JP2006513253A - 骨形成を誘導する組成物および方法 - Google Patents

骨形成を誘導する組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳類細胞を骨芽細胞系の細胞へ分化または分化形質転換する組成物および方法を提供する。

Description

関連出願
本特許出願は、2002年10月15日に出願された米国特許仮出願第60/418,898号、および2003年7月18日に出願された米国特許仮出願第60/ 号(代理人整理番号第021288-001810号)の利益を請求するものであり、これら両出願の開示は本明細書に参照として組入れられる。
発明の背景
骨は、動的組織であり、その構造は有機基質に関連した無機相を含んでいる。成体骨格のホメオスタシスは、骨吸収と骨形成の間の均衡を必要としている。吸収時には、骨表面の特別な細胞は骨組織を溶解し、小さい空洞を形成する。形成時には、別のの細胞が、これらの空洞を新たな骨組織で充填する。骨再構築サイクルの不均衡は、骨喪失を引き起こすことがあり、これは最終的には骨に関連した疾患につながる。骨芽細胞系の細胞(骨芽細胞)は、新たな骨基質の合成および沈着(骨形成)により、骨再構築サイクルの均衡において、重要な役割を果たす。骨芽細胞系の細胞は、間葉系幹細胞(すなわち、間葉細胞の前駆細胞)から分化する。間葉細胞の前駆細胞の骨芽細胞への分化の誤調節は、例えば、骨粗鬆症、くる病、骨軟化症、McCune-Albright症候群、およびパジェット病のような、欠損のある骨芽細胞に関連したいくつかの骨関連疾患を説明することができる(例えば、Olsen et al.、Ann. Rev. Cell Dev. Biol.、16: 191 (2000)参照)。
骨形成を刺激する組成物は都合の良いことに、これらおよび他の障害を治療するために、治療的方法(例えば、経口投与)において使用することができる。加えて骨芽細胞系の細胞は都合の良いことに、これらのおよび他の障害を治療または予防するために、治療的方法(例えば移植)において使用することができる。骨形成を刺激する方法は、例えば米国特許第6,369,029号および第5,942,225号に開示されている。しかし、効果的療法を可能にするのに十分な数の骨芽細胞を得ることは困難である。例えば、米国特許第5,942,225号は、ステロイド(デキサメタゾン)、β-グリセロリン酸およびアスコルビン酸の組合せを使用する、ヒト間葉系幹細胞の骨形成性系統の細胞への分化を誘導するin vitro培養条件を開示している。しかしデキサメタゾンのようなステロイドは、複数の副作用を有する強力な抗-炎症薬である。従って、間葉系幹細胞の骨芽細胞系の細胞への増殖および分化を適切に調節する組成物および方法は、依然得られていない。
従って、in vivoおよびin vitroにおける哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化および分化形質転換を誘導する組成物および方法が、当該技術分野において必要である。これらは特に、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞へのin vivoおよびin vitroでの分化および分化形質転換を誘導することができる小さい分子を必要としている。本発明は、これらおよび他の必要性を満足するものである。
発明の概要
本発明は、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞へのin vivoおよびin vitroにおける分化および分化形質転換を誘導するための、新規組成物および方法を提供する。
本発明のひとつの態様は、式Iの化合物を提供する:
Figure 2006513253
(式中、R1は、水素、ハロゲンおよび-L-R2を含むが、これらに限定されるものではない官能基であり;
Lは、-O-および-NR3-を含むが、これらに限定されるものではない官能基であり、ここでR3はHであるか、またはR3は、R2およびそれに両方が結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよく;
R2は、独立して選択され、ならびにハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-N(R2b,R2b)、-SO2N(R2b,R2b)、-C(O)N(R2b,R2b)および-O-アリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基である0〜2個のR2a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC0-2アルキルアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR2a基が存在しおよびこれらの2個のR2a基が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-、-O-C(CH3)2CH2-および-(CH2)3-4-を含むが、これらに限定されるものではない官能基を形成してもよく;
各R2b基は、独立して選択され、ならびに水素およびC1-4アルキルを含むが、これらに限定されるものではない官能基であり;
R4は、0〜2個のR4a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、C0-2アルキルアリール、およびC1-4アルキルにより置換されてもよいC0-2アルキルヘテロ環を含むが、これらに限定されるものではない官能基であり;
各R4a基は、独立して選択され、ならびに水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、およびアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR4a基が存在しおよび2個のR4a基が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよく;
R5は、水素であり、ならびにR6は、ハロゲン、C1-4アルキル、-C(O)-C1-4アルキル、-SO2-N(R2b,R2b)、C1-4アルキルハロ、-O-アリールおよび-N(R7, R8)を含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR5およびR6が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよく;
R7は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、アリールおよび-C(O)R7aを含むが、これらに限定されるものではない官能基であり;
R7aは、C1-4アルキル、C1-4アルキルハロ、C3-8シクロアルキルおよびアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であり;
R8は、HおよびC1-4アルキルを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR7およびR8はそれらが結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよい。)。
本発明の化合物は それらの全ての薬学的に許容される塩、それらの異性体、溶媒和物、水和物およびプロドラッグを含む。
本発明の別の態様は、骨形成を誘導する方法を提供する。哺乳類細胞を、式Iの化合物と接触させ、その結果哺乳類細胞は骨芽細胞系の細胞へ分化する。この接触段階は、in vivoまたはin vitroで行うことができる。骨形成を誘導するそれらの能力を考慮し、式Iの化合物は、骨粗鬆症、くる病、骨軟化症、McCune-Albright症候群、およびパジェット病などの、骨障害および疾患の治療に有用である。
本発明の別の態様は、哺乳類細胞を式Iの化合物と接触させ、その結果哺乳類細胞は、骨芽細胞系の細胞へ分化することにより、骨障害を治療する方法を提供する。哺乳類細胞は更に、骨形成タンパク質4(BMP-4)と接触させてもよい。哺乳類細胞がin vitroにおいて式Iの化合物と接触される場合、分化された細胞は、前記障害を伴う個体に投与され、これにより障害が治療される。一部の態様において、哺乳類細胞は、固相支持体(例えば、三次元マトリックスまたは平坦な面(planar surface))に結合される。
一部の態様において、哺乳類細胞は、in vivoにおいて式Iの化合物と接触される。哺乳類細胞がin vivoにおいて式Iの化合物と接触される場合、接触段階は、化合物の哺乳類への経口、静脈内、皮下または腹腔内の投与であってよい。
一部の態様において、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化が検出される。一部の態様において、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化は、骨形成マーカー遺伝子(例えば、アルカリホスファターゼ、I型コラーゲン、オステオカルシン、およびオステオポニン(osteoponin))の発現を検出することにより、検出される。別の態様において、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化は、骨特異性転写因子(例えば、Cbfa1/Runx2またはOsx)の発現を検出することにより検出される。
一部の態様において、哺乳類細胞は、幹細胞(例えば、間葉系幹細胞、前骨芽細胞、前脂肪細胞、または筋芽細胞)である。一部の態様において、間葉系幹細胞は、マウス(例えば、マウスの胚性中胚葉線維芽細胞)または霊長類(例えば、ヒト)から単離される。
本発明のその他の態様および利点は、下記の詳細な説明から明らかである。
発明および好ましい態様の詳細な説明
I.緒言
本発明は、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化および分化形質転換に関する化合物、組成物および方法を提供する。より詳細に述べると、本発明は、哺乳類細胞から骨芽細胞系の細胞への分化および分化形質転換に有用な式Iの化合物を提供する。一部の態様において、式Iの化合物を含有する組成物が提供される。別の態様において、哺乳類細胞において骨形成を誘導する方法が提供される。骨形成は、本発明の方法に従い、in vivoまたはin vitroにおいて誘導することができる。
II.定義
特に記さない限りは、全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の一般的技術者により通常理解されるものと同じ意味を有する。概して、本明細書において使用される命名法ならびに有機化学および分析化学に関する実験手法は、周知のものであり、および当該技術分野において常用されるものである。
用語「アルキル」は、それ自身または他の置換基の一部として、特に記さない限りは、指定された数の炭素原子を有する(すなわち、C1-C10は、1〜10個の炭素を意味する)、完全に飽和、モノ-またはポリ不飽和であってよく、ならびに二価および多価のラジカルを含むことができる、直鎖もしくは分枝鎖、もしくは環式の炭化水素ラジカル、またはそれらの組合せを意味する。飽和炭化水素ラジカルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルのホモログおよび異性体などの基を含む。不飽和のアルキル基は、1個または複数個の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例は、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびにより高次のホモログおよび異性体を含む。用語「アルキル」は、特に記さない限りは、「ヘテロアルキル」として以下により詳細に定義されたアルキルのそのような誘導体を含むことも意味する。炭化水素基に限定されたアルキル基は、「ホモアルキル」と称される。
用語「アルキレン」は、それ自身または他の置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-により例証されるような、アルカンに由来した二価のラジカルを意味し、ならびに更に「ヘテロアルキレン」として以下に説明されるそのような基を含む。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1〜24個の炭素原子を有し、10個またはそれよりも少ない炭素原子を有するそのような基が本発明においては好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、比較的短鎖のアルキルまたはアルキレン基であり、一般には8個またはそれよりも少ない炭素原子を有する。
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(または、チオアルコキシ)は、それらの従来の意味で使用され、各々、酸素原子、アミノ基、またはイオウ原子を介してその分子の残余に結合されたそのようなアルキル基を意味する。
