JP2006519159A - ハロゲン化物結晶のアニール処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アニール処理炉中の酸素及び水の濃度を下げ、それによって結晶の欠陥をなくさない場合であっても著しく低減させる気体除去方法を提供する。この方法では、アニール処理工程の始めに、アニール処理炉の気密容器を1回だけでなく複数回にわたって排気し、不活性ガスで満たす。アニール処理においては、フッ化剤を伴う又は伴わない不活性ガスを、そのガス流中の酸素及び水の濃度をそれぞれ5ppm未満、より好ましくは1ppm未満に保ちながら、加熱及び冷却工程の間に、容器を通して流す。
Description
本発明は、材料の品質を改良するために、特に応力複屈折及びすべり変形を低減するために適用される、アニール処理の間のハロゲン化物結晶の損傷、より具体的にはフッ化物結晶の損傷、さらに具体的にはフッ化カルシウムなどのフッ化物の単結晶の損傷を防止するための方法に関する。
従来、ハロゲン化物結晶の成長、特にフッ化カルシウム(蛍石)などのフッ化物の単結晶の成長は、ブリッジマンプロセス(すなわちるつぼ降下法)、温度傾斜すなわちスラブ炉法、あるいはチョクラルスキー又はキロプーロス法などの様々な方法を用いて行われてきた。これら又は他の工程のいずれかにより成長した結晶は、材料の品質を改良するために、具体的には残留応力及び歪を除去又は少なくとも低減するために通常はアニールする必要がある。この結晶が、ステッパ、CVD装置、又は核融合装置などの紫外線波長範囲又は真空紫外線波長範囲のレーザを利用する様々なデバイス用のためのレンズ又は窓材料などの光学系に使用されることになる場合、これは特に当てはまる。
アニール処理工程は、材料の品質を改良するために、具体的には応力複屈折及びすべり変形の原因となる転位を取り去るために、制御された様式で加熱及び/又は冷却することができるアニール処理炉において行われる。一般に結晶を、アニール処理温度において低い反応性を有する炭素などの材料でできた容器中に置く。次いでこの容器及び結晶を気密性のアニール処理炉中に封入する。この炉は、空気を排出し、次いでアルゴンなどの不活性ガスで満たすことができる。この不活性ガスは、結晶及び容器を単に一面に覆ってもよく、又は結晶及び容器上に不活性ガスを流してもよい。
しかしながら従来のアニール処理法の場合、アニール処理済み結晶の表面に付着する又は吸収される異物、不純物、水分、及び酸素成分によって結晶の表面にピット又はくもりが生じる恐れがある。これらの欠陥は結晶を上記光学用途に適さないものにする恐れがある。具体的にはこれらの欠陥は、1000nmまでの透過スペクトル、特に140〜220nmの領域の透過スペクトルにおいて吸収を引き起こし、それによってその結晶を193nmでの光学的用途に適さないものにする恐れがある。この損傷は、結晶中に約25nmにまで及ぶことがある。
CF4やポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化剤が、上記で言及した損傷を最小限にする試みにおいて用いられている。しかしながらそれでもなお、米国特許第6,146,456号に見られるように、アニール処理工程中の熱及びフッ素化剤の存在のせいで、結晶の表面がエッチングされる可能性がある。この問題を解消するためには損傷した材料を除去することが行なわれているが、これは残念ながら収率を低下させる。
本発明の発明者等は、従来技術のアニール処理法により引き起こされる前述の潜在的な欠陥が、アニール処理炉からの酸素及び水分の除去が不十分な結果であることを発見した。本発明では、アニール処理炉中の酸素及び水の濃度を低下させ、それによって上記で言及した損傷をなくさないまでも著しく低減させる、改良された気体除去技術を提供する。
本発明の一態様によれば、フッ化物結晶、特にフッ化カルシウムの単結晶をアニール処理する方法は、下記の工程(a)〜(e)を含む:
(a)アニール処理炉の気密容器中に、フッ化物結晶を収容すること、
(b)その後、この容器を排気すること、
(c)その後、この容器を不活性ガスで満たすこと、
(d)このフッ化物結晶を、フッ化物結晶の融点よりも低いアニール処理温度まで加熱すること、及び
(e)その後、このフッ化物結晶の温度を徐々に下げること。
(a)アニール処理炉の気密容器中に、フッ化物結晶を収容すること、
(b)その後、この容器を排気すること、
(c)その後、この容器を不活性ガスで満たすこと、
(d)このフッ化物結晶を、フッ化物結晶の融点よりも低いアニール処理温度まで加熱すること、及び
