JP2006515312A - 非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター - Google Patents

非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター Download PDF

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Abstract

式(I):
【化1】
Figure 2006515312

〔式中、R1はH、ハロゲン、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキル、及びハロアルキルであり、R2はH又は(C1-4)アルキルであり、R3はH又は(C1-4)アルキルであり、R4は(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキル(C3-7)シクロアルキル、又は(C3-7)シクロアルキルであり、かつQはO及びNから選ばれた1個又は2個のヘテロ原子を有する縮合フェニル5又は6員飽和複素環であり、前記Qは必要によりヒドロキシ、又は(C1-4)アルキル(これは順に必要によりピリジニル-Nオキサイド又はC(O)OR(式中、RはH又は(C1-4)アルキルである)で置換されていてもよい)で置換されていてもよい〕
により表される化合物、又はこれらの塩。これらの化合物はHIVの野生型、並びに単一突然変異株及び二重突然変異株に対し抑制活性を有する。

Description

本発明は新規化合物及びその医薬上許される塩、HIV感染症の治療又は予防における単独又はその他の治療薬と組み合わせてのそれらの使用、並びにNNRTI耐性突然変異体に対し活性であるこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。
後天性免疫不全症候群(AIDS)として知られている疾患はヒト免疫不全ウイルス(HIV)、特にHIV-1として知られている株により引き起こされる。HIVが宿主細胞により複製されるために、ウイルスゲノムの情報が宿主細胞のDNAに組み込まれる必要がある。しかしながら、HIVはレトロウイルスであり、その遺伝情報はRNAの形態であることを意味する。それ故、HIV複製サイクルはDNAへのウイルスゲノム(RNA)の転写の工程を必要とし、これはイベントの通常の連鎖の逆である。適当に平滑にされた逆転写酵素(RT)であった酵素はDNAへのウイルスRNAの転写を行なう。HIVビリオンはウイルスRNAとともにRTのコピーを含む。
逆転写酵素は三つの知られている酵素機能を有する。それはRNA依存性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ、及びDNA依存性DNAポリメラーゼとして作用する。RNA依存性DNAポリメラーゼとして作用して、RTはウイルスRNAから一本鎖DNAコピーを転写する。リボヌクレアーゼとして作用して、RTは初期のウイルスRNAを分解し、初期のRNAから丁度生成されたDNAを遊離する。最後に、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用して、RTは第一DNAストランドを鋳型として使用して、第二の相補性DNAストランドをつくる。その二つのストランドが二本鎖DNAを形成し、これがインテグラーゼと称される別の酵素により宿主細胞のゲノムに組み込まれる。
HIV-1逆転写酵素の酵素機能を抑制する化合物は感染された細胞中のHIV-1の複製を抑制するであろう。このような化合物はAIDSの治療用に今までのとこと認可された主な薬物である既知のRTインヒビター、例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、アバカバー、及びテノフォバーにより実証されたようなヒト被験者のHIV-1感染症の予防又は治療に有益である。
抗ウイルス療法について、AIDSの治療におけるRTインヒビターの使用は所定の薬物にそれ程感受性ではないウイルスを最終的にもたらす。これらの薬物に対する耐性(低下された感受性)はpol遺伝子の逆転写酵素セグメント中に生じる突然変異の結果である。HIVの幾つかの突然変異体株が特性決定されており、既知の治療薬に対する耐性はRT遺伝子中の突然変異のためであると考えられる。非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターについて一層普通に臨床上観察された突然変異体の一種は、Y181C突然変異体であり、この場合、コドン181にあるチロシン(Y)がシステイン(C)残基に突然変異されていた。その他の突然変異体(これらは既知のNNRTI抗ウイルス薬を使用する治療中に増大する頻度で出現する)として、単一突然変異体K103N、V106A、G190A、Y188C、及びP236L、並びに二重突然変異体K103N/Y181C、K103N/P225H、K103N/V108I及びK103N/L100Iが挙げられる。
HIV感染症の治療及び予防における抗ウイルス薬使用が続くにつれて、新たな耐性株の出現が増大すると予想される。それ故、RTの新規インヒビターに対する継続している要望があり、これらは種々の耐性突然変異体に対する有効性の異なるパターンを有する。
三環式構造を有する化合物(これらはHIV-1のインヒビターである)が米国特許第5,366,972号に記載されている。HIV-1逆転写酵素のその他のインヒビターがHargraveら, J. Med. Chem., 34, 2231 (1991)、Cywinら, J. Med. Chem., 41, 2972 (1998)及びKlunderら, J. Med. Chem., 41, 2960 (1998)に記載されている。
米国特許第5,705,499号はRTのインヒビターとして8-アリールアルキル-及び8-アリールヘテロアルキル-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピンを提案している。例示された化合物はHIV WT逆転写酵素に対する或る種の活性を有することが示されている。
WO 01/96338A1(米国特許第6,420,359B1号に相当する)はRTのインヒビターとしてキノリン置換基及びキノリン-N-オキサイド置換基を有するジアゼピン構造を開示している。例示された化合物はHIV WT、単一突然変異体株及び二重突然変異体株に対する活性を有する。
WO 02/076982及びWO 03/011862はまた本発明の化合物とは異なる置換基及び耐性突然変異体に対する異なる抑制プロフィールを有するジアゼピンをベースとする構造を開示している。
本発明はHIV-1 RTの野生型(WT)及び二重突然変異体株、特に二重突然変異K103N/Y181Cの強力なインヒビターである新規な縮合環を含む化合物を提供する。
第一局面において、本発明は式I:
Figure 2006515312
により表される化合物又はその医薬上許される塩、もしくはプロドラッグを提供する。
式中、
R1はH、ハロゲン、(C1-4)アルキル、O(C1-6)アルキル、及びハロアルキルからなる群から選ばれ、
R2はH又は(C1-4)アルキルであり、
R3はH又は(C1-4)アルキルであり、
R4は(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキル(C3-7)シクロアルキル、又は(C3-7)シクロアルキルであり、かつ
QはO及びNから選ばれた1個又は2個のヘテロ原子を有する縮合フェニル5員又は6員飽和複素環であり、前記Qは









