JP2007001630A - 包装袋 - Google Patents

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敏昭 志田
Katsunori Futase
克規 二瀬
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Abstract

【課題】 被包装物を充填包装した包装袋の吊下げ姿勢の下で、それの下端部の幅の、中央部分の幅に対する拡幅量を小さく抑えて、箱体に対する包装袋の吊り降ろし収納を、円滑かつ適正なものとする。
【解決手段】 底部と、少なくとも一方の側部とのそれぞれにシール部1、2を設けてなる軟質包装袋4であって、底部シール部1の下縁に、被包装物の充填スペース6側に向く三角山形状の一の切欠き7を形成してなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プラスチックフィルムの単層もしくは積層構造になり、紙、アルミニウム箔等の中間層を含むこともある包装用フィルムのシーラント層をヒートシールその他によってシールしてなる軟質の包装袋に関するものであり、とくには、液体等の被包装物を充填包装した後の包装袋の吊下げ姿勢の下での、包装袋中央部の幅に対する、それの下端部の幅の拡幅量を十分小さく抑える技術を提案するものである。
紙、硬質プラスチック等からなる箱体内に、所定量の被包装物を充填包装してなる軟質の包装袋を収納することで、その包装袋に定型性を付与する包装構造が提案されており、これによれば、とくには箱体のリサイクルに当って、被包装物の消費後に、箱体と軟質包装袋とを簡単かつ容易に分離させることができ、また、プラスチックボトル、ミルクカートン等に比して包装コストを低減できる利点がある。
ところが、このような包装構造の実現のために、予め組立てられた所定の容積の箱体内に、被包装物を充填包装した包装袋を事後的に収納する場合には、その包装袋を、箱体の、所定の開口寸法を有する上端開口を経て、それの内側へ底部側から吊り降ろすことが行われるが、被包装物を充填包装した包装袋は通常、吊り下げ姿勢の下では、被包装物の重量等の影響によって、それの下端部の幅が、包装袋の上下方向の中央部分のそれより相当広くなるため、被包装物を充填包装したその包装袋を、必要最小限の容積に可能な限り近づけた所定の容積をもつ箱体内へ吊り降ろすに際して、包装袋の底部と、箱体の開口縁部とが干渉して、包装袋の、箱体内の円滑な吊り降ろしが妨げられるという問題があり、この一方で、上述のような干渉が一旦発生すると、その後に、箱体内への包装袋の吊り降ろしがたとえ可能になったとしても、包装袋の底部近傍に意図しない折り曲げ部が発生して、その折り曲げ部より底部側に被包装物が封じ込められることになるため、袋内被包装物の完全なる注出が困難になるという他の問題があった。
そして、包装袋下端部のこのような拡幅量は、包装袋が、簡単な構造で安価に製造できる、側面シール形、二方もしくは三方シール形、封筒形その他の平坦形状のものである場合に、ひだ付き形、平底形、角底形等の立体形状のものに比してより大きくなる傾向にあった。
この発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、それの目的とするところは、液体等の被包装物を、たとえば抜気下で充填包装した包装袋を、吊下げ姿勢とした場合にあっても、それの下端部の幅の、中央部分の幅に対する拡幅量を十分小さく抑えて、箱体に対する包装袋の吊り降ろし収納を、常に円滑に、かつ適正なものとすることができる包装袋を提供するにある。
この発明に係る包装袋は、プラスチックフィルムの単層もしくは積層構造になり、紙、アルミニウム箔等の中間層を含むこともある包装用フィルムのシーラント層をヒートシールその他によってシールして、底部および、少なくとも一方の側部のそれぞれにシール部を設けてなる軟質の包装袋であって、底部シール部の下縁に、被包装物の充填スペース側、すなわち、包装袋の内側に向く一個以上の切欠きを形成したものである。