(e)その後、このフッ化物結晶の温度を徐々に下げること。
好ましい実施形態では工程(b)及び(c)を、さらに少なくとも1回、より好ましくはさらに少なくとも2回繰り返す。好ましくは毎回、容器を1Torr又はそれ未満の真空レベルまで排気し、容器を1Torr〜10気圧の圧力、より好ましくは0.5気圧〜5気圧の圧力、最も好ましくは約1気圧の圧力まで不活性ガスで充填する。最も好ましくは容器を約10mTorr又はそれ未満の真空レベルまで、また最も好ましくは約1mTorr又はそれ未満の真空レベルまで排気する。
本発明の別の態様によれば、フッ化物結晶をアニール処理する方法は、アニール処理炉の気密容器中にフッ化物結晶を収容すること、その後この容器を排気すること、その後この容器を不活性ガスで満たすこと、その後このフッ化物結晶をフッ化物結晶の融点よりも低いアニール処理温度まで加熱すること、その後このフッ化物結晶の温度を徐々に下げること、上記加熱及び冷却の工程の間に、容器に不活性ガスを通して流すこと、及びこのガス流中の酸素及び水の濃度を5ppm未満に保つことを含む。好ましい実施形態では、ガス浄化装置を用いて、このガス流中の酸素及び水の濃度を1ppm未満に保つ。
本発明の前述及び他の特徴はこれ以降により完全に記述し、また特に特許請求の範囲、下記の説明及び添付図面で示す。ただしこれらは、本発明の幾つかの例示的実施形態を詳細に示すものであり、本発明の原理を採用できる様々な方法のほんの幾つかを示すにすぎない。
上記のように本発明は、アニール処理炉中の酸素及び水の濃度を低減させ、それによって上記で言及した損傷をなくさないまでも著しく低減させる、改良された気体除去技術を提供する。本発明の原理は、当業者には明らかなように、任意のハロゲン化物結晶のアニール処理方法、具体的にはフッ化物結晶のアニール処理、さらに具体的にはフッ化カルシウムなどのフッ化物の単結晶のアニール処理に応用することができる。この結晶は、ブリッジマン法(すなわちるつぼ降下法)、温度傾斜すなわちスラブ炉法、あるいはチョクラルスキー又はキロプーロス法などの従来の工程を用いて成長させることができる。この工程により成長させた結晶は、材料の品質を改良するために、特に残留応力及び歪を除去又は少なくとも低減するために、通常はアニール処理する必要がある。この結晶をステッパ、CVD装置、又は核融合装置などの紫外線波長範囲又は真空紫外線波長範囲のレーザを利用する様々なデバイス用のレンズ又は窓材料などの光学系に使用する場合、これは特に当てはまる。本発明は、193nm以下の波長で用いる光学デバイスに使用するのに適したフッ化カルシウムの単結晶を得るために適用することができる。
このアニール処理方法は、応力複屈折及びすべり変形の原因となる転位を取り去るために制御された様式で加熱及び/又は冷却することができるアニール処理炉中において実施することができる。このアニール処理炉は、気密容器を有する任意の適切な種類のものであることができる。結晶は、アニール処理温度で低い反応性を有する炭素などの材料でできた容器中に配置することができる。それに先立って、超音波洗浄、スクラブ洗浄、又は他の洗浄処理によって、異物及び不純物を除去することができる。
次いで、空気を排出することができる気密容器中に、この容器及び結晶を封入し、次いでアルゴンなどの不活性ガスで満たす。この不活性ガスは、結晶及び容器を単に覆うようにしてもよいが、好ましくは、結晶及び/又は容器上に不活性ガス流通させることができる。アニール処理中の結晶への損傷を最小限にするためには、CF4やポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化剤を用いることができる。しかしながらそれにもかかわらず以前のアニール処理法は、結晶のくもり及び/又は他の結晶の欠陥に悩まされており、その結果、かなりの量の結晶の除去及びそれに付随した収率の低下を伴う。
本発明の発明者等は、このような欠陥は、酸素又は水のいずれかとフッ化物結晶との反応性が、特に結晶の加温及び/又は冷却の間の比較的低い温度において、それとフッ化剤との反応性よりも大きいことから生じ、従って結晶への損傷はこれらの期間中に起こることを見出した。