用語「ヘテロアルキル」は、それ自身または他の用語と組合せて、特に記さない限りは、指定された数の炭素原子および O、N、SiおよびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子からなる、安定した直鎖もしくは分枝鎖、もしくは環式炭化水素ラジカル、またはそれらの組合せを意味し、ここで窒素およびイオウ原子は任意に酸化されてもよく、ならびに窒素ヘテロ原子は任意に四級化されてもよい。ヘテロ原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基のいずれかの内部位置に配置されてよい。ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残余に結合されているような位置を含む、ヘテロアルキル基のいずれかの位置に配置されてよい。例としては、
Figure 2006513253
が含まれる。例えば-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH3)3であるように、最大2個のヘテロ原子が連続することができる。同様に、用語「ヘテロアルキレン」は、それ自身または他の置換基の一部として、ヘテロアルキル由来の二価のラジカルを意味し、例として-CH2-CH2-S-CH2CH2-および-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-がある。ヘテロアルキレン基について、ヘテロ原子は、いずれか一方または両方の鎖末端が占拠されることもできる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。更に、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基について、連結基の方向は無関係である。
用語「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」は、それら自身または他の用語と組合せて、特に記さない限りは、各々、環式の「アルキル」および「ヘテロアルキル」型を表している。加えてヘテロシクロアルキルに関して、ヘテロ原子は、ヘテロ環がその分子の残余に結合された位置で占拠され得る。シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどである。ヘテロシクロアルキルの例は、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、それら自身または別の置換基の一部として、特に記さない限りは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」のような用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば用語「ハロ(C1-C4)アルキル」は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
用語「アリール」は、特に記さない限りは、単独の環または互いに縮合または共有結合された複数の環(最大3個の環)であることができる、ポリ不飽和の、典型的には芳香族の、炭化水素置換基を意味する。用語「ヘテロアリール」は、N、O、およびSから選択された0〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)を意味し、ここで窒素およびイオウ原子は任意に酸化され、および窒素原子は任意に四級化されてもよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して、分子の残余に結合され得る。アリールおよびヘテロアリール基の限定的でない例は、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリニル、5-イソキノリニル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、および6-キノリルである。前述のアリールおよびヘテロアリール環システムの各々の置換基は、以下に説明された許容できる置換基の群より選択される。
簡略化のために、用語「アリール」は、他の用語と組合せて使用される場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)は、先に定義されたようなアリール環およびヘテロアリール環の両方を含む。従って用語「アリールアルキル」は、アリール基が、炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば酸素原子と交換されているそのようなアルキル基を含むアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)に結合されているそのようなラジカルを含むことを意味する(例えば、フェノキシメチル、2-ピリジルオキシメチル、3-(1-ナフチルオキシ)プロピルなど)。
前記用語の各々(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」)は、指示されたラジカルの置換型および未置換型の両方を含むことを意味する。ラジカルの各型のための好ましい置換基が以下に提供される。
アルキルおよびヘテロアルキルラジカル(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルと称されることが多いこれらの基を含む)のための置換基は、以下から選択された様々な基であることができる:0〜(2m'+1)の範囲の数の、-OR'、=O、=NR'、=N-OR'、-NR'R''、-SR'、-ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR''C(O)2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(0)2NR'R''、-CNおよび-NO2であり、ここでm'は、そのようなラジカル中の炭素原子の総数である。R'、R''およびR'''は各々独立して、水素、未置換の(C1-C8)アルキルおよびヘテロアルキル、未置換のアリール、1〜3個のハロゲンにより置換されたアリール、未置換のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリール-(C1-C4)アルキル基である。R'およびR''が同じ窒素原子に結合している場合は、これらは、この窒素原子と一緒に、5-、6-、または7-員環を形成することができる。例えば、-NR'R''は、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含むことを意味する。置換基に関する前記考察から、当業者は、用語「アルキル」は、ハロアルキル(例えば、-CF3および-CH2CF3)およびアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、-C(O)CH2OCH3など)のような基を含むことを意味することを理解すると思われる。
同様に、アリール基およびヘテロアリール基の置換基は様々であり、以下から選択される:0からその芳香環システムのオープンの結合価(open valence)の総数までの範囲の数の、-ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ、およびペルフルオロ(C1-C4)アルキルであり;ならびに、R'、R''およびR'''は各々独立して、水素、(C1-C8)アルキルおよびヘテロアルキル、未置換のアリールおよびヘテロアリール、(未置換のアリール)-(C1-C4)アルキル、および(未置換のアリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の2個の置換基は、式-T-C(O)-(CH2)q-U-の置換基で置換されてもよく、ここでTおよびUは独立して、-NH-、-0-、-CH2-または単結合であり、ならびにqは0〜2の整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の2個の置換基は、式-A-(CH2)r-B-の置換基で置換されてもよく、ここでAおよびBは独立して、-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(0)2-、-S(0)2NR'、または単結合であり、ならびにrは、1〜3の整数である。そのように形成された新規環のひとつの単結合は、二重結合により置換されてもよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の2個の置換基は、式-(CH2)s-X-(CH2)t-の置換基で置換されてもよく、ここでsおよびtは独立して0〜3の整数であり、ならびにXは、-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(0)2-、または-S(O)2NR'-である。置換基-NR'-および-S(O)2NR'-のR'は、水素または未置換の(C1-C6)アルキルから選択される。
本明細書において使用される用語「ハロ」または「ハロゲン」は、Cl、Br、FまたはI置換基を意味する。用語「ハロアルキル」などは、異なるハロゲン原子の混合を含む、Cl、Br、FまたはI原子により置換された少なくとも1個の水素原子を有する脂肪族炭素ラジカルを意味する。トリハロアルキルは、例えば好ましいラジカルとして、トリフルオロメチルなどを含む。
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)は、それらの通常の意味で使用され、ならびに分子の残余に、各々、酸素原子、アミノ基、またはイオウ原子を介して結合されているようなアルキル基を意味する。
本明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)およびイオウ(S)を意味する。
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書に説明された化合物上に認められる具体的置換基に応じて、比較的無毒の酸または塩基により調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を含む場合、このような化合物の中和型を生のまま(neat)または適当な不活性溶媒中のいずれかで、十分量の所望の塩基と接触することにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニア、有機アミノ、もしくはマグネシウムの塩、または同様の塩を含む。本発明の化合物が、比較的塩基性の官能性を含む場合は、このような化合物の中和型を生のまままたは適当な不活性溶媒中のいずれかで、十分量の所望の酸と接触することにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素(monohydrogencarbonic)、ホスホン酸、ホスホン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫化水素、ヨウ化水素酸、またはリン酸などの無機酸由来のものに加え、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの、比較的無毒の有機酸由来の塩を含む。同じく、アルギン酸などのアミノ酸の塩、ならびにグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含む(例えば、Berge, S. M., et al, 「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science、66, 1-19(1977))。本発明のある種の特定の化合物は、その化合物が塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに転換されることを可能にする塩基性および酸性の両官能性を含む。
これらの化合物の中和型は、塩を塩基または酸と接触させ、ならびに常法で親化合物を分離することにより、再生することができる。この化合物の親型は、極性溶媒における溶解度のような、ある種の物理特性において、様々な塩型とは異なるが、そうでなければ、これらの塩は、本発明の目的のための化合物の親型と同等である。
本発明は、塩型に加えて、プロドラッグ型である化合物を提供する。本明細書に説明された化合物のプロドラッグは、生理的条件下で化学変化を容易に受け、本発明の化合物を提供するような化合物である。加えてプロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法により、本発明の化合物に転換することができる。例えばプロドラッグは、適当な酵素または化学物質と共に経皮的貼付式貯蔵庫中に配置された場合は、本発明の化合物へゆっくり転換することができる。
ある種の本発明の化合物は、非溶媒和型に加え、水和型を含む溶媒和型で存在することができる。概して、溶媒和型は、非溶媒和型と同等であり、ならびに本発明の範囲に包含されることが意図されている。ある種の本発明の化合物は、複数の結晶形または非晶質形で存在してもよい。概して、全ての物理的形は、本発明により企図された用途について同等であり、ならびに本発明の範囲内であることが意図されている。
ある種の本発明の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、および個々の異性体の全てが、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
