JP4148780B2 - 非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤 - Google Patents

非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、新規な化合物及びその医薬的に許容しうる塩、HIV感染症の治療又は予防のための単独で又は他の治療剤と組合わせた使用、及びNNRTI耐性変異体に対して活性な化合物を含む医薬組成物に関する。
(発明の背景)
後天性免疫不全症候群(AIDS)として知られる疾患は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、特にHIV-1として知られる株に起因する。HIVがホスト細胞によって複製されるために、ウイルスゲノムの情報はホスト細胞のDNAに組込まれるにちがいない。しかしながら、HIVは、遺伝情報がRNAの形であることを意味するレトロウイルスである。それ故、HIV複製サイクルにはウイルスゲノム(RNA)をDNAに転写するステップが必要であり、因子の正常鎖が逆転する。逆転写酵素(RT)と適切に呼ばれている酵素によって、ウイルスRNAのDNAへの転写が達成される。HIVビリオンには、 ウイルスRNAとともにRTのコピーが含まれている。
逆転写酵素は3つの酵素機能が知られ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用するものである。RNA依存性DNAポリメラーゼとして作用すると、RTはウイルスRNAの一本鎖DNAコピーを転写する。リボヌクレアーゼとして作用すると、RTはもとのウイルスRNAを破壊し、もとのRNAから作製されるDNAだけを含まない。更に、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用すると、RTは鋳型として第一DNA鎖を用いて第二相補的DNAを作成する。これらの2つの鎖が二本鎖DNAを形成し、インテグラーゼと呼ばれる他の酵素によってホスト細胞のゲノムに組込まれる。
HIV-1逆転写酵素の酵素機能を阻害する化合物は、感染細胞においてHIV-1の複製を阻害する。そのような化合物は、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ又はアバカビルのような既知のRT阻害剤によって示されるようにヒトにおけるHIV-1感染症の予防又は治療に有効であるので、主要な薬剤はAIDSの治療のための使用にかなり承認されている。
抗ウイルス治療におけるように、AIDS治療にRT阻害剤を用いることによりついにはある薬剤に感受性の低いウイルスが生じる。これらの薬剤に対する耐性(低感受性)は、pol遺伝子の逆転写酵素セグメントに生じる突然変異の結果である。HIVのいくつかの変異株は確認されており、既知の治療剤に対する耐性はRT遺伝子における突然変異によるものと考えられる。臨床的に更に一般に見出される変異体の1つはY181C変異体であり、コドン181のチロシン(Y)はシステイン(C)残基に変異したものである。既知の抗ウイルス剤を用いて治療中にしばしば出現する他の変異体としては、単一変異体K103N、V106A、G190A、Y188C、又はP236L、又は二重変異体K103N/Y181C、K103N/P225H、K103N/V108I又はK103N/L100Iが含まれる。
HIV感染症の治療と予防において抗ウイルス剤の使用が続くにつれて、新たな耐性菌の出現が増加することが予想される。それ故、種々の耐性変異体に対して有効な異なるパターンをもつ新規なRT阻害剤が継続して求められている。
HIV-1阻害剤である三環構造を有する化合物が米国特許第5,366,972号に記載されている。HIV-1逆転写酵素の他の阻害剤は、Hargrave et al., J. Med Chem., 34, 2231 (1991), Cywin et al., J. Med. Chem., 41, 2972 (1998)やKlunder et al., J. Med. Chem., 41, 2960 (1998)に記載されている。
米国特許第5,705,499号には、RT阻害剤として8-アリールアルキル-及び8-アリールヘテロアルキル-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-B:2',3'-E][1,4]ジアゼピンが提案されている。
国際出願第01/96338A1号には、RT阻害剤としてキノリン及びキノリン-N-オキシド置換基を有するベンゾジアゼピンが開示されている。例示された化合物は、HIV WT、単一変異株、二重変異株に対して活性を有する。
(発明の要約)
HIV-1 RTの野生型(WT)や二重変異株、特に二重変異K103N/Y181Cの強力な阻害剤である新規なスルタム含有化合物を提供する。
本発明の第一態様によれば、下記式を有する化合物、又はその塩又はプロドラッグが提供される。
Figure 0004148780
(式中、Aは(C1-3)アルキルの結合鎖であり;
BはO又はSであり;
R1はH、(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、又はOR1aであり、ここで、R1aはH又は(C1-6)アルキルである;
R2はH又はMeであり;
R3はH又はMeであり;
R4はH、(C1-4)アルキル、(C3-4)シクロアルキル及び(C1-4)アルキル-(C3-7)シクロアルキルからなる群より選ばれ;
Wは
Figure 0004148780
より選ばれ、
ここで、a) Yの一方はSO2であり、もう一方のYはNR5であるが、両方が同じではなく、ここで、R5はH、(C1-6)アルキル、及び(C3-6)シクロアルキルからなる群より選ばれ、前記アルキルは
(i) (C3-6シクロアルキル);
(ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5b はH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
(iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環である;
(v) OCONR5dR5e、ここで、R5dとR5eは共にHであり; 又はR5dがHであり、R5eが(C1-6)アルキルでもある;
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
(vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C3-7)シクロアルキルでもあり、前記アルキルと前記シクロアルキルはCOOR5i、ここで、R5iはH及び(C1-6)アルキルからなる群より選ばれる; 又はCONHNH2; 又はOH又は(C1-6)アルコキシ; 又は(C6-10)アリール; 又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個
を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
R5hはNR5jR5kでもあり、ここで、R5jとR5kは共にHであり; 又はR5jがHであり、R5kがCH2CF3でもある;
R5hはO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環でもある;
(viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(ix) SO2R5m、ここで、R5mは(C1-6)アルキル又はNH2である; 及び
(x) SO3H、
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、OH、(C1-6)アルコキシ、又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい; 又は
COCH2NR5rR5s、ここで、R5rとR5sはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
でもある、
R8の各々は独立してH、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、又は(C1-4)アルキル-(C3-6)シクロアルキルである;
b) EはCR8aR8bであり、ここで、R8aとR8bはH、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、又は(C1-4)アルキル-(C3-6)シクロアルキルである、Jは CH2であり; JはCR8aR8bでもあり、ここで、R8aとR8bは上で定義した通りである、EはCH2であり、ここで、点線は単結合である;
c) EはC(O)であり、JはCR8aR8bであり、ここで、R8aとR8bは上記の通りである; JはC(O)でもあり、EはCR8aR8bでもあり、R8aとR8bは上記の通りであり、ここで、点線は単結合である;
d) EとJは共にCR8であり、ここで、R8は上記の通りであり、ここで、点線は二重結合である。)
また、本発明の第一態様によれば、R5はH、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキルからなる群より選ばれ、
前記アルキルは
(i) (C3-6シクロアルキル);
(iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
(iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキルである;
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
(vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C1-6)アルキルでもあり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよい、
R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキルである;
COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、OH、(C1-6)アルコキシ、又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい; 又は
COCH2NR5rR5s、ここで、R5rとR5sはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい。
本発明の第二態様によれば、HIV感染症の治療用又は予防用薬剤を製造するための本明細書に記載される式Iの化合物の使用が提供される。
本発明の第三態様によれば、抗HIV感染剤として本明細書に記載される式Iの化合物の使用が提供される。
本発明の第四態様によれば、本明細書に記載される式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩と、薬学的に許容しうる担体とを含む、HIV感染症の治療用又は予防用医薬組成物が提供される。
本発明の第五態様によれば、HIV感染症を治療又は予防するための抗レトロウイルス剤と組合わせた式Iの化合物の使用が提供される。
本発明の第六態様によれば、母体から子供へのHIV-1の母子感染を予防するための式Iの化合物の使用であって、出産前の母体に前記化合物を投与することによる、前記使用が提供される。
本発明の第七態様によれば、下記式I:
Figure 0004148780
(式中、A、R1、R2、R3、R4及びWは本明細書に記載された通りである。)
を有する化合物の製造方法であって、
a) 共溶媒中の塩基水溶液又は酸水溶液の混合液中で下記式:
Figure 0004148780
(式中、Yの一方はSO2であり、もう一方のYはN-PGであり、ここで、PGは弱い酸性、アルカリ性又は還元条件下で除去できるアミノ保護基である。)
から保護基(PG)を除去して式I(式中、E、J及びR8は本明細書に記載された通りである。)の化合物を製造する工程を含む、前記方法が提供される。
