JP4344246B2 - 逆転写酵素インヒビターとしてのジピリドジアゼピノン類 - Google Patents

逆転写酵素インヒビターとしてのジピリドジアゼピノン類 Download PDF

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Description

本発明は、新規な化合物およびその製薬上許容し得る塩、HIV感染症の治療または予防におけるそれらの単独または他の治療薬と併用しての使用、並びにこれらの化合物を含む製薬組成物に関する。
後天性免疫不全症候群(AIDS)として知られる疾病は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、とりわけHIV-1として知られる株によって生ずる。HIVが宿主細胞によって複製されるには、そのウイルスゲノム情報を宿主細胞のDNAに組み込まなければならない。しかしながら、HIVはレトロウイルスであり、その遺伝子情報はRNAの形にあることを意味する。従って、HIV複性サイクルはウイルスゲノム(RNA)のDNAへの転写過程を必要とし、これは、通常の事象連鎖の逆である。逆転写酵素(RT)と適切に称されている酵素により、ウイルスRNAのDNAへの転写が達成されている。HIVビリオンは、ウイルスRNAと一緒にRTのコピーを含む。
逆転写酵素は、3つの既知の酵素機能を有する;逆転写酵素は、RNA依存性DNAポリメラーゼとして、リボヌクリアーゼとして、さらに、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用する。RTは、RNA依存性DNAポリメラーゼとして作用して、ウイルスRNAの一重鎖DNAコピーを転写する。RTは、リボヌクリアーゼとして作用して、原ウイルスRNAを破壊し、原RNAから丁度産生したDNAを遊離する。最後に、RTは、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用して、最初のDNAストランドをテンプレートとして使用して、第2の相補DNAストランドを産生する。2つのストランドは二重鎖DNAを形成し、この二重鎖DNAは、インテグラーゼと称するもう1つの酵素によって宿主細胞のゲノム中に組み込まれる。
HIV-1逆転写酵素の酵素機能を抑制する化合物は、感染細胞中のHIV-1の複製を抑制するであろう。そのような化合物は、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン、デタビルジン、エファビレンズおよびアバカビルのような既知のRTインヒビターによって実証されているように、ヒト対象者のHIV-1感染症の予防または治療において有用であり、それらの主要薬物はこれまでにAIDS治療における使用について承認されている。
あらゆる抗ウイルス治療によるように、AIDS治療におけるRTインヒビターの使用は、結局は、投与した薬物に対して感受性の低いウイルスをもたらしている。これらの薬物に対する耐性(感受性の低下)は、ポル(pol)遺伝子の逆転写酵素セグメント内で起る変異の結果である。HIVの数種の変異株は特性決定されており、既知の治療薬に対する耐性は、RT遺伝子の変異に基づいている。臨床において最も一般的に観察される変異体の幾つかは、以下のものである:コドン181におけるチロシン(Y)がシステイン(C)残基に変異されているY181C変異体、および位置103においてリシン(K)がアスパラギン(N)によって置換されているK103N。既知の抗ウイルス剤による治療中に増大頻度で出現している他の変異体としては、単変異体V106A、G190A、Y188CおよびP236L;並びに二重変異体K103N/Y181C、K103N/P225H、K103N/V108IおよびK103N/L100Iである。
HIV感染症を予防するための抗ウイルス化合物の継続使用は、HIVの新たな耐性株を疑いなく発生させるであろう。従って、種々の変異体に対して異なる有効性パターンを有するRTの新規なインヒビターが継続して求められている。例示されている化合物は、HIV RTの単変異株および二重変異株に対して活性を有している。
HIV-1のインヒビターである三環式構造を有する化合物は、米国特許第5,366,972号に記載されている。HIV-1逆転写酵素の他のインヒビターは、Hargrave et al., J. Med. Chem., 34,2231 (1991)に記載されている。
米国特許第5,705,499号は、8-アリールアルキル-および8-アリールヘテロアルキル-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-B:2',3'-E][1,4]ジアゼピン類をRTのインヒビターとして提案している。例示された化合物は、有効性は低いものの、野生タイプ並びに変異体HIV-1 RT、とりわけY181CおよびK103Nのような他の単変異体に対して幾らかの活性を有することが示されている。
WO 01/96338A1号および米国特許第6,420,359号は、キノリンおよびキノリン-N-オキサイド置換基を有するジアゼピン構造体をRTのインヒビターとして開示している。
本発明は、野生タイプ(WT)およびHIV-1 RTの二重変異体株、とりわけ二重変異体K103N/Y181Cの強力なインヒビターである置換安息香酸含有化合物を提供する。
本発明の第1の局面においては、下記の式Iの化合物またはその塩もしくはプロドラッグを提供する:
Figure 0004344246
(式中、R2は、H、ハロゲン、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキル、NH(C1-4アルキル)またはN(C1-4アルキル)2であり;
R4は、HまたはCH3であり;
R5は、HまたはCH3であり;
R12は、H、ハロゲン、(C1-4)アルキル、CF3またはNO2であり;
R13は、H、(C1-4)アルキル、ハロゲン、OHまたはNH2であるが、R12およびR13は双方がHではないことを条件とし;
R14はCOOR14aであり、R14aはHまたは(C1-6)アルキルであり;あるいはR14は(C2-4)アルケニルCOOR14aであり、R14aは上記で定義したとおりであり;あるいはR14は(C1-4)アルキルCOOR14aであり、R14aは上記で定義したとおりである)。
本発明の第2の局面によれば、上述するような式Iの化合物またはその製薬上許容し得る塩と製薬上許容し得る担体とを含む、HIV感染症の治療または予防用の製薬組成物が提供される。
本発明の第3の局面によれば、患者に、上述するようなHIV抑制量の式Iの化合物もしくはその製薬上許容し得る塩または製薬組成物を投与することを含む、HIV感染症の治療または予防方法が提供される。
本発明の第4の局面によれば、上述するような式Iの化合物を含む製薬組成物を抗レトロウイルス薬と併用して投与することを含む、HIV感染症の治療または予防方法が提供される。
本発明の第5の局面によれば、上述するような式Iの化合物または製薬組成物を出産前の母体に投与することを含む、母体から子供への周産期HIV-1感染の予防方法が提供される。
定義
下記の定義を、特に断らない限り使用する:
本明細書において使用するとき、用語“(C1-2)アルキル”、“(C1-4)アルキル”および“(C1-6)アルキル”は、単独または他の基との組合せのいずれかにおいて、それぞれ2個、4個または6個までの炭素原子を含有する非環式アルキル基を意味するものとする。そのような基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、および1,1-ジメチルエチルがある。
本明細書において使用するとき、用語“(C2-4)アルケニル”は、単独または他の基との組合せのいずれかにおいて、2〜4個の炭素原子を含有する不飽和の非環式基を意味するものとする。
本明細書において使用するとき、用語“ハロゲン”は、ハロゲン原子を意味し、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
本明細書において使用するとき、“製薬上許容し得る塩”は、製薬上許容し得る塩基から誘導された塩を含み、無毒性である。適切な塩基の例としては、コリン、エタノールアミンおよびエチレンジアミンがある。Na+、K+およびCa++塩も本発明の範囲内に属するものとする(また、Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照されたい、該文献は、参考として本明細書に引用する)。
本明細書において使用するとき、用語“プロドラッグ”とは、製薬上許容し得る誘導体を称し、その誘導体の結果としての生体形質転換生成物が式Iの化合物において定義するような活性薬であるようなものである。そのような誘導体の例としては、限定するものではないが、エステル類およびアミド類がある。(Goodman and Gilman in The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed., McGraw-Hill, Int. Ed. 1995, “Biotransformation of Drugs, p 11-16を参照されたい、該文献は、参考として本明細書に引用する)。
好ましい実施態様の詳細な説明
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキルまたはN(C1-4アルキル)2である。さらに好ましくは、R2は、H、Cl、F、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキルまたはN(C1-4アルキル)2である。より好ましくは、R2は、H、Cl、F、CH3、OMeまたはOEtである。最も好ましくは、R2はHである。
好ましくは、R4およびR5は双方が同じではない。
より好ましくは、R4はHである。
より好ましくは、R5はCH3である。
好ましくは、R12は、ハロゲン、(C1-4)アルキル、CF3またはNO2である。より好ましくは、R12は、Br、Cl、CH3またはCH3CH2である。最も好ましくは、R12は、CH3またはCH3CH2である。
好ましくは、R13は、H、CH3、ハロゲン、OHまたはNH2である。より好ましくは、R13は、H、CH3またはOHである。最も好ましくは、R13はHである。
好ましくは、R14は、COOH、COOMe、(C2-4)アルケニルCOOHまたは(C1-4)アルキルCOOHである。より好ましくは、R14は、COOH、CH=CH-COOH、CH2COOHまたはCH2CH2COOHである。最も好ましくは、R14はCOOHである。
式Iの化合物は、野生タイプのHIVの有効なインヒビターであり、同様に二重変異体酵素K103N/Y181Cも抑制する。
式Iの化合物は、HIV-1逆転写酵素に対し抑制活性を有する。適切な投与量剤形で投与したとき、式Iの化合物は、AIDS、ARCおよびHIV-1感染に伴なう関連障害の治療において有用である。従って、本発明のもう1つの局面は、HIV-1に感染しているヒトに治療上有効な量の上述したような式Iの新規な化合物を投与することを含むHIV-1感染症の治療方法である。該方法を治療または予防のいずれで呼ぼうとも、上記化合物は、出産前の母体に投与することによって、母体から子供へのHIV-1の周産期感染を防止するのにも使用し得る。
式Iの化合物は、経口または非経口経路による単回または分割投与量で投与し得る。式Iの化合物の適切な経口投与量は、1日当り約0.5mg〜3gの範囲である。式Iの化合物の好ましい経口投与量は、体重70kgの患者において1日当り約100mg〜800mgの範囲であろう。非経口調合物においては、適切な投与量単位は、0.1〜250mg、好ましくは1mg〜200mgの上記化合物を含有する。しかしながら、投与量は患者間で変動し、どの特定の患者に対する投与量も、患者の大小および状態並びに患者の薬物に対する応答性を適切な投与量を決定する基準として使用する臨床医の判断によるであろうことを理解すべきである。
本発明の化合物を経口経路で投与すべき場合、本発明の化合物は、本発明の化合物を適合性のある製薬用担体物質と一緒に含有する製薬調合物の形の医薬物として投与し得る。そのような担体物質は、経口投与用に適する不活性有機または無機担体物質であり得る。そのような担体物質の例は、水、ゼラチン、タルク、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレン-グリコール類、ワセリン等である。
式Iの化合物は、当業者にとって既知の抗レトロウイルス薬と併用して、個々人におけるHIV感染症の治療または予防用の同時、個別または順次投与において有用な組合せ調製物として使用し得る。式Iの化合物との併用治療において使用し得る抗レトロウイルス薬の例としては、限定するものではないが、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素インヒビター類(AZTおよびテノフォビルのような)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター類(ネビラピンのような)、プロテアーゼインヒビター類(リタノビルのような)、ウイルス融合インヒビター類(T-20のような)、CCR5拮抗薬類(SCH-351125のような)、CXCR4拮抗薬類(AMD-3100のような)、インテグラーゼインヒビター類(L-870、810のような)、TATインヒビター類、他の治験薬類(PRO-542、BMS-806、TMC-114またはAI-183のような)、抗真菌または抗細菌薬類(フルコナゾールのような)および免疫調節剤類(レバミゾールのような)がある。さらにまた、式Iの化合物は、他の式Iの化合物とも一緒に使用し得る。
上記製薬調製物は通常の方法で調製し得、最終の投与量剤形は、固形投与量剤形、例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤等、および液体投与量剤形、例えば、溶液、懸濁液、乳化液等であり得る。上記製薬調製物は、滅菌のような通常の製薬操作に供し得る。さらに、上記製薬調製物は、保存剤、安定剤、乳化剤、風味改良剤、湿潤剤、緩衝剤、浸透圧を変えるための塩類等のような通常のアジュバント類も含有し得る。使用し得る固形担体物質としては、例えば、澱粉、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、微結晶性セルロース、タルク、シリカ、二塩基性リン酸カルシウム、および高分子量ポリマー類(ポリエチレングリコールのような)がある。