本発明によれば、これらの欠陥に由来する損傷は、アニール処理炉中の酸素及び/又は水の濃度を、特にアニール処理工程の始めと終りにさらに下げる更なる工程によって、低減させ、場合によってはなくすことができる。アニール処理工程の始めに、このアニール処理炉の気密容器を、1回だけでなく複数回にわたって、排気し不活性ガスで充填する。好ましい実施形態では、容器を毎回、1Torr又はそれ未満の真空レベルまで排気する。最も好ましくは、容器を約10mTorr又はそれ未満の真空レベルまで、また最も好ましくは約1mTorr又はそれ未満の真空レベルまで排気する。各排気の後、容器を、好ましくは1Torr〜10気圧の圧力まで、より好ましくは0.5気圧〜5気圧の圧力まで、最も好ましくは約1気圧の圧力まで不活性ガスで充填する。この不活性ガスは、例えば窒素であることができ、またCF4やポリテトラフルオロエチレンなどの1種類又は複数種類のフッ化剤を含んでもよい。
アニール処理容器の気体をこの様式で除去した後、結晶に所望のアニール処理を行うことができ、その間に、そのフッ化物結晶がまだアニール処理温度でない場合は、このフッ化物結晶の融点よりも低いアニール処理温度までこの結晶を加熱する。本明細書中で使用するアニール処理温度とは、結晶がその温度まで加熱されたときに結晶のアニール処理が達成される高温であって、結晶の温度は、その温度から徐々に下げられる高温である。アニール処理手順に依存して、結晶に1回又は複数回の加熱及び冷却サイクルを行うことができる。これらアニール処理手順は当業界でよく知られており、本発明の原理は一般にこのような周知のアニール処理手順に適用可能であるので、これらアニール処理手順を更に詳細に記述する必要はない。
本発明の別の態様によれば、フッ化剤を伴う又は伴わない不活性ガスを、ガス流中の酸素及び水の濃度をそれぞれ体積で5ppm未満、より好ましくは1ppm未満に保ちながら、加熱及び冷却工程の間に容器を通して流す。好ましい実施形態では、ガス浄化装置を用いて、このガス流中の酸素及び水の濃度を1ppm未満に保つ。
アニール処理炉中の酸素及び/又は水の濃度をさらに低下させる前述の方法は、高い透過率を有し且つ本質的にヘイズ又は散乱のないきわめて高品質のフッ化物結晶、特にフッ化カルシウムの単結晶の生成に寄与する。より具体的には140〜220nmの領域で吸収が顕著に少なく、且つ散乱が顕著に少ない結晶を得ることができる。従って、例えば波長248nm、193nm、及び157nmでの光学用途に使用するのに適したフッ化物結晶が提供される。
一般に加温パージは次のように行うことができる。上記のようにアニール処理炉の容器を排気し、不活性ガスで満たす。最後の排気の後、炉を真空下でアニール処理温度未満又はアニール処理温度に等しい高温まで加熱する。好ましい排気温度は50℃〜900℃であり、より好ましくは300℃〜700℃である。真空レベル及び漏れ率が一定になるまで、容器を真空下でこの高温に保つ。次いで容器を不活性ガスで満たし、炉をアニール処理温度まで加熱する。CF4(ガス)をゲッターとしてこの不活性ガスに加えることができるが、NH4F、NH4HF2、PbF2、SnF2、ZnF2、金属Ti、金属Cu、及びこれらの組合せなど他のゲッターもまた考慮される。
実施例1
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を3回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。最高の真空度は、3回目の排気時に達成され、387mTorrである。この3回目の再充填の後、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで28%及び157nmで48%である。アニール処理後、この結晶は、193nmレーザに暴露後の透過の低下が、380nmにおいて4.5%であった。
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を3回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。最高の真空度は、3回目の排気時に達成され、387mTorrである。この3回目の再充填の後、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで28%及び157nmで48%である。アニール処理後、この結晶は、193nmレーザに暴露後の透過の低下が、380nmにおいて4.5%であった。
実施例2
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を5回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。使用済みアルゴンは、酸素及び水の濃度1ppm又はそれ未満を達成するように設計されている浄化装置(Aeronexにより提供されるタイプNo.SS−35KF−I−4R)を通過させる。最高の真空度は5回目の排気時に達成され、21mTorrである。この5回目の再充填の後、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで3%及び157nmで8%である。
