JPWO2004033420A1 - 2,2−ジ置換−1α,25−ジヒドロキシ−19−ノルビタミンD誘導体 - Google Patents

2,2−ジ置換−1α,25−ジヒドロキシ−19−ノルビタミンD誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、新規な2,2−ジ置換−19−ノルビタミンD誘導体を提供することである。本発明により、一般式(I):(式中、R1およびR2は、同一または異なって、水酸基等を表し、Aは水素、または無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基等を表す)で表される化合物が提供される。

Description

本発明は、新規なビタミンD誘導体に関するものであり、詳しくは、新規な2,2−ジ置換−19−ノルビタミンD誘導体および新規な20−Epi−19−ノルビタミンD誘導体に関するものである。
活性型ビタミンD(1α,25−ジヒドロキシビタミンD、1,25−(OH))はカルシウムおよびリンの代謝調節ホルモンとして知られている他に、細胞の分化誘導や増殖抑制作用、免疫調節作用など多彩な生物作用を発揮する。これらの作用は、核内に存在するビタミンD受容体(VDR)を介する標的遺伝子の転写制御により発現する。1,25−(OH)は、腎性骨異栄養症、D−抵抗性くる病、副甲状腺機能低下症、骨粗鬆症や乾癬症の治療薬に適用されている。癌や免疫治療薬としても期待されているが、癌や免疫治療薬としての有効量で高カルシウム血症を併発することから、血清カルシウム上昇作用と細胞の分化誘導作用を分離したビタミンD誘導体の開発が望まれた。選択的に細胞の分化誘導作用を持つ誘導体の合成研究の多くは側鎖の修飾に向けられてきたが、デルーカ等により1,25−(OH)から19−エキソメチレン基を除去したA環修飾体、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD(以下19−nor−1,25−(OH)とも記載する)が合成された(Perlman K.L.,Swenson R.E.,Paaren H.E.,Schnoes H.K.,DeLuca H.F.,Tetrahedron Lett.,1991,32,7663−7666.)。19−Nor−1,25−(OH)の生物作用を活性型1,25−(OH)と比較すると、VDR結合活性は約3分の1、そして骨吸収作用は10分の1以下と弱くなったが、腫瘍細胞に対する分化誘導作用は同等の活性を保持していることが示され、19−nor−1,25−(OH)は血清カルシウム上昇作用が弱いビタミンD誘導体の骨格として有用であることが示唆された。さらに、2位に種々の置換基を含む19−ノルビタミンD誘導体が合成され、いくつかの興味深い活性プロフィールが報告されている(Sicinski R.R.,Perlman K.L.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,1994,37,3730−3738;Sicinski R.R.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,1998,41,4662−4674;Sicinski R.R.,Rotkiewicz P.,Kolinski A.,Sicinska W.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,2002,45,3366−3380;岩崎由紀子ら、日本薬学会第121年会要旨集3、p.17、29[PB]II−011、2001年(札幌);吉田彰宏ら、日本薬学会第121年会要旨集3、p.17、29[PB]II−014、2001年(札幌);岩崎由紀子ら、日本薬学会第122年会要旨集2、p.180、28[P]I−183、2002年(千葉);吉田彰宏ら、日本薬学会第122年会要旨集2、p.180、28[P]I−184、2002年(千葉);清水正人ら、日本ビタミン学会第54回大会、要旨、ビタミン、76,155−156、025、2002年(東京);清水正人ら、第28回反応と合成の進歩シンポジウム講演要旨集、pp 234−235、2002年(東京))。例えば、19−nor−1,25−(OH)の2位に1つのアルキル基またはアルキリデン基を導入すると(Sicinski R.R.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,1998,41,4662−4674;Sicinski R.R.,Rotkiewicz P.,Kolinski A.,Sicinska W.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,2002,45,3366−3380)、細胞の分化誘導作用および血清カルシウム上昇作用の上昇が認められた。
しかしながら、従来の2位置換−19−ノルビタミンD誘導体の研究は、2位に1つの置換基を持つものに限定されていた。また、20−Epi−19−ノルビタミンD誘導体については、現在までに、2位にメチル、エチル、ヒドロキシメチルなどを持つ誘導体が報告されているが(Sicinski R.R.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,1998,41,4662−4674;Sicinski R.R.,Rotkiewicz P.,Kolinski A.,Sicinska W.,Prahl J.M.,Smith C.M.,DeLuca H.F.,J.Med.Chem.,2002,45,3366−3380)、さらに優れた生物学的活性を有する誘導体の開発が望まれていた。
本発明は、新規な2,2−ジ置換−19−ノルビタミンD誘導体と新規な20−Epi−19−ノルビタミンD誘導体を合成し、提供することを目的とするものである。本発明はまた、合成した2,2−ジ置換−19−ノルビタミンD誘導体と新規な20−Epi−19−ノルビタミンD誘導体の生物活性を評価することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、新規な2,2−ジ置換−19−ノルビタミンD誘導体と新規な20−Epi−19−ノルビタミンD誘導体を合成することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は一般式(I):
Figure 2004033420
(式中、
R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または置換された炭素数1−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−15の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、または置換された炭素数2−15の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換の炭素数3−6のスピロ環状アルキル基、または置換された炭素数3−6のスピロ環状アルキル基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む無置換の炭素数3−6のスピロヘテロ環、またはヘテロ原子として酸素原子を含む置換された炭素数3−6のスピロヘテロ環を形成し;
Aは、水素、または無置換の炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または無置換の炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、または置換された炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表す)
で表される化合物を提供するものである。
一般式(I)において、R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはハロゲン原子および無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基およびアリール基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、またはハロゲン原子および無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基およびアリール基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数2−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換のスピロシクロプロピル基、または少なくとも1個の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロシクロプロピル基、または無置換のスピロオキシラン、または炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロオキシランを形成し;Aは、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すことが好ましい。
さらに、一般式(I)において、R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはハロゲン原子および炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のアルキルオキシ基およびフェニル基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換のスピロシクロプロピル基、または少なくとも1個の炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロシクロプロピル基、または無置換のスピロオキシランを形成し;Aは、水素、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数3−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数3−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数4−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すことが好ましい。
一般式(I)において、R1およびR2は、同一または異なって、水酸基、または無置換の炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはフッ素原子および無置換の炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって無置換のスピロオキシランを形成し;Aは、水素、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数5−7の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表すことが好ましい。
一般式(1)において、20位の立体配置はS配置であってもよく、R配置であってもよい。
本発明のさらに別の側面によれば、一般式(IV):
Figure 2004033420
(式中、
R4およびR5は、一方が水素原子を表し、かつ他方が水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基または−OR6(ここで、R6は水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表す)を表す、あるいはR4およびR5が一緒になって=CR7(ここで、R7は水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表す))
である化合物が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記一般式(I)または一般式(IV)で表される化合物と、薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、細胞の分化に異常を伴う疾患を治療または予防する方法であって、そのような治療または予防を必要とする対象に、上記一般式(I)または一般式(IV)で表される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記一般式(I)または一般式(IV)で表される化合物の細胞の分化に異常を伴う疾患治療用の医薬組成物製造への使用が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記一般式(I)で表される化合物を製造する方法であって、一般式(II):
Figure 2004033420
(式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表す)
で表される化合物から一般式(III):
Figure 2004033420
(式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表し、Phはフェニル基を表す)
の化合物を得る工程を含む方法が提供される。
発明を実施するための好適な形態
なお、本出願が主張する優先権の基礎となる出願である特願2002−297366号および特願2003−024183号の開示は、全て引用により本明細書の中に取り込まれる。
以下に、本発明の一般式(I)および(IV)で表されるビタミンD誘導体の実施態様および実施方法についてより詳細に説明する。
本発明において、「ビタミンD誘導体」とは、9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン構造を有する化合物を指す。本発明において、「19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD誘導体」とは、9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン構造を有する化合物から10(19)−エキソメチレン基が除去された化合物を意味する。
一般式(I)のR1およびR2における、「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、シュウ素、ヨウ素原子などが挙げられるが、フッ素原子が特に好ましい。
R1およびR2における、「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」としては、炭素数1−10の無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。炭素数は好ましくは1−8、いっそう好ましくは1−6、さらにいっそう好ましくは1−4である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、並びに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R1およびR2における、「置換された直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」としては、上記の「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、置換された直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基(炭素数1−4、特に1−3であることが好ましい)、無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基(炭素数1−4、特に1−3であることが好ましい)、無置換のアリール基(たとえば、フェニル基)、ハロゲン原子もしくは無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基で置換されたアリール基(たとえば、トリル基)、アミノ基、アジド基等が挙げられ、特に、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アミノ基、アジド基等が好ましい。
R1およびR2における、「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基」としては、少なくとも1つの二重結合を有する炭素数2−15の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基が好ましい。炭素数は好ましくは2−8、いっそう好ましくは2−6、さらにいっそう好ましくは2−4である。二重結合の数は1−3であることが好ましく、1または2であることがさらに好ましく、1であることがいっそう好ましい。「置換された直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基」としては、上記の「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、例えばハロゲン原子および無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。
2位の立体配置は、R配置であってもS配置であってもよい。
R1およびR2が一緒になって形成する「無置換のスピロ環状アルキル基」は、炭素数3−6、さらに3−4であることが好ましく、特に、スピロシクロプロピル基等が好ましい。
置換されたスピロ環状アルキル基とは、上記の「無置換のスピロ環状アルキル基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1−4であることがさらに好ましく、炭素数1−3であることがいっそう好ましい。例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R1およびR2が一緒になって形成する「ヘテロ原子として酸素原子を含む無置換のスピロヘテロ環」としては、炭素数3−6、さらに3−4であることが好ましい。ヘテロ原子として1個の酸素原子を含むことが好ましい。特にスピロオキシラン等が好ましい。
「ヘテロ原子として酸素原子を含む置換されたスピロヘテロ環」とは、上記の「ヘテロ原子として酸素原子を含む無置換のスピロヘテロ環」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。
一般式(I)のAにおける、「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」としては、炭素数1−12の無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。炭素数は好ましくは3−10、いっそう好ましくは5−7、もっとも好ましくは6である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、並びに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Aにおける「置換された直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」とは、上記の「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、ヒドロキシ基が好ましい。置換基の数は特に制限はないが、1−3であることが好ましく、1または2であることがさらに好ましい。例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデカニル基、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基、1,4−ジヒドロキシ−4−メチルペンチル基、4−エチル−4−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基、7−ヒドロキシ−7−メチル−2−オクチル基、5,6−ジヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基等が挙げられる。
一般式(I)のAにおける、「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基」としては、炭素数1−12の無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基が好ましい。炭素数は好ましくは3−8、さらに好ましくは4−6、もっとも好ましくは5である。例えば、メトシキ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Aにおける「置換された直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基」とは、上記の「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、ヒドロキシ基が好ましい。置換基の数は特に制限はないが、1−3であることが好ましく、1または2であることがさらに好ましい。例えば、−OCC(CHOH、−OCHCHOHC(CHOHなどが挙げられる。
一般式(I)のAにおける、「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基」としては、炭素数2−14の無置換の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基が好ましい。炭素数は好ましくは4−12、さらに好ましくは5−10、もっとも好ましくは6−9である。二重結合に関してはシスまたはトランス何れでもよい。二重結合の数は1−3であることが好ましく、1または2であることがさらに好ましい。例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デカネニル基、4−メチル−ペンタ−1−エン−1−イル基、5−エチル−1,3−ヘプタ−1,3−ジエン−1−イル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Aにおける「置換された直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基」とは、上記の「無置換の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基」の1以上の水素原子が置換されている基を意味する。置換基としては、ヒドロキシ基が好ましい。置換基の数は特に制限はないが、1−3であることが好ましく、1または2であることがさらに好ましい。例えば、4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタ−1−エン−1−イル基(−CCHC(CHOH)、5−ヒドロキシ−5−エチル−ヘプタ−1,3−ジエン−1−イル基(−CC(COH)などが挙げられる。
本発明の一般式(I)の化合物において、1位及び3位の水酸基の立体配置はα、βの何れの化合物も本発明に含まれる。さらに一般式(I)中のAがアルケニル基を示す場合、二重結合により生じるシス、トランスの幾何異性体もまた全て本発明の範囲内に含まれ、その他、考えられる光学異性体、幾何異性体も全て本発明の範囲に含まれる。
本発明の一般式(I)の化合物のうち具体的化合物としては、下記が挙げられる。
Figure 2004033420
Figure 2004033420
Figure 2004033420
Figure 2004033420
Figure 2004033420
Figure 2004033420
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一般式(IV)のR4またはR5の定義における、「水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」の「炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、特に炭素数2−3の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、さらに特にはエチル基、n−プロピル基が挙げられる。置換する水酸基の数は1または2であることが好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式(IV)のR6の定義における、「水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」の「炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、特に炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、さらに特にはメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられ、いっそう特にはエチル基が挙げられる。置換する水酸基の数は1または2であることが好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式(IV)のR7の定義における、「水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」の「炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、特に炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、さらに特にはメチル基、エチル基、いっそう特にはメチル基が挙げられる。置換する水酸基の数は1または2であることが好ましく、1であることが更に好ましい。
本発明の一般式(IV)の化合物において、R4およびR5の一方が水素原子を表し、他方が水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基または−OR6を表す場合には、水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基や−OR6は、2α位にあっても2β位にあってもよい。
本発明の一般式(IV)の化合物において、R4およびR5が一緒になって=CR7を表す場合には、この二重結合により生じる(Z)体、(E)体のいずれであってもよい。
本発明の一般式(IV)の化合物のうち具体的化合物としては、下記が挙げられる。
Figure 2004033420
Figure 2004033420
Figure 2004033420
本発明の一般式(I)または(IV)で表されるビタミンD誘導体は、医薬組成物(例えば細胞の分化調節剤等)の有効成分として使用することもできる。
本発明の化合物は、製薬上許容しうる担体、賦型剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、香料、着色剤等とともに、適当な剤型に製剤化して用いるのが好ましく、そのような剤型としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、注射剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、経皮吸収剤、坐剤等が挙げられる。
本発明の化合物の投与経路は特に限定されず、経口投与でも非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経皮投与など)でもよい。
本発明の化合物の投与量は、対象疾患、患者の状態、体重、体質、年齢、性別、また投与経路、剤型等により適宜選択することができるが、一般に投与量の下限として、成人1日当たり0.001μg−0.1μgの範囲、好ましくは0.01μg前後で、投与量の上限としては成人1日当たり100μg−10000μgの範囲、好ましくは200μg−1000μgの範囲内で選択でき、1日1−3回に分けて投与することができる。
本発明の一般式(I)で表されるビタミンD誘導体は新規化合物であり、その合成法は何ら限定されないが、例えば、
一般式(II):
Figure 2004033420
(式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表す)
で表される化合物から一般式(III):
Figure 2004033420
(式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表し、Phはフェニル基を表す)
の化合物を得る工程を含む方法で合成することができる。
Zにおける保護基としては、それぞれ同一でも異なっていてもよく、置換されていてもよいアルキル基、置換シリル基、アシル基等があげられるが、中でも、ベンジル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
保護基は、化学分野でよく知られている従来技術により、合成の適当な段階で除去され得る。
本発明の一般式(I)で表されるビタミンD誘導体は、例えば、以下に記載の方法によっても合成することができる。
本発明のA環ホスフィンオキシドの一般的合成スキームを下記に示す。
Figure 2004033420
出発化合物である、シリル基により保護された水酸基を有するシクロヘキサノン誘導体(化合物B)は既知の方法により、(−)−キナ酸から合成することができる(Perlman,K.L.,Sewnson,R.E.,Paaren,H.E.,Schnoes,H.K.,DeLuca,H.F.,Tetrahedron Lett.,1991,32,7663−7666)。シクロヘキサノン誘導体Bを水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤により一旦アルコール体Cに変換する。ついでアルコール体Cの水酸基を保護基で保護し化合物Dとする。保護基としてベンジル基等を使用してエーテル結合を形成することが好ましい。次いで、酢酸等の酸処理により化合物Dの4位のトリメチルシリル基のみを脱保護し、さらにジメチルスルホキシドおよび二塩化オキサリル等による酸化反応によりケトン基に変換し化合物Fを得る。化合物Fのケトン基をビッティヒ(Wittig)試薬によりメチレンとし、得られた化合物Gをm−クロロ過安息香酸等の過酸化剤によりスピロエポキシ化合物Hに変換する。パラジウム触媒による水素添加反応により6位のベンジル保護基を脱保護し化合物Iとし、生成した水酸基を酸化してケトン基とし化合物Jとした後、(トリメチルシリル)酢酸エステルによる炭素付加、還元反応によりアルコール体Lとする。アルコール体Lをジフェニルホスフィン化し、続いて過酸化水素により酸化を行うことで、目的とするA環ホスフィンオキシド化合物Mを取得することができる。
CD環25−ヒドロキシグランドマンケトン体は、所望のCD環を有する文献公知のビタミンD誘導体をオゾン分解することで合成することができる(Sandina,F.J.,Mourino,S.,Castedo,L.,J.Org.Chem.,1986,51,1264−1269.:Kiegiel J.,Wovkulich,P.M.,Uskokovic,M.R.,Tetrahedron Lett.,1991,32,6057−6060.:Fernadez,B.,Perez, J.A.Granja,J.R.,Castefo,L.,Mourino,A.,J.Org.Chem.,1992,57,3173−3178.:Fujishima,T.,Konno,K.,Nakagawa,K.,Kurobe,M.,Okano,T.,Takayama,H.,Bioogr.Med.Chem.,2000,8,123−134.)
所望のビタミンD誘導体の合成は、上記方法にて合成したA環ホスフィンオキシド体とCD環25−ヒドロキシグランドマンケトン体を結合することで行える。一般に、25位のヒドロキシ基を保護することなくカップリング反応を行うと、収率が低下するため、25−ヒドロキシグランドマンケトン体の25位のヒドロキシ基を、アシル基、置換シリル基、置換アルキル基などの適当な保護基(例えば、トリエチルシリル基、メトキシメチル基等)で保護しておくことが好ましい。A環ホスフィンオキシド体をブチルリチウム等の強塩基で処理し、ホスフィノキシカルバニオンを生成させ、CD環グランドマンケトン体のケトン基と反応させる。
2位のスピロオキシランは所望により開環し、2,2−ジ置換体とすることができる。例えば、テトラブチルアンモニウムフロリド等のフッ素化剤を用いれば、2位にフルオロメチル基と水酸基を有する誘導体を合成することができる。また、リチウムアルミニウムヒドリド等の金属水素化剤を用いれば2位にメチル基と水酸基を有する誘導体を合成することができる。メチル化剤やメトキシ化剤を用いれば、それぞれエチル基と水酸基、メトキシメチル基と水酸基を有する誘導体を取得することができる。
本発明の一般式(IV)で表されるビタミンD誘導体は、新規化合物でありその合成方法は何ら限定されないが、例えば、以下の一般的合成スキームに記載の方法によっても合成することができる。
Figure 2004033420
上記スキームに示すように、CD環20−エピ−25−ヒドロキシグランドマンケトン体は、例えば、所望のCD環を有する公知のビタミンD誘導体をオゾン分解後、DBUにより20−アルデヒド体の20位をエピメリ化し、直ちにNaBHにより還元することで、主生成物(非天然型22−アルコール体として)として得ることができる(Sandina,F.J.,Mourino,S.,Castedo,L.,J.Org.Chem.,1986,51,1264−1269.:Kiegiel,J.,Wovkulich,P.M.,Uskokovic,M.R.,Tetrahedron Lett.,1991,32,6057−6060.:Fernadez,B.,Perez,J.A.Granja,J.R.,Castefo,L.,Mourino,A.,J.Org.Chem.,1992,57,3173−3178.:Fujishima,T.,Konno,K.,Nakagawa,K.,Kurobe,M.,Okano,T.,Takayama,H.,Bioogr.Med.Chem.,2000,8,123−134.)。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
(機器分析条件)
H NMRおよび19F NMRはブルカー製ARX−400型により測定し、テトラメチルシラン(tetramethylsilane、TMS)を内部標準として、また、19F NMRの場合にはトリフルオロトルエン(trifluorotoluene)を外部標準(δ=−63ppm)として化学シフトをδ値で示した。NMRの記載は次の略号によった。s=singlet:d=doublet; t=triplet; m=multiplet; arom=aromatic; br=broad signal。
MSスペクトルは日本電子製JMS−AX505HA型にて電子衝撃法(EI)により測定した。本明細書中、「no M」はMが観測されないことを意味する。「HR−MS」は高分解能MSスペクトルを意味する。
UVスペクトルはベックマン製DU−7500型により測定した。
一部の異性体の混合物は、日本分光製MD−910型マルチ検出器を装備したHPLCシステムを用いて分離、精製した。
特別に記載しない限り、反応はアルゴン気流下で行った。
シリカゲルはワコーゲルC−200(和光純薬工業)を用いた。
以下の実施例において、19−ノルビタミンDのA環部に相当する化合物2〜13、30〜38、118、119、125〜135の位置番号は、IUPAC命名法に基づいて表記する。CD環部グランドマンケトン体とカップリングした後の19−ノルビタミンD骨格を有する化合物についてはステロイドの位置番号に基づいて表記する。
(実施例1) (1,4−cis)−および(1,4−trans)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−シクロヘキサノール(化合物3)
Figure 2004033420
0℃に冷却した(3R,5R)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−シクロヘキサノン(化合物2)(5.13g,11.5mmol)のエタノール(50mL)溶液に、約10分をかけて水素化ホウ素ナトリウム(217.5mg,5.75mmol)加えた後、1.5時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(60g、5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物3を1,4−cis体と1,4−trans体の混合物として得た(5.15g,99%)。この混合物を構成する立体異性体の比率は約2:1であった。1,4−cis体と1,4−trans体のいずれが主生成物かは判断できなかった。尚、C−1位は擬似不斉であり、1,4−cis体と1,4−trans体は互いにachiral diastereoisomerになる。
2:H NMR(CDCl)δ:0.05(6H,Si−Me x 2),0.06,0.07(each 3H,s,Si−Me x 2),0.16(9H,s,SiMe),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),2.17(1H,m),2.36(1H,dd,J=13.7,4.5Hz),2.73(2H,m),3.80(1H,m,H−4),4.03(1H,dd,J=8.3,2.3Hz,H−5),4.24(1H,ddd,J=10.6,4.5,2.3Hz,H−3).
MS m/z(%):no M,431(3),389(68),299(69),257(44),73(100).