本発明の化合物は、そのような化合物を構成している1個または複数個の原子に、非天然の割合で原子の同位体を含んでもよい。例として、これらの化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)などの、放射性同位元素により放射標識されてもよい。本発明の化合物の同位体の変種は全て、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
本明細書において使用される「骨形成」は、骨細胞の増殖および骨組織の成長(すなわち、新たな骨基質の合成および沈着)を意味する。骨形成は、始原細胞または前駆細胞の骨細胞(すなわち、骨芽細胞)への分化または分化形質転換も意味する。始原細胞または前駆細胞は、例えば間葉系幹細胞などの、多能性の幹細胞であることができる。始原細胞または前駆細胞は、骨芽細胞系へと予めコミットされた細胞(例えば、前骨芽細胞の細胞)または骨芽細胞系へと予めコミットされない細胞(例えば、前脂肪細胞または筋芽細胞)であることができる。
本明細書において使用される「幹細胞」は、複数の細胞型へ分化することが可能である、自己-複製する多能性細胞もしくは多分化能細胞または始原細胞もしくは前駆細胞を意味する。本発明の方法における使用に適した幹細胞は、骨芽細胞系の細胞、例えば骨芽細胞へ分化することが可能であるものを含む。本発明の方法における使用に適した幹細胞は、例えば、間葉系幹細胞、前骨芽細胞、前脂肪細胞、および筋芽細胞を含む。間葉系幹細胞(MSC)は、骨、軟骨、脂肪細胞、筋肉、造血支援する支質を含む支質、および腱などの、間葉細胞の細胞系統へ分化することが可能であり、ならびに修復および再生において重要な役割を果たす(例えば、Olsen, 2000, 前掲参照)。MSCは、米国特許第5,643,736号に開示されたような独特なモノクローナル抗体により同定される特異的細胞表面マーカーにより同定される。
本明細書において使用される「分化する」または「分化」は、始原細胞または前駆細胞(すなわち、幹細胞)が、例えば骨芽細胞などの特定の細胞型に分化するプロセスを意味する。分化された細胞は、それらの遺伝子発現および細胞表面タンパク質発現のパターンにより同定することができる。典型的には、骨芽細胞系の細胞は、例えば、アルカリホスファターゼ、I型コラーゲン、オステオカルシン、およびオステオポニンなどの遺伝子を発現する。典型的には、骨芽細胞系の細胞は、例えば、Cbfa1/Runx2およびOsxのような、骨特異性転写因子を発現する(例えば、Olsen et al, 2000, 前掲、ならびにNakashima et al., Cell、108(1):17-29(2002)参照)。骨芽細胞分化に関連している追加の転写因子は、例えば、gsc、Dlx1、Dlx5、Msx1、Cart1、Hoxa1、Hoxa2、Hoxa3、Hoxbl、rae28、Twist、AP-2、Mf1、Pax1、Pax3、Pax9、TBX3、TBX4、TBX5、およびBrachyuryを含む(例えば、Olsen et al, 2000, 前掲参照)。
「分化形質転換」は、ひとつの系統の細胞型へ予めコミットされた始原細胞または前駆細胞(すなわち、幹細胞)が、別の系統の特異的細胞型へ分化するようなプロセスを意味し、例えば、前脂肪細胞は骨芽細胞へ分化形質転換し、または筋芽細胞は骨芽細胞へ分化形質転換する。分化形質転換された細胞は、遺伝子発現および細胞表面タンパク質発現のそれらのパターンにより同定することができる。典型的には、骨芽細胞系の細胞は、例えば、アルカリホスファターゼ、I型コラーゲン、オステオカルシン、およびオステオポニンなどの遺伝子を発現する。典型的には、骨芽細胞系の細胞は、例えばCbfa1/Runx2およびOsxなどのような、骨特異性転写因子を発現する(例えば、Olsen et al, 2000, 前掲、およびNakashima et al., Cell, 108(1):17-29(2002)参照)。加えて、骨芽細胞分化に関連している追加の転写因子は、例えば、gsc、Dlx1、Dlx5、Msx1、Cart1、Hoxa1、Hoxa2、Hoxa3、Hoxbl、rae28、Twist、AP-2、Mf1、Pax1、Pax3、Pax9、TBX3、TBX4、TBX5、およびBrachyuryを含む(例えば、Olsen et al, 2000, 前掲参照)。
骨形成の誘導と関連して本明細書において使用される「固相支持体」は、その上で幹細胞を培養することができる三次元マトリックスまたは平坦な面を意味する。この固相支持体は、天然の物質(すなわち、タンパク質をベースとした)または合成物質に由来することができる。例えば、Clokie et al.、J. Craniofac. Surg.、13(1):111-21(2002)、およびIsaksson, Swed. Dent. J. Suppl.、84:1-46(1992)に説明されているように、天然の物質をベースにしたマトリックスは、自家骨断片または市販の骨代替品で構成することができる。適当な合成マトリックスは、例えば米国特許第5,041,138号、第5,512,474号、および第6,425,222号に開示されている。例えば、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、またはポリ無水物などの、生分解性人工ポリマーを、固相支持体に使用することができる。炭酸カルシウム、アラゴナイト、および多孔質セラミックス(例えば、緻密ヒドロキシアパタイトセラミックス)も、固相支持体における使用に適している。ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、およびポリスチレンなどのポリマーも、固相支持体における使用に適している。三次元マトリックスである固相支持体上で培養および分化された細胞は、通常はマトリックス表面全体、例えば内側および外側で成長する。平坦な面である固相支持体上で培養および分化された細胞は、通常は単層で成長する。用語「固相支持体」は、式Iの化合物を調製する状況においても使用される。この状況において、「固相支持体」は、適当な溶媒中に部分的に可溶性であるかまたは完全に不溶性であることができ、ならびに例えば反応体または反応の試薬に結合するために使用されるビーズのような、高分子支持体を意味する。適当な固相支持体は、PAL樹脂、Wang樹脂、およびポリスチレン樹脂を含むが、これらに限定されるものではない。
本明細書において使用される「培養する」とは、増殖し、分化し、および老化を避けることができる条件下で細胞を維持することを意味する。例えば本発明において、培養された間葉系幹細胞は、骨芽細胞系の細胞へ増殖および分化する。細胞は、適当な増殖因子、すなわち、例えば、骨形成タンパク質-2(BMP-2)、骨形成タンパク質-4(BMP-4)、骨形成タンパク質-7(BMP-7)、またはタンパク質のBMPファミリーの他の適当な一員を含有する増殖因子カクテルを含む増殖培地において培養することができる。
III.発明の化合物およびそれらの調製法
A. 式Iの化合物
ひとつの局面において、本発明は、式Iの化合物を提供する:
Figure 2006513253
式Iにおいて、R1は、水素、ハロゲンおよび-L-R2を含むが、これらに限定されるものではない官能基である。Lは、R1に関連して、-O-および-NR3-を含むが、これらに限定されるものではない官能基であり、ここでR3はHであるか、またはR3は、R2およびそれに両方が結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよい。R2は、独立して選択され、ならびにハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-N(R2b,R2b)、-SO2N(R2b,R2b)、-C(O)N(R2b,R2b)および-O-アリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基である0〜2個のR2a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC0-2アルキルアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR2a基が存在しおよびこれらの2個のR2a基が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-、-O-C(CH3)2CH2-および-(CH2)3-4-を含むが、これらに限定されるものではない官能基を形成してもよい。各R2b基は、独立して選択され、ならびに水素およびC1-4アルキルを含むが、これらに限定されるものではない官能基である。
式Iにおいて、R4は、0〜2個のR4a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、C0-2アルキルアリール、およびC1-4アルキルにより置換されてもよい、C0-2アルキルヘテロ環を含むが、これらに限定されるものではない官能基である。各R4a基は、独立して選択され、ならびに水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、およびアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR4a基が存在しおよびR4a基が隣接環原子である場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよい。
式Iにおいて、R5は、水素であり、ならびにR6は、ハロゲン、C1-4アルキル、-C(O)-C1-4アルキル、-SO2-N(R2b,R2b)、C1-4アルキルハロ、-O-アリールおよび-N(R7, R8)を含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR5およびR6が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよい。R7は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、アリールおよび-C(O)R7aを含むが、これらに限定されるものではない官能基であり、ここでR7aは、C1-4アルキル、C1-4アルキルハロ、C3-8シクロアルキルおよびアリールを含むが、これらに限定されるものではない官能基であり、ならびに、R8は、HおよびC1-4アルキルを含むが、これらに限定されるものではない官能基であるか、またはR7およびR8はそれらが結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよい。
本発明の化合物は、それらの薬学的に許容される塩、異性体、溶媒和物、水和物およびプロドラッグを全て含む。
好ましい態様において、R1は、下記置換基の群の一員である:
Figure 2006513253
より好ましい態様において、R1は、下記置換基の群の一員である:
Figure 2006513253
最も好ましい態様において、R1は、下記置換基である:
Figure 2006513253
別の好ましい態様において、R4は、下記置換基の群の一員である:
Figure 2006513253
より好ましい態様において、R4は、下記置換基の群の一員である:
Figure 2006513253
最も好ましい態様において、R4は、シクロヘキシル基である。
別の好ましい態様において、R5はHであり、およびR6は、塩素、-CF3、-CH3、-C(O)CH3、-SO2NH2、-NMe2、-NHMe、-NHC(O)Me、-NHC(O)CF3
Figure 2006513253
からなる群の一員である。
より好ましい態様において、R5およびR6はそれらが結合したアニリンと一緒に
Figure 2006513253
を形成する。
最も好ましい態様において、R5は水素であり、およびR6はモルホリノである。
好ましい態様において、R1
Figure 2006513253
であり、R5はHであり;および、R6はモルホリンである。
別の好ましい態様において、R1
Figure 2006513253
であり、R5はHであり、R6はモルホリンであり;および
R4
Figure 2006513253
からなる群より選択される一員である。
本発明の好ましい化合物は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:
Figure 2006513253
Figure 2006513253
最も好ましい態様において、式Iの化合物は、下記化合物であり、本明細書においては化合物Aと称する:
Figure 2006513253
式Iの化合物は、以下において、特に実施例において説明するin vitroおよびin vitroスクリーニング法を用い、骨形成を導入するそれらの能力を容易にスクリーニングすることができる。
B.化合物の調製
本発明の化合物は、固相合成または液相合成のいずれかで調製することができる。
1.固相合成
式Iの化合物の固相合成に関連した方法は、実施例Iに加え、2001年10月12日に出願された米国特許出願第60/328,763号、2001年11月20日に出願された米国特許出願第60/331,835号、2002年1月7日に出願された米国特許出願第60/346,480号、2002年1月10日に出願された米国特許出願第60/348,089号、および2002年10月12日に出願された米国特許出願第10/270,030号(代理人整理番号第21288-000340号を有する)に説明されている。