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を5回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。使用済みアルゴンは、酸素及び水の濃度1ppm又はそれ未満を達成するように設計されている浄化装置(Aeronexにより提供されるタイプNo.SS−35KF−I−4R)を通過させる。最高の真空度は5回目の排気時に達成され、21mTorrである。この5回目の再充填の後、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで3%及び157nmで8%である。
実施例3
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を5回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。使用済みアルゴンは、酸素及び水の濃度1ppm又はそれ未満を達成するように設計されている浄化装置(上記タイプ)を通過させる。最高の真空度は5回目の排気時に達成され、0.7mTorrである。この5回目の排気の後、炉を真空下に保ち、400℃まで加熱する。この炉をこの温度で真空下に6日間保持する。この後、炉をアルゴンで再充填し、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで0.3%及び157nmで3.9%である。アニール処理後、この結晶は、193nmレーザに暴露後の透過率の低下が、380nmにおいて0.8%であった。
フッ化カルシウムの結晶をアニール処理炉中に置かれた黒鉛の容器に入れる。この炉を5回にわたって、排気及びアルゴン再充填する。使用済みアルゴンは、酸素及び水の濃度1ppm又はそれ未満を達成するように設計されている浄化装置(上記タイプ)を通過させる。最高の真空度は5回目の排気時に達成され、0.7mTorrである。この5回目の排気の後、炉を真空下に保ち、400℃まで加熱する。この炉をこの温度で真空下に6日間保持する。この後、炉をアルゴンで再充填し、結晶を、CF44%/アルゴン96%の混合ガス流中で950℃のアニール処理温度まで加熱し、このアニール処理温度に保ち、次いで室温まで冷却する。光路長30mmのこの結晶は、アニール処理の前後での透過率(%)の変化が、193nmで0.3%及び157nmで3.9%である。アニール処理後、この結晶は、193nmレーザに暴露後の透過率の低下が、380nmにおいて0.8%であった。
図1は、アニール処理の前後での193nmにおける透過率(%)の変化(負数は透過率の低下を表す)を、排気中に達成される真空度の関数として示す。99%を超える信頼度を有する線形回帰線が示されている。
本明細書中で記述した本発明のアニール処理手順は、ハロゲン化物結晶、特にハロゲン化物の単結晶、より具体的にはフッ化物結晶、特にフッ化物の単結晶、さらに一層具体的にはフッ化カルシウムなどのフッ化物の単結晶の製造への応用範囲を有する可能性がある。もちろん本明細書中で記述したアニール処理手順は、ヨウ化ナトリウムのアニール処理など、一層広い用途を有する可能性もある。
本発明を幾つかの好ましい実施形態に関して示し且つ記述してきたが、本明細書及び添付図面を読みまた理解すれば当業者は等価の改変形態及び修正形態が思い浮かぶはずである。特に上記要素(構成部品、アセンブリ、デバイス、組成物など)により遂行される様々な機能に関して、これら要素を記述するために用いられる用語(「手段」についての言及を含め)は、たとえ本明細書中に例示した典型的な実施形態の機能を遂行する開示の構造と構造的に等価でなくても、別段の記述がない限り、その記述されている要素(すなわち機能的に等価である要素)の特定の機能を達成する任意の要素に対応するものである。さらに、本発明の特定の特徴が、幾つかの例示の実施形態のうち1つ又は複数に関してのみ上記で記述されている場合があるが、このような特徴は、任意の所定又は特定の用途にとっても望ましくまた有利である場合があるので、その他の実施形態の他の1つ又は複数の特徴と結びつけることができる。
Claims (22)