3:H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.11(12H,Si−Me x 4),0.11,0.12(9H,s,SiMe),0.89〜0.91(18H,s,Si−tBu x 2),1.52〜1.92(4H,m),3.43,3.68(ca.2:1)(1H,m),3.94〜4.22(3H,m).
MS m/z(%):no M,391(3),373(15),301(19),259(23),73(100).
(実施例2) (1,4−cis)−および(1,4−trans)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−シクロヘキサノール ベンジルエーテル(化合物4)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物3(主生成物とマイナー生成物の約2:1の混合物、4.57g,10.2mmol)の無水ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、水素化ナトリウム(1.22g,30.5mmol,60%パラフィンリキッド)および臭化ベンジル(3.483g,20.4mmol)を加え、8時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(150g、3%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物4を1,4−cis体と1,4−trans体の混合物として得た(4.66g,85%)。この混合物を構成する立体異性体の比率は約2:1であった。1,4−cis体と1,4−trans体のいずれが主生成物かは判断できなかった。尚、C−1位は擬似不斉であり、1,4−cis体と1,4−trans体は互いにachiral diastereoisomerになる。
4a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.03,0.06(each 6H,Si−Me x 4),0.10(9H,s,SiMe),0.85,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.70〜1.93(4H,m),3.57(1H,m),3.64(1H,tt,J=11.0,5.0Hz),3.80(1H,m),3.91(1H,ddd,J=9.5,4.3,2.4Hz),4.51,4.55(each 1H,d,J=11.7Hz,PhC ),7.30〜7.37(5H,m,arom−H).
4b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.01,0.046(each 3H,Si−Mex 2),0.055(6H,s,Si−Me x 2),0.11(9H,s,SiMe),0.84,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.37(2H,m),2.07(1H,m),2.19(1H,m),3.28(1H,dd,J=8.5,2.3Hz),3.80(2H,m),3.93(1H,m),4.50,4.52(each 1H,d,J=12.1Hz,PhC ),7.30〜7.37(5H,m,arom−H).
混合物のMS m/z(%):no M,481(5),391(9),373(20),349(6),259(6),91(100).
(実施例3) (1,4−cis)−および(1,4−trans)−2,6−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(ベンジル)オキシ]−シクロヘキサノール(化合物5)
Figure 2004033420
化合物4(化合物4aと4bの約2:1の混合物、269mg,0.499mmol)を、テトラヒドロフラン、酢酸および水の混合物(8.5mL,8:8:1,v/v/v)に溶解し、室温にて20時間撹拌した。反応混合液は酢酸エチルにて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて飽和食塩水にて洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、4%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物5を1,4−cis体と1,4−trans体の混合物として得た(187mg,80%)。この混合物を構成する立体異性体の比率は約2:1であった。1,4−cis体と1,4−trans体のいずれが主生成物かは判断できなかった。尚、C−1位は擬似不斉であり、1,4−cis体と1,4−trans体は互いにachiral diastereoisomerになる。
5a(主生成物、高極性):H NMR(CDCl)δ:0.04(6H,s,Si−Me x 2),0.07,0.08(each 3H,Si−Me x 2),0.84,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.60〜1.73(2H,m),1.89(1H,m),1.98(1H,m),2.43(1H,s,OH),3.57(1H,t,J=3.2Hz,H−4),3.69(1H,tt,J=11.4,4.1Hz,H−1),3.96(1H,ddd,J=11.6,4.8,3.2Hz),4.10(1H,m),4.54(2H,s,PhC ),7.30〜7.35(5H,m,arom−H).
5b(マイナー生成物、低極性):H NMR(CDCl)δ:0.057,0.076,0.077,0.091(each 3H,Si−Me x 4),0.86,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.36〜1.47(2H,m),2.01(1H,d,J=5.7Hz,OH),2.13(1H,m),2.22(1H,m),3.28(1H,ddd,J=8.7,5.7,2.9Hz,H−4),3.75(2H,m,H−1,5),4.13(1H,m,H−3),4.50,4.54(each 1H,d,J=11.8Hz,PhC ),7.30〜7.35(5H,m,arom−H).
混合物のMS m/z(%):no M,409(6),319(2),301(17),277(6),259(4),211(9),169(31),91(100).
(実施例4) (2R,6R)−2,6−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(ベンジル)オキシ]−シクロヘキサノン(化合物6)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(384μL,4.40mmol)の無水塩化メチレン(5mL)溶液に、無水塩化メチレン(2.5mL)に溶解したジメチルスルホキシド(621μL,8.75mmol)を加え、5分間撹拌した。この冷却撹拌溶液に、化合物5(1.71g,3.66mmol,5a:5b=約2:1の異性体の混合物)の無水塩化メチレン(10mL)溶液を加え、15分間撹拌した。反応混合物にトリエチルアミン(2.55mL,18.3mmol)を加え、反応温度を−78℃から室温に約1.5時間かけて徐々に上昇させながら撹拌した。反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物6(1.69g,99%)を単一化合物として得た。
H NMR(CDCl)δ:0.02,0.03,0.06,0.12(each 3H,Si−Me x 4),0.86,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.74(2H,m),2.31(1H,m),2.51(1H,m),4.12(2H,m),4.55,4.60(each 1H,d,J=11.7Hz,PhC ),4.73(1H,dd,J=12.1,6.4Hz),7.27〜7.35(5H,m,arom−H).
MS m/z(%):no M,449(2),407(27),299(21),275(5),91(100).
(実施例5) (3R,5R)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレン−シクロヘキサノール ベンジルエーテル(化合物7)
Figure 2004033420
0℃に冷却したメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.55g,4.34mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)懸濁液に、n−ブチルリチウム(2.71mL,4.34mmol,1.6Mヘキサン溶液)を加え10分撹拌し、更に室温にて1時間撹拌した。得られた黄赤色混合物に、化合物6(1.0g,2.15mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を約20分かけて加えた。反応混合物は0℃で1時間、室温で17時間撹拌した後、氷水中に投入し酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物7(978.5mg,98%,単一化合物)を得た。
H NMR(CDCl)δ:−0.01,0.04,0.06,0.07(each 3H,Si−Me x 4),0.84,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.35〜1.46(2H,m),2.18(1H,m),2.35(1H,m),3.94(1H,tt,J=11.2,4.2Hz,H−1),4.40〜4.46(2H,m,H−1,3),4.54,4.56(each 1H,d,J=11.9Hz,PhC ),4.84(1H,m,C=CH),5.03(1H,t,J=2.0Hz,C=CH),7.27〜7.35(5H,m,arom−H).
MS m/z(%):no M,405(84),355(2),313(35),297(15),273(20),223(18),165(22),91(100).
(実施例6) (3,6−cis)−および(3,6−trans)−6−ベンジルオキシ−4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクタン(化合物8)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物7(191.4mg,0.414mmol)の塩化メチレン(2mL)溶液に、m−クロロ過安息香酸(106.8mg,0.619mmol)を加えた。反応混合物を0℃にて2時間、室温にて16時間撹拌した後、塩化メチレンを加えた。塩化メチレン層は5%NaHCOおよび飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、2%→5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物8b(19.0mg)および5%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物8a(178.0mg)を得た。合計収率は99%であった。3,6−cis体と3.6−trans体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
8a(高極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.01,0.02,0.05,0.06(each 3H,s,Si−Me x 4),0.85,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.66〜1.75(2H,m),2.05(1H,m),2.24(1H,m),2.62,3.03(each 1H,d,J=5.3Hz,CHO),3.53(1H,t,J=3.0Hz),3.84(1H,tt,J=11.1,4.1Hz,H−1),4.21(1H,dd,J=11.6,4.4Hz),4.56(2H,s,PhC ),7.27〜7.35(5H,m,arom−H).
MS m/z(%):no M,421(3),391(2),313(18),91(100),75(74).
8b(低極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.02(6H,s,Si−Me x 2),0.04,0.07(each 3H,s,Si−Me x 4),0.856,0.863(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.44〜1.55(2H,m),2.18(1H,m),2.35〜2.41(1H,m),2.38,2.96(each 1H,d,J=5.6Hz,CHO),3.55(1H,m),3.93(1H,tt,J=11.2,4.2Hz,H−1),4.18(1H,dd,J=11.5,4.8Hz),4.54,4.57(each 1H,d,J=11.8Hz,PhC ),7.27〜7.35(5H,m,arom−H).
MS m/z(%):no M,421(7),391(3),313(11),91(96),75(100).
(実施例7) (3,6−cis)−および(3,6−trans)−4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクタン−6−オール(化合物9)
Figure 2004033420
エポキシ体である化合物8a(216.8mg,0.453mmol)の酢酸エチル(2mL)溶液に、10%パラジウム付活性炭(43.4mg)を加え、常温常圧下で水素ガスと激しく1時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、エタノールおよび酢酸エチルにて洗浄した後、ろ液をまとめて溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、8%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物9a(176.0mg,定量的)を得た。
エポキシ体である化合物8b(24.6mg,0.0514mmol)を用いて前述と同様に水素接触還元反応およびカラム精製を行ない、脱ベンジル体である化合物9b(17.2mg,86%)を得た。
9a:H NMR(CDCl)δ:0.05,0.07,0.10,0.15(each 3H,s,Si−Me x 4),0.87,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.62(1H,m),1.80(1H,t,J=14.1,2.9Hz),2.08,2.27(each 1H,m),2.50,2.95(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.80(1H,m),4.14(1H,m),4.40(1H,m).
MS m/z(%):no M,331(25),313(52),301(16),199(63),181(46),75(100).
9b:H NMR(CDCl)δ:0.05,0.07,0.08,0.09(each 3H,s,Si−Me x 4),0.88,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.68,1.82,1.98,2.14(each 1H,m,H−2,6),2.71(1H,m,CHO),2.82(1H,d,J=5.4Hz,CHO),4.00(2H,m),4.21(1H,m).
MS m/z(%):no M,331(20),313(42),301(14),199(72),181(39),73(100).
(実施例8) (4R,8R)−4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクタン−6−オン(化合物10)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(51μL,0.585mmol)の無水塩化メチレン(0.5mL)溶液に、ジメチルスルホキシド(83μL,1.170mmol)の無水塩化メチレン(0.2mL)溶液を加え5分間撹拌した後、化合物9(化合物9a:9b=約10:1の混合物)(190.6mg,0.490mmol)の無水塩化メチレン(1.3mL)溶液を加えた。
−78℃で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(341μL,2.445mmol)を加えた。反応温度が−78℃から室温になるまで約1.5時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物10を単一化合物として得た(188.5mg,99%)。
H NMR(CDCl)δ:0.047,0.055,0.061,0.086(each 3H,s,Si−Me x 4),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),2.45(1H,ddd,J=14.4,7.9,1.1Hz),2.57(1H,ddd,J=14.2,6.2,1.9Hz),2.67(1H,ddd,J=14.2,3.9,1.1Hz),2.79(1H,ddd,J=14.4,4.9,1.1Hz),2.80,3.02(each 1H,d,J=5.3Hz,CHO),4.03(1H,d,J=6.2,3.9Hz),4.21(1H,dd,J=7.9,4.9Hz),4.40(1H,m).
MS m/z(%):no M,329(31),313(10),299(9),197(20),75(100).
(実施例9) [(aS,4R,8R)−および[(aR,4R,8R)−[4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクチ−6−イリデン]−酢酸 メチルエステル(化合物11)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したジイソプロピルアミン(115μL,0.82mmol)の無水テトラヒドロフラン(1mL)溶液に、n−ブチルリチウム(513μL,0.82mmol,1.6Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、(トリメチルシリル)酢酸メチル(135μL,0.82mmol)を加えた。10分間撹拌後、化合物10(158.8mg,0.41mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2mL)溶液をゆっくり加え、−78℃で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物11を二種の立体異性体の混合物として得た(172.1mg,95%)。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であったが、aS,4R,8R体とaR,4R,8R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
11a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.08(12H,Si−Me x 4),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),2.41(1H,d,J=13.2,6.7Hz),2.47(1H,m),2.74(1H,d,J=5.4Hz,CHO),2.80(1H,dd,J=13.7,7.6Hz),2.90(1H,d,J=5.4Hz,CHO),3.40(1H,dd,J=13.7,4.0Hz),3.70(3H,s,OMe),3.91(2H,m,H−3,5),5.76(1H,s,C=CHCO).
11b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.08(12H,Si−Me x 4),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),2.28(1H,m),2.60(1H,dd,J=13.2,4.6Hz),2.67(1H,d,J=5.4Hz,CHO),2.72(1H,m),2.92(1H,d,J=5.4Hz,CHO),3.48(1H,m),3.69(3H,s,OMe),3.80(1H,dd,J=5.9,3.2Hz),4.04(1H,dd,J=8.6,4.6Hz),5.81(1H,s,C=CHCO).
混合物のMS m/z(%):no M,411(3),385(86),355(14),353(47),325(8),293(30),280(24),253(65),223(13),221(20),73(100).
(実施例10) [(aS,4R,8R)−および[(aR,4R,8R)−2−[4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクチ−6−イリデン]−エタノール(化合物12)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したアリルエステル体である化合物11(190.3mg,0.43mmol,11a:11b=約3:1の混合物)の無水トルエン(2mL)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(1.07mL,1.07mmol,1.0Mトルエン溶液)を加え、1時間撹拌した。還元剤を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液により分解した後、反応混合物を氷水中に移し、酢酸エチルにて抽出した。有機層は水洗、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、10%→15%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、10%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物12を二種の立体異性体の混合物として得た(167.6mg,94%)。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であったが、aS,4R,8R体とaR,4R,8R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。15%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より開環体12’(11mg,6%,一つの立体異性体のみ単離された)を得た。
混合物のNMRデータ
12a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.034(3H,s,Si−Me),0.056(6H,s,Si−Me x 2),0.068(3H,s,Si−Me),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBux 2),1.15(1H,t,J=5.6Hz,OH),2.22(1H,dd,J=13.6,6.9Hz),2.32(1H,dd,J=13.1,6.9Hz),2.39(1H,dd,J=13.1,3.8Hz),2.61(1H,dd,J=13.6,4.1Hz),2.74,2.84(each 1H,d,J=5.4Hz,CHO),3.83〜3.86(2H,m,H−3,5),4.13〜4.20(2H,m,C OH),5.59(1H,t,J=7.0Hz,C=CHCO).
12b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.026,0.056,0.063,0.09(each 3H,s,Si−Me x 4),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.22(1H,dd,J=6.5,4.7Hz,OH),2.16,2.21,2.53(each 1H,m),2.57(1H,d,J=5.5Hz,CHO),2.60(1H,m),2.93(1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.71(1H,dd,J=5.1,3.1Hz),4.00(1H,dd,J=9.5,4.6Hz),4.08〜4.20(2H,m,CHOH),5.67(1H,t,J=6.9Hz,C=CHCO).
混合物のMS m/z(%):no M,357(13),339(100),327(4),309(14),265(20),235(26),225(20),207(38),195(15),177(37),75(100).
12’:H NMR(CDCl)δ:0.07(6H,s,Si−Me x 2),0.08,0.10(each 3H,Si−Me x 2),0.87,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.18(3H,s,Me),2.19〜2.38(4H,m),2.46(1H,d,J=13.6Hz),3.71(1H,dd,J=9.6,4.9Hz),3.78(1H,dd,J=4.3,3.4Hz),4.09〜4.16(2H,m,CHOH),5.50(1H,t,J=7.0Hz,C=CHCO).
(実施例11) [(aS,4R,8R)−および[(aR,4R,8R)−4,8−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−6−[2−(ジフェニル−ホスフィノイル)−エチリデン]−1−オキサ−スピロ[2.5]オクタン(化合物13)
Figure 2004033420
0℃に冷却したアリルアルコール体である化合物12(167.6mg,0.404mmol、12a:12b=約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(2mL)溶液に、n−ブチルリチウム(278μL,0.445mmol,1.6Mヘキサン溶液)および塩化p−トルエンスルホニル(84.7mg,0.445mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を順次加え、5分間撹拌した。別の容器にジフェニルホスフィン(141μL,0.810mmol)の無水テトラヒドロフラン(1mL)溶液を作り、0℃撹拌下でn−ブチルリチウム(505μL,0.808mmol,1.6Mヘキサン溶液)を加えたところ濃赤色になった。0℃に冷却した本濃赤色溶液を、上記のトシル体溶液にゆっくり滴下し、反応混合物が赤色を呈するまで加えた。更に0℃にて30分間撹拌し、水(100μL)を加え反応を止めた。反応混合物から溶媒留去後、残渣を塩化メチレン(4mL)に溶解し、10%過酸化水素水(6mL)を加え0℃にて1時間撹拌した。反応液に2N亜硫酸ナトリウムを加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、30%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物13を二種の立体異性体の混合物として得た(187.0mg,77%)。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であったが、aS,4R,8R体とaR,4R,8R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
13a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:−0.01〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.83,0.84(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.83(1H,m),2.25〜2.40(3H,m),2.60,2.82(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.05〜3.24(2H,m,CHPO),3.70(1H,dd,J=5.8,3.6Hz),3.83(1H,dd,J=8.5,4.4Hz),5.36(1H,m,C=CHCO),7.44〜7.77(10H,m,arom H).
13b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:−0.01〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.82,0.86(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.93,2.10,2.25,2.46(each 1H,m,H−2,6),2.55,2.84(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.05〜3.24(2H,m,CHPO),3.65(1H,dd,J=5.6,3.2Hz),3.89(1H,dd,J=8.7,4.6Hz),5.36(1H,m,C=CHCO),7.44〜7.77(10H,m,arom H).
混合物のMS m/z(%):no M,541(100),511(8),449(39),409(86),201(26),75(44).
(実施例12) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルおよび1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物15a,b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物13(100.1mg,0.167mmol,13a:13b=約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に、n−ブチルリチウム(104μL,0.167mmol,1.6Mヘキサン溶液)をゆっくり加えた。深いオレンジ色の溶液の溶液が得られた。15分間撹拌後、グランドマンケトン体である化合物14a(44.0mg,0.114mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.5mL)溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7g、2%→10%→40%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物15を二種の立体異性体の混合物として得た(58.4mg,68%)。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であった。実施例13の結果から2β,2’−エポキシ体(15a)が主生成物と考えられた。10%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より未反応の化合物14a(14.0mg,32%)および40%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物13(34.0mg、34%)を回収した。
混合物のNMRデータ
15a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02(3H,s,Si−Me),0.055(3H,s,Si−Me x 2),0.065(6H,s,Si−Me),0.55(3H,s,H−18),0.56(6H,q,SiCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.95(12H,t,J=7.9Hz,SiCH x 3,overlapped with H−21),1.19(6H,s,H−26,27),2.27〜2.38(2H,m),2.42(1H,dd,J=13.1,3.6Hz),2.66(1H,dd,J=13.3,3.4Hz),2.74,2.82(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.81(1H,dd,J=7.7,3.9Hz),3.88(1H,dd,J=7.0,3.8Hz),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.21(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
15b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02(3H,s,Si−Me),0.064(6H,s,Si−Me x 2),0.08(3H,si−Me),0.55(3H,s,H−18),0.56(6H,q,SiCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.95(12H,t,J=7.9Hz,SiCH ,x 3,overlapped with H−21),1.19(6H,s,H−26,27),2.57,2.92(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.68(1H,m),4.04(1H,dd,J=9.5,4.5Hz,H−1),5.82(1H,d,J=12.1Hz,H−7),6.27(1H,d,J=12.1Hz,H−6).
(実施例13) 1α,25−ジヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−19−ノルビタミンD(化合物YI−1a)、および1α,25−ジヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−19−ノルビタミンD(化合物YI−1b)、および1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−フルオロメチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−2a)、および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−フルオロメチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−2b)
Figure 2004033420
トリシリルエーテル体である化合物15(58.4mg,0.075mmol,15a:15b=約3:1の混合物)の無水テトラヒドロララン(1mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(301μL,0.301mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、0℃にて30分間、次いで室温にて7時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、60%→70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、60%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物YI−2aとYI−2bの混合物(2.6mg,8%)、70%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物YI−1aとYI−1bの混合物(19.7mg,60%)を得た。
化合物YI−1aとYI−1bを含む混合物をHPLC(LiChrosorb Si 60,250 x 10mm,ヘキサン:塩化メチレン:2−プロパノール=50:50:8)にて分離精製し、化合物YI−1a(11.0mg)および化合物YI−1b(2.6mg)を得た。化合物YI−2aとYI−2bを含む混合物はHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール)にて分離精製し、化合物YI−2a(0.9mg)および化合物YI−2b(0.3mg)を得た。
YI−1a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.30(1H,dd,J=13.5,8.7Hz,H−10),2.40(1H,dd,J=13.7,6.1Hz,H−4),2.60(1H,dd,J=13.7,3.5Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9),2.84(1H,d,J=4.7Hz,CHO),2.96(1H,dd,J=13.5,4.3Hz,H−10),3.08(1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.80(1H,m,H−3),3.99(1H,m,H−1),5.86(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
YI−1b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.30(1H,dd,J=13.7,6.2Hz,H−4),2.36(1H,dd,J=13.3,8.6Hz,H−10),2.71(1H,dd,J=13.7,3.6Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9),2.86(1H,dd,J=13.3,4.3Hz,H−10),2.94,2.99(each 1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.81(1H,m,H−3,W/2≒12Hz),3.91(1H,m,H−1,W/2≒20Hz),5.87(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.37(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):432(23,M),414(20),396(23),378(52),303(12),267(68),135(100).
YI−2a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=13.5,8.9Hz,H−4),2.49(1H,dd,J=13.5,5.4Hz,H−4),2.55(1H,dd,J=14.1,5.8Hz,H−10),2.63(1H,br.s,OH),2.69(1H,dd,J=14.1,2.9Hz,H−10),2.80(1H,m,H−9),3.86(1H,m,H−3),3.97(1H,m,H−1),4.71,4.77(each 1H,dd,J=47.6,9.7Hz,CHF),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.41(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
19F NMR(CDCl)δ:−240.6(t,J=47.6Hz).
MS m/z(%):452(75,M),434(100),414(34),396(19),378(38),323(54),305(19),303(21),287(17),285(18),267(22),228(24),133(82).
YI−2b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.16(1H,dd,J=14.1,4.0Hz,H−4),2.27(1H,br.t,J=〜12Hz,H−10),2.57(1H,br.s,OH),2.79(1H,m,H−9),2.84(1H,m,H−4),2.88(1H,dd,J=13.2,4.9Hz,H−10),3.77(1H,m,H−1,W/2≒20Hz),3.95(1H,m,H−3,W/2≒12Hz),4.69,4.77(each 1H,dd,J=47.6,9.6Hz,CHF),5.86(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
19F NMR(CDCl)δ:−240.2(t,J=47.6Hz).