ひとつの局面において、本発明は、置換されたヘテロアリールを合成する方法を提供し、この方法は:(a)ジハロヘテロアリール足場部分を提供する段階;および、(b)第一のハロゲンの樹脂-結合したアミン求核体による求核置換により、ジハロヘテロアリール足場部分を、樹脂上に捕獲し、置換されたヘテロアリール、例えば、樹脂-結合したアミン置換されたモノハロヘテロアリールとする段階;(c)第二のハロゲンを、適当に置換されたアミンまたはアリールアルコールと反応させ、樹脂結合した置換されたヘテロアリールとする段階;および、(d)置換されたヘテロアリールを樹脂から切断する段階を含む。
本発明に有用な適当な樹脂は、PAL樹脂、Wang樹脂、およびポリスチレン樹脂を含むが、これらに限定されるものではない。他の適当な樹脂は、当業者には明らかであろう。好ましい態様においては、PAL樹脂が利用される。
好ましい態様において、ジハロヘテロアリール足場部分の2個のハロゲン、すなわちハロ基は、独立して選択され、ならびにクロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含むが、これらに限定されるものではない。現在好ましい態様において、2個のハロゲンはクロロ基である。
好ましい態様において、この方法は、求核置換による、あるいはカップリング反応による、ジハロヘテロアリール足場部分の第二のハロゲンの置換を更に含む。現在好ましい態様において、ジハロヘテロアリール足場部分の第二のハロゲンの置換を実行するためには、カップリング反応が使用される。これに関連し、カップリング反応は、パラジウム-媒介したカップリング反応が好ましい。
ジハロヘテロアリール足場部分の2個のハロゲン、すなわちハロ基は、多くの様々な官能基で置換することができることは、当業者には容易に明らかであると思われる。適当な官能基は、アニリン、フェノール、アミンおよびボロン酸を含むが、これらに限定されるものではない(表1参照)。好ましい態様において、官能基は、アリールボロン酸、アニリンおよびフェノールを含むが、これらに限定されるものではない。
好ましい態様において、本方法は、ジハロヘテロアリール足場部分の第一のハロゲンの置換の前に、最初の置換を行う段階を更に含む。好ましい態様において、最初の置換は、アルキル化反応、アシル化反応、およびカップリング反応を含むが、これらに限定されるものではない反応を用いて行われる。
多くのジハロヘテロアリール足場部分を、本発明の方法において使用することができる。適当なジハロヘテロアリール足場部分の例は、プリン、ピリミジン、キナゾリン、ピラジン、フタラジン、ピラダジンおよびキノキサリンを含むが、これらに限定されるものではない。
パラジウム-触媒されたカップリング反応が、ジハロヘテロアリールのハロ基または樹脂-結合したアミン置換されたモノハロヘテロアリールのハロ基を置換するために使用される場合、このパラジウム-触媒されたカップリング反応は典型的には、溶媒、パラジウム触媒、塩基およびカルベンまたはホスフィンリガンドの存在下での、ジハロヘテロアリールまたは樹脂-結合したアミン置換されたモノハロヘテロアリールの、カップリング剤との反応に関連している。適当なカップリング剤は、ボロン酸、アミンおよびアルコールを含むが、これらに限定されるものではない。現在好ましい態様において、適当なカップリング剤は、アリールボロン酸、アニリンおよびフェノールを含むが、これらに限定されるものではない。
前記方法において、カルベンまたはホスフィンリガンドを使用することができる。本発明の方法における使用に適したリガンドの例は、下記のカルベンおよびホスフィンリガンドを含むが、これらに限定されるものではない:
Figure 2006513253
現在好ましい態様において、リガンドは、下記を含むが、これらに限定されるものではないホスフィンリガンドである:
Figure 2006513253
本発明の方法を実行する上で、多くの塩基を使用することができる。前述の方法における使用に適した塩基の例は、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム、カリウムtert-ブチルオキシド、ナトリウムtert-ブチルオキシド、およびトリエチルアミンを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の方法を実行する上で、多くの溶媒を使用することができる。 前述の方法における使用に適した溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼンおよびトルエンを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の方法を実行する上で、多くのパラジウム触媒を使用することができる。典型的には、触媒中の酸化状態のパラジウムは、(0)または(II)である。本発明の方法を実行する上での使用に適したパラジウム触媒の例は、Pd2(dba)3、Pd(OAc)2、Pd(PPh3)4、Pd(O)、PDCl2(dppf)およびPdCl2を含むが、これらに限定されるものではない。このような触媒は、当業者に公知でありかつ使用されており、従ってそれらの構造は公知である。好ましい態様において、パラジウム触媒はPd2(dba)3である。
好ましい態様において、前述の方法は、化合物を固相支持体から切断する段階を更に含む。本発明の化合物は、当業者に公知でありかつ使用されている標準の方法を用い、固相支持体から簡単に切断することができることは容易に理解されるであろう。樹脂-結合した化合物の切断および所望の化合物の樹脂からの遊離は、典型的には酸の存在下で実行される。適当な酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸、および塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素などの無機酸を含むが、これらに限定されるものではない。この反応は通常、水、メタノール、エタノールなどのアルコール、1,4-ジオキサン、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどの溶媒、それらの混合物、またはこの反応に有害な影響を及ぼさないいずれか他の溶媒の中で実行される。
更に別の本発明の局面において、前述の方法は、ヘテロアリール足場部分のライブラリー(またはアレイ)を調製するために適合される。典型的には、置換された足場部分のライブラリーは、複数のジハロヘテロアリール足場部分を用いて調製される。このように、別の局面において、本発明は、置換されたヘテロアリール(例えば、ヘテロ環)のコンビナトリアルライブラリーを合成する方法を提供し、この方法は、複数のジハロヘテロ環式足場部分を提供する段階;および、樹脂-結合したアミン求核体による、第一の塩素の求核置換により、樹脂上に、ジクロロヘテロ環式足場部分を捕獲する段階を含む。
好ましい態様において、ジハロヘテロアリール足場部分に存在する2個のハロゲン、すなわちハロ基は、独立して選択され、およびクロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードを含むが、これらに限定されるものではない。現在好ましい態様において、ジハロヘテロアリール足場部分の2個のハロゲンは、クロロ基である。
好ましい態様において、この方法は、求核置換によるか、あるいはカップリング反応による、ジハロヘテロアリール足場部分の第二のハロゲンの置換を更に含む。現在好ましい態様において、カップリング反応は、ジハロヘテロアリール足場部分の第二のハロゲンの置換を実行するために使用される。これに関連して、カップリング反応は、パラジウム-媒介したカップリング反応が好ましい。
ジハロヘテロアリール足場部分の2個のハロゲン、すなわちハロ基は、多くの様々な官能基により置換することができ、その各々は独立して選択されることは、当業者には容易に明らかであると思われる。適当な官能基は、アニリン、フェノール、アミンおよびボロン酸を含むが、これらに限定されるものではない(表I参照)。現在好ましい態様において、官能基は、アリールボロン酸、アニリンおよびフェノールを含むが、これらに限定されるものではない。
好ましい態様において、この方法は、ジハロヘテロアリール足場部分の第一のハロゲンの置換前に最初の置換を行うことを更に含む。好ましい態様において、最初の置換は、アルキル化反応、アシル化反応およびカップリング反応を含むが、これらに限定されるものではない反応を用いて実行される。
多くのジハロヘテロアリール足場部分を、本発明の方法において使用することができる。適当なジハロヘテロアリール足場部分の例は、プリン、ピリミジン、キナゾリン、ピラジン、フタラジン、ピラダジン、およびキノキサリンを含むが、これらに限定されるものではない。
パラジウム-触媒されたカップリング反応は、ジハロヘテロアリール足場部分のハロ基、または樹脂-結合したアミン置換されたモノハロヘテロアリールのハロ基を置換するために使用される場合は、パラジウム-触媒されたカップリング反応は、典型的には溶媒、パラジウム触媒、塩基およびカルベンまたはホスフィンリガンドの存在下での、ジハロヘテロアリールまたは樹脂-結合したアミン置換されたモノハロヘテロアリールの、カップリング剤との反応が関与する。適当なカップリング剤は、ボロン酸、アミンおよびアルコールを含むが、これらに限定されるものではない。現在好ましい態様において、適当なカップリング剤は、アリールボロン酸、アニリンおよびフェノールを含むが、これらに限定されるものではない。C-2置換されたプリン化合物または9-アリール置換されたプリン化合物を調製する方法と結びつけて説明されている、カルベンまたはホスフィンリガンド、塩基、溶媒、パラジウム触媒および銅触媒に関する先の考察は、置換されたヘテロアリール化合物のコンビナトリアルライブラリーまたはアレイを調製する方法に完全に適用可能であり、従ってこれらはここで繰り返される点が注目される。
2.液相合成
式Iの化合物の液相合成は、当業者に公知の適当な反応条件下での、2,6-ジハロヘテロアリールの、適当な置換基との、第一の置換に関連している。これには、当業者に公知の適当な反応条件下での、適当に置換されたアニリンとの置換が続く。最後に、ヘテロアリールは、当業者に公知の適当な反応条件下での、Pd触媒を使用する、適宜置換されたアミンまたはアリールアルコールとの反応により置換される。固相により式Iの化合物を調製する方法と共に説明されているカルベンまたはホスフィンリガンド、塩基、溶媒およびパラジウム触媒に関する先の考察は、液相による式Iの化合物の調製法に完全に適用可能であり、従ってこれらはここで繰り返される点が注目される。
IV.骨形成を誘導するための化合物/組成物の使用
本発明の組成物は、哺乳類細胞における骨形成を誘導するために使用することができる。哺乳類細胞は、式Iの化合物と接触され、その結果この哺乳類細胞は、骨芽細胞系の細胞に分化する。哺乳類細胞は、in vivoまたはin vitroのいずれかにおいて、式Iの化合物(またはそれらの組成物)と接触される。
A.骨形成のin vivo誘導
式Iの化合物に加えそれらの組成物は、in vivoにおいて骨形成を誘導するために都合良く使用することができる。本発明の化合物および組成物は、個体、例えばヒトのような哺乳類に、哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化の誘導に有効量で投与される。それらの骨形成を誘導する能力を考慮し、式Iの化合物は、骨粗鬆症、くる病、骨軟化症、McCune-Albright症候群、およびパジェット病などの、骨障害および疾患の治療のために使用される。好ましい態様において、本発明の化合物および組成物は、骨粗鬆症を治療するために使用される。好ましい態様において、本発明の化合物および組成物は、骨密度を増加するために使用される。特に好ましい態様において、本発明の化合物および組成物は、骨密度を増大しおよび骨喪失を減少するために使用される。
当業者は、本発明の組成物は、骨形成を誘導するために、単独で、または他の化合物および治療様式と組合せて使用することができることを理解すると思われる。例えば、式Iの化合物は、骨再構築サイクルに影響を及ぼす骨形成タンパク質または吸収阻害薬物療法と組合せて投与されてもよい。適当な骨形成タンパク質は、例えば、BMP-2、BMP-4、およびBMP-7を含むが、これらに限定されるものではない。適当な吸収阻害薬物療法は、例として例えばアレンドロン酸ナトリウムおよびリセドロン酸ナトリウムなどのようなビスリン酸塩;例えばカルシトニンおよびエストロゲンなどのホルモン、ならびに、例えばラロキシフェンのような選択的エストロゲン受容体モジュレーターを含む。
この組成物の有効量は、組成物の投与に不随する有害な副作用の存在、性質および程度;組成物のLD50;ならびに、様々な濃度での組成物の副作用により決定される。典型的には、投与される組成物の量は、約0.01〜約20mg/kg体重、より典型的には約0.05〜約15mg/kg、更により典型的には約0.1〜約10mg/kgの範囲である。
この組成物は、例えば、静脈内注入、経口的、腹腔内、または皮下的に投与することができる。経口投与が、好ましい投与法である。化合物の製剤は、アンプルおよびバイアルなどの単回投与または反復投与用の密封された容器内において提供することができる。
本発明の組成物は、典型的には、個体または対象への投与前に、薬学的に許容される担体と共に製剤される。薬学的に許容される担体は、一部、投与される特定の組成物(例えば、化合物A)に加え、組成物の投与に使用される特定の方法により決定される。従って、本発明の薬学的組成物の多種多様な適当な製剤が存在する(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、17版、1989参照)。
