JP2007003732A - 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像を形成するために感光体を光走査する光学素子を配置する光学ハウジング13を備え、走査線の位置を副走査対応方向に補正する主たるパワーを有する光学素子5の副走査方向に対し、前記光学素子5の片方端部の支持部に第1のパルスモータ26aを備え、また、前記光学素子5の主走査方向と直角かつ副走査方向と直角である軸部を第2のパルスモータ26bの支持部とし、この第2の支持部に前記第1のパルスモータ26aと同一方向に前記第2のパルスモータ26bを備え、前記光学素子5の片方端部の支持部よりも前記第2の支持部を副走査方向に初期的にシフトさせて前記光学ハウジング13に設置する光走査装置において、各々のパルスモータ26a、26bの動作制御範囲に上下限値を設定した。
【選択図】図3
Description
このようなカラー画像形成装置では、光学素子の像面湾曲特性、光学ハウジングのねじれ、ポリゴンモータの発熱による熱変形、本体内での別ユニットを熱源とする熱変形、感光体の取り付け時のねじれなどによって、レーザ走査線に曲がり/傾き/走査線位置ずれが発生するといった課題がある。
走査線曲がり/傾き/走査線位置ずれが発生することによって、カラー画像形成装置では、3乃至4本の走査線が重ならないために色ずれの原因となる。この課題を解決するための技術が特許文献1などに開示されている。
これによると、光学ハウジング内に、走査方向に沿って、長く形成された板状のガラスを配置する。このガラスを断面内で傾けて光学ハウジングに配置したり、ガラスの厚みを変えたりすることによって、走査線傾曲がりを調整することができる。
しかしながら、この従来技術では、走査線曲がりの湾曲量は変化することができるものの、走査線の傾きは調整することができない。そのため、それぞれの光路における走査線曲がり量が調整できたとしても、走査線の傾きは調整することができず、結果として色むら、色ずれといった画像品質の劣化を招いてしまう。
そのため、調整後にさらに、再調整が必要となり、補正値の収束性が悪い。また、走査線曲がり/傾き補正後に、各像高間の倍率が変化してしまう(折り返しミラーを回転することによって、各像高での光路長が変化する)。
また、特許文献3などに開示の技術では、各レーザに対応するそれぞれの長尺レンズに、走査線曲がり/傾き調整機構を備え、それぞれの調整が独立に行える。このため、前述のような不具合がないものの、調整機構自体が大掛かりであり、光学ハウジング内での配置が困難であるとともに、コストも非常に掛かってしまう。
また、特許文献4には、樹脂製結合素子を主走査方向軸回り、主、副走査方向に直角な軸回りに傾ける調整用モータをそれぞれ設けた画像形成装置が開示されている。
これによれば、走査線位置調整前には、各々の軸回りに予め傾けて保持しておくとあるが、これは、長尺レンズを、一旦撓ませた状態とした後、時計回り及び反時計回り両方向に調整可能とするためであり、調整方向が異なるか、または調整後の走査線曲がりの形状が各色で異なった場合、後述する図6に記載されるようなM型、またはW型形状等の走査線形状となり、色ずれが大きくなってしまう。
特許文献5には、トロイダルレンズを副走査方向に撓ませる湾曲調整手段を有し、各色用のレンズの湾曲方向を同じ方向で一定値以下に調整することが開示されている。
この一定値以下は、即ち湾曲量0付近ということになり(そうでなければ、各色の湾曲量が異なったり、ばらついたりし、色ずれが大きくなってしまう)、各色用のレンズの湾曲調整方向が同一方向であれば、全ての走査線形状が図6に記載のM型または、W型形状、片方に統一され、色ずれが緩和される。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、現状の光走査装置において、光学ハウジング内にシンプルな構成で配置でき、安価であり、調整後、常に凸形状となる方向に揃えて曲げたことにより、走査線の曲がりを安定して制御可能な形状にし、曲がり制御を可能とするパルスモータ及び傾きを制御するパルスモータの各々のパルスモータの動作制御範囲に上下限値を設けることにより、副走査対応方向に補正する主なるパワーを持った光学素子の有効範囲を超えないようにし、色ずれ等の不具合及び異常画像を防ぐ光走査装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
