JP2007005564A - 吸音装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変圧器などから発生する商用周波数の倍周期の高調波騒音を効率よく吸音する。
【解決手段】本発明における吸音装置は、熱および音を発生する装置としての変圧器1と、変圧器1を包被し、一部に開放部2a、2bを有する吸音ボックス3とを備えている。
吸音ボックス3は、変圧器1の装置側に配置される第1の吸音パネル31と、変圧器の剛壁層側に配置される第2の吸音パネル32と、変圧器の上面側に配置される第3の吸音パネル33とを備えており、これらの第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は矩形状のボックスを呈するように一体化されている。これにより、この実施例においては、吸音ボックス3の両側面側に開放部2a、2bが設けられることになる。
第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は、例えば2.0mmの厚さを有する鉄板から成る剛壁層4と、剛壁層4の内側に貼設された低周波吸音材5とで構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明における吸音装置は、熱および音を発生する装置としての変圧器1と、変圧器1を包被し、一部に開放部2a、2bを有する吸音ボックス3とを備えている。
吸音ボックス3は、変圧器1の装置側に配置される第1の吸音パネル31と、変圧器の剛壁層側に配置される第2の吸音パネル32と、変圧器の上面側に配置される第3の吸音パネル33とを備えており、これらの第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は矩形状のボックスを呈するように一体化されている。これにより、この実施例においては、吸音ボックス3の両側面側に開放部2a、2bが設けられることになる。
第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は、例えば2.0mmの厚さを有する鉄板から成る剛壁層4と、剛壁層4の内側に貼設された低周波吸音材5とで構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱および音を発生する装置の吸音装置に係り、特に、変圧器から発生する200Hz以下の高調波騒音を効果的に吸収することができる吸音装置に関する。
近年、市街地においては、住宅、ビル、マンションなどが過密状態で建設されるため、マンションなどの電気室に設置した変圧器から発生する騒音が住民の生活に大きな影響を与える虞がある。
かかる住民の生活環境を保全する観点から、通常変圧器に対しては騒音低減対策が施されている。
従来、この種の変圧器の騒音低減手段としては、変圧器の周囲を、鋼板やコンクリートなどにより構成された防音タンクなどの防音壁で完全に密閉したものや、一部に開放部を有する防音壁で取り囲んで成るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成の防音壁においては、変圧器から発生する音が防音壁内で反射するため、変圧器から発生する騒音を効果的に吸収することができず、ひいては周囲への騒音の伝播を抑制することができないという難点があった。
このため、変圧器の周囲を多孔質の吸音材から成る防音壁で覆うことも試みられているが、このような構成の防音壁においては、次のような難点があった。すなわち、変圧器から発生する卓越騒音は、商用周波数の倍周期で発生し、特に100Hz、200Hzといった比較的周波数の低い領域であるために、単に多孔質の吸音材で覆う構成では、変圧器から発生した低周波領域の騒音を効率よく吸収することができないという難点があった。
本発明は、例えば変圧器などの熱および音を発生する装置の周囲に、剛壁層とその片面に貼設した低周波吸音部材とで構成される吸音ボックスを配置することで、変圧器などから発生する商用周波数の倍周期の高調波騒音を効率よく吸音し、周囲への騒音の伝播を抑制することができる吸音装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様である吸音装置は、熱および音を発生する装置と、装置を包被し、一部に開放部を有する吸音ボックスとを備え、吸音ボックスは、所定の質量を有する剛壁層と、剛壁層の装置側に貼設された低周波吸音材とを備えるものである。
本発明の第2の態様である吸音装置は、熱および音を発生する装置と、装置を包被し、一部に開放部を有する吸音ボックスと、開放部を閉塞する多孔板とを備え、吸音ボックスは、所定の質量を有する剛壁層と、剛壁層の装置側に貼設された低周波吸音材とを備えるものである。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様である吸音装置において、開放部は、装置の音源から最も離れた位置に設けられているものである。
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である吸音装置において、剛壁層は、少なくとも1.6mmの厚さを有する金属板、若しくは金属板と同等の質量を有する板材で構成されているものである。
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側面に形成され、それ自身の装置側に多数個の孔が設けられている被膜面とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第7の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側面に形成され、それ自身の装置側が摩擦加工により粗面化されている被膜面とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側に接着された被膜層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第9の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側に当接される被膜層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第10の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、第2の多孔質体層の剛壁層側に配置される制振材層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第11の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、装置側に配置される発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、第2の多孔質体層の剛壁層側に配置される制振材層と、第2の多孔質体層と制振材層間に配置される拘束材層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