MS m/z(%):452(74,M),434(100),414(35),396(16),378(33),323(50),305(17),303(20),287(15),285(16),267(18),228(24),133(74).
(実施例14) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルおよび1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物16a,b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物13(185.1mg,0.31mmol、13a:13b=約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1mL)溶液に、n−ブチルリチウム(193μL,0.31mmol,1.6Mヘキサン溶液)を加えた。生じた黄赤色の混合物を30分間撹拌した後、グランドマンケトン体である化合物14b(66.8mg,0.206mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2mL)溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9g、3%→12%→40%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、3%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物16を二種の立体異性体の混合物(96.6mg,67%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約5:1であった。また、12%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より未反応の化合物14b(22.0mg,33%)、40%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物13(43.4mg、23%)を、回収した。
混合物のNMRデータ
16a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02,0.055(each 3H,s,Si−Me),0.065(6H,si−Me x 2),0.55(3H,s,H−18),0.86,0.87(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.28〜2.37(2H,m),2.42(1H,dd,J=13.1,3.7Hz),2.65(1H,dd,J=13.7,3.7Hz),2.74(1H,d,J=5.5Hz,CHO),2.80(1H,m,H−9),2.82(1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.37(3H,s,OMe),3.81(1H,dd,J=7.1,3.9Hz,H−3),3.88(1H,dd,J=7.0,3.9Hz,H−1),4.71(2H,s,OCHO),5.82(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.21(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
16b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.08(12H,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.86,0.87(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.57(1H,d,J=5.5Hz,CHO),2.80(1H,m,H−9),2.92(1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.37(3H,s,OMe),3.68(1H,m,H−3),4.04(1H,dd,J=9.1,4.9Hz,H−1),4.71(2H,s,OCHO),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.28(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
(実施例15) 1α−ヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDおよび1α−ヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンD(化合物17a,b)
Figure 2004033420
化合物16(34.4mg,0.049mmol,16a:16b=約5:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(122μL,0.122mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、0℃にて30分間、室温にて5時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物17を二種の立体異性体の混合物(21.5mg,92%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約4:1であった。
混合物のNMRデータ
17a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.93(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.32(1H,dd,J=13.5,8.9Hz),2.40(1H,dd,J=13.8,6.1Hz),2.62(1H,dd,J=13.8,3.5Hz),2.80(1H,m,H−9),2.85(1H,d,J=4.7Hz,CHO),2.95(1H,dd,J=13.5,4.5Hz),3.07(1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.37(3H,s,OMe),3.82(1H,m),3.98(1H,m),4.71(2H,s,OCHO),5.86(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.40(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
17b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.93(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.72(1H,m),2.94,2.99(each 1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.37(3H,s,OMe),3.82(1H,m),3.91(1H,m),4.71(2H,s,OCHO),5.86(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.37(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
(実施例16) 1α,2β−ジヒドロキシ−2α−メチル−および1α,2α−ジヒドロキシ−2β−メチル−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンD(化合物18a,b)
Figure 2004033420
リチウムアルミニウムヒドリド(0.5mg,0.014mmol)の無水ジエチルエーテル(0.25mL)懸濁液中に、化合物17(6.8mg,0.014mmol,17a:17b=約4:1の混合物)の無水ジエチルエーテル(0.25mL)溶液を加え室温にて1時間撹拌した。反応混合物に酒石酸ナトリウムカリウム水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、60%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物18を二種の立体異性体の混合物(4.7mg,69%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約4:1であった。
混合物のNMRデータ
18a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.93(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),1.27(3H,s,2−Me),2.37(1H,dd,J=14.4,4.6Hz),2.53(1H,m),2.79(1H,m),2.94(1H,dd,J=13.6,4.3Hz),3.37(3H,s,OMe),3.74(2H,m,H−1,3),4.71(2H,s,OCHO),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.30(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
18b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.93(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),1.30(3H,s,2−Me),2.17(1H,m),2.67(1H,m),3.37(3H,s,OMe),3.74(2H,m,H−1,3),4.71(2H,s,OCHO),5.82(1H,d,J=〜11Hz,H−7),6.34(1H,d,J=〜11Hz,H−6).
(実施例17) 1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−3a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−3b)
Figure 2004033420
化合物18(10.5mg,0.022mmol、18a:18b=約4:1の混合物)の無水メタノール(0.5mL)溶液に、カンファースルホン酸(10.1mg,0.044mmol)を加え、0℃にて30分次いで室温にて2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、有機層は5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物YI−3aとYI−3bを含む混合物(8.8mg,93%)を得た。
化合物YI−3aとYI−3bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール)にて分離精製し、化合物YI−3a(5.2mg)および化合物YI−3b(0.7mg)を得た。
YI−3a:H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),1.27(3H,s,2−Me),2.05(1H,m,H−10),2.36(1H,dd,J=14.4,4.5Hz,H−4),2.55(2H,m,H−4,OH),2.79(1H,m,H−9),2.94(1H,dd,J=13.5,4.4Hz,H−10),3.74(2H,m,H−1,3),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.30(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
YI−3b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),1.30(3H,s,2−Me),2.17(1H,dd,J=13.6,8.4Hz,H−4),2.30(1H,br s,OH),2.49(1H,dd,J=14.2,3.3Hz,H−10),2.62(1H,dd,J=14.2,6.5Hz,H−10),2.67(1H,dd,J=13.6,4.1Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.73(1H,m,H−1,W/2≒12Hz),3,78(1H,m,H−3,W/2≒18Hz),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.34(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):434(75,M),416(100),401(16),398(31),380(21),362(20),305(29),287(27),269(29),251(25),135(74).
(実施例18) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−ヒドロキシ−2α−エチル−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−ヒドロキシ−2β−エチル−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物19a,b)
Figure 2004033420
−40℃に冷却したシアン化銅(I)(114.6mg,1.280mmol)の無水エーテル(1.5mL)懸濁液に、メチルリチウム溶液(2.25mL,2.565mmol,1.14Mエーテル溶液)を加え30分間撹拌した後、無水エーテル(3mL)に溶かした化合物16(113.1mg,0.160mmol、本実施例では16a:16b=約3:1の混合物を使用)を添加した。反応混合物を−40℃にて1時間撹拌した後、0℃まで徐々に温度を上昇させ、更に2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を加え反応を停止後、氷水に投入し、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−300、10g、2%酢酸エチル/ヘキサン溶出部)にて精製し、2βヒドロキシ体と2αヒドロキシ体との混合物である化合物19(90.3mg,78%)と、未反応の化合物16(18.5mg、16%)を得た。化合物19a,bを構成する異性体の比率は約3:1であった。クロマトグラフィーによる分離の過程においては、化合物19aのみを含むフラクションや化合物19bのみを含むフラクションも得られたため、これらを分取した。
19a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.06,0.07,0.09,0.11(each 3H,s,Si−Me),0.55(3H,s,H−18),0.83(9H,s,Si−tBu),0.90(9H,s,Si−tBu,overlapped with CH ),0.93(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),1.62(2H,m,C CH),2.26(1H,dd.J=13.6,5.0Hz),2.43(2H,m),2.52(1H,dd,J=14.4,4.0Hz),2.80(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.78(1H,dd,J=9.7,5.0Hz),3.96(1H,t,J=3.0Hz),4.71(2H,s,OCHO),5.79(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.16(1H,d,J=11.3Hz,H−6).
19b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.06,0.07,0.09,0.11(each 3H,s,Si−Me),0.55(3H,s,H−18),0.85(9H,s,Si−tBu),0.91(9H,s,Si−tBu,overlapped with CH ),0.93(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),1.62(m,C CH),2.09(1H,dd.J=13.8,5.0Hz),2.30(1H,dd,J=12.8,9.6Hz),2.59(2H,m),2.79(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.70(1H,dd,J=9.2,4.4Hz),3.92(1H,dd,J=4.8,3.2Hz),4.71(2H,s,OCHO),5.80(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.10(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
(実施例19) 1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−エチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−4a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−エチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−4b)
Figure 2004033420
化合物19b(17.8mg,0.025mmol)の無水メタノール(1mL)溶液に、カンファ−スルホン酸(48.1mg,0.207mmol)を加え、室温にて8時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物YI−4b(11.0mg,99%)を得た。
主生成物19a(6.2mg,0.009mmol)を用いて上記と同様に反応および後処理を行ない、化合物YI−4a(2.3mg,60%)を得た。
YI−4a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),0.98(3H,t,J=7.5Hz,CH ),1.22(6H,s,H−26,27),1.68,1.85(each 1H,m,C CH),2.26(1H,dd,J=13.5,9.2Hz),2.38(1H,dd,J=13.8,6.4Hz),2.47(1H,dd,J=13.8,3.5Hz),2.80(2H,m,H−9,10),3.83(2H,m,H−1,3),5.84(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
YI−4b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),0.99(3H,t,J=7.5Hz,CH ),1.22(6H,s,H−26,27),1.72,1.81(each 1H,m,C CH),2.18(1H,dd,J=13.8,6.5Hz,H−4),2.44(1H,dd,J=13.5,8.5Hz,H−10),2.63(1H,dd,J=13.5,4.2Hz,H−10),2.72(1H,dd,J=13.8,3.3Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.73(1H,m,W/2〜17Hz,H−1),3.88(1H,m,W/2〜13Hz,H−3),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.31(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例20) 1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メトキシメチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−5a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メトキシメチル−19−ノルビタミンD(化合物YI−5b)
Figure 2004033420
化合物16(49.7mg,0.070mmol,16a:16b=約5:1の混合物)の無水メタノール(1mL)溶液に、カンファースルホン酸(98.2mg,0.423mmol)を加え、0℃で1時間次いで室温にて4時間撹拌した。
反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物YI−5aとYI−5bの混合物(28.5mg,87%)を得た。YI−5aとYI−5bの混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,15%水/メタノール)にて分離精製し、化合物YI−5a(8.2mg)および化合物YI−5b(1.6mg)を得た。
YI−5a:H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.93(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.41(2H,m,H−4),2.53(1H,dd,J=14.1,5.7Hz,H−10),2.68(2H,m,H−10,OH),2.79(1H,m,H−9),2.97(1H,br s,OH),3.43(3H,s,OMe),3.69,3.73(each 1H,d,J=9.5Hz,OCHO),3.88(2H,m,H−1,3),5.81(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
YI−5b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.94(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.13(1H,dd,J=13.8,3.6Hz,H−4),2.21(1H,br t,J=〜12Hz,H−10),2.77〜2.89(4H,m,H−4,9,10,OH),3.43(3H,s,OMe),3.65,3.77(each 1H,d,J=9.4Hz,OCHO),3.80(1H,m,H−1)3.85(1H,m,H−3),5.88(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.27(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):464(52,M),446(74),428(23),410(10),401(65),383(100),335(13),317(10),299(12),281(13),222(12).
(実施例21) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−および(20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物20a,b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物13(351.0mg,0.586mmol,本実施例では13a:13b=約2:1の混合物を使用)の無水テトラヒドロフラン(3mL)溶液に、n−ブチルリチウム(371μL,0.586mmol,1.58Mヘキサン溶液)をゆっくり加えた。深いオレンジ色の溶液の溶液が得られた。15分間撹拌後、グランドマンケトン体である化合物14c(154.2mg,0.391mmol)の無水テトラヒドロフラン(2.3mL)溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、2%→10%→60%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物20を二種の立体異性体の混合物として得た(227.0mg,75%)。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であった。また、10%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より未反応の化合物14c(35.8mg)および60%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物13(99.0mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
20a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02(3H,s,Si−Me),0.05(3H,s,Si−Me x 2),0.06(6H,s,Si−Me),0.55(3H,s,H−18),0.56(6H,q,SiCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),0.95(9H,t,J=7.9Hz,SiCH x 3),1.19(6H,s,H−26,27),2.42(1H,dd,J=13.2,3.6Hz),2.68(1H,dd,J=13.5,3.8Hz),2.79,2.82(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.81(1H,dd,J=7.2,3.9Hz,H−3),3.87(1H,dd,J=7.0,3.9Hz,H−1),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.21(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
20b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.07(12H,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.56(9H,m,SiCH x 3,overlapped with H−18),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),0.95(9H,t,J=7.9Hz,SiCH x 3),1.19(6H,s,H−26,27),2.57,2.92(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.69(1H,m,H−3),4.03(1H,d,J=9.3,4.7Hz,H−1),5.82(1H,d,J=0.7Hz,H−7),6.28(1H,d,J=10.7Hz,H−6).
(実施例22) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−および(20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−19−ノルビタミンD(20−Epi−YI−1a、1b)、および(20S)−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−フルオロメチル−19−ノルビタミンD(化合物20−Epi−YI−2a)、および(20S)−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−フルオロメチル−19−ノルビタミンD(化合物20−Epi−YI−2b)
Figure 2004033420
トリシリルエーテル体である化合物20(50.0mg,0.0645mmol,20a:20b=約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(387μL,0.387mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて7時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、50%→70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、50%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物20−Epi−YI−2aと20−Epi−YI−2bの混合物(3.5mg,12%,20−Epi−YI−2a:20−Epi−YI−2b=約4:1)、70%酢酸エチル含有ヘキサン溶出部より化合物20−Epi−YI−1aと20−Epi−YI−1bの混合物(23.0mg,82%,20−Epi−YI−1a:20−Epi−YI−1b=約3:1)を得た。
化合物20−Epi−YI−2aと20−Epi−YI−2bの混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール)にて分離精製し、化合物20−Epi−YI−2a(2.1mg)および化合物20−Epi−YI−2b(0.5mg)を得た。
化合物YI−20−Epi−1a,1bを含む混合物をHPLC(LiChrosorb Si 60,Hibar,250 x 4mm,ヘキサン:塩化メチレン:メタノール=50:50:8)にて分離精製し、化合物YI−20−Epi−1a(15.8mg)および化合物YI−20−Epi−1b(6.1mg,Z−異性体)を得た。
YI−20−Epi−1a:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.30(1H,dd,J=13.4,8.8Hz,H−10),2.40(1H,dd,J=13.7,6.1Hz,H−4),2.61(1H,dd,J=13.7,3.5Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9β),2.84(1H,d,J=4.7Hz,CHO),2.95(1H,dd,J=13.4,4.3Hz,H−10),3.08(1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.81(1H,m,H−3),3.98(1H,m,H−1),5.86(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):432(M,29),414(29),396(18),378(56),303(18),267(48),138(100).
YI−20−Epi−1b:H NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.30(1H,dd,J=13.7,6.2Hz,H−4),2.36(1H,dd,J=13.5,8.7Hz,H−10),2.72(1H,dd,J=13.7,3.7Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9β),2.86(1H,dd,J=13.5,4.4Hz,H−10),2.94,2.99(each 1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.82(1H,m,H−3),3.90(1H,m,H−1),5.88(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.38(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):432(M,68),414(77),396(35),378(50),303(35),267(42),133(100).
20−Epi−YI−2a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=13.3,8.7Hz,H−4),2.49(1H,dd,J=13.3,5.5Hz,H−4),2.56(1H,dd,J=14.2,5.8Hz,H−10),2.62(1H,d,J=1.5Hz,OH),2.69(1H,dd,J=14.2,2.9Hz,H−10),2.79(1H,m,H−9),3.87(1H,m,H−3),3.97(1H,m,H−1),4.71,4.76(each 1H,dd,J=47.8,9.7Hz,CHF),5.81(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.40(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
19F NMR(CDCl)δ:−240.3(t,J=47.8Hz).
20−Epi−YI−2b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.17(1H,dd,J=14.0,4.0Hz,H−4),2.27(1H,br.t,J=〜11Hz,H−10),2.57(1H,d,J=1.8Hz,OH),2.79(1H,m,H−9),2.84(1H,m,H−4),2.89(1H,dd,J=13.2,5.0Hz,H−10),3.76(1H,m,H−1),3.95(1H,m,H−3),4.70,4.76(each 1H,dd,J=47.6,9.5Hz,CHF),5.86(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
19F NMR(CDCl)δ:−240.2(t,J=47.6H).
(実施例23) (20S)−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−19−ノルビタミンD(化合物20−Epi−YI−3a)、および、(20S)−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メチル−19−ノルビタミンD(化合物20−Epi−YI−3b)
Figure 2004033420
エポキシ体である化合物20−Epi−YI−1aと20−Epi−YI−1bの混合物(23.0mg,0.053mmol,20−Epi−YI−1a:20−Epi−YI−1b=約3:1)の無水テトラヒドロフラン(0.25mL)溶液に、リチウムアルミニウムヒドリド(2mg,0.053mmol)を加え室温にて7時間撹拌した。反応2時間後および6時間後に、それぞれ2mgのリチウムアルミニウムヒドリドを追加した。反応混合物に酒石酸ナトリウムカリウム水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、60%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物20−Epi−YI−3aと20−Epi−YI−3bの混合物(15.5mg,67%、比率は不明)を得た。
20−Epi−YI−3aと20−Epi−YI−3bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール)にて分離精製し、化合物20−Epi−YI−3a(6.3mg)を得た。化合物20−Epi−YI−3bは純粋な化合物として単離することができなかった。
20−Epi−YI−3a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),1.27(3H,s,2−Me),2.07(1H,m,H−10),2.36(1H,dd,J=14.4,4.6Hz,H−4),2.54(2H,m,H−4,OH),2.79(1H,m,H−9),2.94(1H,dd,J=13.5,4.4Hz),3.74(2H,m,H−1,3),5.85(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.30(1H,d,J=11.3Hz,H−6).
(実施例24) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−ヒドロキシ−2α−エチル−および(20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−ヒドロキシ−2β−エチル−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物21a,21b)
Figure 2004033420
−40℃に冷却したシアン化銅(I)(101.9mg,1.138mmol)の無水ジエチルエーテル(1ml)懸濁液に、メチルリチウム(2.0ml,2.280mmol,1.14Mヘキサン溶液)をゆっくり加えた。−40℃にて30分撹拌した後、エポキシ体である化合物20(110.3mg,0.142mmol,本実施例では約3:1の混合物を使用)の無水ジエチルエーテル(1.5ml)溶液をゆっくり加えた。反応混合物は−40℃にて1時間撹拌した後、0℃まで徐々に温度を上昇させ、更に2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物21を二種の立体異性体の混合物(98.5mg,87%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は21a:21b=約3:1であった。
21:H NMR(CDCl)δ:0.06,0.07,0.09,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,Si−CH x 3),0.84,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),0.94(9H,t,J=7.9Hz,Si−CH CH x 3,overlapped with CH CH ),1.19(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.78,3.92(ca.3:1)(1H,m,H−3),3.70,3.95(ca.1:3)(1H,m,H−1),5.79(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.10,6.16(ca.1:3)(1H,d,J=11.3Hz,H−6).