また請求項2に記載の発明は、前記第1及び第2のパルスモータの動作制御範囲の上下限値を個別に設定可能とした請求項1記載の光走査装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記第1のパルスモータ及び前記第2のパルスモータの1回の動作制御において、少なくとも片方に制限を設ける請求項1または2記載の光走査装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記第1及び第2のパルスモータのパルスモータ動作制御範囲の上下限値を超えるような制御要求があった場合、前記動作制御範囲の上下限値に制御位置を固定する請求項1乃至3のいずれか一項記載の光走査装置を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の光走査装置を搭載した画像形成装置を特徴とする。
図1は本発明に関わるデジタルカラー書き込み処理システムの内部構成の一例を示す概略図である。図2は本発明に関わるデジタルカラー機を示す概略図である。
図1に示すデジタルカラー書き込み処理システムは、正多角形の側面に反射ミラーを有し、かつ高速回転により、レーザ光を偏向・走査するポリゴンミラー1a、1b、ポリゴンモータの防音効果を持たせた防音ガラス2a、2b、ポリゴンミラー1a、1bによりビーム走査の等角度運動を等速直線運動へと変えるfθレンズ3a、3bを備えている。
また、デジタルカラー書き込み処理システムは、像を形成する感光体9a、9b、9c、9dへとレーザ光を導く第1ミラー4a、4b、4c、4d;第2ミラー6a、6b、6c、6d;第3ミラー7a、7b、7c、7d、ポリゴンミラー1a、1bの面倒れを補正する長尺レンズ5a、5b、5c、5d、光学ハウジング13内への塵などの落下を防止する防塵ガラス8a、8b、8c、8dを備えている。
さらに、光学ハウジング13は上記光学素子が配置される光学ハウジング13a(壁面)、13b(光学素子配置面)、光学ハウジング13を密閉するための上段蓋11、下段蓋12、ポリゴンミラー部分の蓋10で構成されている。像を形成する感光体9a、9b、9c、9dへのそれぞれの書き込みレーザ光(光路)を、符号14a、14b、14c、14dで示している。
また、図2において、光学ハウジング13、書き込みレーザ光14a、14b、14c、14d、像を形成する感光体9a、9b、9c、9d、中間転写ベルト18、給紙装置19が示されている。矢印Aは、中間転写ベルト18の駆動方向を示している。
また図5は走査線傾き/副走査線位置調整機構におけるアジャスタの第1の構成例を示す概略図であり、(a)には上面図、(b)には側面断面図、(c)には正面断面図が夫々示されている。
また図6は走査線傾き/副走査線位置調整機構におけるアジャスタの第2の構成例を示す概略図であり、(a)には上面図、(b)には側面断面図、(c)には正面断面図が夫々示されている。
図3乃至図6において、走査線傾き/副走査線位置調整機構はポリゴンミラー(図示せず)の面倒れを補正する長尺レンズ5、走査線曲がりを規制するためのブラケット21、長尺レンズ5とブラケット21を固定する板ばね22、23、走査線曲がり調整ネジ24、25、走査線傾き/走査線曲がり/副走査線位置を自動調整する第1及び第2の駆動モータ(パルスモータ)26a、26b、駆動モータホルダ27、アジャスタ28、光学ハウジング13の受け部29で構成されている。
アジャスタ28は、図5(a)(b)(c)に示すように中空丸棒の中央にネジが切られている形状体、または図6(a)(b)(c)に示すように長円状体の中央にネジが切られている形状体にすることができる。
この上下限値の設定により、走査線形状を長尺レンズ5の有効範囲内に保つことが可能になり、温湿度変化等の経時による副走査方向の走査線位置の変化に対応し、微調整することを可能として、色ずれ等の不具合を解消する。