- (a)アニール処理炉の気密容器中に、結晶を入れること、
(b)その後、前記容器を排気すること、
(c)その後、前記容器を不活性ガスで満たすこと、
(d)少なくとも更に1回、工程(b)及び(c)を繰り返すこと、
(e)前記結晶を、前記結晶の融点よりも低いアニール処理温度まで加熱すること、及び
(f)その後、前記結晶の温度を徐々に下げること、
を含む、結晶のアニール処理方法。 - 前記結晶の最初の加熱の間に、前記容器を真空下で前記アニール処理温度より低い温度に保ち、次いで前記容器中に不活性ガスを導入し、その後、前記結晶を前記アニール処理温度まで加熱する、請求項1に記載の方法。
- 工程(d)が、工程(b)及び(c)を少なくとも更に2回繰り返すことを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
- (g)工程(e)及び(f)の少なくとも一方の間に、前記容器に不活性ガスを通して流すこと、
を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - (h)工程(g)の前記ガス流中の酸素及び水の濃度を5ppm未満に保つこと、
を含む、請求項4に記載の方法。 - (h)工程(g)の前記ガス流中の酸素及び水の濃度を1ppm未満に保つこと、
を含む、請求項4に記載の方法。 - 工程(h)が、ガス浄化装置を用いて前記ガス流から酸素及び水を除去することを含む、請求項6に記載の方法。
- 工程(h)が、ガス浄化装置を用いて前記ガス流から酸素及び水を除去することを含む、請求項5に記載の方法。
- 工程(b)が、1Torr又はそれ未満の真空レベルまで前記容器を排気することを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 工程(b)が、50mTorr又はそれ未満の真空レベルまで前記容器を排気することを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 工程(c)が、約1Torr〜約10気圧の圧力まで前記容器を不活性ガスで充填することを含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 工程(c)が、約0.5気圧〜約5気圧の圧力まで前記容器を不活性ガスで充填することを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 工程(c)が、約1気圧まで前記容器を不活性ガスで充填することを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 前記結晶がハロゲン化物結晶である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記結晶がフッ化物結晶である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 前記フッ化物結晶がフッ化カルシウムの単結晶である、請求項15に記載の方法。
- 前記不活性ガスにゲッターを加えることを含み、前記ゲッターがNH4F、NH4HF2、PbF2、SnF2、ZnF2、金属Ti、金属Cu、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の方法によりアニール処理されたフッ化物結晶。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の方法によりアニール処理されたフッ化カルシウムの単結晶。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の方法によりアニール処理され、157nmにおける透過率の損失が0.5%以下であるハロゲン化物結晶。
- アニール処理炉の気密容器中にフッ化物結晶を入れること;その後、前記容器を排気すること;その後、前記容器を不活性ガスで満たすこと;前記フッ化物結晶をこのフッ化物結晶の融点よりも低いアニール処理温度まで加熱すること;その後、前記フッ化物結晶の温度を徐々に下げること;前記加熱及び冷却の工程の少なくとも一方の間に、前記容器に不活性ガスを通して流すこと;及び前記ガス流中の前記酸素及び水の濃度を5ppm未満に保つことを含む、フッ化物結晶のアニール処理方法。
- ガス浄化装置を用いて、前記ガス流中の酸素及び水の濃度を1ppm未満に保つ、請求項21に記載の方法。
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