本発明の第12の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、低周波吸音材は、シリコンゴムまたはアクリル樹脂から成る樹脂膜と、樹脂膜の剛壁層側に積層された多孔質体層とを備えるものである。
本発明の第13の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である吸音装置において、低周波吸音材は、シリコンゴムまたはアクリル樹脂から成る樹脂膜と、樹脂膜の剛壁層側に積層された第1の多孔質体層と、樹脂膜の装置側に積層された第2の多孔質体層とを備えるものである。
本発明の第14の態様は、第1の態様乃至第13の態様の何れかの態様である吸音装置において、装置は、変圧器で構成されている。
本発明の第1の態様乃至第14の態様の吸音装置によれば、例えば変圧器などの熱および音を発生する装置の周囲に、剛壁層とその片面に貼設した低周波吸音部材とで構成される吸音ボックスを配置することで、変圧器などから発生する商用周波数の倍周期の高調波騒音を効率よく吸音することができ、ひいては周囲への騒音の伝播を抑制することができる。また、吸音ボックスの一部に開放部を設けることで、変圧器などの装置に発生する熱を外部に拡散させることができ、ひいては温度上昇による装置の故障の発生を防止することができる。
以下、本発明の吸音装置を適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明における吸音装置の一実施例を示す断面図である。
同図において、本発明における吸音装置は、熱および音を発生する装置としての変圧器1と、変圧器1を包被し、一部に開放部2a、2bを有する吸音ボックス3とを備えている。
吸音ボックス3は、変圧器1の前面側に配置される吸音パネル(以下「第1の吸音パネル」という。)31と、変圧器の背面側に配置される吸音パネル(以下「第2の吸音パネル」という。)32と、変圧器の上面側に配置される吸音パネル(以下「第3の吸音パネル」という。)33とを備えており、これらの第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は、鉄骨(不図示)などを介して側面から視てコ字状を呈するように一体に組立・固定されている。これにより、この実施例における吸音ボックス3の両側面側には開放部2a、2bが設けられることになる。
ここで、本発明の吸音ボックスにおいて、両側面側に開放部2a、2bを設けるのは、常時熱エネルギーを放散している変圧器1の温度上昇を低減させるためである。すなわち、吸音効果を十分に発揮させるためには、変圧器1を密閉型の吸音ボックスで完全に覆うことが望ましいところ、変圧器1を吸音ボックスで完全に覆うと、変圧器1から発生する熱エネルギーの放散特性が悪くなり、ひいては変圧器1の温度上昇により、変圧器1が故障する虞があるからである。
以上の実施例では、変圧器1の両側面側に開放部2a、2bを設けているが、かかる開放部は吸音ボックスの他の位置に、例えば、変圧器1の音源から最も離れた位置に設けることが好ましい。すなわち、例えば、音源が変圧器1の背面側に存在する場合には、開放部を変圧器の前面側に設けることが好ましい。このような構成の吸音ボックスによれば、変圧器から発生する騒音は、音源側に近接して配置された吸音パネル、すなわち変圧器の背面側に配置された吸音パネルにより吸収されることになる。
次に、吸音ボックスを構成する第1、第2、第3の吸音パネル31、32、33は、図2に示すように、それぞれ所定の質量を有する剛壁層4と、剛壁層4の内側、すなわち変圧器1(図1参照)側に貼設された低周波吸音材5とで構成されている。
剛壁層4は、少なくとも1.6mmの厚さを有する金属板、具体的には、2.0mmの厚さを有する鉄板で構成されている。ここで、剛壁層4として、少なくとも1.6mmの厚さを有する金属板を使用するのは厚さが1.6mm未満の金属板では十分な吸音効果を得ることができないからである。
低周波吸音材5は、100Hz、200Hzの低周波領域において優れた吸音特性を発揮する材料、具体的には、本発明者等が先に開発し出願している第1、第2の吸音材が好適する(特願2004−57089号、特願2005−77593号)。
この第1の吸音材は、具体的には、特願2004−57089号に示されるように、第1に、発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第2に、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側面に形成され、それ自身の装置側に多数個の孔が設けられている被膜面とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第3に、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側面に形成され、それ自身の装置側が摩擦加工により粗面化されている被膜面とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第4に、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側に接着された被膜層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第5に、発泡体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、発泡体層の装置側に当接される被膜層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第6に、発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、第2の多孔質体層の剛壁層側に配置される制振材層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第7に、発泡体層と、発泡体層の装置側に積層された第1の多孔質体層と、発泡体層の剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、第2の多孔質体層の剛壁層側に配置される制振材層と、第2の多孔質体層と制振材層間に配置される拘束材層とを備え、発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とするものである。
第8に、第1の態様乃至第7の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、発泡体の密度は、50〜500kg/m3とされている。
第9に、第1の態様乃至第8の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、第1のジオールに含まれる水酸基含量と、第2のジオールに含まれる水酸基含量の比は、1:0.3〜2.5とされている。
第10に、第1の態様乃至第9の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、無機充填材の含量は、第1のジオール100重量部に対して10〜200重量部とされている。
