従来、音声データをトラック単位で管理及び再生可能な記録媒体として、MD(Mini Disc)等が実施されている。MDには、音声データを記憶するデータ領域と、それらのデータに関する管理情報を書き込むTOC(Table Of Contents)領域とを有する。MDにおいて、少なくとも一つのトラックをグループとして一まとめにし、そのグループ単位でデータの管理が可能な再生(記録)装置が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
図8を参照して、MDにおけるグループ管理を説明する。図8(a)に、正しいグループ管理の一例を示す。図8(b)に、誤ったグループ管理の一例を示す。
先ず、前提となるMDの仕様を説明する。最小トラック番号MINTNOから最大トラック番号MAXTNOまで、欠番、重複なく連続したトラック番号が存在するものとする。
次いで、前提となるMDのグループ管理の仕様を説明する。第1に、グループの開始トラック番号START TNO(Track Number)と、グループの終了トラック番号END TNOと、でグループの範囲を示すものとする。第2に、一つのTNOは、重複して複数のグループに属することはないものとする。第3に、MINTNOからMAXTNOに向かって昇順でグループ情報を記述していくものとする。第4に、グループに属していないトラックも認めるものとする。第5に、グループ情報は、TOC領域のディスクタイトルエリアとして記述するものとする(但し、再生装置ではこれらの情報を表示しないようにしている)。
第6に、グループ情報の記述は、START TNOとEND TNOとを「-」でつなぎ、「;」を続けて記述し、グループ名がある場合には続けて記述し、「//」で終わるものとする。例えば、START TNOが1でEND TNOが6のグループは「1-6;GroupName//」のように記述する。但し、以下の説明では、グループ名が不要なため、その説明及び記述を省略するものとする。第7に、グループ情報を記述する際の実際のディスクタイトルは、ディスクタイトルエリアの先頭に「0;」を記述し、「//」までの間に記述する。例えば、「0;DiscTitle//1-6;//」のように記述する。但し、以下の説明では、ディスクタイトルが不要なため、その説明及び記述を省略するものとする。
1枚のMDには、規格上、トラックが1から255まで、グループが1から99まで記録できる。以下、TNO=i(i:1〜255)のトラックをトラックTiと示し、GNO=j(j:1〜99)のグループをグループGjと示す。
上記仕様に合った正しいグループの一例を図8(a)に示す。この例では、MINTNO=1、MAXTNO=20とする。また、GNO=1〜3の3つのグループG1〜G3が存在する。この例では、TNO=1,7,8,20のトラックT1,T7,T8,T20は、グループG1〜G3に属しない。ディスク情報の記述は、「2-6;//9-16;//17-19//」となる。
上記仕様に合っていない誤ったグループの一例を図8(b)に示す。この例では、図8(a)の例に、新たにGNO=4のグループG4を追加したものである。ディスク情報の記述は、「2-6;//9-16;//17-19//6-8;//」となるが、グループG1及びグループG4にTNO=6のトラックT6が重複して属しており、またTNOが昇順に記述されていないため、誤ったものとなる。正しく記述すると、「2-6;//7-8;//9-16;//17-19//」となる(トラックT6はグループG1に属するものとした)。以下、グループ管理情報を含むディスク情報は、ディスクタイトルとして説明するものとする。
また、グループ管理に対応したMDの再生装置は、例えば、次に挙げるような機能を有する。第1に、グループ再生モードのオン/オフが可能であり、オフにしたときに、従来の装置と同様に、MINTNOからMAXTNOまでトラックを続けて再生する機能である。第2に、グループ再生モードをオンにしたときに、グループ単位でトラックを再生する機能である。例えば、選択されたグループのSTART TNOからEND TNOまでのトラックを再生して停止する。
第3に、グループ単位で頭出しする機能(各グループのSTART TNOをサーチする機能)である。第4に、グループ再生モードをオンにしたときに、グループに属していないトラックをひとまとまりにして再生する機能である。この機能がないと、グループ再生モードオンにおいて、グループに属していないトラックは再生できない。
