JP2006519788A - ビタミンd類似体およびそれらの治療利用 - Google Patents

ビタミンd類似体およびそれらの治療利用 Download PDF

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Abstract

本発明は、14−エピ−2−アルキル−19−ノルビタミンD誘導体と呼ばれる、ビタミンDの類似体に関する。また、合成の一般的方法および生物学的活性も記述される。一般式は、(I)であり、式中R(αまたはβ指向性)は、アルキル置換基を表し、Xは、ビタミンDの、またはその確立された類似体の1つの典型的な側鎖の部分である。

Description

本発明は、新規ビタミンD類似体に関し、更に詳しくは、2−置換−19−ノル−14−エピ−1,25(OH)23および2−置換−19−ノル−1,25(OH)23類似体に、医薬品としてのそれらの使用に、そして本発明のビタミンD類似体を含む医薬調製物に関する。本発明はまた、これらの2−置換−19−ノル−14−エピ−1,25(OH)23および2−置換−19−ノル−1,25(OH)23類似体の調製方法にも関する。
栄養的(ビタミンD2またはD3)由来、または紫外線の影響下で、皮膚にて産出されるビタミンDは、種々の組織内で代謝されて、まず、25−ヒドロキシビタミンD3[25OHD3]および後に1α,25−ジヒドロキシビタミンD3[1α,25(OH)23]、および多数の他のビタミンD代謝物が産出される。異なる組織(たとえば、肝臓、腎臓、胎盤、ケラチノサイト、繊維芽細胞、単球、骨細胞など)に存在する種々のヒドロキシラーゼ類が、親ビタミンD分子の活性化および不活性化経路両方に関与する。1α,25(OH)23は、その合成が、種々のホルモン類、イオン類および体液性因子によってフィードバック調節され、血漿および骨ミネラルの正常な体恒常性が維持されることから、古典的なステロイドホルモンのように働く。さらに、ビタミンDホルモン(類)は、ほとんどの組織および細胞内に存在する、特異的ビタミンDレセプターの結合および活性化を介して働く。1α,25(OH)23の、核ビタミンDレセプター(VDR)への高い親和性結合と、その後リガンドVDRとレチノイドXレセプター(RXR)との二量化およびVDR−RXRヘテロダイマーの、ビタミンD標的遺伝子のプロモーター領域にある特異的ビタミンD応答性要素(VDREs)への結合が、多量で、多様な遺伝子の組の転写を調節する。さらに、ビタミンD、その代謝物および類似体が、イオンチャンネル、または他の膜関連または第二メッセンジャーシグナルいずれかを活性化することによって、非ゲノム機構を介して働くという、いくつかの証拠が存在する。ビタミンD、その代謝物および類似物は、カルシウムおよびリン酸代謝に強力な効果を持ち、したがって、ビタミンD欠損、および他の血漿および骨ミネラル恒常性の疾病(たとえば、骨軟化症、骨粗鬆症、腎性骨ジストロフィー、上皮小体機能の疾病)の予防および治療に使用可能である。さらに、ビタミンDレセプターは、上記カルシウム恒常性に関連する標的組織に属さない多数の組織および細胞にて見られる。ビタミンDレセプターおよびビタミンD活性はまた、腸および骨以外の、カルシウムトランスポート組織中で記録されてきた(たとえば胎盤および乳腺)。加えて、ビタミンDレセプターおよびビタミンD活性が、ほとんどの他の細胞(たとえば免疫系の細胞、皮膚細胞、大腸、脳、内分泌腺、筋肉細胞)で観察された。これらの細胞または組織は、良性、腺腫様または悪性型でありうる。ホルモンは、種々の免疫学的および悪性細胞の増殖および分化を調節可能であることが発見された。1α,25(OH)23は、増殖の状態から、分化の状態までの変化を決定すると思われる。単球による非特異的免疫の刺激、およびリンパ性特異的免疫の阻害、ならびに正常細胞(胚形成)およびがん細胞(メラノーマ、乳がん細胞、骨髄性白血病、リンパ腫および骨肉腫細胞)の増殖および分化の調節に関与する。これらの非カルシウム性効果と呼ばれるビタミンD、その代謝物および類似体の、免疫系の調節、ホルモン分泌の改変、多数の組織における、カルシウムトランスポートの変更、細胞内カルシウム濃度への影響、細胞分化の誘導または細胞増殖の阻害のような、種々の治療適用するためにこれらの化合物を使用する可能性を創出する。特に、そのような化合物は、過剰増殖性疾病[たとえば、乾癬、がん、(自己)免疫疾患]の治療において、潜在的に有用であると考えられてきている。
現在、ビタミンDに関連した病的状態は、ビタミンD欠損または過剰と分類されている
。ビタミンD欠損は、食物の不十分な外来栄養条件にともなう、太陽光への不十分な暴露、またはビタミンD代謝の異常のいずれかによる。遺伝的異常が、腎ヒドロキシラーゼ(1α−ヒドロキシラーゼ)に関して、またはビタミンDレセプター(ビタミンD抵抗性)に関して記述される。代謝の干渉もまた、種々の病的状態の過程、特に腎不全および副甲状腺機能低下症で起こりえ、また、たとえば抗癲癇作用薬およびコルチコイド類との、薬理学的相互作用の結果として起こりうる。
これらのビタミンD欠損の臨床的な兆候は、骨レベル:くる病、骨軟化症、および骨粗鬆症の症状における可能性のある関与で、ほとんど明瞭に現れる。他の、それほど明瞭ではない関連疾病、たとえば、免疫欠損および特定のがんのより高い発症率、および血管および内分泌疾病のより高い発症率、が存在する。ほとんどの欠損が、ビタミンDの外来栄養性条件によって、迅速に訂正される。活性形態、たとえば、1α,25(OH)23は、代謝が異常である場合、とりわけ、腎不全の場合に、投与されなければならない。しかしながら、1α,25(OH)23は、半減期が短く、しばしば、1日2回投与で調整される。
ビタミンD過剰は、主にビタミンD中毒の間、または活性代謝物の異所性産出の間、たとえば、肉芽腫性疾患(サルコイドーシス)の間、直面する。副甲状腺機能亢進症は、1,25−(OH)2−ビタミンDの過剰産出を刺激し、これはまた、家族性特発性高カルシウム血症を伴ってみられる。治療的に利用されるビタミンDの活性誘導体、とりわけ腎不全で使用される、1,25−(OH)2−ビタミンDは、非常に狭い治療指数を持ち、したがって、ビタミン中毒が、その投与の間一般的である。したがって、ビタミンD中毒の処置はしばしば、ビタミンD欠損の処置の結果である。
1α,25(OH)23の使用に関する主な欠点は、そのカルシウム効果に関する毒性であり、これは、医薬的用量の適用を妨げる。したがって、現在の研究は、超アゴニスト作用強度を持つ類似体の合成、ただし、とりわけ、カルシウム効果からの有益な効果の分離を目指している。
A−環中、CD−環断片中、およびとりわけ、副作用中に改変を組み込んだ、多数の類似体が合成され、生物学的に試験されてきている。現在、19−エキソメチレン機能の除去が有益であることが確立されてきており、19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3が、良好な細胞分化特性を維持したまま、小さなカルシウム効果(1α,25(OH)23のものの10%)を示す。他の改変の中で、(最初に米国特許第6,017,907号にて開示された)14−エピマーが、より小さな抗カルシウム効果を示す(1α,25(OH)23のもののおよそ0.1%)として、現在までに知られているもっとも良い類似体である。
最近、新しいクラスのビタミンD類似体が発見されてきており、19−ノル−14−エピ−1,25(OH)23と呼ばれている(「ビタミンDの新規構造類似体(Novel
structural analogues of vitamin D)」、欧州特許第0 972 762 A2号、米国特許第6,017,907号、Bouillon
R.,De Clercq P.,VanDewalle M)。そのような類似体の生物学的試験によって、強力な高増殖活性と、非常に低いカルウム効果をともなう、選択的活性プロファイルが明らかになった。これらの化合物は、がんまたは種々の皮膚疾病の処置のための、治療薬剤として使用可能でありうる。
1,25(OH)23の2β−ヒドロキシおよびアルコキシ類似体が、米国特許第4,666,634号にて、中外製薬株式会社(Chugai Company)によって記述されている。1,25(OH)23の2−アルキルおよび2−ヒドロキシアルキル類似
体が、Nikagawa et al.,Biochem Pharmacol 60,1937−1947,2000、Nakagawa et al.,Biochem Pharmacol 59,691−702,2000,Takayama et al.,Steroids 66,277−285(2001)、Fujishima et al.,Bioorg Med Chem Lett 8,2145−2148,1998、Suhara et al.,J Org Chem 66,8760−8771,2001、Konno et al.,J Med Chem 43,4247−4265,2000に記述されている。19−ノル−1,25(OH)23の2−ヒドロキシおよび2−アルコキシ類似体の合成および生物学的活性は、J MeD Chem 37,3730−3738,1994にて記述されている。2−アルキル(米国特許第6,127,559号)および2−アルキリデン(米国特許第5,936,133号)ビタミンD化合物として、2−置換A−環19−ノル−類似体が記述され、試験されている。また、Sicinski et al.J Med Chem 45,3366−338,2002、Sicinski et al,J Med Chem 41,4662−4674,1998も参照のこと。炭素2上に置換を持つ、ただ1つの14−エピ−19−ノル−1,25(OH)23が、米国特許第5,936,105号にてすでに記述されており、2−メチレン−14−エピ−19−ノル−1,25(OH)23と呼ばれる。
本発明は、新規ビタミンD類似体、および特定の条件および疾病の処置および予防において、改善した性質を持つビタミンD類似体の使用に関する。
したがって、本発明の第一の態様は、異なる薬物動態学特性を持ち、より好ましい治療指標を有するビタミンDに関する。
特定の態様によると、本発明の類似体は標的細胞に関して異なる生物学的活性を分離可能であり、更に詳しくは、ビタミンDの有効な効果をカルシウム効果より乖離することが想定される。
驚くべきことに、本明細書で記述した化合物は細胞増殖の阻害(ケラチノサイトのような非悪性細胞、ならびに、乳がん、骨肉腫およびは血病妻棒のような悪性細胞)のような、細胞機能における選択的活性を持ち、および/または細胞分化の誘導(たとえば今述べたような細胞型)に対する高い強度を持つが、一方で、(血清および骨カルシウムを測定することにより、および2つのビタミンD−依存タンパク質、血清オステオカルシンおよび十二指腸カルビンディンDの測定により)、くる病で評価されるような、カルシウムおよび骨恒常性において、ならびに、ビタミンD置換正常マウス(同様のエンドポイントを使用する)において非常に低い効果しか持たないことがわかった。したがって、古典的なビタミンD化合物とは異なり、新規の薬物はカルシウムおよび骨恒常性において同様の毒性効果を持たない。とりわけ、新規薬物は一般的に、以下の治療または予防のために使用可能である。
(限定はしないが、1型糖尿病、多発性硬化症、狼瘡および狼瘡様疾病、喘息、糸球体腎炎、自己免疫甲状腺などのような)自己免疫疾患、自己免疫系の選択的不全(たとえばAIDS)、および[移植片(たとえば腎臓、心臓、骨髄、肝臓、膵島または全膵臓、皮膚など)の拒絶または移植片対宿主疾患の予防のような]免疫拒絶の防止、および(たとえば関節リウマチのような)他の炎症系疾患のような免疫疾病。新規に発明された薬物は、単独、または免疫系を干渉することが知られている他の免疫調節薬物(たとえばシクロスポリン、FK506、グルココルチコイド類、モノクローナル抗体類、サイトカイン類または増殖因子類)との組み合わせのいずれかで使用可能である;
過剰増殖および/または炎症および/または(自己)免疫反応のいずれかによって特徴づけられる皮膚疾患(たとえば乾癬、異常角化症、にきび)。さらに、これらの薬物は、皮膚細胞の分化を刺激可能であるので、起源のこだわらない(化学治療または放射による脱毛を含む)脱毛の処置または予防のために使用可能である。
過剰増殖性皮膚疾患(たとえば乾癬)および種々の型のがんおよびその転移(制限はしないが、乳がん、白血病、骨髄異形成症候群およびリンパ腫、扁平上皮細胞がんおよび胃腸がん、メラノーマ、骨肉腫などのような、ビタミンDレセプターを持つか、誘導されうる全ての型のがん)のような、過剰増殖性疾病およびがん。新規発明された薬物は、そのような疾病で治療的価値があると公知の、他の化学治療薬物との組み合わせで使用可能である。これらの新規薬物は、古典的な化学治療剤と比較して、細胞分化を刺激可能でもあるので、そのような疾患に対してとりわけ有益でありうる;
ビタミンD類似体は、(たとえば慢性腎不全、二次性副甲状腺機能亢進症および副甲状腺機能低下症における)インスリン分泌の増加、または副甲状腺ホルモン分泌の選択的調節のような、ホルモン分泌を調節可能であるので、内分泌疾病;および
新規薬物が、その機能が広く細胞内カルシウム移動に依存している細胞(たとえば内分泌細胞、筋肉など)において、有益な効果を持つので、異常な細胞内カルシウム操作によって特徴づけられる疾患。
新規の化合物の使用は、ヒト疾病ならびに獣医学薬物での適用が可能である。
その治療効果のために必要な新規化合物の量は、その適応症、投与経路および処置する種(動物/ヒト)にしたがって、変更可能である。化合物は、腸内、非経口または局在局所経路によって投与可能である。皮膚疾病の処置において、軟膏、クリームまたはローションのような、局所適用が、全身投与より好ましく、好ましくは、0.1〜500μg/gの用量である。錠剤、カプセル、液体として、または非経口注射のための、適切な担体、希釈液および/または溶媒中の無菌調製物としての全身投与には、適応症および臨床/獣医学的状況に依存して、1日あたりマイクログラム量の化合物を使用する。
本発明の特定の実施形態にしたがって、類似体は、骨再吸収細胞において同時の有効性なしに、骨形成細胞において増加活性を持つか、その逆で、記述される。そのような類似体は、骨粗鬆症のような骨疾病の処置にて有用である。
本発明の他の特定の実施形態にしたがって、類似体は、がん細胞(たとえば白血病または乳がん細胞)の増殖を阻害する、および/または分化を増殖させる有効性の増強、同時に血清、尿または骨カルシウムまたはリン酸恒常性に影響を与える有効性の減少を持って、記述される。そのような類似体は、がん治療で興味深い。
本発明のまたさらなる態様にしたがって、1α,25(OH)23の類似体を、他の薬物(たとえば、増殖因子またはサイトカイン類、他のステロイドまたは抗ステロイドホルモン類、またはレチノイン酸または関連化合物、化学治療剤)と組み合わせることによって、増殖および分化における増強効果が得られる。同様に、類似体は、天然のビタミンDホルモン(類)の他の活性に関しては、同様の相対的な有効性を持たずに、特異的なホルモン分泌(たとえば副甲状腺ホルモン、インスリン)において、活性が増加したものが想定される。免疫系(活性化T細胞、抗原提示細胞)において活性が増加した類似体が、免疫疾病の処置のために想定される。確かに、ビタミンDの類似体は、カルシウムおよびリン酸代謝に大きな効果を持たずに、I型糖尿病、移植片拒絶の実験モデルにおいて、効果的であることが証明された。
本発明のさらなる態様にしたがって、不活性前駆体の使用が想定され、これは、経口投
与が行われる場合に、腸における直接の活性を制限する利点がある。そこで、いくつかの前駆体が、ビタミンDの通常の代謝には依存しない経路で活性化されうる(「プロドラッグ(proDrugs)」と呼ばれる)。そのような誘導体は、in vivoにおける選択的生物学的効果を与えることが可能な、特別の生物分布を提示する。それらのいくつかが、たとえば乾癬の効果的な処置を構成する、経皮投与のような他の投与経路に非常に好適である。
本発明は、1つまたはそれ以上の低級置換基を、炭素2の位置で持つ、ビタミンD化合物、更に詳しくは14−エピ−19−ノル−1,25(OH)23および19−ノル−1,25(OH)23類似体の特定の立体異性体に関し、前記低級アルキル置換基は、炭素20またはそれ以上において、前記鎖の改変を持つか、または持たずに、官能原子または基によって任意に置換される。とりわけ、驚くべきことに、炭素1、炭素2および炭素3にて、立体異性的配座の特定の組み合わせが、予期せぬ生物学的活性プロファイル、毒性プロファイルおよび薬物動態学的プロファイルを、相当するビタミンD類似体に提供することがわかった。したがって、特定の実施形態にしたがって、本発明は、本発明の19−ノル−1,25(OH)23の特定の立体異性体、更に詳しくは、炭素2の位置に、一つのみの低級アルキル置換基が存在する、14−エピ−19−ノル−1,25(OH)23の特定の立体異性体に関し、好ましくは、前記低級アルキル置換基が、1つ以上の炭素原子を持つ場合、それによって前記炭素2の位置での配座αの選択が、前記炭素2の位置で配座βを持つ相当する立体異性体に関して、側鎖の有意で有用な減少を提供可能である。そのような化合物が尿および/または血清カルシウムの上昇を引き起こすことなしに、骨内のカルシウムレベルを増加可能である。結果として、(前記炭素2の位置で、配座αを持つ)選択された立体異性体が、骨粗鬆症のような骨疾患の処置で、好ましく興味深いものである。
本発明の他の実施形態によれば、19−ノル−1,25(OH)23、詳しくは、1つのみの低級アルキル置換基を、炭素2の位置で持ち、それによって低級アルキル置換基が、2〜5個の炭素原子を持つ、14−エピ−19−ノル−1,25(OH)23が、位置2で、少なくとも5つの炭疽原子を持つアルキル置換基を含む、相当する類似体よりも、有意に高い特異性比を提供可能であるように、提供される。結果として、選択された類似体(2〜5個の炭素原子を持つアルキル置換基、とりわけ、前記炭素2の位置で配座αまたは配座βのいずれかを持つ、2炭素原子のアルキル置換基を持つもの)が、がんの処置において、好ましく興味深いものである。
したがって、本発明は、新規のビタミンD類似体、および医薬品としてのその使用に関する。本発明は、更に詳しくは、細胞性過剰増殖によって特徴づけられる、がんまたは他の疾患の処置のための、医薬品の調製のための、細胞分化の誘導のための、免疫学的または炎症疾患の処置または予防のための、そして骨粗鬆症の処置および予防のためのような、カルシウムが必須の調節薬剤である、細胞機能の改善のための、本発明の特定の化合物の使用に関する。本発明はさらに、高収率および純度での、本発明の特定の化合物の調製の好適な方法に関する。
(定義)
置換基に関して本明細書で使用し、他に言及しない限り、語句「C1-5アルキル」および「1〜5個の炭素原子を持つアルキル基」は、たとえば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、1−メチルエチル(イソプロピル)、2−メチルプロピル(イソブチル)、1,1−ジメチルエチル(ter−ブチル)、2−メチルブチル、n−ペンチル、ジメチルプロピルなどのような、1〜5個の炭素原子を持つ、直鎖および分岐鎖、飽和アシル炭化水素一価ラジカルまたは基を意味する。
置換基に関して本明細書で使用し、他に言及しない限り、語句「アリール」は、限定はしないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントラシル、フルオランセニル、クリセニル、ピレニル、ビフェニルイル、テルフェニル、ピセニル、インデニル、インダセニル、ベンゾシクロブタニル、ベンゾシクロオクテニルなどのような、6〜30個の炭素原子を持つ、モノ−芳香族またはポリ−芳香族一価炭化水素ラジカルを意味し、たとえばインダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルなどのような、融合ベンゾ−C5-8シクロアルキルラジカル(以上で定義したようなものである)を含む。
本明細書で使用するところの語句「不飽和」は、脂肪族不飽和炭化水素ラジカル、すなわち、1つまたはそれ以上のエチレンンまたはアセチレン不飽和基を持つ、直鎖または分岐鎖非環式炭化水素一価ラジカルを意味する。
本明細書で使用し、他に言及しない限り、語句「シクロアルキル」は、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのような、3〜10炭素原子を持つ、単環飽和炭化水素一価ラジカル、またはたとえばノルボルニル、フェンチル、トリメチルトリシクロヘプチルまたはアダマンチルのような、7〜10炭素原子を持つ、C7-10多環飽和炭化水素一価ラジカルを意味する。
置換基に関して本明細書で使用し、他に言及しない限り、語句「ヘテロ環状」は、2〜15個までの炭素原子を持ち、1つまたはそれ以上のヘテロ環状環中に1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含む単環または多環、飽和または単不飽和または多不応和一価炭化水素ラジカルを意味し、前記環のそれぞれは、3〜10個の原子を持ち(任意にさらに、たとえばカルボニルまたはチオカルボニル、またはセレノカルボニル基の形態で、前記環の1つまたはそれ以上の炭素原子に、および/または、スルホン、スルホキシド、N−オキシド、リン酸、ホスホネートまたはセレニウムオキシド基の形態で、前記環の1つまたはそれ以上のヘテロ原子に連結した、1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み)、前記ヘテロ原子のそれぞれが独立して、窒素、酸素、硫黄、セレニウムおよびリンからなる群より選択され、また、たとえばベンゾ−融合、ジベンゾ−融合およびナフト−融合ヘテロ環状ラジカルの形態で、ヘテロ環状環が、1つまたはそれ以上の芳香族炭化水素環に融合するラジカルを含む。
本明細書で使用し、他に言及しない限り、語句「エナンチオマー」は、光学的に純粋であるか、または、少なくとも80%、(すなわち、少なくとも90%の1つのエナンチオマーおよびほぼ10%の他のエナンチオマー)、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも98%の、エナンチオマー過剰である、本発明の化合物または中間体の、それぞれの個々の光学的に活性化形態を意味する。
したがって、本発明の第一の態様は、新規な2−アルキル化−19−ノル−14−エピ−1α,25(OH)23化合物および2−アルキル化−19−ノル−1α,25(OH)23化合物に関する。本発明は、ビタミンD活性の必須の特徴のいくつかを維持してはいるが、より選択的なパターンであり(すなわち、生理学的ビタミンDホルモンの活性全てが、同様の相対活性で維持されてはいない)、A−環中および側鎖中で改変された構造を持ち、但し好ましくは、限定はしないが、以下の一般式(I)にて表すように、シス融合CD−環系を持つ、前記の新規な化合物の合成および生物学的評価に関する。したがって、本発明は、一般式(I)に相当する、本発明の一般的な実施形態にしたがった、2−アルキル化−19−ノル−14−エピ−1α,25(OH)23化合物および2−アルキル化−19−ノル−1α,25(OH)23化合物、その医薬的に許容可能な塩および/または溶媒物に関し、
Figure 2006519788
式中
−Pは、水素、アルキル(好ましくはC1-7アルキル)、シクロアルキル(好ましくはC3-10シクロアルキル)、アシル(好ましくはC1-7アシル)および他の保護基からなる群より選択され、
−炭素原子14および20における波線は、前記炭素原子それぞれが、独立して、RまたはS配座いずれかを持つことを意味し、
−RおよびR’は独立して水素および1〜5個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子、もっとも好ましくは1〜2個の炭素原子を持ち、任意に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、スルホヒドリルおよびアミノからなる群より選択された、1つまたはそれ以上の官能原子または基で置換された、直鎖または分岐アルキルからなる群より選択され、、RおよびR’両方が水素ではなく、1つのRおよびR’が水素の場合、もう一つのRおよびR’は、ただ1つの炭素原子を持つアルキル基であり、前記の基が、炭素2で配座αであり、水素原子が、炭素14で配座βであり、
−Xは、以下のように置換または官能基化可能である、2〜15炭素原子からなるアルキル側鎖を表し、
・1つまたはそれ以上の位置で、たとえば位置24、25および/または26で、ヒドロキシル置換、および/または
・1つまたはそれ以上の位置で、たとえば位置24、26および/または27で、メチルまたはエチル置換、および/または
・1つまたはそれ以上の位置でハロゲン置換(群)、たとえば、位置26および/または27で、ペルフルオレート、または位置24でジフルオレート、および/または
・以上で言及した1つまたはそれ以上のヒドロキシル置換基のエステル誘導体またはエーテル誘導体、および/または
・たとえば1つまたはそれ以上の位置22、23および24での、1つまたはそれ以上の炭素原子の、酸素、窒素または硫黄原子への変換、および/または
・一結合(シクロプロパン)による、または1〜4炭素原子の仲介による、炭素原子26と27の間の環化で、得られた環は、飽和、不飽和、または芳香族であり、任意に、1つまたはそれ以上の以上で言及した置換基によって、任意の可能性のある位置(群)で置換される、および/または
・1つの炭素での、または2つの炭素原子間での、1〜4原子による環化で、芳香族を含む、ヘテロ環状環が形成され、任意の可能性のある位置にて、1つまたはそれ以上の以上で言及した置換基で置換されうる、および/または
・1つまたはそれ以上の二重または三重C−C結合(群)を持つ不飽和で、これらの不飽和鎖は、任意に、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基によって、任意の可能性のある位置で置換される、および/または
・1つまたはそれ以上の炭素間(好ましくは22と23、または23と24、または24