第11に、第1の態様乃至第10の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、発泡剤としての水の含量は、第1のジオール100重量部に対して2〜5重量部とされている。
第12に、第1の態様乃至第11の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、第1、第2のジオール、および発泡剤としての水の水酸基含量の合計と、イソシアネートのイソシアネート含量との比であるイソシアネートインデックス(NCO/OH)は、0.5〜1.0の範囲にあるものとされている。
第13に、第1の態様乃至第12の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、イソシアネートインデックスは、0.6〜0.9の範囲にあるものとされている。
第14に、第1の態様乃至第13の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、第1のジオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールのうちから選択されたいずれかのジオールであるものとされている。
第15に、第1の態様乃至第14の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、第2のジオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール等の脂肪族系若しくはN,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン等の芳香族系のうちから選択されたいずれかのジオールであるものとされている。
第16に、第1の態様乃至第15の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、無機充填材は、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのうちから選択されたいずれかの無機充填剤であるものとされている。
第17に、第1の態様乃至第16の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、イソシアネートは、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製トリレンジイソシアネート、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネートのうちから選択されたいずれかのイソシアネートであるものとされている。
第18に、第1の態様乃至第17の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、多孔質体層は、粗毛フェルト、植物繊維系フェルト、動物繊維系フェルト、合成繊維系フェルトのいずれか、またはこれらの混合物からなるものである。
第19に、第1の態様乃至第18の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、拘束材層は、ヤング率の大きい部材で構成されているものとされている。
第20に、第1の態様乃至第19の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、拘束材層は、金属製材質からなるものとされている。
第21に、第1の態様乃至第の20態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、拘束材層の厚さは、0.1〜2mmであるものである。
以上の第1の吸音材によれば、第1に、発泡体層の両面に多孔質体層を備えることにより、200Hz以下の低周波領域における吸音特性を向上させることができ、第2に、吸音材の表面皮膜に針状部材で孔等を設けることにより、発泡体層の通気性が向上し、ひいては、低周波領域の吸音特性を向上させることができ、第3に、発泡体層の音源側に、別体で形成された被膜層を接着・当接させることにより、製品形態の自由度を向上させることができる。
また、第2の吸音材は、具体的には、特願2005−77593号に示されるように、第1に、シリコンゴムから成る樹脂膜と、樹脂膜の剛壁層側に積層された多孔質体層とを備えるものである。
第2に、シリコンゴムから成る樹脂膜と、樹脂膜の剛壁層側に積層された多孔質体層と、樹脂膜の装置側に積層された他の多孔質体層とを備えるものである。
第3に、第1の態様または第2態様である低周波吸音材において、樹脂膜の燃焼発熱量は、8MJ/m3以下とされているものである。
第4に、第1の態様乃至第3の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、樹脂膜の燃焼発熱速度は、[200kW/m2]・10sec以下とされているものである。
第5に、第1の態様乃至第4の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、樹脂膜は、無機化合物を含むものである。
第6に、第5の態様の低周波吸音材において、無機化合物は、Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物または前記Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物の混合物から成るものである。
第7に、第1の態様乃至第6の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、多孔質体層は、難燃性を有する材料で形成されているものである。
第8に、第1の態様乃至第6の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、多孔質体層は、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成るものである。
第9に、第1の態様乃至第8の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、樹脂膜は多孔質体層と一体化しているものである。
第10に、第2の態様乃至第9の態様のいずれかの態様の低周波吸音材において、樹脂膜は、多孔質体層および他の多孔質体層のうち何れか一方と一体化しているものである。
第11に、第9の態様または第10の態様である低周波吸音材において、樹脂膜は、接着により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
第12に、第9の態様または第10の態様である低周波吸音材において、樹脂膜は、熱融着により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
第13に、第9の態様または第10の態様である低周波吸音材において、樹脂膜は、シリコーングラフト反応により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