グループ情報が記録されたMDにおいて、グループに属していないトラックをひとまとまりにして再生する方法としては、例えば、グループに属していないトラックの情報をひとまとめにしてグループ管理情報を生成し、その生成したグループ管理情報をメモリに記憶して管理し、そのグループ管理情報に基づいて再生する構成が考えられている(例えば、特許文献2、3参照)。
この構成の一例を、図9を参照して説明する。図9(a)に、未登録集合を含むグループ情報を示す。図9(b)に、ポインタ及びトラック番号の配列を示す。
図9(a)に示すように、グループG1〜G99及びこれらのグループに未登録な未登録集合G0が存在し、各グループ、集合について、そのグループ、集合に属する最初のトラックを示すポインタとしてのSP(スタートポインタ(アドレス))と、そのグループ、集合に属する最後のトラックを示すポインタとしてのEP(エンドポインタ(アドレス))とが関連付けられている。ポインタの番号は、TNOのうちから選択されるので、1〜255のように示される。
図9(b)に示すように、ポインタとTNOとが関連付けられている。図9(a)、(b)の表のポインタの対応付けにより、各グループG1〜99及び未登録集合G0における、START TNO(SPに対応)及びEND TNO(EPに対応)が生成されてメモリに格納される。
この例では、全255のトラックT1〜T255のうち、253個のトラックがグループ登録され、トラックT13,T20がグループに未登録である。また、図9(a)、(b)の各表の最下段が実際にメモリに記憶される情報である。また、ディスクタイトルには、「1-5;//6-10;//11-12//14-19;//21…省略…255;//」と記述される。未登録集合G0には、ポインタが254、255に対応するトラックT13、T20が登録されている。
また、グループ情報が記録されたMDにおいて、グループに未登録のトラックを1まとまりとし、さらにこれを連続したトラック番号になるようにトラックの順を移動(再配列)してそのMDに記録し、グループ登録する構成も考えられている(例えば、特許文献4参照)。このグループを再登録して記録されたMDを他の再生装置で再生しても、未登録であったトラックを再生できるものである。
特開2002−42425号公報
特開2004−22108号公報
特開2003−317453号公報
特開2002−3538763号公報
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1〜第4の実施の形態を順に詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
(第1の実施の形態)
図1〜図4を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態の再生装置100の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態の再生装置100の構成を示す。
図1に示すように、本実施の形態の再生装置100は、記録媒体としての光ディスク1に記録された音声データを再生する装置である。再生装置100は、スピンドルモータ2と、光ピックアップ3と、送りモータ4と、RF(Radio Frequency)アンプ5と、デジタル信号処理回路6と、DAC(Digital-to-Analog Converter)7と、アンプ8と、スピーカ9と、システムコントローラ10と、操作手段としての操作部11と、表示部12と、TOCメモリ13と、メモリ14と、不揮発メモリ15と、を備えて構成される。
なお、再生装置1は、再生専用の装置として説明するが、これに限定されるものではなく、光ディスク1に記録されたデータの再生機能に加えて、光ディスク1にデータを記録する機能を有する装置としてもよい。
また、スピンドルモータ2、光ピックアップ3、送りモータ4、RFアンプ5、デジタル信号処理回路6、DAC7、アンプ8及びスピーカ9により、再生手段が構成される。
光ディスク1は、楽曲データ等のデジタルの音声データ等のデータが記録される記録媒体としてMD(Mini Disc)とする。
スピンドルモータ2は、デジタル信号処理回路6に制御されて、ターンテーブルやクランプ機構にて保持する光ディスク1を、所定の回転速度で回転駆動する。