本発明の第8態様によれば、下記式:
Figure 0004148780
(式中、A、R1、R2、R3、R4及びWは本明細書に記載される通りである。)
を有する化合物の製造方法であって、
下記式2
Figure 0004148780
(式中、A、R1、R2、R3、及びR4は本明細書に記載される通りである。)
を有する化合物と下記式:
Figure 0004148780
(式中、PGは弱い酸性、アルカリ性又は還元条件下で除去できる窒素保護基であり; R5とR8は本明細書に記載される通りである。)
より選ばれたスルタム又はサッカリンとをカップリングして式Iの化合物を製造する工程を含む、前記方法が提供される。
(発明の詳細な説明)
特にことわらない限り次のように定義される。
本明細書に用いられる“(C1-3)アルキル”、“(C1-4)アルキル”又は“(C1-6)アルキル”という用語は、単独で又は他の基と組合わせてそれぞれ炭素原子3個、4個、6個までを有する非環式アルキル基を意味するものである。そのような基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチルが挙げられる。
本明細書に用いられる“(C3-7)シクロアルキル”という用語は、単独で又は他の基と組合わせて炭素原子3〜7個を有するシクロアルキル基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書に用いられる“(C6-10)アリール”は、単独で又は他の基と組合わせて炭素原子6〜10個を有する芳香族基、例えば、フェニルを意味する。
本明細書に用いられる“(C1-6)アルコキシ”という用語は、単独で又は他の基と組合わせてO(C1-6アルキル)基を意味し、ここで、アルキルは上記で定義した通りであり、炭素原子6個までを有する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、トキシ又は1,1-ジメチルエトキシが挙げられる。
本明細書に用いられる“複素環”又は“Het”は、単独で又は他の基と組合わせて窒素、酸素及びイオウより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環から水素を除去することにより誘導された一価基を意味する。更に、本明細書に用いられる“Het”は、上で定義した通りの複素環であり、複素環又は他の環である1つ以上の他の環と縮合されている。複素環は置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、ハロゲン、アミン、ヒドラジン又はN-オキシドが挙げられるがこれらに限定されない。適切な複素環の例としては、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チアゾリジン、ピロール、チオフェン、ジアゼピン、1H-イミダゾール、イソキサゾール、チアゾール、テトラゾール、ピペリジン、1,4-ジオキサン、4-モルホリン、ピリジン、ピリミジン、チアゾロ[4,5-b]ピリジン、キノリン、又はインドール、又は次の複素環:
Figure 0004148780
が挙げられる。
本明細書に用いられる“ハロ”という用語は、ハロゲン原子を意味し、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が含まれる。
本明細書に用いられる“HIV複製阻害剤”は、RNA鋳型からDNAコピーを複製するHIV-1逆転写酵素の能力がかなり低下する又は実質的に除去されることを意味する。
本明細書に用いられる“単一又は二重変異株”は、WT HIV-1株内に存在する1つ又は2つのアミノ酸残基がWT株には見られない残基によって置換されていることを意味する。例えば、単一変異体Y181Cは、残基181のチロシンがシステイン残基によって置換される部位特異的変異導入により調製される。同様に、二重変異体K103N/Y181Cについては、残基103のリシンがアスパラギン残基に置き換えられ、残基181のチロシンシステイン残基に置き換えられている。
本明細書に用いられる“薬学的に許容しうる塩”という用語は、薬学的に許容しうる塩基から得られかつ非毒性であるものが含まれる。適切な塩基の例としては、コリン、エタノールアミン又はエチレンジアミンが挙げられる。Na+、K+、又はCa++塩も本発明の範囲内であるように企図される(又はPharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19を参照のこと、この文献の記載は本願明細書に含まれるものとする)。
本明細書に用いられる“窒素保護基”という用語は、合成手順中の望ましくない反応に対して窒素原子を保護できる基を意味する(“Protective Groups in Organic Synthesis”, Theodora W. Greene and Peter G.M. Wuts, 3rd edit., 1999を参照のこと)。
本明細書に用いられる“プロドラッグ”という用語は、薬理学的に許容しうる誘導体を意味し、誘導体から生じた生体内変換生成物は式Iの化合物に定義されるよう活性薬剤である。そのような誘導体の例としては、エステルやアミドが挙げられるがこれらに限定されない(Goodman and Gilman in The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed., McGraw-Hill, Int. Ed. 1995,“Biotransformation of Drugs”, p 11-16を参照のこと、この文献の記載は本願明細書に含まれているものとする)。
(好適実施態様)
本発明の第一実施態様によれば、好ましくは化合物は下記式を有する。
Figure 0004148780
好ましくは、R1はH、(C1-6)アルキル、ハロ又はCF3である。更に好ましくは、R1はH、(C1-6)アルキル又はFである。なお更に好ましくは、R1はH、メチル又はFである。最も好ましくは、R1はH又はFである。
好ましくは、R2はH又はMeである。更に好ましくは、R2はHである。
好ましくは、R3はH又はMeである。更に好ましくは、R3はCH3である。
好ましくは、R4はH、(C1-4)アルキル及び(C3-4)シクロアルキルより選ばれる。更に好ましくは、R4は(C1-4)アルキル及び(C3-4)シクロアルキルである。なお更に好ましくは、R4はEt又はシクロプロピルである。最も好ましくは、R4はEtである。
好ましくは、Wは
Figure 0004148780
である。
好ましくは、Yの一方はSO2であり、もう一方のYはNR5であるが、共に同じではない。
好ましくは、EはCR8aR8bであり、ここで、R8aとR8bはH、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、又は(C1-4)アルキル-(C3-6)シクロアルキルであり、JはCH2であり; JはCR8aR8bでもあり、ここで、R8aとR8bは上で定義した通りである、EはCH2でもある、ここで、点線は単結合である。
好ましくは、EとJは共にCR8であり、ここで、R8は本明細書に記載された通りであり、ここで、点線は二重結合である。
好ましくは、R5はH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
前記アルキルは
(i) (C3-6シクロアルキル);
(ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
(iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環である;
(v) OCONR5dR5e、ここで、R5dとR5eは共にHであり; 又はR5dがHであり、R5eが(C1-6)アルキルでもある;
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
(vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C3-7)シクロアルキルでもあり、前記アルキルと前記シクロアルキルはCOOR5i、ここで、R5iはH及び(C1-6)アルキルからなる群より選ばれる; 又はCONHNH2で置換されていてもよい;
R5hはNH2又はNHCH2CF3でもある;
R5hはO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環でもある;
(viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(ix) SO2R5m、ここで、R5mは(C1-6)アルキル又はNH2である; 及び
(x) SO3H、
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、(C1-6)アルキル、OH又は(C1-6)アルコキシである;
でもある。
更に好ましくは、R5はH又は(C1-6)アルキルであり、
前記アルキルは
(i) (C3-6シクロアルキル);
(ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
(iv) OH;
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
(vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hは共にHであり; 又はR5gがHであり、R5hがNH2でもある; 及び
(viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qは(C1-6)アルキル、又は(C1-6)アルコキシである;
でもある。
最も好ましくは、R5はH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、前記アルキルはCOOHで置換されていてもよい。
好ましくは、R8は各々独立してH、(C1-4)アルキルである。更に好ましくは、R8の各々はH又はCH3である。最も好ましくは、R8の各々はHである。
好ましくは、Wは




Figure 0004148780
I(b)
(式中、R5は、好ましくはH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
前記アルキルが
(i) (C3-6)シクロアルキル;
(ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(iv) OH;及び
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよい、
R5はCOOR5oでもあり、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである。)
である。
更に好ましくは、R5はH、CH3、CH3CH2
Figure 0004148780
からなる群より選ばれる。
最も好ましくは、R5はH、CH3、CH3CH2
Figure 0004148780
からなる群より選ばれる。
好ましくは、R5fはHである。
好ましくは、R5oは(C1-6)アルキルである。更に好ましくは、R5oはエチルである。
好ましくは、Wは

Figure 0004148780
I(c)
(式中、R5はH、(C1-6)アルキルであり、好ましくは、R8の各々はH又はCH3である。最も好ましくは、R5はH又はCH3である。
好ましくは、Wは
Figure 0004148780
I(d)
(式中、好ましくは、R8の各々はH又はCH3である。)
である。
好ましくは、Wは
Figure 0004148780
I(f)
である。
また、好ましくは、Wは



Figure 0004148780
I(g)
(式中、好ましくはR5はH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
前記アルキルは
(ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
(iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
(iv) OH又は(C 1-6 )アルコキシである;
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
(vii) CONH2; 及び
(viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい; 又は
CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、(C1-6)アルキル、OH、又は(C1-6)アルコキシである、でもある。
好ましくは、R5
Figure 0004148780
からなる群より選ばれる。
また、好ましくは、R5






Figure 0004148780
からなる群より選ばれる。
好ましくは、R5aとR5bは共に(C1-6)アルキルである。更に好ましくは、R5aとR5bは共にエチルである。
好ましくは、R5はOHである。
好ましくは、R5fはH又はメチルである。
好ましくは、R5l
Figure 0004148780
である。
好ましくは、R5pとR5qは共に(C1-6)アルキルである。更に好ましくは、R5pとR5qは共にエチルである。
また好ましくは、R5pが(C1-6)アルキルである場合には、R5qはOH又は(C1-6)アルコキシである。更に好ましくは、R5pはメチルであり、R5qは(C1-6)アルコキシである。
好ましくは、R5qはOCH3である。
好ましくは、Wは
Figure 0004148780
I(h)
(式中、好ましくは、R5はH、(C1-6)アルキルであり、ここで、前記アルキルは
(vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである; 及び
(vii) CONHNH2
からなる群より選ばれた置換基で置換されている。)
である。
好ましくは、R5は(CH2)3COOH又は(CH2)3CONHNH2である。
好ましくは、Wは
Figure 0004148780
I(i)
(式中、好ましくは、R5はH、(C1-6)アルキル及び(CH2)3COOHからなる群より選ばれる。
更に好ましくは、R5はH又はCH3である。
好ましくは、本発明の化合物は下記式:
Figure 0004148780
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記の通りである。)
を有する。
また好ましくは、本発明の化合物は下記式:
Figure 0004148780
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記の通りである)
を有する。
また好ましくは、本発明の化合物は下記式:





Figure 0004148780
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は上記の通りである。)
を有する。
また好ましくは、本発明の化合物は下記式:
Figure 0004148780
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は上記の通りである。)
を有する。
また好ましくは、本発明の化合物は下記式:
Figure 0004148780
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は上記の通りである。)
を有する。
個々の実施態様
表1〜8に示される式Iの化合物はすべて本発明の範囲内に包含される。
式Iの化合物は、野生型HIVの有効な阻害剤であり、二重変異酵素K103N/Y181Cを阻害する。本発明の化合物は、また、単一変異酵素V106A、Y188L、K103N、Y181C、P236L、G190Aを阻害することができる。本化合物は、また、K103N/P225H、K103N/V108I、K103N/L100Iを含む他の二重変異酵素を阻害することができる。
式Iの化合物は、HIV-1複製に対して阻害活性を有する。適切な剤形で投与する場合には、AIDS、ARC、HIV-1感染に随伴する関連疾患の治療に有効である。それ故、本発明の他の態様は、HIV-1感染症の治療方法であって、上記の式Iの新規な化合物の治療的に有効な量をHIV-1を感染したヒトに投与する段階を含む、前記方法である。治療と呼ばれるにしても予防と呼ばれるにしても、これらの化合物はHIV-1の母子感染を予防するために出産前の母体に投与することにより用いることができる。
式Iの化合物は、経口、非経口又は局所経路により1回に又は分割して投与することができる。式Iの化合物に適切な経口用量は、1日約0.5 mg〜1 gの範囲にある。式Iの化合物に好ましい経口用量は、70 kgの体重の患者に対して1日約100 mg〜800 mgの範囲にある。非経口製剤においては、適切な用量単位は、0.1〜250 mgの前記化合物、好ましくは1 mg〜200 mgを含有することができるが、局所投与においては、0.01〜1%の活性成分を含有する製剤が好ましい。しかしながら、個々の患者の用量投与が変動することは理解されなけらばならない。具体的な患者の用量は、患者の大きさや状態に適切な用量を決める基準として用いる医師の判断や薬剤に対する患者の反応に左右される。
本発明の化合物が経口経路で投与されるべきである場合には、適合できる医薬担体材料と共に含有する医薬製剤の形で薬剤として投与することができる。そのような担体材料は、経口投与に適した不活性有機担体又は無機担体であり得る。そのような担体材料の例は、水、ゼラチン、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレン-グリコール、黄色ワセリン等である。
式Iの化合物、個体においてHIV感染症を治療又は予防する同時投与、個別投与又は連続投与に用いられる併用製剤として当業者に既知の抗レトロウイルス剤と組合わせて使用し得る。併用治療において式Iの化合物と用いることができる抗ウイルス剤の例としては、NRTI (例えば、AZT)、NNRTI (例えば、ネビラピン)、TIBO (テトラヒドロイミダゾ[4,5,1-jk][1,4]ベンゾジアゼピン-2(1H)-オン及び-チオン)型の化合物、α-APA (α-アニリノフェニルアセトアミド)型の化合物、TAT阻害剤、プロテアーゼインヒビター(例えば、リタノビル)、又は免疫調節剤 (例えば、レバミゾール)が挙げられるがこれらに限定されない。更に、式Iの化合物は式Iの他の化合物とも使用し得る。
医薬製剤は慣用の方法で調製することができ、最終剤形は固体剤形、例えば、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤等、又は液体剤形、例えば、液剤、懸濁液剤、乳剤等であり得る。医薬製剤は、滅菌法のような慣用の医薬操作に供することができる。更に、医薬製剤は慣用の補助剤、例えば、防腐剤、安定剤、乳化剤、香味向上剤、湿潤剤、緩衝剤、浸透圧を変えるための塩等を含有することができる。使用し得る固体担体としては、例えば、デンプン、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、ミクロクリスタリンセルロース、タルク、シリカ、二塩基性リン酸カルシウム、又は高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられる。
非経口使用の場合、式Iの化合物は水溶液又は非水溶液、医薬的に許容し得る油中の懸濁液又は乳濁液又は液体の混合液中で投与することができ、菌剤、抗酸化剤、防腐剤、緩衝剤又は溶液を血液と等張にする他の溶質、濃厚化剤、沈殿防止剤又は他の薬学的に許容しうる添加剤を含有することができる。この種の添加剤としては、例えば、酒石酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、錯体形成剤(例えば、EDTA)、抗酸化剤(例えば、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はアスコルビン酸)、粘度調節用高分子量ポリマー(例えば、液体ポリエチレンオキシド)又はソルビトール無水物のポリエチレン誘導体が挙げられる。必要な場合には、安息香酸、メチル又はプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム又は他の第四級アンモニウム化合物のような防腐剤を添加することができる。
本発明の化合物は、また、経鼻適用の溶液として投与することができ、本発明の化合物のほかに適切な緩衝剤、張性調整剤、微生物防腐剤、抗酸化剤又は増粘剤を水性賦形剤中に含有することができる。粘度を上げるために用いられる物質の例は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート又はグリセリンである。添加される微生物防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール又はフェニルエチルアルコールを含むことができる。
更に、本発明によって提供される化合物は坐薬で投与することもできる。
方法と合成
スキームIに示される一般方法に従って本発明の化合物を合成した(ここで、PGは窒素保護基であり、R1、R2、R3、及びR4は前に定義した通りである)。
スキーム 1: スルタムの導入
Figure 0004148780
概要としては、パラジウム仲介交差カップリングにより後述されるように合成した8-ブロモベンゾジアゼピン1(i)とアリルスズ試薬1(ii)とを非プロトン性溶媒(例えば、DMF)中触媒の存在下に縮合するとC-8置換基1(iii)が形成される。二重結合の酸化 (例えば、オゾニドを生成するオゾン分解により)、続いて還元によってC-8ヒドロキシエチル置換基1(iv)が生成する。適切に保護されたスルタム1(v)と1(iv)とを縮合すると保護中間体(vii)が生成する。次に保護基(PG)は1(vii)から弱い酸性又はアルカリ性条件下で除去することができ式Iの化合物を得る。また、保護基を除去した後、塩基を用い、続いてR 5 -Xとの反応によりR 5 導入することができ、ここで、Xはハロゲン又は他の適切な脱離基である。
他の代替的経路を用いることもでき、R5含有スルタム1(vi)と1(iv)とを縮合して式Iの化合物を得る。
C-8置換基を導入する他の方法は、当業者に既知である。そのような方法の例としては、C-8位のビニル化に続ハイドロボレーションが挙げられ、C-8ヒドロキシエチルベンゾジアゼピンを得る。他の例は、適切に置換された芳香族スルタムとのS N AR反応である。
スキーム 2: スルタムの代替的導入
Figure 0004148780
スキーム2に示される化学は、実質的に上記スキーム1に記載されたものと同じである。違いはビニル化中間体2(ii)を得るためにビニルスズ試薬2(i)を用いることである。
スルタムの合成
本発明の5又は6員スルタム環の合成は技術的に認識された化学を用いる。下記スキーム3〜5は、本発明のスルタム環を調製するために用いられる方法を示すものである。
スキーム 3: 5員スルタムの調製
Figure 0004148780
概要としては、市販のブロモ化合物3(i)をスルホニル化し、ニトロ基を還元(例えば、水素添加)してアニリン中間体3(ii)を得る。アルカリ性条件で環化すると スルタム3(iii)を得る。スルタム3(iii)のスルホンアミド基を保護するとスルタム3(iv)が得られ、その後、OH基をアンマスキングするとスルタム3(v)が生成し、これを用いて式Iの化合物を合成する。また、塩基仲介付加反応によりR5を 3(iii)に導入して3(vi)を得ることができ、OH基をアンマスキングした後、本発明の化合物を生成するために用いることができる。
スキーム 4: 5員スルタムの代替的合成
Figure 0004148780
