNA(長鎖遺伝子間非コードRNA(long intergenic non coding RNA))、miRNA(ミクロRNA)、siRNA(低分子干渉RNA)、snoRNA(低分子核小体RNA)、snRNA(低分子核内RNA)、およびstRNA(小分子RNA(small temporal RNA))、piRNA(piwi相互作用RNA(piwi interacting RNA))、tiRNA(転写開始RNA)、PASR(プロモーター関連RNA)、CUT(潜在性不安定性転写産物(cryptic unstable transcripts))を含む非コードRNA(ncRNA)が挙げられるが、それらに限定されない。小型RNA、または小型RNA種という用語は、特に、500nt以下、400nt以下、300nt以下、200nt以下、100nt以下、または50nt以下の鎖長を有するRNAを指し、それには、miRNA、siRNA、他の短い干渉核酸、snoRNAなどが挙げられるが、それらに限定されない。RNAが二重鎖分子である場合、「nt」として示された鎖長は、「bp」を指す。
本発明は、本明細書に開示された例示的な方法および材料によって限定されない。数値の範囲は、その範囲を規定する数を含む。本明細書を全体として参照して読むことができる、本明細書に提供される見出しは、本発明の様々な態様または実施形態の制限ではない。本明細書で用いられる場合、用語「溶液」は、特に、液体組成物、好ましくは水性組成物を指す。それは、1つだけの相の均一な混合物であってもよいが、本発明により用いられる溶液が、例えば、沈殿物などの固体構成要素を含むこともまた、本発明の範囲内である。一実施形態により、方法の場合、ある特定のステップを含むとして、または組成物、溶液、および/もしくは緩衝液の場合、ある特定の成分を含むとして、本明細書に記載された対象物は、それぞれのステップまたは成分からなる対象物を指す。本明細書に記載された好ましい実施形態を選択し、かつ組み合わせることは好ましく、好ましい実施形態のそれぞれの組み合わせから生じた特定の対象物もまた、本開示に属する。
実施例1:磁気シリカ粒子を用いるRNAの単離
RNAを、本発明による方法を用いて異なる組織試料から単離した。組織試料として、調製あたり10mgのラット腎臓または20mgのラット筋肉を加工した。本発明によるプロトコールを以下のように実施した:
組織試料を、3.5Mの濃度のグアニジウム塩および非イオン性界面活性剤(5%未満)を含む溶解緩衝液中に溶解し、ホモジナイズした。
その後、ホモジナイズされ、かつ溶解された試料を、磁気ビーズを加工する能力があるロボットシステム(QIAsymphony(QIAGEN))に移した。20μlのプロテイナーゼKおよび50μlの磁気シリカビーズ(MagAttract G、QIAGEN)を加えた。その添加ステップは任意の順番で行うことができる。
その後、最初の量のエタノールを加え、それにより、異なる濃度(29%(v/v)、37%(v/v)、または47%(v/v))でエタノールを含む混合物が提供された。生じた混合物を、室温で5分間、インキュベートし、混合した。前記インキュベーションステップ中、プロテイナーゼKの存在により、タンパク質消化が実施された。
前記インキュベーションステップ後、第2のステップにおいて、結合混合物において60%(v/v)の最終濃度を確立するように、追加のエタノールを加える。RNAが磁気粒子と接触し、それにしたがって、それらと結合することを確実にするために、さらなる混合ステップを実施した。
結合した核酸を、2回、洗浄し、DNアーゼ消化を実施した。粒子から溶出した可能性があるRNAを再結合させるために、カオトロピック剤およびアルコールを含む再結合緩衝液を加え、混合して、RNAを再結合させた。その後、さらに2回の洗浄ステップを、アルコール含有洗浄緩衝液を用いて実施した。結合したRNAを有する磁気粒子を風乾して、アルコールを蒸発させ、RNAを、RNアーゼを含まない水で溶出した。
比較のために、以下のプロトコールを実施した:
第1のプロトコールにおいて、同じ手順に従ったが、ただし、エタノールの最終濃度は、37%であった(1ステップで加えられた)。これは、単離された全RNAにおけるmiRNAなどの小型RNAを特異的に捕獲することを目的としない標準RNA単離手順に対応する。
第2のプロトコールにおいて、エタノールの濃度を、最初のステップにおいて60%(したがって、小型RNAの効率的な結合に必要とされる最終エタノール濃度)に調整した。したがって、この変形において、本発明によって教示されているような段階的アプローチには従わない。
結果は図1および2に示されている。図1は、腎臓組織試料で得られた結果を示す。結合混合物において37%エタノールを用いる標準RNA単離プロトコールに関して、およそ12μgのRNAが回収された。エタノール濃度を60%に1ステップで調整することは、結果として、RNA収量の劇的な低下を生じた。小型RNAの捕獲を可能にするためにアルコール濃度が1ステップで60%エタノールへ調整された場合には、たったおよそ3.5μgのRNAが回収された。対照的に、本発明によって教示されているような段階的アプローチに従うことは、37%エタノールを用いる標準プロトコールと比較して、類似した、またはさらにより高い収量を生じた。最初のステップにおいてアルコール濃度が37%エタノールに調整され、その後、第2のステップにおいて60%エタノールに調整された場合には、RNA収量に関して特に改善した結果が達成された。ここで、およそ16μgのRNAを回収することができたので、全体のRNA収量は、標準プロトコールと比較してさらに有意に改善した。