と25、または25と26)のエポキシド化で、得られたエポキシド鎖(群)は、飽和または不飽和であり、飽和である場合、任意に、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基で、任意に可能性のある位置で任意に置換される、および/または、
・前記アルキル側鎖Xの2つまたはそれ以上の炭素原子が、一重結合によって、または1〜5炭素または酸素または窒素または硫黄原子の仲介によって連結し、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基によって、任意の可能性のある部位(群)で飽和されうる、3〜7員飽和または不飽和炭素環状(芳香族を含む)またはヘテロ環状環が形成される、および/または
・以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基で、任意の可能性のある位置(群)で、置換されうる、1つまたはそれ以上の飽和または不飽和、炭素環状(不飽和を含む)、またはヘテロ環状環による、1つまたはそれ以上の位置での置換、
・前記アルキル側鎖Xのすべての可能性のある異性体形態を含む。
特定の実施形態において、本発明は、炭素14の位置での水素が、配座β(14−エピと呼ぶ)である、好ましいビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、炭素14における水素原子が、配座αである、若干好ましいビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、RおよびR’がいずれも水素ではない、ビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが、ただ1つの炭素原子でのアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素1の位置で配座αである、ビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが、ただ1つの炭素原子のアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素3の位置で配座αである、ビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、1つのRおよびR’が水素であり、RおよびR’の他の1つが、ただ1つの炭素原子のアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素3の位置で配座βである、ビタミンD類似体に関する。他の特定の実施形態において、本発明は、RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが2つの炭素原子を持つアルキル基である、ビタミンD類似体に関する。
特定の実施形態において、本発明は以下の構造の化合物に関する。
Figure 2006519788
他の特定の実施形態において、本発明は以下の構造の化合物に関する。
Figure 2006519788
特定の実施形態において、本発明は以下の構造の化合物に関する。
Figure 2006519788
特定の実施形態において、本発明は以下の構造の化合物に関する。
Figure 2006519788
本発明の他の特定の実施形態は、構造(20S配座)を持つ化合物に関する。
Figure 2006519788
本発明の第二の態様は、医薬品としての、式Iにしたがった化合物の使用に関する。本発明はまた、過剰増殖疾病の処置のため、またはがんおよび乾癬のような、過剰増殖疾病の予防または処置のための医薬品の調製のため、および細胞分化の誘導のための、式Iにしたがった化合物の使用に関する。本発明はまた、(アレルギー、喘息、自己免疫疾病、移植拒絶などのような)免疫学的疾病の処置のため、または任意に免疫系干渉薬剤との組み合わせで、免疫学的疾病、炎症疾患(すなわち関節リウマチ)、乾癬のような皮膚疾患およびがんのような過剰増殖疾患の予防または処置のための医薬品の調製のための、式Iにしたがった化合物の使用にも関する。本発明はさらに、カルシウムが、必須の調節薬剤である細胞の機能、たとえば内分泌腺によるホルモン分泌、骨粗鬆症に必要な筋肉細胞および骨細胞の機能を改善するための、医薬品の調製のための、式Iの化合物の使用に関する。
本発明はまた、医薬的に活性な成分として、とりわけ、細胞増殖の阻害剤、および/または細胞増殖の誘導物として、式Iの化合物の使用にも関する。したがって、本発明はまた、がんおよび乾癬のような過剰増殖疾病、免疫学的疾病、炎症性疾病、骨粗鬆症のようなカルシウム関連疾患の予防および/または処置のための、およびヒト及び哺乳動物における細胞分化の誘導のための、細胞増殖において阻害効果を持つ、および/または細胞分化において誘導剤効果を持つ、医薬品または医薬組成物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明はまた、治療的に効果的な量の本発明の化合物、および医薬的および/または獣医学的に許容可能な担体または希釈液を含む、医薬調節物に関する。本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における、過剰増殖疾病の処置の方法に関し、そのような処置が必要な動物に任意に少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体と混合して治療的に効果的な量の式Iの化合物を投与することを含む。
本発明の他の態様は、式Iの化合物の調製のための方法、更に詳しくは、本明細書で特に開示された化合物の調製のための方法、活性成分が任意に約0.1〜100重量%の濃度範囲である、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体、を混合して含む医薬的組成物、およびこれらの誘導体の使用に関する。
本発明の化合物は、過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病の処置または予防のために提供されるものである。本発明の化合物は、例えば、がんおよび乾癬等の疾病でのような、細胞増殖における阻害効果を持つ。化合物はまた、自己免疫疾病のような、免疫学的および/または炎症性疾患において、陽性効果も持つ。本発明の化合物はさらに、カルシウム代謝に活性を持ち、骨粗鬆症のような疾病で有用である。
本発明の文脈内で予想される用量は、0.1μg/kg/日〜500μg/kg/日、とりわけ0.5μg/kg/日〜100μg/kg/日、更に詳しくは、1.0μg/kg/日〜10μg/kg/日の範囲内である。処置すべき病的状態、および患者の状態に依存して、前記効果的な量を、一日あたり、1またはそれ以上のサブユニットに分割してよく、または1日以上の間隔で投与可能である。
特定の実施形態にしたがって、本発明のビタミンD類似体が、より高い特異性によって特徴づけられ、したがって、より高い用量および/またはより頻繁な投与、および/または、ビタミンD毒性として言われる場合に、副作用の発現なしに、長期間、それを必要とする患者を処置可能である。主にそのカルシウム効果に関連した、ビタミンD毒性は、限定はしないが、吐き気、嘔吐、食欲減衰、便秘、脆弱性、体重減少のような症状を引き起こしうる。高いレベルのカルシウムがまた、精神状態の変化(たとえば錯乱状態)および心臓リズム異常も引き起こしうる。石灰沈着症、すなわち腎臓のような軟組織におけるカルシウムおよびリン酸の沈着も、ビタミンD毒性によって引き起こされうる。
現在臨床設定(たとえばパリカルシトール、カルシトリオールなど)で使用されている量より高い用量での、ビタミンD類似体の投与は、これらの類似体のカルシウム効果が用量制限性であり、しばしば最適効果となるので、興味深い。
本発明の類似体の延長投与(すなわち、数週間〜生涯)が、代謝性ビタミンD欠損の処置、がん、自己免疫疾患、アルツハイマー病および骨粗鬆症のような、persistantまたは構造的(?)疾患の処置、またはより長い時間日光の減少にかけたヒトへの投与にて、とりわけ興味深い。
さらに、本発明の類似体は、低体重の患者、または代謝性疾患の患者のような、vitDのカルシウム性副作用に感受性の、治療が必要な患者の治療で、または重症腎不全、強心剤配糖体(たとえばジゴキシン、ジギタリス)での治療を受けている患者、またはサルコイドーシスの患者でのような、ビタミンDの投与が、禁忌である状況で、とりわけ利用される。
本技術分野で一般的であるように、薬物組み合わせでの相乗効果の評価は、Chou et al.,in ADv.Enzyme Reg.(1984)22:27によって記述された中央値効果原則を用いて、個々の薬物間の相互作用の定量を解析することによって実施しうる。簡単に記すと、この原則は、二つの薬物間の相互作用(相乗効果、相加効果、アンタゴニズム)が、以下の等式
Figure 2006519788
によって定義される組み合わせ指数(本明細書以下ではCIとする)を用いて定量可能である。式中EDxは、単独で(1a、2a)または、第二またはそれぞれ第一薬物との組み合わせで(1c、2c)使用した、該効果を産出するために必要である、第一またはそれぞれ第二薬物の用量である。前記第一および第二薬物は、それぞれ、CI<1、CI=1またはCI>1に依存して、相乗または相加またはアンタゴニスト効果を持つ。
この原理は、本発明の異なる薬物の組み合わせ、または本発明の薬物と、過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病に治療的な効果を提示する他の薬物との組み合わせに適用しうる。したがって、本発明は、過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病に相乗効果を持つ、そして、
(A)過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病の処置または予防において、同時に、分割して、または連続して使用するための、
(a)本発明の2つまたはそれ以上の化合物、および
(b)任意に1つまたはそれ以上の医薬賦形剤または医薬的に許容可能な担体、
の組み合わせ、または
(B)過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病の処置または予防において、同時に、分割して、または連続して使用するための、
(c)(抗がん剤のような)過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病に効果を持つ1つまたはそれ以上の薬剤、
(d)少なくとも1つの、本発明の化合物、および
(e)任意に1つまたはそれ以上の医薬賦形剤または医薬的に許容可能な担体、
の組み合わせ、のいずれかを含む、医薬組成物または組み合わせ調製物に関する。
本発明にしたがった、過剰増殖疾病、免疫学的、炎症性およびカルシウム代謝関連疾病に対して、相乗活性を持つ、医薬組成物または組み合わせ調製物には、調製物の考慮された使用および予想された効果に依存して、広い含有範囲のなかで、本発明の19−ノル−14−エピ−1,25(OH)23誘導体が含まれる。一般的に、組み合わせ調製物の、本発明の19−ノル−14−エピ−1,25(OH)23誘導体の含量は、0.1〜99.9重量%、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは5〜95重量%の範囲内である。
本発明はさらに、獣医学的担体と共に、以上で定義したような、少なくとも1つの成分を含む、獣医学的組成物を提供する。獣医学的担体は、組成物を投与する目的のために有用である物質であり、不活性であるか、獣医学領域で許容可能であり、活性成分と適合可能である、固体、液体または気体物質でありうる。これらの獣医学組成物は、経口、非経口、または他の望む経路で投与しうる。
さらに一般的には、本発明は、生物学的活性を持つ薬剤として、または診断薬剤として有用である、式Iの化合物に関する。本発明にしたがって言及された任意の使用は、非医療使用、非治療使用、非診断使用、または排他的に、in vitro使用、または動物から離れた細胞に関する使用に制限されうる。
当業者はまた、いくつかの本発明の化合物が、他のもののなかで、その環境のpHに依存して、異なるプロトン化状態にて存在しうることを認識するであろう。本明細書で提供した構造式が、いくつかの可能性のあるプロトン化状態のうち1つのみにおいて化合物を描写しているが、これらの構造は、例示のみであり、本発明は、任意の特定のプロトン化状態、化合物の任意およびすべてのプロトン化形態が、本発明の目的の範囲内であることが、理解されるであろう。
本明細書で使用するところの、語句「医薬的に許容可能な塩」は、式Iのいくつかの化合物が形成可能である、治療的に活性な非毒性塩形態を意味する。したがって、本発明の化合物は、任意に、本明細書での化合物の塩、とりわけ、たとえば、Na+、Li+、K+、Ca+2およびMg+2を含む、医薬的に許容可能な非毒性塩を含む。そのような塩には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオン、またはアンモニウム、および酸アニオン部位、典型的にはカルボン酸との第四級アミノイオンのような、適切なカチオンの組み合わせによって誘導されたものが含まれうる。本発明の化合物は、多重正または負電荷を持ちうる。本発明の化合物のネット電荷は、正または負いずれかでありうる。任意の関連したカウンターイオンは、典型的には、化合物を得る合成および/または単離方法によって影響を受ける。典型的なカウンターイオンには、限定はしないが、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、ハロゲン化物、酢酸、トリフルオロ酢酸など、およびこれらの混合物が含まれる。結合カウンターイオンの同定が、本発明の重要な特徴ではないこと、および本発明が、任意の型のカウンターイオンとの結合での化合物を意図していることが理解されるであろう。さらに、化合物が、種々の異なる形態で存在可能であるので、本発明は、カウンターイオンとの結合での化合物の形態(たとえば乾燥塩)のみではなく、カウンターイオンとの結合ではない形態(たとえば水性または有機溶液)も意図している。さらに、この語句はまた、式Iの化合物、ならびにたとえば水和物、アルコラートなどのようなそれらの塩を形成可能な、溶媒和物を含む。最後に、本明細書の組成物が、そのイオン化されていない状態、ならびに両性イオン形態で、および水和物でのような、化学両論的な量の水との組み合わせでの、本発明の化合物を含むことが理解されるべきである。また、1つまたはそれ以上のアミノ酸、とりわけ、タンパク質成分としてみられる、天然に存在するアミノ酸との、いくつかの親化合物の塩も、本発明の目的内に含まれる。アミノ酸は、典型的には、たとえばリシン、アルギニンまたはグルタミン酸のような、塩基性または酸性基、または、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、イソロイシン
またはロイシンのような、中性基の、側鎖を持つものである。
本発明の化合物にはまた、その生理学的に許容可能な塩が含まれる。本発明の化合物の生理学的に許容可能な塩の例には、アルカリ金属(たとえばナトリウム)、アルカリ土類(たとえば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX4+(式中XはC1〜C4アルキル)のような、適切な塩基から由来する塩が含まれる。ヒドロキシル基を含む化合物の生理学的に許容可能な塩には、Na+およびNX4+(式中Xは典型的には、独立して、HまたはC1〜C4アルキル基から選択される)等の好ましいカチオンと組み合わせて、前記化合物のアニオンが含まれる。したがって、生理学的に許容可能ではない酸または塩基の塩もまた、たとえば、生理学的に許容可能な化合物の調製または精製にて使用しうる。医薬的に許容可能な酸または塩基から由来する、しないにかかわらず、全ての塩が、本発明の目的の範囲内である。
本明細書で使用するところの語句シスおよびトランスは、ケミカル アブストラクツ(Chemical Abstracts)命名法にしたがい、環部位の置換基の位置の参照を含む。式(I)の化合物の絶対的立体化学配座は、たとえば、X−線回折のような、公知の方法を使い、当業者によって簡単に決定されうる。
本発明の化合物は、従来の担体および賦形剤と共に処方しえ、通常の実施にともなって選択されうる。錠剤には、賦形剤、潤滑剤、充填剤、結合剤などが含まれうる。水性処方は、無菌形態で調製され、経口投与による伝達を意図する場合、一般的に等張でありうる。処方は任意に、「Handbook of Pharmaceutical Excipients)」(1986)で列記されたような賦形剤を含み、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、EDTAのようなキレート剤、デキストリンのようなカルボン酸、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などのような炭水化物が含まれる。
続いて、本明細書で使用するところの語句「医薬的に許容可能な担体」は、たとえば、前記組成物を溶解、分散または拡散することによって、処置すべき局所へのその適用または流布を促進するため、および/またはその効果を損なうことなしに、保存、伝達または取り扱いを容易にするために、活性成分が処方される、任意の物質または基質を意味する。医薬的に許容可能な担体は、固体または液体、または凝縮して、液体が形成される気体でありえ、すなわち本発明の組成物は、好適には、濃縮物、エマルション、溶液、顆粒、ダスト、スプレー、エアゾル、懸濁液、軟膏、クリーム、錠剤、ペレットまたは粉末として利用可能である。
前記医薬組成物での使用のために好適な担体、およびそれらの処方は、当業者によく知られており、本発明内で、それらの選択に特別な制限はない。これらにはまた、医薬的実施に一致するものと同一という条件で、すなわち、哺乳動物に対して、永続的な障害を引き起こさない担体および添加剤という条件で、湿潤剤、分散剤、粘着剤、接着剤、乳化剤、溶媒、コーティング、抗細菌および抗真菌剤(たとえば、フェノール、ソルビン酸、クロロブタノール)、(糖または塩化ナトリウムのような)等張剤などのような添加物が含まれうる。本発明の医薬組成物は、たとえば、活性成分を、均質に混合すること、コートすることおよび/または粉砕することによって、一段階または多段階手順にて、選択した担体物質とともに、任意の公知の方法で調製可能であり、好ましい場合には、表面活性薬剤のような他の添加物もまた、たとえば、通常約1〜10gmの直径を持つマイクロスフィアの形態で得るという目的で、すなわち、活性成分の制御または持続放出のためのマイクロカプセルの製造のために、イニクロニゼーションによっても調製しうる。
本発明の組成物中で使用されうる、乳化剤(emulgentまたはemulsifi
er)として知られている、好適な表面活性剤は、良好な乳化、分散および/または湿潤特性を持つ、非イオン性、陽イオン性および/または陰イオン性物質である。好適な陰イオン性表面活性剤には、水溶性石けんおよび水溶性合成表面活性剤両方が含まれる。好適な石けんは、アルカリまたはアルカリ土類金属塩、より高次脂肪酸(C10〜C22)の未置換または置換アンモニウム塩、たとえば、オレイン酸またはステアリン酸の、またはココナッツ油または獣脂油から得ることが可能な、天然の脂肪酸混合物の、ナトリウムまたはカリウム塩である。合成界面活性剤には、ポリアシル酸のナトリウムまたはカルシウム塩、脂肪スルホン酸および硫酸塩、スルホン酸ベンズイミダゾール誘導体およびアルキルアリールスルホン酸が含まれる。脂肪スルホン酸または硫酸は通常、アルキルまたはアルキル土類金属塩、未置換アンモニウム塩、または8〜22個の炭素原子を持つ、アルキルまたはアシルラジカルで置換したアンモニウム塩、たとえばリグノスルホン酸またはドデシルスルホン酸のナトリウムまたはカルシウム塩、または天然の脂肪酸から得た、脂肪アルコール硫酸の混合物、(ラウリル硫酸ナトリウムのような)硫酸またはリン酸エステルのアルカリおよびアルカリ土類金属塩、および脂肪アルコール/エチレンン オキシド添加物のスルホン酸が含まれる。好適なスルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、好ましくは、8〜22個の炭素原子を含む。アルキルアリールスルホン酸の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸またはジブチル−ナフタレンスルホン酸、またはナフタレン−スルホン酸/ホルンアルデヒド縮合産物のナトリウム、カルシウム、またはアルカノールアミン塩である。たとえば、リン酸エステルの塩、p−ノニルフェノールの、エチレンンおよび/またはプロピレンオキシドとの添加物、またはリン脂質のような、相当する硫酸塩もまた好適である。この目的のための、好適なリン脂質は、たとえば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセリン、リソレシチン、カルジオリピン、ジオクタニルホスファチジル−コリン、ジパルミトイルホスファチジル−コリンおよびそれらの混合物のような、セファリンまたはレシチン型の天然(動物または植物細胞由来)または合成リン脂である。
好適な非イオン性表面活性剤には、分子内に少なくとも12個の炭素原子を含む、アルキルフェノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪族アミンまたはアミドのポリエトキシ化およびポリプロポキシ化誘導体、脂肪族および肝臓脂肪族アルコール、飽和および不飽和脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテルのような、アルキラレンスルホネートおよびジアルキルスルホコハク酸、好ましくは、3〜10個のグリコールエーテル基、および(脂肪族)炭化水素部位内に、8〜20個の炭素原子、およびアルキルフェノールのアルキル部位中に6〜18個の炭素原子を含む、前記誘導体が含まれる。さらに好適な非イオン性表面活性剤は、アルキル鎖中に1〜10個の炭素原子を含む、ポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコールとの、ポリエチレンオキシドの水溶性添加物であり、添加物は、20〜250個のエチレンングリコールエーテル基および/または10〜100個のプロピレングリコールエーテル基を含む。そのような化合物は通常、プロピレングリコールユニットあたり、1〜5個のエチレンングリコールユニットを含む。イオン性界面活性剤の代表例は、ノニルフェノール−ポリエトキシエタノール、カストール油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド添加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリ−エトキシエタノールである。(ポリオキシエチレンン ソルビタン トリオレートのような)ポリエチレンソルビタンの脂肪酸エステル類、グリセロール、ソルビタン、スクロースおよびペンタエリスリトールもまた、好適な非イオン性表面活性剤である。
好適な陽イオン性界面活性剤には、任意に、ハロ、フェニル、置換フェニルまたはヒドロキシで置換された4つの炭化水素ラジカルを持つ、第四級アンモニウム塩、とりわけハロゲン化物、たとえば、N−置換として、少なくとも1つのC8C22アルキルラジカル(たとえば、セチル、ラウリル、パルミチル、ミリスチル、オレイルなど)を、そしてさ
らなる置換基として、未置換またはハロゲン化低級アルキル、ベンジルおよび/またはヒドロキシ−低級アルキルラジカルを含む、四級アンモニウム塩を含む。
この目的のために好適な、界面活性剤のより詳細な記述は、たとえば、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual)」(MC Publishing Corp.,Ridgewood,New Jersey,1981)、「Tensid−Taschenbucw」、2d ed.(Hanser Verlag,Vienna,1981)および「Excyclopaedia of Suractants,(Chemical Publishing Co.,New York,1981)にて見られる。
本発明の化合物およびそれらの生理学的に許容可能な塩(本明細書以下では、まとめて、活性成分と呼ぶ)は、処置すべき状態に適切な任意の経路、経口、経直腸、経鼻、(経皮、眼、口腔および舌下を含む)局所、膣および(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)非経口を含む好適な経路によって投与しうる。好ましい投与形態は、たとえば、レシピエントの状態とともに変化しうる。
活性成分を単独で投与することが可能である一方で、医薬的処方として、存在することも可能である。獣医およびヒト使用両方のための、本発明の処方には、1つまたはそれ以上の医薬的に許容可能な塩、および任意に他の治療成分と一緒に、以上で記述したような、少なくとも1つの活性成分が含まれる。担体は、最適には、処方の他の成分と適合可能であるが、そのレシピエントに対して有害ではない、という意味で、「許容可能」である。処方には、経口、経直腸、経鼻、(経皮、眼、口腔および舌下を含む)局所、膣または(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)非経口投与のために好適なものが含まれる。処方は、ユニット投与形態で、都合良存在してよく、薬剤学の領域でよく知られている任意の方法によって調製してよい。そのような方法には、1つまたはそれ以上のアクセサリー成分を構成する担体との、活性成分の結合に持ち込む段階が含まれる。一般的に、処方は、活性成分の、液体担体または微細に分割された固体担体、または両方との結合に均一および親密に持ち込み、ついで必要ならば製品を整形することによって調製する。