非経口用途においては、式Iの化合物は、静菌剤、酸化防止剤、保存剤、溶液を血液と等張性にする緩衝剤または他の溶質、増粘剤、懸濁剤または他の製薬上許容し得る添加剤類を含有し得る、製薬上許容し得る油または液体混合物中の水性または非水性溶液、懸濁液または乳化液において投与し得る。このタイプの添加剤としては、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩および酢酸塩緩衝剤;エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、複合体形成剤(EDTAのような)、酸化防止剤(重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびアスコルビン酸のような)、粘度調整用高分子量ポリマー類(液体ポリエチレンオキサイド類のような)、および無水ソルビトールのポリエチレン誘導体がある。安息香酸、メチルまたはプロピルパラベン、塩化ベンズアルコニウムおよび他の第4級アンモニウム化合物のような保存剤も、必要に応じて添加し得る。
本発明の化合物は、経鼻投与用の溶液としても投与し得、本発明の化合物以外に、適切な緩衝剤、張度調節剤、微生物保存剤、酸化防止剤および水性ビヒクルにおける増粘剤を含有し得る。粘度を増大させるのに使用する薬剤の例は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート類またはグリセリンである。添加する微生物保存剤としては、塩化ベンズアルコニウム、チメロサール、クロロ-ブタノールまたはフェニルエチルアルコールがある。
さらに、本発明によって提供する化合物は、座薬としても投与し得る。
方法論および合成
本発明の化合物は、合成有機化学者の技術を使用して調製し得る。例としての反応式を以下の式1〜4に示す。置換基R2、R4、R5、R12、R13、R13およびR14は、本明細書において定義したとおりである。
式1:R 4 がMeである中間体の調製
Figure 0004344246
要するに、Et-NH2による1(i)の芳香族置換(SNAR)により、中間体1(ii)を生成させる。その後、臭素化剤(例えば、NBSまたは臭素)を使用する5位でのハロゲン化により、1(iii)を得る。塩基介在SnAR反応による1(iii)の閉環により、三環式中間体1(iv)を形成させる。R2置換基の導入は、1(iv)内のC-2塩素の芳香族置換により進行し、それによって中間体1(v)の化合物を得る。
式2:R 5 がMeである中間体の調製
Figure 0004344246
式2の順序は、J.M. Klunder et al.; J. Med. Chem. 1998, 41, 2960-71;およびC.L. Cywin et al.; J. Med. Chem. 1998, 41, 2972-84に記載されている順序と同様である。要するに、Et-NH2による2(i)の芳香族置換(SNAR)により、中間体2(ii)を生成させる。ニトロ基の還元(例えば、接触水素化を使用する)により、2(iii)を生成させる。2(iii)の、例えば、5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジンカルボニルクロライドによる塩基介在縮合反応により、2(iv)を調製する。2(iv)の閉環は、塩基介在SnAR反応により進行して、三環式中間体
2(v)を形成する。2(vi)中のR5メチル基は、例えば、ヨウ化メチルをアルキル化として認識されている技術を使用して導入し得る。
式3:R 2 がC 1-4 アルキルである中間体の調製
Figure 0004344246
要するに、3(i)と3(ii)との間の塩基介在縮合反応により、中間体3(iii)を得る。Et-NH2による3(iii)の芳香族置換(SNAR)により、中間体3(iv)を生成させる。3(iv)の閉環は、塩基介在SnAR反応により進行して三環式中間体を形成し、これをアルキル化して中間体3(v)の化合物を得る。
式4:R 4 がMeである化合物への別の経路
Figure 0004344246
要するに、4(i)と3(ii)間の塩基介在縮合反応により、中間体4(ii)を得る。Et-NH2による4(ii)の芳香族置換(SNAR)により、中間体4(iii)を生成させる。4(iii)の閉環は、塩基介在SnAR反応により進行して中間体1(v)の三環式化合物を形成させる。





式5:安息香酸誘導体の導入
Figure 0004344246
要するに、非プロトン溶媒(例えば、DMF)中で触媒の存在下でのアリル錫試薬による上述のようにして合成したブロモ誘導体5(i)の相互カップリングにより、C-8置換体5(ii)を形成させる。二重結合の酸化(例えば、オゾン化によりオゾニドを生成させる)およびその後の還元により、C-8ヒドロキシエチル置換体5(iii)を生成させる。ミツノブ(Mitsunobu)タイプ反応を使用して、YがR14でありCOOHを除去したナフチル誘導体5(iv)、5(v)または5(vi)を5(iii)と縮合させて式Iの化合物を生成させる。また、YがR14基前駆体、例えば、COOCH3である場合、ミツノブタイプ反応を使用して5(iv)または5(v)を5(iii)と縮合させ、その後、Yを、例えばCOOHを得るCOOCH3の鹸化により、R14置換基に化学的に転換し、それによって式Iの化合物を得ることができる。
前述したように、本発明によって提供する化合物は、HIV-1 RTの酵素活性を抑制する。後述するようなこれらの化合物の試験に基づき、これらの化合物がHIV-1 RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制することを知る。また、これらの化合物がHIV-1 RTのDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制することも知る(データは示していない)。後述する逆転写酵素(RT)アッセイを使用して、化合物を、HIV-1 TRのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制するその能力について試験することができる。以下の実施例において説明するある種の特定の化合物は、そのようにして試験した。この試験の結果は、表1にIC50およびEC50として示している。
実施例
本発明を、以下の非限定的な実施例によりさらに詳細に例示する。反応は、特に断らない限り、すべて窒素またはアルゴン雰囲気下において実施した。温度は、摂氏で示す。溶液の割合または比率は、特に断らない限り、容量対容量で表す。
本明細書において使用する略号または記号は、以下のとおりである:
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド;
ES MS:電子スプレー質量分析
Et:エチル;
EtOH:エタノール
EtOAc:酢酸エチル
Et2O:ジエチルエーテル;
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー。
iPr:イソプロピル;
Me:メチル;
MeOH:メタノール;
MeCN:アセトニトリル;
NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド;
NBS:N-ブロモスクシンイミド;
Ph:フェニル;
TBE:トリス-ボレート-EDTA;
TBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン;
PFU:プラーク形成用装置;