光ピックアップ3は、デジタル信号処理回路6の制御により、光ディスク1にレーザ光を照射して音声データ等の記録データの再生を可能とするためのものである。より詳細には、記録データを光ディスク1から再生する際、磁気カー効果を利用して受けた反射光によりデータ信号を検出可能とする低レベルのレーザ光を出力する。光ピックアップ3は、検出したデータ信号をRFアンプ5に出力する。
送りモータ4は、デジタル信号処理回路6の制御により、光ディスク1の半径方向に、光ピックアップ3を移動させる。
RFアンプ5は、光ピックアップ3が検出した信号を増幅するとともに演算処理等を実行することにより、データ信号である再生RF信号、トラッキングエラー(TE)信号、フォーカスエラー(FE)信号及び光ディスク1に記録されている絶対位置(ADIP;ADdress In Pregroove)情報の信号等を抽出するものである。RFアンプ5は、抽出した各種信号をデジタル信号処理回路6に出力する。
デジタル信号処理回路6は、システムコントローラ10により制御される。デジタル信号処理回路6は、音声データを光ディスク1より再生する場合に、RFアンプ5が抽出した再生信号にエラー訂正等を施してメモリ14に出力し、メモリ14から読み出された圧縮された音声データにデコード処理を施してデジタルの音声データを生成する。デジタル信号処理回路6は、デコード処理により生成したデジタルの音声データをDAC7に出力し、RFアンプ5が抽出した信号等に基づいて、スピンドルモータ2、光ピックアップ3及び送りモータ4に駆動用の制御信号を出力する。
DAC7は、デジタル信号処理回路6から入力されたデジタルの音声データをアナログの音声信号に変換してアンプ8に出力する。アンプ8は、DAC7から入力された音声信号を増幅してスピーカ9に出力する。スピーカ9は、アンプ8から入力された音声信号に基づいて音声出力する。
システムコントローラ10は、マイクロプロセッサ等から構成され、デジタル信号処理回路6、操作部11、表示部12、TOCメモリ13及び不揮発メモリ15を制御する。システムコントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。CPUは、ROMに格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。このCPUとプログラムとの協働により、制御手段が構成される。
操作部11は、停止キー、再生キー、早戻しキー、早送りキー等の各種キーを有する操作パネル等から構成され、ユーザの操作入力によって指示された音声データの再生/記録の開始、停止、早送り再生、早戻し再生、グループに属しないトラックの再生等の指示情報をシステムコントローラ10に出力する。
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等から構成され、システムコントローラ10の制御により、再生時間、トラック番号、ボリューム等の情報を表示する。
TOCメモリ13、メモリ14は、各種情報を記憶するRAM等により構成されるものとする。TOCメモリ13は、光ディスク1から読み出されたTOC情報(いわゆるUser’s TOC)を記憶する。TOCメモリ13は、例えば、光ディスク1に記録された各トラックの開始、終了アドレスや、光ディスク1のディスクタイトルから生成されたグループ情報を記憶する。メモリ14は、光ディスク1から読み出されてデジタル信号処理回路6によりエラー訂正等を施された音声データ等の情報を記憶する。
不揮発メモリ15は、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の情報を読み出し及び書き込み可能に記憶するメモリである。
次に、図2を参照して、TOCメモリ13に記憶するグループ情報を説明する。図2に、グループ情報の構成を示す。
TOCメモリ13に記憶するグループ情報は、グループ管理されているトラックが記憶されている光ディスク1のTOC領域から読み出されたディスクタイトルに基づいて作成される。また、各トラックには、識別情報としてのトラック番号TNOが付与され、トラックが属する各グループには、識別情報としてのグループ番号GNOが付与されている。
図2にグループ情報の一例を示す。この例において、光ディスク1のディスクタイトルには、「1-5;//6-10;//11-12//14-19;//21…省略…255;//」と記述される。この例では、グループG1〜G99が存在し、各グループに属する最初のトラックを示すスタートトラック番号STと、そのグループに属する最後のトラックを示すエンドトラック番号ETとが関連付けられている。