このように、図1は、本発明による方法で達成される具体的な利点を実証している。それは、全RNAを良い収量で単離することを可能にし、さらに、37%エタノールのみを用いる標準プロトコールを用いて捕獲することができないmiRNAなどの小型RNAを捕獲することも可能にする。小型RNAの回収をまた、試験(miScriptシステムを用いるRNA miR−16の検出)によって確認した。標準プロトコール(37%、1ステップ)と、結合混合物におけるより高いアルコール濃度によって小型RNAを単離することも可能にする全ての他のプロトコールとの差は、3.5PCRサイクルと5PCRサイクルとの間であり、これは、結合混合物において60%を用いるプロトコールと比較して、より低いエタノール濃度における10分の1より低いmiRNA回収(データは示していない)に対応する。これは、50%より高い、好ましくはおよそ60%(v/v)の高いアルコール濃度が小型RNAを効率的に捕獲するために必要とされることを裏付けている。しかしながら、アルコール濃度が1ステップで60%に調整される場合には、RNAの全体の収量が劇的に低下する。本発明の教示に従い、かつアルコールを段階的様式で加えることは、この弱点を克服することを可能にし、したがって、全RNAを、さらに小型RNAを含め、良い収量で単離することを可能にする。
図2は、筋肉試料についての結果を示す。この場合もやはり、本発明によって教示されているような段階的アルコール添加が、アルコール濃度が1ステップで60%に調整されるプロトコールと比較して、全RNAのより高い収量を提供することが実証されている。
実施例2:カラムに基づいたアプローチを用いるRNA単離
小型RNAを含むRNAを、本発明による方法を用いて10mgのRNALater安定化ラット筋肉組織から精製した。単離手順は以下の通りであった:
溶解産物の調製
10mgの組織を、ローター固定子、ポリトロン、またはビーズミルを用いて、350μlのカオトロピック剤含有緩衝液(RLTplus、QIAGENおよびβ−メルカプトエタノール)中にホモジナイズする。
DNAの除去
350μlの溶解産物を、Allprep−DNA−スピンカラムに加え、14,000rpmで1分間、遠心分離した。それにより、ゲノムDNAはスピンカラムに結合し(しかし、RNAは結合しない)、フロースルーは、RNA調製のために用いることができる。所望される場合、結合したDNAをまた、DNAを別々の画分として提供するためにさらに加工することができる。したがって、このプロトコールはまた、1つの試料からDNAおよびRNAの並行した単離を可能にする。この実験において、DNAをさらには加工せず、廃棄した。
RNAの単離
DNAを溶解産物から除去した後に得られるDNA枯渇化フロースルーからRNAを単離する。DNA枯渇化RNA含有フロースルーを、50μlのプロテイナーゼKと混合した。前記混合物に、エタノールを、混合物における36%の最終濃度まで加えた。バリエーションにおいて、イソプロパノールを加えた。比較のために、混合物にエタノールを加えなかった。その後、タンパク質消化を実施するために、試料を室温で15分間、インキュベートし、そのタンパク質消化後、RNA結合条件を63%(v/v)または60%(v/v)の最終アルコール濃度に調整するために、さらにアルコール(エタノールまたはイソプロパノール)を加えた。生じた混合物を、RNeasyミニカラムに加え、14,000rpmで1分間、遠心分離した。フロースルーを廃棄した。
その後、カラムに結合したRNAを洗浄し、RNAを溶出した。オンカラムDNアーゼ消化を実施しなかった。
対照として、かつ比較のために、miRNeasyプロトコールを実施した。miRNeasyプロトコールは、多量の、小型RNAを含む純粋なRNAの単離を可能にする、フェノール/クロロホルムに基づいた方法である。本発明の1つの目的は、同様の結果を生じることができるフェノール/クロロホルムを含まない方法を提供することであった。
RNA収量を、Nanodrop測定によって決定した。同じ体積の溶離液を、miScript miRNAアッセイmiR−25において鋳型として、およびゲル電気泳動分析のために用いた。結果は図3〜5に示されている。
図3は、異なる方法を用いることにより得られた全体のRNA収量を示す。図からわかるように、アルコールが段階的アプローチで加えられる、本発明によるプロトコールは、miRNeasy対照と類似した収量を提供した。エタノールとイソプロパノールについて、同じ結果が得られ、種々のアルコールがその目的のために用いられ得ることが確認される。
しかしながら、結合混合物におけるアルコール濃度を60%に調整するために、段階的アプローチに従わず、代わりに、エタノールを1ステップで直接加えた場合には、有意により低い収量が得られた。その結果はまた、電気泳動後のゲル写真によって確認される(図4参照)。加えて、また、miRNAアッセイ(図5参照)の結果は、本発明による方法で達成される改善を裏付けている。アルコールが段階的様式で加えられる、本発明による方法によって単離されたRNAは、RT−PCR分析において、フェノール/クロロホルムに基づいたmiRNeasyキット対照を用いて単離されるRNAと匹敵するCt値を達成している。これは、本発明による方法の高い性能を裏付けている。さらに、図5は、それぞれの段階的アプローチに従わず、代わりに、アルコールを1ステップで直接加えた場合には、これもまた、より高いCt値から導くことができるように、有意により低いmiRNA回収を生じることを示している。