経口投与に適した製剤は、(a)水、生理食塩水またはPEG400などの希釈剤中に懸濁された有効量の式Iの化合物のような、液体の液剤;(b)各々予め決定された量の活性成分を、液体、固形物、顆粒またはゼラチンとして含有する、カプセル剤、サシェ剤または錠剤;(c)適当な液体中の懸濁剤;ならびに、(d)適当な乳剤からなることができる。錠剤形は、以下を1種または複数種含むことができる:乳糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微晶質セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、水和剤、保存剤、矯味矯臭剤、色素、崩壊剤、および薬学的に相溶性のある担体を含む。トローチ剤形は、例えばショ糖のような香気成分中に活性成分を含有し、更には芳香錠は、ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含有し、乳剤、ゲル剤などは、活性成分に加え、当該技術分野において公知の担体を含むことができる。
本発明の組成物は、例えば静脈内注入、腹腔内、または皮下などの、他の投与経路に適した製剤中に存在してもよい。これらの製剤は、例えば、水性および非水性の、等張の滅菌注射液を含み、これは酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および保存剤を含むことができる水性および非水性の滅菌懸濁剤を含有することができる。注射用液剤および懸濁剤は、滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
本発明の状況において、患者へ投与される用量は、経時的に患者において有益な治療反応を作用するのに十分でなければならない。例えば、本発明の組成物が骨粗鬆症の治療または予防のために投与される場合、患者へ投与される用量は、骨密度の減少を予防、遅延、または逆行するのに十分でなければならない。用量は、使用される特定の組成物の効能および患者の状態に加え、治療される患者の体重または体表面積により決定される。用量サイズも、特定の組成物の特定の患者における投与に付随する有害な副作用の存在、性質および程度により決定される。
B.骨形成のin vitro誘導
本発明の組成物は、都合の良いことに、in vitroにおいて骨形成を誘導するために使用することができる。哺乳類細胞はこの組成物と接触され、その結果この哺乳類細胞は骨芽細胞系の細胞へ分化する。
1.適当な細胞
この哺乳類細胞は、幹細胞、典型的には間葉系幹細胞(MSC)、前骨芽細胞、または他の系統の細胞、例えば前脂肪細胞もしくは筋芽細胞であることができる。ヒトおよび動物のMSCを単離および分化する方法は、説明されている(例えば、米国特許第5,942,225号および第5,486,359号;ならびに、Pittenger et al., Science、284:143(1999)を参照のこと)。
ヒト間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄または他のMSC給源の他の細胞からの多能性の間葉系幹細胞の単離により得ることができる。骨髄細胞は、腸骨稜、大腿骨、脛骨、脊骨、肋骨または他の髄腔から得ることができる。ヒト間葉系幹細胞の他の給源は、胚卵黄嚢、胎盤、臍帯血、胎児および青年期の皮膚、血液、脂肪組織、および筋肉の未分化細胞を含む。典型的には、間葉系幹細胞を含む組織標本由来の細胞は、(1)分化を伴わずに間葉系幹細胞増殖を刺激し、および(2)間葉系幹細胞のみの基板表面への選択的接着を可能にするような増殖因子を含む増殖培地において培養される。細胞の適当な時間培養後、非接着物質を、基板表面から除去し、その結果間葉系幹細胞の増殖された集団を提供する。従って均質なMSC集団が、造血細胞または分化した間葉細胞のいずれかに関連したマーカーを含まない接着性の骨髄細胞または骨膜細胞の陽性選択により得られる。
骨芽細胞系の細胞へ分化されるべき細胞は、いずれか適当な哺乳類に由来することができる。例えばこれらの細胞は、例えば、マウス、ラット、モルモット、およびウサギなどの齧歯類;例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシおよびヤギなどの、非齧歯類の哺乳類;例えば、チンパンジおよびヒトなどの霊長類から得ることができる。分化されるべき細胞は、初代細胞であるか、または培養物において維持された細胞であってよい。細胞が培養物中に維持される場合は、これらは典型的には、本発明の化合物/組成物と、培養物中で12回から15回の継代の間接触される。本発明の方法において使用するための細胞の初代培養物を確立する技術および方法は、当業者に公知である(例えば、Humason, 「Animal Tissue Techniques」第4版、W. H. Freeman and Company(1979)、およびRicciardelli et al., In vitro Cell Dev. Biol., 25: 1016(1989)を参照のこと)。
2.一般的培養法
哺乳類細胞は、化合物A単独と、または他の増殖因子の存在下で化合物Aと接触して良い。典型的には、追加の増殖因子は、BMP-2、BMP-4、BMP-7またはタンパク質のBMPファミリーの他の一員である。当業者は、化合物Aおよび増殖因子の量は、特定の細胞型の分化の誘導を促進するように調節することができることを理解するであろう。典型的には、細胞と接触される化合物Aの量は、約0.1μM(52ng/ml)〜約50μM(2.6μg/ml)であり、より典型的には約0.25μM〜約35μMであり、更により典型的には約0.5μM〜約25μMであり、なお更に典型的には約0.75μM〜約15μMであり、最も典型的には約1μMである。典型的には細胞と接触されるBMPタンパク質の量は、約1ng/ml〜約400ng/ml、より典型的には約25ng/ml〜約300ng/ml、更により典型的には約50ng/ml〜約200ng/ml、なお更に典型的には約75ng/ml〜約125ng/ml、最も典型的には約100ng/mlである。
本発明のこの局面は、細胞培養物の分野の慣習的技術に頼っている。適当な細胞培養法および条件を、当業者は公知の技法を用い決定することができる(例えば、Freshney et al., 「Culture of Animal Cells」(3rd ed. 1994)参照)。一般に、細胞の培養環境は、細胞増殖の基質、細胞密度および細胞収縮(contract)、気相、培地、および温度のような要因の考察を含む。
細胞のインキュベーションは、一般に、細胞増殖に最適であることがわかっている条件下で行われる。このような条件は、例えば、温度約37℃および約5%CO2を含有する加湿した大気であってよい。インキュベーション期間は、所望の結果に応じて、大きく変動することができる。一般にインキュベーションは、細胞が適切に発現するまで継続されることが好ましい。増殖は都合の良いことに、3Hチミジン組込みまたはBrdU標識により決定される。
本発明の方法による細胞の培養には、プラスチック製皿、フラスコまたは回転ボトルを使用することができる。適当な培養容器は、例えば、マルチ-ウェルプレート、ペトリ皿、組織培養チューブ、フラスコ、回転ボトルなどを含む。
細胞は、細胞型を基に経験的に決定された最適な密度で増殖される。細胞は典型的には、12〜5回継代され、15回継代後廃棄される。
培養された細胞は、温度の地域的変動に対処するために、例えばそこから細胞が得られた動物の体温のような、適当な温度を提供するインキュベーター内で通常増殖される。一般に、37℃が細胞培養に好ましい温度である。ほとんどのインキュベーターは、ほぼ大気条件に加湿される。
気相の重要な構成要素は、酸素および二酸化炭素である。典型的には、大気酸素圧が、細胞培養に使用される。培養容器は通常、インキュベーター大気に換気され、気体透過性キャップを使用するかまたは培養容器の密閉を防ぐことにより、ガス交換が可能である。二酸化炭素は、pH安定化においても、細胞培地の緩衝液と共に役割を果たし、ならびに典型的にはインキュベーター内に1〜10%の濃度で存在する。好ましいCO2濃度は、典型的には5%である。
規定細胞培地は、包装された予め混合された粉末または予め滅菌された溶液として入手可能である。通常使用される培地の例は、MEM-α、DME、RPMI 1640、DMEM、Iscove完全培地、またはMcCoy培地である(例えば、GibcoBRL/Life Technologies Catalogue and Reference Guide;Sigma Catalogue参照)。典型的には、MEM-αまたはDMEMが、本発明の方法において使用される。規定細胞培養培地は、5〜20%血清、典型的には熱で失活した血清、例えば、ヒト、ウマ、ウシおよびウシ胎仔の血清が補充されることが多い。典型的には、10%ウシ胎仔血清が、本発明の方法において使用される。培養培地は通常、約7.2〜約7.4の好ましいpHで細胞を維持するように緩衝される。培地への他の補充物は、典型的には、例えば抗生物質、アミノ酸、および糖質、ならびに増殖因子を含む。
C.骨形成の検出
In vivoまたはin vitroにおける本発明の組成物の投与後、骨形成の誘導を、骨芽細胞-特異的タンパク質の発現の検出、骨-特異的転写因子の発現の検出、および骨密度の変化の検出により検出することができる。骨芽細胞-特異的タンパク質は、例えばアルカリホスファターゼ(ALP)、I型コラーゲン、オステオカルシン、およびオステオポニンを含む(例えば、Olsen et al., Annu. Rev. Cell. Dev. Biol.、16: 191 (2000)参照)。典型的には、アルカリホスファターゼの発現が、骨形成の指標として検出される。骨特異性転写因子は、例えば、Cbfa1/Runx2、gsc、Dlx1、Dlx5、Msx1、Cart1、Hoxa1、Hoxa2、Hoxa3、Hoxb1、rae28、Twist、AP-2、Mf1、Pax1、Pax3、Pax9、TBX3、TBX4、TBX5、およびBrachyuryを含む(例えば、Olsen et al, 2000 supra参照)。典型的には、Cbfa1/Runx2の発現は、骨形成の指標として検出される。
1.骨芽細胞-特異的タンパク質の検出
骨芽細胞-特異的タンパク質の発現は、骨芽細胞-特異的タンパク質またはmRNAのレベルを測定することにより検出することができる。特定の骨芽細胞-特異的タンパク質のレベルは、都合の良いことに、特定の骨芽細胞特異的タンパク質またはそれらの断片に選択的に結合する抗体による、免疫組織化学染色、ウェスタンブロット、ELISAなどののような、イムノアッセイを用いて測定することができる。イムノアッセイにおいてタンパク質-特異的抗体を用いるタンパク質の検出は、 当業者に公知である(例えば、Harlow & Lane, 「Antibodies: A Laboratory Manual」(1988), Coligan, 「Current Protocols in Immunology」(1991);Goding, 「Monoclonal Antibodies: Principles and Practice」(2d ed. 1986);および、Kohler & Milstein, Nature 256: 495-497 (1975)を参照のこと)。mRNAの測定のためには、増幅、例えば、PCR、LCR、またはハイブリダイゼーションアッセイ、例えばノーザンハイブリダイゼーション、RNAseプロテクション、ドットブロッティングなどが好ましい。例えば、蛍光的または放射性標識された核酸、放射性または酵素的に標識された抗体などの、直接的または間接的に標識された検出物質を使用し、タンパク質またはmRNAのレベルが検出される。これらのアッセイは、当業者に周知であり、例えば、Ausubelらの著書「Current Protocols in Molecular Biology」(2001)に記載されている。
典型的には、骨芽細胞特異的-タンパク質である、アルカリホスファターゼの発現を使用し、分化された骨芽細胞が検出される。アルカリホスファターゼ(ALP)の発現は、骨形成に相関している。ALPは、無機ピロリン酸をリン酸に加水分解し、および骨基質におけるヒドロキシアパタイト結晶の形成を促進する。ALPを失活する突然変異は、貧弱に石灰化された骨および頻繁な骨折を特徴とする骨軟化症を引き起こし、これはALPが骨形成において重要な役割を果たしていることを示している(例えば、Hessle et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、99:9445(2002)参照)。ALPは、高度に活性がありおよび安定した酵素であり、その酵素活性の直接的アッセイは都合が良いものである。加えて、細胞の直接の組織化学染色は、ALPの検出に都合良く使用することができる。
a)酵素活性
ALP活性の直接アッセイのために、細胞は、384-ウェルプレートに播種し、適量の式Iの化合物(例えば、化合物A)を単独で、または他の増殖因子(例えば、BMP-4)と共に処理し、その後5%CO2中で37℃でインキュベーションする。適当なインキュベーション時間の後、培地を除去し、溶解緩衝液を各ウェルに添加する。溶解緩衝液中での適当なインキュベーション時間経過後、アルカリホスファターゼ基質溶液(例えば、2'-[2'-ベンゾチアゾイル]-6'-ヒドロキシベンゾチアゾールリン酸(BBTP))を、各ウェルに添加する。室温で適当なインキュベーション時間経過後、プレートを、当該技術分野において公知の方法を用い、プレートリーダーで計測する。