経口投与のために好適な本発明の処方は、それぞれ、先に決定された活性成分の量を含むカプセル、カプセルまたは錠剤のような分離ユニットとして、粉末または顆粒として、水性溶液または非水性溶液中の溶液または懸濁液として、または水中油液体エマルジョン、または油中水液体エマルジョンとして、存在して良い。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとしても存在して良い。
錠剤は、任意に1つまたはそれ以上のアクセサリー成分との、圧縮またはモデリングによって作製しうる。圧縮錠剤は、好適な機械の中で、任意に結合剤、潤滑油、不活性希釈液、保存剤、表面活性剤または分散剤と混合した、粉末または錠剤のような、フリー・フロー形態中に、圧縮することによって調製しうる。モデル錠剤は、好適な機械の中で、不活性液体希釈液にて潤した、粉末化化合物の混合物をモデリングすることによって作製しうる。錠剤は、任意にコート、またはスコア化してよく、その中の活性成分の、遅延または制御放出を提供するように、処方しうる。本発明の処方は、任意に、たとえば、(0.6%w/w、0.7%w/wなどのような、0.1%〜20%の範囲で、0.1%w/w刻みで、活性成分(類)を含む)0.075〜20%w/w、好ましくは0.2〜15%w/w、もっとも好ましくは0.5〜10%w/wの量で、活性成分(類)を含む、局所軟膏またはクリーム(すなわち、乾癬に対して)として適用される。軟膏に処方する場合、活性成分類は、パラフィン系、または水混和性軟膏基体いずれかとともに利用しうる。あるいは、活性成分類を、水中油クリーム基体と共に、クリームとして処方してよい。望
むのならば、クリーム基体の水相には、たとえば、少なくとも30%w/wの多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン、1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよび(PEG400を含む)ポリエチレングルコール、およびそれらの混合物のような、2つまたはそれ以上のヒドロキシル基を持つアルコールが含まれうる。局所処方は、望むならば、皮膚または他の関連領域を通した、活性成分の吸収または浸潤を促進する化合物を含みうる。そのような経皮浸潤増強剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が含まれる。
本発明のエマルジョンの油相は、公知の様式にて、公知の成分より構築しうる。相が、単に乳化剤(emulsifier)(またはemulgentとして知られる)のみを含む一方で、望ましくは、脂肪または油、または脂肪と油両方との、少なくとも1つの乳化剤の混合物が含まれる。任意に、安定剤として働く親水性乳化剤が、疎水性乳化剤と共に含まれる。油および脂肪両方を含むことも好ましい。一緒に、安定剤(類)あり、またはなしの、乳化剤(類)が、乳化ワックスと呼ばれるものを造り、油および脂肪と一緒のワックスが、クリーム処方の油性分散相を形成する、乳化軟膏基体と呼ばれるものを作製する。
処方のために好適な油または脂肪の選択は、医薬的エマルジョン処方で使用されることが見込まれる、ほとんどの油中での活性化合物の可溶性が非常に低いために、望む美容特性を達成することに依存する。したがって、クリームは、任意に、管または他の容器からの漏出を一貫して避けるために好適な、非脂肪性、非汚染性および洗浄可能産物であるべきである。ジ−イソアジピン酸、イソセチルステアリン酸、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピルミリスチン酸、デシルオレイン酸、イソプロピルパルミチン酸、ブチルステアリン酸、2−エチルヘキシルパルミチン酸のような直鎖または分岐鎖、一または二塩基アルキルエステル類、またはCrodamol CAPとして知られている分岐鎖エステル類の混合を使用可能であり、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とする特性に依存して、単独または組み合わせで使用しうる。あるいは、白色軟パラフィンおよび/または液体パラフィン、または他のミネラル油のような、高融解点脂肪を使用可能である。
口内の局所投与に好適な処方には、フレーバー基体、通常スクロースおよびアカシアまたはタルガカント中に活性成分を含む、トローチ剤、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアのような不活性基体中に活性成分を含むトローチ、および好適な液体担体中に活性成分を含むうがい薬が含まれる。
直腸投与のための処方は、たとえばココアバターまたはサリチル酸を含む好適な基体との、座薬として存在しうる。担体が固体である鼻投与に好適な処方には、(30ミクロン、35ミクロンのような、0〜500ミクロンの範囲で、5ミクロン単位で増加する、粒子サイズを含む)たとえば20〜500ミクロンの範囲の粒子サイズを持つ、ざらざらした粉末が含まれ、鼻から吸われる様式、すなわち、鼻の近くに置いた粉末の容器から、鼻腔を通した、迅速な吸入によって、投与される。たとえば鼻スプレーとして、または鼻ドロップとしての投与するため担体が液体の場合、好適な処方には、活性成分の水性または油性溶液が含まれる。エアゾル投与のために好適な処方は、従来の方法にしたがって調製可能であり、他の治療薬剤とともに伝達しうる。
膣投与のために好適な処方は、活性成分に加えて適切でありうる、本技術分野で公知であるような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー処方として存在しうる。
非経口投与のために好適な処方には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および処方を、意図
されるレシピエントの血液と等張であるようにする溶質を含みうる、水性および非水性無菌注射溶液、懸濁剤および増粘剤を含みうる、水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。処方は、たとえば、密封アンプルおよびバイアルのような、ユニット−用量および多−用量容器中に存在して良く、使用の直前に、たとえば、注射のための水のような、無菌液体担体の添加のみを必要とする、凍結乾燥(凍結乾燥)状態にて保存しうる。即席注射溶液および懸濁液は、すでに記述した種類の、無菌粉末、顆粒および錠剤より調製してよい。
好ましいユニット投与処方は、本明細書以上で引用したような、活性成分の、毎日用量またはユニット毎日サブ用量を含むものであり、またはその適切な画分である。
以上でとくに言及した成分に加えて、本発明の処方は、たとえば、経口投与に好適なもののような、問題の処方の型に関して、本技術分野で従来の他の薬剤を含むことが可能であることが理解されるべきである。
本発明の化合物は、活性成分の放出を、制御し、調節し、投与頻度を少なくしたり、本発明化合物の薬物動態学的、または特性プロファイルを改善可能である、活性成分として、1つまたはそれ以上の本発明の化合物を含む、制御放出医薬的処方を提供するために使用可能である。本発明の1つまたはそれ以上の化合物を含む分離ユニットである、経口投与に適合した制御放出処方を、従来の方法にしたがって調製可能である。
さらなる成分を、組成物中の活性成分の活性の期間を制御するために、加えて良い。したがって、制御放出組成物は、たとえばポリマー、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エチレンン−ビニル酢酸コポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミンなどのような、適切なポリマー担体を選択することによって達成しうる。薬物放出の速度および活性の期間はまた、活性成分を、ヒドロゲル、ポロ乳酸、ヒドロキシメチルセルロース、ポリニエチルメタクリレートおよび他の上記のポリマーの、粒子、たとえばマイクロカプセルに、組み込むことによって制御してよい。そのような方法には、リポソーム、ミクロスフェア、ミクロエマルション、ナノ粒子、ナノカプセルなどのような、コロイド薬物伝達システムが含まれる。投与経路に依存して、医薬組成物は、保護コーティングを必要としうる。注射可能な使用のために好適な医薬的形態には、無菌水性溶液、または分散液、およびその即席調製のための無菌粉末が含まれる。したがって、この目的のために、典型的な担体には、生物適合性水性緩衝液、エタノール、グリセロール、プロポレングリコール、ポリエチレングリコールなど、およびその混合物が含まれる。
多数の活性成分を組み合わせで使用する場合に、処置すべき哺乳動物において、同時に、直接、その連結治療効果を達成するのではない、という事実を見るに、相当する組成物がまた、分離しているが、接着した容器またはコンパートメント中に2つの成分を含む医薬キットまたはパッケージの形態でありうる。後者にて、各活性成分は、したがって、他の成分のものとは異なる投与経路に好適な方法で処方され、たとえば、それらのうちの1つは経口または非経口処方の形態であり、一方で、他は、静脈注射またはエアゾルのためのアンプルの形態である。
本発明のビタミンD類似体は、化学反応の連続を含む、多数の方法によって調製可能であり、全てが一緒になり、前記化合物およびさらなる実施例の化合物を調製のための工程を作り出すことができ、それぞれは、当業者によってよく知られている。さらに記述した工程は、例としての意味のみであり、本発明の意図を制限する意味はない。
これらの類似体の合成の第一の方法を、非常に略図的に、図1にて示している。本方法合成は、一般式IIIを持つビニリック ブロマイドの、一般式IVを持つ化合物との縮
合を含む、シクロビタミンアプローチと呼ばれるものに基づいている。ビニリックブロマイドIIIは、当業者によく知られている方法によって、公知のケトンIIより得られる。それぞれの立体異性体二環中間体IVの合成は、たとえば国際公開公報01/42251号にて記述されている。
より特異的には、14−エピ−2β−メチル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(化合物101)の合成の典型的な例を、図2で示している。ビニリックブロマイド15の合成は、Trost et al.,J.Am.Chem.Soc.(1992)114:9836−9844の技術に基づき、そして、Wu et al.,Eur.J.Org.Chem.(2001)3779−3788およびVan Gool et al.,Eur.J.Org.Chem.(1998)2241−2248の、シス−融合ヒダリダノンに対する適合として、実施しうる。(図1にしたがった)15のビニリックリチウム誘導体の、二環A−環前駆体IV17の適切な立体異性体との反応により、反応段階(a)の条件、すなわち、約−70℃〜−10℃の温度にて、約1時間、テトラヒドロフラン(THF)中のtBuLiを用いることによって、C−6 1:1エピマー混合物として、中間体18を導く。水の立体選択的攻撃が関与する、水の続く酸触媒加溶媒分解は、中間体18の5,6−結合の周辺での2つのロタマーの方法によって進行する。図2で示したロタマー18が、広く好ましく(およそ9:1)、反応段階(b)の条件を用いて、すなわち、55〜60℃の温度で、4時間、ジオキサン/H2O(1:1)混合物中のp−トルエンスルホン酸(本明細書以下PTSA)を用いて中間体19を導き、反応段階(c)の条件、すなわち、約72時間室温にてTHF中を用いるシリル−エーテル脱保護によって、要求したアイソマー101を得た。
他のアイソマー(102〜114)を、中間体15または16、またはそのそれぞれ2−エチル相同物、および17の二環A−環前駆体(図1中IV)の適切な立体異性体いずれかから開始して、同一の一般手順によって得た。以下の20−エピ類似体を、20−エピより同様に開始して得た。
Figure 2006519788
図3で示したように、ビタミンD類似体の19−ノルシリーズにおいて、それぞれ、2−ヒドロキシメチル類似体およびその20−エピマーである、化合物101および102の合成を、酸化リンが関与する、Lythgoe結合として知られている、Horner−Wittig反応を介して実施しうる。化合物101および102の1:1混合物をまた、2−メチレン−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンDDの非選択的触媒水素添加に基づいて得、続いて、逆相HPLCによって分離する。しかしながら、(ステロイド番号付けを用いる)2−置換酸化リンが関与する、立体選択的合成における本戦略の適用は、この特定のA−環前駆体が、もはや、対称性のシュードC2軸を持たず、結果として、炭素2における配座に比例して、5,6−二重ジオメトリのために、コントロール要素を必要とするという事実により足かせがある。
本発明者らは、より広く使用されているLythgoe結合工程に対する代法として、シクロビタミンアプローチと呼ばれるものを介して、本発明の化合物の収束性合成を、本明細書で提供する。再び図3を参照として、25、26aまたは27aのような中間体シクロプロピルアルコール類を、互いに平衡で、5,6−二重結合周辺の2つのロータマーを介して進行しうる、酸触媒立体選択的加溶媒分解にかける。たとえば、25のロータマーiは、望む3αおよび5,6−Z配座で1を提供し、一方ロータマーiiは、5,6−Eアイソマー28を導く。存在する置換基、および適用可能な反応条件に依存して、観察された1:28アイソマー比が、もっともよくて4:1である。(中間体44aより開始する、図8を参照のこと)中間体27aとして、炭素2にて置換基を導入した後、A−環が、対称性のシュードC2軸を持つ化合物2のような、19−ノル類似体の合成に対する結果ではなく、エピマー化合物101および102の混合物が現れうる。しかしながら、
1つのロータマーが、特に化合物2の1−および/または3−エピマーを指向する加溶媒分解の間、優勢であることが観察され、そこでまた、対称性の要素は存在せず、18:1までの選択性が導かれる。本発明の化合物の合成は、1α−ヒドロキシ官能基が一般的に、レセプター結合および生物学的活性のために必須であると受け入れられること、およびこれらの特性が、置換パターンおよびA−環の望む立体的振る舞いによって影響を受けるということを考慮に、影響を受ける。
図4は、44a(R=Me、a−シリーズ)のようなビシクロ[3.1.0]シクロヘキサン A−環前駆体、およびそのエピマーおよび相同物(R=Et、b−シリーズ)の合成を例示している。この合成は、非相称化がすでに知られている、酵素触媒メチル全てのcis−3,5−ジヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサンボキシレート29aおよびその4−エチル相同物29b周辺に焦点を当てている。図4にしたがって、29aの、SAMII、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)からのリパーゼのトランスエステラーゼ化によって、高収率で、純粋なエナンチオマー30が産出される。エチル置換シリーズに関して、中間体29bを、CCL−(カンジダ シリンドラセア(Candida cylindracea)からのリパーゼ)またはSAM II−調節単加水分解を介して、完全な立体選択的様式にて31に変換された。鍵となる中間体30および31の重要な特徴は、これらが、全ての立体異性体二環 A−環前駆体に接触可能であるということである。本質的な変換は、(i)炭素1、炭素2および炭素3(ステロイド番号付け)での、必要な相対的配座に対して指向する反転、および(ii)オキシ−置換での、脱離基を介したシクロプロパン環形成である。中間体30および31が、異なるエナンチオマーシリーズに属するので、初期段階(a)、(b)および(c)の順番は、同一の絶対配座を持つ相同物の合成のために、反転すべきである(たとえば、(a)(b)(c)を介して、30→32a、(c)(b)および(a)を介して31→32b)。段階(a)を実施するための好ましい反応条件には、約3時間室温での、テトラヒドロフラン(本明細書以下THF)のような溶媒中の、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(本明細書以下DIAD)のようなジアゾ化合物の存在が含まれる。段階(b)を実施するための好ましい反応条件には、約6時間、室温にて、メタノールのような溶媒中の、炭酸カリウムの存在が含まれる。段階(c)を実施するための好ましい反応条件には、約10時間、室温での、ジメチルホルムアミド(本明細書以下DMF)のような溶媒中の、tert−ブチルジフェニルシリル(本明細書以下TBDPS)のような、トリアリールシリルハライド、またはトリアルキルシリルハライドまたはアルキルジアリールシリルハライドのような4−(ジメチルアミノ)ピリジン(本明細書以下DMAP)のような触媒の存在が含まれる。好ましくは、各段階の反応時間は、反応温度の同時増加によって減少させうる。
ヒドロキシ官能基が、cis−ビシナルアルキル置換基が隣接する場合、酢酸30(置換シクロヘキセンの91%収率)の反応、および、中間体32の33bへの変換によって、図4で示すように、穏やかな抗除去が高収率でおこる。本発明者らは、ビシナルtrans−関連の場合、中間体34a、bの、中間体40a、bへの変換によって表されるように、通常光延反転が進行することも確認した。
次の段階(d)にて、シクロヘキセン中間体の簡単な変換を利用した。0℃にて2〜3時間、溶媒としてのテトラヒドロフラン中の中間体33a、bの臭化水素化は、非選択的であり、およそ1:1の分離可能な、中間体34a、bおよび35a、bの混合物が得られた。両方の立体異性体が、0℃にて約3時間、溶媒として塩化メチレン中、好ましくは、トリエチルアミンのような触媒の存在下で、塩化メシチルとの反応を介して段階(e)にて、相当するメシレート36a、bおよび37a、bへのさらなる変換に好適である。メシレート37a、bは、段階(f)にて塩基仲介シクロプラパン形成、段階(g)での、中間体38a、bのエステル官能基の、ホルミル基への続く変換において、中間体39
a、bを導き、これは、2α−アルキル−19−ノル−1α,250ジヒドロキシビタミンD3類似体102、104、106、108、110、112、114および116に対する前駆体である。段階(f)を実施するための好ましい反応条件には、約50℃で約30分間、THFおよびtert−ブタノールの混合液のような溶媒中、カリウムtert−ブトキシドの存在が含まれる。段階(g)を実施するための好ましい反応条件には、たとえば、約0℃にて約3時間、THFのような溶媒中の、リチウムアルミニウムハイドライドとの反応が含まれる。一方、中間体34a、bのヒドロキシル基の光延反転を、段階(h)で実施し、高収率で中間体41a、bが産出される。段階(h)を実施するための好ましい反応条件には、たとえば、室温にてTHFのような溶媒中、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン、DIADのようなジアゾ化合物の存在中、約24時間、p−ニトロ安息香酸との反応が含まれる。これは、段階(b)を介した中間体41a、b、段階(e)を介した中間体42a、b、およびついで段階(f)を介した中間体43a、bを首尾良く介して開き、エピマー2β−アルキルビタミンD3類似体101、103、105、107、109、111、113および115のための前駆体である、中間体44a、bへの経路が開かれる。最後に、中間体34a、bの、中間体36a、bへのメシル化と、続く段階(f)での中間体45a、b中のシクロプロパン形成、および段階(g)でのエステル還元によって、1α、2β、3α配座を持つビタミンD類似体のための前駆体である、中間体46a、bが得られる。
図4の下で示すように、本発明はまた、ラクトンの鍵となる中間体を介した、立体選択的合成経路を提供する。たとえば、(段階(a)、(b)および(i)の連続を介して、モノ酢酸30から得られる)ラクトン47の臭化水素化によって、ラクトン還元が付随する、中間体48が得られる。段階(i)を実施するための好ましい反応条件には、約24時間、約80℃での、PPTSの存在が含まれる。段階(c)での、中間体48のヒドロキシ官能基の保護の後、中間体49が、段階(b)を首尾良く介して、中間体50に変換され、段階(e)を介して中間体51へ変換され、多くは、段階(f)を介して、すでに記述したA−環前駆体44aへ変換される。同様に、中間体48のメシル化の後、メシラート52が、中間体37a、したがって前駆体39aのための有用な中間体である。このことは、特定のビタミンDD類似体の合成のための許容可能な経路を示している。
図5で示すように、A−環前駆体46a、b、39a、bおよび33a、bの、それぞれのエナンチオマー(63a、b、65a、bおよび67a,b)を、図4ですでに記述した同一の組の反応を適用することで、56a、bを介して構築出来る。図4で示した3段階のそれぞれの順番を反転させることによって、モノ−エステル30および31bより鍵となる中間体56a、b、すなわち中間体33a、bのエナンチオマーを得た。中間体56a、bの臭化水素化によって、中間体58a、b(中間体67a、bを作製するために有用)および60a、bの分離混合物が得られた。後者のメシレート61a、bによって、A−環前駆体65a、bが導かれ、一方で、中間体60a、bの初期光延反転によって、中間体63a、bへの経路が開かれる。図5にて、段階(a)、(b)および(c)のための好ましい条件は、図4での相当する条件と同一でのものである。反応段階(D)のための好ましい条件には、溶媒として塩化メチレン中、約10時間の、触媒として、p−ニトロフェニルスルホニルクロライド、トリエチレンンアミン、DMAPの存在が含まれる。反応段階(e)のための好ましい段階には、溶媒としてトルエン中、約4時間、触媒としての、酢酸セシウム、18−クラウン−6−エーテルの存在が含まれる。
以上ですでに言及したように、ヒドロキシ基が、cis−ビシナル4−アルキル置換基と隣接する場合、光延反応の代法は、プロピオン酸セシウムとの、相当するp−ニトロフェニルスルホネートの変換からなる。したがって、中間体54は、中間体55を介して、A−環前駆体67aに対する中間体である57aを提供可能である。
ステレオアイソマー69a、bおよび71a、bの合成を図6に示しており、変換段階は必要ない。したがって、中間体69aを連続的保護、加水分解、メシル化およびシクロプロパン形成を介して、30より開始して得、中間体69bは同様に、反応順を変更して、31より形成した。再び、同様の反応組を適用して、エナンチオマー71a、bが導かれる。
A−環前駆体に関し、本発明者らは図3で記述したシクロビタミンD戦略による、ビタミンD3骨格の構築に眼を向けた。20のビニル酸リチウム誘導体での44aのような、アルデヒドの反応によって、炭素6にて、1:1エピマー混合物として、中間体27aが導かれる(図8を参照のこと)。水の立体選択的アタックが関与する、続く酸触媒加溶媒分解を、互いに平衡で、5,6−結合周辺のロータマーiおよびiiの方法によって進む(図3も参考のこと)。中間体27aのロータマーiを介した反応が、炭素3でのヒドロキシル基の導入を導き(中間体72aおよび最終的に化合物101)、一方ロータマーiiは、炭素1でヒドロキシル基を導入する(中間体73aおよび最終的に化合物102)。2つの立体異性体101および102を区別することが可能になるように、加溶媒分解条件下で安定であるので、TBDPS保護基を選択した。主要な産物72aが、炭素3でのアタックから出来、中間体72aおよび73aが、88:12の比で形成される。この比は、cis−CD環(14−エピ)シリーズにていくらかより表明され、中間体44aおよび21から開始した順序から、94:6の比で、化合物105の1−TPDPSエーテルと、化合物106の3−TPDPSエーテルが導かれる。trans−およびcis−融合ヒロリダン間のこの差が、一貫してみられ、二環A−環断片の配座に依存しない。
中間体72aの構造は、核オーバーハウザー効果(本明細書以下NOE)および2D相関分光学(本明細書以下COSY−2D)実験によって証明された。ビニルプロトン6−Hおよび7−H(ABシステム;δ=6.14およびβ=5.46、J=11.3Hz)が、それぞれ10α−Hおよび4α,β−Hを持つNOE増強を与えた。これらのプロトンのアサイメントが、それぞれ1−H(δ=3.72)および3−H(δ=3.94)でのNOE増強の観察によって得られた。後者のプロトンの局在は、中間体72aのトリクロロ酢酸にしたがう。3−Hに関して、δ=3.94からδ=5.17へのケミカルシフトが観察され、CODY−2D実験およびNOE増強が、中間体72aに関して得られたもので確証された。
1−OTBDPSエーテルシリーズに関して、1−Hが、2α−置換基を持つアイソマーに関する3−Hに関してダウンフィールドであり、一方逆の状況が、2β−置換アイソマーに関して観察されることが顕著である。同一の観察が、2−メチルおよび2−エチル置換シリーズ両方で、炭素1、炭素2および炭素3配座が変化する、ステレオアイソマーに関して行われた。
14−エピシリーズにて2、3の例で、7−Hおよび1−OTBDPS置換基の芳香族プロトン環のNOE増強も観察され、これ自身構造的な証明である。これらのシリーズにおける、構造同一性に関するもっとも簡単なツールは、6−Hおよび7−Hが、△δ=0.5〜0.7を与える、1−OTBDPS中の7−Hの一定アップフィールドケミカルシフトによって提供される。このアップフィールドシフトはおそらく、DBDPSエーテルのフェニル基の異方性により、実際、観察されたNOE増強(7−H、H−Ar)によって確認される。レジオアイソマー(3−OTBDPS)は、未保護表題化合物に関して観察されたδ−値と比較して、6−Hに関して小さなアップフィールドシフトを伴い、互いにより近く(△δ=0.1〜0.3)6−Hおよび7−Hに対するシグナルを示している。
最後に、TBDPSエーテル開裂が、望む2−アルキル−置換ビタミンD類似体を導く
。結論として、合成の以上で開示されたシクロビタミン経路が、より立体選択性を提供する。