一般的には、サッカリン4(i) (Lombardino, J.G., J. Org. Chem., 1971, 1843)を還元してスルタム4(ii)を得る。OH基を上記スキーム3のようにアンマスキングすると4(iii)が得られ、その後、R5を付加して4(iv)を得る。また、サッカリン4(i)をアルキル化してスルタム4(vii)を得、次にOH基をアンマスキングして4(viii)を得ることができ、R5がHでない化合物については、R5を導入して4(viii)を得ることができる。更に、4(i)のOH基をアンマスキングし、続いてR5を導入して4(vi)を得ることができる。次に、スルタム4(iv)、4(vi)、4(viii)を用いて式Iの化合物を合成することができる。
スキーム 5: 6員スルタムへの合成経路



















Figure 0004148780
上記スキームはBlondet, D.; Pascal, J.-C. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 2911によって開示されたものを修正したものである。
スキーム 6: R2がMeである中間体の調製













Figure 0004148780
スキーム 7: R3がMeである中間体の調製
Figure 0004148780
スキーム7の順序は、V.M. Klunder et al.; J. Med. Chem. 1998, 41, 2960-71, and C.L. Cywin et al.; J. Med. Chem. 1998, 41, 2972-84に記載されたものと同様である。
スキーム 8: R2がMeである化合物への代替的経路
Figure 0004148780
スキーム 9: R1がMeである中間体の調製
Figure 0004148780
上述したように、本発明によって提供され化合物はHIV-1 RTの酵素活性を阻害する。
下記のこれらの化合物の試験に基づいて、これらの化合物がHIV-1 RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害することが分かる。当業者は、また、本発明の化合物がHIV-1 RTのDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害することができることも認識するであろう。下記逆転写酵素(RT)分析を用いて、化合物についてHIV-1 RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害する能力を試験することができる。下に出てくる実施例に記載される個々の化合物もそのように試験した。この試験の結果はIC50(nM)とEC50 (nM)として表9に出てくる。
実施例
次の制限されない実施例によって本発明を更に詳細に示す。反応はすべて窒素又はアルゴン雰囲気中で行った。温度は摂氏度で示す。溶液%又は割合は、特にことわらない限り容量/容量で表される。
本明細書に用いられる略号又は記号には下記のものが含まれる。
DEAD: ジエチルアゾジカルボキシレート;
DIAD: ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA: ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP: 4-(ジメチルアミノ)ピリジン;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
DMF: ジメチルホルムアミド;
ES MS: 電子スプレー質量分析法;
Et: エチル;
EtOAc: 酢酸エチル ;
Et2O: ジエチルエーテル;
HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー;
iPr: イソプロピル
Me: メチル;
MeOH: メタノール;
MeCN: アセトニトリル;
NBS: N-ブロモスクシンイミド
Ph: フェニル;
TBE: トリス-ホウ酸塩-EDTA;
TBTU: 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N, N, N', N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;
TFA: トリフルオロ酢酸;
THF: テトラヒドロフラン;
MS (ES): 電子スプレー質量分析法;
MS (FAB)又はFAB/MS: 高速原子衝撃質量分析法;
HRMS: 高分解能質量分析法;
PFU: プラーク形成単位;
DEPC: ジエチルピロカーボネート;
DMSO: ジメチルスルホキシド
DTT: ジチオトレイトール
EDTA: エチレンジアミン四酢酸塩
UMP: ウリジン5'-一リン酸
UTP: ウリジン5'-三リン酸
合成
下記実施例は、本発明の化合物を調製する方法を示すものである。
実施例 1 (化合物122と化合物101)
Figure 0004148780
a) ナトリウム(2-アミノ-6-メトキシフェニル)メタンスルホネート (1b):
水(10 ml)中の亜硫酸ナトリウム(0.36 g、3.36 ミリモル)の溶液をアセトン(5 ml)中の2-ブロモメチル-1-メトキシ-3-ニトロベンゼン (1) (Beckett, A.H.; Daisley, R.W.; Walker, J. Tetrahedron 1968, 24, 6093) (750 mg、3.05 ミリモル)の溶液に添加した。次に、その溶液を16時間撹拌還流し、周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮した。得られたペースト状物を熱エタノールに溶解し、保温しながらろ過した。母液を氷浴中で冷却し、沈殿した固体を吸引ろ過により集め、減圧下で乾燥して所望の生成物とNaBrを含む白色固形物(1.10 g)を得た。この固形物(100 mg、0.41 ミリモル) の一部をH2O (5ml)中の50% EtOHに溶解し、10%パラジウム/炭素(10 mg)を添加し、得られた混合液を水素雰囲気下で反応がHPLC (90分間)により完結したと判定されるまで撹拌した。混合液をH2O (5 ml)で希釈し、ろ過し、濃縮してアニリン1b (86 mg、収率97%)を得た。
b) 2,2-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-2λ6-ベンゾ[c]イソチアゾール-4-オール(1c): アニリン1b (35 mg、0.16 ミリモル)をPOCl3 (3.0 ml)中で2時間還流した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。氷と水の混合液を注意深く添加し、その溶液を2N NaOHで塩基性にした。その混合液を70℃で10分間加熱し、保温しながらろ過した。ろ液を氷浴中で冷却しながら濃HClで酸性にした。沈殿した生成物を吸引ろかにより集めて所望のスルタム (19 mg、60 %)を得た。
CH2Cl2 (15 ml)中のこの生成物(0.8 g、4.0 ミリモル) の溶液を78℃に冷却した。次に、CH2Cl2 (7.9 ml、32.3 ミリモル)中のBBr3の3.3 M溶液を15分かけて徐々に添加した。
添加を完了した後、反応混合液を4時間かけて室温に温め、次に氷と水の混合液に注意して注いだ。その混合液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をH2Oと食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた固形物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50% EtOAc)で更に精製してスルタムフェノール1c (0.55 g、74 %)を得た。
c) 4-ヒドロキシ-2,2-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-2λ6-ベンゾ[c]イソチアゾール-1-カルボン酸エチルエステル(1d): スルタム 1c (100 mg、0.54 ミリモル)をピリジン(2.5 ml)に溶解し、0℃に冷却した。エチルクロロホメート(62μl、0.65 ミリモル)を添加し、その溶液を室温に温め、16時間熟成した。そのピリジンを減圧下で除去し、反応混合液をEtOAcで希釈し、1.0 N HClで2回、水で1回、食塩水で1回洗浄した。次に、その溶液をMgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して所望のフェノール1d (37 mg、27%)を得た。
また、THF (60 ml)中のスルタム1c (1.75 g、9.45 ミリモル)とEt3N (5.27 ml、37.8 ミリモル)の溶液をエチルクロロホメート (2.71 ml、28.3 ミリモル)で10分間0℃で処理した。得られた懸濁液を周囲温度で2時間撹拌した。次に、水を加え、その混合液をEtOAcで抽出した。有機相を1.0 N HCl、NaHCO3、食塩水で洗浄し、続いてMgSO4で乾燥した。
溶媒を除去した後にベージュ色の固形物(2.54 g、86 %)を得た。THF (80 ml)中25 % EtOH中のこの固形物(2.52 g、8.04 ミリモル)にNH4OH (23 mlの28%溶液、150 ミリモル)を添加し、得られた溶液を90分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30 % EtOAc)で精製して1d (1.41 g、68 %)を得た。
d) 化合物122
THF (2.5 ml)中のフェノール1d (36 mg、0.14 ミリモル)、PPh3 (74 mg、0.28 ミリモル)、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン (42 mg、0.14 ミリモル)の溶液にDEAD (44μl、0.28 ミリモル)を10分間かけて徐々に滴下した。得られた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(60〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して化合物122 (36 mg、48 %)を得た。
e) 化合物101
THF (1.5 ml)中の化合物122 (25 mg、0.047 ミリモル)の溶液にEtOH (3.0 ml)中のアンモニアの2 M溶液を添加した。反応液を16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。その混合液をEtOAcで希釈し、1.0 N HClで2回、水で1回、食塩水で1回洗浄し、MgSO4で乾燥した。ろ過し、溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)処理して化合物101 (8 mg、37%)を得た。
実施例 2 (化合物402)
本化合物は、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オンと5-ヒドロキシ-2,2-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-2λ6-ベンゾ[c]イソチアゾール-1-カルボン酸エチルエステル (2-ブロモメチル-4-メトキシ-1-ニトロベンゼン(Beckett, A.H.; Daisley, R.W.; Walker, J. Tetrahedron 1968, 24, 6093)から上記1dと同様の手順を用いて調製した)から上記化合物101と同様の手順を用いて調製した。
化合物103、104、105、106、109、110、404、及び120: 5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オンとフ
ェノール1dから上記化合物101と同様の手順を用いて調製した。
実施例 3 (化合物107と化合物108)
THF (55μl、0.055 ミリモル)中のNaHMDSの1 M溶液をDMF (1 ml)中の化合物104 (25 mg、0.053 ミリモル)の溶液に添加した。得られた溶液を簡単に撹拌し、次に過剰量のMeIを添加し、更に30分間撹拌を続けた。水を添加し、その混合液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(50 % EtOAc/ヘキサン)、続いてTFA (0.06%)を含有するMeCN/H2Oの勾配を用いた分取用HPLC (CombiPrep ODS-AQ 50×20mm、5μ、120オングストローム)処理して化合物107 (4.7 mg、18 %)と化合物108 (2.9 mg、11 %)を得た。