(実施例25) (20S)−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−エチル−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−4a)および(20S)−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−エチル−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−4b)
Figure 2004033420
化合物21(98.5mg,0.124mmol,21a:21b=約3:1の混合物)の無水メタノール(2ml)溶液に、カンファースルホン酸(173.5mg,0.747mmol)を加え室温にて6時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物20−epi−YI−4aおよび20−epi−YI−4bを約3:1の割合で含む混合物(45.0mg,81%)を得た。
化合物20−epi−YI−4aおよび20−epi−YI−4bを約3:1の割合で含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,20%水/メタノール,8ml/min)にて分離精製し、化合物20−epi−YI−4a(27.4mg)および化合物20−epi−YI−4b(7.3mg)を得た。
20−epi−YI−4a:H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),0.98(3H,t,J=7.5Hz,CH CH ),1.21(6H,s,H−26,27),2.25(1H,dd,J=13.7,8.9Hz,H−10),2.37(1H,dd,J=14.0,6.2Hz,H−4),2.45(2H,m,H−4,OH),2.80(2H,m,H−9,10),3.85(2H,m,H−1,3),5.83(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.31(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
20−epi−YI−4b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),0.99(3H,t,J=7.5Hz,CH CH ),1.22(6H,s,H−26,27),2.18(1H,dd,J=13.8,6.6Hz,H−4),2.45(1H,dd,J=13.6,8.5Hz,H−10),2.62(1H,dd,J=13.6,4.3Hz,H−10),2.71(1H,dd,J=13.8,3.4Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.74(1H,dd,J=8.5,4.3Hz,H−1),3.88(1H,dd,J=6.6,3.4Hz,H−3),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.31(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
(実施例26) (20S)−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メトキシメチル−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−5a)および(20S)−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メトキシメチル−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−5b)
Figure 2004033420
化合物20(10.4mg,0.013mmol,20a:20b=約3:1の混合物)の無水メタノール(0.5ml)溶液にカンファースルホン酸(18.7mg,0.080mmol)を加え、0℃で1時間、室温にて4時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物20−epi−YI−5aおよび20−epi−YI−5bを約3:1の割合で含む混合物(5.0mg,81%)を得た。化合物20−epi−YI−5aおよび20−epi−YI−5bを約3:1の割合で含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,15%水/メタノール)にて分離精製し、化合物20−epi−YI−5a(2.0mg)および20−epi−YI−5b(0.8mg)を得た。
20−epi−YI−5a:H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.41(2H,m,H−4,OH),2.53(1H,dd,J=14.1,5.6Hz,H−10),2.68(2H,m,H−10,OH),2.80(1H,m,H−9),2.94(1H,s,OH),3.44(3H,s,OMe),3.69,3.74(each 1H,d,J=9.5Hz,OCHO),3.89(2H,m,H−1,3),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
20−epi−YI−5b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.12(1H,dd,J=13.9,3.4Hz,H−4),2.21(1H,br.t,J=〜12Hz,H−10),2.77〜2.89(4H,m,H−4,9,10),2.89(1H,s,OH),3.43(3H,s,OMe),3.65,3.77(each 1H,d,J=9.5Hz,OCHO),3.79(1H,m,H−1),3.84(1H,m,H−3),5.88(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.27(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
(実施例27) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ]−および(20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[(トリメチルシリル)オキシ]−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物23a,23b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物22(435.2mg,0.660mmol,22a:22b=約2:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(5ml)溶液に、n−ブチルリチウム(412μl,0.660mmol,1.6Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌後、グランドマンケトン体である化合物14c(173.8mg,0.440mmol)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物23(243.4mg,66%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体23aおよび23bの比率は約3:2であった。5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物14c(30.0mg,17%)および5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物22(157.6mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
23a(主生成物):H NMR(CDCl)δ:0.04,0.055,0.058,0.063(each 3H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,si−Me x 3),0.54(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCH CH x 3),1.19(6H,s,H−26,27),2.30(1H,m),2.50(2H,m),2.79(1H,m,H−9),3.54(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.88(1H,m,H−1),5.81(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.10(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
23b(マイナー生成物):H NMR(CDCl)δ:0.04,0.06(each 3H,s,Si−Me x 2),0.07(6H,s,Si−Me x 2),0.12(9H,si−Me x 3),0.53(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.8Hz,SiCH x 3),0.84(3H,d,J=6.6Hz,H−21),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.8Hz,SiCH CH x 3),1.19(6H,s,H−26,27),2.10(1H,m),2.44(2H,m),2.79(1H,m,H−9),3.60(1H,m,H−2),3.80(1H,dd,J=8.7,4.5Hz,H−1),3.94(1H,m,H−3),5.79(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.13(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例28) (20S)−1α−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2α,25−ジヒドロキシ−および(20S)−1α−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2β,25−ジヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物24a,24b)
Figure 2004033420
化合物23(182.5mg,0.218mmol、23a:23b=約3:2の混合物)をテトラヒドロフランと酢酸と水との混合物(9.5ml,8:8:1,v/v/v)に溶解し、0℃で2時間、室温で2.5時間撹拌した。反応混合液は酢酸エチルにて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて飽和食塩水にて洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物24a(39.1mg,28%)および化合物24b(26.0mg,18%)を得た。合計収率は46%であった。
24a:H NMR(CDCl)δ:0.067,0.077,0.083,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.6Hz,H−21),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.22(6H,s,H−26,27),2.27(1H,d,J=3.2Hz,OH),2.31(1H,dd,J=12.6,3.7Hz),2.48(2H,m),2.79(1H,m,H−9),3.51(1H,m,H−2),3.91,(1H,m,H−3),4.00(1H,m,H−1),5.80(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.15(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
24b:H NMR(CDCl)δ:0.06,0.07,0.08,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.53(3H,s,H−18),0.86,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.18(1H,dd,J=13.0,4.5Hz),2.39(3H,m),2.80(1H,m,H−9),3.59(1H,m,H−2),4.00(2H,m,H−1,3),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.18(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例29) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−{2−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ}−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物25a)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物24a(17.0mg,0.026mmol)の無水ジメチルホムアミドおよびテトラヒドロフランの混合溶液(9:1,1ml,v/v)に、水素化ナトリウム(31.4mg,0.786mmol,60%パラフィンリキッド)および(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシシラン(27μl,0.126mmol)を加え激しく撹拌した。22時間後、反応液に氷水を加え、酢酸エチルおよびヘキサン混合液(1:1,v/v)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,7%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物25a(15.4mg,73%)を得、20%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応原料である化合物24a(2.8mg,16%)を回収した。
25a:H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.08(18H,Si−Me x 6),0.54(3H,s,H−18),0.87,0.89,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 3 overlapped with H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.79(1H,m,H−9),3.21(1H,m,H−2),3.7〜3.9(4H,m,OCHCHO),3.96(1H,m,H−3),4.14(1H,m,H−1),5.81(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.15(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例30) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−{2−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ}−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物25b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物24b(15.3mg,0.024mmol)の無水ジメチルホムアミド(1ml)に、水素化ナトリウム(18.9mg,0.471mmol,60%パラフィンリキッド)および(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシシラン(20μl,0.093mmol)を加え激しく撹拌した。22時間後、反応液に氷水を加え、酢酸エチルおよびヘキサン混合液(1:1,v/v)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、7%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物25b(12.0mg,63%)を得、20%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応原料である化合物24b(3.4mg,22%)を回収した。
25b:H NMR(CDCl)δ:0.05〜0.07(18H,Si−Me x 6),0.53(3H,s,H−18),0.86,0.88,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 3,overlapped with H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.13(1H,dd,J=12.8,4.0Hz,H−10),2.35(2H,m,H−4),2.46(1H,m,H−10),2.80(1H,m,H−9),3.28(1H,m,H−2),3.61(1H,m),3.73(2H,m),3.83(1H,m),3.96(1H,dd,J=8.8,4.3Hz,H−1),4.04(1H,m,H−3),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.14(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
(実施例31) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2α−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−6a)
Figure 2004033420
化合物25a(15.4mg,0.019mmol)の無水メタノール(0.5ml)溶液にカンファースルホン酸(26.6mg,0.114mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、続いてHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール,8ml/min)にて精製し、化合物20−epi−YI−6a(6.4mg,72%)を得た。
20−epi−YI−6a:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.19(2H,m,H−4,10),2.33,2.41,2.56(each 1H,br.s,OH x 3),2.63(1H,dd,J=13.2,4.3Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.84(1H,dd,J=14.4,5.4Hz,H−10),3.37(1H,dd,J=7.8,2.8Hz,H−2),3.72〜3.83(4H,m,OCHCHO),3.96(1H,m,H−3),4.14(1H,m,H−1),5.83(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.34(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243,252,261nm.
(実施例32) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2β−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−6b)
Figure 2004033420
化合物25b(12.0mg,0.015mmol)の無水メタノール(0.5ml)溶液に、カンファースルホン酸(20.7mg,0.089mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、続いてHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150 x 20mm,20%水/メタノール,8ml/min)にて精製し、化合物20−epi−YI−6b(5.6mg,81%)を得た。
20−epi−YI−6b:H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.35(1H,br.d,J=14.2Hz,H−4),2.48(1H,dm,J=14.2Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.09(1H,dd,J=13.5,3.7Hz,H−10),3.29(1H,dd,J=8.7,2.7Hz,H−2),3.67(1H,m),3.76〜3.89(4H,m,H−1,OCHCHO),4.17(1H,m,H−3),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.28(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243,252,261nm.
(実施例33) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−オキソ−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物26)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(18μl,0.206mmol)の無水塩化メチレン(1ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(29μl,0.414mmol)の無水塩化メチレン(0.2ml)溶液を加え、5分間撹拌した。この冷却撹拌溶液に化合物24(61.0mg,0.094mmol,24a:24b=約3:2の異性体の混合物)の無水塩化メチレン(1.2ml)溶液を加えた。−78℃で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(131μl,0.940mmol)を加え、−78℃で30分、0℃で10分撹拌した。反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,20%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物26(52.0mg,86%)を単一化合物として得た。
26:H NMR(CDCl)δ:0.055,0.065,0.069,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.87,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=13.5,8.7Hz),2.52(1H,dd,J=14.2,4.1Hz),2.66(1H,dd,J=13.5,5.5Hz),2.72(1H,dd,J=14.2,6.3Hz),2.83(1H,m,H−9),4.35(1H,dd,J=6.3,4.1Hz),4.55(1H,dd,J=8.7,5.5Hz),5.81(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.35(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例34) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−シアノメチレン−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物27a,27b)
Figure 2004033420
−40℃に冷却したジエチルシアノメチルホスホナート(24μl,0.148mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(95μl,0.151mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、化合物26(48.7mg,0.075mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2ml)溶液をゆっくり加えた。−40℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,10%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物27(50.0mg,99%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体27a(E−異性体)および異性体27b(Z−異性体)の比率は約1:1であった。
混合物のNMRデータ
27a:H NMR(CDCl)δ:0.054,0.067,0.099,0.121(each 3H,s,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.83,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.12(1H,m,H−10),4.46(1H,m,H−1),4.99(1H,t,J=2.8Hz,H−3),5.47(1H,d,J=1.8Hz,C=CHCN),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.19(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
27b:H NMR(CDCl)δ:0.063,0.075,0.112,0.132(each 3H,s,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.83,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),2.99(1H,m,H−10),4.57(1H,m,H−3),5.04(1H,t,J=2.8Hz,H−1),5.47(1H,d,J=1.8Hz,C=CHCN),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.32(1H,d,J=11.2Hz,H−6,7).
(実施例35) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物29a,29b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物27(20.0mg,0.030mmol,27a:27b=約1:1の混合物)の無水トルエン(1ml)溶液に、水素化−iso−ブチルアルミニウム(60μl,0.060mmol,1.0Mヘキサン溶液)を加えた。3時間後に−20℃に反応温度を上げた。1時間撹拌後、水素化−iso−ブチルアルミニウム(30μl,0.030mmol,1.0Mヘキサン溶液)を追加し、更に、5.5時間撹拌した。還元剤を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液により分解した後、反応混合物を氷水に移し、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をエタノール(1ml)で溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(1.1mg,0.030mmol)を加え0℃にて1時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4g,15%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物29a(5.5mg)および化合物29b(5.0mg)を得た。合計収率は52%であった。尚、未反応原料である化合物27(7.5mg,38%)を回収した。
29a:H NMR(CDCl)δ:0.02,0.07,0.08(3H,3H,6H,s,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.85,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2,overlapped with H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.29(2H,m,H−4),2.79(1H,m,H−9),2.88(1H,dd,J=12.7,4.3Hz,H−10),4.19(1H,dd,J=12.7,6.8Hz,CHOH),4.31(1H,dd,J=12.7,6.7Hz,CHOH),4.37(1H,dd,J=9.7,4.3Hz,H−1),4.81(1H,t,J=3.8Hz,H−3),5.72(1H,t,J=6.8Hz,C=CH),5.85(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.15(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
29b:H NMR(CDCl)δ:0.01,0.07,0.08,0.09(each 3H,s,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.83,0.93(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.22(6H,s,H−26,27),2.14(1H,br.t,J=〜11.5Hz,H−4),2.55(1H,dd,J=12.3,5.0Hz,H−4),2.82(2H,m,H−9,10),4.22(1H,dd,J=12.3,7.1Hz,CHOH),4.30(each 1H,dd,J=12.7,7.0Hz,CHOH),4.47(1H,m,H−3),4.86(1H,t,J=3.1Hz,H−1),5.72(1H,m,C=CH),5.81(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.25(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
(実施例36) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−19−ノルビタミンD(E−異性体)(化合物20−epi−YI−8a)
Figure 2004033420
化合物29a(11.0mg,0.016mmol)の無水メタノール(0.5ml)溶液に、カンファースルホン酸(11.4mg,0.049mmol)を加え室温にて2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、3%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物20−epi−YI−8a(6.4mg,88%)を得た。
20−epi−YI−8a:H NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),0.86(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.42(2H,m,H−4),2.81(1H,m,H−9),3.15(1H,d,J=12.8,4.9Hz,H−10),4.15(1H,dd,J=12.4,5.9Hz,CH OH),4.39(2H,m,H−1,CH OH),4.84(1H,m,H−3),5.80(1H,m,C=CH),5.88(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246,254,263nm.
(実施例37) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−19−ノルビタミンD(Z−異性体)(化合物20−epi−YI−8b)
Figure 2004033420
化合物29b(11.0mg,0.016mmol)の無水メタノール(0.5ml)溶液に、カンファースルホン酸(11.4mg,0.049mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g、3%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物20−epi−YI−8b(4.8mg,66%)を得た。
20−epi−YI−8b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.21(1H,br.t.J=〜13Hz,H−4),2.33(1H,dm,H−10),2.70(1H,d,J=12.8,4.7Hz,H−4),2.82(2H,m,H−9,10),4.24(1H,dd,J=12.6,6.4Hz,CHOH),4.38(1H,dd,J=12.6,7.4Hz,CHOH),4.46(1H,m,H−3),4.87(1H,t,J=4.2Hz,H−1),5.83(2H,m,H−7,C=CH),6.40(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246,254,263nm.
(実施例38) (aS,2R,6R)−および(aR,2R,6R)−{[4−ベンジルオキシ−2,6−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−シクロヘキシリデン}−アセトニトリル(化合物30)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したジエチルシアノメチルホスホナート(112μl,0.69mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)にn−ブチルリチウム(493μl,0.69mmol,1.4Mヘキサン溶液)を加え15分間撹拌した。本溶液に実施例4で得られた化合物6(160mg,0.345mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2ml)溶液をゆっくり加えた。反応温度を0℃に上昇させた後、1.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水を加えて反応を停止させた後、反応混合物に氷水を加え酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物30(162mg,96%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:2であったが、aS,2R,6R体とaR,2R,6R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
30a(マイナー生成物、低極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.05,0.06,0.08,0.11(each 3H,Si−Me x 4),0.85,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.32〜1.48(2H,m),2.28(1H,m),2.39(1H,m),3.96(1H,m,H−1),4.54(2H,s,PhC )4.56(1H,m),4.98(1H,m),5.41(1H,d,J=2.0Hz,C=CH),7.25〜7.35(5H,m,arom.H).
30b(主生成物、高極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.07,0.08,0.09,0.11(each 3H,Si−Me x 4),0.84,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.60〜1.73(2H,m),2.22(2H,m),3.85(1H,m,H−1),4.57,4.61(each 1H,d,J=12.1Hz,PhC ),4.94〜5.00(2H,m,H−3,5),5.43(1H,d,J=1.5Hz,C=CH),7.25〜7.33(5H,m,arom.H).
混合物のMS m/z(%):no M,403(47),91(100).
(実施例39) (aS,2R,6R)−および(aR,2R,6R)−{[4−ベンジルオキシ−2,6−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−シクロヘキシリデン}−アセタルデヒド(化合物31)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物30(310mg,0.635mmol,30a:30b=約1:2の混合物)の無水トルエン(3ml)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(763μl,0.763mmol,1.0Mトルエン溶液)をゆっくりと加え、1.5時間撹拌した。反応液に飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え反応を終結させた後、混合物に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(13g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物31(288.5mg,93%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:2であったが、aS,2R,6R体とaR,2R,6R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
31a(マイナー生成物、低極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.07(12H,Si−Me x 4),0.85,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.47(2H,m),2.33,2.44(each 1H,m),3.97(1H,m,H−1),4.56(2H,s,PhC ),4.69(1H,ddd,J=11.8,5.3,1.7Hz),5.53(1H,m),6.16(1H,dd,J=7.9,1.6Hz,C=CH),7.26〜7.36(5H,m,arom.H),10.09(1H,d,J=7.8Hz,CHO).
31b(主生成物、高極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.07(12H,Si−Me x 4),0.88(18H,s,Si−tBu x 2),1.78,1.90,2.04,2.17(each 1H,m),3.93(1H,m,H−1),4.53,4.58(each 1H,d,J=11.8Hz,PhC ),4.61(1H,m),5.12(1H,dd,J=8.9,4.3Hz),5.88(1H,d,J=7.7Hz,C=CH),7.25〜7.36(5H,m,arom.H),10.49(1H,d,J=7.7Hz,CHO).
混合物のMS m/z(%):no M,449(32),433(3),358(4),341(13),325(7),317(5),209(10),91(100).
(実施例40) (aS,2R,6R)−および(aR,2R,6R)−{[4−ベンジルオキシ−2,6−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−シクロヘキシリデン}−エタノール(化合物32)
Figure 2004033420
0℃に冷却したアルデヒド体である化合物31(288mg,0.587mmol,31a:31b=約1:2の異性体の混合物)のエタノール(1ml)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(26.6mg,0.704mmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウム乾燥、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,15%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物32(283.3mg,98%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約2:1であったが、aS,2R,6R体とaR,2R,6R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
32a(主生成物、低極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.008,0.04,0.10,0.11(each 3H,s,Si−Me x 4),0.85,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.55(1H,m),1.68(1H,q,J=10.8Hz),2.08(1H,m),2.20(1H,m),2.94(1H,dd,J=10.0,4.3Hz,H−1),3.90(1H,tt,J=10.0,4.3Hz,H−1),4.02(1H,ddd,J=13.5,9.2,7.0Hz,C OH),4.34(1H,m,H−3,5),4.40(1H,m,C OH),4.54(2H,s,PhC ),4.69(1H,dd,J=10.8,4.0Hz,H−3,5),5.62(1H,t,J=5.8Hz,C=CH),7.24〜7.35(5H,m,arom.H).
32b(マイナー生成物、高極性異性体):H NMR(CDCl)δ:−0.01,0.05(each 3H,s,Si−Me x 2),0.07(6H,s,Si−Me x 2),0.83,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.30〜1.41(2H,m),2.21(1H,m),2.38(1H,m),3.94(1H,tt,J=11.3,4.3Hz,H−1),4.23(2H,m,C OH),4.48(1H,m,H−3,5),4.53,4.57(each 1H,d,J=11.8Hz,PhC ),4.86(1H,m,H−3,5),5.70(1H,dt,J=7.1,1.8Hz,C=CH),7.24〜7.35(5H,m,arom.H).
混合物のMS m/z(%):no M,474(8),435(3),360(1),327(25),303(8),91(100).
(実施例41) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−{3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチリデン}−シクロヘキシロキシメチル}−ベンゼン(化合物33)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物32(55mg,0.112mmol,32a:32b=約2:1の異性体の混合物)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、イミダゾール(18.3mg,0.269mmol)およびt−ブチルジメチルシリルクロリド(20.2mg,0.134mmol)を加え、1.5時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物33(62mg,91%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約2:1であったが、aS,2R,6R体とaR,2R,6R体のいずれが主生成物かは判断できなかった。
混合物のNMRデータ
33a(主生成物、低極性異性体):H NMR(CDCl)δ:0.02,0.04,0.051,0.06(each 3H,s,Si−Me x 4),0.048(6H,s,Si−Me x 2),0.86,0.88,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 3),1.57〜1.68(2H,m),2.02(1H,m),2.10(1H,m),3.86(1H,m,H−1),4.36(1H,m),4.38(1H,m,C ,OTBS),4.52,4.55(each 1H,d,J=11.9Hz,PhC ),4.63(1H,m),4.65(1H,m,C OTBS),5.35(1H,m,C=CH),7.24〜7.35(5H,m,arom.H).
33b(マイナー生成物、高極性異性体):H NMR(CDCl)δ:−0.01,0.04,0.053,0.054(each 3H,s,Si−Me x 4),0.06(6H,s,Si−Me x 2),0.83,0.88,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 3),1.30〜1.40(2H,m),2.19(1H,m),2.36(1H,m),3.93(1H,tt,J=6.9,4.3Hz,H−1),4.24(2H,m,C OTBS),4.45(1H,m,H−3 or 5),4.53,4.56(each 1H,d,J=11.8Hz,PhC ),4.83(1H,m),5.60(1H,td,J=6.5,1.8Hz,C=CH),7.24〜7.35(5H,m,arom.H).
混合物のMS m/z(%):no M,591(1),549(23),474(8),441(27),417(29),285(13),91(100).
(実施例42) 3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−{[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル}−シクロヘキサノン(化合物35)
Figure 2004033420
化合物33(116.5mg,0.192mmol,33a:33b=約2:1の混合物)のエタノール(5ml)溶液に、10%パラジウム付活性炭(11.7mg)を加え、常温常圧下水素ガスと激しく撹拌した。21時間後、反応混合物をセライト濾過し、酢酸エチルにて洗浄、ろ液をまとめて溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、溶出部より化合物34(42.7mg,43%)を得た。−78℃に冷却した二塩化オキサリル(9μl,0.099mmol)の無水塩化メチレン(0.3ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(14μl,0.197mmol)の無水塩化メチレン(0.3ml)溶液を加え5分撹拌した後、化合物34(42.7mg,0.082mmol)の無水塩化メチレン(0.5ml)溶液を加えた。−78℃で15分撹拌した後、トリエチルアミン(57μl,0.358mmol)を加え、−78℃で30分、更に室温で1時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物35(38.0mg,89%,化合物34からの収率)を単一化合物として得た。
35:H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.06(18H,Si−Me x 6),0.86,0.87,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 3),1.69,1.78(each 1H,m,CH CHOTBS),1.96(1H,ddd,J=13.1,6.9,3.1Hz,H−4),2.30(1H,dd,J=14.5,6.9Hz),2.45(2H,m),2.62(1H,dd,J=14.5,4.0Hz),3.67〜3.80(2H,m,CH OTBS),4.14,4.38(each 1H,m,H−3,5).
MS m/z(%):no M,459(31),327(41),195(100).
(実施例43) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−{3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル}−シクロヘキシリデン}−酢酸 メチルエステル(化合物36)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したジイソプロピルアミン(90μl,0.641mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(458μl,0.641mmol,1.4Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、(トリメチルシリル)酢酸メチル(105μl,0.641mmol)を加えた。10分間撹拌後、化合物35(165.7mg,0.321mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.3ml)溶液をゆっくり加え、−78℃で2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物36(163.0mg,89%,1:1の異性体の混合物)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
36(異性体の混合物):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.08(18H,s,Si−Me x 6),0.84〜0.89(27H,s,Si−tBu x 3),1.58〜1.77(3H,m,H−4,CH CHOTBS),2.14(1H,m),2.26(1H,m),2.47(1H,dd,J=13.4,3.8Hz),2.62,2.70(1:1)(1H,m),3.22(1H,m),3.62〜3.73(2H,m,CH OTBS),3.668,3.674(1:1)(3H,s,COOMe),3.90,4.16(each 1H,H−3,5),5.65,5.69(1:1)(1H,s,C=CH).
MS m/z(%):no M,557(2),515(49).483(5),425(3),383(52),351(22),309(33),277(23),251(20),177(82),73(100).
(実施例44) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−{3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル]−シクロヘキシリデン}−エタノール(化合物37)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物36(163.0mg,0.284mmol,36a:36b=約1:1の混合物)の無水トルエン(1.5ml)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(853μl,0.853mmol,1.0Mトルエン溶液)を加えた。同温にて1時間撹拌後、反応液に酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は水洗、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物37(143.0mg,92%,1:1の混合物)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
37(異性体の混合物):H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.06(18H,s,Si−Me x 6),0.86〜0.89(27H,s,Si−tBu x 3),1.6〜1.8(3H,m,H−4,CH CHOTBS),2.00〜2.24(4H,m,H−2,6),3.60〜3.74(2H,m,C OTBS),3.78〜3.91(1H,m),4.02〜4.18(3H,m,CH OH),5.47,5.51(1:1)(1H,t,J=7.1Hz,C=CH).
MS m/z(%):no M,487(3),469(9),459(9),394(11),355(17),337(19),263(57),211(74),171(86),131(100),73(100).