b)免疫組織化学的検出
ALPを検出するための細胞の直接の免疫組織化学的染色のために、細胞を、96-ウェルアッセイプレートに適当な密度で播種し、適量の式Iの化合物(例えば、化合物A)と単独で、または他の増殖因子(例えば、BMP-4)と共に適当な時間処理する。その後細胞を、10%ホルマリン溶液中で固定する。固定した細胞を再度洗浄し、当業者に公知の方法を使用し、ALPに特異的な試薬で染色する(例えば、ALPに特異的な抗体または比色測定用ALP基質)(例えば、Harlow & Lane, 1988, supra;Coligan, 1991, supra;Goding, 1986, supra;および、Kohler & Milstein, 1975, supraを参照)。細胞の写真画像を撮影し、ALP陽性細胞を、画像から手作業で計測する。
2.骨特異的転写因子の検出
骨特異的転写因子の発現は、リポーター遺伝子アッセイを用い、検出することができる。これらのアッセイは、当業者に周知であり、および例えばAusebelらの前掲の著書に記されている。骨特異性転写因子Cbfa1/Runx2の発現は、典型的には骨形成を検出するために使用される。Cbfa1/Runx2は、骨芽細胞分化において本質的役割を果たし、Cbfa1/Runx2遺伝子を欠損しているトランスジェニックマウスは、骨形成喪失のために生後すぐに死亡する(例えば、Ducy et al., Cell、89:747(1997)、およびKomori et al., Cell、89:755(1997)参照)。
例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ホタルのルシフェラーゼ、細菌のルシフェラーゼ、またはβ-ガラクトシダーゼなどのリポーター遺伝子を、リポーター遺伝子アッセイにおいて使用することができる。このリポーター構築体は、典型的には、一過性にまたは安定して細胞にトランスフェクションされる。関連遺伝子のプロモーター領域は、典型的には適当なプライマーを使用するPCRにより増幅される。得られるPCR産物は、適当なクローニングベクターに挿入され、増幅され、配列決定される。得られるプラスミドは、適当な制限酵素により消化され、得られる断片は、リポーター遺伝子を含むベクターに挿入される。
a)一過性にトランスフェクションされた細胞
一過性にトランスフェクションされた細胞によるリポーター遺伝子アッセイについて、細胞は典型的には6-ウェルプレートに、増殖培地2mL中に、密度30,000個細胞/ウェルとなるよう播種し、一晩または適当な時間インキュベーションする。プラスミドDNAは、適当なトランスフェクション試薬を用い、これらの細胞へトランスフェクションする。8時間後、トランスフェクションされた細胞を、96-ウェルアッセイプレート(例えば、Corning)へ播種し、適量の式Iの化合物(例えば、化合物A)で処理する。これらの細胞を4日間インキュベーションし、その後細胞内でのリポーター遺伝子活性を、当業者に公知の方法を用いアッセイする。
b)安定的にトランスフェクションされた細胞
安定的にトランスフェクションされた細胞によるリポーター遺伝子アッセイについて、細胞は典型的には6-ウェルプレートに、増殖培地2mL中に、密度30,000個細胞/ウェルとなるよう播種し、一晩または適当な時間インキュベーションする。適量のリポータープラスミドおよび選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)を含むベクターを、適当なトランスフェクション試薬を用い、細胞へ同時トランスフェクションする。適当なインキュベーション時間後、細胞を10cmの培養皿に播種し、適量の抗生物質をこの培養培地へ添加する。新鮮な抗生物質を適当な間隔で添加する。抗生物質耐性コロニーをプールし、安定してトランスフェクションされた細胞を得る。これらのトランスフェクションされた細胞を、96-ウェルアッセイプレート(例えば、Corning)へ播種し、適量の式Iの化合物(例えば、化合物A)で処理する。これらの細胞を4日間インキュベーションし、その後細胞内でのリポーター遺伝子活性を、当業者に公知の方法を用いアッセイする。
3.骨密度検出
骨密度に対する本発明の組成物の作用を評価するために、治療を受けた個体における骨密度のベースライン測定値を得る。骨密度は、式Iの化合物、例えば化合物Aの投与期間中および投与後、適当な間隔で定期的に測定する。骨密度測定の方法および装置は、当業者に周知であり、例えば
Figure 2006513253
に開示されている。
4.分化された骨芽細胞の投与
分化された骨芽細胞を、当業者に公知のいずれかの手段により、対象に投与することができる。本発明のひとつの態様において、損なわれていない(intact)固相支持体(例えば、三次元マトリックスまたは平坦な面)上の分化された骨芽細胞を、例えば、外科的移植により対象に投与することができる。あるいは、分化された骨芽細胞は、すなわち、対象への、例えば静脈内、皮下、または腹腔内投与前のプロテアーゼ処理により、このマトリックスから脱着することができる。
本発明の一部の態様において、間葉系幹細胞は、ヒトから抽出され、引き続き、増殖および骨芽細胞系の細胞への分化のためにマトリックスと接触される。細胞は、治療される対象から抽出、すなわち自家であるか(これによりインプラントの免疫ベースの拒絶反応を避ける)、または第二の対象から、すなわち異種であることができる。いずれの場合においても、細胞の投与は、適当な免疫抑制療法と組合わせることができる。
本発明の方法に従い分化された骨芽細胞は、当該技術分野において公知の手段により、対象へ投与されてよい。適当な投与手段は、例えば、静脈内、皮下、腹腔内、および外科的移植を含む。
これらの細胞は、投与に適した製剤中に存在することもでき、例えば酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる、水性および非-水性の、等張の滅菌注射液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液を含むことができる。注射用液剤および懸濁剤は、無菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。
外科的移植に関して、分化された細胞は、典型的には損なわれない固相支持体、例えば三次元マトリックスまたは平坦な面の上に残留される。このマトリックスまたは平坦な面は外科的に、対象の適当な部位に移植される。例えば、骨移植片が必要な患者は、外科的に移植された損なわれない固相支持体上に、分化された細胞を有することができる。
骨芽細胞の消滅または異常に起因した状態を治療または予防するために投与される細胞の有効量を決定する際には、医師は、細胞毒性、移植反応、疾患の進行、および抗-細胞抗体の産生を評価する。投与に関して、本発明の方法に従い分化された骨芽細胞は、患者の体積および全身の健康状態への適用同様に、様々な濃度での骨芽細胞の副作用を考慮し、対象へ骨芽細胞を提供するのに有効量で投与することができる。投与は、単回用量または反復用量で実行することができる。
実施例
下記実施例は、請求された本発明を例証するために提供されるが、限定するものではない。
実施例1:化合物Aの合成および特徴決定
Pd-触媒したカップリングのためのホスフィンリガンドは、Strem Chemicalsから購入した。他の化学物質は全てAldrichから購入した。
固相合成
反応式1:2,6,9-置換されたプリンの固相合成
Figure 2006513253
2,6-ジクロロ-9-置換された-プリンのC6位を、ジメチルホルムアミド(DMF)中に懸濁している(4-ホルミル-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチルポリスチレン樹脂(PAL-樹脂)により置換した。その後この溶液に、適宜置換されたアニリン、酢酸およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。この混合液を、室温で12時間穏やかに攪拌した。次に得られたアニリン結合した樹脂を、DMF、メタノール、およびジクロロメタンで洗浄した。アニリン結合した樹脂を、1-ブタノール中の2,6-ジクロロ-9-置換された-プリンおよびジイソプロピルエチルアミンと、80℃で12時間反応した。得られた樹脂を次に先に説明されたように洗浄し、2-クロロ-6-樹脂結合したアニリン-9-置換されたプリンとした。
プリン結合したPAL樹脂を、10mLの炎で乾燥したSchlenkフラスコ中で、適当なアミンまたはアリールアルコール、Pd2(dba)3、2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニルおよびK3PO4と混合することにより、このプリン環のC2位を引き続き置換した。その後このフラスコを脱気し、アルゴンを再充填し、無水トルエンを添加した。この混合液を80℃で12時間加熱した。その後得られた樹脂を、前述のように洗浄し、室温で2時間かけて、CH2Cl2:TFA:Me2S:H2O/45:45:5:5で切断した。溶液を収集し、真空で乾燥し、所望の粗生成物とした。その後この粗生成物を、溶媒としてH2O(0.1%TFA含有)およびアセトニトリル(MeCN)を用いる分取HPLCにより、精製した。5分間かけた5%から95%MeCNの直線勾配を用いた。対応するピークを収集し、凍結乾燥し、純粋な所望の2,6,9-置換されたプリンを得た。
2-(1-ナフトキシ)-6-(4-モルホリノアニリノ)-9-シクロヘキシルプリン(化合物A)の合成
PAL-樹脂(1g、1.1mmol)を、DMF(4ml)に懸濁し、およびこの溶液に、4-モルホリノアニリン(196mg、5.5mmol)、酢酸(0.65mL、1.13mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(720mg、3.4mmol)を添加した。この混合液を、室温で12時間穏やかに攪拌した。次に得られた樹脂を、DMF(10mL, 3回)、メタノール(10mL, 3回)、およびジクロロメタン(10mL, 3回)で洗浄した。その後アニリン結合した樹脂を、1-ブタノール(5mL)中の2,6-ジクロロ-9-シクロヘキシルプリン(598mg, 2.2mmole)およびジイソプロピルエチルアミン(0.5mL, 3mmol)と、80℃で12時間反応した。得られた樹脂を次に先に説明されたように洗浄した。
プリン結合したPAL樹脂(100mg, 0.1mmol)を、10mLの炎で乾燥したSchlenkフラスコ中で、1-ナフトール(72mg, 0.5mmol)、Pd2(dba)3(6.4mg, 0.007mmol)、2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル(8.3mg, 0.028mmol)およびK3PO4(148mg, 0.7mmol)と混合した。その後このフラスコを脱気し、アルゴンを再充填し、無水トルエン(1mL)を添加した。この混合液を80℃で12時間加熱した。その後得られた樹脂を、前述のように洗浄し、室温で2時間かけて、CH2Cl2:TFA:Me2S:H2O/45:45:5:5(0.5mL)で切断した。溶液を収集し、真空で乾燥し、所望の粗生成物とした。その後この粗生成物を、溶媒としてH2O(0.1%TFA含有)およびアセトニトリル(MeCN)を用いる分取HPLCにより、精製した。5分間かけた5%から95%MeCNの直線勾配を用い;所望の化合物は、保持時間3.9分を有した。対応するピークを収集し、凍結乾燥し、純粋な2-(1-ナフトキシ)-6-(4-モルホリノアニリノ)-9-シクロヘキシルプリン(淡黄色粉末、24mg、全収率50%)。
Figure 2006513253
反応式2:化合物Aの固相合成
Figure 2006513253
液相合成
反応式3:2,6,9-置換されたプリンの液相合成
Figure 2006513253
2,6-ジクロロプリンは、無水THF中、-78℃で、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、トリフェニルホスフィンおよび適当なアルコールと反応した。この反応混合液を、ゆっくり室温に温め、2,6-ジクロロ-N9-置換されたプリンを得た。引き続き、2,6-ジクロロ-9-置換されたプリンを、適当に置換されたアニリンおよびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)と共に、その後80℃で12時間加熱し、6-アニリノ-2-クロロ-9-置換されたプリンを得た。その後この化合物を、適当な置換されたアミンまたはアリールアルコールと、パラジウム触媒と共に反応させ、所望の2,6,9-置換されたプリンを得た。
実施例2:細胞培養および骨形成検出アッセイ