結局、この実施例は、アルコールの段階的添加により全体の収量がおよそ1.5倍、改善することができ、またmiRNA回収も、有意に改善し得ることを示している。この所見は、RNA結合条件を調整するためにエタノールかイソプロパノールのいずれかを用いる反復実験において、確認された。
実施例3:カラムに基づいたアプローチを用いた異なる組織からのRNAの単離
本発明による方法(実施例2参照)を、脳、心臓、および肝臓試料を加工する異なるプロトコールと比較した。
心臓、脳、および肝臓組織由来のRNAを、RNA含有フロースルーのプロテイナーゼK消化および段階的アルコール添加を有する本発明による方法(実施例2参照)、または種々のバリエーションを用いて単離した。精製のために、3.5M GTCおよび3M GTCの濃度を有する溶解緩衝液を用いた。以下のバリエーションを試験した:
バリエーション(A)(発明):50μlのプロテイナーゼKを、0.66体積のエタノールでの希釈前に加える。エタノールの示された体積は、プロテイナーゼKを加える前に存在する溶解産物/フロースルーの体積を指す。
バリエーション(B):50μlのプロテイナーゼKを、0.166体積のHOでの希釈前に加える。エタノールの示された体積は、プロテイナーゼKを加える前に存在する溶解産物/フロースルーの体積を指す。
バリエーション(C):プロテイナーゼK消化のために50μlのプロテイナーゼKを、RNA含有フロースルーに加えるが、希釈はしないままである。
試料を、穏やかに振盪させながら、室温で15分間、インキュベートし、それにより、試料を消化した(プロテイナーゼK消化)。その後のRNAカラム結合のために、100%エタノールを、結合混合物における60%の最終濃度まで加えて、小型RNAの同時精製を可能にした。
同じ体積の溶離液を、アガロースゲル上で分析した。結果は、それぞれ、図6、7、および8に示されている。図からわかるように、本発明による方法(A)は、アルコールの段階的添加が実施されない方法よりも有意に高い収量を提供する。さらに、水での溶解産物の希釈(B)との比較もまた、本発明による方法で見られる有益な効果がアルコールの段階的添加によって引き起こされ、単なる溶解産物希釈効果に起因しうるのではないことを実証している。取得可能なRNA収量に関して本発明の教示に従う場合に取得可能なかなりの改善が、再び、確認されている。溶離液をまた、miRNA(miR−25)について、およびより大きいmRNA(madh−7遺伝子)について、定量的なリアルタイムRT−PCRアッセイにおいて鋳型として分析した。結果は、本発明による方法が、より高い全体のRNA収量を生じることを確認している(madh−7に関する結果を参照)。miRNAの収量は同等であった。同様の結果がまた、脂肪(fat)、筋肉、および肺などの他の組織試料において得られた。ここで、miRNA収量もまた、フェノール/クロロホルムに基づいたmiRNeasy方法で達成される結果に匹敵した(データは示していない)。溶解緩衝液における試験されたカオトロピック剤濃度(3.5M GTCおよび3M GTC)の比較は、試験された組織型の性能において差を示さなかった。図6〜8は、脳、肝臓、および心臓組織における取得可能な収量の差を示し、それゆえ溶解産物が希釈されないか、またはHOの添加によって希釈されている手順と比較した、カオトロピック塩(GTC)/エタノール混合物におけるプロテイナーゼK消化を実施した場合の利点を実証している。HOでの希釈が実施されない場合は利点である。なぜなら、HOでの希釈が、その後に加工される必要がある液体の量を大幅に増加させ、それにしたがって、RNA結合混合物における50%より高い、好ましくは少なくとも60%のアルコール濃度を達成するために加えられなければならないアルコールの量を増加させるからである。そのような大きな試料体積を取り扱うことは、結合混合物全部がカラムを通過していることを確実にするために、結合混合物をスピンカラムに1回より多く、加えなければならない可能性があるため、ユーザーにとって不便である。また、この点において、本発明による方法は、試料体積の総量が低く保たれるため、有意な利点を提供する。
溶解緩衝液において3.5 GTCの濃度を用いることは、それが、DNAパフォーマンス、それゆえDNA除去を改善させるため、好ましい。図6〜8からわかるように、心臓組織から得られた試料においてゲノムDNA混入は観察されなかった。DNA混入はまた、脂肪(fat)、筋肉、または肺から単離されたRNAにおいて見出されなかった。しかしながら、微量のDNAが、脳から単離されたRNAにおいて同定され、肝臓組織からRNAを単離した場合も、それほど顕著ではなく、同定された。したがって、それぞれの組織について、本明細書に記載されているように追加のオンカラムDNアーゼ消化を実施することが好ましい。それにより、DNAを含まないRNA溶離液が、それらの組織からも、本発明の方法を用いて提供される。
実施例4:DNA単離ステップの改善
本明細書に記載されているように、本発明による方法は、同じ試料からRNAおよびDNAを並行して単離するために用いることができる。DNAを単離するための一般的なアプローチは先行技術において知られており、本明細書ではそれに応じて実施される。試料の溶解、およびDNAのスピンカラムへの結合に関して、本発明者らは、実施例2の記載を参照する。DNAがスピンカラムに結合した後、DNA枯渇化フロースルーは、RNA調製のために用いることができる。その後、結合したDNAを、例えば、カオトロピック塩およびアルコールを含む、適切な洗浄緩衝液を用いて洗浄することができ、カラムを、14,000rpmで1分間、遠心分離する。フロースルーを廃棄する。