なお、ここで底部シール部とは、被包装物の流通および消費の過程で底部となる部分のシール部をいうものとする。従って、この底部シール部は、被包装物の充填包装工程では頂部シール部となることもある。
ここで、切欠きの輪郭形状は、側面視で三角山形状、四角状もしくは台形状とすることができる他、円弧状、楕円状もしくは長円状とすることもでき、このような切欠きの数は、それ自身の寸法および包装袋の内法幅寸法等との関連の下で、たとえば1〜3個程度とすることができる。
ここにおいて、角をもつ前者の切欠きは、各隅部の曲線状に形成することが好ましい。
このような包装袋においてより好ましくは、底部シール部の上縁側に、被包装物の充填スペース側に凸となる一個以上の突部を設ける。
かかる突部は、切欠きの形成位置と上下方向に対応する位置に設けることができ、また、これに換えて、切欠きの形成位置の中間部に対応させて配設することもできる。
ところで、突部の輪郭形状は、側面視で三角山形状、台形状もしくは、円弧その他の曲線状とすることができ、その突部の数は、突部それ自身の寸法と、包装袋の内法幅寸法との関連の下で、たとえば等間隔で二個もしくは三個程度とすることができる。
そしてこの場合、三角山形状の突部の底辺幅は、袋の内法幅の8.7〜43.7%、たとえば10〜50mm、高さは、頂部開口を封止後の袋の内法長さの1.7〜8.6%、たとえば5〜25mmとすることができる。
また、台形状の突部の下底幅の総計は、袋の内法幅の52.2〜87%、たとえば60〜100mm、上底幅の総計は、その内法幅の17.4〜52.2%、たとえば20〜60mmとするとともに、各高さは、頂部開口を封止後の袋の内法長さの1.7〜8.6%、たとえば5〜25mmとすることができる。
ここで好ましくは、上端部分に、側部シール部から側方へ突出する、先端を封止した一の逆止注出ノズルを設ける。
この逆止注出ノズルは、包装袋本体に一体形成したものとすることができる他、包装袋本体に付設したものとすることもできる。また、ここでの上端部分は、被包装物の流通および消費の過程で包装袋の上端側となる部分をいう。
このような包装袋にあってより好ましくは、被包装物を充填するとともに、頂部開口を頂部シールによって密着封止した包装袋の、頂部シール部での吊下姿勢で、包装袋の下端の内法幅を、それの長さ方向、即ち上下方向の中央部分の内法幅に対して、1.21倍以下、好ましくは1.11倍以下とする。
そしてまた好ましくは、同様の吊下姿勢で、包装袋の下端の外法幅を、それの中央部分での外法幅に対して、1.16倍以下、好適には1.03倍以下とする。
包装袋の底部シール部の下縁に、少なくとも一の切欠きを形成するこの発明によれば、被包装物を充填包装した包装袋の吊下姿勢において、底部シール部の、切欠き形成部分を、被包装物の充填スペース側へ、作為的により大きく窪ませることができ、この結果として、包装物の下端の内法幅および外法幅のそれぞれを、切欠きを形成しない従来の包装袋に比して有効に狭幅化することができる。
従って、被包装物を充填包装したその包装袋を、箱体の上端開口から箱体内へ吊り降ろすに当って、包装袋の底部、とくにはそれの側部と、箱体開口縁との干渉を有効に防止することができ、これにより、包装袋の、箱体内への吊り降ろし収納を、円滑にかつ適正に行うことができるので、所定の吊り降ろし作業を、能率的に行うことができ、包装袋への不測の折曲部の発生を有効に防止することができる。
そして、包装袋のこのような吊り降ろし収納は、箱体の上端開口の上方に、たとえば截頭角錐形状のガイド手段を配設し、このガイド手段の内面によって、包装袋の下端部の、箱体開口への、適正姿勢での入り込みを案内する場合により確実に行われることになる。
この場合、切欠きの輪郭形状および形成個数は、所要に応じて適宜に選択し得ることはもちろんであるが、形状については、側面視で三角山形状、四角状もしくは台形状とすることが、包装袋の底部シール部の、前述したような窪み変形を円滑に誘導するとともに、窪み変形量を大きく確保する上で好ましい。