また、この例では、全255のトラックT1〜T255のうち、253個のトラックがグループ登録され、トラックT13,T20がグループに未登録(どのグループにも属していない)である。また、図2の表の最下段が実際にTOCメモリ13に記憶されるグループ情報である。このグループ情報は、99(グループの数)*2(ST及びET)=198[バイト]で記述できる。
次に、図3及び図4を参照して、再生装置100の動作を説明する。図3に、第1の再生処理の流れを示す。図4に、第2の再生処理の流れを示す。
図3を参照して、再生装置100において実行される第1の再生処理を説明する。第1の再生処理は、光ディスク1に記録されたどのグループにも属していないトラックを再生する処理である。予め、グループに属するトラックと、どのグループにも属していないトラックと、が記録されている光ディスク1が再生装置100にセットされており、その光ディスク1のTOC領域から読み出されたディスクタイトルに基づいてグループ情報が作成されてTOCメモリ13に記憶されているものとする。また、ディスクタイトルには、グループに属するトラックに関する情報が記述され、グループ情報もグループに属するトラックに関する情報である。
再生装置100において、例えば、ユーザから操作部11を介して、どのグループにも属していないトラックの再生指示が入力されたことをトリガとして、システムコントローラ10において、ROMから読み出されて適宜RAM上に展開された第1の再生プログラムと、CPUとの協働により、第1の再生処理が実行される。
先ず、トラック番号TNO=最小トラック番号MINTNOに設定される(ステップS11)。そして、グループ番号GNO=1に設定される(ステップS12)。
そして、TOCメモリ13に記憶されたグループ情報が参照され、TNO<ST(GNO)(GNOのグループのスタートトラック)であるか否かが判別される(ステップS13)。TNO<ST(GNO)でない場合(ステップS13;NO)、TOCメモリ13に記憶されたグループ情報が参照され、ST(GNO)≦TNO≦ET(GNO)(GNOのエンドトラック) であるか否かが判別される(ステップS14)。ST(GNO)≦TNO≦ET(GNO)でない場合(ステップS14;NO)、TOCメモリ13に記憶されたグループ情報が参照され、GNO=最大グループ番号MAXGNOであるか否かが判別される(ステップS15)。GNO=MAXGNOでない場合(ステップS15;NO)、GNO=GNO+1(インクリメント)に設定され(ステップS16)、ステップS13に移行される。
TNO<ST(GNO)である場合(ステップS13;YES)、又はGNO=MAXGNOである場合(ステップS15;YES)、TNOがどのグループにも属していないトラックに対応するので、TNOに対応するトラックが光ピックアップ3等により再生が開始され、スピーカ9から音声出力開始される(ステップS17)。そして、ステップS17におけるトラックの再生が終了したか否かが判別される(ステップS18)。トラックの再生が終了していない場合(ステップS18;NO)、ステップS18に移行される。
ST(GNO)≦TNO≦ET(GNO)である場合(ステップS14;YES)、又はトラックの再生が終了した場合(ステップS18;YES)、TNO=TNO+1に設定される(ステップS19)。そして、TNO>最大トラック番号MAXTNOであるか否かが判別される(ステップS20)。TNO>MAXTNOでない場合(ステップS20;NO)、ステップS13に移行される。TNO>MAXTNOである場合(ステップS20;YES)、第1の再生処理を終了する。
第1の再生処理では、再生時に、グループに属していないトラック番号を検索する処理で時間を費やすことになる。しかし、実際には、MDの場合、光ディスク1から光ピックアップ3等により音声データが読み出されデジタル信号処理回路6により一旦メモリ14に蓄積される。そして、圧縮された音声データがメモリ14から読み出され、デジタル信号処理回路6によりデコードされ、スピーカ9から音声再生出力される。このため、光ディスク1からの音声データ読み出しは、音声再生出力よりも先行することとなる。
ここで、図4を参照して、第2の再生処理を説明する。第2の再生処理は、第1の再生処理とは異なる観点で表現した再生処理であり、グループに属していないトラックの音声データを再生するとともに、再生時の音声データのメモリ14への蓄積及び読み出しを示す。