a)
Figure 2006515312
(式中、
E及びGの一つはC(O)であり、その他はNR5(式中、R5はH、ヒドロキシ及び未置換又はピリジニルメチル、(ピリジニル-N-オキサイド)メチルもしくはC(O)OR6(式中、R6はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルからなる群から選ばれる)であり、かつ夫々のR7は独立にH、Me又はEtである)、又は
b)
Figure 2006515312
(式中、
EはNR8(式中、R8はH、未置換又はC(O)OR9(式中、R9はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
c)
Figure 2006515312
(式中、
D及びGはNR10(式中、夫々のR10は独立にH又は未置換もしくはC(O)OR11(式中、R11はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
d)
Figure 2006515312
(式中、
L、M、Y及びZの一つはNR12(式中、R12はH、未置換又はC(O)OR12x(式中、R12xはH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、NR12に隣接するL、M、Y及びZの残りの位置の一つはC(O)であり、かつ残りの二つの位置は夫々CR13R13(式中、夫々のR13は独立にH、Me又はEtである)である)、又は
e)
Figure 2006515312
(式中、
L、M、Y及びZの三つの隣接する位置(即ち、L-M-Y又はM-Y-Z)はNR14-C(O)-O-又は-NR15-C(O)-NR16-(式中、R14、R15及びR16は夫々H又は未置換もしくはC(O)OR17(式中、R17はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルを表す)を表し、かつL、又はZの残りの位置はCR18R18(式中、夫々のR18はH、Me又はEtである)である)
からなる群から選ばれる。
本発明の第二局面によれば、本明細書記載の式Iの化合物、又はその医薬上許される塩、エステルもしくはプロドラッグ、及び医薬上許される担体を含むことを特徴とするHIV感染症の治療又は予防のための医薬組成物が提供される。
本発明の第三局面によれば、患者にHIV抑制量の本明細書記載の式Iの化合物、又はその医薬上許される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを特徴とするHIV感染症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の第四局面によれば、患者にHIV抑制量の本明細書記載の医薬組成物を投与することを特徴とするHIV感染症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の第五局面によれば、抗レトロウイルス薬と組み合わせて、本明細書記載の式Iの化合物を投与することを特徴とするHIV感染症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の第六局面によれば、出産前に母体に本明細書記載の式Iの化合物を投与することを特徴とする母体から新生児へのHIV-1の周産期伝染の予防方法が提供される。
本発明の第七実施態様によれば、HIV感染症の治療又は予防のための薬物の製造のための、本明細書記載の式Iの化合物の使用が提供される。
本発明の第八局面によれば、
−式II:
Figure 2006515312
(式中、R1、R2、R3及びR4は本明細書に記載されたとおりである)
の化合物を
a)
Figure 2006515312
(式中、
E及びGの一つはC(O)であり、その他はNR5A(式中、R5AはN保護基、ヒドロキシ又は未置換もしくはピリジルメチル、(ピリジニル-N-オキサイド)メチルもしくはC(O)OR6A(式中、R6Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、かつ夫々のR7は独立にH、Me又はEtである)、










b)
Figure 2006515312
(式中、
EはNR8A(式中、R8AはN保護基、未置換又はC(O)OR9A(式中、R9Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
c)
Figure 2006515312
(式中、
D及びGは夫々独立にNR10A(式中、R10AはN保護基又は未置換もしくはC(O)OR11A(式中、R11Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、
d)
Figure 2006515312
(式中、
L、M、Y及びZの一つはNR12A(式中、NR12AはN保護基、未置換又はC(O)OR12y(式中、R12yはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、NR12Aに隣接するL、M、Y及びZの残りの位置の一つはC(O)であり、かつ残りの二つの位置は夫々CR13R13(式中、夫々のR13は独立にH、Me又はEtである)である)、又は


e)
Figure 2006515312
(式中、
L、M、Y及びZの三つの隣接する位置(即ち、L-M-Y又はM-Y-Z)は-NR14-C(O)-O-又は-NR15-C(O)-NR16-(式中、R14、R15及びR16は先に定義されたとおりである)を表し、かつL又はZの残りの位置はCR18R18(式中、夫々のR18は先に定義されたとおりである)である)
から選ばれたフェノール誘導体とカップリングする工程、そして、必要により、
−補助溶媒中の水性塩基又は水性酸の混合物中で保護基を除去して、式Iの相当する化合物を得る工程
を含むことを特徴とする、式Iの化合物の製造方法が提供される。
本発明の第九局面によれば、HIV感染症の治療又は予防における使用のための医薬製剤であって、活性成分が本明細書で特定された式1の化合物、又はその医薬上許される塩、エステルもしくはプロドラッグであることを特徴とする医薬製剤が提供される。
定義
特にことわらない限り、下記の定義が適用される。
本明細書に使用される“カルボキシ保護基”という用語は合成操作中にカルボキシを望ましくない反応に対し保護することができる基を意味する(“有機合成における保護基”, Theodora W. Greene及びPeter G.M. Wuts, 第3編, 1999を参照のこと)。例えば、使用し得るカルボキシ保護基として、1)アルキルエステル、例えば、メチルエステル、トリメチルシリルエチルエステル及びt-ブチルエステル、2)アラルキルエステル、例えば、ベンジルエステル及び置換ベンジルエステル、又は3)温和な塩基処理もしくは温和な還元手段により開裂し得るエステル(例えば、トリクロロエチルエステル及びフェナシルエステルを意味する)が挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書に使用される“(C1-4)アルキル”という用語は、夫々1〜4個の炭素原子を含む非環式直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味することが意図されている。このような基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルが挙げられる。
本明細書に使用される“(C3-7)シクロアルキル”という用語は3〜7個の炭素原子を含む飽和環状炭化水素基を意味することが意図されており、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書に使用される“ハロアルキル”という用語は1個以上の水素がブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードから選ばれたハロゲンで置換された非環式の直鎖又は分岐鎖アルキル置換基を意味する。
本明細書に使用される“{(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル}”という用語は1〜7個の炭素原子を含むアルキレン基に直接結合された3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル基、例えば、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、及びシクロヘキシルエチルを意味する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書に使用される“縮合フェニル-5又は6員飽和複素環”という用語は、酸素及び窒素から選ばれた1〜2個のヘテロ原子を有する5又は6員非芳香族複素環と縮合されているフェニルを意味することが意図されている。例として、1,2-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール及び1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンが挙げられる。
本明細書に使用される“HIV複製のインヒビター”という用語はDNAコピーをRNA鋳型から複製するHIV-1逆転写酵素の能力が実質的に低下され、又は実質的に排除されることを意味する。
本明細書に使用される“窒素保護基”又は“N保護基”という用語は合成操作中に窒素原子を望ましくない反応に対し保護することができる基を互換可能に意味する(“有機合成における保護基”, Theodora W. Greene及びPeter G.M. Wuts, 第3編, 1999を参照のこと)。N保護基として、例えば、アルキルカルバメート(例えば、メチル、エチル又はt-ブチル)及びアリールカルバメート(例えば、ベンジル)が挙げられる。
本明細書に使用される“医薬上許される塩”という用語は医薬上許される塩基から誘導されたものを含み、無毒性である。好適な塩基の例として、コリン、エタノールアミン及びエチレンジアミンが挙げられる。Na+塩、K+塩、及びCa++塩がまた本発明の範囲内にあることが意図されている(また、本明細書に参考として含まれるPharmaceutical salts, Birge, S.M.ら, J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19を参照のこと)。
本明細書に使用される“予防”という用語はウイルスへの個体の暴露後であるが疾患の症候の出現の前、かつ/又は血液中のウイルスの検出の前の本発明の化合物又は組成物の投与を意味する。
本明細書に使用される“プロドラッグ”という用語は薬理学上許される誘導体を表し、その結果、誘導体の得られる生物変換生成物が式Iの化合物において特定されたような活性薬物である。このような誘導体の例として、エステル及びアミドが挙げられるが、これらに限定されない(本明細書に参考として含まれる、Goodman及びGilman著“治療薬の薬理学的基礎”, 第9編, McGraw-Hill, Int. Ed. 1995, “薬物の生物変換”, 11-16頁を参照のこと)。
本明細書に使用される“単一又は二重突然変異体株”という用語はWT HIV-1株中に存在する一つ又は二つのアミノ酸残基がWT株中に見られない残基により置換されたことを意味する。例えば、単一突然変異体Y181Cは残基181にあるチロシンがシステイン残基により置換された部位誘導突然変異誘発より調製される。同様に、二重突然変異体K103N/Y181Cについて、アスパラギン残基が残基103にあるリシンを置換し、またシステイン残基が残基181にあるチロシンを置換した。
好ましい実施態様
R1がH、Cl、F、(C1-4)アルキル及びCF3である、先に特定された式Iの化合物が好ましい。R1がH、Cl、F又はMeであることが更に好ましい。
R2及びR3が夫々独立にH又はMeであることが好ましい。R2がHであり、かつR3がMeであることが更に好ましい。
R4がエチル又はシクロプロピルであることが好ましい。R4がエチルであることが更に好ましい。
Qが