なおここでは、各切欠きの角ばった隅部を曲線状に形成することが、切欠き隅部への応力集中を防いで、包装袋の耐久性を高める上で好ましい。
また、切欠きの個数は、切欠きそれ自体の寸法、包装袋の内法幅等とも関連するも、各個の切欠き形成部分で底部シール部の大きな窪み変形を行わせて、切欠きの形成効率を高めるためには、一〜三個程度とすることが好ましい。
ところで、切欠きの輪郭形状は、円弧状、楕円状もしくは長円状とすることもでき、これによれば、底部シール部の窪み変形を円滑に誘導することができ、応力集中に起因する包装袋の耐久性の低下のおそれを十分に取り除くことができる。
そして、底部シール部に上述したような切欠きを設けることに加えて、その底部シール部の上縁側に、被包装物の充填スペース側に凸となる突部を設けた場合には、切欠きの、上述したような作用と相俟って、底部シール部を、被包装袋の充填スペース側へ一層大きく窪み変形させることができ、これにより、包装袋の下端幅をより効果的に狭幅化させることができる。
ここで、突部の輪郭形状は、三角山形状、台形状もしくは曲線状とすることが、底部シール部の、大きな窪み変形を実現する上で好ましく、その個数は、二個もしくは三個とすることが好ましい。
なお、三角山形状の突部を設ける場合にあって、各突部での窪み変形を十分大きく行わせて、包装袋下端部での拡幅量を小さく抑えるためには、突部の底辺幅を、袋の内法幅の8.7〜43.7%の範囲とし、また高さを、頂部開口を封止後の袋の内法長さの1.7〜8.6%の範囲とすることが好ましい。
このような範囲内で、三角山形状の突部を成形すると、被包装物を充填包装した包装袋の吊下姿勢において、底部シール部の突部形成部分を、被包装物の充填スペース側へより大きく窪ませることができる。
一方、台形状の突部を設ける場合には、突部の下底幅の総計を、袋の内法幅の52.2〜87%の範囲、上底幅の総計をその内法幅の17.4〜52.2%の範囲とするとともに、各高さを、頂部開口を封止後の袋の内法長さの1.7〜8.6%の範囲とすることが好ましい。
その理由は、三角山形状の突部の場合と同じであり、底部シール部の窪み変形量を大きくして、包装袋下端部での拡幅量を小さく抑えるのに有効な範囲であるということにある。
以上のような包装袋のいずれかにおいて、上端部分に、側部シール部から側方へ突出する、先端を封止した一の逆止注出ノズルを設けた場合には、たとえば、液状被包装物を抜気下で充填包装したその包装袋からの、被包装物の注出は、逆止注出ノズルの先端封止部を切除した状態で、包装袋を傾動させることによる、包装袋の圧潰変形下にて行うことができ、この注出の終了後の、外気、塵埃等の包装袋内への進入は、包装袋を元の起立姿勢に復帰させることによる、その注出ノズルの、被包装物の薄膜を介在させた流路自己閉止作用に基いて十分に阻止することができる。
従ってこの場合には、包装袋内に残留する被包装物が、袋内に進入した大気によって酸化等されたり、袋内に進入した塵埃、菌類等によって汚損されたりするのを有効に防止することができる。
ここで、この逆止注出ノズルの具体的な構成および作用は、特願2003−185459号、特願2003−283691号および特願2004−224041号等に開示されており、なかでも、特願2004−224041号に開示された一の注出ノズルは、軟質の包装袋本体の側部もしくは頂部で、その包装袋本体の内表面に、最外層のシーラント層によって基端部を融着接合されるものであり、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それを挟んで積層したそれぞれのシーラント層とを具える表裏のそれぞれの積層フィルムを、一方のシーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く周辺部分で相互に融着させた構成を有するものである。
また、他の注出ノズルは、軟質の包装袋本体の側部もしくは頂部に、そこから突出させて一体に構成されるものであって、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それの一方の表面側に積層したシーラント層とを具える表裏のそれぞれの積層フィルムを、シーラント層の相互の対向姿勢で、包装袋本体からの突出部の周辺部分で相互に融着させてなるものである。
