JP2007002079A - 制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】制電性が優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びシート等の成形品を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂が60〜90重量%、(A)エーテル基含有ブロック共重合体(B)アイオノマー樹脂の合計が10〜40重量%であり、(A)成分と(B)成分の重量配合比がA/B=30〜6であることを特徴とする制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いた成形品。
【効果】本発明の制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、成形品、特にシートや熱成形品、射出成形品にした場合に、優れた帯電防止性能と良好な機械強度を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、制電性、成形加工性、耐磨耗性等に優れた制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品に関する。成形品の具体例としてはシートなどが挙げられる。制電性に優れているためシート自体が静電気に帯電されず、また、カーボンや金属系の無機粉末を使用していないため粉末の脱着が無く、更には界面活性剤等を用いていないためシート表面へのブリードアウトも起こらないため、電気電子部品トレー用途として好適に用いられる。
一般にポリエステル樹脂はその優れた耐熱性、耐薬品性、耐クリープ、耐衝撃性、剛性等ゆえに包装材料として用いられている。しかし、ポリエステル樹脂は、摩擦などによって著しく帯電し易い。成形物の帯電は種々の障害をもたらす。例えば、帯電した成形物は使用時に放電による衝撃を与えたり、ほこりを付着する。そのため、ポリエステル樹脂は用途が制限されている。
その対策として、一般には帯電防止剤を添加して帯電防止性を付与させる。具体的な方法としては、内部添加型と塗布型がある。塗布型では、別工程が必要であることから、製造プロセス上、内部添加型が好ましい。
内部添加型による方法ではこれまで、ホスホニウム塩、アルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等のイオン性界面活性剤を樹脂中に練り込む方法が、効果や経済性に優れているために一般的に採用されている。ホスホニウム塩を利用したものとして、特許文献1がある。しかし、この様な低分子量の界面活性剤を練り込む方法では、界面活性剤が表面に染み出すために、初期の帯電防止効果は高いものの、拭いたり、洗浄したりすると帯電防止効果がなくなり、経時的に帯電防止効果が低下する問題点がある。
特にポリエステル樹脂が電気電子部品の運搬や保管の目的で電気電子部品トレーとして使用される場合、電気電子部品と接する表面に界面活性剤や金属不純物が大量滲出すると、これらが電気電子部品の電気特性低下などを引き起こし、品質上使用出来ない状態になる。
そこで、ポリエーテルエステルアミドを熱可塑性ポリエステル樹脂に配合することにより制電性を付与する方法が特許文献2で開示されているが不十分であり、最近の電子回路の微小化により、これまで以上の制電性能の向上が求められている。
特開昭62−230835号公報
特開平9−194703号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、制電性が優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びシート等の成形品を提供することにある。
上記の課題は、熱可塑性ポリエステル樹脂が60〜90重量%、(A)エーテル基含有ブロック共重合体、(B)アイオノマー樹脂の合計が10〜40重量%であり、(A)成分と(B)成分の重量配合比がA/B=30〜6であることを特徴とする制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いた成形品により解決する。
本発明の制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、成形品、特にシートや熱成形品、射出成形品にした場合に、優れた帯電防止性能と良好な機械強度を得ることができる。
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂とは、主たるジカルボン酸成分としてテレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成性誘導体を用い、主たるグリコール成分として炭素数2〜10のグリコール又はそのエステル形成性誘導体を用いて得られる線状飽和ポリエステルが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PBN)等が挙げられる。これらの中で特にPETが好ましい。
ここで「主たる」とは、全ジカルボン酸成分又は全グリコール成分に対して60モル%以上をいい、好ましくは65モル%以上である。この範囲内で、ジカルボン酸成分或いはグリコール成分の一部を他の共重合成分で置き換えたものでもよい。かかる共重合可能なジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸(主たるジカルボンがテレフタル酸である場合を除く)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(主たるジカルボン酸が2,6−ナフタレンジカルボン酸である場合を除く)、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等;脂環族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。
共重合可能なグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA等が例示される。
また、本発明で用いられる芳香族ポリエステルは実質的に成形性を損なわない範囲で多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共重合してもよい。
これらの共重合成分は1種または2種以上を用いることができる。共重合成分の割合は全ジカルボン酸(オキシカルボン酸はその半分量がカルボン酸として計算)当たり40モル%以下、好ましくは35%モル以下である。
また、本発明に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂は重合触媒の存在下に液相重縮合を行いペレット化した後の固相重合工程で重縮合されたものでも良い。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールの混合溶媒(混合比は、テトラクロロエタン/フェノール=6/4重量比)を用
い、20℃で測定した時に、好ましくは0.4〜1.0であり、特に好ましくは、0.5〜0.9である。