曲がり制御を可能とするパルスモータ(第2のパルスモータ26b)及び傾き制御を可能とするパルスモータ(第1のパルスモータ26a)の一回の動作制御で、少なくとも片方に制限を設けることにより、異常動作(異常な制御要求)等の不具合があった場合においても、光走査装置のダメージを最小限とし、異常な画像(大きな色ずれ等の不具合)の出力を事前に防止することができる。
図3において、走査線の位置を副走査方向に補正する主たるパワーを有する光学素子(長尺レンズ5)と、この長尺レンズ5よりも剛性が強い材質で、作られているブラケット21を板ばね22、23で固定する。
ブラケット21には、長尺レンズ5の受け面21a(中央のみ高さの異なる)が3箇所に設けられる。長尺レンズ5は、これを固定する板ばね22、23によって、強制的に撓んだ状態で、光学ハウジング13に固定される。
走査線の位置を副走査対応方向に補正する主たるパワーを有する光学素子(長尺レンズ)5の副走査方向に対し、この光学素子5の片方端部の第1の支持部(図3に示す左側ブラケット21の受け面21a)に駆動モータである第1のパルスモータ26aを備えている。
また、光学素子5の主走査方向と直角かつ副走査方向と直角である軸部を駆動モータである第2のパルスモータ26bの第2の支持部(図3に示すブラケット21の中央の受け面21a)とし、第1の支持部である光学素子5の端部に備えられた第1のパルスモータ26aと同一方向に第2のパルスモータ26bを備えている。
第2の支持部21aは、走査線の位置を常に凸形状(後述の図7の初期で示すように、)に維持するように、光学素子5の片方端部の支持部よりも副走査方向に初期的にシフトさせて、光学ハウジングに設置されている。この場合に、各々のパルスモータ26a、26bの動作制御範囲に上下限値を設定している。
図7はパルスモータ駆動後の走査線を示す概略図である。図8は長尺レンズとともに示すパルスモータ駆動後走査線を示す概略図である。図9はパルスモータ駆動後の走査線を示す概略図である。図10は長尺レンズとともに示すパルスモータ駆動後走査線を示す概略図である。
図7乃至図10は長尺レンズ5が強制的に撓んだ状態を示しており、各図において、実線は理想的な走査線、点線は有効範囲内、即ち、上下限値内で撓んだ初期状態の走査線を示している。
こういった走査線曲がり形状になってしまうと、色ずれとして大きく目立つ結果となってしまうため、走査線曲がり形状を凸形状とし、一方向に揃えることにより、色ずれとして目立たず、かつ良好な画像を得ることが可能となるためである。
この状態を初期状態とし、長尺レンズ5中央の支点部(支持部)及び片側端部をアジャスタ(減速機)28で押すような構成となるように、第2のパルスモータ26bを設けてあり、この第2のパルスモータ26bを回転させることにより、長尺レンズ5は、徐々に初期の曲がりの状態を維持しながら上下方向へ移動していくこととなる。
この長尺レンズ5の上下方向の移動量に応じて、副走査線位置は、図7のように調整することができる。ここで、調整制御範囲に上下限を設定し、内部機械構成的な限界及び長尺レンズ5の有効範囲を超えないようにする。
仮に調整制御範囲以上の制御要求があった場合は、調整制御範囲の上下限値(長尺レンズ5の有効範囲)に固定することにより、光走査装置の破損等の深刻なダメージ等を防ぐことが可能となり、画像出力できないような状況を事前に防止することができる。
また、走査線傾き調整は、長尺レンズ5中央を支点として、長尺レンズ5の片側一方端部をアジャスタ(減速機)28で押すような構成となるように、第1のパルスモータ26aを設けてあるため、第1のパルスモータ26aを回転駆動させることによって、アジャスタ(減速機)28が、上下方向(図12)へと移動する。
第1のパルスモータ26a及びアジャスタ(減速機)28の動きに連動して、長尺レンズ5が傾き、走査線傾きが調整可能となる。ここで、調整制御範囲に上下限を設定し、内部機械構成的な限界及び長尺レンズ5の有効範囲を超えないようにする。
仮に調整制御範囲以上の制御要求があった場合は、調整制御範囲の上下限値に固定することにより、光走査装置の破損等の深刻なダメージ等を防ぐことが可能となり、画像出力できないような状況を事前に防止することができる。