Figure 2006515312
(式中、R5はH、ヒドロキシ、CH3又は(4-ピリジニル)メチルである)
であることが好ましい。
Qが
Figure 2006515312
(式中、R5はH、ヒドロキシ又は(4-ピリジニル)メチルである)
であることが更に好ましい。
Qが
Figure 2006515312
(式中、R5はH又はヒドロキシである)
であることが最も好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが更に好ましい。
Qが
Figure 2006515312
(式中、R12はH、Me又はCH2C(O)OHである)
であることが好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが更に好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが最も好ましい。
Qが
Figure 2006515312
(式中、R14はH、Me又はCH2C(O)OHであり、夫々のR18は独立にH又はMeである)
であることが好ましい。R14がH又はCH2C(O)OHであり、かつ夫々のR18がHであることが更に好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが最も好ましい。
Qが
Figure 2006515312
(式中、R15はH、Me又はCH2C(O)OHであり、かつR16はH、Me又はCH2C(O)OHである)
であることが好ましい。R15がH又はCH3であり、かつR16がH、CH3又はCH2C(O)OHであることが更に好ましい。
Qが
Figure 2006515312
であることが最も好ましい。
R1がHであり、R2がHであり、R3がMeであり、R4がエチルであり、かつQが






Figure 2006515312
であることが更に最も好ましい。
特別な実施態様
表1に示された式Iの全ての化合物が本発明の範囲内に含まれる。
坑ウイルス活性
式Iの化合物は野生型HIVの有効なインヒビターであるだけでなく、二重突然変異酵素K103N/Y181Cを抑制する。本発明の化合物はまた単一突然変異酵素V106A、Y188L、K103N、Y181C、P236L及びG190Aを抑制し得る。これらの化合物はまたK103N/P225H、K103N/V108I及びK103N/L100Iを含むその他の二重突然変異酵素を抑制し得る。
式Iの化合物はHIV-1複製に対する抑制活性を有する。好適な投薬形態で投与される場合、それらはAIDS、ARC及びHIV-1感染症と関連する関連疾患の治療に有益である。それ故、本発明の別の局面は、HIV-1により感染されているヒトに、治療有効量の上記式Iの新規化合物を投与することを特徴とするHIV-1感染症の治療方法である。それが治療又は予防と称されることを問わないで、これらの化合物はまた出産前の母体への投与により母体から新生児へのHIV-1の周産期伝染を予防するのに使用し得る。
式Iの化合物は経口経路、非経口経路又は局所経路により単一用量又は分けられた用量で投与し得る。式Iの化合物に適した経口用量は毎日約0.5mg〜3gの範囲であろう。式Iの化合物に好ましい経口用量は体重70kgの患者について毎日約100mg〜800mgの範囲であろう。非経口製剤において、好適な投薬単位は前記化合物0.1〜250mg、好ましくは1mg〜200mgを含んでもよく、一方、局所投与について、0.01〜1%の活性成分を含む製剤が好ましい。しかしながら、投与用量は患者により変化することが理解されるべきである。特別な患者に関する用量は臨床医の判断に依存し、彼らは適切な用量を固定するための判断基準として患者のサイズ及び症状だけでなく、薬物に対する患者の応答を使用するであろう。
本発明の化合物が経口経路により投与される場合、それらは適合性の医薬担体物質と混在してそれらを含む医薬製剤の形態の医薬品として投与されてもよい。このような担体物質は経口投与に適した不活性な有機又は無機担体物質であってもよい。このような担体物質の例は水、ゼラチン、タルク、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレン-グリコール、石油ゼリー等である。
式Iの化合物は個体のHIV感染症を治療又は予防するための同時、別々又は逐次の投与に有益な組み合わせ製剤として、当業者に知られている抗レトロウイルス薬と組み合わせて使用し得る。式Iの化合物との組み合わせ療法に使用し得る抗レトロウイルス薬の例として、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素インヒビター(例えば、AZT及びテノフォバー)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(例えば、ネビラピン)、プロテアーゼインヒビター(例えば、リトナバー)、ウイルス融合インヒビター(例えば、T-20)、CCR5アンタゴニスト(例えば、SCH-351125)、CXCR4アンタゴニスト(例えば、AMD-3100)、インテグラーゼインヒビター(例えば、L-870,810)、TATインヒビター、その他の研究薬(例えば、PRO-542、BMS-806、TMC-114又はAI-183)、抗真菌剤又は抗菌剤(例えば、フルコナゾール)、及び免疫調節薬(例えば、レバミゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。更に、式Iの化合物は式Iの別の化合物とともに使用し得る。
医薬製剤は通常の様式で調製でき、仕上げ投薬形態は固体投薬形態、例えば、錠剤、糖剤、カプセル等、又は液体投薬形態、例えば、溶液、懸濁液、エマルション等であってもよい。医薬製剤は通常の医薬操作、例えば、滅菌にかけられてもよい。更に、医薬製剤は通常のアジュバント、例えば、防腐剤、安定剤、乳化剤、風味改良剤、湿潤剤、緩衝剤、浸透圧を変化するための塩等を含んでもよい。使用し得る固体担体物質として、例えば、澱粉、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、微結晶性セルロース、タルク、シリカ、二塩基性リン酸カルシウム、及び高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられる。
非経口用について、式Iの化合物は医薬上許される油又は液体の混合物(これは静菌薬、酸化防止剤、防腐剤、緩衝剤又は溶液を血液と等張にするその他の溶質、増粘剤、懸濁剤或いはその他の医薬上許される添加剤を含んでもよい)中の水性又は非水性の溶液、懸濁液又はエマルション中で投与し得る。この型の添加剤として、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩及び酢酸塩緩衝剤、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、錯生成剤(例えば、EDTA)、酸化防止剤(例えば、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及びアスコルビン酸)、粘度調節のための高分子量ポリマー(例えば、液体ポリエチレンオキサイド)及びソルビトール酸無水物のポリエチレン誘導体が挙げられる。防腐剤、例えば、安息香酸、メチルパラベン又はプロピルパラベン、ベンザルコニウムクロリド及びその他の四級アンモニウム化合物がまた必要により添加されてもよい。
本発明の化合物はまた鼻内適用のための溶液として投与されてもよく、本発明の化合物に加えて水性ビヒクル中に好適な緩衝剤、張度調節剤、微生物防腐剤、酸化防止剤及び増粘剤を含んでもよい。増粘に使用される薬剤の例はポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート又はグリセリンである。添加される微生物防腐剤として、ベンザルコニウムクロリド、チメロサール、クロロ-ブタノール又はフェニルエチルアルコールが挙げられる。
更に、本発明により提供された化合物は座薬により投与されてもよい。
方法及び合成
WO 01/96338A1(その内容が参考として本明細書に含まれる)に開示された、例示の反応スキームは以下に説明される三環式化合物1への多くの合成経路を示す。本発明の化合物は合成有機化学者のスキルを使用してつくられてもよい。例示の反応スキームがスキーム1に示される。置換基R1、R2、R3、R4、及びQは本明細書に定義されたとおりである。Q'は当業界で認められている化学によりQに変換し得るQ誘導体である。