DEPC:ジエチルピロカーボネート;
DTT:ジチオスレイトール;
EDTA:テトラ酢酸エチレンジアミン;
UMP:ウリジン5'-モノホスフェート;
UTP:ウリジン5'-トリホスフェート;
MES:2-(n-モルホリノ)エタンスルホン酸;
SDS-PAGE:ナトリウムドデシルサルフェート-ポリアクリルアミドゲル電気泳動;
MWCO:分子量カットオフ値;
Bis-Trisプロパン:1,3-ビス{トリス(ヒドロキシメチル)-メチルアミノ}プロパン;
GSH:減少グルタチオン;
OBG:n-オクチル-β-D-グルコシド。
合成
以下の実施例は、本発明の化合物の調製方法を例示する。

















Figure 0004344246
工程a
THF (650mL)中の2-クロロ-3-ニトロピリジン 1a (51g、325ミリモル)溶液に、THF中のエチルアミン 2M溶液(365mL、731ミリモル)を添加した。反応を室温で1夜攪拌した。反応混合物を水(約1.5L)中に注ぎ込み、得られた固形物を濾過し、減圧下に乾燥させて化合物 1bを得た(52g)。
工程b
MeOH (600mL)中の2-(エチルアミノ)-3-ニトロピリジン 1b (52g)溶液を室温で水素(1気圧)下に、20%Pd(OH)2/C (10.4g)の存在下に1夜攪拌した。触媒を珪藻土による濾過によって除去した。濾液を減圧下に濃縮して化合物 1cを黒色固形物として得た(39g、工程aとbに亘って収率88%)。
工程c
MeCN (740mL)中の3-アミノ-2-(エチルアミノ)ピリジン 1c (30.6g、223ミリモル)冷却溶液に、固形NaHCO3 (56.3g、669ミリモル)を添加した。5分後、粗5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジンカルボニルクロライド(5-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-ピリジンカルボン酸とSOCl2 (1当量、223ミリモル)とから調製した)を添加した[T.W. Gero et al. in Synth. Commun. 1989, 19, 553-559 (参考として本明細書に引用する)に記載されているようにして、但し、水性処理は除く]。2時間後、反応混合物を氷/H2O (1.5L)上に注ぎ、得られた固形物を濾過し、H2Oで次いでヘキサンで洗浄した。減圧下に1夜乾燥後、化合物 1dを黒色固形物として得た(54.9g、収率69%)。
工程d
50℃のピリジン(308mL)中の2-クロロ-N-{2-(エチルアミノ)-3-ピリジニル}-5-ブロモ-3-ピリジンカルボキサミド 1d (54.9g、154.4ミリモル)溶液中に、THF中のNaHMDS 1M溶液(355mL、355ミリモル)を滴下により添加した。10分後、反応を室温に冷却し、次いで、氷水(2L)上に注いだ。得られた固形物を濾過し、水洗し次いでヘキサンで洗浄した。固形物を減圧下に乾燥させて、化合物 1eを暗緑色固形物として得た(36g、収率75%)。
工程e
DMF (380mL)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 1e (36.7g、115ミリモル)溶液に、NaH (3.5g、138ミリモル)を添加し、混合物を50℃に30分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、MeI (14.3mL、230ミリモル)で処理した。1.5時間後、反応混合物を氷水上に注いだ。固形物を濾過し、水洗し次いでヘキサンで洗浄し、乾燥後、化合物 1fを暗灰色固形物として得た(37.9g、収率99%)。
工程f
アリルトリブチル錫(30.7mL、99.0ミリモル)とPd(Ph3P)4 (5.20g、4.50ミリモル)を、DMF (450mL)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 1f (30.0g、90.0ミリモル)脱ガス(溶液に30分間N2を通した)溶液に室温で添加した。混合物を90℃で1.5時間攪拌し、次いで室温に冷却し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、8:2〜7:3)により精製して化合物 1gを得た(22.19g、収率84%)。
工程g
オゾン化酸素流を、CH2Cl2 (150mL)およびMeOH (150mL)中の5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-8-(2-プロペニル)-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 1g (22.19g、75.4ミリモル)の寒冷(−78℃)溶液中に2.5時間バブリングさせた。次に、N2流を溶液中に15分間バブリングさせ、次いで固形NaBH4 (4.99g、132ミリモル)を溶液に添加した。反応混合物を室温に温めた。1時間後、飽和NH4Cl水溶液(200mL)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。有機溶媒を減圧下に除去した。水(300mL)とCHCl3 (300mL)を残留物に加えた。各相を分離し、水性層をCHCl3 (3×300mL)で抽出した。合せた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:CHCl3、4:1)により精製して化合物 1hを白色固形物として得た(16.1g、収率72%)。
Figure 0004344246
工程a
トルエン(200mL)中のEtNH2 (49.8g、1.10モル)氷冷溶液を、15分に亘って、トルエン(225mL)中の2,6-ジクロロ-3-ニトロピリジン 2a (100.0g、0.52モル)氷冷溶液中に添加した。混合物を0℃で45分間攪拌した。水(500mL)とEtOAc (500mL)を加え、各相を分離した。有機層を水(200mL)と塩水(200mL)で連続洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留固形物をMeOHから再結晶させて化合物 2bを黄色針状物として得た(83.7g、収率80%)。
工程b
化合物 2cを、実施例1の工程bと同様な方法で調製した。
工程c
MeCN (100mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジンカルボニルクロライド(30.0g、97.0ミリモル)溶液を、室温で、固形NaHCO3(14.2g、169ミリモル)を含有するMeCN (180mL)中の3-アミノ-6-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン 2c (16.6g、97.0ミリモル)溶液にカニューレによって添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。水(200mL)を添加し、混合物を10分間攪拌した。得られた懸濁液を濾過した。固形物を水次いでヘキサンで洗浄し、減圧下に乾燥させて化合物2dを得た(28.4g、収率75%)。
工程d