例えば、ユーザから操作部11を介して、どのグループにも属していないトラックの再生指示が入力されたことをトリガとして、システムコントローラ10において、ROMから読み出されて適宜RAM上に展開された第2の再生プログラムと、CPUとの協働により、第2の再生処理が実行される。
先ず、次に再生するグループに属していないトラック番号が選択される(ステップS31)。この選択方法は、第1の再生処理と同様である。そして、ステップS31により選択されたトラック番号のトラックの音声データが、光ピックアップ3等により読み出されてデジタル信号処理回路6によりメモリ14に蓄積開始される(ステップS32)。
そして、スピーカ9から音声出力中か否かが判別される(ステップS33)。音声出力中でない場合(ステップS33;NO)、所定量(以上)の音声データがメモリ14に蓄積されているか否かが判別される(ステップS34)。所定量の圧縮された音声データが蓄積されている場合(ステップS34;YES)、メモリ14に蓄積されている音声データが読み出されてデジタル信号処理回路6によりデコードされてスピーカ9から音声出力開始される(ステップS35)。
音声出力中である場合(ステップS33;YES)、所定量の圧縮された音声データが蓄積されていない場合(ステップS34;NO)、又はステップS35の実行後、ステップS31で選択中のトラック番号のトラックの音声データがメモリ14に蓄積(書き込み)完了したか否かが判別される(ステップS36)。選択中のトラックの音声データを蓄積完了していない場合(ステップS36;NO)、ステップS33に移行される。選択中のトラックの音声データを蓄積完了した場合(ステップS36;YES)、ステップS31に移行される。
第2の再生処理におけるステップS31の処理実行にかかる時間は、見かけ上(ユーザが認識できるのは)、どのグループにも属していない初めの一つのトラックが再生されるとき(1回目)のみで済む。2回目以降のステップS31の処理実行では、既に再生中の音声出力と並行して、ステップS32〜が実行されている。このため、2回目以降のトラック(番号)選択の処理時間は問題とならない。
以上、本実施の形態によれば、光ディスク1に記録されたグループに属していないトラックを再生するにあたり、記録装置、再生専用装置を問わず再生を可能にすることができる。また、グループに属していないトラックのグループ情報をTOCメモリ13に記憶しないので、TOCメモリ13の記憶容量を低減できる。
また、グループに属していないトラックのTOCの見かけの検索時間は、1番目のトラックにしかかからないので、グループに属していないトラックの見かけの検索時間を低減できる。
また、操作部11を介するグループに属していないトラックの再生指示の入力に基づいて、グループに属していないトラックの再生を行うので、グループに属していないトラックの再生指示を容易に入力できる。
また、グループ情報に基づいて光ディスク1の全データのうちのグループに属していない未検索の一つのデータを検索し、当該検索した一つのデータを再生することを繰り返して再生できる。
(第2の実施の形態)
図5を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図5に、第3の再生処理の流れを示す。
本実施の形態の装置としては、第1の実施の形態と同様に、再生装置100を用いる。また、本実施の形態においては、グループ情報を生成しなく、TOCメモリ13がグループ情報を記憶しないものとする。
次に、図5を参照して、再生装置100の動作を説明する。具体的には、再生装置100において実行される第3の再生処理を説明する。第3の再生処理は、グループ情報を生成及びTOCメモリ13に記憶することなく、光ディスク1に記録されたどのグループにも属していないトラックを再生する処理である。予め、グループに属するトラックと、どのグループにも属していないトラックと、が記録されている光ディスク1が再生装置100にセットされているものとする。また、ディスクタイトルには、グループに属するトラックに関する情報が記述される。また光ピックアップ3等により光ディスク1のTOC領域から最小トラック番号MINTNO、最大トラック番号MAXTNO及びディスクタイトルが参照され、TOCメモリ13に記憶されているものとする。