そしてこれらのいずれの注出ノズルにあっても、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層は、8〜30μmの厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム層またはナイロン樹脂フィルム層にて構成することが好ましいとし、シーラント層は、10〜60μmの厚みの無延伸のポリエチレン層またはポリプロピレン層にて構成することが好ましいとする。
併せて、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層の水蒸気透過度(JIS K7129)は10g/(m2・24h)以下とすることが、積層フィルムの単位幅(15mm)当りの曲げ強さは40〜300mNとすることが好ましいとする。
そして、このような逆止注出ノズルの作用につき、「それを設けた包装袋に充填包装した袋内被包装の使用、消費等に当ってのその被包装物の注出は、注出ノズルが、二層以上の層構造のフィルムになると、三層以上の層構造のフィルムになるとの別なく、それの先端の融着部分を、手指による引裂き切断等によって除去することでノズルに先端注出口を形成し、次いで、その包装袋を、ノズルの注出口が下方に向く姿勢となるように傾動させることによって行うことができ、この場合、軟質の積層フィルムからなる注出ノズルは、被包装物の水頭圧の作用下で表裏側に離隔して先端注出口を開放し、被包装物の、所要に応じた注出を許容する。
なお、被包装物をこのようにして注出するときは、軟質な包装袋本体は、被包装物の注出に伴って、外気の吸い込みなしに、注出体積に対応する量だけ収縮ないしは潰れ変形することになる。
そして、包装袋の傾動によって所要量の被包装物を注出した後は、包装袋を元の起立姿勢に復帰させて注出を停止し、この注出の停止に基き、被包装物に濡れたノズル内表面の、その被包装物の薄膜の介在下での相互の密着を、その停止と同時に、注出ノズルの表裏のフィルムの幅方向、いいかえれば上下方向の全体にわってもたらしてノズルの先端注出口を密閉し、包装袋内への外気の進入を確実に阻止する。
従って、この注出ノズルを具える包装袋では、袋内被包装物は、被包装物の注出前はもちろん、注出中および注出後においても外気との接触から十分に保護されることになり、袋内被包装物の酸化、汚損等が有効に防止されることになる。
ところで、注出ノズルの表裏のフィルムの、ここにおけるこのような密着は、包装袋の起立復帰によって、注出ノズルが水頭圧の作用から解放されて製造時の元形状に復帰することに加え、注出ノズル内の被包装物が包装袋本体内へ戻流するに際して、被包装物に濡れた表裏のフィルムの内表面が、減圧雰囲気に晒されて相互に吸着されること等によって自動的に行われることになり、このような密着は、包装袋からの被包装物の注出に伴って、収縮ないしは潰れ変形された包装袋本体が、それに固有の弾性復元力に基いて、その内部を減圧傾向とする場合により確実になる。
かくしてここでは、注出ノズルに対する特別の操作等なしに、包装袋の起立復帰と併せて、それの先端注出口を自動的に密着封止させることができ、注出ノズルにすぐれた逆止機能を発揮させることができる。」とする。
ところで、以上のような包装袋を、被包装物の充填包装状態でみて、その包装袋を、頂部シール部で吊り下げた姿勢の下で、包装袋の下端の内法幅を、それの上下方向の中央部分での内法幅に対して1.21倍以下として、包装袋の下端の拡幅量を十分小さく抑えた場合には、許容限界内の小ささの上端開口寸法を有する箱体内への、その包装袋の吊り降ろし収納を、少なくとも、包装袋の側部シール部より内側部分の、箱体開口部への干渉なしに、十分円滑にかつ適正に行うことができる。