細胞培養:マウス胚性中胚葉線維芽細胞C3H10T1/2細胞を、10回継代した時点で、ATCCから得た。12回と15回継代の間の細胞を、この実験において使用した。15回を超えて継代した細胞は廃棄した。マウス胚性中胚葉線維芽細胞C3H10T1/2細胞およびマウス前骨芽細胞MC3T3-E1細胞(German collection of microorganisms and cell culturesから入手)を、10%熱失活したFBS(Gibco)、50U/mLペニシリンおよび50μg/mLストレプトマイシン(Gibco)を補充したMEM-α培地(Gibco)において、5%CO2中で、37℃で培養した。細胞が集密度80%となった時点で、これらを1:5に分けた。マウス前脂肪細胞3T3-L1細胞(ATCCから入手)およびマウス筋芽細胞C2C12細胞(ATCCから入手)を、10%熱失活したFBS(Gibco)、50U/mLペニシリンおよび50μg/mLストレプトマイシン(Gibco)を補充したDMEM(Gibco)において、5%CO2中、37℃で培養した。
アルカリホスファターゼアッセイ:C3H10T1/2細胞を、T175フラスコにおいて増殖した;13回継代した時点の細胞を、トリプシン/EDTAにより剥離し、増殖培地に希釈した。その後得られた細胞浮遊液を、黒色で透き通った底の384-ウェルプレート(Greiner)に、Multi-Drip(商標)液体送達システム(Titertek Instruments)を用い、100μLの増殖培地中2500個細胞/ウェルとなるよう播種した。一晩インキュベーションした後、細胞をウェルの底に付着させた。DMSO(500nL)を溶媒とする化合物Aのストック溶液を、各化合物の最終濃度5μMとなるよう、Mini Trak(商標)マルチポジッションディスペンサーシステム(Packard BioScience)を用い、対応するウェルに送達した。その後細胞を、5%CO2中、37℃で培養した。4日後、培地を除去し、Passive Lysis緩衝液(Promega)10μLを、各ウェルに添加した。5分後、アルカリホスファターゼ基質溶液(1mM、pH10緩衝液中、2'-[2'-ベンゾチアゾイル]-6'-ヒドロキシベンゾチアゾールリン酸(Promega))10μLを、各ウェルに添加した。15分間室温でインキュベーションした後、これらのプレートを、Acquestハイ-スループットプレートリーダー(Molecular Devices)により、製造業者のプロトコールに従い読みとった。
Cbfa1/Runx2リポーター遺伝子アッセイ:マウスのCbfa1/Runx2遺伝子プロモーター領域(1818bp)を、マウスゲノムDNAライブラリー(Clontech)から、下記プライマーを使用するPCRにより増幅した:
Figure 2006513253
得られたPCR産物を、Topoクローニングベクター(Invitrogen)に挿入し、増幅し、配列決定した。得られたプラスミドを、制限酵素MluおよびXhoI(New England Biolab)により消化し、1.8kb断片を、pGL3-BVルシフェラーゼリポーターベクター(Promega)のMlu/XhoIクローニング部位に挿入した。一過性のトランスフェクションアッセイのために、細胞を、6-ウェルプレートに、増殖培地2mL中で密度30,000細胞/ウェルとなるように播種した。一晩インキュベーションした後、細胞は集密度80%となった。プラスミドDNA(1μg)は、3μLのFugene 6トランスフェクション試薬(Roche)を製造業者のプロトコールに従って用い、細胞へトランスフェクションした。8時間後、トランスフェクションされた細胞を、96-ウェルアッセイプレート(Corning)に播種し、組換えヒト骨形成タンパク質4(BMP-4)(Sigma)300ng/mL、1%DMSO(Sigma)または異なる濃度の化合物A(DMSO中に溶解)で処理した。細胞を4日間インキュベーションし、細胞におけるルシフェラーゼ活性を、Bright-Gloルシフェラーゼアッセイキット(Promega)を製造業者のプロトコールに従って用い、アッセイした。ルミネセンスシグナルを、Acquest AD(Molecular Devices)プレートリーダーにより検出した。MC3T3-E1細胞の低いトランスフェクション効率のために、Cbfa1/Runx2リポーターアッセイを、安定してトランスフェクションされたMC3T3-E1細胞により実行した。一般に、MC3T3-E1細胞を、6-ウェルプレートに、30,000個細胞/ウェルで播種した。一晩インキュベーションした後、リポータープラスミド1μgおよびネオマイシン耐性遺伝子を含むpCMV-Tag2Bベクター0.2μgを、MC3T3-E1細胞に、3.6μLのFugene 6トランスフェクション試薬(Roche)を製造業者のプロトコールに従って用い、同時トランスフェクションした。8時間後、トリプシン/EDTA処理により、細胞を剥離し、10cmの培養皿に播種した。細胞が皿に接着した後、200μg/mLのG418(Gibco)を、培養培地に添加した。新鮮なG418を、3日毎に添加した。14日後、ネオマイシン耐性コロニーをプールし、安定してトランスフェクションされたMC3T3-E1細胞を得た。
内因性アルカリホスファターゼ発現に関する組織化学染色:C3H1OT1/2細胞を、96-ウェルアッセイプレート(Corning)に、密度10,000個細胞/ウェルとなるように播種し、ならびに300ng/mLのBMP-4、1%DMSO、2μM化合物A、または100ng/mLのBMPおよび1μM化合物Aで、4日間処理した。その後細胞を、200μL PBSで3回洗浄し、10%ホルマリン溶液(Sigma)中で、15分間インキュベーションすることにより固定した。固定した細胞を、再度200μL PBSにより3回洗浄し、アルカリホスファターゼ染色キット86R(Sigma Diagnostics)を製造業者のプロトコールに従って用い、染色した。Nikon Eclipse TE300顕微鏡で、画像撮影し、この画像から、ALP陽性細胞を手作業で計測した。
実施例3:骨形成誘導活性を持つ化合物としての化合物Aの同定
プリン、ピリミジン、キナゾリン、ピラジン、フタラジン、ピラジンおよびキノキサリン-ベースの足場を持つ約50,000種の化合物のヘテロ環コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングし、骨形成誘導活性を伴う小分子を同定した(例えば、Ding et al., J. Am. Chem. Soc., 124:1594(2002);Gray et al., Science, 281:533(1998);Rosania et al., Nat. Biotechnol., 18:304(2000);および、Rosania et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 96:4797(1999)を参照のこと)。1種の2,6,9-三置換されたプリンが、ALP酵素アッセイにおいて、有意な活性を有することがわかった。この化合物は、プリン核のC6位にモルホリノアニリン置換基を有するが、これを化合物Aと称した。更なる試験は、化合物AのEC50が、C3H10T1/2細胞において1μMであることを示し;更にこの化合物は、4日間の処理後には、1%DMSO処理と比べ、ALPの50倍より大きい増加につながり、これはALP発現の誘導において、BMP-4よりもより有効であった(図1)。
実施例4:化合物Aは多分化能C3H10T1/2細胞における骨形成の強力なインデューサーである
この試験には、マウス胚性中胚葉線維芽細胞C3H10T1/2細胞を使用した。C3H10T1/2細胞は、MSCのように、様々な間葉細胞に分化し、および骨芽細胞分化の研究のためのモデルシステムとして広範囲に使用されている、多分化能間葉細胞前駆細胞である(例えば、3. Taylor, et al., Cell, 17:771(1979)、およびAubin and Liu, F., PRINCIPLES OF BONE BIOLOGY;Bilezikian, et al. ed.;Academic Press, San Diego: pp.51-67参照)。骨形成タンパク質4(BMP-4)による処理時に、C3H10T1/2細胞は、骨芽細胞へ分化する(例えば、Piccolo, et al., Cell, 86:589(1996)参照)。
C3H10T1/2細胞は、DMSO(対照)、BMP-4(300ng/mL)、BMP-4(100ng/mL)および化合物A(1μM)、または0.5μM、1μM、1.2μM、1.5μM、1.8μM、2μM、5μM、もしくは10μMの化合物Aで処理した。アルカリホスファターゼ(ALP)活性は、処理の2、4および6日後に、先に実施例2において説明したように測定した。結果は図1に示した。
実施例5:化合物AはC3H10T1/2細胞、3T3-L1、MC-3T3E1細胞、およびC2C12細胞における骨形成の強力なインデューサーである
C3H10T1/2細胞、3T3-L1、MC-3T3E1細胞、およびC2C12細胞を、DMSO(対照)、BMP-4(300ng/mL)、BMP-4(100ng/mL)および化合物A(1μM)、または1μM、2μM、もしくは10μMの化合物Aで処理した。Cbfa1/Runx2リポーター遺伝子活性を、4日間処理した後、先に実施例2において説明したように測定した。
C3H10T1/2細胞の化合物Aによる4日間の処理は、一過性トランスフェクション実験におけるリポーター活性の6倍よりも多い増加につながり、これはCbfa1/Runx2遺伝子がアップレギュレーションされたことを示している。この結果は、C3H10T1/2細胞の骨芽細胞系への分化と一致している。これらの結果は図2に示した。
マウスMC3T3-E1細胞は、骨芽細胞系へとコミットされた前駆細胞である。BMP-4および化合物Aの両方は、MC3T3-E1細胞の終末分化を促進した。MC3T3-E1細胞は既に高レベルの内因性Cbfa1/Runx2を有するので、この遺伝子のわずかなアップレギュレーションで、終末分化を促進するのに十分であった(例えば、Xiao et al., J. Cell. Biochem., 74:596(1999)、およびWang et al., J. Bone. Miner. Res., 14:893(1999)参照)。安定してトランスフェクションされたMC3T3-E1細胞におけるCbfa1/Runx2リポーター活性の変化は、化合物Aで処理した場合には劇的ではなかった。
実施例6:化合物Aは3T3-L1細胞、C2C12細胞、およびMC-3T3E1細胞において骨形成の強力なインデューサーである
3T3-L1細胞、C2C12細胞、およびMC-3T3E1細胞を、DMSO(対照)、BMP-4(300ng/mL)、BMP-4(100ng/mL)および化合物A(1μM)、または0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、もしくは10μMの化合物Aで処理した。ALP活性は、処理の4日後に、先に実施例1において説明したように測定した。結果を図3に示す。
実施例7:C3H10T1/2細胞におけるALP発現の組織化学染色は化合物Aが骨形成の強力なインデューサーであることを示す
C3H10T1/2細胞を、DMSO(a)、300ng/mLのBMP-4(b)、2μMの化合物A(c)、および100ng/mLのBMPおよび1μM化合物A(d)で、4日間処理し、ALP活性を染色した。ALP陽性細胞は赤色に染まり、細胞核は青色に染まった。
内因性ALPの組織化学染色は、80%を超える細胞が、化合物A(2μMで4日間)による処理後にALPを発現したのに対し、BMP-4処理した細胞のわずかに40%がALPについて陽性染色であることを示した。興味深いことに、BMP-4により誘導された細胞はより少ないが、これらの誘導された細胞は、化合物Aで処理された細胞と比べ、ALPのより高い発現レベルを有した。本発明者らの知見は、化合物Aは、細胞集団の大部分を骨芽細胞系へコミットするように誘導するが、BMP-4は骨芽細胞の成熟を促進する上でより強力であり得ることを示唆している。化合物Aは、C3H10T1/2細胞の分化の誘導において、BMP-4との相乗作用も示した。細胞がBMP-4および化合物Aの両方で処理された場合、ALP活性の誘導は、個々の分子の単純な相加作用よりも約3倍大きく、これは化合物Aは、BMP-4アナログとしては作用しないことを示している。
実施例8:化合物Aは非骨芽細胞系の細胞の骨芽細胞への分化形質転換を誘導することができる
3T3-L1前脂肪細胞は、脂肪細胞系統へコミットされた前駆細胞であるが、これは、化合物AおよびBMP-4により処理された場合には、骨芽細胞系へ分化形質転換され得る。化合物Aは、前脂肪細胞においてCbfa1/Runx2発現を誘導し、5μMの最適濃度でALPレベルを9倍に増加するのに対し、BMP-4は、ALP発現を40倍よりも多く誘導する。化合物A(1μM)およびBMP-4(100ng/mL)は一緒に、3T3-L1細胞において、ALP活性を90倍よりも多く誘導する(図2)。同様に、C2C12細胞は、骨格筋系統へとコミットされた前駆細胞であるが、これは、化合物AによりCbfal/Runx2遺伝子を発現するように誘導された(図2)。この知見は、C2C12細胞の骨芽細胞への分化形質転換に、Cbfa1/Runx2の一過性アップレギュレーションは必要であるが、十分ではないという先の報告と一致している(例えば、Lee et al., J. Cell Biochem., 73:114(1999)参照)。
実施例9:化合物Aによる処理後のC3H10T1/2細胞およびC2C12細胞の形態
C3H10T1/2細胞は、DMSO(1%)および化合物A(プルモルファミン)(2μM)で、4日間処理した。C2C12細胞は、DMSO(1%)、化合物A(プルモルファミン)(2μM)またはBMP-4(300ng/mL)で、4日間処理した。これらの細胞の形態を、光学顕微鏡下で観察した。化合物Aで処理したマウス胚性中胚葉線維芽細胞C3H10T1/2細胞の形態は、線維芽細胞(長いおよび紡錘形)から骨細胞(小さくおよび丸い)へ変化した。