第14に、第9の態様または第10の態様である低周波吸音材において、樹脂膜は、樹脂膜の一部が多孔質体層および/または他の多孔質体層の孔部に入り込むことで多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
以上の第2の吸音材によれば、第1に、吸音材自身に建築基準法における難燃の規格に適合する難燃性が付与されているので、当該吸音材を難燃性が必要とされる場所に配設することができ、第2に、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤や鉛系化合物が使用されていないので、燃焼時に有毒ガスが発生する虞がなく、環境保全対策を施すことができ、第3に、樹脂膜の両面に多孔質体層を備えたものにおいては、200Hz以下の低周波領域の騒音を効果的に吸収することができ、第4に、樹脂膜が多孔質体層と一体化されたたものにおいては、製品形態の自由度を向上させることができる。
図3は、電気室内に容量175kVAの変圧器を1台設置した場合における電気室内の騒音レベルの測定結果を示している。ここで、実施例として、厚さ2.0mmの鉄板に厚さ75mmの低周波吸音材を貼り付けた構成の吸音パネルを変圧器の前面、背面、上面に設置した鉄骨にセットし、変圧器とのクリアランスが30mm程度となるようにして吸音ボックスを形成した。また、比較例として厚さ75mmのグラスウールを電気室の天井及び壁体の全面に貼設した。
なお、騒音レベルはJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
同図より、本実施例における吸音ボックスは、比較例に対して、変圧器の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ20dBの優位差が認められ、本発明による吸音ボックスが変圧器の騒音対策に非常に有効であることが判る。
本発明は、特許請求の範囲内で、次のように、変更、修正を加えることができる。
第1に、前述の実施例においては、剛壁層として、厚さ2.0mmの鉄板を使用した場合について述べているが、剛壁層は当該鉄板と同等の質量を有する板材、例えば厚さが5.0mm程度のアルミニウム板を使用してもよい。
第2に、前述の実施例においては、吸音ボックスとして、両側面開放のものを使用しているが、一方の側面のみを開放したもの、前面のみを開放したもの、上面のみを開放したもの、背面のみを開放したもの、若しくはこれらを組み合わせたものを使用してもよい。
第3に、前述の実施例においては、低周波吸音材(第2の吸音材)として、シリコンゴムから成る樹脂膜を使用した場合について述べているが、シリコンゴムから成る樹脂膜に代えてアクリル樹脂から成る樹脂膜を使用してもよい。
第4に、前述の実施例においては、吸音ボックスの側面を開放した場合について述べているが、開放部に当該開放部を閉塞するように多孔板を設けてもよい。
1・・・変圧器
2a、2b・・・開放部
3・・・吸音ボックス
31、32、33・・・第1、第2、第3の吸音パネル
4・・・剛壁層
5・・・低周波吸音材
2a、2b・・・開放部
3・・・吸音ボックス
31、32、33・・・第1、第2、第3の吸音パネル
4・・・剛壁層
5・・・低周波吸音材
Claims (14)
- 熱および音を発生する装置と、前記装置を包被し、一部に開放部を有する吸音ボックスとを備え、
前記吸音ボックスは、所定の質量を有する剛壁層と、前記剛壁層の前記装置側に貼設された低周波吸音材とを備えることを特徴とする吸音装置。 - 熱および音を発生する装置と、前記装置を包被し、一部に開放部を有する吸音ボックスと、前記開放部を閉塞する多孔板とを備え、
前記吸音ボックスは、所定の質量を有する剛壁層と、前記剛壁層の前記装置側に貼設された低周波吸音材とを備えることを特徴とする吸音装置。 - 前記開放部は、前記装置の音源から最も離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の吸音装置。
- 前記剛壁層は、少なくとも1.6mmの厚さを有する金属板、若しくは前記金属板と同等の質量を有する板材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の吸音装置。
- 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記装置側に積層された第1の多孔質体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記発泡体層の前記装置側面に形成され、それ自身の前記装置側に多数個の孔が設けられている被膜面とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記発泡体層の前記装置側面に形成され、それ自身の前記装置側が摩擦加工により粗面化されている被膜面とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記発泡体層の前記装置側に接着された被膜層とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記発泡体層の前記装置側に当接される被膜層とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、発泡体層と、前記発泡体層の前記装置側に積層された第1の多孔質体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記第2の多孔質体層の前記剛壁層側に配置される制振材層とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、前記装置側に配置される発泡体層と、前記発泡体層の前記装置側に積層された第1の多孔質体層と、前記発泡体層の前記剛壁層側に積層された第2の多孔質体層と、前記第2の多孔質体層の前記剛壁層側に配置される制振材層と、前記第2の多孔質体層と前記制振材層間に配置される拘束材層とを備え、
前記発泡体層は、分子量500〜5000の第1のジオール、分子量500以下の第2のジオール、無機充填材、発泡剤としての水、およびイソシアネートの各成分を原料成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。 - 前記低周波吸音材は、シリコンゴムまたはアクリル樹脂から成る樹脂膜と、前記樹脂膜の前記剛壁層側に積層された多孔質体層とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。
- 前記低周波吸音材は、シリコンゴムまたはアクリル樹脂から成る樹脂膜と、前記樹脂膜の剛壁層側に積層された第1の多孔質体層と、前記樹脂膜の前記装置側に積層された第2の多孔質体層とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載の吸音装置。
- 前記装置は、変圧器であることを特徴とする請求項1乃至請求項13何れか1項記載の吸音装置。
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