実施例 4 (化合物111):
DMF (0.5 ml)中の化合物103 (18 mg、0.037 ミリモル)、K2CO3 (57 mg、0.41 ミリモル)、MeI (0.1 ml)の混合液を48時間撹拌した。その混合液をEtOAcで希釈し、水で2回、食塩水で1回洗浄し、MgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(50 % EtOAc/ヘキサン)処理して化合物111を得、CH3CNと水の混合液から凍結乾燥して白色固形物(10 mg、54 %)を得た。
上記化合物111と同様の手順を用いて化合物112、116、117、118、119、121を調製した。
実施例 5 (化合物301と化合物303)
Figure 0004148780
a) 1,1-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[d]イソチアゾール-5-オール (5b): 5-メトキシ-1,1-ジオキソ-1,2-ジヒドロ-1λ6-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン 5a (Lomardino, J.G. J. Org. Chem. 1971, 1843) (1.50 g、7.04 ミリモル)をTHF (75 ml)に溶解し、LiAlH4 (35.2 mlの1.0 M THF溶液、35.2 ミリモル)を加えた。得られた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合液をロッシェル塩の飽和溶液で注意深くクエンチし、EtOAcで希釈し、激しく20分間撹拌した。Celite(登録商標)でろ過し、続いて減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(70〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して白色固形物(0.46 g、33 %)を得た。この固形物(0.38 g、1.91 ミリモル)をCH2Cl2 (10 ml)に溶解し、その溶液を78℃に冷却した。BBr3 (5.46 mlの3.5 M CH2Cl2溶液、19.1 ミリモル)を添加し、冷浴を取り除き、得られた混合液を16時間熟成した。その反応液をH2Oを注意して添加することによりクエンチし、EtOAcで抽出し、有機抽出液をMgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(70〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して所望の物質5b (135 mg、38 %)を得た。
b) 5-ヒドロキシ-1,1-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-1λ6-ベンゾ[d]イソチアゾール-2-カルボン酸エチルエステル(5c):
ピリジン(5.0 ml)に溶解したスルタム 5b (0.10 g、0.54 ミリモル)にエチルクロロホメート(0.51 ml、5.38 ミリモル)を添加した。その反応液を室温で16時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。その混合液を EtOAcで抽出し、1.0 N HClで2回、水で1回、NaHCO3飽和液で1回、食塩水で1回洗浄し、MgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)で精製してビスカルバメート(96 mg、54%)を得た。この物質(63 mg、0.19 ミリモル)をEtOAc (10 ml)中の10% EtOHに溶解し、EtOH中のNH 3 の2.0 M溶液(1.91 ml、3.83 ミリモル)を添加し、その溶液を周囲温度で1時間撹拌した。その反応混合液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)で精製してカルバメート5c (42 mg、68 %)を得た。
c) 化合物301:
カルバメート5c (36 mg、0.14 ミリモル)、PPh3 (72 mg、0.27 ミリモル)、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン(41 mg、0.14 ミリモル)をTHF (2.5 ml)に溶解した。DEAD (43μl、0.27 ミリモル)を徐々に添加し、得られた溶液を18時間熟成した。その反応混合液をEtOAcで希釈し、水で2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた混合液をフラッシュクロマトグラフィー(70〜80 % EtOAc/ヘキサン)で部分的に精製して132 mgの付加物5d (トリフェニルホスフィンオキシドが混入している)を得た。この物質を5:1 EtOH:THF (6 ml)に溶解し、EtOH中のNH3の2.0 M溶液(6.15 ml、12.2 ミリモル) を添加した。16時間撹拌した後、その反応液をEtOAcで希釈し、1.0N NaOHで3回抽出した。水相を濃HClで酸性にし、EtOAcで3回抽出した。MgSO4で乾燥した後、濃縮残留物をフラッシュクロマトグラフィー(70〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して誘導体化合物301 (18 mg、16 %)を得た。
d) 化合物303:
DMF中の化合物301 (8.7 mg、0.02 ミリモル)、K2CO3 (10 mg、0.07 ミリモル)、MeI (3.5μl、0.06 ミリモル)の混合液を室温で撹拌した。2日後、K2CO3 (20 mg)とMeI (50μl)を添加し、撹拌を一晩続けた。その混合液をろ過し、ろ液を濃縮した。分取用TLC (60 % EtOAC/ヘキサン)処理して所望の物質(6.2 mg、69 %)を得、これをCH3CNと水の混合液から凍結乾燥した。
上記化合物301と同様の手順を用いて化合物202、310、223を調製した。
実施例 6 (化合物306と化合物307)




Figure 0004148780
a) 3,3-ジメチル-1,1-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[d]イソチアゾール-5-オール(6a):
サッカリン5a (290 mg、4.08 ミリモル)を少量の活性炭(50 mg)を含むキシレン(10 ml)に溶解した。DMF (2滴)と新たに蒸留したSOCl2 (0.30 ml、4.08 ミリモル)を添加し、得られた混合液を15時間加熱還流した。次に、その溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮してペースト状物を得た。そのペースト状物をTHFに溶解し、次に得られた溶液をMeMgCl(3.0 M MeMgClを含むTHFの溶液1.36 ml、4.08 ミリモル)を含むTHFの溶液(7 ml)に滴下した。得られた溶液を40℃で24時間撹拌した。溶媒を除去した後、フラッシュクロマトグラフィー(40〜60 % EtOAc/ヘキサン)で所望の化合物(124 mg、40%)を得た。78℃におけるCH2Cl2 (50 ml)中のこの物質(100 mg、0.44 ミリモル)の溶液にCH2Cl2中のBBr 3 (2.64 ml、2.64 ミリモル)の1.0 M溶液を添加した。得られた混合液を周囲温度で16時間撹拌した。H2Oを添加することにより注意深くクエンチし、続いてEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。化合物6a (54 mg、58%)をフラッシュクロマトグラフィー(40〜60 % EtOAc/ヘキサン)で得た。
b) 化合物306:
THF (2.5 ml)中のスルタム 6a (50 mg、0.24 ミリモル)、PPh3 (123 mg、0.47 ミリモル)、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン (70 mg、0.24 ミリモル)の溶液にDEAD (0.074 ml、0.470 ミリモル)を徐々に添加した。3時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(60〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製した。CH3CN/H2Oから凍結乾燥して所望の付加化合物306 (67 mg、58%)を白色固形物として得た。
c) 化合物307:
THF (1.0 ml)中の化合物306 (10 mg、0.02 ミリモル)、K2CO3 (100 mg、0.72 ミリモル)、MeI (0.10 ml、1.13 ミリモル)の混合液を96時間激しく撹拌した。EtOAcで希釈した後、その混合液を水洗し、MgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(80 % EtOAc/ヘキサン)処理して化合物307 (9 mg、89 %)を得た。
上記化合物306と同様の手順を用いて化合物409と化合物311を調製した。
実施例 7 (化合物803)
Figure 0004148780
a) N-(3-メトキシ-2-メチルフェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド(7b):
DMF (100 ml)中のN-(3-メトキシ-2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド7a (Blondet, D.; Pascal, J.-C. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 2911) (4.5 g、20.9 ミリモル)、K2CO3 (4.33 g、31.4 ミリモル)、MeI (6.52 ml、105 ミリモル)のスラリーを5日間激しく撹拌した。その反応液をH2O (250 ml)に注入し、10分間撹拌し、その後エーテルで抽出した。合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して溶媒を除去した後に7b (5.10 g)を得た。
b) N-(2-ホルミル-3-メトキシフェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド(7c):
CH3CN (15 ml)中の7b (1.0 g、4.37 ミリモル)の溶液をH2O (15 ml)中のK2S2O8 (2.35 g、8.73 ミリモル)とCuSO4 (219 mg、0.87 ミリモル)の溶液に添加した。ピリジン(0.71 ml、8.73 ミリモル)を加え、得られた混合液を2時間激しく撹拌還流した。室温に冷却した後、懸濁液をろ過した。ろ液をEtOAcで抽出し、抽出液を1.0 N NaOH、1.0 N HCl、水、食塩水で洗浄してから、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去した後にシロップ状物(731 mg)を得た。このシロップ状物(731 mg)を水(2滴)を含むCH2Cl2 (15 ml)に溶解した。デス・マーティンペルヨージナン(Dess-Martine periodinane)(1.69 g、3.83 ミリモル)を添加し、得られた溶液を90分間撹拌した。10% Na2S2O3溶液とNaHCO3飽和溶液の同量の混合液を添加し、得られた2相の混合液を両層が透明になるまで撹拌した。その混合液をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出液をNaHCO3飽和液、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去した後、化合物7c (432 mg、56 %)をフラッシュクロマトグラフィー(40〜70 % EtOAc/ヘキサン)で得た。