また、本発明における(A)エーテル基含有ブロック共重合体とは、ポリエーテル重合体と他の重合体とのブロック重合体であり、ポリエーテルポリエステルアミドブロック共重合体及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体であり、制電性の点でポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体が好ましい。
本発明における(B)アイオノマー樹脂のベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸,さらに任意に他の極性モノマーを共重合して得られるものである。
ここに不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくにアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また共重合成分となりうる極性モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などであり,とくに不飽和カルボン酸エステルは好適な共重合成分である。
このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸、任意に他の極性モノマーを、高温,高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。
アイオノマー樹脂のベースポリマーとなる上記のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体には、他の極性モノマーが含まれていてもよいが、あまり多量に共重合されていると滑り性や耐傷性に悪影響を及ぼすようになるので、このような多元共重合体を使用する場合は、極性モノマー含量が30重量%以下、好ましくは15重量%以下の割合で共重合されたものを使用するのが好ましい。
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を金属イオンで中和することでアイオノマー樹脂となる。金属イオンの種類としては、カリウム、ナトリウム、亜鉛等があげられるが制電性の点で特にカリウムが好ましい。
アイオノマー樹脂はまた、加工性や耐傷性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
本発明に使用する(A)エーテル基含有ブロック共重合体(B)アイオノマー樹脂の合計は本発明の組成物中の10〜40重量%であることが肝要であり、特に15〜35重量%が好ましい。10重量%未満の場合、表面抵抗値は大きく帯電防止性能は不十分である。また、40重量%を超える場合、得られた成形品は脆くなる。
また、本発明に使用する(A)エーテル基含有ブロック共重合体(B)アイオノマー樹脂の重量配合比は、A/B=30〜6であることが肝要である。30より大きい場合、表面抵抗値は大きく帯電防止性能は不十分である。6より小さい場合、得られた成形品は脆くなる。
本発明の制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、従来公知の方法で容易に製造することができる。即ち、熱可塑性ポリエステル樹脂、エーテル基を含むブロック共重合体及びアイオノマー樹脂を予めペレット同士でブレンドした後、単軸又は二軸(同方向、異方向回転)押出機に供給して溶融混練してペレットを製造して次の成形工程に供する方法や、3成分を別々に押出機に供給して溶融混練してペレットを製造して次の成形工程に供する方法、また、溶融混練工程を経ず、成形工程の中で混練する方法もあるが特にこれらに限定されない。
本発明の制電性熱可塑性樹脂組成物をシートとして用いる場合には、単層であっても、積層であってもよい。本発明の制電性熱可塑性樹脂組成物からなるシートを少なくとも片方の表層に配置しコア層に熱可塑性樹脂または積層したシートを再利用したものを一定量配合して使用した2種3層積層シートが経済性などの面から優れている。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[分析・評価方法]
1.表面抵抗値:三菱化学(株)製表面抵抗測定器(Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、23、50%RHで24時間放置した後、測定した。測定条件は印加電圧1000V、印加時間は30秒。
2.機械物性:成形品を180度折り曲げて破断するか否かを評価した。
[実施例1〜5、比較例1〜4]
熱可塑性ポリエステル樹脂として1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合した樹脂(固有粘度 0.8)を選び、表1に示したエーテル基含有ブロック共重合体及びアイオノマー樹脂を配合し、二軸同方向回転押出機(日本製鋼所社製 TEX30α L/D=31.5)で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットを乾燥後、小型シート成形機(東洋精機製作所社製 ラボプラストミル)を用い、25℃に温調した冷却ロール上にTダイより押出してシートを得、表面抵抗測定及び機械物性評価に供した。その結果も表1に示した。
[実施例6、7]
表1に示したエーテル基含有ブロック共重合体及びアイオノマー樹脂を配合し、実施例1と同様にペレットを得た。これを、射出成形機(住友重機械工業社製、SG75)で金型温度25℃で成形し、1mm厚みの成形品を得た。表面抵抗測定及び機械物性評価に供した。その結果も表1に示した。
本発明の制電性樹脂組成物は、成形品にしたときに表面抵抗値が低いことから制電性に優れ、成形品がシートの場合、ICやハードディスク等の電子部品の運搬や保管の目的で使用されるトレーとして好適である。また、成形品が射出成形品の場合、静電気を嫌う雑貨品や電気電子機器の筐体等に好適である。

Claims (4)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂が60〜90重量%、(A)エーテル基含有ブロック共重合体と(B)アイオノマー樹脂が合計で10〜40重量%であり、(A)成分と(B)成分の重量比がA/B=30〜6であることを特徴とする制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. (A)エーテル基含有ブロック共重合体がポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載された制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から成形されたことを特徴とする成形品。
  4. 請求項1又は2に記載された制電性熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から成形されたことを特徴とするシート。
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