再生装置100において、例えば、ユーザから操作部11を介して、どのグループにも属していないトラックの再生指示が入力されたことをトリガとして、システムコントローラ10において、ROMから読み出されて適宜RAM上に展開された第3の再生プログラムと、CPUとの協働により、第3の再生処理が実行される。
先ず、TOCメモリ13が参照され、トラック番号TNO=最小トラック番号MINTNOに設定される(ステップS41)。そして、ディスクタイトルが参照され、先頭グループのスタートトラックST、エンドトラックETが読み出される(ステップS42)。
そして、TNO<STであるか否かが判別される(ステップS43)。TNO<STでない場合(ステップS43;NO)、ST≦TNO≦ETであるか否かが判別される(ステップS44)。ST≦TNO≦ETでない場合(ステップS44;NO)、ディスクタイトルが参照され、次のグループがあるか否かが判別される(ステップS45)。次のグループがある場合(ステップS45;YES)、ディスクタイトルが参照され、次のグループのST、ETが読み出され(ステップS46)、ステップS43に移行される。
TNO<STである場合(ステップS43;YES)、又は次のグループがない場合(ステップS45;NO)、TNOがどのグループにも属していないトラックに対応するので、TNOに対応するトラックが光ピックアップ3等により再生が開始され、スピーカ9から音声出力開始される(ステップS47)。そして、ステップS47におけるトラックの再生が終了したか否かが判別される(ステップS48)。トラックの再生が終了していない場合(ステップS48;NO)、ステップS48に移行される。
ST≦TNO≦ETである場合(ステップS44;YES)、又はトラックの再生が終了した場合(ステップS48;YES)、TNO=TNO+1に設定される(ステップS49)。そして、TOCメモリ13が参照され、TNO>最大トラック番号MAXTNOであるか否かが判別される(ステップS50)。TNO>MAXTNOでない場合(ステップS40;NO)、ステップS43に移行される。TNO>MAXTNOである場合(ステップS50;YES)、第3の再生処理を終了する。
本実施の形態によれば、光ディスク1に記録されたグループに属していないトラックを再生するにあたり、記録装置、再生専用装置を問わず再生を可能にすることができる。
(第3の実施の形態)
図6を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。図6に、リジューム再生処理の流れを示す。
本実施の形態の装置としては、第1の実施の形態と同様に、再生装置100を用いるが、再生装置100は、リジューム再生機能を有するものとする。リジューム再生とは、再生中の停止入力によりその再生を停止した場合に、トラックの停止位置情報を不揮発メモリ15に記憶しておき、再生入力により再生を再開する場合に、停止位置情報に基づいて停止位置から再生を再開する機能である。
図6を参照して、本実施の形態における再生装置100の動作を説明する。具体的には、再生装置100において実行されるリジューム再生処理を説明する。リジューム再生処理は、光ディスク1に記録されたどのグループにも属していないトラックをリジューム再生する処理である。予め、グループに属するトラックと、どのグループにも属していないトラックと、が記録されている光ディスク1が再生装置100にセットされており、その光ディスク1のTOC領域から読み出されたディスクタイトルに基づいてグループ情報が作成されてTOCメモリ13に記憶されているものとする。また、ディスクタイトルには、グループに属するトラックに関する情報が記述され、グループ情報もグループに属するトラックに関する情報である。
また、予め、第1の再生処理において、どのグループにも属していないトラックの再生中に、操作部11を介して再生の停止指示が入力され、光ディスク1上の停止位置情報及びその再生中のトラックのトラック番号TNOが不揮発メモリ15に記憶されているものとする。
再生装置100において、例えば、ユーザから操作部11を介して、どのグループにも属していないトラックのリジューム再生指示が入力されたことをトリガとして、システムコントローラ10において、ROMから読み出されて適宜RAM上に展開されたリジューム再生プログラムと、CPUとの協働により、リジューム再生処理が実行される。
先ず、予め不揮発メモリ15に記憶されたTNOが読み出され、TNO=読み出されたTNOに設定される(ステップS61)。そして、グループ番号GNO=1に設定され、又はグループ番号GNOが予め不揮発メモリ15に記憶されたGNOに設定される(ステップS62)。