DNA単離を改善させるために、DNAが固相に結合している間に、タンパク質消化を実施する。それぞれのオンカラムタンパク質消化は、先行技術において知られている(例えば、WO2009/016110参照)。実施例4は、カオトロピック剤およびアルコールを含む溶液中でタンパク質消化が実施された場合には、DNA収量が有意に改善し得ることを示している。タンパク質消化を室温で実施することは、さらに可能であったので、タンパク質消化中に例えば56℃の上昇した温度を維持する必要がなかった。オンカラムタンパク質消化がカオトロピック/アルコール環境において実施される、本発明による特定の実施形態はさらに、消化が水中、56℃で実施される標準方法と比較して、改善した結果を示した。
これらの有利な結果は、以下の実験によって実証された:
DNAを、本発明による方法を用いて精製した(実施例2参照)。DNAがカラムに結合している間に、オンカラムプロテイナーゼK消化を実施した(UAP)。オンカラムプロテイナーゼK消化を、水中、56℃で(A)か、またはカオトロープ−エタノール環境中、室温で(B)かのいずれかで実施した。カオトロープ−エタノール環境を確立するために、3M GTCおよびおよそ60%エタノールを含む溶液と、20μlのプロテイナーゼKを混合した。
対照として、DNA結合ステップに関して基本的に同じであるが、プロテイナーゼK消化がオンカラムで実施されない、伝統的なプロトコール(Allprep DNA/RNA)を実施した(AP旧式)。
異なる組織型についての結果は図9に示されている。そこでは、ゲル電気泳動が、同じ体積の溶離液に関して行われた。
結果からわかることができるように、DNAが核酸結合性固相に結合している間に、プロテイナーゼK消化を導入することは、結果として、消化が、本明細書に教示されているように、カオトロピック剤/アルコール環境において実施される場合には、例えば、肺、脂肪(fat)、および腎臓などのある特定の組織型についてDNA収量が改善し得ることをもたらす。
さらに、DNAが核酸結合性固相に結合している間におけるタンパク質消化中のインキュベーションが、異なる実験室で生じ得る、異なる「室温」で確実に実施することができるかどうかを試験した。したがって、15℃から25℃までの温度、および30℃を試験した。示されているような異なる温度で、DNA調製ステップ中のオンカラムプロテイナーゼK消化を有する、本発明によるプロトコールを用いて、様々なRNALater安定化ラット組織からDNAを精製した(+PK)。対照として、オンカラムプロテイナーゼK消化を含まない伝統的なAllprepプロトコール(AP旧式)を実施した。DNA収量を、Nanodrop測定によって決定した。
結果は図10a)〜c)に示されている。試験された全ての温度は、同等な収量を示し、タンパク質消化が適切に働いていることを示している。さらに、これらの実施例は、DNAが核酸結合性固相に結合している間に追加のタンパク質消化が実施されない場合には、筋肉などのある特定の組織からのDNAの収量が特に低くあり得ることを示している。したがって、本明細書に教示されているようにカオトロープ(chaotrop)/アルコール混合物においてオンカラムタンパク質消化を実施することは、有意な利点を有する。
さらに、時間を節約するために、DNAが核酸結合性固相に結合している間におけるタンパク質消化に必要なインキュベーション時間を低減することができるかどうかを分析した。DNA結合ステップにおいて、5分間、10分間、20分間、および30分間のオンカラムプロテイナーゼK消化を含む、本発明の方法による新しいプロトコールを用いて、RNALater安定化ラット心臓および筋肉組織からDNAを精製した。対照として、オンカラムプロテイナーゼK消化を含まない伝統的なAllprepプロトコール(AP旧式)を実施した。DNA収量を、Nanodrop測定によって決定した。結果は図11aおよび11bに示されている。5分間から30分間までのインキュベーション期間は、DNAが核酸結合性固相に結合している間におけるタンパク質消化を含まない旧式プロトコールで得られた収量よりはるかに高い、同等の収量を示した。結果的に、例えば、5分間、またはさらにそれ未満などの非常に短いインキュベーション時間を用いることは可能である。
実施例5:エタノールの段階的添加およびプロテイナーゼK消化を用いるRNA単離
DNAを適切な核酸結合性固相へ選択的に結合させることによりDNAが枯渇されたAllprepミニスピンフロースルーにプロテイナーゼK消化が実施される、本発明による方法を用いて、10mgのRNALater安定化ラット筋肉組織由来の、小型RNAを含むRNAを単離した(詳細について実施例2参照)。まず、50μlのプロテイナーゼKを溶解産物に加え、その後、(A)60%のRNA結合条件を生じるために必要とされるエタノールの全体積か、または(B)濃度を46%に設定する、それの半分だけかのいずれかを、混合物にピペットで入れ(pipette)、続いて、プロテイナーゼK消化のために21℃での15分間のインキュベーションステップを行った。プロテイナーゼK消化が実施された後、後者(B)に、RNAカラム結合のための60%の最終濃度に達するのに必要なエタノールの2回目の半分を加えた。したがって、設定Bは、結合条件を確立するために必要とされるアルコールが段階的に加えられる、本発明の方法に対応する。
全体のRNA収量を、Nanodrop測定によって決定した。同じ体積の溶離液を、miRNAアッセイmiR−16において鋳型として用いた。同じ体積の溶離液を用いて、ゲル電気泳動を行った。結果は、図12、13、および14に示されており、本発明による方法で達成された利点が再び確認されている。