スキーム1:
Figure 2006515312
ミツノブ型反応を使用して、フェノール誘導体Q-OHが1と縮合されて式Iの化合物を生成する。また、フェノール誘導体Q'-OHがまた1と縮合されて中間体2を生じる。中間体2は当業界で認められている化学(例えば、保護基の除去、アルキル化、酸化又はQ'をQに変換するための官能基修飾)により式Iの化合物に変換し得る。フェノール誘導体Q-OH及びQ'-OHは容易に入手でき、又は通常の方法を使用して当業者により容易に調製し得る。式Iの化合物中のエーテル結合を生じるためのその他の縮合の方法、例えば、Q-OH又はQ'-OHによる1中の好適に誘導体化されたアルコールのSN2置換がまた意図されている。
前記のように、本発明により提供された化合物はHIV-1 RTの酵素活性を抑制する。以下に記載されるような、これらの化合物の試験に基づいて、それらはHIV-1 RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制することが知られる。以下に記載される逆転写酵素(RT)アッセイを利用して、化合物がHIV-1 RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制するそれらの能力について試験し得る。以下に見られる実施例に記載された或る特定の化合物がこうして試験された。この試験の結果が表2中にIC50(nM)及びEC50(nM)として見られる。
本発明を以下の非限定実施例により更に詳しく説明する。特にことわらない限り、全ての反応を窒素又はアルゴン雰囲気中で行なった。温度を℃で示す。特にことわらない限り、溶液%又は比は容積対容積関係を表す。
ここに使用した略号又は記号として、下記のものが挙げられる。
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート、
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
DMF:ジメチルホルムアミド、
ES MS:電子噴霧質量分析法、
Et:エチル、
EtOH:エタノール、
EtOAc:酢酸エチル、
Et2O:ジエチルエーテル、
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー、
iPr:イソプロピル、
Me:メチル、
MeOH:メタノール、
MeCN:アセトニトリル、
NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド、
NBS:N-ブロモスクシンイミド、
Ph:フェニル、
TFA:トリフルオロ酢酸、
THF:テトラヒドロフラン
合成
以下の実施例は本発明の化合物の調製方法を示す。
実施例1:
5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
THF(650ml)中の2-クロロ-3-ニトロピリジン1a(51g、325ミリモル)の溶液に、THF中のエチルアミンの2M溶液(365ml、731ミリモル)を添加した。その反応液を室温で一夜撹拌した。その反応混合物を水(約1.5L)に注ぎ、得られる固体を濾過し、減圧下で乾燥させて化合物1b(52g)を得た。
工程b:
MeOH(600ml)中の2-(エチルアミノ)-3-ニトロピリジン1b(52g)の溶液を20%のPd(OH)2/C(10.4g)の存在下で水素(1気圧)のもとに室温で一夜撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮して化合物1cを黒色の固体(39g、工程a)及びb)にわたって88%の収率)として得た。
工程c:
MeCN(740ml)中の3-アミノ-2-(エチルアミノ)ピリジン1c(30.6g、223ミリモル)の冷却溶液に、固体NaHCO3(56.3g、669ミリモル)を添加した。5分後、粗5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジンカルボニルクロリド(5-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-ピリジンカルボン酸及びSOCl2から調製した〔水処理を除いた以外はT.W. Gero著Synth. Commun. 1989, 19, 553-559(参考として本明細書に含まれる)により記載されたようにして〕)を添加した(1当量、223ミリモル)。2時間後、その反応混合物を氷/H2O(1.5L)に注ぎ、得られる固体を濾過し、H2Oですすぎ、次いでヘキサンですすいだ。減圧下で一夜乾燥させた後、化合物1dを黒色の固体(54.9g、69%の収率)として得た。
工程d:
50℃のピリジン(308ml)中の2-クロロ-N-{2-(エチルアミノ)-3-ピリジニル}-5-ブロモ-3-ピリジンカルボキサミド1d(54.9g、154.4ミリモル)の溶液に、THF中のNaHMDSの1.0M溶液(355ml、355ミリモル)を滴下して添加した。10分後、その反応液を室温に冷却し、次いで氷水(2L)に注いだ。得られる固体を濾過し、水次いでヘキサンですすいだ。固体を減圧下で乾燥させて化合物1e(36g、75%の収率)を暗緑色の固体として得た。
工程e:
DMF(380ml)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン1e(36.7g、115ミリモル)の溶液に、NaH(3.5g、138ミリモル)を添加し、その混合物を30分間にわたって50℃に加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、MeI(14.3ml、230ミリモル)で処理した。1.5時間後、その反応混合物を氷水にそそいだ。固体を濾過し、水次いでヘキサンで洗浄して乾燥後に化合物1f(37.9g、99%の収率)を暗灰色の固体として得た。
工程f:
アリルトリブチルスズ(30.7ml、99.0ミリモル)及びPd(Ph3P)4(5.20g、4.50ミリモル)を室温のDMF(450ml)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン1f(30.0g、90.0ミリモル)の脱気(30分間にわたって溶液中にN2)溶液に添加した。その混合物を90℃で1.5時間撹拌し、次いで室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、8/2〜7/3)により精製して化合物1g(22.2g、84%の収率)を得た。
工程g:
オゾン化酸素の流れを2.5時間にわたってCH2Cl2(150ml)及びMeOH(150ml)中の5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-8-(2-プロペニル)-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン1g(22.19g、75.4ミリモル)の冷却(-78℃)溶液に吹き込んだ。次にN2の流れを15分間にわたってその溶液に吹き込み、次いで固体NaBH4(4.99g、132ミリモル)をその溶液に添加した。その反応混合物を室温に温めた。1時間後、飽和NH4Cl水溶液(200ml)を添加し、その混合物を室温で2時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去した。水(300ml)及びCHCl3(300ml)を残渣に添加した。相を分離し、水層をCHCl3(3x300ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CHCl3、4/1)により精製して化合物1h(16.1g、72%の収率)を白色の固体として得た。
実施例2:(エントリー101及び104)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-1-オキソ-1H-イソインドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン及び
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-1-オキソ-2-(4-ピリジニルメチル)-1H-イソインドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