THF中のNaHMDS 1M溶液(167.5mL、167.5ミリモル)を、50℃に加熱したピリジン(146mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-N-{2-(エチルアミノ)-6-クロロ-3-ピリジニル}-3-ピリジンカルボキサミド 2d (28.4g、72.8ミリモル)溶液にゆっくり添加した。反応混合物を50℃で1.5時間攪拌した。その後、混合物を水と氷の混合物(1L)中に注ぎ入れ、1時間後、得られた懸濁液を濾過した。固形物を水洗し、減圧下に乾燥させて化合物 2eを得た(23.4g、収率91%)。
工程e
固形NaH (60%オイル分散液、3.46g、86.1ミリモル)を、30分に亘って、50℃のDMF (220mL)中の8-ブロモ-2-クロロ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 2e (23.4g、66.3ミリモル)溶液に添加した。混合物を50℃で1時間攪拌し、次いで室温に冷却した。混合物を水 (1L)中に注ぎ入れ、得られた懸濁液を濾過した。固形物を水とヘキサンで連続洗浄し、次いで減圧下に乾燥させて化合物 2fを得た(23.0g、収率94%)。
工程f
アリルトリブチル錫(21.3mL、68.7ミリモル)とPd(Ph3P)4 (3.61g、3.12ミリモル)を、DMF (312mL)中の8-ブロモ-2-クロロ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 2f (23.0g、62.5ミリモル)脱ガス(溶液に30分間N2を通した)溶液に添加した。混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、7:3)により精製して化合物 2gを得た(13.4g、収率65%)。
工程g
オゾン化酸素流を、MeOH (102mL)およびCH2Cl2 (102mL)中の2-クロロ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-5-メチル-8-(2-プロペニル)-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 2g (13.4g、40.7ミリモル)の寒冷(−78℃)溶液中に、該アルケンが完全消失するまで導入した。窒素流を溶液中に1バブリングさせて過剰のO3を除去した。次に、固形NaBH4 (2.69g、71.1ミリモル)を小割合で添加し、混合物を室温にゆっくり温めた。1時間後、飽和NH4Cl水溶液(150mL)を添加し、混合物を20分間攪拌した。有機溶媒を減圧下に除去した。水(100mL)を水溶液に加えた。溶液をCHCl3 (3×300mL)で抽出した。合せた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:CHCl3、4:1)により精製して化合物 2hを得た(10.4g、収率77%)。


Figure 0004344246
工程a
氷浴中の濃硫酸(600mL)と発煙硝酸(90%、400mL)との混合物(5〜10℃に維持した内部温度)に、2,6-ジフルオロピリジン 3a (200g、1.74ミリモル)を滴下により添加した。得られた混合物を室温で1夜攪拌した。混合物を3kgの氷中にゆっくり注ぎ入れ、Et2O (2×2L)で抽出した。合せた有機層を1.5 N NaOH水溶液 (2×1L)で、次いで飽和NaHCO3水溶液(400mL)で、即ち、pHが8〜9辺りになるまで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下に一定重量になるまで濃縮した(未反応2,6-ジフルオロピリジン:10〜12%を除去するために)。化合物 3bを黄色液体として得た(207.3g、収率74%)。
工程b
−40℃のTHF (500mL)中の2,6-ジフルオロ-3-ニトロピリジン 3b (45.7g、285ミリモル)溶液に、THF (250mL)中のエチルアミン(25.7g、570ミリモル)溶液を滴下により添加した。30分後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をEtOAc中に溶解させた。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮した。得られた黄色固形物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15% EtOAc)により精製して化合物 3cを黄色固形物として得た(43.2g、収率82%)。
工程c
THF (1L)中の2-エチルアミノ-6-フルオロ-3-ニトロピリジン 3c (43.2g、230ミリモル)溶液を、室温で水素(1気圧)下に、20%Pd(OH)2/C (3.45g)の存在下に1夜攪拌した。触媒を珪藻土による濾過によって除去した。濾液を減圧下に濃縮して化合物 3dを黒色固形物として得た(36.3g、収率95%)。
工程d
MeCN (160mL)中の3-アミノ-2-エチルアミノ-6-フルオロピリジン 3d (31.0g、200ミリモル)の冷却溶液(4℃)に、固形NaHCO3 (50.4g、600ミリモル)を添加した。15分後、MeCN (155mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジンカルボニルクロライド(1当量、200ミリモル)を添加した。室温で60分後、反応混合物を水(1.2L)中に注ぎ入れ、30分間攪拌した。得られた固形物を濾過し、減圧下50℃で1夜乾燥させた。化合物 3e (73.7g、収率99%)を黒色固形物として得た。
工程e
50℃のピリジン(435mL)中の2-クロロ-N-{2-(エチルアミノ)-6-フルオロ-3-ピリジニル}-5-ブロモ-3-ピリジンカルボキサミド 3e (73.5g、216ミリモル)溶液に、THF (520mL、520ミリモル)中のNaHMDS 1M溶液を滴下により添加した。10分後、反応を室温に冷却し、次いで氷水(2L)上に注いだ。得られた固形物を濾過し、水次いでヘキサンで洗浄した。固形物を減圧下に乾燥させて化合物 3fを暗緑色固形物として得た(50.6g、収率69%)。
工程f
DMF (520mL)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-2-フルオロ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 3f (44g、130.5ミリモル)溶液に、NaH (4.28g、178ミリモル)を添加し、混合物を50℃に30分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、MeI (24.4mL、522ミリモル)で処理した。1.5時間後、反応混合物を氷水上に注いだ。固形物を濾過し、水次いでヘキサンで洗浄し、減圧下に乾燥させて化合物 3g (43.2g、収率94%)を暗灰色固形物として得た。
工程g
アリルトリブチル錫(32.0mL、103.4ミリモル)とPd(Ph3P)4 (5.43g、4.70ミリモル)を、DMF (470mL)中の8-ブロモ-5,11-ジヒドロ-11-エチル-2-フルオロ-5-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 3g (33.0g、94.0ミリモル)脱ガス(N2を溶液中に45分間通した)溶液に添加した。追加量のPd(Ph3)4 (1.09g、0.94ミリモル)を、1、2、3、4および5時間後に添加して反応を終了させた。混合物を90℃に6時間加熱した。混合物を減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、8:2〜7:3)により精製して化合物 3h (22.4g、収率76%)を得た。