さらに、DNA枯渇化AllprepミニスピンカラムフロースルーのプロテイナーゼK消化を有する、本発明による方法を用いて、10mgのRNALater安定化ラット筋肉組織から、小型RNAを含むRNAを精製した。50μlのプロテイナーゼKの添加後、プロテイナーゼK消化のための室温で15分間のその後のインキュベーションのために、混合物に、36%の最終濃度になるエタノールのアリコート(B)を加えたか、またはエタノールを加えなかった(C)。その後、RNeasyスピンカラムへの結合のために必要なエタノールの体積を、全ての試料において60%の最終濃度に調整した。したがって、変形Bは、再び、本発明による方法に対応する。RNA収量を再び、Nanodrop測定によって決定した。同じ体積の溶離液を、miRNAアッセイmiR−25において鋳型として用いた。追加として、同じ体積の溶離液を用いて、ゲル電気泳動を行った。結果は、図15、16、および17に示されており、段階的アルコール添加に従うことの利点が再び、確認されている。
さらに、いずれのインキュベーション時間が、タンパク質消化について最良の結果を提供するかを分析した。ここで、5分間、10分間、15分間、または30分間の、(混合物における濃度を37%(v/v)に調整する)最初のエタノール体積の添加後のプロテイナーゼK消化を有する、本発明によるプロトコールを用いて、RNALater安定化ラット脂肪(fat)および筋肉組織から、miRNAを含むRNAを精製した。得られた収量をNanodrop測定によって決定した。同じ体積の溶離液を、miRNAアッセイmiR−25およびより長いmRNAアプリコンmadh−7においてRT−PCR分析のための鋳型として用いた。
対照として、RNA精製を、miRNeasyキットを用いて実行した。
好ましい実施形態において、脂肪(adipose)および脳のような高い脂肪(fat)含有量を含有する組織を加工する場合、追加のクロロホルム抽出ステップを実施することが好ましい。この目的のために、DNA枯渇後に得られるフロースルーを、クロロホルムと混合し、10〜15秒間、激しく振盪する。その後、混合物を、4℃、全速力で3分間、遠心分離する。その後、上清(水相)を、新しい容器へ移し、それにより、本発明によるRNA単離方法のステップAのための、RNAおよびカオトロピック塩を含む組成物を提供する。その後、本明細書に記載されたプロトコールを用いて、それぞれの水相からRNAを単離する。したがって、次のステップとして、プロテイナーゼKを加える。
脂肪(fat)(図18)および筋肉(図19)組織についての結果は、5分間から30分間までのインキュベーション時間が、結果として、下流適用分析において有意な差を生じないことを示している;Ct値は、類似し、収量は同等であった。しかしながら、5分間のインキュベーション時間が、筋肉組織に関するmRNAアッセイ(madh−7)においてより高いCt値を示したので、少なくとも7.5分間、より好ましくは10分間のインキュベーション時間を用いることが好ましい。
より多量の出発材料、例えば、10mgの組織の代わりに、20mgの新鮮な、または凍結した組織が用いられる場合には、プロテイナーゼK濃度は増加されるべきである。
たいていのプロトコールにおいて、プロテイナーゼK消化は、サーモシェーカーにおいて規定温度で一定に振盪させながら、実施される。しかしながら、プロテイナーゼK消化のためにサーモシェーカーを用いる必要がないことは、カスタマーにとって好ましく、さらにまた、本プロトコールを自動化システムへ統合させることを可能にする。したがって、室温(15〜25℃)を、パフォーマンスの損失なしにプロテイナーゼK消化中に用いることができるかどうか、および消化中の振盪が利点をもたらすかどうかを調べた。この目的のために、最初の量のアルコールの添加後のプロテイナーゼK消化を、異なる温度(15℃、18℃、20℃、25℃、30℃)で、かつ1,000rpmでの一定の振盪あり、またはなしで、実施する、本発明によるプロトコールを用いて、20mgのRNALater安定化ラット筋肉組織から、miRNAを含むRNAを精製した。収量をNanodrop測定によって決定した。同じ体積の溶離液を、miRNAアッセイmiR−25、およびより長いmRNAアプリコンmadh−7に関するRT−PCRアッセイにおいて鋳型として用いた。
結果は、RNA収量およびCt値が、温度または振盪のようなプロテイナーゼK消化条件とは無関係に同等であることを示した(データは示していない)。したがって、室温で、振盪なしでタンパク質消化を実施することは可能である。
実施例6:オンカラムDNアーゼ消化および再結合手順を用いるRNA単離
特に、特定のDNAが豊富な組織について、ゲノムDNAが前もって除去されるとしても、RNA単離手順においてDNアーゼ消化を含むことは好ましい。RNA単離中にそれぞれのDNアーゼ消化を実施することは、残留するDNA混入を除去することを可能にする。しかしながら、オンカラムDNアーゼ消化を実施する場合には、小型RNAが行方不明になるリスクがある。したがって、DNアーゼ消化後に、回収溶液をカラムに通過させ、その後、フロースルーを収集する、再結合ステップを実施例6に含めた。それぞれ収集されたフロースルーは、DNアーゼ消化中に放出された可能性がある小型RNAを含む。その後、小型RNAをカラムに再結合させるために、それぞれの回収された画分を、カラムに再度加える。それにより達成することができる改善は、図20〜22に示されている。ここでは、本発明の教示による方法(特に実施例2参照)を用いて、異なるRNALater安定化ラット組織およびジャーカット細胞からRNAを精製したが、DNアーゼ消化を、RNAがカラムに結合した後に実施した。DNアーゼI消化を実施した後、通常の洗浄ステップか、または本明細書に教示されているように回収溶液を用いる再結合ステップ(FRN−再結合)のいずれかを実施した。同じ体積の溶離液を、miRNAアッセイmiR−16およびmiR−25において鋳型として用いた。用いられる回収溶液は、高濃度のカオトロピック塩、すなわち、5Mのグアニジウム塩を含んだ。