CCl4(20ml)中の2a(2.58g、14.3ミリモル)、NBS(2.79g、15.7ミリモル)及びAIBN(232mg、1.41ミリモル)の溶液を3時間にわたって還流させた。その反応混合物を室温に冷却し、得られる懸濁液を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/CH2Cl2、75/25)により精製して2b(3.4g、92%の収率)を白色の固体として得た。
工程b:
THF(19ml)及び水酸化アンモニウム(9ml)中の2b(997mg、3.85ミリモル)の溶液を室温で4時間にわたって撹拌した。その反応混合物を蒸発、乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、40/60、MeOH1%を含む)により精製して2cを白色の固体(595mg、95%の収率)として得た。
工程c:
CH2Cl2(20ml)中の2c(291mg、1.78ミリモル)の氷冷溶液に、CH2Cl2中の1.0MのBBr3溶液(3.6ml、3.6ミリモル)を添加した。次いで冷却浴を除去し、得られる溶液を周囲温度で16時間撹拌した。その反応を水の添加により慎重に停止し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発、乾燥させて2d(232mg、87%の収率)をベージュ色の固体として得た。
工程d:
THF(1ml)中のDEAD(250μL、1.59ミリモル)の溶液を室温のTHF(1.8ml)中の1h(50.6mg、0.17ミリモル)、Ph3P(54.5mg、0.21ミリモル)及びフェノール2d(24.9mg、0.17ミリモル)の溶液に滴下して添加した。16時間後、その混合物を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH、92/8)により精製して化合物101(20mg、28%の収率)を白色の固体として得た。
工程e:
THF/DMF(1/1、0.7ml)中の化合物101(60mg、0.14ミリモル)の氷冷溶液に、THF中の1.0MのNaHMDS溶液(168μL、0.17ミリモル)を添加した。15分後、DMF(0.25ml)中の4-クロロピリジン(31.8mg、0.28ミリモル)の溶液を添加し、その反応液を室温で5時間撹拌した。その反応混合物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH、95/5〜90/10)により精製して化合物104(45mg、62%の収率)を白色の固体として得た。
実施例3:(エントリー103)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-2-ヒドロキシ-1-オキソ-1H-イソインドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
DMF(15ml)中の2b(2.03g、7.83ミリモル)、O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.25g、7.83ミリモル)及びCsOH・H2O(2.88g、17.2ミリモル)の溶液を4時間にわたって90℃に加熱した。0.5MのHCl水溶液(30ml)を添加し、その混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、70/30)により精製して3a(481mg、23%の収率)を得た。
工程b:
実施例2で工程cについて記載された操作に従って、化合物3a(470mg、1.74ミリモル)から化合物3b(175mg、61%の収率)を白色の固体として得た。
工程c:
THF(1ml)中のDIAD(300μL、1.52ミリモル)の溶液を室温のTHF(1.8ml)中の3b(170mg、1.03ミリモル)、Ph3P(405mg、1.54ミリモル)及びベンジルアルコール(170mg、1.57ミリモル)の溶液に滴下して添加した。その混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、60/40)により精製してフェノール3c(149mg、57%の収率)を得た。
工程d:
実施例3で工程cについて記載された操作に従って、フェノール3c(146mg、0.57ミリモル)及びアルコール1h(143mg、0.48ミリモル)から、相当するエーテル(60mg)を得た。MeOH(15ml)中のこの化合物及び20%のPd(OH)2/C(10mg)の混合物を水素の雰囲気下で4時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(THF/CH2Cl2、75/25)により精製して化合物103(43mg、17%の収率)を白色の固体として得た。
実施例4:(エントリー105、106及び107)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-インドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン、
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-1,3-ジメチル-2-オキソ-1H-インドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン及び
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-1-メチル-2-オキソ-1H-インドール-4-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
実施例2で工程aについて記載された操作に従って、4a(5.0g、30ミリモル)から相当するブロミド4b(3.2b、44%の収率)を得た。
工程b:
EtOH(35ml)中の4b(3.2g、13ミリモル)及びNaCN(1.28g、36ミリモル)の溶液を4時間にわたって加熱、還流した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEt2Oに吸収させた。その溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発、乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、80/20)により精製して4c(1.67g、67%の収率)を黄色の固体として得た。
工程c:
12NのHCl水溶液(25ml)及び濃硫酸(3ml)中の4c(1.7g、8.7ミリモル)の溶液を1.5時間にわたって加熱、還流した。その反応混合物を0℃に冷却し、水(30ml)を添加した。得られる懸濁液を濾過し、固体を乾燥させて酸4d(1.7g、94%の収率)を白色の固体として得た。
工程d:
AcOH(25ml)中の4d(1.0g、4.7ミリモル)及び10%のPd/C(70mg)の混合物を室温で16時間にわたって水素(1気圧)のもとに撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮してラクタム4e(766mg、99%の収率)を白色の固体として得た。
工程e及びf:
実施例2で工程c及びdについて記載された操作に従って、4eから所望の化合物105を白色の固体として得た。
工程g:
DMF(1ml)中の化合物105(22mg、0.05ミリモル)の溶液に、過剰のCs2CO3及びMeIを添加した。30分後、その反応混合物をTFA(0.06%)を含むMeCN/H2Oの勾配を使用するHPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm、5μ、120Å)により精製して化合物106(5.8mg、25%の収率)を白色の固体として、また化合物107(2.8mg、12%の収率)を白色の固体として得た。
実施例5:(エントリー110)
5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-8-{2-{(1,2,3,4-テトラヒドロ-2-オキソ-5-キナゾリニル)オキシ}エチル}-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン






