以下の実施例は、本発明の例示として提供され、その目的の制限として解釈されるべきではない。
全ての合成反応は、磁気撹拌をともなって、アルゴンまたは窒素大気下で実施した。すべての溶媒は、標準の手順にしたがって精製、または乾燥させた。溶液はMgSO4上で乾燥させた。溶媒を、ロータリーエバポレーター上で、濾過溶液より除去した。カラムクロマトグラフィー分離をシリカゲル上で実施し、溶出液をブランケット間で得た。HPLC分離を、Knauer64、Waters 6000AまたはRI検出を伴うKontron 420伝達系上で実施し、溶出液を、ブランケット間で得た。光学旋光度を、パーキン エルマー(Perkin Elmer)421偏光計にて測定した。IRスペクトルを、パーキン エルマーFTIR−1600分光器、およびHP−5988分光器上のマススペクトルで記録した。1H NMRスペクトルを、500MHz(WH−Bruker)にて記録し、200MHz(バリン−ジェミニ(Varian−Gemini)での13C NMRスペクトルを記録し、ケミカルシフトを、TMSに関してppmで表し、カップリング定数はHz単位である。
(4R,6R)−6−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−メチル−4−メトキシカルボニル−1−シクロヘキセン(中間体33a)の調整
図4を参照のこと。THF(15mL)中の中間体30(1.3g、5.65mmol)およびPh3P(4.5g、17.16mmol)の撹拌溶液に、DIAD(3.6mL、17.16mmol、95%純粋)を0℃にて滴下して加えた。室温にて3時間の撹拌後、反応溶液を、フラッシュクロマトグラフィー(ペンタン/Et2O 3:1混合液を用いる)にかけ、無色油を得た。これを、乾燥MeOH(20mL)中に溶解し、ついで、K2CO3(0.36g、2.61mmol)で処理した。6時間撹拌した後、この溶液をH2O−EtOAc中に注ぎ、抽出し(EtOAc)、洗浄し、乾燥させて濃縮した。(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーによって、n−ヘキサン−アセトンより、結晶として中間体を得た。[以下のように特性化された。m.p.70〜71℃。RD=0.21(イソオクタン/EtOAc、4:1。−[α]D r.t.=−21.6(c=1.09,CHCl3)。−C9143(170.21):計算値 C 63.51、H 8.29;実測値C 63.33、H 8.34]。TBDPSCl(1.55mL、98%,5.99mmol)を、0℃にて乾燥DMF(12mL)中の中間体(0.83g,4.88mmol)、イミダゾール(0.41g,6.02mmol)および触媒量のDMAPの溶液に加えた。得られた混合液を10時間室温にて撹拌し、ついでH2O−EtOAc中に注ぎ、分離し、抽出し(EtOAc)、洗浄し、乾燥させて蒸発させた。クロマトグラフィー(イソオクタン/EtOAc,95:5)によって、無色油として33a(1.68g,全体で73%)を得、以下のように特徴づけられた。Rf=0.42(イソオクタン/EtOAc,9:1)。 −[α]D r.t.=−82.9(c=0.79、CHCl3)。−IR(film):ν=2952、2857、1738、1589、1472、1428、1362、1308、1247、1169cm-1、−1H NMR(CDCl3):δ=7.73−7.37(m,10H)、5.39(m,1H)、4.24(s,1H)、3.59(s,3H)、2.39(m,1H)、2.32−2.02(m,3H)、1.75(m,1H)、1.66(s,3H)、1.07(s,9H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.2、137.5、136.1、134.4、133.7、129.6、127.6、121.9、71.4、51.6、38.9、35.2、27.9、27.1、20.2、19.5。−MS(m/z、%):408(M+、1)、354(8)、351(M+−57,73)、
299(5)、273(6)、213(100)、183(75)、137(70)。エレメンタル解析: C25323Si(408.61):計算値、C 73.49、H 7.89、実測値、C 74.16、H 8.32。
中間体(33a)のエチル類似体(33b)の調製
図5を参照のこと。乾燥DMF(15mL)中の、モノブチレート31(1.9g、7.04mmol)、イミダゾール(1.43g、21.03mmol)およびDMAP(44mg)の撹拌溶液に、塩化TBDPS(3.6mL、98%純度、13.57mmol)を滴下して加えた。この混合液を、室温にて10時間撹拌した。溶液を、H2O−EtOAc中に注ぎ、分離し、抽出し(EtOAc)、洗浄し、乾燥して濃縮した。残余物を、乾燥MeOH(80mL)中に溶解させ、K2CO3(324mg、2.35mmol)を加えた。混合物を、室温にて6時間撹拌し、ついでこの溶液を、H2O−EtOAc中に注ぎ、分離し、抽出し(EtOAc)、洗浄し、乾燥して濃縮した。残余物を、フラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/EtOAc、4:1)によって精製して、中間体アルコール(2.5g、81%)を無色油として得た。これ(1.9g、4.32mmol)を、Ph3P(5.77g、22.04mmol)を含む乾燥THF(30mL)中に溶解した。この溶液に、0℃にて、DIAD(4.1mL、22,04mmol)を滴下して加えた。室温にて一晩の撹拌の後、溶液を濃縮した。残余物を、クロマトグラフィー(イソオクタン/EtOAc、95:5)によって精製して、以下のように特徴づけられる、33b(1.82g、92%)を得た。Rf=0.28(イソオクタン/EtOAc 95:5)。−[α]D r.t.=−74.8(c=0.81、CHCl3)。−IR(film):ν=2957、2857、1738、1429、1246、1166、1108、1064、935、895、821、740、704cm-1、−1H NMR(CDCl3):δ=7.73−7.38(m,10H)、5.36(br.s,1H)、4.26(br.s,1H)、3.58(s,3H)、2.36(m,1H)、2.32(m,1H)、2.16(m,2H)、2.02(m,2H)、1.75(m,1H)、1.05(s,9H)、0.87(t,J=7.4 Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、136.7、134.4、133.5、129.5、127.1、119.7、70.2、51.5、38.7、35.3、27.7、27.0、25.3、19.4、12.3。−MS(m/z、%):422(M+、2)、401(3)、365(72)、333(6)、267(8)、255(2)、227(7)、213(100)、201(65)、163(55)、137(58)、105(32)、79(75)、41(40)。−エレメンタル解析: C26343Si(422.64):計算値、C 73.89、H 8.11、実測値、C 73.72、H 8.27。
メチル(1R,3S,4R,5R)−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサン カルボキシレート(34a)の調製
実施例1の中間体の臭化水素化を以下のように実施した。THF(12mL)中の33a(130mg、0.319mmol)の撹拌溶液に、0℃にてBH3溶液(380μL、THF中1M、0.38mmol)を滴下して加え、撹拌をこの温度で、2.5時間続けた。ついでH23(0.5mL)および飽和NaHCO3(3mL)を加えた。0.5時間の撹拌の後、反応溶液を、H2O−EtOAc混合液に注ぎ、有機層を分離した。水相を、EtOAcを用いて抽出した。有機抽出物をあわせ、洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残余物を、(9:1〜4:1の範囲のイソオクタン/EtOAc混合液を用いる)クロマトグラフィーによって精製し、それによって以下のように特徴づけられる中間体34a(48mg、35%)を得た。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−51.8(c=0.55,CHCl3).−IR(film):ν=3361、2932、2858、1737、1589、1403、1428、1363、1
282、1250、1173、1111cm-1NMR(CDC13):δ=7.70−7.36(m,10H)、3.59(s,3H)、3.25(m,1H)、3.09(m,1H)、2.12−2.05(m,2H)、1.91(dt、J=12.7、4.3Hz,1H)、1.62(br.s,1H)、1.54−1.38(m,3H)、1.07(d、J=6,4Hz、3H)、1.05(s,9H)。−13C NMR(CDC13):δ=174.6、135.9、134.3、133.6、129.7、127.5、74.8、73.0、51.8、47.9、37.9、37.1、36.8、27.1、19.5、14.5。−MS(m/z、%):409(M+−H20−H、1)、369(M+−57、10)、337(25)、309(5)、199(75)、153(25)、121(15)、93(100)。エレメンタル解析:C25344Si(426.63):計算値、C 73.38、H 8.03、実測値、C 70.16、H 8.14。
メチル(1R,3R,4S,5R)−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサン カルボキシレート(35a)の調製
実施例2の中間体から開始して、中間体35a(61mg、45%)を、実施例3で記述のものと同様の臭化水素化手順にしたがって調製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.19(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−38.5(c=0.69,CHCl3)、−IR(film):ν=3442,2954、2893、2857、1735、1715、1589、1463、1427、1378、1273、1196、1111cm-11H NMR(CDC13):δ=7.68−7.36(m,10H)、4.17(dt,J=10.8、4.7Hz、1H)、3,89(d,J=3.1Hz,1H)、3.63(s,3H)、2.62(tt,J=11.8、4,4Hz、1H)、1.82−1.66(m,5H)、1.59(br.s、1H)、1.06(s,9H)、0.96(d,J=7.2Hz,3H)。−13C NMR(CDC13):δ=175.7、135.8、134.3、129.6、127.5、72.0、68.9、51.7、41.3、33.6、31.4、29.6、27.0、19.3、10.7。−MS(m/z、%):369(M+ −57、100)、339(5)、319(4)、273(6)、253(10)、199(85)153(65)、135(40)。−エレメンタル解析:C25344Si(426.63):計算値、C 70.38、H
8.03。実測値 C 70.21、H 8.20。
エチル相同物(34b)の調製
中間体(34a)のエチル相同物(34b)を、同様の様式にて調製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.12(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−51.1(c=0.52、CHCl3).−IR(film):ν=3421、2956、2857、1736、1508、1458、1428、1363、1272、1242cm-11H NMR (CDC13):δ=7.69−7.36(m,10H)、3,59(s,3H)、3.43(dt、J=10.6,4.3Hz、1H)、3.33(dt,J=l0.6、4.3Hz、1H)、2.05(m,2H)、1.92(d,J=12.4 Hz,1H)、1.78(m,1H)、1,70(m,1H)、1.54−1.41(m,4H)、1.09(s,9H)、0.69(t,J=7.5Hz,3H)。−13C NMR(CDC13):δ=175.2、136.5、134.8、133.9、130.3、130.1、128.2、127.9、71.3、69.8、52.8、52.3、38.3、37.5、37.3、27.6、19.9、19.1、9.4。−MS)(m/z、%):383(M+−57,2)、351(8)、305(24)、273(5)、213(9)、199(70)、183(15)、153(20)、135(28)、107(100)、79(30)。エレメンタル解析:C26364Si(440.65):計算値 C 70.87、H 8.23、実測値:C 70.50、H
8.33。
エチル相同物(35b)の調製
中間体(35a)のエチル相同物(35b)を、同様の様式にて調製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.17(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−38.9(c=0.81,CHCl3)。−IR(film):ν=3453、2958、2858、1736、1589、1460、1428、1382、1255、1172、1195、1110cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.67−7.37(m、10H)、4.18(dt,J=11.7、4.6 Hz,1H)、4.02(d,J=2.8Hz,1H),3.63(s,3H)、2.60(m,1H〉、1.95(m、1H)、1.80(dt,J=12.6,4.1Hz、1H)、1.65−1.45(m,5H)、1.05(s,9H)、0.87(m,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=176.2、136.3、134.8、134.7、130.1、130.0、128.0、69.3、52.1、49.1、36.8、32.6、30.0、27.4、19.7、17.6、13,3。−MS(m/z、%):383(M+−57、90)、351(6)、333(5)、305(4)、273(10)、213(50)、199(100)、183(58)、153(60)、135(65)、107(48)。−エレメンタル解析:C26364Si(440.65):計算値、C 70.87、H 8.23、実測値、C 70.75、H 8.33。
メチル(1R,3R,4R,5R)−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサン カルボキシレート(41a)の調製
図4を再び参照のこと。中間体34a(0.55g、1.29mmol)の撹拌溶液に、THF(15mL)中の、p−NO2PhCO2H(0.26g、1.56mmol)およびPh3P(0.41g、1.56mmol)を室温にて加えた。24時間の撹拌後、この溶液を、(イソオクタン/EtOAc 7:3混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーにかけた。濃縮後、残余物を、(イソオクタン/EtOAc 92:8混合液を用いる)クロマトグラフィーによって精製し、中間体40a(0.60g、81%)を得た。[以下のように特徴づけられた。Rf=0.24(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−61.4(c=0.30,CHCl3)。IR(film):ν=2957、2858、1729、1608、1529、1461、1428、1349、1273、1243cm-11H NMR(CDCl3):δ=8.23(dd,J=8.8,1.4Hz,2H),7.83(dd,J=8.8、1.4 Hz,2H)、7.75(dd,J=8,0、1.4Hz,2H)、7.71(dd,J=8.0、1.4Hz,2H)、7.52−7.40(m,6H)、5.33(d,J=2.2Hz、1H)、3.73(dt,J=10.6、4.2Hz,1H)、3.60(s,3H)、2.46(tt,J=9.1、3.5Hz,1H)、1.17(m,2H)、1.86(m,1H)、1.73(dt,J=12.5、2.2Hz、1H)、1.68(q,J=12.5Hz,1H)、1.08(s,9H)、0.94(d,J=6、8 Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=174.6、163.6、150.4、136.2、135.4、134.4、133.3、130.5、129.7、127.6、127.5、123.5、75.9、72.4、51.9、42.5、37.3、37.2、30.1、27.1、19.4、14.8、−MS(m/z、%):544(M+−31、1)、518(M+−57、31)、488(2)、442(1)、409(1)、348(19)、302(11)、273(10)、213(68)、183(48)、150(100)。エレメンタル解析:C32377NSi(575.73)。計算値、C 66.76、H 6.48、N 2.43、実測値C 66.39、H 6.50、N 2.43]。乾燥MeOH(12mL)中の中間体40a(0.59g、1.03mmol
)およびK2CO3(71mg、0.51mmol)を、室温にて6時間撹拌し、ついで、H2O−EtOAc中に注ぎ、分離し、抽出し(EtOAc)、洗浄し、乾燥して濃縮した。(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーによって、以下のように特徴づけられる無色油として、中間体41a(0.42g、95%)が得られた。−[α]D r.t.=−72.5(c=0.50、CHCl3)。−IR(film):ν=3500、3071、2956、2858、1736、1462、1428、1195、1111、1084cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.71−7.35(m,10H)、3.99(d,J=3.5 Hz,1H)、3、75(dt,J=10.5、4.3Hz、1H)、3.58(s、3H)、2.59(tt、J=12.2、3.6Hz,1H)、1.97−1.91(m、2H)、1.66−1.57(m,2H)、1.49(m,1H)、1.05(s,9H)、1.02(d、J=6.9Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.6、135.9、134.7、133.9、129.5、127.5、72.3、71.1、51.6、43.6、37.2、36.4、35.1、27.、19.5、14.9。−MS(m/z):395(M+−31,4)、370(24)、369(M+−57,100)、337(10)、291(6)、259(8)、221(4)、215(74)、199(84)、183(64)、153(71)、105(58)、77(72)。
エチル相同物41bの調製
中間体41aのエチル相同物41bを、実施例7で記述したように、40bを介して、中間体34bより開始して調製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.22(イソオクタン/EtOAc,4:1)。−[α]D r.t.=−63.4(c=0.71,CHCl3)。−IR(film):ν=3506、3071、2956、2858、1736、1472、1428、1361、1266、1176、1110cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.67−7.35(m,10H)、4.2(d,J=3.2Hz,1H)、3.78(m,1H)、3.58(s,3H)、2.57(m,1H)、1.94(dt,J=13.1,3.6Hz,2H)、1.60−1.50(m,2H)、1.43(br.s,1H)、1.33(m,1H)、1.13(m,2H)、1.05(s,9H)、0.86(t,J=7.5Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.6、136.0、129.6、129.5、127.5、127.4、71.5、66.4、51.6、50.2、37.2、36.2、35.0、27.1、19.7、19.5、11.3。−MS(m/z、%):383(M+−57,100)、351(6)、305(4)、273(8)、199(90)、153(45)、135(50)、77(65)、57(68)。−エレメンタル解析: C26364Si(440.65):計算値、C 70.87、H 8.23、実測値、C 71.02、H 8.20。
(3aR,5aR)−1−メチル−4−オキシ−5−オキサ−ビシクロ[3.2.1]−1−オクテン 47の調製
図4を参照のこと。ベンゼン(25mL)中の30(0/36g、2.12mmol)およびPPTS(0.49g、1.95mmol)から調製したヒドロキシ中間体の溶液を80℃にて24時間撹拌した。反応混合液を冷却し、Et2Oにて希釈し、洗浄し(飽和NaHCO3および食塩水)、乾燥させて蒸発させた。残余物を(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いて)フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、n−ヘキサン/アセトン中の無色結晶として、中間体47(0.19g、85%)を得、以下のように特徴づけられた。m.p=47−48℃。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 9:1)。−[α]D r.t.=+130.1(c=0.89、CHCl3)。IR(film):ν=2915、2855、1778、1449、1436、1219、11
47、1116cm-1。1H NMR(CDCl3):δ=5.43(br.s,1H)、4.53(d、J=5.2Hz,1H)、2.85(t、J=3,5Hz,1H)、2.48−2.33(m,3H)、2.06(d,J=11.1Hz、1H)、1.81(s,3H)。3C NMR(CDCl3):δ=179.5、137.5、122.2、78.0、37.6、34.4、28.4、21.1。−MS(m/z、%):165(M++1.1)、155(1)、139(4)139(23)、119(4)、109(10)、94(30)、79(100)。
(1S,2R,3aR,5aR)−2−ヒドロキシル−1−メチル−4−オキソ−5−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン48の調製
本合成を、実施例3の臭化水素化手順を介して実施し、以下のように特徴づけられる、n−ヘキサン/アセトンからの無色結晶を、42%の収率で得た。M.p=28−129℃;Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 1:1)。−[α]D r.t.=−109.3(c=0.97,CHCl3)。−IR(film):ν=3448、2933、1766、1359、1273、1227cm-11H NMR(CDCl3):δ=4.56(d,J=5.9Hz,1H)、3.57(m、1H)、2.70(br.s,1H)、2.41(m,1H)、2.32(m,1H)、2.16(br.s,1H)、1.84(d,J=11.7Hz,1H)、1.65(m,1H)、1.58(m,1H)、1.19(d,J=6.9Hz,3H)。13C NMR(CDCl3):δ=178.3、82.8、71.5、42.4、37.9、37.6、35.5、16.1。−MS(m/z、%):182(M+,1)、161(5)、154(4)、128(14)、113(48)、97(54)、67(50)、55(100)。エレメンタル解析:C8123(156.18):計算値 C 61.52、H 7.74;実測値 C 59.92、H 7.78。
エチル(1S,3R,4R,5R)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−6−ヒドロキシ−5−メチル−シクロヘキセン カルボキシレート 50の調製
図4を参照のこと。中間体50を、中間体48からの2段階で、収率86%で得、以下のように特徴づけられる。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−7.1(c=0.41,CHCl3)。−IR(film)=3445、2953、2858、1734、1684、1653、1559、1540、1428、1362、1256、1195cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.66−7.35(m,10H)、4.25(dt,J=10.7,6.7Hz,1H)、3.94(m,1H)、3.63(s,3H)、2.92(m,1H)、1.98(m,1H)、1.93(dt,J=10.1、6.5Hz,1H)、1.68−1.60(m,3H)、1.05(s,9H)、0.77(d,J=7,3Hz,3H)。13C NMR(CDCl3):δ=176.0、135.7、133.9、129.7、127.6、73.0、68.3、51.8、41.1、36.9、31.4、30.5、26.9、19.3、10.5。−MS(m/z,%):369(M+ −57,14)、337(45)、291(8)、259(11)、199(92)、169(83)、137(100)、93(47)。−エレメンタル解析:C25344Si(426.63):計算値、C 70.38、H 8.03;実測値 C 69.93、H 8.22。
(4S,6S)−6−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−メチル−40メトキシカルボニル−1−シクロヘキセン 56aの調製
図5を参照のこと。中間体56aを、以上で記述したように、中間体53および54を介して、中間体30からの3段階で調製した。産物を、収率81%で得、以下のように特