結果は、DNアーゼ消化後に通常の洗浄ステップが実施されるプロトコールと比較して、回収溶液が用いられる手順が、有意により低いCt値を生じることを示している。その図は、回収溶液および逃避した可能性がある小型RNAを含む収集されたフロースルーを、それぞれ逃避した小型RNA種がカラムに再結合し、それゆえに、精製手順中に見失われないことを保証するために、カラムに再度加えることが有益であることを示している。
DNアーゼ消化を実施する前に、例えば、アルコールを含む洗浄緩衝液などの適切な緩衝液を用いて、結合したRNAをまず、洗浄することが好ましい。それにより、カラムに含まれる残留量のカオトロピック剤およびプロテイナーゼKのせいでDNアーゼ活性が阻害されることがないことが保証される。DNアーゼ処理の前に洗浄ステップを実施することにより、DNA酵素は完全な効率で働き、いかなる残存するゲノムDNA混入も完全に消化し得ることが保証される。
実施例7:RNAおよびDNAの細胞培養物からの単離
本発明によるプロトコール(アルコールの段階的添加、およびアルコールの最初の添加後のプロテイナーゼK消化−UAP+PK)か、または単離手順においてプロテイナーゼK消化を含まず、かつアルコールを1ステップで加えること(UAP−PK)のいずれかを用いて、RNAおよびDNAを並行して単離した。RNA単離を、DNアーゼ消化あり、またはなしで実行した。以下の細胞系を試験した:懸濁物中のK562、Hela細胞(接着性)、COS−7(接着性)、CHO−K1(接着性)、HEPG−2(接着性)、MCF−7(接着性)。結果は図23に示されている。図からわかるように、全ての試験された細胞系において、アルコールが段階的様式で加えられ、かつ最初の量のアルコールが加えられた後のインキュベーションステップ中にタンパク質消化を実施する場合、結果はかなり改善した。改善した結果はまた、mRNAアンプリコンアクチンまたはmiRNA miR−16について、同じ体積の試料溶離液のリアルタイムRT−PCRを実施することにより確認された。全ての場合において、本発明によるプロトコールでより良いCt値が達成された(データは示していない)。結果は、アルコールが段階的に加えられ、かつプロテイナーゼK消化が、最初の量のアルコールを加えた後に実施される、本発明による方法を用いてRNAを単離した場合、たいていの細胞系が、有意により良いパフォーマンスを示すことを実証している。さらに、本明細書に教示されているように、DNAが固相に結合している間に、タンパク質消化をカオトロープ/アルコール環境において実施した場合、DNA収量が改善し得ることもまた見出された。
実施例8:全血試料からのRNAおよびDNA単離
抗凝固剤(EDTA)で安定化された全血試料を、赤血球(red blood cell)を溶解するために赤血球(erythrocyte)溶解緩衝液でまず、処理した。白血球をペレットとして収集し、アルコールが段階的様式で加えられ、かつタンパク質消化が、最初の量のアルコールが加えられた後に実施される(UAP+PK)、本発明の教示による方法を用いて、ペレットからRNAおよびDNAを精製した。比較のために、同じプロトコールを実施したが、RNA単離においてタンパク質消化を含まず、かつアルコールを段階的様式では加えなかった(UAP−PK)。オンカラムDNアーゼ消化を含めてか、またはそれぞれのDNアーゼ消化の実施なしかのいずれかで、実験を実施した。得られた溶離液を、1%ホルムアルデヒドゲル上で、等量の溶離液を加えることにより分析した。
2つの異なるドナー由来のEDTA安定化血液について得られた結果は図24aおよび24bに示されている。対照として、(フェノール/クロロホルム抽出ステップを含む)miRNeasyプロトコールを実施した。結果は、本発明による方法を用いた場合、RNA収量が改善し得ることを示している(図24aおよび24b参照)。
実施例9:脳からのRNA単離
以下の改変を有する、実施例2に記載されたプロトコールに従って、脳試料からRNAを単離した。脳は非常に高い脂肪(fat)含有量を有するため、実施例5に記載されているようなクロロホルム抽出ステップを、DNA枯渇化フロースルーに関して実施した。追加として、実施例6に記載されているようなオンカラムDNアーゼ消化およびその後の再結合ステップを実施した。比較のために、フェノール−クロロホルムに基づいたmiRNeasyプロトコールを用いてRNAを単離した。同じ溶離液体積を、miRNA(miR−25およびmiRNA−16)についての定量的リアルタイムRT−PCRアッセイにおいて鋳型として用いた。結果は図25aおよび25bに示され、脳などの困難な試料に関してでさえも本発明による方法で達成される単離結果が、フェノール−クロロホルムに基づいた方法に匹敵することが確認されている。

Claims (16)

  1. 200nt以下の長さを有する小型RNAを含むRNAを試料から単離するための方法であって、前記方法は、以下:
    a)RNAおよびカオトロピック剤を含む組成物を提供するステップ;
    b)アルコールを加えるステップ;
    c)混合物を少なくとも2分間、インキュベートするステップ;