いいかえれば、仮りに、側部シール部分と箱体開口部とが干渉することがあっても、包装袋の吊り降ろしに際する、その干渉部分への包装袋重量の作用によって、その干渉を解除することで、包装袋の、箱体内への入り込みの円滑性を担保することができる。
そしてこの場合、干渉の解除に当って側部シール部に折れ曲がりが発生することがあったとしても、その側部シール部には被包装物が充填されていないので、その折れ曲がりに起因する被包装物の封じ込めの問題が生じることはない。
この一方で、被包装物を充填包装した包装袋の下端の外法幅を、それの中央部分での外法幅に対して1.16倍以下としたときは、側部シール部の幅の減少下で、包装袋を、箱体内へ一層円滑に吊り降ろし収納させることができる。
図1は、この発明の実施の形態を、頂部シール部をも形成した状態で示す側面図であり、この包装袋は、単層もしくは積層構造のプラスチックフィルムのシーラント層を、たとえば、ヒートシール、高周波シール、インパルスシール等によってシールして、底部および両側部のそれぞれに底部シール部1および側部シール部2のそれぞれを、図に斜線を施して示すように形成するとともに、上端部分に、一方の側部シール部2から側方へ突出する逆止注出ノズル3を付設したものである。
ここで、先端を封止したこの逆止注出ノズル3は、先に述べたように、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それを挟んで積層したそれぞれのシーラント層とを具える、少なくとも三層構造のそれぞれの積層フィルムを、一方のシーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く周辺部分で相互に融着させて構成したものであり、この逆止注出ノズル3は、側部シール部2の形成に当って、その側部シール部分の内面シーラント層を、逆止注出ノズル3の外面シーラント層に融着させることで包装袋の一部を構成する。
このようにして構成された平坦形状をなす包装袋4は、それの頂部開口から、所定量の被包装物を袋内に充填した後、好ましくは、袋内気体の抜気状態で、その頂部開口の密閉封止をもたらす頂部シール部5を、ヒートシールその他のシール方式をもって形成される。
そしてこの発明では、たとえば、底部、頂部および両側部のそれぞれのシール幅を10mmとするとともに、内法幅および内法長さのそれぞれを115mmおよび290mmとすることができるこのような包装袋4において、底部シール部1の下縁の中央部分に、被包装物の充填スペース6側に向く、三角山形状の輪郭形状の一個の切欠き7を、頂部を曲線状として形成し、この切欠き7の寸法を、好ましくは、底辺幅が前記内法幅の
8.7〜43.7%の範囲にあって、深さが前記内法長さの1.7〜8.6%の範囲にあるものとする。なお、このような切欠き7の形成に起因する、底部シール部2の強度不足が懸念される場合には、それの全体または一部のシール幅を適宜の広幅にできることはもちろんである。
図2は、底部シール部1への、切欠きの他の形成例を示す図であり、図2(a)に示すものは、隅部を曲線状とした四角状の、相互に同一寸法の二個の切欠き7を、包装袋の内法幅の三等分位置に形成したものである。
そして図2(b)に示すものは、相互に同一寸法の三角山形状の三個の切欠き7を、包装袋内法幅の四等分位置にそれぞれ形成したものであり、図2(c)に示すものは、隅部を曲線状とした一個の台形状での切欠き7を形成したものである。
さらに、切欠きの輪郭形状は、図3に例示するような曲線形状を有するものとすることもできる。図3(a)、(b)に示すものは、寸法および数を適宜に選択した円弧状輪郭形状を有する切欠き7の形成例であり、図3(c)に示すものは、楕円輪郭形状を有する、そして、図3(d)は長円輪郭形状を有する切欠き7の形状例である。
ところで、以上に述べたような切欠きはいずれも、底部シール部の上縁から、被包装物の充填スペース6側に凸となるように形成した突部と組み合わせて用いることもできる。
図4はその一例を示すものであり、底部シール部1の中央部分に一の台形状の突部8を形成するとともに、底部シール部1の下縁に、図1で述べたと同様の一の切欠き7を、突部8の下方位置に形成したものである。