(実施例45) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−{3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル}−シクロヘキシリデン}エチルジフェニルホスフィン オキシド(化合物38)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物37(97.8mg,0.179mmol,37a:37b=約1:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(141μl,0.197mmol,1.4Mヘキサン溶液)と塩化p−トルエンスルホニル(37.6mg,0.197mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.3ml)溶液とを順次加え、5分間撹拌した。別の容器にジフェニルホスフィン(62μl,0.358mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を作り、0℃撹拌下で、n−ブチルリチウム(255μl,0.358mmol,1.4Mヘキサン溶液)を加えたところ濃赤色になった。0℃に冷却した本濃赤色溶液を上記のトシル体溶液にゆっくり滴下し、反応混合物が赤色を呈するまで加えた。更に30分間撹拌し、水(50μl)を加え反応を止めた。反応混合物の溶媒留去後、残渣を塩化メチレン(3ml)で溶解し、10%過酸化水素水(4.5ml)を加え0℃にて1時間撹拌した。反応液に2N亜硫酸ナトリウムを加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は水洗、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物38(110.5mg,84.0%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
38(異性体の混合物):H NMR(CDCl)δ:−0.01〜0.02(18H,s,Si−Me x 6),0.82〜0.86(27H,s,Si−tBu x 3),3.00〜3.20(2H,m,CH PO),3.56〜3.75,3.99(3H,m,CH OTBS,H−3 or 5),3.77,3.99(ca.1:1)(1H,m,H−3 or 5),5.24(1H,m,C=CH),7.43〜7.75(10H,m,arom H).
MS m/z(%):no M,671(100),539(63),464(15),407(21),202(53).
(実施例46) (20S)−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−{[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル}−および(20S)−1α−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−{[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル}−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物39a,39b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物38(100.3mg,0.138mmol,38a:38b=約1:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(87μl,0.138mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え、15分後に、グランドマンケトン体である化合物14c(36.2mg,0.092mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物39(53.5mg,64%)を二種の立体異性体の混合物として得た。この混合物を構成する2α−置換体である化合物39aと2β−置換体である化合物39bとの比率は約1:2であった。尚、未反応原料である化合物14c(10.3mg,28%)と化合物38(23.4mg)とを回収した。
39:H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.07(18H,s,Si−Me x 6),0.54(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84〜0.90(31H,Si−tBu x 3,overlapped with H−21),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCH CH x 3),1.19(6H,s,H−26,27),2.45,2.58(ca.1:2)(1H,m,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.60〜3.73(2H,m,CH CH O),3.79,4.09(each 1H,m,H−1,3),5.81(1H,m,H−7),6.12(1H,m,H−6).
(実施例47) (20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2α−(2−(ヒドロキシエチル)−および(20S)−1α,25−ジヒドロキシ−2β−(2−(ヒドロキシエチル)−19−ノルビタミンD(化合物20−epi−YI−7a,20−epi−YI−7b)
Figure 2004033420
化合物39(53.5mg,0.059mmol,39a:39b=約1:2の混合物)の無水メタノール(1ml)溶液に、カンファースルホン酸(109.8mg,0.437mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、3%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物20−epi−YI−7aおよび20−epi−YI−7bの混合物(21.2mg,80%)を得た。
化合物20−epi−YI−7aおよび20−epi−YI−7bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,20%水/メタノール,8ml/min)にて分離精製し、化合物20−epi−YI−7a(6.3mg)および化合物20−epi−YI−7b(11.5mg)を得た。
20−epi−YI−7a:H NMR(CDCl)δ:0.53(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.17(2H,m,H−4,10),2.62(1H,dd,J=12.8,4.4Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.85(1H,dd,J=14.2,4.2Hz,H−10),3.70〜3.80(2H,m,H−3,CH OH),3.83(1H,m,CHOH),4.06(1H,m,H−1),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):245,253,262nm.
20−epi−YI−7b:H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.85(3H,d,J=6.4Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.33(1H,dm,J=13.5Hz,H−4),2.44(1H,br.d,J=13.5Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.12(1H,dd,J=13.0,4.0Hz,H−10),3.63(1H,m,H−1),3.74〜3.84(2H,m,CHOH),4.00(1H,m,H−3),5.88(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.26(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244,252,262nm.
(実施例48) (1,4−cis)−および(1,4−trans)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキサノール ベンジルエーテル(化合物125)
Figure 2004033420
リチウムアルミニウムヒドリド(237mg,6.24mmol)の無水テトラヒドロフラン(5ml)懸濁液中に化合物8(2.99g,6.24mmol,約9:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(15ml)溶液を加え、室温にて2.5時間撹拌した。リチウムアルミニウムヒドリド(96mg,2.53mmol)を追加し、更に3.5時間撹拌した。反応混合液に酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(80g,50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、二種の立体異性体のうち主生成物である化合物125(1.81g,60%)を得た。尚、マイナー生成物は単離できなかった。1,4−cis体と1,4−trans体のいずれかが主生成物かは判断できなかった。
125H NMR(CDCl)δ:0.042(6H,s,Si−Me x 2),0.062,0.082(each 3H,s,Si−Me x 2),0.84,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.17(3H,s,Me),1.66(1H,m),1.88(2H,m),2.00(1H,m),2.19(1H,s,OH),3.70(2H,m),3.81(1H,m),4.51,4.54(each 1H,d,J=12.0Hz,CHPh),7.26〜7.35(5H,m,arom H).
(実施例49) (1,4−cis)−または(1,4−trans)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキサノール ベンジルエーテル(化合物126)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物125(62.3mg,0.130mmol、単一主異性体)の無水トルエン(2ml)溶液に、トリエチルアミン(72μl,0.516mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(52μl,0.260mmol)を加え撹拌した。約2.5時間をかけて反応温度を−78℃から−20℃まで上げた。5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物126(66.7mg,93%)を得た。
126H NMR(CDCl)δ:0.018,0.023,0.04,0.05(each 3H,s,Si−Me x 4),0.11(9H,s,Si−Me),0.83,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.20(3H,s,Me),1.77(2H,m),1.89(2H,m),3.56〜3.66(3H,m),4.52(2H,s,CHPh),7.26〜7.35(5H,m,arom H).
MS m/z(%):no M,537(1),495(9),461(3),387(87),91(100).
(実施例50) (1,4−cis)−または(1,4−trans)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキサノール(化合物127)
Figure 2004033420
化合物126(66.7mg,0.121mmol、単一主異性体)の酢酸エチル(2ml)およびエタノール(1ml)混合溶液に10%パラジウム付活性炭(6.7mg)を加え、常温常圧下で水素ガスと激しく22時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、エタノールおよび酢酸エチルにて洗浄した後、濾液をまとめて溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,10%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物127(54.0mg,97%)を得た。
127H NMR(CDCl)δ:0.044,0.055,0.063,0.070(each 3H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me),0.88,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.22(3H,s,Me),1.70〜1.90(4H,m),3.58(1H,t,J=2.8Hz),3.68(1H,dd,J=11.5,4.2Hz),3.92(1H,m).
MS m/z(%):no M,405(3),387(100),273(25).
(実施例51) (3R,5R)−3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキサノン(化合物128)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(339μl,3.89mmol、単一主異性体)の無水塩化メチレン(3ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(552μl,7.78mmol)の無水塩化メチレン(3ml)溶液を加え5分間撹拌した後、化合物127(1.50g,3.24mmol)の無水塩化メチレン(6ml)溶液を加えた。−78℃で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(2.26ml,16.2mmol)を加えた。反応温度が−78℃から室温になるまで約1.5時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物128(1.36g,91%)を単一化合物として得た。
128H NMR(CDCl)δ:0.045〜0.058(12H,Si−Me x 4),0.15(9H,s,Si−Me),0.84,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.35(3H,s,Me),2.16(1H,dt,J=14.6,2.5Hz),2.37(1H,ddd,J=14.0,5.0,2.1Hz)2.68(1H,dd,J=14.0,11.3Hz),2.93(1H,dd,J=14.6,3.1Hz),3.80(1H,t,J=3.1Hz),3.98(1H,dd,J=11.3,5.0Hz).
MS m/z(%):no M,445(5),403(87),313(19),271(56),143(100).
(実施例52) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキシリデン]−酢酸 メチルエステル(化合物129)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したジイソプロピルアミン(0.827ml,5.90mmol)の無水テトラヒドロフラン(5ml)溶液に、n−ブチルリチウム(3.73ml,5.90mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分間撹拌した後、(トリメチルシリル)酢酸メチル(0.969ml,5.90mmol)を加えた。10分間撹拌した後、化合物128(1.36g,2.95mmol)の無水テトラヒドロフラン(6ml)溶液をゆっくり加え、−78℃にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物129を二種の立体異性体の混合物(1.30g,85%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
129H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.073(12H,Si−Me x 4),0.126,0.130(ca.1:1)(9H,s,Si−Me),0.81,0.84(ca.1:1)(9H,s,Si−tBu),0.91,0.93(ca.1:1)(9H,s,Si−tBu),1.25(3H,s,Me),1.90〜2.85(4H),3.60〜3.84(2H,m),3.65,3.68(ca.1:1)(3H,s,COMe),5.56,5.71(ca.1:1)(1H,s,C=CH).
MS m/z(%):516(M,1),501(4),459(100),327(46),295(61).
(実施例53) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキシリデン]−エタノール(化合物130)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物129(1.30g,2.51mmol)の無水トルエン(15ml)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(7.53ml,7.53mmol,1Mトルエン溶液)を加え1.5時間撹拌した。還元剤を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液により分解した後、反応混合物を氷水中に移し、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,10%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物130を二種の立体異性体の混合物(1.20g,98%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
130:H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.07(12H,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me),0.85(9H,s,Si−tBu),0.91,0.92(ca.1:1)(9H,s,Si−tBu),1.23(3H,s,Me),1.85〜2.75(4H),3.56〜3.67(2H,m),4.08〜4.14(2H,m),5.36,5.49(ca.1:1)(1H,m,C=CH).
MS m/z(%):488(M,3),470(5),455(4),431(10),413(54),380(9),341(17),299(23),73(100).
(実施例54) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−4−メチル−シクロヘキシリデン]エチルジフェニルホスフィン オキシド(化合物118)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物130(712mg,1.46mmol,約1:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液に、n−ブチルリチウム(1.16ml,1.83mmol,1.58Mヘキサン溶液)および塩化p−トルエンスルホニル(349mg,1.83mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液を順次加え、5分間撹拌した。別の容器にジフェニルホスフィン(0.506ml,2.91mmol)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液を用意し、0℃で撹拌しながらn−ブチルリチウム(1.84ml,2.91mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加えたところ濃赤色になった。0℃に冷却した本濃赤色溶液を、上記のトシル体溶液にゆっくり滴下し、反応混合物が赤色を呈するまで加えた。更に0℃にて30分間撹拌し、水(0.3ml)を加えて反応を止めた。反応混合物中の溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレン(8ml)に溶解し、10%過酸化水素水(12ml)を加え0℃にて1時間撹拌した。反応液に2N亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,30〜60%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物118を二種の立体異性体の混合物(717mg,73%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約1:1であった。
118H NMR(CDCl)δ:−0.04〜0.02(12H,Si−Me x 4),0.07,0.08(ca.1:1)(9H,s,Si−Me),0.80,0.83(ca.1:1)(9H,s,Si−tBu),0.88,0.89(ca.1:1)(9H,s,Si−tBu),1.17,1.18(ca.1:1)(3H,s,Me),1.6〜2.6(4H,m),2.9〜3.2(2H,m),3.45〜3.64(2H,m),5.17,5.27(ca.1:1)(1H,m,CH=C),7.4〜7.8(11H,m,arom H).
(実施例55) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチリデン1−シクロヘキサノール(化合物132)
Figure 2004033420
化合物33b(384mg,0.633mmol,高極性異性体)のエタノール(5ml)溶液に10%パラジウム付活性炭(40mg)を加え、常温常圧下水素ガスと激しく撹拌した。2.5時間後、反応混合物をセライト濾過し、エタノールおよび酢酸エチルにて洗浄、濾液を溶媒留去した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物132b(298mg,91%)を得た。化合物132bはaS,3R,5R体とaR,3R,5R体のいずれかであるか判断できなかった。
同様に、化合物33a(800mg,1.32mmol、低極性異性体)の水素接触還元反応により化合物132aおよび132bの約2:1の混合物(536mg,79%)を得た。化合物132bはaS,3R,5R体とaR,3R,5R体のいずれかであるか判断できなかった。化合物132aはaS,3R,5R体とaR,3R,5R体のいずれかであるか判断できなかった。(低極性異性体を用いた接触還元条件下において、1位で異性化が起こった)。
132a(低極性異性体)H NMR(CDCl)δ:0.06(6H,s,Si−Me x 2),0.07,0.087,0.094,0.12(each 3H,s,Si−Me x 4),0.89(18H,s,Si−tBu x 2),0.93(9H,s,Si−tBu),1.46〜1.61(2H,m),2.12(1H,m),2.32(1H,m),4.11(1H,m,H−1),4.20(1H,ddd,J=12.8,6.2,1.1Hz,CHOTBS),4.28(1H,ddd,J=12.8,8.0,1.1Hz,CHOTBS),4.82(1H,m),5.05(1H,m),5.66(1H,m,C=CH).
MS m/z(%):no M,501(1),459(36),441(18),384(5),367(24),327(83),309(4),73(100).
132b(高極性異性体)H NMR(CDCl)δ:0.02,0.058,0.064,0.067,0.073,0.075(each 3H,s,Si−Me x 6),0.87,0.89,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 3),1.43〜1.51(2H,m),2.01〜2.06(1H,m),2.12〜2.18(1H,m),4.19(1H,m,H−1),4.27(1H,ddd,J=13.1,6.5,0.9Hz,CHOTBS),4.37(1H,ddd,J=13.1,5.7,0.9Hz,CHOTBS),4.48,4.86(each 1H,m,H−3,5),5.56(1H,m,C=CH).
MS m/z(%):no M,459(37),441(22),384(3),367(8),327(100),309(5),73(94).
(実施例56) [3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチリデン]−シクロヘキサノン(化合物133)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(7.5μl,0.086mmol、高極性異性体)の無水塩化メチレン(0.2ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(12.2μl,0.172mmol)の無水塩化メチレン(100μl)溶液を加え5分間撹拌した後、化合物132b(37mg,0.072mol)の無水塩化メチレン(0.4ml)溶液を加えた。−78℃で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(50μl,0.358mmol)を加え、反応温度を−78℃から室温まで徐々に上昇させながら1時間撹拌した。反応混合物を氷水中に移し、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g,3%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物133(36.6mg,99%)を単一化合物として得た。
同様に、化合物132a(72.5mg、0.140mmol、低極性異性体)のスワン酸化により化合物133(69mg,96%)を得た。
133H NMR(CDCl)δ:0.02,0.06,0.08,0.09(each 3H,s,Si−Me x 4),0.07(6H,s,Si−Me x 2),0.84,0.90,0.91(each 9H,s,Si−tBu x 3),2.36(1H,dd,J=14.2,10.2Hz),2.46(1H,dd,J=14.4,3.3Hz),2.51(1H,ddd,J=14.4,3.6,1.9Hz),2.75(1H,ddd,J=14.2,5.6,1.8Hz),4.34(2H,m,CHOTBS),4.76(1H,m),5.04(1H,t,J=3.4Hz),5.81(1H,m,C=CH).
MS m/z(%):no M,457(100),325(38),193(13).
(実施例57) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル−シクロヘキシリデン]−酢酸 メチルエステル(化合物134)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したジイソプロピルアミン(0.385ml,2.64mmol)の無水テトラヒドロフラン(4ml)溶液に、n−ブチルリチウム(1.67ml,2.64mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分間撹拌した後、(トリメチルシリル)酢酸メチル(0.433ml,2.64mmol)を加えた。10分間撹拌した後、化合物133(680mg,1.32mmol)の無水テトラヒドロフラン(8ml)溶液をゆっくり加え、−78℃にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物134を二種の立体異性体の混合物(699mg,93%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であったが、aS,3R,5R体とaR,3R,5R体のいずれが主生成物であるかは判断できなかった。
134H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.12(18H,s,Si−Me x 6),0.80〜0.93(27H,s,Si−tBu x 3),3.67,3.70(ca.1:3)(3H,s,COMe),3.90,4.02(ca.1:3)(1H,m),4.25〜4.55(4H,m),4.87(1H,m),5.6〜5.8(2H,m,C=CH x 2).
MS m/z(%):no M,555(3),513(79),438(33),381(100),349(8),249(6).
(実施例58) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチル−シクロヘキシリデン]−エタノール(化合物135)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物134(699mg,1.22mmol,約3:1の混合物)の無水トルエン(6ml)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(3.66ml,3.66mmol,1Mトルエン溶液)を加え1時間撹拌した。還元剤を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液により分解した後、反応混合物を氷水中に移し、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物135を二種の立体異性体の混合物(567mg,85%)として得た。この混合物を構成する異性体の比率は約3:1であったが、aS,3R,5R体とaR,3R,5R体のいずれが主生成物であるかは判断できなかった。
135:H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.07(18H,Si−Me x 6),0.85〜0.92(27H,Si−tBu x 3),1.94〜2.77(4H,m),4.0〜4.4(5H,m),4.77,4.90(ca.3:1)(1H,m),5.50,5.71(ca.3:1)(1H,m,C=CH),5.60,5.66(ca.3:1)(1H,m,C=CH).
(実施例59) (aS,3R,5R)−および(aR,3R,5R)−[3,5−ビス−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[2−(t−ブチルシリル)オキシ]−エチル−シクロヘキシリデン]エチルジフェニルホスフィン オキシド(化合物119)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物135(164mg,0.302mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液に、n−ブチルリチウム(228μl,0.360mmol,1.58Mヘキサン溶液)および塩化p−トルエンスルホニル(68.6mg,0.360mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を順次加え、5分間撹拌した。別の容器にジフェニルホスフィン(105μl,0.604mmol)の無水テトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を用意し、0℃で撹拌しながらn−ブチルリチウム(382μl.0.604mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加えたところ濃赤色になった。0℃に冷却した本濃赤色溶液を、上記のトシル体溶液にゆっくり滴下し、反応混合物が赤色を呈するまで加えた。更に0℃にて30分間撹拌し、水(0.1ml)を加えて反応を止めた。反応混合物中の溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレン(3ml)に溶解し、10%過酸化水素水(4ml)を加え0℃にて1時間撹拌した。反応液に2N亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7g,50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物119を二種の立体異性体の混合物(139mg,63%)として得た。この混合物のH NMRスペクトルでは、各異性体由来の大部分のシグナルが重なり、正確に異性体の比率を求めることはできなかった。
119:H NMR(CDCl)δ:−0.02〜0.05(18H,Si−Me x 6),0.80〜0.90(27H,Si−tBu x 3),1.90〜2.60(4H,m),3.15(2H,m,CHPO),4.20〜4.38(3H,m),4.71(1H,m),5.29(1H,m,C=CH),5.56(1H,m,CH=C),7.40〜7,80(10H,m,arom H).
(実施例60) 22−エン−25−ヒドロキシグランドマンケトン体(化合物120)
下記の工程に従って、化合物120a、bを製造した。
Figure 2004033420
5炭素ユニット(V)の合成
Figure 2004033420
文献記載の方法(Fernandez,B.,Perez,J.A.M.,Granja,J.R.,Castedo,L.,Mourino,A.,J.Org.Chem.,1992,57,3173−3178、およびFall,Y.,Vitale,C.,Mourino,A.,Tetrahedron Lett.,2000,41,7337−7340)に従い、ビタミンDから化合物(VI)を合成した。
化合物VI(1.17g,2.964mmol)のメタノール(15ml)溶液を0℃に冷却し、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.69g,8.893mmol)を加え、0℃で16時間、室温で8時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,30%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物VII(790.7mg,95%)を得た。
VIIH NMR(CDCl)δ:0.93(3H,s,H−18),1.01(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),4.08(1H,m,H−8),5.37(2H,m,H−22,23).
−78℃に冷却した二塩化オキザリル(127μl,1.459mmol)の無水塩化メチレン(1ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(206μl,2.917mmol)の無水塩化メチレン(0.5ml)溶液を加え10分撹拌した後、化合物VII(186mg,0.663mmol)の無水塩化メチレン(2ml)溶液を加えた。−78℃で15分撹拌した後、トリエチルアミン(924μl,6.63mmol)を加え、徐々に温度を上げ0℃にした。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7g,25%酢酸エチル含/ヘキサン)にて精製し、化合物VIII(178.0mg,96%)を得た。
VIIIH NMR(CDCl)δ:0.67(3H,s,H−18),1.07(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),5.37(2H,m,H−22,23).
0℃に冷却した化合物VIII(178.0mg,0.639mmol)の無水塩化メチレン(2ml)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(557μl,3.196mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(121μl,1.596mmol)を加え3時間、室温にて3時間撹拌した。更にジイソプロピルエチルアミン(111μl,0.639mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(24μl,0.320mmol)を追加し、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物を氷水中に移し、塩化メチレンにて抽出した。有機層は、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7g,10%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物120a(154.2mg,75%)を得た。
120aH NMR(CDCl)δ:0.65(3H,s,H−18),1.05(3H,d,J=6.7Hz,H−21),1.19(6H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=11.1,7.8Hz,H−9),3.37(3H,s,OMe),5.28,5.38(each 1H,m,H−22,23).
化合物VIII(710.4mg,2.55mmol)の無水ジメチルホルムアミド(10ml)溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(520.8mg,7.65mmol)およびクロロトリエチルシラン(868μl,5.10mmol)を加え、2.5時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,4%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物120b(887.5mg,89%)を得た。
120bH NMR(CDCl)δ:0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.66(3H,s,H−18),0.95(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.05(3H,d,J=6.7Hz,H−21),1.16(6H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=11.0,7.5Hz,H−9),5.24,5.40(each 1H,m,H−22,23).
(実施例61) 22−オキサ−25−ヒドロキシグランドマンケトン(化合物121)
下記の工程に従って、化合物121を製造した。
Figure 2004033420
5炭素ユニット(XI)の合成
Figure 2004033420
文献記載の方法(Posner,G.H.,Lee,J.K.,White,M.C.,Hutchings,R.H.,Dai,H.,Kachinski,J.L.,Dolan,P.,Kensler,T.W.,J.Org.Chem.,1997,62,3299−3314)に従い、ビタミンDから化合物(X)を合成した。
化合物X(800mg,2.56mmol)および化合物XI(4.77g,12.80mmol)の無水ジメチルホルムアミド(30ml)溶液に、水素化ナトリウム(3.07g,76.77mmol,60%パラフィンリキッド)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(85g、1%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物XII(1.135g,86%)を得た。
XIIH NMR(CDCl)δ:−0.01,0.01,0.06,0.07(each 3H,s,Si−Me x 4),0.85,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.93(3H,s,H−18),1.05(3H,d,J=6.0Hz,H−21),1.21,1.22(each 3H,s,H−26,27),3.27(1H,m,H−20),3.31,3.68(each 1H,m,H−23),4.00(1H,m,H−8).