Figure 2006515312
工程a:
THF(300ml)中の5a(10.0g、65.3ミリモル)、イミダゾール(5.8g、85ミリモル)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(10.8g、71.8ミリモル)の溶液を室温で一夜撹拌した。その混合物をEtOAcで希釈し、水及び食塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルの薄いパッドで濾過した(ヘキサン/Et2O)。CCl4(250ml)中の得られる黄色の油(13.3g)、AIBN(350mg、2.13ミリモル)及びNBS(10.2g、57.3ミリモル)の溶液を3時間にわたって太陽灯(275W)を使用して照射した。その反応混合物をEt2Oで希釈し、シリカゲルの薄いパッドで濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、9/1)により精製してブロミド5b(15g、66%の収率)を得た。
工程b:
水(10ml)中のNaN3(7.7g、118ミリモル)の溶液をTHF(100ml)中の5b(8.0g、23.1ミリモル)の溶液に添加した。室温で2時間後に、EtOAcで希釈した反応混合物を水及び食塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。THF(100ml)及び水(1.5ml)中の得られる固体及びPPh3(7.7g、29.3ミリモル)の溶液を室温で16時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcで希釈し、得られる溶液を水及び食塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH、9/1、次いで8/2)により精製して5c(2.6g、67%の収率)を黄色の固体として得た。
工程c:
Et3N(4.4ml、31.3ミリモル)及びエチルクロロホルメート(6.0ml、62.5ミリモル)をTHF(150ml)中の5c(2.1g、12.5ミリモル)の溶液に添加した。室温で1時間後に、EtOAcで希釈した反応混合物を水及び食塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、5/5)により精製して5d(2.96g、76%の収率)を白色の固体として得た。
工程d:
THF(100ml)中の5d(3.6g、11.5ミリモル)及び10%のPd/C(360mg)の混合物を水素(1気圧)のもとに4時間撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮した。THF(150ml)に溶解した残渣に、Et3N(4.0ml、28.9ミリモル)、続いてトルエン(6.6ml)中の20%のホスゲン溶液を添加した。室温で45分後に、水を反応混合物に添加し、その混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を1NのHCl水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して保護された環状尿素(3.52g、99%)を黄色の固体として得た。THF(150ml)及びMeOH(50ml)中の保護された環状尿素(2.9g、9.4ミリモル)及び1.0NのLiOH水溶液(47ml、47ミリモル)の溶液を室温で1時間撹拌した。1NのHCl水溶液を使用して、その反応混合物を酸性にした。水層をEtOAc(4x)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して化合物5e(1.5g、98%)をピンク色の固体として得た。
工程e:
THF(0.3ml)中のDEAD(73μL、0.46ミリモル)の溶液を室温のTHF(8ml)中の1h(70mg、0.23ミリモル)、Ph3P(122mg、0.46ミリモル)及びフェノール5e(38mg、0.23ミリモル)の溶液に滴下して添加した。その反応混合物を16時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により精製して化合物110(24mg、24%の収率)を白色の固体として得た。
実施例6:(エントリー122)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
実施例2で工程dについて記載された操作に従って、フェノール6a及びアルコール1h(97.0mg、0.32ミリモル)から化合物6b(130mg、92%の収率)を得た。
工程b:
EtOH/EtOAc(1ml/1ml)中の6b(130mg、0.30ミリモル)及び20%のPd(OH)2/C(90mg)の混合物を室温で16時間にわたって水素(1気圧)のもとに撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl3/EtOH、9/1)により精製して相当するフェニレンジアミン(82mg、68%の収率)を得た。トルエン(1ml)中の1.0Mのホスゲン溶液を0.33NのHCl水溶液(3ml)中のフェニレンジアミンの溶液に添加した。室温で16時間後に、その反応混合物を減圧下で濃縮した。得られる残渣をTFA(0.06%)を含むMeCN/H2Oの勾配を使用する分取HPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm、5μ、120Å)により精製して化合物122(5.8mg、7%の収率)をピンク色の固体として得た。
実施例7:(エントリー123)
5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-8-{2-{(1,2,3,4-テトラヒドロ-3-オキソ-8-イソキノリニル)オキシ}エチル}-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
DMF(2ml)及びH2O(1ml)中の2b(324mg、1.25ミリモル)及びNaN3(90mg、1.4ミリモル)の溶液を室温で1時間撹拌した。その反応混合物をH2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発、乾燥させて7a(260mg、94%の収率)を得た。
工程b:
MeOH(1ml)及びTHF(2ml)中の7a(260mg、1.17ミリモル)及び5.0MのNaOH溶液(0.9ml、4.50ミリモル)の混合物を室温で1時間撹拌した。その反応混合物を濃縮し、1NのHCl水溶液(10ml)を添加し、その混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して相当する酸(235mg、97%の収率)を得た。THF(3ml)中のその酸(235mg、1.1ミリモル)及びEt3N(175μL、1.25ミリモル)の溶液に、イソブチルクロロホルメート(160μL、1.25ミリモル)を添加した。室温で10分後に、Et3N・HCl塩を濾過し、THFですすいだ。濾液に過剰のCH2N2溶液(約0.6M、10ml)を添加した。その反応混合物を2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して相当するジアゾメチルケトンを得た。MeOH(5ml)中のそのジアゾメチルケトン、Et3N(250μL、1.79ミリモル)及び安息香酸銀(10mg、0.04ミリモル)の混合物を室温で一夜撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。有機溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/CH2Cl2、60/40)により精製して7b(85mg、32%の収率)を得た。
工程c:
THF(5ml)及びH2O(0.5ml)中の7b(70mg、0.3ミリモル)及びPh3P(100mg、0.38ミリモル)の溶液を室温で16時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 20/80)により精製して7c(41mg、78%の収率)を得た。
工程d及びe:
実施例2で工程c及びdについて記載された操作に従って、7cから所望の化合物123を白色の固体として得た。
実施例8:(エントリー124)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(3,4-ジヒドロ-2-オキソ-2H-1,3-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