工程h
オゾン化酸素流を、CH2Cl2 (100mL)およびMeOH (100mL)中の5,11-ジヒドロ-11-エチル-2-フルオロ-5-メチル-8-(2-プロペニル)-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン6-オン 3h (22.38g、71.6ミリモル)の寒冷(−78℃)溶液中に3時間バブリングさせた。次に、N2流を溶液中に15分間バブリングし、次いで、固形NaBH4 (5.05g、133ミリモル)を溶液に添加した。反応混合物を室温に温めた。1時間後、追加部のNaBH4 (1.62g、43.0ミリモル)を反応混合物に添加した。さらに1時間後、飽和NH4Cl水溶液(150mL)を添加し、混合物を室温で30分間攪拌した。有機溶媒を減圧下に除去した。水(200mL)を加え、混合物をCHCl3 (3×300mL)で抽出した。合せた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:CHCl3、4:1)により精製して化合物 3I (19.7g、収率72%)を白色固形物として得た。












(登録番号1003および1031)
Figure 0004344246
工程a
ヘキサン中の1.6 Mのn-BuLi溶液(6.22mL、9.95ミリモル)を、THF (20mL)中の4a (0.87g、4.33ミリモル)寒冷(−78℃)溶液に素早く添加した。混合物を−78℃で10分間攪拌し、0℃に温め、0℃で1時間維持した。CO2流を反応混合物中に10分間導入し、溶液を1.0 N HCl水溶液の添加により酸性とした。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をEt2O (20mL)中に取込み、過剰のEt2O中CH2N2溶液(およそ0.6 M、10mL)で10分間処理した。混合物を減圧下に濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、4:1〜7:3)により精製して4bを得た(0.13g、収率17%)。
工程b
THF (2.0mL)中のDIAD (86μL、0.44ミリモル)溶液を、25℃のTHF (10mL)中の1h (100mg、0.33ミリモル)、4b (60.0mg、0.33ミリモル)およびPPh3 (114mg、0.44ミリモル)の溶液に30分に亘って添加した。混合物を1時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、7:3〜1:1)により精製して化合物1031を得た(128mg、収率83%)。
工程c
10 N LiOH水溶液(1.52mL、1.52ミリモル)を、THF (6mL)およびMeOH (2mL)中の化合物1031 (100mg、0.22ミリモル)溶液に添加した。反応混合物を25℃で24時間攪拌し、次いで還流に1時間加熱した。溶液を1.0 N HCl水溶液の添加により酸性とし、次いでEtOAcで抽出した。有機層を水(2×)および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をEt2O/ヘキサンで粉末化して化合物1003を白色固形物として得た(80mg、収率83%)。MeCN (3mL)中の化合物1003 (38.0mg、0.085ミリモル)と0.02 N NaOH水溶液(4.3mL、0.085ミリモル)の混合物を超音波処理した。得られた溶液を凍結し、凍結乾燥させて相応するナトリウム塩(37mg、収率98%)を白色固形物として得た。






(登録番号1019、1020および1028))
Figure 0004344246
工程a
THF (2.0mL)中のDIAD (86μL、0.44ミリモル)溶液を、25℃のTHF (7mL)中の3i (106mg、0.34ミリモル)、5a (56.0mg、0.34ミリモル)およびPPh3 (114mg、0.44ミリモル)の溶液に2時間に亘って添加した。混合物を1時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、7:3〜1:1)により精製して5b (115mg、収率73%)を白色固形物として得た。
工程b
1.0 N LiOH水溶液(1.0mL、1.0ミリモル)を、MeOH (6mL)中の5b (100mg、0.21ミリモル)溶液に添加した。反応混合物を25℃で24時間攪拌した。溶液を1.0 N HCl水溶液の添加により酸性とし、次いでEtOAcで抽出した。有機層を水と塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:AcOH、50:50:1)により精製して化合物1019 (25mg、収率25%)を白色固形物として、次いで化合物1020 (48mg、収率50%)を白色固形物として得た。相応するナトリウム塩は、0.02 N NaOH水溶液で処理することによって得られた。
工程c:
THF中の1.0 Mジメチルアミン溶液(5.0mL、5.0ミリモル)と1.0 N LiOH水溶液(1.0mL、1.0ミリモル)を、i-PrOH (3mL)中の5b (50.0mg、0.11ミリモル)溶液に添加した。反応混合物を還流に48時間加熱した。1.0 N HCl水溶液(2mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水と塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:AcOH、50:50:1)により精製して化合物1028 (18mg、収率35%)を白色固形物として得た。相応するナトリウム塩は、0.02 N NaOH水溶液で処理することによって得られた。










(登録番号1014)
Figure 0004344246
工程a
CH2Cl2 (50mL)中の酸6a (1.00g、5.55ミリモル)溶液に、オキサリルクロライド(0.73mL、8.3ミリモル)とDMF (100μL)を添加した。反応を90分間攪拌し、次いでEtOH (15mL)を添加し、反応をさらに1時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をEtOAcで希釈し、水、塩水で連続洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、さらに精製することなく使用するエステル6bを得た。
工程b
CH2Cl2 (50mL)中のエステル6b溶液に、CH2Cl2中のBBr3の1 M溶液(7.2mL、7.20ミリモル)を添加した。室温で3時間後、反応混合物を0℃に冷却し、EtOH (5mL)を添加した。反応混合物を室温で30分攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、水および塩水で連続洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc;70:30)により精製してフェノール6c (802mg、2工程に亘って収率74%)を透明ガム状物として得た。