実施例10:化合物Aは骨形成の強力なインデューサーである
C3H10T1/2細胞は、DMSO単独(対照);BMP-4単独;および、化合物A単独(2μM)で処理した。アルカリホスファターゼ(ALP)活性を、処理の2、4および6日後に測定した。図4Aに結果を示し、これは、化合物Aが多分化能C3H10T1/2細胞における骨形成の強力なインデューサーであることを明らかにしている。
図4Bは、化合物Aは、C3H10T1/2細胞におけるCbfa1遺伝子のアップレギュレーションを誘導することを図示し、これは化合物Aが、C3H10T1/2細胞の骨芽細胞系の細胞への分化を誘導することを示している。
実施例11:化合物Aが誘導した骨形成の形態および転写解析
図5は、化合物Aにより誘導された骨形成の形態および転写解析を図示している。図5Aは、化合物Aは、下記タンパク質の発現を誘導することを示している:アルカリホスファターゼ、I型コラーゲンおよびオステオポニン、これらは全て骨形成が化合物Aにより誘導されることを示している。加えて図5Bは、DNAマイクロアレイ分析を示し、これは化合物Aは、多くの転写因子およびタンパク質の発現を誘導することを示している。
実施例12:さらなる化合物の骨形成-誘導活性に関する解析
式Iのさらに別の化合物を合成し、先に実施例2に説明したアルカリホスファターゼアッセイおよびCbfa1/Runx2リポーター遺伝子アッセイを用い、骨形成誘導活性について試験した。
試験した化合物について、R1
Figure 2006513253
であり、R5はHであり、R6はモルホリンであり、および置換基R4は様々であった。
典型的EC50は、約1μM、2μM、2.5μM、5μM、7μM、または10μMであった。
前述の実施例は、本発明の化合物(例えば化合物A)は、前骨芽細胞(例えばMC-3T3E1細胞)の骨形成を誘導することを明確に確立している。加えて、本発明の化合物(例えば化合物A)の、BMP-4との組合せは、前脂肪細胞(例えば3T3-L1細胞)および筋芽細胞(例えばC2C12)細胞を骨芽細胞へと分化形質転換する。
本明細書に列記された全ての刊行物および特許出願は、各々個別に刊行物または特許出願が具体的かつ個別に本明細書に参照として組入れられていることが記されるように、本明細書に参照として組入れられている。
前述の発明は理解を明確化する目的で例証および実施例により、一部詳細に説明されているが、本発明の内容を鑑み、添付された「特許請求の範囲」および精神から逸脱しない限りは、ある種の変更および修飾を行うことができることは、当業者には明らかであると思われる。
化合物Aが、多分化能C3H10T1/2細胞における骨形成の強力なインデューサーであることを表す結果を図示している。C3H10T1/2細胞は、DMSO単独(対照);BMP-4単独(300ng/mL);BMP-4(100ng/mL)および化合物A(1μM);または、0.5μM、1μM、1.2μM、1.5μM、1.8μM、2μM、5μM、もしくは10μMの化合物A単独で処理した。処理後2、4および6日目に、アルカリホスファターゼ(ALP)活性を測定した。 化合物Aが、C3H10T1/2細胞、3T3-L1、MC-3T3E1細胞、およびC2C12細胞における骨形成の強力なインデューサーであることを表す結果を図示している。これらの細胞は、DMSO単独(対照);BMP-4単独(300ng/mL);BMP-4(100ng/mL)および化合物A(1μM);または、1μM、2μM、もしくは10μMの化合物A単独で処理した。Cbfal/Runx2リポーター遺伝子活性は、処理後4日目にアッセイした。 化合物Aが、多分化能3T3-L1細胞、C2C12細胞、およびMC-3T3E1細胞における骨形成の強力なインデューサーであることを表す結果を図示している。細胞は、DMSO単独(対照);BMP-4単独(300ng/mL);BMP-4(100ng/ml)および化合物A(1μM);または、0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、もしくは10μMの化合物A単独で処理した。ALP活性は、処理後4日目にアッセイした。 化合物A(すなわち、プルモルファミン)は、間葉細胞(MSC)の前駆細胞における骨形成活性の強力なインデューサーであることを図示している。図4Aは、化合物Aは、多分化能C3H10T1/2細胞における骨形成の強力なインデューサーであることを図示している。C3H10T1/2細胞は、DMSO単独(対照);BMP-4単独;および、化合物A単独(2μM)で処理した。アルカリホスファターゼ(ALP)活性は、処理後2、4および6日目に測定した。図4Bは、化合物Aの存在下でのC3H10T1/2細胞におけるCbfal遺伝子のアップレギュレーションを示している。 化合物Aが誘導した骨形成の形態および転写解析を図示している。

Claims (46)

  1. 式Iの化合物
    Figure 2006513253
    (式中、R1は、水素、ハロゲン、および-L-R2からなる群より選択される一員であり;
    Lは、-O-および-NR3-からなる群より選択される一員であり、ここでR3はHであるか、またはR3は、R2およびそれに両方が結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよく;
    R2は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-N(R2b,R2b)、-SO2N(R2b,R2b)、-C(O)N(R2b,R2b)および-O-アリールからなる群より独立して選択される0〜2個のR2a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC0-2アルキルアリールからなる群より選択される一員であるか、または該R2a基が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-、-O-C(CH3)2CH2-および-(CH2)3-4-からなる群より選択される一員を形成してもよく;
    各R2b基は、水素およびC1-4アルキルからなる群より独立して選択される一員であり;
    R4は、0〜2個のR4a基で置換された、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、C0-2アルキルアリール、およびC1-4アルキルにより置換されてもよい、C0-2アルキルヘテロ環からなる群より選択される一員であり;
    各R4a基は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、およびアリールからなる群より独立して選択される一員であるか、または該R4a基が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよく;
    R5は、水素であり、ならびにR6は、ハロゲン、C1-4アルキル、-C(O)-C1-4アルキル、-SO2-N(R2b,R2b)、C1-4アルキルハロ、-O-アリールおよび-N(R7, R8)からなる群より独立して選択される一員であるか、またはR5およびR6が隣接環原子上にある場合、これらは一緒に-O-(CH2)1-2-O-を形成してもよく;
    R7は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルキルヒドロキシ、アリールおよび-C(O)R7aからなる群より選択される一員であり;
    R7aは、C1-4アルキル、C1-4アルキルハロ、C3-8シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択される一員であり;
    R8は、HおよびC1-4アルキルからなる群より選択される一員であるか、またはR7およびR8はそれらが結合した窒素と一緒に、C1-4アルキルで置換されてもよいヘテロ環を形成してもよい);ならびに
    それらの全ての薬学的に許容される塩および水和物。
  2. R1
    Figure 2006513253
    からなる群より選択される一員である、請求項1記載の化合物。
  3. R1
    Figure 2006513253
    である、請求項1記載の化合物。
  4. R4
    Figure 2006513253
    からなる群より選択される一員である、請求項1記載の化合物。
  5. R4はシクロヘキシルである、請求項1記載の化合物。
  6. R5はHであり、およびR6はモルホリンである、請求項1記載の化合物。
  7. R1
    Figure 2006513253
    であり;R5はHであり;および、R6はモルホリンである、請求項1記載の化合物。
  8. R1
    Figure 2006513253
    であり;R5はHであり;R6はモルホリンであり;ならびに
    R4
    Figure 2006513253
    からなる群より選択される一員である、請求項1記載の化合物。
  9. 化合物は
    Figure 2006513253
    Figure 2006513253
    からなる群より選択される一員である、請求項1記載の化合物。
  10. 化合物は
    Figure 2006513253
    である、請求項1記載の化合物。
  11. 請求項1記載の化合物および薬学的に許容される担体を含有する、薬学的組成物。
  12. 骨形成を誘発する方法であって、哺乳類細胞を請求項1記載の化合物に接触させ、これにより該哺乳類細胞が骨芽細胞系の細胞へ分化する段階を含む、方法。
  13. 請求項1記載の化合物が薬学的に許容される担体中にある、請求項12記載の方法。
  14. 哺乳類細胞が哺乳動物の体内にある、請求項12記載の方法。
  15. 接触段階が、哺乳動物への化合物の経口投与による、請求項14記載の方法。
  16. 接触段階が、哺乳類動物の化合物の静脈内投与による、請求項14記載の方法。
  17. 接触段階が、哺乳動物への化合物の皮下投与による、請求項14記載の方法。
  18. 接触段階が、哺乳動物への化合物の腹腔内投与による、請求項14記載の方法。
  19. 哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化を検出することを更に含む、請求項12記載の方法。
  20. 哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化が、骨形成マーカー遺伝子の発現を検出することにより検出される、請求項19記載の方法。
  21. 骨形成マーカー遺伝子は、アルカリホスファターゼ、I型コラーゲン、オステオカルシン、およびオステオポニンからなる群より選択される遺伝子である、請求項20記載の方法。
  22. 哺乳類細胞の骨芽細胞系の細胞への分化が、骨特異性転写因子の発現の検出により検出される、請求項19記載の方法。
  23. 骨特異性転写因子が、Cbfal/Runx2である、請求項22記載の方法。
  24. 哺乳類細胞は幹細胞である、請求項12記載の方法。
  25. 幹細胞は間葉系幹細胞である、請求項24記載の方法。
  26. 間葉系幹細胞はマウスから単離される、請求項25記載の方法。
  27. 間葉系幹細胞はマウスの胚性中胚葉線維芽細胞である、請求項26記載の方法。
  28. 間葉系幹細胞は霊長類から単離される、請求項25記載の方法。
  29. 霊長類はヒトである、請求項28記載の方法。
  30. 哺乳類細胞は骨形成タンパク質4(BMP-4)と更に接触される、請求項12記載の方法。
  31. 哺乳類細胞は前脂肪細胞である、請求項30記載の方法。
  32. 哺乳類細胞は筋芽細胞である、請求項30記載の方法。
  33. 哺乳類細胞は固相支持体に結合されている、請求項12記載の方法。
  34. 固相支持体は三次元マトリックスである、請求項33記載の方法。
  35. 固相支持体は平坦な面である、請求項33記載の方法。
  36. 骨形成を誘導する方法であって、哺乳類細胞を請求項10記載の化合物と接触させ、これにより哺乳類細胞が骨芽細胞系の細胞へ分化する段階を含む、方法。
  37. 哺乳類細胞が哺乳動物の体内にある、請求項36記載の方法。
  38. 接触段階が哺乳動物への化合物の経口投与による、請求項36記載の方法。
  39. 接触段階が哺乳動物への化合物の静脈内投与による、請求項36記載の方法。
  40. 接触段階が哺乳動物への化合物の皮下投与による、請求項36記載の方法。
  41. 接触段階が哺乳動物への化合物の腹腔内投与による、請求項36記載の方法。
  42. 骨障害を治療する方法であって、哺乳類細胞を請求項1記載の化合物と接触させ、これにより哺乳類細胞が骨芽細胞系の細胞へ分化する段階を含む、方法。
  43. 骨障害が、欠損のある骨芽細胞に関連している、請求項42記載の方法。
  44. 骨障害は骨粗鬆症である、請求項43記載の方法。
  45. 骨芽細胞系の細胞を、障害を持つ個体へ投与し、これにより障害を治療することを更に含む、請求項42記載の方法。
  46. 投与が外科的移植による、請求項45記載の方法。
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