なお、このような台形状の突部8を、切欠き7とともに形成する場合には、その突部8の下底幅の総計を、袋の内法幅の52.2〜87%の範囲、上底幅の総計を、その内法幅の17.4〜52.2%の範囲とするとともに、各高さを、袋の内法長さの1.7〜8.6%の範囲とすることが好ましく、より具体的には、先に述べた袋寸法の下で、下底幅の総計を60〜100mm、上底幅の総計を20〜60mm、そして高さを5〜25mmとすることが好ましい。
図5は、突部の他の形成例を示す図であり、図5(a)に示すものは、図2(a)で述べた四角状の二個の切欠き7の中間位置、図では中央位置に対応させて、一の三角山形状の突部8を形成し、その突部8の頂部を曲線状に形成したものである。
また、図5(b)に示すものは、図2(b)で述べたと同様の三角山形状の三個の切欠き7に跨って位置する一の四角状の突部8を形成するとともに、切欠き7および突部8のそれぞれの、角ばった隅部を曲線状に形成したものであり、図5(c)に示すものは、図2(c)で述べた台形状の切欠き7の両側部に対応させて、三角山形状の二個の突部8を形成したものである。
図6は、切欠きと突部とのさらに他の組み合わせ例を示す図であり、図6(a)は、三角山形状の一の切欠き7と、円弧状の一の突部8とを相互に対応させて、また、図6(b)は、台形状の一の切欠き7と、円弧状の一の突部とを相互に対応させて形成したものであり、そして、図6(c)は、一の三角山形状の切欠き7と、この切欠き7の側部に対応する二個の突部8とを形成したものである。
包装袋本体のフィルム構造を、透明蒸着膜を設けた15μm厚さの二軸延伸ナイロンフィルム層と、40μm厚さのポリエチレンシーラント層との積層構造とし、逆止注出ノズルを設けた平坦形状包装袋の内法幅を115mm、外法幅を135mmとするとともに、頂部シール部の形成下での内法長さを290mm、外法長さを310mmとした場合において、包装袋内に750mlの水を充填封入して、頂部シール部に穿設した二個の貫通孔を介してその包装袋を吊下げ支持したときの、包装袋の上下方向の中央部分での内外法幅および包装袋の下端部分での内外法幅のそれぞれを、底部シール部に、切欠きも突部も設けていない従来袋と、切欠きだけを形成した実施例袋および、切欠きと突部の双方を形成した実施例袋のそれぞれとについて測定したところ、表1に示すような結果を得た。
なおここで、水を充填包装した状態の下での各種法寸法は、図7に示すようにして測定した。この場合、包装袋の上下方向の中央位置は、被包装物を充填包装する前の平坦包装袋に、頂部シール部の幅を予め見込んで、内法長さの1/2の位置にマーキングを施すことにより特定した。なお、水を充填包装した状態下での包装袋中央部(中腹)の内法寸法は85.0mm、外法寸法は105.0mmであった。
Figure 2007001630
表1に示す結果からわかるように、底部シール部に切欠きを形成した実施例袋はいずれも、従来袋に比して、下端部の内外法寸法をともに大きく低減させ得る他、そられの寸法の、中央部分の内外法寸法に対する拡幅量を小さくすることができた。
即ち、従来袋では、包装袋の下端の内法幅を、それの長さ方向、即ち上下方向の中央部分の内法幅に対して、約1.21倍、外法幅に対して、約1.16倍であったのに対して、本発明に適合する実施例袋では、とくに切欠きと突部との組み合わせに係る実施例袋4〜8において、該充填包装袋の箱体への吊り降し収納が有効であり、実施例袋4では、内法幅で1.06倍、外法幅で0.96倍であった。
従って、底部シール部に切欠きを形成したこれらの実施例袋によれば、たとえば、上端開口の内法寸法が100×100(mm)の箱体内への包装袋の吊り降ろし収納を、たとえ、側部シール部の下端が、箱体開口縁に干渉するものがあっても、十分円滑にかつ適正に行うことができ、このことは、包装袋の側部シール部を、箱体開口の対角線方向に向けた状態でそれの吊り降ろし収納を行う場合には、その開口の内法寸法を75×75(mm)まで縮小しても同様である。