工程c
THF (2.0mL)中のDIAD (87μL、0.44ミリモル)溶液を、室温のTHF (7.0mL)中の1h (100mg、0.33ミリモル)、Ph3P (104mg、0.44ミリモル)およびフェノール6c (65mg、0.34ミリモル)の溶液に2時間に亘って添加した。混合物を4時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、30:70〜50:50)により精製して化合物6d (46mg、収率29%)を白色発泡体として得た。
工程d
THF (3mL)とMeOH (1mL)との混合物中のエステル6d (44mg、0.09ミリモル)溶液に、1 N LiOH水溶液(1.0mL、1.0ミリモル)を添加した。室温で4時間後、1 N HCl (2mL)を添加した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水と塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固させて化合物1014 (39mg、収率93%)を白色固形物として得た。相応するナトリウム塩は、1当量の水酸化ナトリウム水溶液で処理することによって得られ、得られた溶液を凍結乾燥してフワフワした白色固形物を得た。
Figure 0004344246
Figure 0004344246
逆転写酵素(RT)アッセイ
ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)がコード化する酵素のうちには、逆転写酵素があり(1)、この酵素は、RNAテンプレートからDNAコピーを転写するのでそのように名付けられている。この活性は、無細胞酵素アッセイにおいて定量的に測定でき、逆転写酵素がビオチン化オリゴ d(G)によって開始された合成テンプレートポリr(C)を使用し、基質として3H-dGTPを使用して放射能標識化DNAストランドを転写し得るという観察に基づく。以下に説明するアッセイは、野生タイプの酵素(HIV-1感染患者において観察された酵素の主要形)を使用し、さらにまた、変異体RT酵素(例えば、コドン181のチロシン残基がシステイン残基によって置換されている部位特異性変異誘発によって調製したY181C)においても同様なアッセイ条件において使用し得る。このアッセイは、変異体酵素抑制における有効性について化合物を評価するのを可能にする。
材料
a) 酵素の調製
幾つかのHIV-1 IIIBクローンBH10 RTは、C.-K. Shin博士(Boehriger Ingelheim Pharmaceuticals社、米国)によってベクターpKK233-2 (Pharmacia社)中で調製された。ついでに、lacオペロン/trcプロモーターによって調節されたRT p66遺伝子のみを含有するHIV RTクローンpKRT2は、W. Summers博士(エール大学)から入手した(2)。種々の特異性アミノ酸置換基は、部位特異性変異誘発によって野生タイプRT遺伝子中に導入された。各RTクローンは、pKK233-2細菌発現ベクター中にサブクローニングした。提供されたクローンとしては、野生タイプ、Val106Ala、Tyr181Cys、Tyr88Cys、Tyr188Leu、Gly190AlaおよびPro236Leuがある。他は、Lys103Asn、Lys103Asn/Tyr181Cys、Lys103Asn/Leu100Ile、Lys103Asn/Pro225His、およびLys103Asn/Val108IleのようなpKK233-2 RTクローンの部位特異性変異誘発によって自家調製した。
b) 酵素の精製
組換え逆転写酵素の精製は、以前に開示された諸方法の組合せを使用して実施した(3)。形質転換JM109細胞の新鮮プレートからの単コロニーを使用して、37℃でo/n増殖させた予備培養物の増殖を開始させた。2リットルの増殖培地にこの予備培養物を接種した。OD600約1.5において(37℃で5〜6時間)、RT遺伝子発現をIPTG (最終1 mM)で誘発させ、発酵を37℃で数時間以上続けた。遠心分離後、上清を廢棄し、細胞ペレットをプールして精製まで−80℃で保存した。細胞を4℃で1夜解凍し、溶解緩衝液(MES 50mM pH 6、EDTA 1mM、10%(容量/容量)グリセリン、0.02%(質量/容量)OBG、0.02%(質量/容量)アジ化ナトリウム)中に懸濁させた。リゾチームを添加し、混合物を氷上で40分間インキュベートした。リゾチームの存在下でのドーンス(Dounce)および超音波を使用しての均質化後、細胞を30分間遠心処理した。上清(S1)を確保し4℃で保存した。遠心分離したペレットを抽出緩衝液(MES 50mM pH 6、KPO4 50 mM pH6、KCl 100mM、10%(容量/容量)グリセリン、0.02%(質量/容量)OBG、0.02%(質量/容量)アジ化ナトリウム)中に再懸濁させ、4℃で30分間攪拌した。この第2混合物を再度遠心処理して上清(S2)を確保した。上記手順を2回以上繰返して上清S3およびS4を確保し、1回の最後の抽出を1夜実施した(S5)。Polymin P (最終0.005%)を一緒にした上清に添加して核酸を除去した。この溶液を4℃で75分間攪拌し、1時間遠心処理した。上清(SS1)を氷上で20%(質量/容量)硫酸アンモニウムにより沈降させ、4℃で1時間攪拌した。その後、混合物を遠心処理し、得られた上清(SS2)を追加の40%(質量/容量)硫酸アンモニウム(総計60%)により沈降させ、1時間攪拌し、再度遠心処理した。最終ペレット(P1)を、精製を翌日行う前に4℃で1夜保存した。精製工程は、特に断らない限り、すべて4℃で実施した。
ペレット(P1)を、MES 50mM pH 6、KPO4 10 mM pH6、KCl 100mM、10%(容量/容量)グリセリン、0.02%(質量/容量)OBG、0.02%(質量/容量)アジ化ナトリウム中に再懸濁させた。上清を、12〜14kD MWCO透析チューブを使用し、同じ緩衝液に対して1夜透析した。透析液を遠心処理し、上清をMillex-PF 0.8μmフィルター装置により濾過した。濾過サンプルをヒドロキシルアパタイトカラム(30-mL床容量)上に置き、同じ緩衝液で洗浄した。結合酵素を、上記緩衝液中の10〜300mM直線勾配のKPO4約200mLで溶出させた。p66/p51ヘテロダイマーを含有する画分(SDS-PAGE8%およびウェスタンブロッティングにより確認したような)を次のカラム用にプールした。RT含有画分を、Bis-Trisプロパン50 mM ph 7.0、0.02%(質量/容量)OBG、10%(容量/容量)グリセリン、0.02%(質量/容量)アジ化ナトリウムで2倍希釈し、ハイトラップヘパリンセファロースカラム(5-mL床容量)上に置き、同じ緩衝液で洗浄した。その後、結合RTを同じ緩衝液中の0〜1 M直線勾配の硫酸アンモニウム 75mLで溶出させた。RT含有画分は、SDS-PAGEおよびウェスタンブロッティング分析に従ってプールした。このプール液のたんぱく質濃度は、標準としてBSAを使用するブラッドフォード(Bradford)法により測定した。最終酵素調製物は、MES 50mM pH 6、KPO4 300 mM pH6、KCl 175mM、10%(容量/容量)グリセリン、0.02%(質量/容量)アジ化ナトリウム中で透析し、小分けし、−80℃で凍結した。