c) 1-メチル-2,2-ジオキソ-1,2-ジヒドロ-2λ6-ベンゾ[c][1,2]チアジン-5-オール(7f): THF (200 ml)中のアルデヒド7c (400 mg、1.65 ミリモル)の溶液をNaHMDS (2.88 mlの1.0 M THF溶液、2.88 ミリモル)で0℃において10分間処理した。得られた溶液をその温度で1時間撹拌した。その反応液をNH4Cl飽和液を添加することによりクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を水と食塩水で洗浄してからMgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(40〜60 % EtOAc/ヘキサン)により精製して7d (172 mg、43 %)を得た。CH2Cl2 (15 ml)中のこの物質(120 mg、0.49 ミリモル)の溶液に0℃においてBBr3 (3.95 mlの1.0 M CH2Cl2溶液、3.95 ミリモル)を添加した。次に、冷浴を取り除き、得られた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。その反応液をH2Oを添加することにより注意深くクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出液を水と食塩水で洗浄してから、MgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(30〜100 % EtOAc/ヘキサン)後に化合物7f (76 mg、73 %)を得た。
また、KOtBu (1.92 g、17.1 ミリモル)をTHF (300 ml)中のアルデヒド7c (3.80 g、15.6 ミリモル)の溶液に10分間かけて2回に分けて添加した。その反応液を周囲温度で10分間撹拌してからH2Oを添加することによりクエンチした。CH2Cl2で抽出し、続いて水と食塩水で洗浄した。MgSO4で乾燥した後、その溶液をろ過し、生成物を溶媒から取り除いた。フラッシュクロマトグラフィー(70〜80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して7e (2.97 g、85%)を得た。上記7dと同様の手順を用いてこの化合物を7fに変換した。
d) 化合物803:
THF (3.0 ml)中のスルタム 7f (49 mg、0.23 ミリモル)、PPh3 (122 mg、0.46 ミリモル)、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン (70 mg、0.23 ミリモル)の溶液にDEAD (73μl、0.46 ミリモル)を0℃で徐々に添加した。得られた溶液を0℃で15分間、周囲温度で30分間熟成した。フラッシュクロマトグラフィー(60〜100 % EtOAc/ヘキサン)処理して化合物803 (24 mg、17 %)を得た。
上記化合物803と同様の手順を用いて化合物804を調製した。
実施例 8 (化合物113)
Figure 0004148780
a) DMF (30 ml)中のブロミド8a (Cywin, C.L.; Klunder, J.M.; Hoermann, M.; Brickwood, J.R.; David, E.; Grob, P.M.; Schwartz, R.; Pauletti, D.; Barringer, K.J.; Shih, C.-K.; Sorge, P.M.; Erickson, D.A.; Joseph, D.P.; Hattox, S.E. J. Med. Chem., 1998, 41, 2972) (3.5 g、10 ミリモル)、アリルトリブチルスズ(3.72 ml、12 ミリモル)、Pd(PPh3)4 (1.16 g、1 ミリモル)の混合液を80℃で2.5時間撹拌した。そのDMFを減圧下で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20 % EtOAc/ヘキサン)処理して8b (2.32 g、75 %)を得た。
b) アリル付加物8b (2.32 g、7.52 ミリモル)をCH2Cl2とメタノール(200 ml)とが同量の混合液に溶解し、得られた溶液を78℃に冷却した。その溶液にオゾンを30分間スパージし、酸素を10分間スパージし、窒素を15分間スパージした。次にNaBH4 (567 mg、15 ミリモル)を78℃で添加し、得られた溶液をその温度で15分間、室温で3時間撹拌した。次にNH4Cl (100 ml)の飽和溶液を添加し、撹拌を簡単に続けた。有機溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水と食塩水で洗浄してからMgSO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(80 % EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のアルコール(1.90 g、81 %)を得た。
d) THF (1 ml)中の8c (100 mg、0.32 ミリモル)、PPh3 (126 mg、0.48 ミリモル)、フェノール 1d (123 mg、0.48 ミリモル)の溶液にDIAD (94μl、0.48 ミリモル)を1時間かけて添加した。更に2時間撹拌した後に溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(50 % EtOAc/ヘキサン)処理して付加物8d (162 mg、92 %)を得た。
e) 化合物113:
カルバメート8d (162 mg、0.29 ミリモル)をTHFとEtOHの3:1混合液に溶解し、これにNH4OHを添加した(1.5 ml)。その混合液を室温で20時間撹拌してから濃縮した。残留物をEtOAcに溶解し、1 N HClで洗浄した。MgSO4で処理し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(50 % EtOAc/ヘキサン)処理して化合物113 (125 mg、90 %)を得た。
実施例 9 (化合物114):
上記化合物303と同様の手順を用いて化合物113から本化合物を調製した。
実施例 10 (化合物115):
MeIの代りにEtIを用いて上記化合物111と同様の手順を用いて化合物113から本化合物を調製した。
実施例 11 (化合物601).
THF (2 ml)中の5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン (30 mg、0.10 ミリモル)、1-ベンジル-2,2-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2λ6-ベンゾ[c][1,2]チアジン-5-オール (Blondet、D.; Pascal, J.-C. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 2911) (38 mg、0.13 ミリモル)、PPh3 (39 mg、0.15 ミリモル) の溶液にDEAD (0.03 ml、0.15 ミリモル)を徐々に添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、そのときにTLC分析により反応が完結したことが判定された。溶媒の蒸発に続いてフラッシュクロマトグラフィー処理して所望の付加物(29.9 mg、41 %)を得た。この化合物をEtOAc (1 ml)とEtOH (1 ml)に溶解した。Pd(OH)2を添加し、得られた懸濁液を水素雰囲気下で5日間撹拌した。触媒をガラスミクロ繊維でろ過することにより除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(50 % EtOAc/ヘキサン)に続いて分取用TLC (60 % EtOAc/ヘキサン、2×溶離)処理して化合物601 (9.6 mg、38 %)を得、CH3CNと水から凍結乾燥した。
上記化合物601と同様の手順を用いて化合物602を調製した。
上記化合物301と同様の手順を用いて化合物223を調製した。
実施例 12 (化合物505と化合物508)














Figure 0004148780
a) 2-ベンジル-5-ヒドロキシ-1,1-ジオキソ-1,2-ジヒドロ-1λ6-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン (12a): CH2Cl2 (25 ml)中のサッカリン5a (290 mg、1.36 ミリモル)のスラリーを−78℃に冷却しCH2Cl2中のBBr 3 の1.0 M溶液(8.17 ml、8.17 ミリモル)を添加した。
冷浴を取り除き、その反応液を16時間熟成し、その間その反応液を周囲温度に温めた。その反応液をH2Oで注意深くクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出液をMgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して白色固形物(273 mg、100%)を得た。この物質(500 mg、2.51 ミリモル)を10:3 THF:DMF (13 ml)に溶解し、NaH (63 mg、2.63 ミリモル)を添加した。得られた混合液を15分間撹拌し、その後、臭化ベンジル(0.30 ml、2.51 ミリモル)を加え、得られた混合液を更に16時間撹拌した。その溶液を1.0 N HClに注意深く注入し、Et2Oで抽出した。合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(30〜50 % EtOAc/ヘキサン)で精製して所望の12a (140 mg、20%)を得た。
b) フェノール 12a (100 mg、0.35 ミリモル)、PPh3 (182 mg、0.69 ミリモル)、5,11-ジヒドロ-11-エチル-8-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン (103 mg、0.35 ミリモル)をTHF (5.0 ml)に溶解した。この溶液に. DEAD (110μl、0.69 ミリモル)を15分間かけて滴下した。得られた溶液を3時間熟成した。
溶媒を減圧下で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(70〜100 % EtOAc/ヘキサン)で精製して付加物12b (154 mg、78 %)を得た。
c) 化合物505:
ベンジルサッカリン12b (50 mg、0.09 ミリモル)を10%パラジウム/炭素(35 mg)を含む2:1 THF:EtOH (3.0 ml)に溶解し、得られた混合液を水素雰囲気下で 16時間撹拌した。その懸濁液をろ過し、ろ液を濃縮した。そのように得られた固形物をEtOAcで摩砕することにより精製して化合物505 (9 mg、21 %)の生成物を得た。
d) 化合物508:
THF (5.0 ml)中の化合物505 (20 mg、0.042 ミリモル)のスラリーに0.8 M CH2N2/Et2O 溶液(1.5 ml)を添加した。次に、その溶液を1時間撹拌し、その間に溶解が生じた。溶媒を除去した後、その化合物をフラッシュクロマトグラフィー(50〜70 % EtOAc/ヘキサン)で精製し、そのようにして得られた残留物をCH3CN/H2Oから凍結乾燥して化合物508 (14.4 mg、70 %)を得た。
逆転写酵素(RT)分析