徴づけられた。Rf=0.30(イソオクタン/EtOAc 9:1)。−[α]D r.t.=+81.9(c=1.91,CHCl3)。−IR(film):ν=3070、2952、2855、1738、1472、1433、1428、1362、1308、1247cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.73−7.36(m,10H)、5.39(t、J=1.8Hz,1H))、4.24(br.s,1H)、3.59(s,3H)、2.38(m,1H)、2.22−2.04(m,3H)、1.75(m,1H)、1.66(s,3H)、1.07(s,9H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、137.4、134.4、133.7、129.6、,127.6、121.9、71.4、51.6、38.8、36.2、27.9、27.1、20.2、19.5。−MS(m/z,%):408(M+,1)、387(6)、351(M+−57,95)、319(6)、299(5)、273(6)、227(5)、213(100)、183(75)、137(50)、77(65)。
エチル相同物56bの調製
実施例12のものと同様の手順を用いる、(イソオクタン/EtOAc、9:1)。[α]D r.t.=+74.2(c=1.09,CHCl3)。−IR(film):ν=2959、2857、1738、1652、1589、1456、1428、1388、1246cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.72−7.38(m,10H)、5.37(m,1H)、4.26(br.s,1H)、3.58(s,3H)、2.35(m,1H)、2.30−1.98(m,5H)、1.75(m,1H)、1.05(s,9H)、0,87(t,J=7.4Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、136.7、134.4、133.5、129.5、127.1、119.7、70.2、51.5、38.7、35.3、27.7、27.0、25.3、19.4、12.3。−MS(m/z,%):422(M+,2)、401(3)、365(88)、333(8)、287(9)、255(3)、227(7)、213(90)、183(50)、137(58)、107(45)、79(100)。のエチル相同物。
(1S,3S,4R,5S)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−5−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサン カルボキシレート 58aの調製
中間体58aを、実施例3でのものと同様の条件下、実施例12の中間体の臭化水素化を実施することによって得、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=+40.5(c=0.66、CHCl3)。−IR(film):ν=3452、3070、2953、2857、1735、1717、1427、1379、1272、1195cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=7.68−7.36(m,10H)、4.17(dt,J=10.8,4.7Hz,1H)、3.89(d,J=2,7Hz,1H)、3.63(s,3H)、2.62(m,1H)、1.81−1.67(m,5H)、1.56(br.s,1H)、1.06(s,9H)、0.96(d,J=7.2Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.7、135.8、134.4、129.7、127.6、72.0、68.9、56.9、51.7、41.3、36.6、31.4、29.6、27.0、19.3、10.6。−MS(m/z,%):425(M+−1,1)、385(2)、369(M+−57,100)、337(5)、291(4)、259(10)、221(4)、199(85)、153(65)。
エチル(1S,3S,4S,5R)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−5−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサン カルボキシレート 60aの調製
図5、および本明細書以上で記述した一般手順を参照のこと。中間体60aは、以下の
ように特徴づけられた。Rf=0.17(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=+51.2(c=0,53、CHCl3)。−IR(film):ν=3444、3070、2952、2857、1736、1459、1427、1361、1282、1249、1172cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=7.69−7.36(m,10H)、3.59(s,3H)、3.25(m,1H)、3.08(m,1H)、2.11−2.05(m,2H)、1.92(d,J=13.0Hz,1H)、1.53−1,44(m,1H)、1.08(d,J=6.4Hz、3H)、1.05(s,9H)。−13C NMR(CDCl3):δ=174.5、135.9、134.3、133.6、129.7、129.6、127.6、127.5、74.8、73.0、51.8、47.9、37.9、37.1、36.8、30.1、27.0、19.4,14.5。−MS(m/z,%):369(M+−57,5)、337(8)、291(45)、259(4)、247(3)、199(72)、153(28)、121(25)、93(100)。
エチル相同物58bの調製
実施例14のものと同様の手順を用いて、中間体58aのエチル相同物を得、以下のように特徴づけられた。Rf=0.19(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+38.0(c=1.13,CHCl3).−IR(film):ν=3453、2958、2858、1736、1589、1460、1428、1382、1255cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=7.67−7.37(m,10H)、4.18(dt,J=11.7,4.6Hz、1H)、4.02(d,J=2,8Hz,1H)、3.63(s,3H)、2.60(m,1H)、1.95(m,1H)、1.80(Dt,J=12.6,4.1Hz,1H)、1.65−1.45(m,6H)、1.05(s,9H)、0.87(m,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=176.2、136.3、134.8、134.7、130.1、130.0、128.0、69.3、52.1、49.1、36.8、32.6、30.0、27.4、19.7、17.6、13.3。−MS(m/z,%):383(M+−57,100)、351(4)、287(6)、273(7)、213(55)、199(95)、183(55)、153(50)、107(35)、55(86)。
エチル相同物60bの調製
実施例15のものと同様の手順を用いて、中間体60aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.12(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=+50.7(c=0.52,CHCl3).−IR(film):ν=3421、2956、2857、1736、1508、1458、1428、1363、1272、1242、1169、1110、1040、1007、866、822、740、703、612cm-1。-1H NMR(CDCl3):δ=7.69−7.36(m,10H)、3.59(s,3H)、3.43(dt,J=10.6,4.3Hz,1H)、3.33(dt,J=10.6、4.3Hz,1H〉、2.05(m,2H)、1.92(d,J=12.4Hz,1H)、1.78(m,1H)、1.70(m,1H)、1.54−1.41(m,3H)、1.09(s,9H)、0.89(m,1H)、0.69(t,J=7.5Hz、3H)。13C NMR(CDCl3):δ=175.2、136.5、134.8、133.9、130.3、130.1、128.2、127.9、71.3、69.8、52.8、52.3、38.3、37.5、37.3、27.6、19.9、19.1、9.4。−MS(m/z,%):383(M+−57.3)、351(9)、305(32)、273(6)、199(64)、183(15)、153(18)、135(35)、107(100)、79(35)。
メチル(1S,3S,4R,5S)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−4−メチル−シクロヘキサン カルボキシレート 58aの他の調製
図5を参照のこと。CH2Cl2(8mL)中の中間体54(0.21g、0.49mmol)、Et3N(172μL、1.23mmol)およびDMAP(6mg、0.05mmol)の撹拌溶液に、0℃にて塩化p−ニトロベンゼンスルホニル(136mg、0.61mmol)を加え、撹拌を10時間続けた。この溶液を、(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーにかけて、以下のように特徴づけられる、中間体55(0.27g、90%)を得た。Rf=0.27(イソオクタン/EtOAc 4:1);−[α]D r.t.=−3.2(c=0.40,CHCl3).−IR(film):ν=3072、2955、2858、1737、1608、1535、1428、1351、1288、1251、1187c-11H NMR(CDCl3):δ=8.35(dd,J=7.1,1.7Hz,2H)、7.99(dd,J=7.1,1.7Hz、2H)、7.60−7.35(m,10H)、4,39(dt,J=12.1、4.7Hz,1H)、3.63(s,3H)、3.62(m、1H)、2.17(m,1H)、2.05(dt,J=12.9,1.7Hz,1H)、1.88(m,1H)、1.79(m,1H),1.73(m、1H)、1.66(m,1H)、1.03(s、9H)、1.00(d,J=6.9Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=173.4、150.5、142.9、135.6、133.4、129.9、128.8、127.7、124.4、81.9、70.6,52.1、39.5、37.4、30.1、27.8、26.8、19.1、5.4。−MS(m/z,%):554(M+−57,21)、494(2)、416(3)、384(57)、351(32)、304(9)、258(7)、213(67)、153(49)、93(100)。−エレメンタル解析:C31378SiNS(611.79):計算値 C 60.86、H
6.09、N 2.29、実測値 C 61.09、H 6.30、N 2.29。
中間体55(0.22g、0.36mmol)と18−クラウン−6−エーテル(476mg、1.80mmol)の撹拌溶液に、新鮮に調製したEtCO2Cs(371mg、1.80mmol)を加えた。この混合液を、110℃にて2.5時間撹拌し、ついで室温まで冷却した。この混合液をEtOAcにて希釈し、洗浄して濃縮した。(イソオクタン/EtOAc 100:4混合液を用いる)カラムクロマトグラフィーによって、以下のように特徴づけられる、中間体57a(95mg、55%)を得た。Rf=0.26(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.==+30.7(c=0.79,CHCl3)。−IR(film):ν=3049、2954、2858、1738、1463、1428、1274、1189、1112cm-1。1H NMR(CDCl3): δ=7.67−7.34(m、10H)、4.90(d、J=2.9Hz,1H)、3.98(dt,J=11.6,4.7Hz,1H)、3.65(s、3H)、2.48(m,1H)、2.14−1.99(m、2H)、1.93(m、1H)、1.87(dt、J=12.8,4.2Hz、1H)、1.93−1.81(m、3H)、1.06(s、9H)、1.04(d、J=7.3Hz、3H)、0.97(t,J=7.6Hz、3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、173.1、135.8、133.9、129.7、127.5、74.1、69.1、51.8、38.0、37.3、30.9、27.7、26.9、26.7、19.2、9.9、9.0。−MS(m/z):451(M+−31,2)、425(M+−57,21)、386(1)、351(15)、291(3)、255(27)、199(29)、183(19)、135(21)、93(26)。エレメンタル解析:C28385Si(482.69):計算値
C 69.67、H 7.94;実測値C 69.82、H7.82。
最終的に、中間体57aのメタノール化によって、98%収率で、中間体58aが得られた。
メシレート形成
以下の一般手順を、メシレート形成のために使用した。CH2Cl2(0.04〜0.05mmol/mL)中のヒドロキシ化合物およびEt3Nの撹拌溶液に、0℃にて、塩化メシチル(1.2等量)を滴下して加え、撹拌を、3時間続けた。得られた溶液を、(イソオクタン/EtOAc 7:3混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーにかけた。残余物を、(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液を用いる)HPLCによって精製して、相当するメシレートを得た(収率約95%)。
3a−カルボメトキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの形成
以下の一般手順を、3a−カルボメトキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの形成のために使用した。tBuOH−THF混合液(3:2)中の、たとえば、実施例19(0.03〜0.05mmol/mL)にしたがって得たメシレートの撹拌溶液に、45〜50℃にて、tBuOK(tBuOH中1M、1.2等量)を滴下し加え、撹拌を0.5時間続けた。この溶液を、H2O−EtOAc中に注ぎ、ついで有機層を分離した。水層をEtOAcにて抽出した。有機層をあわせて洗浄し、乾燥させて濃縮した。残余物を(イソオクタン/EtOAc 100:3混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、約70%の収率で、二環産物を得た。
(1S,2R,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−カルボメトキシ−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン 38aおよびそのエナンチオマー66aの調製
図4を参照のこと。上記一般手順を用いて、中間体38aを、中間体37aから開始して作製し、以下のように特徴づけられた。 Rf=0.24(イソオクタン/EtOAc
97:3混合液)。−[α]D r.t.=−53.8(c=0.65,CHCl3)。−IR(film):ν=2957、2858、1724、1472、1428、1367、1292、1222、1149cm-11H NMR(CDCl3〉:δ=7.65−7.36(m,10H)、3.84(m,1H)、3.64(s,3H)、2.24(dd,J=12.5,8.5Hz,1H)、2.03(dd,J=13.5,6.6Hz,1H)、l.93(dd,J=12.7,7.2Hz,1H)、1.59(m,1H)、1.18(dd,J=8.4,4.8Hz,1H)、1.05(d,J=6.9Hz,3H)、1.05(s,9H)、0.56(t,J=5.2Hz、1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=174.9、135.7、133.9、129.6、127.6、72.9、51.8、37.2、34.1、33.3、27.2、27.0、19.4、19.5、15.1。−MS(m/z,%):408(M+,1),353(M+−57,21)、351(87)、296(13)、237(8)、213(100)、183(58)、135(61)、77(67)。エレメンタル解析: C25323Si(408.61):計算値 C 73.49、H 7.89;実測値 C 73.57、H 8.04。図5を参照のこと。相当するエナンチオマー66aを、同様に中間体59aから作製して、以下のように特徴づけられた。-[α]D r.t.=+52.2(C=0.76,CHCl3
エチル相同物38bおよび66bの調製
同様の手順(図4)を用いて、中間体38aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.28(イソオクタン/EtOAc 95:5混合液)。−[α]D r.t.=−36.2(c=1.04,CHCl3)。−IR(film):ν=29
58、1724、1428、1366、1233、1158cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.67−7.38(m,10H)、3.87(1H,q,J=7.2Hz)、3.64(s,3H)、2.18(m、1H)、1.92(m、1H)、1.75(m,1H)、1.56(s,2H)、1.22(m,2H)、1.05(s,9H)、0.96(t,J=7.4Hz,3H)、0.55(t,J=5.1Hz、1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、135.8、135.7、134.0、129.8、127.7、73.1、51.8、44.1、34.3、31.4、27.5、27.0、21.3、19.3、18.5、12.9。−MS(m/z,%):422( M+、27)、365(M+−57,26)、337(3)、287(5)、213(40)、199(52)、153(22)、135(100)、79(35)、57(25)。エレメンタル解析:C26343Si(422.63):計算値C73.89、H
8.11;実測値 C 73.72、H 8.31。
図5を参照に、相当するエナンチオマーを、同様に作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=+36.5(c=1.07、CHCl3)。
(1R,2R,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−カルボメトキシ−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン43aおよびそのエナンチオマー62aの調製
図4を参照のこと。以上で記述した一般手順を用いて、中間体43aを、中間体42aから開始して作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 100:3混合液)。−[α]D r.t.=−100.4(c=1.15,CHCl3)。−IR(film):ν=3048、2956、2858、1727、1589、1472、1428、1369、1346、1259、1199cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.65−7.35(m,10H)、3.63(s,3H)、3.30(dd,J=12.3,7.4Hz、1H)、2.27−2.19(m,2H)、19.9(dd,J=12.8,7.1 Hz,1H)l.78(dt,J=8.6、5.2Hz,1H)1.07(m、1H)、1.04(s,9H)、0、87(d,J=6.6Hz, 3H)、0.45(t,J=5.1Hz,1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=174.8、135.9、134.0、129.6、127.5、77.4、51.6、41.7、36.4、32.3、26.9、26.7、19.2、15.9、15.5。−MS(m/z,%)408(M/z,%)、377(6)、351(M+−57,65)、317(6)、273(5)、225(4)、213(100)、183(43)、135(40)、84(72)。エレメンタル解析:C25323Si(408.61):計算値:C 73.49、H 7.89;実測値 C 73.32、H
8.01。
図5を参照に、相当するエナンチオマーを、同様に中間体61aから作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=+99.5(c=0.72、CHClD)、エレメンタル解析:C25323Si(408.61)、計算値C 73.49、H 7.89。実測値C 73.47、H 8.0.6。
エチル相同物58bおよび62bの調製
実施例23のものと同様の手順(図4)を用いて、中間体43aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.28(イソオクタン/EtOAc 95:5)。−[α]D r.t.=−102.9(c=0.65,CHCl3)。−IR(film):ν=2957、2857、1725、1589、1461、1428、1371、1327、1262、1197、1154 cm-1。1H NMR(CDCl3):δ=7
.68−7.35(m,10H)、3.63(s,3H)、3.37(q,J=8.1Hz、1H)、2.21(m,2H)、2.09(m,1H)、1.98(dd,J=12.8,7.1Hz,1H)、1.86(dt,J=8.6,5.1Hz,1H)、1.08(q,J=5.0Hz,2H)、1.05(s,9H)、0.90(t,J=7.1Hz,3H)、0.45(t,J=5.1Hz,1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.2、136.2、134.3、129.9、127.8、127.7、76.4、51.9、49.3、36.6、30.4、27.3、26.9、24.2、19.5、16.5、13.0。−MS(m/z,%):422(M+,1)、407(2)、365(M+−57,75)、309(4)、213(90)、199(20)、183(35)、135(30)、77(45)、41(48)。エレメンタル解析:C36243Si(422.63)に対する計算値:C 73.89;H 8、11;実測値C
73.70、H 8.25。
図5を参照に、相当するエナンチオマーを、同様に中間体61bから作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=+103.5(c=0.72、CHCl3)。
(1R,2R,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−カルボメトキシ−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン45aおよびそのエナンチオマー64aの調製
図4を参照のこと。以上で記述した一般手順を用いて、中間体45aを、中間体36aから開始して作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 100:3混合液)。−[α]D r.t.=+7.1(c=0.58,CHCl3).−IR(film):ν=3071、2956、2858、1724、1589、1472、1428、1390、1366、1292、1222、1190、1151、1112cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.62−7.36(m,10H)、3.89(d,J=6.3Hz,1H)、3.64(s,3H)、2.45(dd,J=14.3,6.2Hz,1H)、2.03(m,1H)、1.94(d,J=14.3Hz,1H)、1.69(d=1.3Hz,1H)、1.66(t,J=7.7Hz,1H)、1.47(m,1H)、1.05(s,9H)、0.66(d,J=7.4Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.4、135.9、134.2、129.8、127.8、80.7、51.8、44.7、36.7、35.9、30,9、27.1、20.9、19.4、19.0。−MS(m/z,%):408(M+,4)、377(7)、351(M+−57,43)、319(7)、273(8)、245(16)、199(47)、153(41)、121(100)、77(58)。エレメンタル解析:C25323Si(408.61):計算値C 73.49、H 7.89;実測値C 73.36、H 8.01。
図5を参照に、相当するエナンチオマー64aを、同様に中間体61aから作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=−7.4(c=0.70,CHCl3)、エレメンタル解析:C25323Si(408.61)、計算値C 73.49、H 7.89。実測値C 73.67、H 8.02。
エチル相同物45bおよび64bの調製
実施例25のものと同様の手順(図4)を用いて、中間体45aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 95:5混合液)。−[α]D r.t.=+16.1(c=1.05,CHCl3).−IR(film):ν=2959、2858、1723、1560、1428、1365、1297、1274、1220、1150cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.67−