アッセイ手順
放射分析酵素アッセイは、96ウェルマイクロタイタープレートフォーマットに適応されており、ストレプトアビジンシンチレーション近接ビーズを使用する。このアッセイを以下に簡単に説明する。HIV-1 RT酵素を解凍し、NaCl 60mM、MgCl2 6水和物 2mM、DTT 6mM、GSH 2mMおよび0.02%(質量/容量)Chapsを含有するTris/HCl 50mM pH 7.8中に適切に希釈して約3nMの酵素を得た。この酵素溶液の30μLに、10μLのインヒビター溶液(15%(容量/容量)のDMSOを含有する上記と同じアッセイ緩衝液中50μM〜2.5nMのインヒビター)を添加した。プレートを、次の工程に進む前に、室温で15分間予備インキュベートした。この予備インキュベーション工程においては、最高および最低インヒビター濃度は、それぞれ、12.5μMおよび0.62nMであり、DMSO濃度は3.75%(容量/容量)であった。その後、酵素反応を10μLの基質溶液の添加により開始させた。最終反応混合物は、Tris/HCl 50mM pH 7.8、NaCl 60mM、MgCl2・6H2O 2mM、DTT 6mM、GSH 2mM、Chaps 0.02%(質量/容量)、DMSO 3%(容量/容量)、Poly rC 179nM、ビオチン dG15 18nM、dGTP 288nM、3H-dGTP 71nMおよび1〜2nMの酵素を含有していた。
このインキュベーション工程においては、最高および最低インヒビター濃度は、それぞれ、10μMおよび0.5nMであった。基質の添加後、プレートをプラスチックシールで覆い、ドライインキュベーター内で37℃で1時間インキュベートした。その後、反応を、5mg/mLのストレプトアビジンシンチレーション近接ビーズを含有する75μLのEDTA 0.5Mを添加することによって失活させた。
上記プレートを中程度の速度で2分間振盪させ、室温で1時間インキュベートした。その後、75μLの塩化セシウム 7M溶液を添加し、プレートを中程度の速度で2分間振盪させ、室温で1時間再度インキュベートした。その後、プレートをプラスチックシールで覆い、TopCount-NXTTM Microplate Scintillation & Luminescence Counter (Packard社)を使用して計数した。各ウェルを60秒間計数した。各列は、その末端部でブランクおよび対照ウェルを含んでいた。
%抑制の算出は、下記のとおりである:
Figure 0004344246
上記アッセイを使用して、本発明の化合物を、RT野生タイプ(WT)および変異体酵素の抑制について試験した。結果は、IC50 (nM)として表4に示している。
上記化合物のHIV複製を抑制する能力を確認するために、上記化合物を、以下に説明するヒトT細胞培養物(Syncytia社)アッセイにおいても試験した。
細胞培養物中での活性評価のためのELISAアッセイ
本発明の化合物を、その細胞培養物中でのHIV複製を抑制する能力について、96ウェルプレートアッセイにおいて試験した。RPMI 1640 + 10%ウシ胎仔血清、10μg/mlのゲンタマイシンおよび10μMのβ-メルカプトエタノールからなる完全RPMI 1640を上記化合物並びに細胞増殖培地の希釈に使用した。Tリンパ球細胞系C8166に野生タイプおよび変異体逆転写酵素をコードするウイルスを0.001の感染多重度で感染させた。その後、細胞を1連の希釈度の本発明の化合物の存在下に3日間インキュベートした。上清を8個の複製ウェルからプールし、細胞外液p24の濃度を、商業的に入手可能なHIV-1 p24抗原アッセイキット(Beckman-CoulterR)を使用して測定した。抑制値(%抑制)を下記の等式によって算出した:
Figure 0004344246
結果は、EC50 (nM)として表2に示している。
文献(参考として本明細書に引用する)
1.Benn, S., et al. Science 230:949, 1985。
2.D'Aquila, R. T. and Summers, W. C. J. Acq. Imm. Def. Syn. 2:579, 1989。
3.a) Warren, T. C. et al. Protein Expression & Purification 3:479, 1992;b) Kohlstaedt, L. A. Science 256(5065): 1783, 1992。















表2
式Iの化合物におけるRTの野生タイプおよび変異体株の抑制
Figure 0004344246
表内凡例:
IC50およびEC50:A = >100 nM;B = 100 nM〜50 nM;C = <50 nM;NT = 試験せず。

Claims (5)

  1. 下記の式Iの化合物:
    Figure 0004344246
    (式中、R2、R4、R5、R12、R13及びR14が、以下の条件(1)〜(8)のいずれか一つを満たす;
    (1) R2はClであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はCH3であり、R13はHであり、R14 はCH2CH2COOHである;
    (2) R2はClであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はCH3であり、R13はH であり、R14はCH=CHCOOHである;
    (3) R2はHであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はCH3であり、R13はH であり、R14はCH=CHCOOHである;
    (4) R2はClであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はCH3であり、R13はH であり、R14はCOOHである;
    (5) R2はHであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はCH3であり、R13はH であり、R14はCOOCH3である;
    (6) R2はHであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はC2H5であり、R13はH であり、R14はCOOCH3である;
    (7) R2はHであり、R4はHであり、R5はCH3であり、R12はClであり、R13はH であり、R14はCOOCH3である;
    (8) R2はOC2H5であり、R4はHであり、R5 CH3であり、R12はCH3であり、R13はHであり、R14はCOOCH3である。)
  2. 請求項1記載の式Iの化合物、および製薬上許容し得る担体を含む、HIV感染症の治療または予防用製薬組成物。
  3. HIV感染症の治療または予防用医薬の製造における、抗レトロウイルス薬と併用した請求項1記載の式Iの化合物の使用。
  4. HIV感染症の治療または予防用医薬の製造における、請求項1記載の式Iの化合物の使用。
  5. 出産前の母体から子供へのHIV-1周産期感染の予防用医薬の製造における、請求項1記載の式Iの化合物の使用。
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