MS m/z(%):512(no M),455(1),497(1),380(1),323(3),295(20),237(100),163(89),75(81).
化合物XII(1.13g,2.20mmol)のメタノール(10ml)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(2.10g,11.01mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、30%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物XIII(610.2mg,97%)を得た。
XIIIH NMR(CDCl)δ:0.95(3H,s,H−18),1.11(3H,d,J=6.0Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),3.30(1H,m,H−20),3.46(1H,m,H−23),3.59(1H,s,OH),3.85(1H,dt,J=9.5,4.1Hz,H−23),4.09(1H,m,H−8).
MS m/z(%):248(M,2),226(1),197(6),181(21),163(84),113(45),69(100).
化合物XIII(742.7mg,2.611mmol)、4−メチルモルホリンN−オキシド(2.14g,18.28mmol)、モレキュラーシーブ4A(450mg)の無水ジクロロメタン(15ml)溶液に、テトラプロピルアンモニウムパールテネート(PrNRuO)(45.9mg,0.131mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物XIV(722.8mg,98%)を得た。
XIVH NMR(CDCl)δ:0.65(3H,s,H−18),1.15(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.24,1.25(each 3H,s,H−26,27)、2.47(1H,m,H−9),3.25(1H,m,H−20),3.45(1H,m,H−23),3.44(1H,s,OH),3.88(1H,dt,J=9.6,4.2Hz,H−23).
MS m/z(%):282(M,1),264(2),195(23),179(69),161(41),113(29),69(100).
化合物XIV(720.2mg,2.550mmol)の無水ジメチルホルムアミド(10ml)溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(1.04g,15.30mmol)およびクロロトリエチルシラン(1.3ml,7.65mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(35g、2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物121(1.005g,99%)を得た。
121H NMR(CDCl)δ:0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.65(3H,s,H−18),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.10(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=11.0,7.5Hz,H−14),3.24(1H,m,H−20),3.31,3.73(each 1H,m,H−23).
(実施例62) 24a,26a,27a−トリホモ−22,24−ジエン−25−ヒドロキシグランドマンケトン(化合物122)
文献記載の方法(Posner,G.H.,Lee,J.K.,White,M.C.,Hutchings,R.H.,Dai,H.,Kachinski,J.L.,Dolan,P.,Kensler,T.W.,J.Org.Chem.,1997,62,3299−3314)に準じて、下記の工程に従って、化合物122を合成した。
Figure 2004033420
Wittig−Horner試薬の合成
Figure 2004033420
(実施例63) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[(トリメチルシリル)オキシ]−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物136a,136b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体22(268.2mg,0.407mmol,約2:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(2ml)溶液に、n−ブチルリチウム(261μl,0.407mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加えた。15分撹拌後、C/D環ケトン体120a(87.5mg,0.271mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物136を二種の立体異性体の混合物(116.1mg,56%)として得た。この混合物を構成する異性体136aおよび136bの比率は約5:4であった。また、10%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物120a(11.6mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
136a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.06(12H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me x 3),0.55(3H,s,H−18),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.54(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.87(1H,m,H−1),4.73(2H,s,OCHO),5.33(2H,m,H−22,23),5.81(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.10(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
136b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.06(12H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me x 3),0.54(3H,s,H−18),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.02(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.60(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.93(1H,m,H−1),4.73(2H,s,OCHO),5.33(2H,m,H−22,23),5.79(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.13(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):762(M,18),700(28),630(39),568(57),511(18),465(25),309(36),147(35),109(56),75(100).
(実施例64) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−ヒドロキシ−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−ヒドロキシ−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物137a,137b)
Figure 2004033420
化合物136(60.0mg,0.0786mmol,約5:4の混合物)をテトラヒドロフラン/酢酸/水(8:8:1,4.25ml)に溶解し、室温で18時間撹拌した。反応液は酢酸エチルにて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて飽和食塩水にて洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g、5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物137を二種の立体異性体の混合物(53.4mg,98%)として得た。この混合物を構成する異性体137aおよび137bの比率は約5:4であった。
混合物のNMRデータ
137a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.059〜0.096(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.51(1H,m,H−2),3.90,(1H,m,H−3),3.99(1H,m,H−1),4.73(2H,s,OCHO),5.33(2H,m,H−22,23),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.15(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
137b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.86,0.90(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),3.59(1H,m,H−2),3.99(2H,m,H−1,3),4.73(2H,s,OCHO),5.33(2H,m,H−22,23),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.18(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):690(M,6),628(9),571(7),439(29),309(11),237(11),109(63)75(100).
(実施例65) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物138a,138b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物137(44.3mg,0.064mmol,約5:4の混合物)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、水素化ナトリウム(77.0mg,1.925mmol,60%パラフィンリキッド)および(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシラン(69μl,0.320mmol)を加え激しく撹拌した。20時間後、反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物138を二種の立体異性体の混合物(45.0mg,83%)として得た。この混合物を構成する異性体138aおよび138bの比率は約1:1であった。
138H NMR(CDCl)δ:0.05〜0.09(18H,Si−Me x 6),0.54,0.56(ca.1:1)(3H,s,H−18),0.86〜0.91(27H,Si−tBu x 3),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.24(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.19,3.28(ca.1:1)(1H,m,H−2),3.37(3H,s,OMe),3.5〜4.1(7H,m,OCHCHO,H−1,3),4.73(2H,s,OCHO),5.32(2H,m,H−22,23),5.79(1H,H−7),6.13(1H,H−6).
MS m/z(%):no M,786(1),716(4),654(8),610(8),553(5),522(10),465(12),233(60),109(28),75(100).
(実施例66) 1α,25−ジヒドロキシ−2α−(2−ヒドロキシエトキシ)−および1α,25−ジヒドロキシ−2β−(2−ヒドロキシエトキシ)−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物101a,101b)
Figure 2004033420
化合物138(45.0mg,0.053mmol,約1:1の混合物)の無水メタノール(1ml)溶液にカンファースルホン酸(73.8mg,0.318mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物101aと101bの混合物(20.3mg,83%,約1:1の混合物)を得た。化合物101aおよび101bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AMSH−342−5,150x20mm,25%水/メタノール)にて精製し、化合物101a(8.3mg)および化合物101b(7.9mg)を得た。
101aH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.67,3.03,3.33(each 1H,br.s,OH x 3),2.62(1H,dd,J=13.5,4.5Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),2.86(1H,dd,J=14.4,4.9H,H−10),3.33(1H,dd,J=8.0,2.8Hz,H−2),3.68〜3.83(4H,m,OCHCHO),3.94(1H,m,H−3),4.15(1H,m,H−1),5.38(2H,m,H−22,23),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):244(ε27400),252(ε32000),261(ε21700)nm.
MS m/z(%):462(M,55),444(58),426(43),408(22),346(32),317(68),299(39),255(69),237(76),133(100).HR−MS m/z:462.3348(Calcd for C2846:462.3345).
101bH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.34(1H,br.d,J=14.2Hz,H−4),2.48(1H,dm,J=14.2Hz,H−4),2.62(1H,br.s,OH),2.79(1H,m,H−9),3.07(1H,dd,J=13.2,3.8Hz,H−10),3.28(1H,dd,J=8.7,2.7Hz,H−2),3.28,3.42(each 1H,br.s,OH x 2),3.64〜3.87(5H,m,OCHCHO,H−1),4.17(1H,m,H−3),5.39(2H,m,H−22,23),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.27(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243(ε27700),251(ε32300),261(ε21600)nm.
MS m/z(%):462(M,41),444(44),426(37),408(17),346(39),317(55),299(29),255(59),237(75),133(100).HR−MS m/z:462.3362(Calcd for C2846:462.3345).
(実施例67) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−オキソ−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物139)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(7.8μl,0.088mmol)の無水塩化メチレン(1ml)溶液にジメチルスルホキシド(12.4μl,0.175mmol)の無水塩化メチレン(0.2ml)溶液を加え、5分撹拌した。この冷却撹拌溶液に化合物137(50.4mg,0.073mmol,約5:4の混合物)の無水塩化メチレン(1.2ml)溶液を加えた。−78℃で15分撹拌した後、トリエチルアミン(51μl,0.365mmol)を加え、−78℃で40分、0℃で20分撹拌した。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、5%,酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物139(49.0mg,97%)を単一化合物として得た。
139H NMR(CDCl)δ:0.055,0.065,0.069,0.094(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.88,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.03(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.44(1H,dd,J=13.3,8.9Hz),2.52(1H,dd,J=14.2,3.8Hz),2.69(2H,m),2.81(1H,m,H−9),3.37(3H,s,OMe),4.35(1H,dd,J=6.4,4.2Hz),4.55(1H,dd,J=8.7,5.5Hz),4.73(2H,s,OCHO),5.34(2H,m,H−22,23),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.34(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):no M,631(5),569(100),437(22),325(17),109(81),75(52).
(実施例68) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−シアノメチレン−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物140a,140b)
Figure 2004033420
−40℃に冷却したジエチルシアノメチルホスホナート(32μl,0.197mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(126μl,0.197mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、化合物139(68.0mg,0.099mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2ml)溶液をゆっくり加えた。−40℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,3%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物140を二種の立体異性体の混合物(59.6mg,85%)として得た。この混合物を構成する異性体140a(E−異性体)および異性体140b(Z−異性体)の比率は約1:1であった。
混合物のNMRデータ
140aH NMR(CDCl)δ:0.054,0.065,0.094,0.120(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.84,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.12(1H,m,H−10),3.37(3H,s,OMe),4.46(1H,m,H−1),4.73(2H,s,OCHO),4.99(1H,t,J=2.8Hz,H−3),5.33(2H,m,H−22,23),5.47(1H,d,J=1.8Hz,C=CHCN),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.18(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
140bH NMR(CDCl)δ:0.065,0.075,0.111,0.133(each 3H,s,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.84,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),2.99(1H,m,H−10),3.37(3H,s,OMe),4.57(1H,m,H−3),4.73(2H,s,OCHO),5.04(1H,t,J=2.8Hz,H−1),5.33(2H,m,H−22,23),5.47(1H,d,J=1.8Hz,C=CHCN),5.78(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.31(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):711(M,5),649(18),592(61),565(76),517(20),408(26),109(92),75(99),73(100).
(実施例69) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(ホルミル)−エチリデン]−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物141a,141b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物140(59.6mg,0.084mmol,約1:1の混合物)の無水トルエン(1ml)溶液に、水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(126μl,0.126mmol,1.0Mトルエン溶液)を加え1.5時間撹拌した。反応液をヘキサンにて希釈し、本希釈溶液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物141を二種の立体異性体の混合物(56.0mg,94%)として得た。この混合物を構成する異性体141a(E−異性体)および異性体141b(Z−異性体)の比率は約1:1であった。
混合物のNMRデータ
141aH NMR(CDCl)δ:0.01〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.57(3H,s,H−18),0.84,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.03(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.42(2H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.05(1H,m,H−10),3.37(3H,s,OMe),4.56(1H,m,H−1),4.73(2H,s,OCHO),5.35(2H,m,H−22,23),5.46(1H,t,J=3.2Hz,H−3),5.79(1H,d,J=11.4Hz,H−7),6.16(1H,m,C=CH),6.19(1H,d,J=11.4Hz,H−6),10.18(1H,d,J=7.9Hz,CHO).
141bH NMR(CDCl)δ:0.01〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.84,0.93(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.03(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.65(1H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.00(1H,m,H−10),3.37(3H,s,OMe),4.70(1H,m,H−3),4.73(2H,s,OCHO),5.35(2H,m,H−22,23),5.53(1H,m,H−1),5.84(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.17(1H,m,C=CH),6.31(1H,d,J=11.3Hz,H−6),10.16(1H,d,J=7.9Hz,CHO).
混合物のMS m/z(%):714(M,9),652(13),595(20),582(13),520(34),491(23),463(14),411(17),109(33),75(100).
(実施例70) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−エン−25−[(メトキシメチル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物141a,141b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物141(56.0mg,0.078mmol,約1:1の混合物)のメタノール/テトラヒドロフラン(2:1,1.5ml)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(3.6mg,0.094mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,8%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物142a(26.3mg,E−異性体)および化合物142b(22.7mg,Z−異性体)を得た。合計収率は87%であった。
混合物のNMRデータ
142aH NMR(CDCl)δ:0.02,0.06,0.08(3H,3H,6H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.85,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.30(2H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.88(1H,dd,J=12.7,4.6Hz,H−10),3.37(3H,s,OMe),4.20,4.30(each 1H,m,CHOH),4.37(1H,dd,J=9.5,4.0Hz,H−1),4.73(2H,s,OCHO),4.81(1H,t,J=3.8Hz,H−3),5.33(2H,m,H−22,23),5.72(1H,m,C=CH),5.85(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.14(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
142bH NMR(CDCl)δ:0.01,0.08,0.08,0.09(each 3H,s,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.84,0.93(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.55(1H,dd,J=12.5,4.9Hz,H−4),2.83(2H,m,H−9,10),3.37(3H,s,OMe),4.22(1H,dd,J=12.4,7.0Hz,CHOH),4.30(1H,dd,J=12.4,7.0Hz,CHOH),4.48(1H,m,H−3),4.73(2H,s,OCHO),4.86(1H,t,J=3.2Hz,H−1),5.33(2H,m,H−22,23),5.72(1H,dt,J=7.0,1.3Hz,C=CH),5.80(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.25(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):716(M,1),584(39),522(14),491(9),147(8),109(19),75(100).
(実施例71) 1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−エン−19−ノルビタミンD(E−異性体)(化合物102a)
Figure 2004033420
化合物142a(26.3mg,0.037mmol)の無水メタノール(1ml)溶液にカンファースルホン酸(51.2mg,0.220mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物102a(15.6mg,96%)を得、更にこの化合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて精製し、純粋な化合物102a(12.5mg)を得た。
102aH NMR(CDOD)δ:0.59(3H,s,H−18),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.16(6H,s,H−26,27),2.35(1H,br,d,J=13.9Hz,H−4),2.43(1H,dd,J=13.9,2.9Hz,H−4),2.86(1H,m,H−9),3.11(1H,d,J=12.8,5.0Hz,H−10),4.24(2H,m,CHOH),4.30(1H,m,H−1),4.83(1H,m,H−3),5.31,5.42(each 1H,m,H−22,23),5.79(1H,dt,J=6.9,1.8Hz,C=CH),5.91(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.23(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246(ε37000),254(ε42000),263(ε27800)nm.
MS m/z(%):444(M,7),426(5),408(22),390(9),372(14),281(4),263(11),252(100),147(9),109(12).HR−MS m/z:444.3246(Calcd for C2844:444.3240).
(実施例72) 1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−エン−19−ノルビタミンD(Z−異性体)(化合物102b)
Figure 2004033420
化合物142b(22.7mg,0.032mmol)の無水メタノール(1ml)溶液にカンファースルホン酸(44.1mg,0.190mmol)を加え、室温にて2.5時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物102b(13.5mg,96%)を得、更にこの化合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて精製し、純粋な化合物102b(12.6mg)を得た。
102bH NMR(CDOD)δ:0.61(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.16(6H,s,H−26,27),2.65(1H,dd,J=12.4,5.0Hz,H−4),2.85(1H,m,H−9),2.93(1H,d,J=14.4,3.0Hz,H−10),4.25(2H,m,CHOH),4.39(1H,m,H−3),4.87(1H,t,J=3.0Hz,H−1),5.31,5.42(each 1H,m,H−22,23),5.77(1H,dt,J=6.9,1.7Hz,C=CH),5.89(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.32(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246(ε32500),254(ε37200),263(ε24500)nm.
MS m/z(%):444(M,10),426(5),408(23),390(27),372(91),281 (54),263(79),252(57),147(86),109(100).HR−MS m/z:444.3227(Calcd for C2844:444.3240).
(実施例73) 1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−22−エン−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物143a,143b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体13(106.0mg,0.177mmol、約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(112.0μl,0.177mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌後、C/D環ケトン体120b(46.4mg,0.118mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.3ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃から0℃まで徐々に昇温させながら3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物143を二種の立体異性体の混合物(44.4mg,49%)として得た。この混合物を構成する異性体143aおよび143bの比率は約3:1であった。また、15%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物120b(22.6mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
143a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,Si−CHCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.95(9H,tJ=7.9Hz,Si−CHCH x 3),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.17(6H,s,H−26,27),2.73,2.82(each 1H,d,J=5.5Hz,CHO),3.81,3.87(each 1H,m),5.23〜5.42(2H,m),5.82(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.21(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
143b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,Si−CHCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.95(9H,t,J=7.9Hz,Si−CHCH x 3),1.02(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.17(6H,s,H−26,27),2.57,2.92(each 1H,d,J=5.5Hz,CH−O),3.68,4.03(each 1H,m),5.23〜5.42(2H,m),5.82(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.27(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):772(M,4),715(10),583(6),451(3),173(100).
(実施例74) 1α,25−ジヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物103a)、1α,25−ジヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物103b)、1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−フルオロメチル−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物104a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−フルオロメチル−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物104b)
Figure 2004033420
化合物143(75.1mg,0.097mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.583ml,0.583mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,70%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物103を二種の立体異性体の混合物(31.1mg,74%)として得た。これらの混合物を構成する異性体103aおよび103bの比率はそれぞれ約3:1であった。化合物104は単離されなかった。
化合物103aおよび103bを含む混合物(11mg)をHPLC(LiChrosorb Si 60,Hibar,250x4mm,ヘキサン:塩化メチレン:メタノール=50:50:6)にて分離精製し、化合物103a(4.8mg)および化合物103b(807μg)を得た。
103aH NMR(CDCl)δ:0.58(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),2.31(1H,dd,J=13.5,8.6Hz,H−10),2.40(1H,dd,J=13.6,6.2Hz,H−4),2.61(1H,dd,J=13.6,3.3Hz,H−4),2.81(m,H−9),2.84(1H,d,J=4.7Hz,CHO),2.94(1H,dd,J=13.5,4.0Hz,H−10),3.07(1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.81(1H,m,H−3),3.98(1H,m,H−1),5.39(2H,m,H−22,23),5.85(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
103bH NMR(CDCl)δ:0.58(3H,s,H−18),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.21(6H,s,H−26,27),2.31(1H,dd,J=13.7,6.2Hz,H−4),2.36(1H,dd,J=13.7,8.4Hz,H−10),2.71(1H,dd,J=13.7,3.6Hz,H−4),2.81(m,H−9),2.86(1H,d,J=13.7,4.4Hz,H−10),2.94,2.99(each 1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.82(1H,m,H−3),3.90(1H,m,H−1),5.40(2H,m,H−22,23),5.87(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.37(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
(実施例75) 1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物105a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メチル−22−エン−19−ノルビタミンD(化合物105b)
Figure 2004033420
化合物103(11.7mg,0.027mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、リチウムアルミニウムヒドリド(1.0mg,0.027mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物に酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,75%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物105を二種の立体異性体の混合物(3.9mg,33%,105a:105b=約3:1)として得た。化合物105aおよび105bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,25%水/メタノール)にて精製し、化合物105a(1.58mg)および化合物105b(261μg)を得た。
105aH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),1.24(3H,s,2−Me),2.36(1H,dd,J=14.5,4.6Hz,H−4),2.54(1H,d,J=14.5Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),2.93(1H,dd,J=12.6,4.3Hz,H−10),3.73(2H,m,H−1,3),5.39(2H,m,H−22,23),5.83(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):432(M,37),414(34),396(11),378(12),360(14),305(21),287(37),269(37),251(21),135(100).HR−MS m/z:432.3221(Calcd for C2744:432.3240).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
105bH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.20(6H,s,H−26,27),1.30(3H,s,2−Me),2.49(1H,dd,J=14.2,3.4Hz,H−4),2.62(1H,dd,J=14.2,6.5Hz,H−4),2.67(1H,dd,J=13.6,4.0Hz,H−10),2.80(1H,m,H−9),3.74,3.77(each 1H,m,H−1,3),5.39(2H,m,H−22,23),5.81(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):432(M,66),414(31),396(17),378(20),360(35),305(29),287(49),269(48),251(43),135(100),HR−MS m/z:432.3246(Calcd for C2744:432.3240).
UV λmax(EtOH):244,252,261nm.
(実施例76) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ]−および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[(トリメチルシリル)オキシ]−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物144a,144b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体22(212.0mg,0.321mmol,約2:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液に、n−ブチルリチウム(206μl,0.321mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、C/D環ケトン体121(85.0mg,0.214mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g)にて精製し、2%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物144を二種の立体異性体の混合物(158.8mg,88%)として得た。この混合物を構成する異性体144aおよび144bの比率は約3:2であった。また、5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物121(5.1mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
144a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.13(9H,s,Si−Me x 3),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.08(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.69(each 1H,m,H−23),3.53(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.89(1H,m,H−1),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.11(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
144b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.04〜0.06(12H,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me x 3),0.54(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.08(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.69(each 1H,m,H−23),3.59(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.93(1H,m,H−1),5.77(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.14(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):no M,704(10),647(3),618(7),572(19),486(20),469(13),383(17),309(19),75(100).
(実施例77) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,25−ジヒドロキシ−および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,25−ジヒドロキシ−22−オキサ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物145a,145b)および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−ヒドロキシ−および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−ヒドロキシ−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物146a,146b)
Figure 2004033420
化合物144(153.0mg,0.183mmol,約3:2の混合物)をテトラヒドロフラン/酢酸/水(8:8:1;4.25ml)に溶解し、室温にて16時間撹拌した。反応液は酢酸エチルにて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて飽和食塩水にて洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g)にて精製し、5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物146を二種の立体異性体の混合物(37.0mg,27%)として得た。更に10%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物145を二種の立体異性体の混合物(77.1mg,65%)として得た。これらの混合物を構成する異性体145aおよび145bまたは146aおよび146bの比率は、それぞれ約3:2であった。
混合物のNMRデータ
145a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.14(3 H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.28(1H,m,H−20),3.46,3.85(each 1H,m,H−23),3.51(1H,m,H−2),3.59(1H,s,OH),3.92(1H,m,H−3),4.00(1H,m,H−1),5.78(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.16(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
145b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.54(3H,s,H−18),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),1.14(3 H,d,J=5.9Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.28(1H,m,H−20),3.46,3.85(each 1H,m,H−23),3.59(1H,m,H−2),3.59(1H,s,OH),4.00(2H,m,H−3,1),5.78(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.19(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):650(M,2),632(8),546(6),489(8),443(10),357(8),265(22),113(30),75(100).