7.37(m,10H)、3.96(d,J=6.6Hz,1H)、3.64(s,3H)、2.37(m,1H)、1.94(d,J=14.2Hz,1H)、1.83(t,J=7.3Hz,1H)、1.73(m,1H)、1.68(t,J=5.2Hz,1H)、1.48(m,1H)、1.03(s,9H)、0.94(m,2H)、0.63(t,J=7.5Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=174.8、135.5、135.4、129.2、127.2、127.1、78.5、51.2、35.9、34.2、30.2、29.6、26.5、26.1、20.3、18.5、11.3。−MS(m/z,%):422(M+,2)、365(M+−57,82)、213(100)、199(20)、183(40)、153(10)、135(60)、77(42)、49(70)。エレメンタル解析:C26343Si(422.63):計算値C 73.89、H 73.89;実測値C 73.77、H 8.19。
図5を参照に、相当するエナンチオマー64bを、中間体61bから、同様に作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=−15.9(c=0.70,CHCl3)。
(1R,2R,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−カルボメトキシ−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン68aおよびそのエナンチオマー70aの調製図6を参照に、中間体68aを、中間体30から作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.33(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液)。−[α]D r.t.=−13.2(c=1.61,CHCl3)。−IR(film):ν=2931、1724、1428、1288、1224、1147cm−1H NMR(CDCl3):δ=7.63−7.36(m,10H)、4.19(t,J=6.0Hz, 1H)、3.62(s,3H)、2.30(m,2H)、1.97(d,J=14.2Hz,1H)、1.85(m,1H)、1.64(t,J=4.6Hz,1H)、1.35(dd,J=8.7,3.9Hz、1H)、1.09(s,9H)、0.99(d,J=6.9Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.1、136.0、134.1、133.6、129.5、127.5、75.0、51.4、40.4、38.1、35.4、29.5、27.0、19.2、18.4、12.9。−MS(m/z,%):408(M+)、377、351、319、273、245、199、158、153、121(100)、77、57。
相当するエナンチオマー70aもまた作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=+13.9(c=0.65、CHCl3)、エレメンタル解析:C25323Si(408.61)、計算値C 73.49、H 7.89。実測値C 73.41、H
8.13。
エチル相同物68bおよび70bの調製
実施例27のものと同様の手順(図6)を用いて、中間体68aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.28(イソオクタン/EtOAc 94:6混合液)。−[α]D r.t.=−29.4(c=0.61,CHCl3)。−IR(film):ν=2958、1723、1427。1366、1296、1224、1148cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.63−7.35(m,10H)、4.18(t,J=5.9Hz,1H)、3.61(s,3H)、2.26(m,1H)、2.06(m,1H)、1.98(d,J=14.3Hz,1H)、1.92(m,1H)、1.67(t,J=4.3Hz,1H)、1.48(m,2H)、1.36(dd,J=12.1,3.9Hz,1H)、1.05(s,9H),0.89(t,J=7.4Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=175.3、136.1、134.3、
133.5。129.6、127.5、74.6、51.6、48.3、37.8、33.3、29.9、27.1、20.9、19.3、18.5、13.3。−MS(m/z,%):422(M+,2)、391(4)、365(M+−57,40)、337(8)、287(12)、259(10)、225(8)、199(65)、135(100)、105(38)。
相当するエナンチオマー70bもまた作製し、以下のように特徴づけられた。−[α]D r.t.=+28.4(c=0.75、CHCl3)。
(1S,2S,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−ホルミル−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン39aの調製
図4を参照のこと。0℃にてTHF(10mL)中の、中間体38a(132mg、0.324mmol)の溶液に、LiAlH4(485μL、0.485mmol、THF中1M)を滴下して加えた。この混合液を1.5時間、0℃にて撹拌し、ついでEtOAc(3mL)を加えた。0.5時間の撹拌後、反応を、H2Oにてクエンチした。混合液を、セライトを通して濾過し、濾液を乾燥し、濃縮した。残余物を、(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液)によって精製して、一級アルコール(120mg、97%)を、無色固体として得、以下のように特徴づけられた。[−Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−4.6(c=0.35,CHCl3)。−IR(film):ν=3332、3070、2930、2858、1472、1428、1390、1219、1112、1008cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=7.66−7.35(m,10H)、3.91(m,1H)、3.52(d,J=2,0Hz,2H)、2.03(m,1H)、1.91−1.82(m,2H)、1.45(br.s,1H)、1.05(s,9H)、1.04(d,J=7.7Hz,3H)、0.92(m,1H)、0.27(m,2H)。−13C NMR(CDCl3):δ=137.6、134.2、129.6、127.5、73.4、68.6、37.5、35.0、29.9、27.9、26.9,19.2、15.3、13.5。−MS(m/z,%):380(M+,1)、363(1)、323(M+−57,11)、305(4)、267(2)、245(21)、227(9)、199(100)、152(4)、135(12)、107(85)。−エレメンタル解析:C24322Si(380.60):計算値 C 75.74、H 8.47;実測値 C 75.34、H 8.62]。前記油(100mg、0.263mmol)を、NMO(48mg、97%、0.397mmol)および4Å MS(130mg)を含むCH2Cl2(10mL)中に溶解し、ついでTPAP(9.5mg、97%、0.03mmol)を加えた。この混合液を、室温にて0.5時間撹拌し、ついで、(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーにかけた。蒸発および(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液を用いる)カラムクロマトグラフィーによって、以下のように特徴づけられる、無色油として、中間体39a(93mg、95%)を得た。RD=0.22(イソオクタン/EtOAc 95:5)。−[α]D r.t.=−49.4(c=0.99,CHCl3)。IR(film):ν=2931、2858、1702、1459、1427、1389、1219cm-11H NMR(CDCl3):δ=8.80(s,1H)、7.65−7.37(m,10H)、3.93(m,1H)、2.24(dd,J=12.9,9.3Hz、1H)、2.13(m,1H)、1.81(dd,J=12.9.7.2Hz,1H)、1.68(dd,J=8.9,5,6Hz,1H)、1.20(dd,J=8.8,6.0Hz,1H)、1.05(s,9H)、1.03(d,J=8.1Hz,3H)、0.86(t,J=5.6Hz,1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=200.1、135.7、133.8、129.7、127.6、72.7、37.9、36.7、32.7、30.6、26.8、19.2、17.6、14.7。−S(m/z,%):321(M+−57,86)、305(7)、279(14)、243
(20)、199(100)、181(35)、139(68)、105(58)、77(64)。
エチル相同物39bの調製
実施例29のものと同様の手順(図4)を用いて、中間体39aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.28(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液)。−[α]D r.t.=−33,3(c=0.57,CHCl3)。−IR(film):ν=3070、2960、2857、2711、1700、1472、1428、1389、1270、1217、1175、1111、1027cm-11H NMR(CDCl3):δ=8.81(s,1H)、7.64−7.35(m,10H)、3.95(q,J=7.8Hz,1H)、2.19(m,1H)、1.91−1.78(m,4H)、1.25(m,1H)、1.17(m,1H)、1.05(s,9H)、0.95(t,J=7.2Hz,3H)、0.84(t,J=5.6Hz,1H)。−13C NMR(CDCl3):δ=200.0、135.7、135.5、133.7、129.7、129.6、127.6、73.1、43.6、38.2、31.7、30.1、26.8、20.9、19.1、17.6、11.7。−MS(m/z,%):335(M+−57,55)、280(10)、257(18)、227(15)、199(100)、181(30)、139(50)、105(45)、77(65)。エレメンタル解析:C25322Si(392.60):計算値 C 76.48、H 8.21;実測値 C 76.32、H 8.40。
(1R,2R,3aS,4aS)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−3a−ホルミル−1−メチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン 44aの調製
図4を参照して、中間体44aを、(中間体39aに関してすでに記述したような様式で)中間体43aから作製し、収率93%で、以下のように特徴づけられる無色油として得た。Rf=0.38(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−109.3(c=0.16,CHCl3)。−IR(film):ν=3048、2958、2858、1702、1589、1472、1428、1389、1362、1252、1182、1112、1086cm-11H NMR(CDCl3):δ=8.78(s,1H)、7.65−7.35(m,10H)、3.39(dd,J=m15.5,7.8Hz,1H)、2.26−2.22(m,2H)、1.88(m,2H)、1.08(m,1H)、1.05(s、9H)、0.93(d,J=7.7Hz,3H)、0.75(t,J=5.5Hz,1H)。13C NMR(CDCl3):δ=199.9、135.9、133.8、129.7、127.6、77.3、41.5、37.4、33.7、30.8、26.9、19.1、15.7、15.2。−MS(m/z,%):321(M+−57,48)、319(8)、309(11)、259(24)、199(100)、181(40)、153(20)。
エチル相同物44bの調製
実施例31のものと同様の手順(図4)を用いて、中間体44aのエチル相同物を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.34(イソオクタン/EtOAc 9:1);−[α]D r.t.=−110.9(c=0.53,CHCl3)。−IR(film):ν=3070、2959、2857、2710、1704、1462、1428、1257cm-11H NMR(CDCl3):δ=8.80(s,1H)、7.64−7.35(m,10H)、3.46(q,J=7.3Hz,1H)、2.21(t、J=11.3Hz,1H)、2.09(br.s,1H)、1.96(d,J=5.1Hz,1H)、1.87(m,1H)、1.62(m,2H)、1.12(s,1H)、1.04(
s,9H)、0.90(t,J=7.2Hz,3H)、0、74(t,J=5.6Hz,1H)。−13C NMR(CDCl3)J=199.6、135.8、133.8、129.6、127.4、75.9、48.7、37.2、33.6、28.6、26.8、23.9、19.1、15.3、12.6。− MS(m/z,%):335(M+−57,50)、279(4)、227(10)、199(100)、181(20)、139(45)、105(32)、77(60)。
2β−メチル−19−ノル−1α,25−ジヒドロビタミンD3(化合物101)の調製
図8を参照のこと。THF(2.0mL)中の、図8に示した中間体20(65mg、0.151mmol)の撹拌溶液に、−78℃にてtBuLi(197μL、ペンタン中1.7M、0.334mmol)を滴下し加えた。−78℃での1時間の撹拌の後、反応液を−10℃まで暖め、この温度で0.5時間撹拌し続けた。溶液を、−78℃まで再び冷却し、ついで、THF(1.5mL)中の中間体44a(80mg、0.212mmol)を滴下して加えた。この温度にて撹拌を1時間続け、ついで反応を、飽和NH4Clの添加によってクエンチした。この溶液をEt2Oにて希釈し、洗浄し(飽和NaHCO3および生理食塩水)、乾燥させて濃縮した。残余物を(イソオクタン/EtOAc 94:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、図8にて27aとして示した中間体(53mg、48%)を、無色油として得た。後者(53mg、0.073mmol)を、4mLの、p−トルエンスルホン酸(本明細書以下PTSA)(4mg、0.023mmol)を含むジオキサン/H2O 3:1混合液中に溶解した。混合液を55〜60℃にて4時間、暗所にて撹拌し、ついで溶液をEt2Oにて希釈し、洗浄し(飽和NaHCO3および生理食塩水)、乾燥させて濃縮した。残余物を、(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いる)HPLCによって精製して、収率88%にて、図8にて72a(38mg)および73a(5mg)として示した中間体を得た。これらの中間体は以下のように特徴づけられた。
中間体72a:Rf=0.22(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.t.=−15.7(c=0.76、CHCl3)。−IR(film):ν=3394、2942、1616、1471、1428、1377、,1110cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.71−7.35(m,10H)、6.14(d,J=11.3Hz,1H)、5.46(d,J=11.3Hz,1H)、3.94(m,1H)、3.72(td,J=8.9,4,2Hz,1H)、2.72(m,1H)、2.66(dd,J=13.3,4.0Hz,1H)、2.37−2.44(m,2H)、2.25(dd,J=13.6,5.2Hz,1H)、2,05−1.85(m,4H)、1.80(m,1H)、1.70−1.60(m,3H)、1.50−1.24(m,13H)、1.23(s,6H)、1.07(s,9H)、1.03(d,J=6.9Hz,3H),0.93(d,J=6.5Hz,3H)、0.45(s,3H)−13C NMR(CDCl3):δ=142.2、135.9、134.8、134.2、132.1、129.6、127.5、122.9、115.4、73.9、71.4、71.1、56.5、56.2、45.6、44.4、43.3、40.4、36.5、36.4、36.1、30.1、29.2、28.8、27.7、27.1、25.5、22.5、22.3、20.8、19.4、18.8、14.0、11.9。−MS(m/z,%):656(M+,1)、638(M+−18,1)、600(M+−tBu+H,1)、581(3)、563(2)、503(3)、472(1)、400(4)、365(6)、321(9)、239(11)、199(100)、149(19)、135(52)、59(88)。
中間体73a:Rf=0.19(イソオクタン/EtOAc 4:1)。−[α]D r.
t.=+18.3(c=0.31,CHCl3)。−IR(film):ν=3405、3071、2958、2879、1459、1429、1376、1217、1147、1076、1053cm-11H NMR(CDCl3):δ=7.71−7.36(m,10H),5.99(d,J=11.2Hz,1H)、5.77(d,J=11.2Hz,1H)、4.00(m,1H)、3.71(td,J=8.1,4.2Hz,1H)、2.68(dd,J=13.8,5.1Hz,1H)、2.58(dd,J=13.7,5.9Hz,1H)、2.29(dd,J=13.7,3.7Hz,1H)、2.23(dd,J=13.1,3.9Hz,1H)、2.07−1.82(m,5H)m1.68−1.23(m,17H)、1.22(s,6H)、1.05(s,9H)、1.03(d,J=6.7Hz,3H)、0.93(d,J=6.5Hz,3H)、0.51(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=142.3、135.9、134.9、133.0、129.5、127.5、123.4、115.4、74.4、71.3、71.1、56.5、56.2、45.7、44.4、44.0、40.5、36.4、36.1、34.8、30.1、29.4、28.8、27.6、27.0、25.4、23.4、22.2、20.8、19.4、18.8、13.6、12.0。−MS(m/z,%):656(M+,1)、599(M+−tBu,1)、581(3)、521(1)、468(1)、400(1)、365(6)、325(5)、245(8)、199(61)、183(18)、135(42)、59(100)。
THF(0.5mL)中の中間体72a(27mg、0.041mmol)の溶液を、フッ化テトラブチルアンモニウム(本明細書以下TBAF)(3.5mL、THF中1M)で処理した。72時間、暗所、室温での撹拌の後、溶液を、(イソオクタン/EtOAc 4:1混合液を用いる)フラッシュクロマトグラフィーにかけた。残余物を、(イソオクタン/EtOAc 9:1混合液を用いる)HPLCによって精製して、以下のように特徴づけられる、ビタミンD化合物101(11mg、82%)を得た。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 1:1)。−IR(KBr):ν=3422、2946、1618、1452、1376、1350、1150、1056cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.26(d,J=11.2Hz,1H)、5.87(d,J=11.2Hz,1H)、3.51(td,J=10.1,4.7Hz,1H)、3.08(dd.J=12.9,4.0Hz)、2.79(dd,J=12.9,4.0Hz,1H)、2.44(d,J=13.1H)、2.37(m,1H)、2.04−1.98(m,3H)、1.90(t,J=10.7Hz,2H)、1.80−1.23(m,18H)、1.22(s,6H)、1.14(d,J=6.8Hz,3H)、0.94(d,J=6.5Hz,3H)、0.55(s,3H)。−MS(m/z,%):418(M+,9)、400(6)、385(4)、357(5)、317(2)、289(6)、245(8)、203(4)、189(6)149(27)、135(41)、84(58),59(100)。
2α−メチル−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(化合物102)の調製
図2を参照のこと。開始物質が15であったことを除いて、実施例33と同一の手順を用いた。得られたビタミン類似体102は以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 1:1)。−[α]D r.t.=+26.6(c=0.14,CHCl3)。−IR(film):ν=3354、2958、1454、1054cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=6.37(d,J=11.3Hz,1H)、5.83(d,J=11.3Hz,1H)、3.96(m,1H)、3.61(td,J=9.4,4.6Hz,1H)、3.20(m,2H)、3.02(dt,J=12.0、4.8Hz,2H)、2.80(dd,J=13.6,4.3Hz,2H)、2、60(dd,J=12.9,4.4Hz,1H)、2.23(d,J=12.6Hz,1H)
,2.14(t,J=10.3Hz,1H)、2.06−1.20(m,18H)、1.22(s、6H)、1.14(d,J=6.9Hz,3H)、0.98(d,J=7.4
Hz,3H)、0.54(s,3H)。−MS(m/z,%):418(M+,1)、400(M+−H20,18)、382(6)、340(22)、295(12)、271(9)、233(32)、191(22)、149(85)、135(25)、92(100)。
エチル相同物110の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体110を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 3:2)。−[α]D r.t.=+28.0(c=0.21,CHCl3)。−IR(film):ν=3389、2958、1454、1188、1045cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=6.38(d,J=11.3Hz,1H)、5.83(d,J=11.3Hz,1H)、4.14(m,1H)、3.63(m,1H)、2.87(dd,J=13.9,4.0Hz,1H)、2.80(dd,J=12.7,4.5Hz,1H)、2.61(dd,J=12.5,4.1Hz,1H)、2.20−1.22(m,24H)、1.21(s,6H)、1.00(t,J=7.4Hz,3H)、0.91(d,J=6.7Hz,3H)、0.53(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=143.3、131.5、124.1、115.4、71.7、71.3、68.0、56.7、56,5、50.9、45.9、45.5、44.6、40.6、36.5、36.2、35.7、30.2、29.5、29.1、27.8、25.6、23.6、22.4、20.9、18.9、12.2、11.8。−MS(m/z,%):432(M+,10)、414(6)、371(2)、303(5)、267(6)、245(8)、208(6)、173(10)、149(30)、133(40)、81(65)、55(100)。
エチル相同物109の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体109を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.22(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+42.1(c=0.32,CHCl3)。−IR(film):ν=3378、2959、1454、1378cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.26(d,J=11.3Hz、1H)、5.87(d,J=11.3Hz,1H)、4.09(m,1H)、3.54(m,1H)、3.10(dd,J=12.7,4.3Hz,1H)、2.80(dd,J=12.8,4.5Hz,1H)、2.38(m,2H)、2.05−1.25(m,25H)、1.22(s,6H)、1.00(t,J=7.4Hz,3H)、0.94(d,J=6.5Hz,3H)、0.54(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=143.1、131.4、123.5、115.4、71.2、67.7、56.6、56.4、51.5、45.9、44.5、44.2、40.6、37.9、36.5、36.2、31.0、29.5、29.3、29.1、27.8、23.6、22.4、20.9、20.3、18.9、12.2、11.7。−MS(m/z,%):432(M+,10)、414(5)、303(8)、267(8)、245(15)、208(5)、173(5)、135(30)、105(35)、81(70)、59(100)。
14−エピ−2α−メチル−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(化合物106)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体106を作製し、以下のように特徴づけられた。RD=0.20(イソオクタン/EtOAc l:1);−[α]D r.