分析理論:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)がコードしている酵素には逆転写酵素(1)があり、RNA鋳型からDNAコピーを転写するためにそのように名付けられた。この活性は無細胞酵素分析において定量的に測定することができ、これは以前に記載されており(2)、基質として 3 H-dGTPを用いて放射能標識酸沈殿可能DNA鎖を転写するために逆転写酵素がオリゴd(G)で開始した合成鋳型ポリr(C)を用いることができる所見に基づくものである。後述の分析は野生型(WT)酵素を用い、これはHIV-1に感染した患者に見られる酵素の主な形である。変異体RT酵素(例えば、Y181C、コドン181のチロシン残基がシステイン残基で置き換えられる部位特異的変異導入によって調製した、又は変異体K103N、V106A、Y188C)と同様の分析条件を用いることにより、化合物について変異体酵素を阻害するときの有効性を評価することができる。
材料:
酵素の調製
HIV-1 RT発現クローン、pKRT2をエール大学(3)から入手した。正の選択として100μg/mlアンピシリンで補足した2×YT培養液(37℃、225 rpm) (4)で増殖した一夜培養物を用いて2×YT培養液に播種した。OD600が0.6〜0.9に達するまで培養物をインキュベートした(37℃、225 rpm)。そのときにリプレッサー阻害剤IPTG (イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)を0.5 mMまで添加し、その混合液を更に2時間インキュベートした。
酵素の精製
組換え逆転写酵素の精製を以前に記載されている方法の組合わせを用いて行った(5)。
この手順は次のように簡単に纏められる。RT-1 wt又はRT-1 (Y181 C)を含む大腸菌(E. Coli)を10%グリセロールを含む50 mM MES、pH 6.0に懸濁し、フレンチプレスの中で溶解し、遠心分離し、上清を捨てた。溶解沈降物を緩衝液A (50 mM MES、pH 6.0、100 mM KCl、50 mM KPi、10%グルセロール、0.02% ヘキシル-β-グルコシド)で抽出し、再遠心分離し、上清中の核酸を0.1% ポリエチレンイミンで沈殿させた。清澄化抽出液を緩衝液A中0〜0.25M KPiの勾配を用いてヒドロキシルアパタイト(BioRad BioGel HT)によりクロマトグラフィー処理した。 RTを含む画分をプールし、同量の緩衝液B (50 mMビストリスプロパン、pH 7.0、100 mM (NH4)2SO4、10%グリセロール)で希釈し、ヘパリン-セファロースCL-6B (Pharmacia)カラムに装填した。緩衝液B中の0〜1.0M (NH4)2SO4 の勾配で結合RTを溶離した。
RTを含むヘパリン-セファロース画分を濃縮(Amicon YM-30膜)、緩衝液B中の同量の2.0M (NH4)2SO4と合わせ、21.5×150 mm TSK フェニル-5PW HIC HPLCカラム(Phenomenex)に注入した。緩衝液B中の1.0M〜0M (NH4)2SO4の降下勾配を用いてヘテロ二量体RTを溶離し、濃縮し、4℃で貯蔵した。
生成物はSDS-PAGEにより純度98%であり、近等価比活性が25℃において約20ナノモルdGTP/mg/minであった。
c) 貯蔵液と反応混合液の組成
Figure 0004148780
分析手順:
2.4×濃縮貯蔵反応混合液をアリコートに分け、−20℃で貯蔵した。その混合液は安定であり、各分析に用いるために解凍することができる。この酵素分析は、96ウェルマイクロタイタープレートシステムに適用され、以前に記載されている(6)。トリス緩衝液(50 mM、pH 7.8)、賦形剤(化合物希釈液に適合するように希釈された溶媒)又は賦形剤中の化合物を96ウェルマイクロタイタープレートに分配した(10μl/ウェル; 3ウェル/化合物)。HIV-1 RT酵素を解凍し、0.05% Chapsを含む50 mMトリスpH 7.8に希釈して1.5 nM酵素を得、25μl/ウェルを分配した。マイクロタイタープレートの最初の3つのウェルに10μlの0.5M EDTAを添加した。EDTAが存在するMg2+ をキレート化し、逆転写を防止する。このはバックグラウンド重合として働き、他のすべてのから差し引いた。2.4×反応混合液の25μlをすべてのウェルに添加し、分析物を室温で30分間インキュベートした。各ウェル中のDNAをピロリン酸ナトリウム(2% w/v)を含む10%トリクロロ酢酸(TCA)(10% w/v)60μlで沈殿させることにより分析を終結した。マイクロタイタープレートを4℃で15分間インキュベートし、沈殿をTomtech96ウェルハーベスタを用いて#30ガラス繊維紙(Schleicher & Schuell)に取り出した。フィルタを乾燥し、Betaplateシンシレーション反応混液(Pharmacia/LKB)とプラスチックバッグに入れ、Betaplateカウンタ(Pharmacia/LKB)で計数した。
阻害%の計算は次の通りである。
阻害%=[CPM平均試験値−CPM平均対照値]/[CPM平均対照値]×100
上記分析を用いて、本発明の化合物についてRT野生型(WT)と変異体酵素の阻害を試験した。結果をIC50 (nM)として表9に示す。
オリゴd(G)プライマーがビオチ化されている同様の分析を用いることができる。酵素とインキュベートした後、ビオチ化DNAをストレプトアビジンSPAビーズを用いて取り出す。上で詳述したようにビーズについて放射能を計数する。
RT分析において活性である化合物が生物系においてHIV複製を阻害する能力も有することを確認するために、下記ヒトT細胞培養物(Syncytia)分析において本発明の化合物を試験した。
細胞培養物における活性を評価するためのELISA分析
本発明の化合物について細胞培養物においてHIV複製の阻害能を試験した。野生型と変異体酵素をコードするウイルスを用いた。Tリンパ球にウイルスを感染させ、感染した細胞を本発明の化合物の種々の量の存在下にインキュベートし、ウイルスタンパク質p24についてのELISA分析を用いてウイルス複製を定量した。結果をEC50 (nM)として表9に示す。
参考文献(これらの記載は本願明細書に含まれるものとする)
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Figure 0004148780


Figure 0004148780
上記表9においては、次の範囲があてはまる: A= >1μM; B=<1μM>100nM; C=<100nM。表9中の‐は定量せずを示す。

Claims (30)

  1. 下記式1を有する化合物、又はその塩。
    Figure 0004148780
    (式中、Aは(C1-3)アルキルの結合鎖であり;
    BはO又はSであり;
    R1はH、(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、又はOR1aであり、ここで、R1aはH又は(C1-6)アルキルである;
    R2はH又はMeであり;
    R3はH又はMeであり;
    R4はH、(C1-4)アルキル、(C3-4)シクロアルキル及び(C1-4)アルキル-(C3-7)シクロアルキルからなる群より選ばれ;
    Wは
    Figure 0004148780
    より選ばれ、
    ここで、a) Yの一方はSO2であり、もう一方のYはNR5であるが、両方が同じではなく、ここで、R5はH、(C1-6)アルキル、及び(C3-6)シクロアルキルからなる群より選ばれ、前記アルキルは
    (i) (C3-6シクロアルキル);
    (ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    (iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環である;
    (v) OCONR5dR5e、ここで、R5dとR5eは共にHであり; 又はR5dがHであり、R5eが(C1-6)アルキルでもある;
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    (vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C3-7)シクロアルキルでもあり、前記アルキルと前記シクロアルキルはCOOR5i、ここで、R5iはH及び(C1-6)アルキルからなる群より選ばれる; 又はCONHNH2; 又はOH又は(C1-6)アルコキシ; 又は(C6-10)アリール; 又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個
    を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    R5hはNR5jR5kでもあり、ここで、R5jとR5kは共にHであり;又はR5jがHであり、R5kがCH2CF3でもある;
    R5hはO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環でもある;
    (viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (ix) SO2R5m、ここで、R5mは(C1-6)アルキル又はNH2である; 及び
    (x) SO3H、
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
    R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
    CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、OH、(C1-6)アルコキシ、又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい; 又は
    COCH2NR5rR5s、ここで、R5rとR5sはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    でもある、
    R8の各々は独立してH、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、又は(C1-4)アルキル-(C3-6)シクロアルキルである;
    b) EはCR8aR8bであり、ここで、R8aとR8bはH、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、又は(C1-4)アルキル-(C3-6)シクロアルキルである、Jは CH2であり; JはCR8aR8bでもあり、ここで、R8aとR8bは上で定義した通りである、EはCH2であり、ここで、点線は単結合である;
    c) EはC(O)であり、JはCR8aR8bであり、ここで、R8aとR8bは上記の通りである; JはC(O)でもあり、EはCR8aR8bでもあり、R8aとR8bは上記の通りであり、ここで、点線は単結合である;
    d) EとJは共にCR8であり、ここで、R8は上記の通りであり、ここで、点線は二重結合である。)
  2. 5がH、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキルからなる群より選ばれ、
    前記アルキルは
    (i) (C3-6シクロアルキル);
    (iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    (iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキルである;
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    (vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C1-6)アルキルでもあり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよい、
    R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキルである;
    COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
    CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、OH、(C1-6)アルコキシ、又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい; 又は
    COCH2NR5rR5s、ここで、R5rとR5sはH又は(C1-6)アルキルであり、前記アルキルは(C1-6)アルコキシ、(C6-10)アリール、又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環で置換されていてもよく、前記複素環は(C1-6)アルキルでモノ又はジ置換されていてもよい;
    でもある、請求項1記載の化合物。
  3. 下記式を有する請求項1記載の化合物。
    Figure 0004148780
    (式中、R1、R2、R3、R4、及びWは請求項1で定義した通りである。)
  4. R1がH、Me、又はFであり、
    R2がHであり、
    R3がCH3であり、
    R4がEt又はシクロプロピルである、請求項3記載の化合物。
  5. Wが
    Figure 0004148780
    (式中、E、J、Y及びR8は請求項1で定義した通りである。)
    である、請求項1記載の化合物。
  6. R5がH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
    前記アルキルは
    (i) (C3-6シクロアルキル);
    (ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
    (iv) OR5c、ここで、R5cはH、(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環である;
    (v) OCONR5dR5e、ここで、R5dとR5eは共にHであり; 又はR5dがHであり、R5eが(C1-6)アルキルでもある;
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    (vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hはH又は(C1-6)アルキルであり; 又はR5gがHであり、R5hが(C3-7)シクロアルキルでもあり、前記アルキルと前記シクロアルキルはCOOR5i、ここで、R5iはH及び(C1-6)アルキルからなる群より選ばれる; 又はCONHNH2で置換されていてもよい;
    R5hはNH2又はNHCH2CF3でもある;
    R5hはO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環でもある;
    (viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (ix) SO2R5m、ここで、R5mは(C1-6)アルキル又はNH2である; 及び
    (x) SO3H、
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
    R5がCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
    CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、(C1-6)アルキル、OH又は(C1-6)アルコキシである;でもある、請求項1記載の化合物。
  7. 5がH又は(C1-6)アルキルであり、
    前記アルキルは
    (i) (C3-6シクロアルキル);
    (ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
    (iv) OH;
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    (vii) CONR5gR5h、ここで、R5gとR5hは共にHであり; 又はR5gがHであり、R5hがNH2でもある; 及び
    (viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
    R5がCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    COOR5o、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである;
    CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qは(C1-6)アルキル、又は(C1-6)アルコキシである;
    でもある、請求項6記載の化合物。
  8. R5がH及び(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、前記アルキルがCOOHで置換されていてもよい、請求項7記載の化合物。
  9. R8が各々独立してH、(C1-4)アルキルである、請求項1記載の化合物。
  10. Wが
    Figure 0004148780
    I(b)
    (式中、R5はH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
    前記アルキルが
    (i) (C3-6)シクロアルキル;
    (ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (iv) OH;及び
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよい、
    R5はCOOR5oでもあり、ここで、R5oは(C1-6)アルキルである。)
    である、請求項5記載の化合物。
  11. R5がH、CH3、CH3CH2
    Figure 0004148780
    からなる群より選ばれる、請求項10記載の化合物。
  12. Wが
    Figure 0004148780
    I(c)
    (式中、R5はH又は(C1-6)アルキルであり、R8の各々はH又はCH3である。)
    である、請求項5記載の化合物。
  13. Wが
    Figure 0004148780
    I(d)
    (式中、R8の各々はH又はCH3である。)
    である、請求項5記載の化合物。
  14. Wが
    Figure 0004148780
    I(f)
    である、請求項5記載の化合物。
  15. Wが
    Figure 0004148780
    I(g)
    (式中R5はH、(C1-6)アルキルからなる群より選ばれ、
    前記アルキルは
    (ii) O、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    (iii) NR5aR5b、ここで、R5aとR5bはH又は(C1-6)アルキルである;
    (iv) OH又は(C1-6)アルコキシ;
    (vi) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである;
    (vii) CONH2; 及び
    (viii) COR5l、ここで、R5lは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい;
    からなる群より選ばれた置換基で置換されていてもよく、
    R5はCOR5n、ここで、R5nは(C1-6)アルキル又はO、N、及びSより選ばれたヘテロ原子1〜4個を有する5又は6員複素環であり、前記複素環は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい; 又は
    CONR5pR5q、ここで、R5pとR5qはH、(C1-6)アルキル、OH、又は(C1-6)アルコキシである、でもある、請求項5記載の化合物。
  16. R5
    Figure 0004148780
    からなる群より選ばれる、請求項15記載の化合物。
  17. R5
    Figure 0004148780
    からなる群より選ばれる、請求項15記載の化合物。
  18. R5aとR5bが共に(C1-6)アルキルである、請求項15記載の化合物。
  19. R5aとR5bが共にエチルである、請求項18記載の化合物。
  20. R5fがH又はメチルである、請求項15記載の化合物。
  21. R5l
    Figure 0004148780
    である、請求項15記載の化合物。
  22. R5pとR5qが共に(C1-6)アルキルである、請求項15記載の化合物。
  23. Wが
    Figure 0004148780
    I(h)
    (式中、R5はH、(C1-6)アルキルであり、ここで、前記アルキルは
    (v) COOR5f、ここで、R5fはH又は(C1-6)アルキルである、及び
    (vii) CONHNH2
    からなる群より選ばれた置換基で置換されている。)
    である、請求項5記載の化合物。
  24. Wが
    Figure 0004148780
    I(i)
    (式中、R5はH、(C1-6)アルキル及び(CH2)3COOHからなる群より選ばれる。)
    である、請求項5記載の化合物。
  25. 下記式を有する、請求項1記載の化合物。
    Figure 0004148780
    (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は請求項1で定義した通りである。)
  26. 下記式を有する、請求項1記載の化合物。
    Figure 0004148780
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は請求項1で定義した通りである。)
  27. 下記式を有する、請求項1記載の化合物。
    Figure 0004148780
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は請求項1で定義した通りである。)
  28. 下記式を有する、請求項1記載の化合物。
    Figure 0004148780
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は請求項1で定義した通りである。)
  29. 下記式1:
    Figure 0004148780
    (式中、A、R1、R2、R3、R4及びWは請求項1に記載された通りである。)
    を有する化合物の製造方法であって、
    共溶媒中の塩基水溶液又は酸水溶液の混合液中で下記式:
    Figure 0004148780
    (式中、Yの一方はSO2であり、もう一方のYはN-PGであり、ここで、PGは弱い酸性、アルカリ性又は還元条件下で除去できる窒素保護基である。)
    から保護基(PG)を除去して式I(式中、E、J及びR8は請求項1で定義した通りである。)の化合物を製造する工程
    を含む、前記方法。
  30. 下記式I:
    Figure 0004148780
    (式中、A、R1、R2、R3、R4及びWは請求項1に記載された通りである。)
    を有する化合物の製造方法であって、
    下記式2
    Figure 0004148780
    (式中、A、R1、R2、R3、及びR4は請求項1に記載された通りである。)
    を有する化合物と下記式:
    Figure 0004148780
    (式中、PGは弱い酸性、アルカリ性又は還元条件下で除去できる窒素保護基であり、R5とR8は請求項1に記載された通りである。)
    より選ばれたスルタム又はサッカリンとをカップリングして式Iの化合物を製造する工程を含む、前記方法。
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