ところで、包装袋を箱体内に吊り降ろし収納するに当っては、図8に例示するように、箱体21の上端開口22の上方位置に、たとえば截頭四角錐状の吊り降ろし案内面を有するガイド手段23を位置決め配置して、このガイド手段23で、包装袋の、所定位置への降下を案内することで、その包装袋の、箱体内への収納をより円滑に行うことができ、このことは、側部シール部2の下端が、箱体21の上端開口縁に干渉する外法寸法を有する包装袋においてとくに有効である。
なお、側部シール部2の外法寸法が、上端開口22の内法寸法より大きい包装袋では、それがガイド手段23の案内面に摺接して下降する間に、最も曲げ剛性の低いその側部シール部2内で、または、その側部シール部2と、被包装物の充填スペースとの境界部分で折り曲げ変形されて、その上端開口22内に入り込み得る寸法に矯正されることになるも、このような折り曲げ変形によっては、被包装物が、折り曲げ変形個所と、底部および側部のそれぞれのシール部との間に封じ込められることがないので、袋内被包装物の全量の完全なる注出を十分に担保することができる。
この一方で、包装袋の下端部の内法寸法が、箱体の開口寸法のそれより大きくなる場合には、仮りに、ガイド手段23の作用下で、包装袋の箱体内への収納が可能になったとしても、この場合には、被包装物の充填スペース内での一以上の折り曲げ部が発生することになるので、折り曲げ変形個所とシール部分との間への、袋内被包装物の、注出不能な封じ込めの発生が不可避となる。
この発明の実施の形態を、頂部シール部をも形成した状態で示す側面図である。 他の実施形態を示す側面図である。 さらに他の実施形態を示す側面図である。 切欠きと突部とを組み合わせてなる実施形態を示す側面図である。 他の組み合わせ実施形態を示す側面図である。 さらに他の組み合わせ実施形態を示す側面図である。 内法寸法および外法寸法の測定態様を示す説明図である。 ガイド手段の使用態様を例示する要部斜視図である。
符号の説明
1 底部シール部
2 側部シール部
3 逆止注出ノズル
4 包装袋
5 頂部シール部
6 被包装物充填スペース
7 切欠き
8 突部
21 箱体
22 上端開口
23 ガイド手段

Claims (11)

  1. 底部と、少なくとも一方の側部とにシール部を設けてなる軟質の包装袋であって、
    底部シール部の下縁に、被包装物の充填スペース側に向けて少なくとも一の切欠きを設けてなる包装袋。
  2. 切欠きの輪郭形状を、側面視で三角山形状、四角状もしくは台形状としてなる請求項1に記載の包装袋。
  3. 各切欠きの各隅部を曲線状に形成してなる請求項2に記載の包装袋。
  4. 切欠きの輪郭形状を、側面視で円弧状、楕円状もしくは長円状としてなる請求項1に記載の包装袋。
  5. 底部シール部の上縁側に、被包装物の充填スペース側に凸となる一個以上の突部を設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の包装袋。
  6. 突部を、切欠きの形成位置と上下方向に対応する位置に設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の包装袋。
  7. 突部を、切欠きの形成位置の中間部に対応させて配設してなる請求項1〜5のいずれかに記載の包装袋。
  8. 突部の輪郭形状を、側面視で三角山形状、台形状もしくは曲線状としてなる請求項5〜7のいずれかに記載の包装袋。
  9. 突部の数を二個もしくは三個としてなる請求項5〜8のいずれかに記載の包装袋。
  10. 上端部分に、側部シール部から側方へ突出する、先端を封止した一の逆止注出ノズルを設けてなる請求項1〜9のいずれかに記載の包装袋。
  11. 被包装物を充填するとともに、頂部開口を密封封止した包装袋の、頂部シール部での吊下姿勢で、包装袋の下端の内法幅を、それの中央部分での内法幅に対して、1.21倍以下としてなる請求項1〜10のいずれかに記載の包装袋。
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