混合物のNMRデータ
146a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.87,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.81(1H,m,H−9),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),3.51(1H,m,H−2),3.91(1H,m,H−3),4.01(1H,m,H−1),5.78(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.17(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
146b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(12H,Si−Me x 4),0.55(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.81(1H,m,H−9),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),3.59(1H,m,H−2),4.01(2H,m,H−1,3),5.78(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.20(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):764(M,1),707(1),632(4),575(2),546(3),489(4),443(5),357(20),265(11),103(31),75(100).
(実施例78) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−22−オキサ−25−ヒドロキシ−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物147a,147b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物145(73.5mg,0.113mmol,約3:2の混合物)の無水ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に、水素化ナトリウム(135.0mg,3.375mmol,60%パラフィンリキッド)および(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシラン(118μl,0.550mmol)を加え激しく撹拌した。19時間後、反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、10%〜15%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物147を二種の立体異性体の混合物(65.0mg,71%)として得た。この混合物を構成する異性体147aおよび147bの比率は約3:2であった。
147H NMR(CDCl)δ:0.05〜0.07(18H,Si−Me x 6),0.54,0.55(ca.2:3)(3H,s,H−18),0.86〜0.89(27H,Si−tBu x 3),1.13(3H,d,J=5.5Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.2〜4.1(10H,m,OCHCHO,H−1,2,3,20,23),5.77(1H,H−7),6.14(1H,H−6).
MS m/z(%):no M,790(1),676(4),658(5),572(6),526(5),397(18),233(74),75(100).
(実施例79) 20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2α−(2−ヒドロキシエトキシ)−および20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2β−(2−ヒドロキシエトキシ)−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物106a,106b)
Figure 2004033420
化合物147(63.0mg,0.0778mmol)の無水メタノール(1.5ml)溶液にカンファースルホン酸(108.5mg,0.467mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物106aと106bの混合物(33.0mg,91%,約3:2の混合物)を得た。化合物106aと106bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,25%水/メタノール)にて分離精製し、化合物106a(13.9mg)および化合物106b(10.3mg)を得た。
106aH NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),1.12(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.60(1H,dd,J=13.4,4.5Hz,H−4),2.79(1H,m,H−9),2.86(1H,dd,J=14.5,4.8Hz,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.31(1H,dd,J=8.1,2.7Hz,H−2),3.45(1H,m,H−23),3.57(1H,s,OH),3.66〜3.86(5H,m,OCHCHO,H−23),3.92(1H,m,H−3),4.14(1H,m,H−1),5.79(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243(ε29600),251(ε34500),261(ε23200)nm.
MS m/z(%):466(M,39),448(30),430(13),362(14),345(12),317(13),237(9),133(20),113(50),69(100).HR−MS m/z:466.3267(Calcd for C2746:466.3294).
106bH NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.34(1H,br.d,J=14.1Hz,H−4),2.48(1H,dm,J=14.1Hz,H−4),2.67(1H,br.s,OH),2.79(1H,m,H−9),3.07(1H,dd,J=13.4,3.8Hz,H−10),3.27(2H,m,H−2,20),3.45(1H,m,H−23),3.56(1H,s,OH),3.64〜3.87(6H,m,OCHCHO,H−1,23),4.17(1H,m,H−3),5.82(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.27(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243(ε32500),251(ε37900),261(ε25100)nm.
MS m/z(%):466(M,28),448(22),430(11),362(9),345(9),317(9),237(11),133(19),113(43),69(100).HR−MS m/z:466.3300(Calcd for C2746:466.3294).
(実施例80) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−オキソ−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物148)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した二塩化オキサリル(8.3μl,0.095mmol)の無水塩化メチレン(1ml)溶液にジメチルスルホキシド(13.5μl,0.190mmol)の無水塩化メチレン(0.2ml)溶液を加え5分撹拌した後、化合物146(60.7mg,0.079mmol,約3:2の混合物)の無水塩化メチレン(1.2ml)溶液を加えた。−78℃で15分撹拌した後、トリエチルアミン(55μl,0.397mmol)を加え、−78℃で30分、0℃で10分撹拌した。反応混合物に氷水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物148(59.5mg,98%)を単一化合物として得た。
148H NMR(CDCl)δ:0.057,0.066,0.070,0.097(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.87,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.45(1H,dd,J=13.2,8.7Hz),2.52(1H,dd,J=14.0,4.0Hz),2.70(2H,m),2.81(1H,m,H−9),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),4.36(1H,dd,J=6.3,4.2Hz),4.55(1H,dd,J=8.7,5.5Hz),5.79(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.37(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
MS m/z(%):no M,705(8),573(12),487(22),355(12),103(51),75(100).
(実施例81) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−シアノメチレン−22−オキサ−25[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物149a,149b)
Figure 2004033420
−40℃に冷却したジエチルシアノメチルホスホナート(51μl,0.315mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液にn−ブチルリチウム(202μl,0.315mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、化合物148(120.3mg,0.157mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.2ml)溶液をゆっくり加えた。−40℃で1.5時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g,1%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物149を二種の立体異性体の混合物(120.6mg,97%)として得た。この混合物を構成する異性体149a(E−異性体)および異性体149b(Z−異性体)の比率は約1:1であった。
混合物のNMRデータ
149aH NMR(CDCl)δ:0.05,0.07,0.10,0.12(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84,0.92(each 9H,s,2xSi−tBu x 2),0.93(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.31,2.37(each 1H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.12(1H,m,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.69(each 1H,m,H−23),4.46(1H,m,H−1),4.99(1H,t,J=2.8Hz,H−3),5.47(1H,d,J=1.8Hz,C=CHCN),5.80(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.20(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
149bH NMR(CDCl)δ:0.06,0.08,0.11,0.13(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84,0.92(each 9H,s,2 x Si−tBu),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.61(1H,m,H−4),2.82(1H,m,H−9),2.99(1H,m,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),4.58(1H,ddd,J=11.0,5.9,1.9Hz,H−3),5.04(1H,t,J=2.7Hz,H−1),5.47(1H,d,J=1.9Hz,C=CHCN),5.77(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):785(M,2),728(8),701(12),653(6),596(9),569(16),510(17),483(11),103(66),75(100).
(実施例82) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(ホルミル)−エチリデン]−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物150a,150b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却した化合物149(77.0mg,0.098mmol,約1:1の混合物)の無水トルエン(1ml)溶液に水素化ジ−iso−ブチルアルミニウム(147μl,0.147mmol,1.0Mトルエン溶液)を加え、2時間撹拌した。反応液をヘキサンにて希釈し、直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(8g、5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物150を二種の立体異性体の混合物(66.9mg,87%)として得た。この混合物を構成する異性体150a(E−異性体)および異性体150b(Z−異性体)の比率は約1:1であった。
混合物のNMRデータ
150aH NMR(CDCl)δ:0.01,0.07,0.09,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.57(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.42(2H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.05(1H,dd,J=12.8,5.3Hz,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.69(each 1H,m,H−23),4.57(1H,m,H−1),5.46(1H,t,J=3.3Hz,H−3),5.83(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.15(1H,dd,J=7.9,1.1Hz,C=CH),6.19(1H,d,J=11.1Hz,H−6),10.18(1H,d,J=7.9Hz,CHO).
150bH NMR(CDCl)δ:0.02,0.08,0.10,0.11(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84,0.93(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,tJ=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.65(1H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.00(1H,m,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.71(each 1H,m,H−23),4.69(1H,m,H−3),5.54(1H,m,H−1),5.78(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.16(1H,dd,J=7.9,1.1Hz,C=CH),6.32(1H,d,J=11.1Hz,H−6),10.16(1H,d,J=7.9Hz,CHO).
混合物のMS m/z(%):788(M,5),731(5),656(8),627(7),599(4),524(5),495(3),409(5),103(42),75(100).
(実施例83) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物151a,151b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物150(97.0mg,0.123mmol,約1:1の混合物)のメタノール/テトラヒドロフラン(2:1,1.5ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(5.6mg,0.148mmol)を加え、0.5時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、7%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物151a(43.6mg,E−異性体)および化合物151b(35.5mg,Z−異性体)を得た。全体収率は81%であった。
混合物のNMRデータ
151aH NMR(CDCl)δ:0.01,0.07,0.08(3H,3H,6H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.85,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.31(2H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.88(1H,dd,J=12.6,4.6Hz,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),4.18,4.31(each 1H,m,CHOH),4.37(1H,m,H−1),4.82(1H,t,J=3.8Hz,H−3),5.72(1H,m,C=CH),5.83(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.15(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
151bH NMR(CDCl)δ:0.01,0.07,0.08,0.10(each 3H,s,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.84,0.93(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.55(1H,dd,J=12.5,5.0Hz,H−4),2.83(2H,m,H−9,10),3.26(1H,m,H−20),3.32,3.70(each 1H,m,H−23),4.22,4.27(each 1H,m,CHOH),4.48(1H,m,H−3),4.86(1H,t,J=3.1Hz,H−1),5.72(1H,dt,J=7.0,1.4Hz,C=CH),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.26(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):790(M,1),772(1),733(1),658(45),627(11),526(7),508(7),376(5),103(33),75(100).
(実施例84) 20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−オキサ−19−ノルビタミンD(E−異性体)(化合物107a)
Figure 2004033420
化合物151a(43.6mg,0.055mmol)の無水メタノール(1ml)溶液にカンファースルホン酸(76.8mg,0.331mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物107a(23.7mg,96%)を得た。更にこの化合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて精製し、純粋な化合物107a(20.1mg)を得た。
107aH NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.33,2.43(each 1H,m,H−4),2.79(1H,m,H−9),3.12(1H,d,J=12.5,4.4Hz,H−10),3.26(1H,m,H−20),3.44(1H,m,H−23),3.51,3.58,3.90(each 1H,br.s,OH x 3),3.84(1H,dt,J=9.4,4.3Hz,H−23),4.08(1H,dd,J=12.4,5.2Hz,CHOH),4.33(2H,m,H−1,CHOH),4.79(1H,m,H−3),5.74(1H,m,C=CH),5.84(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.26(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246(ε34600),254(ε39700),263(ε26500)nm.
MS m/z(%):448(M,9),430(8),412(14),394(26),376(12),308(13),263(12),131(20),113(39),69(100).HR−MS m/z:448.3188(Calcd for C2744:448.3189).
(実施例85) 20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22−オキサ−19−ノルビタミンD(Z−異性体)(化合物107b)
Figure 2004033420
化合物151b(35.5mg,0.045mmol)の無水メタノール(1ml)溶液にカンファースルホン酸(62.5mg,0.269mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物107b(19.3mg,96%)を得た。更にこの化合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて精製し、純粋な化合物107b(17.6 mg)を得た。
107bH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.68(1H,dd,J=12.6,4.5Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9),2.88(1H,d,J=14.2,3.5Hz,H−10),3.28(1H,m,H−20),3.45,3.84(each 1H,m,H−23),3.61(1H,s,OH),4.14(1H,dd,J=12.5,5.6Hz,CHOH),4.34(1H,dd,J=12.5,8.4Hz,CHOH),4.44(1H,m,H−3),4.84(1H,m,H−1),5.75(1H,m,C=CH),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.38(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):246(ε32300),254(ε37100),263(ε24600)nm.
MS m/z(%):448(M,7),430(7),412(14),394(25),376(12),308(13),263(12),131(21),113(39),69(100).HR−MS m/z:448.3214(Calcd for C2744:448.3189).
(実施例86) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−および1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物152a,152b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体13(104.1mg,0.174mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、n−ブチルリチウム(110.1μl,0.174mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、22−オキサグランドマンケトン体121(43.6mg,0.110mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.3ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃から0℃まで徐々に昇温させながら2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物152を二種の立体異性体の混合物(49.8mg,58%)として得た。この混合物を構成する異性体152aおよび152bの比率は約5:1であった。15%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物121(9.4mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
152a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.08(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.73,2.82(each 1H,d,J=5.6Hz,OCH),3.25,3.32(each 1H,m,H−20,23),3.71(1H,m,H−23),3.82,3.86(each 1H,m,H−1,3),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.22(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
152b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.03〜0.08(12H,Si−Me x 4),0.56(3H,s,H−18),0.57(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.86,0.88(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.09(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.21,1.23(each 3H,s,H−26,27),2.57,2.92(each 1H,d,J=5.5Hz,OCH),3.25,3.32(each 1H,m,H−20,23),3.71(1H,m),3.82(1H,m),4.04(1H,m),5.82(1H,d,J=11.0Hz,H−7),6.28(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
(実施例87) 20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物108a)、20−エピ−1α,25−ジヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物108b)、20−エピ−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−フルオロメチル−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物109a)および20−エピ−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−フルオロメチル−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物109b)
Figure 2004033420
化合物152(49.8mg,0.064mmol,約5:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(0.385ml,0.385mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g)にて精製し、60%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物109を二種の立体異性体の混合物(1.6mg,5%,109a:109b=約5:1)として得た。70%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物108を二種の立体異性体の混合物(23.0mg,83%,108a:108b=約5:1)として得た。化合物108aと108bを含む混合物をHPLC(LiChrosorb Si60,RT 250−4,250x10mm,ヘキサン:塩化メチレン:2−プロパノール=50:50:6)にて分離精製し、化合物108a(9.46mg)および化合物108b(995μg)を得た。化合物109aと109bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,25%水/メタノール)にて分離精製し、化合物109a(813μg)および化合物109b(170μg)を得た。
108aH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.22,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.29(1H,dd,J=13.5,8.6Hz,H−10),2.40(1H,dd,J=13.7,6.2Hz,H−4),2.60(1H,dd,J=13.7,3.5Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9),2.83(1H,d,J=4.8Hz,CHO),2.94(1H,dd,J=13.5,4.3Hz,H−10),3.07(1H,d,J=4.8Hz,CHO),3.27(1H,m),3.45(1H,m),3.82(2H,m),3.98(1H,dd,J=8.6,4.2Hz),5.83(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.39(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
108bH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),1.14(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.31(1H,dd,J=13.7,6.0Hz,H−4),2.36(1H,dd,J=13.6,8.7Hz,H−10),2.72(1H,dd,J=13.7,3.6Hz,H−4),2.81(1H,m,H−9),2.85(1H,dd,J=13.6,4.2Hz,H−10),2.94,2.98(each 1H,d,J=4.7Hz,CHO),3.27(1H,m),3.46(1H,m),3.80〜3.95(3H,m),5.85(1H,d,J=11.2Hz,H−7),6.38(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
109aH NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=5.9Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.48(2H,m,H−4),2.55(1H,dd,J=14.4,6.0Hz,H−10),2.67(1H,br.d,J=14.4Hz,H−10),2.78(1H,m,H−9),3.27(1H,m,H−20),3.45(1H,m,H−23),3.48(1H,s,OH),3.85(2H,m,H−3,23),3.97(1H,m,H−1),4.72,4.75(each 1H,dd,J=47.5,9.7Hz,CHF),5.78(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.40(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
19F NMR(CDCl)δ:−240.3(t,J=47.5Hz).
MS m/z(%):454(M,24),436(9),416(3),380(1),323(16),303(4),287(3),69(100).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
HR−MS m/z:454.3087(Calcd for C2643FO:454.3095).
109bH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),1.14(3H,d,J=6.0Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),2.75〜2.90(3H,m,H−4,9,10),3.28(1H,m,H−20),3.45(1H,m,H−23),3.48(1H,s,OH),3.77(1H,m,H−3),3.84(1H,m,H−23),3.94(1H,m,H−1),4.70,4.76(each 1H,dd,J=48.0,9.6Hz,CHF),5.83(1H,d,J=11.3Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.3Hz,H−6).19F NMR(CDCl)δ:−240.4(t,J=48.0Hz).
MS m/z(%):454(M,30),436(9),434(10),416(3),323(16),303(6),69(100).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
HR−MS m/z:454.3109(Calcd forC2643FO:454.3095).
(実施例88) 20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[(トリメチルシリル)オキシ]−2α−メチル−および20−エピ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ]−2β−メチル−22−オキサ−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物153a,153b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体118(214.7mg,0.32mmol,約1:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液に、n−ブチルリチウム(202.9μl,0.32mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、22−オキサグランドマンケトン体121(54.6mg,0.14mmol)の無水テトラヒドロフラン(2ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃から−30℃まで徐々に昇温させながら3時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7g,3%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物153を二種の立体異性体の混合物(52.1mg,44%)として得た。この混合物を構成する異性体153aおよび153bの比率は約3:1であった。また5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物121(25.6mg)を回収した。
153H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.12(21H,Si−Me x 4,Si−Me),0.5588(3H,s,H−18),0.5598(6H,q,J=7.8Hz,Si−CHCH x 3),0.83,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.8Hz,Si−CHCH x 3),1.08(3H,d,J=5.9Hz,H−21),3.20〜3.30(2H,m),3.55〜3.80(3H,m),5.76,5.82(ca.1:3)(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.04,6.15(ca.3:1)(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
MS m/z(%):850(M,3),718(74),661(5),586(100),454(3).
(実施例89) 1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物110a)および1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メチル−22−オキサ−19−ノルビタミンD(化合物110b)
Figure 2004033420
化合物153(52.1mg,0.061mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(0.490ml,0.490mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g)にて精製し、70%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物110を二種の立体異性体の混合物(25.7mg,96%)として得た。この混合物を構成する異性体110aおよび110bの比率は約3:1であった。化合物110aと110bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,30%水/メタノール)にて分離精製し、化合物110a(14.7mg)および化合物110b(4.43mg)を得た。
110aH NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=6.0Hz,H−21),1.22,1.24(each 3H,s,H−26,27),1.29(3H,s,Me),2.47(1H,dd,J=14.1,3.3Hz,H−10),2.64(2H,m,H−4,10),2.78(1H,m,H−9),3.27(1H,m,H−20),3.45(1H,m,H−23),3.58(1H,s,OH),3.72(2H,m,H−1,OH),3.78(1H,m,H−3),3.84(1H,m,H−23),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.33(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
MS m/z(%):436(M,54),418(13),400(8),305(15),69(100).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
110bH NMR(CDCl)δ:0.54(3H,s,H−18),1.13(3H,d,J=6.0Hz,H−21),1.23,1.24(each 3H,s,H−26,27),1.26(3H,s,Me),2.36(1H,dd,J=14.4,4.6Hz),2.54(1H,br.d,J=13.8Hz),2.78(1H,m,H−9),2.92(1H,dd,J=14.5,4.5Hz),3.26(1H,m,H−20),3.45(1H,m,H−23),3.57(1H,br.s,OH),3.73(3H,m,H−1,3,OH),3.84(1H,m,H−23),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),6.29(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):243,251,261nm.
(実施例90) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ]−および24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β[(トリメチルシリル)オキシ]−22,24−ジエン−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物154a,154b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体22(260.0mg,0.394mmol,約2:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液に、n−ブチルリチウム(253μl,0.394mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、C/D環ケトン体122(101.8mg,0.235mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g)にて精製し、1%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物154を二種の立体異性体の混合物(106.4mg,52%)として得た。この混合物を構成する異性体154aおよび154bの比率は約3:2であった。また、5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物122(36.1mg)を回収した。
混合物のNMRデータ
154a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.039,0.051,0.059,0.064(each 3H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me x 3),0.56(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.82(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.868,0.874(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.80(1H,m,H−9),3.53(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.88(1H,m,H−1),5.52(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.81(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.94(1H,dd,J=14.9,10.4Hz,H−23),6.05(1H,dd,J=15.2,10.4Hz,H−24),6.10(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
154b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.039,0.051,0.059,0.064(each 3H,s,Si−Me x 4),0.12(9H,s,Si−Me x 3),0.54(3H,s,H−18),0.56(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.82(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.86,0.89(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.80(1H,m,H−9),3.59(1H,m,H−2),3.80(1H,m,H−3),3.94(1H,m,H−1),5.52(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.78(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.94(1H,dd,J=14.9,10.4Hz,H−23),6.05(1H,dd,J=15.2,10.4Hz,H−24),6.13(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):no M,740(33),683(7),608(65),551(17),505(43),459(18),324(31),149(100),75(99).
(実施例91) 24a,26a,27a−トリホモ−1α,2α,25−トリヒドロキシ−および24a,26a,27a−トリホモ−1α,2β,25−トリヒドロキシ−22,24−ジエン−19−ノルビタミンD(化合物155a,155b)
Figure 2004033420
化合物154(55mg,0.063mmol,約3:2の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、トリエチルアミン(20μl)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(504μl,0.504mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物155を二種の立体異性体の混合物(28.0mg,97%)として得た。この混合物を構成する異性体155aおよび155bの比率は約3:2であった。
混合物のNMRデータ
155aH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.4Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.55,1.56(each 2H,d,J=7.4Hz,H−26,27),2.62(1H,dd,J=12.8,4.1Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.89(1H,dd,J=14.7,4.3Hz,H−10),3.53(1H,dd,J=8.2,2.9Hz,H−2),3.79(1H,m,H−3),4.09(1H,m,H−1),5.53(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.80(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.2,10.3Hz,H−24),6.37(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
155bH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.4Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.55,1.56(each 2H,d,J=7.4Hz,H−26,27),2.43(2H,m,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.07(1H,dd,J=13.2,4.9Hz,H−10),3.48(1H,dd,J=8.8,3.0Hz,H−2),3.67(1H,m,H−3),4.09(1H,m,H−1),5.53(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.83(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.2,10.3Hz,H−24),6.29(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
混合物のMS m/z(%):458(M,33),440(95),422(14),404(16),386(52),318(40),289(90),237(44),149(100).
(実施例92) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−ヒドロキシ−および24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−ヒドロキシ−22,24−ジエン−25−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物156a,156b)
Figure 2004033420
化合物155(48.0mg,0.105mmol,約3:2の混合物)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、トリエチルアミン(117μl,0.840mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロリド(63.9mg,0.424mmol)および4,4−ジメチルアミノピリジン(6.4mg,0.052mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,5%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物156を二種の立体異性体の混合物(55.3mg,66%)として得た。この混合物を構成する異性体156aおよび156bの比率は約3:2であった。
混合物のNMRデータ
156a(主生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(18H,Si−Me x 6),0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.86〜0.92(27H,Si−tBu x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.54,1.55(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.51(1H,m,H−2),3.92(1H,m,H−3),4.00(1H,m,H−1),5.53(1H,d,J=15.3Hz,H−24a),5.55(1H,dd,J=15.2,8.5Hz,H−22),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.2,10.4Hz,H−23),6.14(2H,m,H−6,24).