よって、温湿度変化等の経時による傾き量の変化及び副走査走査線位置の変化に個別に対応が可能となり、個別のタイミング(調整間隔、調整上下限設定有り)にても調整が可能となるため、色ずれ等の不具合を解消することが可能となる。また、光走査装置の破損等の深刻なダメージ等を防ぐことが可能となり、画像出力できないような状況を事前に防止することが可能となる。
図13は曲がり調整/傾き調整要求が同時の場合の動作を説明するフローチャートである。曲がり調整/傾き調整の要求があった場合(S1)、上下限値を超えているどうかを判断し(S2)、越えているならば、上限値または下限値で調整する(S3)。
ステップS2において上下限値を超えていないならば、続いて、動作制限値を超えているどうかを判断し(S4)、越えているならば、動作上限値で調整する(S5)。ステップS4で動作制限値を超えていないならば、動作要求値で調整する(S6)。
ステップS12で上下限値を超えていないならば、続いて、動作制限値を超えているどうかを判断し(S14)、越えているならば、動作上限値で調整する(S15)。ステップS14において動作制限値を超えていないならば、動作要求値で調整する(S16)。
次に、傾き調整要求があった場合(S17)、上下限値を超えているどうかを判断し(S18)、越えているならば、上限値または下限値で調整する(S19)。ステップS18において上下限値を超えていないならば、続いて、動作制限値を超えているどうかを判断し(S20)、越えているならば、動作上限値で調整する(S21)。ステップS20において動作制限値を超えていないならば、動作要求値で調整する(S22)。
曲がり制御を可能とするパルスモータ(第2のパルスモータ26b)及び傾き制御を可能とするパルスモータ(第1のパルスモータ26a)の動作制御で、上下限値以上の動作要求があった場合においても、各々のパルスモータ動作制御範囲の上下限値に制御位置を固定することにより、光走査装置の破損等の深刻なダメージ等を防ぐことが可能となり、画像出力できないような状況を事前に防止することができる。
曲がり制御を可能とするパルスモータ(第2のパルスモータ26b)及び傾き制御を可能とするパルスモータ(第1のパルスモータ26a)の動作制御に制限を設けた光走査装置を搭載することにより、光走査装置に起因する色ずれ等の不具合及び光走査装置の破損等の深刻なダメージ等を事前に防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
Claims (5)
- 潜像を形成するために感光体を光走査する光学素子を配置する光学ハウジングと、走査線の位置を副走査対応方向に補正する主たるパワーを有する光学素子の副走査方向に対し、前記光学素子の片方端部の第1の支持部に設けられた第1のパルスモータと、前記光学素子の主走査方向と直角かつ副走査方向と直角である軸部を第2の支持部とし、該第2の支持部に前記第1のパルスモータと同一方向に設けられる第2のパルスモータと、を備え、前記第1の支持部よりも前記第2の支持部を副走査方向に初期的にシフトさせて前記光学ハウジングに設置する光走査装置において、前記第1及び第2のパルスモータの動作制御範囲にそれぞれ上下限値を設定したことを特徴とする光走査装置。
- 前記第1及び第2のパルスモータの動作制御範囲の上下限値を個別に設定可能としたことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
- 前記第1のパルスモータ及び前記第2のパルスモータの1回の動作制御において、少なくとも片方に制限を設けることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光走査装置。
- 前記第1及び第2のパルスモータのパルスモータ動作制御範囲の上下限値を超えるような制御要求があった場合、前記動作制御範囲の上下限値に制御位置を固定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の光走査装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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