トルエン(10ml)中の塩化オキサリル(0.65ml、7.45ミリモル)の溶液をトルエン(25ml)中の8a(1.0g、6.5ミリモル)の懸濁液に滴下して添加した。その反応混合物を4時間にわたって加熱、還流し、その後に黄色の沈殿を冷却後に生成した。その懸濁液を濾過し、固体をトルエンですすぎ、乾燥させて8b(1.0g、86%の収率)を得た。
工程b:
THF(35ml)中の8b(500mg、2.79ミリモル)及びTHF中の2.0MのBH3・Me2S溶液(2.0ml、4.0ミリモル)の溶液を5時間にわたって加熱、還流した。その反応混合物を室温に冷却し、MeOH(100ml)を添加し、その混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、4/6〜2/8)により精製して8c(141mg、31%の収率)を白色の固体として得た。
工程c:
実施例2で工程dについて記載された操作に従って、1h(75mg、0.25ミリモル)及びフェノール8c(42mg、0.25ミリモル)から化合物124(53mg、47%の収率)を白色の固体として得た。
実施例9:(エントリー125)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(1,4-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2-オキソ-2H-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン
Figure 2006515312
工程a:
tert-BuOH(10ml)及び水(20ml)中の4a(2.0g、12ミリモル)の懸濁液に、KMnO4(5.7g、36ミリモル)を添加した。その混合物を4時間にわたって加熱、還流した。冷却した反応混合物をケイソウ土で濾過した。12NのHCl水溶液を使用して濾液を酸性にし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られる残渣を過剰のジアゾメタン/Et2O溶液で処理してエステル9a(548mg、22%の収率)を得た。
工程b:
MeOH(25ml)中の9a(547mg、2.59ミリモル)及び10%のPd/C(30mg)の混合物を水素(1気圧)のもとに1時間撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮してアニリン9b(443mg、94%の収率)を得た。
工程c:
THF(3ml)中の9b(170mg、0.94ミリモル)の溶液に、ベンジルクロロホルメート(150μL、1.03ミリモル)及び1.0NのHCl水溶液(1ml)を添加した。3時間後、EtOAcで希釈した反応混合物を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、9/1)により精製して9c(252mg、85%の収率)を得た。
工程d:
THF(3ml)中の9c(252mg、0.80ミリモル)の溶液に、THF中の1.4Mのメチルマグネシウムブロミド溶液(3.5ml、4.9ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌し、3時間にわたって加熱、還流し、次いで室温で16時間撹拌した。その反応混合物を1NのHCl水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、8/2〜6/4)により精製して9d(94mg、57%の収率)を得た。
工程e及びf:
実施例2で工程c及びdについて記載された操作に従って、9dから化合物125を白色の固体として得た。
実施例10:(エントリー126及び128)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{(1,4-ジヒドロ-2-オキソ-2H-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ}エチル}-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン及び
5-〔2-(6,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-6-オキソ-5H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-8-イル)エトキシ〕-2-オキソ-2H-3,1-ベンゾオキサジン-1(4H)-酢酸
Figure 2006515312
工程a:
THF(300ml)中のフェノール10a(10.0g、65.3ミリモル)、イミダゾール(5.78g、84.9ミリモル)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(10.8g、71.6ミリモル)の溶液を室温で16時間撹拌した。その反応混合物をEt2Oで希釈し、その溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/Et2O、4/1)により精製して10b(13.3g、76%の収率)を油として得た。
工程b:
実施例2で工程aについて記載された操作に従って、10b(13.3g、49.8ミリモル)から10c(15g、87%の収率)を得た。
工程c:
THF(100ml)中のtert-ブチルジメチルシラノール(3.0g、22.7ミリモル)の溶液に、NaH(620mg、25.8ミリモル)を添加した。30分後、化合物10c(3.5g、10.1ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を添加し、その混合物をEt2Oで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、9.5/0.5)により精製して所望の中間体をガムとして得た。この化合物をジオキサン(30ml)及び水(10ml)中の4NのHCl溶液に溶解した。4時間後、その反応混合物を減圧下で濃縮した。EtOAcに溶解した残渣を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、1/1)により精製して10d(246mg、14%の収率)を得た。
工程d:
THF(250ml)中の10d(2.8g、16.6ミリモル)及び10%のPd/C(330mg)の混合物を1時間にわたって水素(1気圧)のもとに撹拌した。触媒をケイソウ土による濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、5/5〜3/7)により精製して相当するアニリン(273mg、12%の収率)を得た。THF(200ml)中のこのアニリン(270mg、1.93ミリモル)の溶液に、Et3N(0.62ml、4.45ミリモル)、続いてトルエン中の20%のホスゲン溶液(1.1ml)を添加した。16時間後に、水を反応混合物に添加し、その混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を1NのHCl水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、6/4)により精製して10e(110mg、34%の収率)を得た。
工程e:
実施例2で工程dについて記載された操作に従って、フェノール10eから化合物126(55mg、45%の収率)を白色の固体として得た。
工程f:
NaH(3.1mg、0.12ミリモル)をTHF(5ml)及びDMF(1ml)中の化合物126(38mg、0.08ミリモル)の溶液に添加した。10分後、メチルブロモアセテート(10μL、0.10ミリモル)を添加した。1時間後、その反応混合物をEtOAcで希釈した。得られる溶液を1NのHCl水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。THF(6ml)、MeOH(2ml)及び水(2ml)中の残渣及び1.0NのLiOH溶液(0.1ml)の溶液を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を1NのHCl溶液で酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をTFA(0.06%)を含むMeCN/H2Oの勾配を使用する逆相HPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm、5μ、120Å)により精製して化合物128(12mg、28%の収率)を白色の固体として得た。
実施例11:(エントリー129)
5,11-ジヒドロ-8-{2-{{2,3-ジヒドロ-2-(1,1-ジメチルエチル)-3-オキソ-1,2-ベンゾイソオキサゾール-5-イル}オキシ}エチル}-2-フルオロ-11-エチル-4-メチル-6H-ジピリド〔3,2-b:2',3'-e〕〔1,4〕ジアゼピン-6-オン