t.=+61.1(c=0.34,CHCl3)。−IR(film):ν=3384、2960、1455、1379、1147、1043cm-11HMR(CDCl3):δ=6.31(,J=11.2Hz,1H)、6.01(d,J=11.2Hz,1H)、3.97(dd,J=5.6,2.4Hz,1H)、3.59(td,J=9.5,4.6Hz,1H)、2.84(dd,J=13.9,4.6Hz,1H)、2.59(dd,J=12.8、4.4Hz,1H)、2.47(dt,J=14.6,5.1Hz,1)、2.21(d,J=13.7Hz,1H)、2.15−2.08(m,2H)、1.88−1.21(m,22H)、1.22(s,6H)、1.14(d,J=6.9Hz,3H)、0.92(s,3H)、0.88(d,J=6.7Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3):ν=143.4、131.6、124.2、118.5、72.4、71.6、71.1、57.8、54.6、45.3、44.9、44.3、43.9、37.9、35.5、34.5、34.0、29.9、29.4、29.2、26.8、24.8、22.3、21.9、21.7、19.8、13.6。−MS(m/z,%):418(M+,1)、400(M+−H2O,22)、387(7)、357(4)、340(5)、289(14)、271(21)、245(19)、191(17)、147(29)、133(38)、81(59)、59(100)。
エチル相同物114の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体114を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.20(イソオクタン/EtOAc,3:2);−[α]D r.t.=+34.4(c=0.48,CHCl3)。−IR(film):ν=3372、2958、1464、1378、1190、1044cm−1H NMR(CDCl3):δ=6.32(d,J=11.3Hz,1H)、6.01(d,J=11.3Hz,1H)、4.15(br.s,1H)、3.64(m,1H)、2.92(m,1H)、2.59(m,1H)、2,47(m,1H)、2.18−2.05(m,3H)、1.86−1.24(m,23H)、1.22(s、6H)、1.00(t,J=7.4Hz,3H)、0.89(d,J=6.8Hz,3H)、0.86(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=143.5、131.6、124.2、118.7、71.6、71.2、68.0、58.0、54.7、51.0、45.6、45.4、44.5、38.0、35.7、34.7、34.1、30.0、29.5、29.3、27.0、24.9、22.3、22.0、21.8、20.0、19.8、11.8。−MS(m/z,%):432(M+,2)、414(15)、386(4)、265(5)、245(10)、199(20)、161(15)、135(30)、81(50)、55(100)。
14−エピ−2β−メチル−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(化合物105)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体105を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc l:1);−[α]D r.t.=+38.7(c=0.40,CHCl3)。−IR(film):ν=3382、2958、1455、1377、1212、1045cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.19(d,J=11.2Hz,1H)、6.05(d,J=11.2Hz,1H)、3.90(dd,J=6.2,3.0Hz,1H)、3.52(td,J=10.1,4,6Hz,1H)、3.08(dd,J=12.9,4.4Hz,1H)、2.41−2.48(m,2H)、2.33(dd,J=13.2,4.2Hz,1H)、2.15−2.03(m,2H)、1.94−1.80(m,2H)、1.72−1.23(m,19H)、1.22(s,6H)、1.13(d,J=6.9Hz,3H)、0.92(s,3H)、0.88(d,J=6.7Hz,3H)。−13C NMR(CDCl3
):δ=143.2、131.6、123.7、118.6、71.9、71.7、71.1、57.9、54.6、45.4、44.4、44.1、43.9、37.9、37.4、34.5、34.0、29.8、29.4、29.2、26.8、24.8、22.4、21.8、21.6、19.8、14.0。−MS(m/z,%):418(M+,1)、401(M+−H2O+H,1)、387(2)、357(4)、370(1)、293(1)、292(5)、260(2)、199(35)、183(11)、153(25)、111(28)、93(100)。
エチル相同物113の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体113を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+17.0(c=0.15,CHCl3)。−IR(film):ν=3369、2958、1455、1378、1190、1044cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.19(1H,d,J=11.2Hz)、6.06(d,J=11.3Hz,1H)、4.09(m,1H)、3.50(m,1H)、3.11(dd,J=12.7,4.2Hz,1H)、2.97(m,.1H)、2.47(m,1H)、2.38(m,1H)、2.18−1.25(m,25H)、1.22(s,6H)、0.99(t,J=7.4 Hz,3H)、0.90(d,J=6.7Hz,3H)、0.88(s,3H)。−MS(m/z,%):432(M+,2)、414(28)、381(4)、301(4)、267(8)、245(10)、199(30)、149(30)、105(50)、81(70)、59(100)。
2α−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3(化合物104)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体113を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 1:1);−[α]D r.t.=+42.7(c=0.11,CHCl3).−IR(film):3368、2929、1614、1454、1377、1261、1166、1024cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=6.36(d,J=11.1Hz,1H)、5.82(d,J=11.1Hz,1H)、3.96(br.s,1H)、3.61(m,1H)、2.80(d,J=14.1Hz,2H)、2.60(d,J=12.8Hz,1H)、2.28−1.52(m、17H)、1.51(s,6H〉、1.38−1.25(m,3H)、1.13(d,J=6.7Hz,3H)、1.06(d,J=6.3Hz,3H)、0.54(s,3H)。−MS(m/z,%):414(M+,14)、396(M+−H2O,8)、381(7)、353(4)、317(12)、267(3)、241(9)、199(13)、185(16)、161(21)、105(37〉、84(52)、43(100)。
エチル相同物112の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体112を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+23.1(c=0.26,CHCl3)。−IR(film):ν=3367、2958、2238、1455、1378、1167cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.38(d,J=11.2Hz,1H)、5.83(d,J=11.1Hz,1H)、4.14(m,1H)、3.64(td,J=9.8,4.8Hz,1H)、2,97(m,1H)、2.87(dd,J=13.9,4.3Hz,1H)、2.80(dd,J=12.8,4.5Hz,1H)、2.30−1.51(m,17H)、1.50
(s、6H)、1.46−1.25(m,5H)、1.06(d,J=6.6Hz,3H)、0.98(t,J=7.4Hz,3H)、0.54(s,3H)。−MS(m/z,%):428(M+,2)、410(10)、370(8)、331(5)、313(8)、295(4)、241(3)、199(8)、161(20)、149(40)、91(40)、43(100)。
2β−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3(化合物103)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体113を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 1:1);−[α]D r.t.=+28.2(c=0.37,CHCl3)。−IR(film):ν=3380、2930、1455、1377、1346、1166、1041cm-1。−1H NMR(CDCl3):δ=6.44(d,J=11.3Hz,1H)、6.04(d,J=11.3Hz,1H)、4.07(dd、J=4.1、3.0Hz,1H)、3.68(t,J=10.1,4.8Hz、1H)、3.24(dd,J=12.9,3.8Hz,1H)、2.97(dd,J=12.9,4.4Hz、1H)、2.60(d,J=3.6Hz,1H)、2.51(dd,J=13.8,3.4Hz,1H)、2.44(dd,J=16.6、3.4Hz,1H)、2.26−2.16(m,5H)、2.07(m,2H)、1.68(s,6H)、1.88−1.66(m,8H)、1.52−1.41(m,3H)、1.31(d,J=6.8Hz,3H)、1.24(d,J=6.5Hz,3H)、0.72(s,3H)。−MS(m/z,%):414(M+,18)、396(M+−H2O,8)、376(7)、356(4)、353(1)、317(15)、267(4)、241(9)、199(21)、173(23)、161(25)、105(42)、91(53)、43(100)。
エチル相同物112の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体112を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.19(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+24.9(c=0.54,CHCl3).−IR(film):3378、2930、1454、1166、1039cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.26(d,J=11.2Hz,1H)、5.87(d,J=11.2Hz,1H)、4.10(m,1H)、3.55(m,1H)、3.10(dd,J=12.9,4.1Hz,1H)、2.80(dd,J=12.5,4.2Hz,1H)、2.40−1.53(m,18H)、1.52(s,6H)、1.50−1.24(m,5H)、1.07(d,J=6.5Hz,3H)、1.00(t,J=7.4Hz,3H)、0,56(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=142.6、131.6、123.4、115.5、86.1、81.3、71.2、67.6、65.4、56.3、55.7、51.0、45.7、44.1、40.4、37.9、36.0、31.9、30.1、29.0、27.7、25.7、23.5、22.3、20.2、19.2、12.2、11.6。−MS(m/z,%):428(M+,10)、410(2)、370(4)、331(3)、267(3)、241(4)、199(8)、173(8)、149(20)、105(30)、91(45)、43(100)。
14−エピ−2α−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3(化合物108)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体108を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.19(イソオクタン/EtOAc 1:1);−[α]D r.
t.=+55.1(c=0.11,CHCl3)。−IR(film):ν=3362、2959、2929、1450、1376、1329、1243、1175、1127cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.30(d,J=11.3Hz,1H)、6.02(d,J=11.3Hz,1H)、3.98(m,1H)、3.60(td,J=9.4,4.6Hz、1H)、2.83(dd,J=13.9,4.6Hz,1H)、2.59(dd,J=12.8,4.3Hz,1H)、2.41(dt,J=12.5,3.8Hz,1H)、2.27−1.99(m,5H)、1.87(m,1H)、1.76−1.52(m,11H),1.49(s,6H)、1.33−1.25(m,3H)、1.13(d,J=6.7Hz,3H)、1.02(d,J=6.5Hz,3H)、0.95(s、3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=142.9、131.9、124.1、118.5、86.1、81.7、72.5、71.6、65..4、57.7、52.6、44.9、44.9、43.9、37.7、35.5、33.9、31.7、31.7、29.4、27.9、25.2、24.5、21.8、20.0、13.6。−MS(m/z,%):653(M++H,1)、634(M+−H2O、5)、597(M+−57+H,2)、459(1)、385(4)、361(3)、335(3)、267(4)、199(90)、183(38)、135(75)、43(100)。
エチル相同物116の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体116を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.24(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+22.3(c=0.38,CHCl3)。−IR(film):ν=3370、2958、2874、2233、1731、1614、1462、1378、1337、1240、1167cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.31(d,J=11.3Hz,1H)、6.03(d,J=11.3Hz,1H)、4.15(m,1H)、3.64(m,1H)、2.89(m,1H)、2.60(dd,J=12.8,4.3Hz,1H)、2.45−1.51(m,18H)、1.50(s,6H)、1.40−1.25(m,5H)、1.02(t,J=7.4Hz,3H)、0.91(d,J=6.9Hz,3H)、0.88(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=143.1、132.1、124.2、118.7、86.2、81.8、71.7、68.0、57.9、53.3、52.8、51.0、45.6、45.1、37.9、35.8、34.2、31.9、30.2、29.5、28.2、25.6、25.3、24.7、22.7、21.9、20.2、11.9。−MS(m/z,%):428(M+,2)、410(M+−18,8)、370(5)、313(5)、277(6)、199(30)、149(35)、142(30)、91(50)、43(100)。
14−エピ−2β−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3(化合物107)の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体107を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.18(イソオクタン/EtOAc 1:1);−[α]D r.t.=+43.8(c=0.21,CHCl3)。−IR(film):ν=3358、2929、1455、1377、1338、1239、1166cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.19(d,J=11.4Hz,1H)、6.06(d,J=11.4Hz,1H)、3.89(dd,J=6.3,3.2Hz,1H)、3.54(td,J=10.1,4.6Hz,1H)、3,07(dd,J=12.9,4.2H,1H)、3.01(m,1H)、2.46−2.31(m,3H)、2.23(dd,J=16.7,3.5Hz,2H)、2.15−2.01(m,3H)、1.94−1.86(m,2H)、1.78−1.50(m,8H)、1.49(s,6H)、1.35−1.25(m,3H)、1.14(d,J=6.7Hz,3H)、1.03(d,J=6.6
Hz,3H)、0.88(s,3H)。−MS(m/z,%):652(M+,1)、634(M+−H2O+1,6)、594(M+−57+H,2)、537(3)、459(2)、396(1)、378(4)、321(5)、261(6)、199(100)、183(27)、135(72)。
エチル相同物115の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体115を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.22(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=+8.9(c=0.69,CHCl3)。−IR(film):ν=3381、2958、2233、1454、1383、1166cm-11H NMR(CDCl3):δ=6.19(d,J=11.3Hz,1H)、6.07(d,J=11.3Hz,1H)、4.10(m,1H)、3.57(m,1H)、3.10(dd,J=12.8,4.3Hz,1H)、2.97(m,1H)、2.38(m,2H)、2.22(m,2H)、2.15−2.00(m,3H)、1.94−1.86(m,2H)、1.84−1.51(m,9H)、1.50(s,6H)、1.45−1.24(m,5H)、0.98(t,J=7.5Hz,3H)、0.90(d,J=6.7Hz,3H)、0.88(s,3H)。−13C NMR(CDCl3):δ=142.8、132.1、123.5、118.3、86.3、81.6、71.0、67.7、57.8、52.0、51.0、45.1、44.1、37.9、37.8、34.0、31.9、31.7、30.1、28.8、28.2、25.5、24.8、22.6、22.0、20.2、19.9、11.6。−MS(m/z,%):428(M+,2)、410(6)、313(4)、277(4)、241(4)、199(15)、173(10)、149(30)、105(25)、91(40)、43(100)。
3,14−ビス−エピ−2α−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 3:2);−[α]D r.t.=53.11(c=0.31,CHCl3)。−IR(film)=3345、2928、1455、1362、1232、1167、1103、1067、1038、944、874、750cm-1。−1H NMR(500MHz,CDCl3):□=6.31(D,J=11.3Hz,1H)、6.08(d,J=11.3Hz,1H)、3.95(d,J=2.1Hz,1H)、3.90(d,J=2.9Hz,1H)、3.05(d,J=14.1Hz,1H)、2.49−2.40(m,4H)、2.26−1.50(m,15H)、1.49(s,6H)、1.31−1.23m,3H)、1.19(d,J=7.2Hz,3H)、1.01(d,J=6.7Hz,3H)、0.96(s,3H)。−13C NMR(50Mhz,CDCl3):□=142.2、129.8,125.0、118.7、86.0、81.8、73.3、73.1、65.4、57.4、52.6、44.9、44.9、38.9、37.6、36.5、33.9、31.7、31.7、29.3、27.8、25.1、24.4、22.4、21.8、20.1、14.5。−MS(m/z,%):414(M+,1)、396,(M+−H2O,9)、381(5)、363(7)、356(4)、299(7)、267(8)、241(9)、213(12)、185(14)、147(21)、107(21)、107(26)、91(45)、43(100)。
1,14−ビス−エピ−2β−メチル−19−ノル−23−イン−1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3の調製
実施例33でと同一の手順を用いて、ビタミンD類似体を作製し、以下のように特徴づけられた。Rf=0.21(イソオクタン/EtOAc 4:1);−[α]D r.t.=;20.42(c=0.31,CHCl3)。−IR(film)=3353、2930、1611、1455、1376、1169、1070、1028、988,948、882、729cm-1。−1H NMR(500MHz,CDCl3):□=6.32(d,J=11.3Hz,1H)、6.08(d,J=11.3Hz,1H)、3,96(br.s,1H)、3.90(br.s,1H)、3.06(dd,J=14.1,3.2Hz,1H)、2.49−2.38(m,3H)、2.25−1.50(m,16H)、1.49(s,6H)、1,32−1.24(m,3H)、1.18(d,J=7.2Hz,3H)、1.02(d,J=6,6 Hz,3H)、0.95(s,3H)。−MS(m/z,%):396(M+−H2O,24)、378(8)、335(2)、299(13)、267(12)、241(13)、199(18)、185(20)、145(21)、105(51)、91(74)、43(100)。
1α,25(OH)23類似体の結合特性
a)ビタミンDレセプター(VDR)に対する親和性
新規類似体の結合特性を評価するために使用した方法は、すでに記述された、(ビタミンDを含む)ステロイドホルモン結合アッセイのために使用された、本分野の技術の状態の例である(Verstuyf A. et al.J Bone Mineral Res 13:549−558,1998)。
1α,25(OH)23のC2−置換類似体の、ビタミンDレセプターへの親和性を、正常ブタから得た、腸粘膜ホモジネートからの高スピード上清への結合に関して、[3H]1α,25(OH)23と比較した、その能力によって評価した。インキュベーションを、4℃にて20時間実施し、相分離を、デキストラン−コート木炭の添加によって得た。類似体の相対親和性を、1α,25(OH)23の能力と比較して、そのレセプターへの[3H]1α,25(OH)23の50%を置換するために必要なそれらの濃度から計算した。
結果
2α−メチル(102、104、106、108、117)または2α−エチル(110、112、114、116)置換A−環を持つ全ての19−ノル−1α,25(OH)23類似体が、それらの2β−メチル(101、103、105、107、118)または2β−エチル(109、111、113、115)カウンターパートと比較して、ビタミンDレセプターに対してより高い親和性を持つ(表1および2)。
C2−メチル置換19−ノル−1α,25(OH)23類似体(101〜108、141)のほとんどが、それらのC2−エチル置換19−ノル−1α,25(OH)23カウンターパート(109〜116、142)よりも、VDRに対してより高い親和性を持つ。
VDRに対する結合親和性は常に、23−イン側鎖を持つ2α−メチルカウンターパート(104、108)と比較して、1α,25(OH)23の天然側鎖を持つ2α−メチル類似体(102、106)に関してより高い。この観察は、23−イン側鎖を持つ2β−メチルカウンターパート(103、107)と比較して、1α,25(OH)23の天然側鎖を持つ2β−メチル類似体(101、105)に関してもより断言される。2α−エチル(112)または2β−エチル(111)類似体における23−イン側鎖の導入がまた、1α,25(OH)23類の天然の側鎖を持つ、2α−エチル(110)または2β−エチル(109)類似体と比較して、VDRへの親和性を減少させる。
14−エピマー化あり(106)またはなし(102)の、2α−メチル−1α,25(OH)23類似体は、2α−エチル−1α,25(OH)23類似体(110)とともに、ビタミンDレセプターに対して、最も高い親和性を示した[1α,25(OH)23(=100%結合)と比較して90%]。