そして、TNOに対応するトラックが光ピックアップ3等により再生が開始され、スピーカ9から音声出力される(ステップS63)。但し、初めてステップS63を実行する場合には、不揮発メモリ15から停止位置情報が読み出され、TNOに対応するトラックについて停止位置情報の停止位置から再生が再開される。ステップS64〜S70は、それぞれ順に、第1の再生処理のステップS18〜S20,S13〜S16と同様である。
以上、本実施の形態によれば、グループに属していないトラックのリジューム再生を行うことができる。
(第4の実施の形態)
図7を参照して、本発明に係る第4の実施の形態を説明する。図7に、リピート再生処理の流れを示す。
本実施の形態の装置としては、第1の実施の形態と同様に、再生装置100を用いるが、再生装置100は、リピート再生機能を有するものとする。リピート再生とは、少なくとも一つのトラックを繰り返し再生する機能である。
図7を参照して、本実施の形態における再生装置100の動作を説明する。具体的には、再生装置100において実行されるリピート再生処理を説明する。リピート再生処理は、光ディスク1に記録されたどのグループにも属していないトラックをリピート再生する処理である。予め、グループに属するトラックと、どのグループにも属していないトラックと、が記録されている光ディスク1が再生装置100にセットされており、その光ディスク1のTOC領域から読み出されたディスクタイトルに基づいてグループ情報が作成されてTOCメモリ13に記憶されているものとする。また、ディスクタイトルには、グループに属するトラックに関する情報が記述され、グループ情報もグループに属するトラックに関する情報である。
再生装置100において、例えば、ユーザから操作部11を介して、どのグループにも属していないトラックのリピート再生指示が入力されたことをトリガとして、システムコントローラ10において、ROMから読み出されて適宜RAM上に展開されたリピート再生プログラムと、CPUとの協働により、リピート再生処理が実行される。
ステップS81〜S90は、それぞれ順に、第1の再生処理のステップS11〜S20と同様である。但し、TNO>MAXTNOである場合(ステップS90;YES)、ステップS81に移行される。
以上、本実施の形態によれば、グループに属していないトラックのリピート再生を行うことができる。
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る再生装置及び再生プログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、光ディスク1としてMDを用いる構成であったが、これに限定されるものではない。他の記録媒体でも、MINTNOからMAXTNOまで連続したトラック番号を持ち、連続したTNOの範囲をグループとし、一つのTNOは重複して複数のグループに属さず、昇順でグループ情報を記述する仕組みのものであれば適用可能である。例えば、CD、CD−R/RW(Recordable/ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW、青色レーザを用いる次世代高密度情報記録媒体等の光情報記録媒体や、フラッシュメモリを利用したメモリキー、メモリカード等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体、等の記録媒体としてもよい。
また、上記各実施の形態において、光ディスク1に記録されるグループ管理情報は、TOC領域のディスクタイトルに記述する構成としたが、これに限定されるものではなく、グループ管理情報が、光ディスク1に、他の領域、他の記述形式で記録されることとしてもよい。
また、再生対象の単位となるデータは、音声データのトラックに限定されるものではなく、動画や、複数の静止画(例えば、スライドショー)の画像データのファイルとしてもよい。この場合には、表示手段により複数の画像データを順に表示していくことにより再生する。さらに、再生対象の単位となるデータは、音声付の動画の画像データのファイルとする構成としてもよい。
その他、上記実施の形態における再生装置100の細部構成、および詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。