Figure 2006515312
工程a:
実施例2で工程cについて記載された操作に従って、11a(230mg、1.04ミリモル)(Tetrahedron Lett. 2000, 41, 2295に記載された操作に従って調製した)からフェノール11b(155mg、72%の収率)を淡黄色の固体として得た。
工程b:
実施例2で工程dについて記載された操作に従って、フェノール11b(78.6mg、0.36ミリモル)及びアルコール11c(80mg、0.25ミリモル)から化合物129(39mg、30%の収率)を白色の固体として得た。



















Figure 2006515312


Figure 2006515312


Figure 2006515312


Figure 2006515312


Figure 2006515312
逆転写酵素(RT)アッセイ及び細胞をベースとするアッセイ
これらのアッセイはWO 01/96338A1に記載されており、その内容が参考として本明細書に含まれる。
結果を表2中にIC50(nM)及びEC50(nM)としてリストする。
表2
Figure 2006515312



表2続き
Figure 2006515312
表の記号の説明:
IC50(nM) A=>100nM; B=100-50nM; C=<50nM
EC50(nM) A>50nM; B=10-50nM; C<10nM; NT=試験せず

Claims (15)

  1. 式Iにより表される化合物、又はその医薬上許される塩、もしくはプロドラッグ。
    Figure 2006515312
    〔式中、
    R1はH、ハロゲン、(C1-4)アルキル、O(C1-6)アルキル、及びハロアルキルからなる群から選ばれ、
    R2はH又は(C1-4)アルキルであり、
    R3はH又は(C1-4)アルキルであり、
    R4は(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキル(C3-7)シクロアルキル、又は(C3-7)シクロアルキルであり、かつ
    QはO及びNから選ばれた1個又は2個のヘテロ原子を有する縮合フェニル5員又は6員飽和複素環であり、前記Qは
    a)
    Figure 2006515312
    (式中、
    E及びGの一つはC(O)であり、その他はNR5(式中、R5はH、ヒドロキシ及び未置換又はピリジニルメチル、(ピリジニル-N-オキサイド)メチルもしくはC(O)OR6(式中、R6はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルからなる群から選ばれる)であり、かつ夫々のR7は独立にH、Me又はEtである)、又は
    b)
    Figure 2006515312
    (式中、
    EはNR8(式中、R8はH、未置換又はC(O)OR9(式中、R9はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
    c)
    Figure 2006515312
    (式中、
    D及びGはNR10(式中、夫々のR10は独立にH又は未置換もしくはC(O)OR11(式中、R11はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
    d)
    Figure 2006515312
    (式中、
    L、M、Y及びZの一つはNR12(式中、R12はH、未置換又はC(O)OR12x(式中、R12xはH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、NR12に隣接するL、M、Y及びZの残りの位置の一つはC(O)であり、かつ残りの二つの位置は夫々CR13R13(式中、夫々のR13は独立にH、Me又はEtである)である)、又は
    e)
    Figure 2006515312
    (式中、
    L、M、Y及びZの三つの隣接する位置(即ち、L-M-Y又はM-Y-Z)はNR14-C(O)-O-又は-NR15-C(O)-NR16-(式中、R14、R15及びR16は夫々H又は未置換もしくはC(O)OR17(式中、R17はH又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルを表す)を表し、かつL、又はZの残りの位置はCR18R18(式中、夫々のR18はH、Me又はEtである)である)
    からなる群から選ばれる〕
  2. R1がH、Cl、F、(C1-4)アルキル及びCF3から選ばれ、R2及びR3が夫々独立にH又はMeであり、R4がエチル又はシクロプロピルであり、かつ
    Qが
    Figure 2006515312
    (式中、R5はH、ヒドロキシ、CH3又は(4-ピリジニル)メチルである)、
    Figure 2006515312
    (式中、R12はH、Me又はCH2C(O)OHである)
    から選ばれ、又は
    Qが
    Figure 2006515312
    (式中、R14はH、Me又はCH2C(O)OHであり、かつ夫々のR18は独立にH又はMeである;R14がH又はCH2C(O)OHであり、かつ夫々のR18がHであることが更に好ましい)、又は
    Figure 2006515312
    (式中、R15はH、Me又はCH2C(O)OHであり、かつR16はH、Me又はCH2C(O)OHである;R15がH又はCH3であり、かつR16がH、CH3又はCH2C(O)OHであることが更に好ましい)
    から更に選ばれる、請求項1記載の化合物。
  3. R1がH、Cl、F又はMeであり、R2がHであり、R3がMeであり、R4がエチルであり、かつQが
    Figure 2006515312
    (式中、R5はH、ヒドロキシ又は(4-ピリジニル)メチルである)
    Figure 2006515312
    (式中、R14はH又はCH2C(O)OHであり、かつ夫々のR18はHである)、又は
    Figure 2006515312
    (式中、R15はH又はCH3であり、かつR16はH、CH3又はCH2C(O)OHである)
    から選ばれる、請求項2記載の化合物。
  4. Qが
    Figure 2006515312
    (式中、R5はH又はヒドロキシである)、
    Figure 2006515312
    から選ばれる、請求項3記載の化合物。
  5. R1がHであり、R2がHであり、R3がMeであり、R4がエチルであり、かつQが
    Figure 2006515312
    から選ばれる、請求項4記載の化合物。
  6. 請求項1記載の式Iの化合物、又はその医薬上許される塩、もしくはプロドラッグ、及び医薬上許される担体を含むことを特徴とする、HIV感染症の治療又は予防のための医薬組成物。
  7. HIV抑制量の請求項1記載の式Iの化合物、又はその医薬上許される塩、もしくはプロドラッグを患者に投与することを特徴とする、HIV感染症の治療又は予防方法。
  8. HIV抑制量の請求項6記載の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、HIV感染症の治療又は予防方法。
  9. 坑レトロウイルス薬と組み合わせて、請求項1記載の式Iの化合物を投与することを特徴とする、HIV感染症の治療又は予防方法。
  10. 請求項1記載の式Iの化合物を出産前の母体に投与することを特徴とする、母体から乳児へのHIV11の周産期伝染の予防方法。
  11. ヒトのHIV感染症の治療又は予防のための薬物の製造のための、請求項1記載の式Iの化合物の使用。
  12. −式2:
    Figure 2006515312
    (式中、R1、R2、R3及びR4は請求項1に定義されたとおりである)
    の化合物を
    a)
    Figure 2006515312
    (式中、
    E及びGの一つはC(O)であり、その他はNR5A(式中、R5AはN保護基、ヒドロキシ又は未置換もしくはピリジルメチル、(ピリジニル-N-オキサイド)メチルもしくはC(O)OR6A(式中、R6Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、かつ夫々のR7は独立にH、Me又はEtである)、
    b)
    Figure 2006515312
    (式中、
    EはNR8A(式中、R8AはN保護基、未置換又はC(O)OR9A(式中、R9Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、又は
    c)
    Figure 2006515312
    (式中、
    D及びGは夫々独立にNR10A(式中、R10AはN保護基又は未置換もしくはC(O)OR11A(式中、R11Aはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)である)、
    d)
    Figure 2006515312
    (式中、
    L、M、Y及びZの一つはNR12A(式中、NR12AはN保護基、未置換又はC(O)OR12y(式中、R12yはカルボキシ保護基又は(C1-4)アルキルである)で置換された(C1-4)アルキルである)であり、NR12Aに隣接するL、M、Y及びZの残りの位置の一つはC(O)であり、かつ残りの二つの位置は夫々CR13R13(式中、夫々のR13は独立にH、Me又はEtである)である)、又は
    e)
    Figure 2006515312
    (式中、
    L、M、Y及びZの三つの隣接する位置(即ち、L-M-Y又はM-Y-Z)は-NR14-C(O)-O-又は-NR15-C(O)-NR16-(式中、R14、R15及びR16は請求項1に定義されたとおりである)を表し、かつL又はZの残りの位置はCR18R18(式中、夫々のR18は請求項1に定義されたとおりである)である)
    から選ばれたフェノール誘導体とカップリングする工程、そして、必要により、
    −補助溶媒中の水性塩基又は水性酸の混合物中で保護基を除去して、式Iの相当する化合物を得る工程
    を含むことを特徴とする、請求項1記載の式Iの化合物の製造方法。
  13. 前記N保護基がアルキルエステル、アラルキルエステル、及び温和な塩基処理又は温和な還元手段により開裂し得るエステルからなる群から選ばれる、請求項12記載の方法。
  14. 前記カルボキシ保護基がBoc(tert-ブチルオキシカルボニル)及びアルキルカルバメートからなる群から選ばれる、請求項12記載の方法。
  15. HIV感染症の治療又は予防における使用のための医薬製剤であって、活性成分が請求項1記載の式1の化合物、又はその医薬上許される塩、エステルもしくはプロドラッグであることを特徴とする医薬製剤。
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