156b(マイナー生成物)H NMR(CDCl)δ:0.06〜0.10(18H,Si−Me x 6),0.56(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.86〜0.92(27H,Si−tBu x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.54,1.55(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.59(1H,m,H−2),4.00(2H,m,H−1,3),5.53(1H,d,J=15.3Hz,H−24a),5.55(1H,dd,J=15.2,8.5Hz,H−22),5.79(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.2,10.4Hz,H−23),6.14(2H,m,H−6,24).
混合物のMS m/z(%):no M,668(6),611(2),536(3),479(12),386(6),149(100),75(79).
(実施例93) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−および24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エトキシ]−22,24−ジエン−25−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物157a,157b)
Figure 2004033420
0℃に冷却した化合物156(52.4mg,0.065mmol,約3:2の混合物)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、水素化ナトリウム(78.5mg,1.962mmo,60%パラフィンリキッド)および(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシラン(68μl,0.317mmol)を加え激しく撹拌した。18時間後、反応液に氷水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,1%〜10%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物157を二種の立体異性体の混合物(44.8mg,71%)として得た。この混合物を構成する異性体157aおよび157bの比率は約3:2であった。
157H NMR(CDCl)δ:0.05〜0.10(24H,Si−Me x 8),0.55,0.57(ca.2:3)(3H,s,H−18),0.85〜0.92(42H,4 x Si−tBu,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.54,1.55(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.80(1H,m,H−9),3.18〜4.45(7H,m,OCHCHO,H−1,3),5.52(1H,d,J=15.1Hz,H−24a),5.54(1H,dd,J=15.0,8.6Hz,H−22),5.79(1H,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.4Hz,H−23),6.15(2H,m,H−6,24).
MS m/z(%):no M,649(14),651(11),562(12),519(24),233(100).
(実施例94) 24a,26a,27a−トリホモ−1α,25−ジヒドロキシ−2α−(2−ヒドロキシエトキシ)−および24a,26a,27a−トリホモ−1α,25−ジヒドロキシ−2β−(2−ヒドロキシエトキシ)−22,24−ジエン−19−ノルビタミンD(化合物111a,111b)
Figure 2004033420
化合物157(42.0mg,0.044mmol,約3:2の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、トリエチルアミン(30μl)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(350μl,0.350mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて5時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物111aと111bの混合物(20.0mg,91%)を得た。化合物111aと111bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて分離精製し、化合物111a(9.4mg)および化合物111b(8.3mg)を得た。
111aH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.86(6H,t,J=7.4Hz,H−26a,27a),1.04(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.54,1.56(each 2H,d,J=7.4Hz,H−26,27),2.61(1H,dd,J=13.4,4.4Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.86(1H,dd,J=14.4,4.8Hz,H−10),3.32(1H,dd,J=8.0,2.5Hz,H−2),2.72,3.12,3.48(each 1H,br.s,OH x 3),3.67〜3.81(4H,m,OCHCHO),3.93(1H,m,H−3),4.15(1H,m,H−1),5.53(1H,d,J=15.3Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.81(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.14(1H,dd,J=15.3,10.3Hz,H−24),6.33(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):235(ε44000),243(ε44200),251(ε38000),261(ε23800)nm.
MS m/z(%):502(M,11),484(62),466(33),448(7),386(17),333(40),237(29),149(100),133(43),93(49).HR−MS m/z:502.3658(Calcd for C3150:502.3658).
111bH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),0.86(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.55,1.56(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.34,2.47(each 1H,m,H−4),2.64(1H,br.s,OH),2.80(1H,m,H−9),3.07(1H,dd,J=13.2,4.0Hz,H−10),3.27(1H,dd,J=8.7,2.6Hz,H−2),3.64〜3.86(5H,m,OCHCHO,H−1),4.16(1H,m,H−3),5.53(1H,d,J=15.3Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.83(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.3,10.3Hz,H−24),6.26(1H,d,J=11.1Hz,H−6),
UV λmax(EtOH):235(ε44000),243(ε44500),251(ε38900),261(ε24000)nm.
MS m/z(%):502(M,13),484(78),466(39),448(7),386(13),333(48),237(27),149(100),133(46),93(49).HR−MS m/z:502.3664(Calcd for C3150:502.3658).
(実施例95) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−[2−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−エチリデン]−22,24−ジエン−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテルのE−異性体およびZ−異性体(化合物158a,158b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体119(119.5mg,0.164mmol,約4:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(2ml)溶液に、n−ブチルリチウム(105μl,0.164mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、C/D環ケトン体122(47.4mg,0.109mmol)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g)にて精製し、1%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より、化合物158を二種の立体異性体の混合物(27.7mg,27%)として得た。この混合物を構成する異性体158aおよび158bの比率は約6:1であった。また、5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物122(27mg,57%)を回収した。
158H NMR(CDCl)δ:0.01〜0.08(18H,Si−Me x 6),0.571(3H,s,H−18),0.569(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.83(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.84,0.90,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 3),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.80(1H,m,H−9),2.97,3.28(ca.6:1)(1H,dd,J=12.5,4.7Hz,H−10),4.24〜4.47(3H,m,H−1or3,CHOH),4.79,4.84(ca.6:1)(1H,m,H−1or3),5.52(1H,dd,J=14.9,8.3Hz,H−22),5.53(1H,d,J=15.2Hz,H−24a),5.61(1H,m,C=CH),5.87(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.95(1H,dd,J=14.9,10.4Hz,H−23),6.06(1H,dd,J=15.2,10.4Hz,H−24),6.13(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
(実施例96) 24a,26a,27a−トリホモ−1α,25−ジヒドロキシ−2−[2−(ヒドロキシ)−エチリデン]−22,24−ジエン−19−ノルビタミンDのE−異性体およびZ−異性体(化合物112a,112b)
Figure 2004033420
化合物158(56mg,0.0595mmol,約6:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、トリエチルアミン(40μl)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(476μl,0.476mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、2%メタノール/酢酸エチル)にて精製し、化合物112aと112bの混合物(23.0mg,80%,約10:1の混合物)を得た。化合物112aと112bを含む混合物をHPLC(LiChrosorb Si 60,Hibar RT 250−10,250x10mm,ヘキサン:塩化メチレン:メタノール=50:50:4)にて分離精製し、化合物112a(17.1mg,E−異性体)および化合物112b(1.9mg,Z−異性体)を得た。
112aH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.5,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.5Hz,H−21),1.55,1.56(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.34,2.44(each 1H,m,H−4),2.81(1H,m,H−9),3.14(1H,d,J=12.5,4.3Hz,H−10),3.38,3.74(each 1H,br.s,OH x 2),4.09(1H,dd,J=12.3,5.2Hz,CHOH),4.34(2H,m,H−1,CHOH),4.80(1H,m,H−3),5.53(1H,d,J=15.4Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.75(1H,m,C=CH),5.88(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.4Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.4,10.4Hz,H−24),6.27(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):236(ε47300),245(ε48000),254(ε43200),264(ε27200)nm.
MS m/z(%):484(M,7),466(15),448(17),430(44),412(34),279(33),263(25),149(100),133(35),93(38).HR−MS m/z:484.3526(Calcd for C3148:484.3553).
112bH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),1.55,1.56(each 2H,d,J=7.5Hz,H−26,27),2.22(1H,m,H−4),2.33(1H,m,H−10),2.70(1H,dd,J=13.0,4.7Hz,H−4),2.82(2H,m,H−9,10),4.25(1H,dd,J=12.6,6.4Hz,CHOH),4.38(1H,dd,J=12.6,7.3Hz,CHOH),4.46(1H,m,H−3),4.87(1H,t,J=4.2Hz,H−1),5.54(1H,d,J=15.3Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.84(2H,m,H−7,C=CH),5.98(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.3,10.3Hz,H−24),6.40(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
MS m/z(%):484(M,4),466(12),448(16),430(44),412(38),279(35),263(32),149(100),133(39),93(42).HR−MS m/z:484.3561(Calcd for C3148:484.3553).
(実施例97) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β,2’−エポキシ−および24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α,2’−エポキシ−22,24−ジエン−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物159a,159b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体13(260mg,0.434mmol,約3:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(2ml)溶液に、n−ブチルリチウム(276μl,0.436mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、C/D環ケトン体122(100mg,0.231mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃から−20℃まで徐々に昇温させながら3時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,2%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物159を二種の立体異性体の混合物(31.1mg,17%)として得た。この混合物を構成する異性体159aおよび159bの比率は約10:1であった。5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物122(48.0mg)を回収した。
159H NMR(CDCl)δ:0.02,0.05(each 3H,s,Si−Me x 2),0.06(6H,si−Me x 2),0.567(6H,q,J=7.9Hz,SiCH x 3),0.570(3H,s,H−18),0.82(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.86,0.87(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.9Hz,SiCHCH x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),3.80(1H,m),3.87(1H,m),5.52(1H,d,J=15.0Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.81(1H,d,J=11.1,H−7),5.80〜6.08(3H,m),6.21,6.27(ca.10:1)(1H,d,J=11.1Hz,H−7).
(実施例98) 24a,26a,27a−トリホモ−1α,25−ジヒドロキシ−2β,2’−エポキシ−および24a,26a,27a−トリホモ−1α,25−ジヒドロキシ−2α,2’−エポキシ−22,24−ジエン−19−ノルビタミンD(化合物113a,113b)ならびに24a,26a,27a−トリホモ−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−および24a,26a,27a−トリホモ−1α,2α,25−トリヒドロキシ−22,24−ジエン−19−ノルビタミンD(化合物114a,114b)
Figure 2004033420
化合物159(34.0mg,0.042mmol,約10:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液に、トリエチルアミン(75μl)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(251μl,0.24mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で7.5時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g)にて精製し、50%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物114を二種の立体異性体の混合物(1.5mg,7%)として得た。また、70%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より化合物113を二種の立体異性体の混合物(14.7mg,75%)として得た。これらの混合物のH NMRスペクトルでは、各異性体由来のシグナルが互いに重なり、正確な異性体の比率を求めることはできなかった。
化合物113aおよび113bを含む混合物をHPLC(LiChrosorb Si 60,Hibar RT 250−10,250x10mm,hexane:CHCl:MeOH=40:60:5)にて分離精製し、化合物113a(4.73mg)および化合物113b(628μg)を得た。
113aH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.4Hz,H−26a,27a),1.06(3H,d,J=6.5Hz,H−21),2.31(1H,dd,J=13.4,8.6Hz,H−10),2.40(1H,dd,J=13.6,6.2Hz,H−4),2.61(1H,dd,J=13.6,3.3Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.84(1H,d,J=4.7Hz,OCH),2.95(1H,dd,J=13.4,4.1Hz,H−10),3.08(1H,d,J=4.7Hz,OCH),5.53(1H,d,J=15.5Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.68(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.5,10.3Hz,H−24),6.39(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):235,243,251,261nm.
113bH NMR(CDCl)δ:0.58(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.6Hz,H−26a,27a),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.28〜2.38(2H,m,H−4,10),2.71(1H,dd,J=13.8,3.5Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.86(1H,dd,J=13.2,4.2Hz,H−10),2.94,2.99(each 1H,d,J=4.7Hz,OCH),5.53(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.87(1H,d,J=11.0Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.16(1H,dd,J=15.2,10.3Hz,H−24),6.38(1H,d,J=11.0Hz,H−6).
UV λmax(EtOH):234,243,251,261nm.
114H NMR(CDCl)δ:0.55(3H,s,H−18),0.88(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),3.87,3.97(each 1H,m,H−1,3),4.72,4.76(cach 1H,dd,J=48.0,9.7Hz,CHF),5.53(1H,d,J=15.1Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.80(1H,d,J=11.2Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.1,10.3Hz,H−24),6.40(1H,d,J=11.2Hz,H−6).19F NMR(CDCl)δ:−240.5(t,J=48.0Hz).
(実施例99) 24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2β−[(トリメチルシリル)オキシ]−2α−メチル−および24a,26a,27a−トリホモ−1α−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2α−[(トリメチルシリル)オキシ]−2β−メチル−22,24−ジエン−25−[(トリエチルシリル)オキシ]−19−ノルビタミンDt−ブチルジメチルシリルエーテル(化合物160a,160b)
Figure 2004033420
−78℃に冷却したA環ホスフィンオキシド体118(253.9mg,0.377mmol,約1:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(2.5ml)溶液に、n−ブチルリチウム(238.6μl,0.377mmol,1.58Mヘキサン溶液)を加え15分撹拌した後、C/D環ケトン体122(84.0mg,0.194mmol)の無水テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液をゆっくり加えた。−78℃から−30℃まで徐々に昇温させながら3時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g,1%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物160を二種の立体異性体の混合物(44.6mg,26%)として得た。この混合物を構成する異性体160aおよび160bの比率は約1:2であった。5%酢酸エチル/ヘキサン溶出部より未反応の化合物122(47.0mg)を回収した。
160H NMR(CDCl)δ:0.02〜0.09(12H,Si−Me x 4),0.11,0.12(ca.1:2)(9H,s,Si−Me x 3),0.569(3H,s,H−18),0.570(6H,q,J=7.6Hz,Si−CHCH x 3),0.82(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),0.83,0.92(each 9H,s,Si−tBu x 2),0.94(9H,t,J=7.6Hz,Si−CHCH x 3),1.06(3H,d,J=6.6Hz,H−21),3.56(1H,m),3.60,3.70(ca.2:1)(1H,m),5.52(1H,d,J=15.2Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.78,5.84(ca.1:2)(1H,d,J=11.2Hz,H−7),5.90〜6.15(3H,m).
(実施例100) 24a,26a,27a−トリホモ−1α,2β,25−トリヒドロキシ−2α−メチル−および24a,26a,27a−トリホモ−1α,2α,25−トリヒドロキシ−2β−メチル−22,24−ジエン−19−ノルビタミンD(化合物115a,115b)
Figure 2004033420
化合物160(56.0mg,0.063mmol,約2:1の混合物)の無水テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液に、トリエチルアミン(75μl)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(505μl,0.505mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,60%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、化合物115を二種の立体異性体の混合物(25.1mg,84%,約5:4の混合物)として得た。
化合物115aおよび115bを含む混合物をHPLC(YMC−Pack ODS−AM SH−342−5,150x20mm,20%水/メタノール)にて精製し、化合物115a(5.25mg)および化合物115b(6.68mg)を得た
115aH NMR(CDCl)δ:0.56(3H,s,H−18),0.88(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.37(1H,dd,J=14.4,4.4Hz,H−4),2.54(1H,br.d,J=14.4Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),2.94(1H,dd,J=13.5,4.4Hz,H−10),3.73(2H,m,H−1,3),5.53(1H,d,J=15.4Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.84(1H,d,J=11.2Hz,H−7),5.97(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.4,10.3Hz,H−24),6.29(1H,d,J=11.2Hz,H−6).
MS m/z(%):472(M,13),454(100),436(38),418(29),400(46).
UV λmax(EtOH):235,243,252,261nm.
115bH NMR(CDCl)δ:0.57(3H,s,H−18),0.87(6H,t,J=7.5Hz,H−26a,27a),1.05(3H,d,J=6.6Hz,H−21),2.48(1H,dd,J=14.2,3.2Hz,H−10),2.63(1H,dd,J=14.2,6.4Hz,H−10),2.66(1H,dd,J=14.0,4.0Hz,H−4),2.80(1H,m,H−9),3.72,2.78(each 1H,m,H−1,3),5.53(1H,d,J=15.4Hz,H−24a,overlapped with H−22),5.82(1H,d,J=11.1Hz,H−7),5.98(1H,dd,J=15.0,10.3Hz,H−23),6.15(1H,dd,J=15.4,10.3Hz,H−24),6.33(1H,d,J=11.1Hz,H−6).
MS m/z(%):472(M,2),454(100),436(18),418(10),400(12).
UV λmax(EtOH):235,243,251,261nm.
(試験例)ウシ胸腺ビタミンD受容体(VDR)への結合実験
上記の実施例で合成された本発明の化合物について、ウシ胸腺由来のビタミンD受容体(VDR)に対する結合能を試験した。
結合試験はヤマサ醤油株式会社の操作マニュアルに従い、下記のように行なった。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD(標準物質として使用)および化合物YI−1a、YI−1b、YI−2a、YI−3a、YI−3b、YI−4a、YI−4b、YI−5a、YI−5b、20−Epi−YI−1a、20−Epi−YI−1b、20−Epi−YI−2a、20−Epi−YI−3a、20−Epi−YI−4a、20−Epi−YI−4b、20−Epi−YI−5a、20−Epi−YI−5b、20−Epi−YI−6a、20−Epi−YI−6b、20−Epi−YI−7a、20−Epi−YI−7b、20−Epi−YI−8a、20−Epi−YI−8bのそれぞれについて、各種濃度のエタノール溶液(サンプル)を調製した。すなわち、後の工程で調製される、受容体溶液とサンプルと[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD溶液との混合物における各化合物の最終濃度が、100nM、30nM、10nM、1nM、300pM、100pM、30pM、10pM、3pM、1pMとなるような希釈系列を作製した。
凍結乾燥ウシ胸腺ビタミンD受容体(Lot.No.111931)をヤマサ醤油株式会社(Choshi,Chiba,Japan)より購入し、使用直前に45mLのリン酸緩衝液(0.3M KCl,0.05M KHPO−KHPO,pH7.4)に溶解し、受容体溶液とした。
化合物YI−1a、YI−1b、YI−2a、YI−3a、YI−3b、YI−4a、YI−4b、YI−5a、YI−5b、20−Epi−YI−1a、20−Epi−YI−1b、20−Epi−YI−2a、20−Epi−YI−3a、20−Epi−YI−4a、20−Epi−YI−4b、20−Epi−YI−5a、20−Epi−YI−5b、20−Epi−YI−6a、20−Epi−YI−6b、20−Epi−YI−7a、20−Epi−YI−7b、20−Epi−YI−8a、20−Epi−YI−8bまたは1α,25−ジヒドロキシビタミンDのサンプル50μLと受容体溶液500μLとをカルチャーチューブに入れ、2−3回ボルテックスにかけ、室温にて1時間プレインキュベーションした。各チューブに、50μLに溶解した約10000dpmの[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンDを加え、2−3回ボルテックスにかけた後、4℃(冷蔵庫内)にて18時間インキュベーションした。各チューブに200μLのDCC(デキストラン被覆チャコール、ヤマサ醤油株式会社より購入)を加えた後、4℃にて30分間放置し、4℃、3000rpmで15分間遠心分離を行なうことにより、受容体に結合した[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンDと、遊離の[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンDとを分離した。各チューブより500μLの上清を取りバイアル瓶に入れ、10mLの液体シンチレーター ACS−II(Amersham,Buckinghamshire,U.K.)と混合し、放射活性を測定した。
1α,25−ジヒドロキシビタミンDのVDRへの結合性を1としたときの本発明のビタミンD誘導体のVDRへの相対結合活性を算出した。計算式は以下の通りである。
X=y/x
X:本発明の化合物のVDRへの相対的結合性
y:1α,25−ジヒドロキシビタミンDが、[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンDとVDRとの結合を50%阻害する濃度
x:本発明の化合物が、[H]1α,25−ジヒドロキシビタミンDとVDRとの結合を50%阻害する濃度
Figure 2004033420
産業上の利用の可能性
本発明の一般式(I)および(IV)で表される化合物は新規化合物であり、細胞の分化に異常を伴う疾患等に使用する医薬として有用である可能性がある。また、本発明の化合物は、活性型ビタミンD(即ち、1α,25−ジヒドロキシビタミンD)の代謝の研究において有用な試薬となる可能性がある。

Claims (9)

  1. 一般式(I):
    Figure 2004033420
    (式中、
    R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または置換された炭素数1−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−15の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、または置換された炭素数2−15の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換の炭素数3−6のスピロ環状アルキル基、または置換された炭素数3−6のスピロ環状アルキル基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む無置換の炭素数3−6のスピロヘテロ環、またはヘテロ原子として酸素原子を含む置換された炭素数3−6のスピロヘテロ環を形成し;
    Aは、水素、または無置換の炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または無置換の炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、または置換された炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表す)
    で表される化合物。
  2. 一般式(I)において、
    R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはハロゲン原子および無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基およびアリール基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基、またはハロゲン原子および無置換の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基およびアリール基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数2−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換のスピロシクロプロピル基、または少なくとも1個の炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロシクロプロピル基、または無置換のスピロオキシラン、または炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロオキシランを形成し;
    Aは、水素、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数1−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数2−14の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表す)
    である、請求項1記載の化合物。
  3. 一般式(I)において、
    R1およびR2は、同一または異なって、ハロゲン原子、または水酸基、または無置換の炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはハロゲン原子および炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のアルキルオキシ基およびフェニル基およびアミノ基およびアジド基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または無置換の炭素数2−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって、無置換のスピロシクロプロピル基、または少なくとも1個の炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状の無置換のヒドロキシアルキル基で置換されたスピロシクロプロピル基、または無置換のスピロオキシランを形成し;
    Aは、水素、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数3−10の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数3−8の直鎖もしくは分岐鎖状アルキルオキシ基、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数4−12の直鎖もしくは分岐鎖状アルケニル基を表す)
    である、請求項1記載の化合物。
  4. 一般式(I)において、
    R1およびR2は、同一または異なって、水酸基、または無置換の炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、またはフッ素原子および無置換の炭素数1−3の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する炭素数1−6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表すか、あるいは、R1およびR2が一緒になって無置換のスピロオキシランを形成し;
    Aは、水素、または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換された炭素数5−7の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表す)
    である、請求項1記載の化合物。
  5. 一般式(IV):
    Figure 2004033420
    (式中、
    R4およびR5は、一方が水素原子を表し、かつ他方が水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基または−OR6(ここで、R6は水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表す)を表す、あるいはR4およびR5が一緒になって=CR7(ここで、R7は水酸基で置換された炭素数1−4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を表す))
    である化合物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の化合物と、薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物。
  7. 細胞の分化に異常を伴う疾患を治療または予防する方法であって、そのような治療または予防を必要とする対象に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の化合物の細胞の分化に異常を伴う疾患治療用の医薬組成物製造への使用。
  9. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の化合物を製造する方法であって、
    一般式(II):
    Figure 2004033420
    (式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表す)
    で表される化合物から一般式(III):
    Figure 2004033420
    (式中、Zは、同一または異なって、水素または保護基を表し、Phはフェニル基を表す)
    の化合物を得る工程を含む方法。
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