b)ヒトDBPに対する親和性
hDBPに対する1α,25(OH)23類似体の結合を、本質的に先に記述したように、4℃にて実施した[18]。[3H]1α,25(OH)23および1α,25(OH)23、またはその類似体を、ガラスチューブ中の5μlエタノールに加え、最終濃度1ml(0.01M Tris−HCl緩衝液および0.154M NaCl、pH7.4)のhDBP(0.18μM)と共に、4℃にて3時間インキュベートした。ついで相分離を、0.5mlの冷デキストラン−コート木炭の添加によって得た。
結果(表1および2)
全ての調査したC2置換類似体が、1α,25(OH)23(=100%親和性)と比較して、同等か、または10%低い、DBPに対する結合親和性をもつが、ただし、化合物114、102および110は、それぞれ、40、50および20%親和性を示している。
2α−メチル(102、104、106、108)または2α−エチル(110、112、114)19−ノル−1α,25(OH)23類似体は、それらの2β−メチル(101、103、105、107)または2β−エチル(109、111、113)カウンターパートと比較して、DBPに対して、より高い親和性をもつ。
C2−メチル置換19−ノル−1α,25(OH)23類似体は、2α−メチル−14−エピ−19−ノル−1α,25(OH)23[1α,25(OH)23(=100%結合)と比較して9%親和性、化合物106]対2α−エチル−14−エピ−19−ノル−1α,25(OH)23[1α,25(OH)23(=100%結合)と比較して、40%親和性、化合物114]を除いて、常に、C2−エチル置換19−ノル−1α,25(OH)23カウンターパートよりも高いDBPへの結合親和性を持つ。
DBPに対する結合親和性は、23−イン側鎖を持つ、それぞれの2α−メチルおよび2α−エチルカウンターパートと比較して、1α,25(OH)23の天然の側鎖を持つ2α−メチルまたは2α−エチル類似体に関して、常に高い。
類似体のtrans配向性C14水素を、cis配向性C14水素に変更する場合に、DBPに対する親和性は、化合物114を除いて減少した。
細胞増殖および細胞分化におけるC2−置換1α,25(OH)23類似体の効果
a)乳がん細胞MCF−7
細胞増殖における効果を評価するために、悪性MCF−7細胞を、10%熱不活性化FCS、グルタミン(2mM)、ペニシリン(100ユニット/ml)およびストレプトアビジン(0.1mg/ml)を含むDMEM/nut.mix.F12(HAM)培地中で培養した。培地を37℃にて、空気中5% CO2の湿潤環境に維持した。MCF−7細胞を、96−ウェルマイクロタイタープレート中、ウェルあたり0.2mlの最終容量で、以上で記述した培地中、5×103細胞/ウェルでまいた。三重培養を実施した。24時間後、1α,25(OH)23または類似体を適切な濃度で、72時間インキュベーション時間、加えた。ついで、1μCiの[3H]チミジンを各ウェルに加え、細胞を4
時間のインキュベーションの後、パッカード(Packard)ハーベスターによって回収し、パッカード トップカウント システム(Packard Topcount System)(Packard,Meriden,USA)によって測定した。
b)前骨髄性白血病細胞HL−60
細胞分化における効果を評価するために、HL−60細胞を、最終容量5mlにて、20%FCSおよびゲンタマイシン(50μg/ml)を含むRPMI1640培地を用い、25cm2ファルコン(Falcon)組織チャンバー中に、4×104細胞/ウェルまいた。培養液を、空気中5% CO2の湿潤大気中、37℃に維持した。1日後、1α,25(OH)23または類似体を、エタノール中の細胞培養液に加えた(最終濃度<0.2%)。培養4日後、ディッシュをゆすり、付着性細胞を取り除いた。細胞を、RPMIにて2回洗浄し、計数し、分化マーカーに関してアッセイした(NBT減少アッセイ)。スーパーオキシド産出を、先に記述されたように(Ostrem V.K et al.,Proc Natl AcaD Sci USA 84:2610−2614,1987)、NBT減少アッセイとして測定した。1×106/mlのHL−60細胞を、等量のホルボール12−ミリスチン酸13−酢酸(200ng/ml)およびNBT(2μg/ml)の新鮮に調製した溶液と混合し、37℃にて30分間インキュベートした。黒色ホルマザン沈殿を含む細胞の割合を、血球計算版を用いて決定した。
結果(表1および2、図9および10)
一般的に、2α−メチル−19−ノル−1α,25(OH)23類似体(化合物102、104、106、108、141)およびほとんどの2α−エチル−19−ノル−1α,25(OH)23類似体(化合物110、112、116、117、142)は、それぞれの2αカウンターパートよりも、弱い2β−置換類似体と比較して、非常に強力な抗増殖および抗分化効果を持つ。1α,25(OH)23の天然の側鎖を持つ2α−メチル−19−ノル類似体(102)は、1α,25(OH)23のそれと比較して、4(MCF−7)倍〜10(HL60)倍の抗増殖およびプロ分化活性を示した。この類似体102中の23−イン側鎖の導入が、MCF−7細胞の増殖を阻害する能力を強く増加させ(26倍)(化合物104)、1α,25(OH)23よりも100倍活性であった。類似体2α−メチル−19−ノル−23−イン−の1α,25(OH)23(104)のtrans配向性C14水素を、cis配座[2α−メチル−14−エピ−19−ノル−23−イン−1α,25(OH)23(化合物108)]に再配向するときに、ふたたび抗増殖活性が増加した。14−エピ−19−ノル−1α,25(OH)23類似体は、HL−60細胞を分化させる親化合物と半分の強度であり、MCF−7細胞増殖を阻害する活性は三倍少ない(表1)。この14−エピ−19−ノル−1α,25(OH)23類似体中の、2α−メチル(106)または2α−エチル(114)の導入によって、HL60細胞およびMCF−7細胞における生物学的効果が増加する。
すべての調査した類似体化合物の中で、108が、細胞分化を誘導し(1α,25(OH)23よりも40倍)、細胞増殖を阻害する(1α,25(OH)23よりも120倍)、もっとも強力な類似体であった。以上で記述したように、19−ノル−14−エピ−23−イン−1α,25(OH)23類似体(SDB112/TX522)の本質的な活性が、2α−メチルA−環で置換された場合(化合物108)に、強く増加するが、TX522が、2α−エチルA−環で置換された場合、生物学的プロファイルはさらには増強されなかった。一方で、TX522中の2β−メチル(107)または2β−エチル(115)A−環の導入が、そのin vitro活性を減少させる。化合物108の3−エピマー化(117)は、明らかにプロ分化活性を減少させ、化合物108の20−エピマー化(141)は、MCF−7細胞増殖の阻害を強力に減少させた。化合物107のエピマー化(118)はもはや活性ではなかった。
1α,25(OH)23の天然の側鎖を持つ2β−メチル−19−ノル類似体は、分化
を誘導し、または増殖を阻害することに関して、1α,25(OH)23よりも弱かった。14−エピ−19−ノル−1α,25(OH)23類似体の中の2β−メチル(105)の導入は、HL60におけるプロ分化効果を増加させたが、MCF−7細胞における抗増殖効果を減少させた。2β−メチル−19−ノル−1α,25(OH)23中に導入された場合は、逆である。23−in側鎖(103)を持つ2β−メチル−19−ノル類似体、およびその14−エピカウンターパート(107)は、1α,25(OH)23よりも3〜9倍強力であった。
19−ノル−1α,25(OH)23(110)のA−環上の、2α−メチル基の代わりに、2α−エチル基の置換によって、HL60細胞上のプロ分化活性が減少した。それにもかかわらず、その活性は、1α,25(OH)23よりも2〜6倍まだ強い。化合物24の2β−エチルカウンターパート(109)は、効果を失い、1α,25(OH)23よりも活性が弱い。類似体2α−エチル−19−ノル−1α,25(OH)23(112)中の23−イン側鎖は、MCF−7上の抗増殖効果を増強した(3倍)。2β−エチル−19−ノル−23−イン−1α,25(OH)23(111)は再び、2α−エチル−19−ノル−12−イン−1α,25(OH)23(112)よりも活性が弱い。
1α,25(OH)23類似体のin vivo活性
8週齢、オスNMRIマウスを、ロウベン(Leuven(Belgium))のプロエフジエレンセントラム(Proefdierencentrum)より得、ビタミンD−充満餌(0.2% カルシウム、1% リン酸、2000U ビタミンD/kg、ホープ ファームス(Hope Farms)、Woerden,The Netherlands)を与えた。6匹の群に、異なる用量の1α,25(OH)23(0.1、0.2および0.4μg/kg/日)または類似体で、7連続日にわたり毎日、皮下に注射した。対象群には賦形剤(アラキス油)を注射した。6匹のマウスの各群の平均重量を、実験の開始および終了の時点で測定した。以下のパラメータを評価した:血清カルシウム、血清オステオカルチン、大腿カルシウムおよび尿カルシウム。血清および尿カルシウムを、微小比色アッセイ(シグマ(Sigma)、St.Louis,MO)によって測定した。大腿を取り出し、大腿カルシウム含量を、HLc−溶解骨アッシュ(100℃にて、オーブン内で24時間熱することによって得た)中で、血清および尿カルシウムに関するものと同様の技術を用いて測定した。血清オステオカルチンは、標準としてマウスオステオカルチンを用い、また、ポリクローナルブタ抗−マウスオステオカルチン抗血清(Bouillon R.et al.Clin Chem 38:2055−60、1992)を用いる、インハウス放射免疫アッセイによって測定した。
結果(表1〜3)
1α,25(OH)23の天然の側鎖を持つ2α−メチル−19−ノル類似体(102)は、1α,25(OH)23と比較して、カルシウム性は2.5倍弱かった。カルシウム活性のさらなる減少(80倍)が、2β−メチル−A−環の導入(101)によって得られた。23−イン側鎖(104)の導入、または14−エピマー化(106)、または両方の組み合わせ(108)が、2α−メチル−19−ノル−1α,25(OH)23(102)のカルシウム活性を減少させた。2β−メチル−19−ノル−1α,25(OH)23のカルシウム効果は、側鎖への不飽和の導入(23−イン、103)、14−エピマー化(105)または両方の組み合わせ(107)によっては、さらには減少はしなかった。
19−ノル−1α,25(OH)23(110)のA−環中の、2α−エチル基の置換は、1α,25(OH)23よりも7.6倍カルシウム性が低く、その2βカウンターパート(109)はさらに、16倍、カルシウム活性が減少した。再び、23−イン側鎖の
導入(112)または14−エピマー化(114)または両方の組み合わせ(116)が、2α−エチル−19−ノル−1α,25(OH)23(109)のカルシウム効果を減少させた。これらの新規化合物のいくつかは、骨における造骨活性とともに、血清カルシウムレベルにおける低い効果を伴う、興味深いパターンの生物学的活性を示した。たとえば、類似体2α−メチル−14−エピ−19−ノル−23−イン−1α,25(OH)23(108)で、7連続日処理した(i.p. 1μg/kg/d)マウスは、1α,25(OH)23(0.1、0.2、0.4μg/kg/d、表3)で処置したマウスと比較して、血清カルシウムレベルは低い。血清カルシウムモデルにおいて、ほとんど、または全く効果がない一方で、1μg/kg/dの用量での本化合物は、骨において、カルシウムレベルを増加させた(賦形剤処置マウスと比較して10%増加、および0.1、0.2および0.4μg/kg/d 1α,25(OH)23と比較して、それぞれ18%、14%、20%増加、表3)。骨におけるそれらの好ましい活性のために、これらの化合物は、骨粗鬆症、骨軟化症および腎性骨ジストロフィーのような骨疾病の処置のための、理想的な候補である。
もっとも強力なC2−置換 19−ノル−1α,25(OH)23類似体の選択性プロファイル
表4は、マウスにおけるそれらの実際のin vivoカルシウム効果(7日間処置の後の血清カルシウムレベル)と比較した、MCF−7細胞上のin vitroで得られたデータに基づいた、もっとも強力なC2−置換 19−ノル−1α,25(OH)23類似体の選択性プロファイルを表している。全ての活性は、1α,25(OH)23と比較したパーセント活性として計算している。選択性プロファイルはしたがって1である。23−イン側鎖(108)を持つ、C2α−メチル置換14−エピ−19−ノル−23−イン−1α,25(OH)23類似体が、細胞分化および増殖において、もっとも強力な固有の効果を持ち、C2−エチル置換(2αならびに2β)14−エピ−19−ノル−23−イン−1α,25(OH)23(116および115)は、抗増殖性およびカルシウム効果間で、もっともよい乖離比を示している。類似体116、115および108の選択性プロファイルは、同一の研究所で同一の方法で測定した場合、すでに発行された、1α,25(OH)23のもっとも良い類似体のものよりも、数倍大きく(表4)、そのような類似体は、過剰増殖疾病(がん、乾癬)および自己免疫疾患の処置において有用であり得る。
骨粗鬆症のinおよびin vivoモデルにおける化合物の試験
a)ビタミンD類似体による、骨粗鬆症の初期予防
12週齢C3Hメスマウスを、両側卵巣摘徐または疑似手術にかける。動物を、経口の餌または腹腔内で、類似体または賦形剤で処置する。投与は、手術後3日目に開始し、8〜9週間続けた。
最初の処置の前に、in vivo測定を実施して、総体重および脊椎の骨ミネラル濃度(BMD)、骨ミネラル含量(BMC)を、二重エネルギーX−線吸収測定法(DXA)によって決定する。尿中のコラーゲン架橋および血清中のオステオカルチンと共に、尿および血清をカルシウムレベルを測定するために回収する。動物を、実験の間、定期的に体重測定する。4週間処置後、尿および血清を再び回収し、生化学的パラメータを決定する。実験の最後(8〜9週間)に、尿を回収し、DXA測定を、in vivoで実施し、BMDおよびBMCを決定する。動物を殺した後、頸骨および大腿骨を切断する。以下の生化学パラメータを調査する。血清カルシウム、血清オステオカルチン、尿カルシウム、尿コラーゲン架橋、大腿骨カルシウム。
頸骨を、組織形態学的解析のために使用し、大腿骨を、ex vivoにて、末梢定量性コンピュータトモグラフィー(pQCT)によって、皮層および骨梁容積濃度および形状の測定のために使用する。
本発明の類似体、更に詳しくは化合物108のin vivo投与の結果として、BMD、BMCおよび大腿カルシウムが増加し、一方、血清カルシウムまたは尿カルシウムレベルは、少なくとも4週間後、とりわけ処置の8週間後には、有意に増加はしない。
b)ビタミンD類似体による、骨粗鬆症の二次予防または処置
12週齢C3Hメスマウスを、両側卵巣摘徐または疑似手術にかける。動物を、経口の餌または腹腔内で、類似体または賦形剤で処置する。投与は、手術後4週目に開始し、4〜10週間続けた。
最初の処置の前に、in vivo測定を実施して、総体重および脊椎の骨ミネラル濃度(BMD)、骨ミネラル含量(BMC)を、二重エネルギーX−線吸収測定法(DXA)によって決定する。尿中のコラーゲン架橋および血清中のオステオカルチンと共に、尿および血清をカルシウムレベルを測定するために回収する。動物は実験の間、定期的に体重測定する。4週間処置後、尿および血清を再び回収し、生化学的パラメータを決定し、尿を回収し、DXA測定をin vivoで実施して、BMDおよびBMCを決定する。動物を殺した後、頸骨および大腿骨を切断する。以下の生化学パラメータを調査する;血清カルシウム、血清オステオカルチン、尿カルシウム、尿コラーゲン架橋、大腿骨カルシウム。
頸骨を、組織形態学的解析のために使用し、大腿骨を、ex vivoにて、末梢定量性コンピュータトモグラフィー(pQCT)によって、皮層および骨梁容積濃度および形状の測定のために使用する。
本発明の類似体、更に詳しくは化合物108のin vivo投与の結果として、処置の前に観察されたレベルと比較して、BMD、BMCおよび大腿カルシウムが増加し、一方、血清カルシウムまたは尿カルシウムレベルは、少なくとも4週間後、とりわけ処置の8週間後には、有意に増加しない。更に詳しくは、BMD、BMCおよび大腿骨カルシウムのレベルは、疑似手術対照動物のレベルより高く、一方で、血清カルシウムまたは尿カルシウムレベルは有意には高くない。
Figure 2006519788
Figure 2006519788
Figure 2006519788
Figure 2006519788
図1は、本発明のビタミンD類似体の合成の方法を、略図的に表している。 図2は、本発明のビタミンD類似体の合成の他の方法を、略図的に表している。 図3は、本発明のビタミンD類似体の合成の他の方法を、略図的に表している。 図4は、本発明のビタミンD類似体を作製するために有用な前駆体の合成の方法を、略図的に表している。 図5は、本発明のビタミンD類似体を作製するために有用な前駆体の合成の方法を、略図的に表している。 図6は、本発明のビタミンD類似体を作製するために有用な前駆体の合成の方法を、略図的に表している。 図7は、本発明の個々のビタミンD類似体の詳細な式を示している。 図8は、本発明のビタミンD類似体の合成の他の方法を、略図的に表している。 図9は、HL−60細胞における、本発明のビタミンD類似体の分化効果を示している。 図10は、MCF−7細胞における、本発明のビタミンD類似体の抗増殖効果を示している。

Claims (19)

  1. 一般式(I)で表されるビタミンD類似体、その医薬的に許容可能な塩および/または溶媒和物であって、
    Figure 2006519788
    式中
    −Pは、水素、アルキル(好ましくはC1-7アルキル)、シクロアルキル(好ましくはC3-10シクロアルキル)、アシル(好ましくはC1-7アシル)および他の保護基からなる群より選択され、
    −各炭素原子14および20は、独立して、RまたはS配座を持ち、
    −RおよびR’は独立して、水素および1〜5個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子、もっとも好ましくは1〜2個の炭素原子を持ち、任意に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、スルホヒドリルおよびアミノからなる群より選択された、1つまたはそれ以上の官能原子または基で置換された、直鎖または分岐アルキルからなる群より選択され、RおよびR’両方が水素ではなく、1つのRおよびR’が水素の場合、もう一つのRおよびR’は、ただ1つの炭素原子を持つアルキル基であり、前記の基が、炭素2で配座αであり、水素原子が、炭素14で配座βであり、
    −Xは、以下のように置換または官能基化可能である、2〜15炭素原子からなるアルキル側鎖を表し、
    ・1つまたはそれ以上の位置で、たとえば位置24、25および/または26で、ヒドロキシル置換、および/または
    ・1つまたはそれ以上の位置で、たとえば位置24、26および/または27で、メチルまたはエチル置換、および/または
    ・1つまたはそれ以上の位置でハロゲン置換(群)、たとえば、位置26および/または27で、ペルフルオレート、または位置24でジフルオレート、および/または
    ・以上で言及した1つまたはそれ以上のヒドロキシル置換基のエステル誘導体またはエーテル誘導体、および/または
    ・たとえば1つまたはそれ以上の位置22、23および24で、1つまたはそれ以上の炭素原子の、酸素、窒素または硫黄原子への変換、および/または
    ・一結合(シクロプロパン)による、または1〜4炭素原子の仲介による、炭素原子26と27の間の環化で、得られた環は飽和、不飽和、または芳香族であり、任意に、1つまたはそれ以上の以上で言及した置換基によって、任意の可能性のある位置(群)で置換される、および/または
    ・1つの炭素での、または2つの炭素原子間での、1〜4原子による環化で、芳香族を含む、ヘテロ環状環が形成され、任意の可能性のある位置にて、1つまたはそれ以上の以上で言及した置換基で置換されうる、および/または
    ・1つまたはそれ以上の二重または三重C−C結合(群)を持つ不飽和で、これらの不飽和鎖は、任意に、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基によって、任意の可能性のある位置で置換される、および/または
    ・1つまたはそれ以上の炭素間(好ましくは22と23、または23と24、または24と25、または25と26)のエポキシド化で、得られたエポキシド鎖(群)は、飽和または不飽和であり、飽和である場合、任意に、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基で、任意に可能性のある位置で任意に置換される、および/または、
    ・前記アルキル側鎖Xの2つまたはそれ以上の炭素原子が、単結合によって、または1〜5炭素または酸素または窒素または硫黄原子の仲介によって連結し、以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基によって、任意の可能性のある部位(群)で飽和されうる、3〜7員飽和または不飽和炭素環状(芳香族を含む)またはヘテロ環状環が形成される、および/または
    ・以上で言及した1つまたはそれ以上の置換基で、任意の可能性のある位置(群)で、置換されうる、1つまたはそれ以上の飽和または不飽和、炭素環状(不飽和を含む)、またはヘテロ環状環による、1つまたはそれ以上の位置での置換、
    ・前記アルキル側鎖Xのすべての可能性のある異性体形態を含む、ビタミンD類似体、その医薬的に許容可能な塩および/または溶媒和物。
  2. 水素原子が、炭素14にて、配座βである、請求項1に記載のビタミンD類似体。
  3. 水素原子が、炭素14にて、配座αである、請求項1に記載のビタミンD類似体。
  4. RおよびR’が水素ではない、請求項1〜3のいずれかに記載のビタミンD類似体。
  5. RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の一つが、ただ1つの炭素原子を持つアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素1にて、配座αである、請求項1または請求項2に記載の、ビタミンD類似体。
  6. RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが、ただ1つの炭素原子を持つアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素3にて、配座αである、請求項1または請求項2に記載の、ビタミンD類似体。
  7. RおよびR’の1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが、ただ1つの炭素原子を持つアルキル基であり、さらに、OP基が、炭素3にて、配座βである、請求項1または請求項2に記載の、ビタミンD類似体。
  8. RおよびR’1つが水素であり、RおよびR’の他の1つが、2つの炭素原子を持つアルキル基である、請求項1または請求項2に記載の、ビタミンD類似体。
  9. 以下の構造の1つを持つ、請求項1に記載のビタミンD類似体。
    Figure 2006519788
  10. 以下の構造の1つを持つ、請求項1に記載のビタミンD類似体。
    Figure 2006519788
  11. 以下の構造の1つを持つ、請求項1に記載のビタミンD類似体。
    Figure 2006519788
  12. 以下の構造の1つを持つ、請求項1に記載のビタミンD類似体。
    Figure 2006519788
  13. 請求項1〜12のいずれか記載の、治療に効果的な量のビタミンD誘導体、および1つまたはそれ以上の医薬的および/または獣医学的に許容可能な担体または希釈液を含む、医薬調製物。
  14. さらに、効果量の免疫−調節剤を含む、請求項13に記載の医薬調製物。
  15. さらに、効果量の抗−がん剤を含む、請求項14に記載の医薬調製物。
  16. 細胞増殖を抑制するため、および/または細胞分化を誘導するための、医薬品の調製のための、請求項1〜12の任意に記載のビタミンD類似体の使用。
  17. 免疫疾患の治療および/または予防のための医薬品の調製のための、請求項1〜12の任意に記載のビタミンD類似体の使用。
  18. 炎症性疾患、皮膚疾病、過剰増殖疾病またはがんの治療および/または予防のための医薬品の調製のための、請求項1〜12の任意に記載のビタミンD類似体の使用。
  19. 代謝性骨疾患を処置するための、医薬品の調製のための、請求項1〜12の任意に記載のビタミンD類似体の使用。
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