    d)前記混合物における全体のアルコール濃度を50%以上に調整するために追加のアルコールを前記混合物に加えるステップ;
    e)前記混合物に含有されるRNAを核酸結合性固相に結合させるステップであって、ステップe)後、小型RNAを含むRNAが前記固相に結合している、ステップ;
    f)任意で、結合した前記RNAを洗浄するステップ;
    g)任意で、RNAを前記固相から溶出するステップ、
    を含む、方法。
  2. ステップc)においてタンパク質分解酵素を用いるタンパク質消化が実施され、そして好ましくは、前記タンパク質分解酵素がステップb)の前に加えられる、請求項1に記載の方法。
  3. i)ステップb)において加えられるアルコールの量が、ステップe)における結合のために加えられる全体のアルコール濃度のおよそ40%〜80%、好ましくは55%〜65%に対応し;ならびに/または
    ii)生じた前記混合物が、前記アルコールを、25%(v/v)〜45%(v/v)、好ましくは30%〜40%(v/v)、より好ましくは32.5%〜38%(v/v)から選択される範囲にある濃度で含むように、アルコールの量がステップb)において加えられる、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. ステップc)において:
    i)インキュベーションが、15℃〜30℃の間の温度で行われる;および/または
    ii)インキュベーションが、少なくとも2.5分間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも7.5分間、または少なくとも10分間、行われる、
    請求項1〜3のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  5. ステップc)においてインキュベートされる前記混合物が、以下:
    − RNA;
    − 1〜5M、1.5〜4.5M、2〜4M、および2.5M〜3.75Mから選択される濃度でのカオトロピック塩;
    − タンパク質分解酵素、好ましくはプロテイナーゼK;
    − 25%(v/v)以上かつ42.5%(v/v)以下から選択され、好ましくは32.5%(v/v)以上かつ40%(v/v)以下から選択される濃度でのアルコール、
    を含む、請求項2〜4のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  6. ステップb)およびステップd)において加えられる前記アルコールが、以下:
    i.前記アルコールが、1〜5個の炭素原子を有する、分岐型または非分岐型脂肪族アルコールである;
    ii.前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノール、ならびにそれらの混合物から選択される;
    iii.前記アルコールが、イソプロパノールおよびエタノールから選択される;
    iv.前記アルコールが、エタノールである
    との特徴の1つまたは複数を有する、請求項1〜5のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  7. ステップa)において提供される前記組成物が、少なくとも以下:
    − RNA含有生物学的試料を取得するステップ;
    − 前記試料を溶解するステップであって、溶解が、好ましくは、少なくとも1つのカオトロピック塩の使用を含む、ステップ;
    − 任意で、前記溶解産物をホモジナイズするステップ;
    − 任意で、前記溶解産物を清澄化するステップ
    を実施することにより取得されている、請求項1〜6のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  8. ステップa)において提供される前記組成物が、少なくとも以下:
    − RNAおよびDNAを含有する生物学的試料を取得するステップ;
    − 前記試料を溶解するステップであって、溶解が、好ましくは、少なくとも1つのカオトロピック塩の使用を含む、ステップ;
    − 任意で、前記溶解産物をホモジナイズするステップ;
    − 任意で、前記溶解産物を清澄化するステップ;
    − 前記溶解産物からDNAを除去するステップ、
    を実施することにより取得されている、請求項1〜7のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  9. 以下:
    − 前記溶解産物においてDNアーゼ消化を実施するステップ;
    − DNAを核酸結合性固相へ選択的に結合させ、結合した前記DNAを残りの試料から分離し、それにより、請求項1に記載の方法のステップa)のためのDNA枯渇化RNA含有組成物を提供するステップ、
    の1つまたは複数を実施することによりDNAが前記溶解産物から除去される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記核酸結合性固相が、
    i.カラムに含まれるか;
    または
    ii.粒子、好ましくは磁気粒子によって提供され;
    そして好ましくは、前記核酸結合性固相が、シリカ、ポリケイ酸材料、ホウケイ酸塩、ケイ酸塩、または無機ガラスなどのケイ素含有材料である、
    請求項1〜9のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  11. ステップe)において、カラムに含まれる核酸結合性固相が用いられ、そしてRNA結合後、オンカラムDNアーゼ消化が実施され、ここで好ましくは、前記DNアーゼ消化後、以下:
    − 前記DNアーゼ消化中に前記核酸結合性固相から放出された可能性がある小型RNAをフロースルーとして収集するステップ;
    − 回収溶液と混合された小型RNAを含む前記フロースルーを、含有される前記小型RNAを核酸結合性固相に結合させるために、前記核酸結合性固相と接触させるステップ
    が実施される、請求項1〜10のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  12. 磁気粒子が核酸結合性固相として用いられ、そして前記方法が、以下:
    i)前記磁気粒子がステップa)〜e)の1つにおいて加えられる、
    ii)RNAおよびDNAを含有する試料が、カオトロピック剤の存在下で溶解され、それにより、請求項1のステップa)のためのRNA含有組成物が提供され、ステップb)〜d)が実施され、ステップe)後、小型RNAを含むRNAおよびDNAが、前記磁気粒子に結合しており、結合後、1回または複数回の洗浄ステップおよびDNアーゼ消化が実施され、前記DNアーゼ消化を実施した後、前記DNアーゼ消化中に放出された可能性があるRNAを前記磁気粒子に再結合させるためにカオトロピック剤およびアルコールが加えられ、任意で、1回または複数回の洗浄ステップが実施され、そして前記RNAが前記磁気粒子から溶出される
    との特徴の1つまたは複数を有する、請求項1〜11のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  13. 前記方法が、RNAおよびDNAの並行した単離のためであり、前記方法が、以下:
    − RNAおよびDNAを含有する生物学的試料を取得するステップ;
    − 前記試料を溶解するステップであって、溶解が、少なくとも1つのカオトロピック塩の使用を含む、ステップ;
    − 任意で、前記溶解産物をホモジナイズするステップ;
    − 任意で、前記溶解産物を清澄化するステップ;
    を含み、ここで、前記DNAの単離が、以下:
    a)DNAを核酸結合性固相へ選択的に結合させ、かつ結合した前記DNAを残りの試料から分離することにより、前記溶解産物からDNAを除去し、それにより、RNA単離のステップa)において用いることができるカオトロピック塩を含むDNA枯渇化RNA含有組成物を提供するステップ;
    b)任意で、結合した前記DNAを洗浄するステップ;
    c)任意で、前記DNAが前記核酸結合性固相に結合している間に、タンパク質消化を実施するステップ;
    d)任意で、結合した前記DNAを洗浄するステップ;
    e)任意で、結合した前記DNAを溶出するステップ;
    を含み、かつ前記RNAの単離が、以下:
    a)DNA単離工程のステップa)後に得られる、前記DNA枯渇化RNA含有組成物を取得するステップであって、前記組成物がカオトロピック塩を含む、ステップ;
    b)アルコールを加え、それにより、前記アルコールを25%(v/v)以上かつ42.5%(v/v)以下の濃度で含む混合物を提供するステップ;
    c)前記混合物を、タンパク質分解酵素の存在下で少なくとも2分間、インキュベートするステップ;
    d)前記混合物における全体のアルコール濃度を55%以上に調整するために追加のアルコールを前記混合物に加えるステップ;
    e)前記混合物に含有されるRNAおよび小型RNAを、核酸結合性固相に結合させるステップ;
    f)任意で、結合した前記DNAを洗浄するステップ;
    g)任意で、RNAを前記固相から溶出するステップ、
    を含む、先行する請求項1〜12のいずれか一項または複数項に記載の方法。
  14. 前記DNA単離において、タンパク質消化がステップc)において、前記DNAが前記核酸結合性固相に結合している間に、実施され、かつ前記タンパク質消化が、以下:
    i)タンパク質分解酵素、好ましくはプロテアーゼが用いられ、そして前記タンパク質消化がアルコールおよびカオトロピック塩の存在下で行われる;
    ii)前記タンパク質消化を実施するために、タンパク質分解酵素、アルコール、およびカオトロピック塩を含むタンパク質分解性組成物が加えられる;
    iii)前記タンパク質消化が、15℃から30℃までの温度で実施される;ならびに/または
    iv)前記タンパク質消化が、3分間〜45分間、好ましくは5分間〜30分間から選択される期間、行われる
    との特徴の1つまたは複数を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記RNA単離において、ステップe)で前記RNAが前記核酸結合性固相に結合した後に、DNアーゼ消化が実施され、そして前記DNアーゼ消化中に放出された可能性がある小型RNAが、前記固相に再結合する、請求項13または14に記載の方法。
  16. 以下:
    i)前記核酸結合性固相が、シリカ、ポリケイ酸材料、ホウケイ酸塩、ケイ酸塩、または無機ガラスなどのケイ素含有材料である;
    ii)前記試料が細胞含有試料である;
    iii)前記試料が組織試料である;および/または
    iv)前記試料が線維組織試料である、
    との特徴の1つまたは複数を有する、請求項1〜15のいずれか一項または複数項に記載の方法。
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