JP2001516694A - プロテインキナーゼ、gプロテイン及びポリメラーゼのプリン阻害剤 - Google Patents

プロテインキナーゼ、gプロテイン及びポリメラーゼのプリン阻害剤

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JP2001516694A JP2000506208A JP2000506208A JP2001516694A JP 2001516694 A JP2001516694 A JP 2001516694A JP 2000506208 A JP2000506208 A JP 2000506208A JP 2000506208 A JP2000506208 A JP 2000506208A JP 2001516694 A JP2001516694 A JP 2001516694A
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    • C07D473/16Heterocyclic compounds containing purine ring systems with oxygen, sulphur, or nitrogen atoms directly attached in positions 2 and 6 two nitrogen atoms

Abstract

(57)【要約】 本発明は、特にプロテインキナーゼを阻害する下記式で表されるプリン類似体又はその医薬として許容できる塩に関する。 【化1】 (上式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、各々独立に、H、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和アルキル、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和置換アルキル、アリール並びに置換アリールからなる群より選ばれた基である。)さらに、本発明は、当該プリン類似体を使用してプロテインキナーゼ、Gプロテイン、ポリメラーゼその他の細胞プロセスを阻害する方法及び細胞増殖性疾患治療する方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、特にプロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼを阻害す
るプリン類似体に関する。さらに、本発明は、当該プリン類似体を使用してプロ
テインキナーゼ、Gプロテイン、ポリメラーゼその他の細胞プロセスを阻害する
方法及び当該プリン類似体を使用して、例えば細胞増殖性疾患や神経変性疾患を
治療する方法にも関する。
【0002】 発明の背景 プロテインキナーゼによるセリン残基、トレオニン残基及びチロシン残基のリ
ン酸化はタンパク質の最も一般的な翻訳後調節変性の一つを代表する。均質化へ
向けた精製又は分子クローニングの結果、200種を超えるプロテインキナーゼ
が説明されている(Hunter, T. (1991), Methods Enzymol., 200:3-37; Hanks,
S.K., et al. (1991), Methods Enzymol., 200:38-81; Hanks, S.K. (1991), Cu
rr. Opin. Struct. Biol., 1:369-383及びHubbard, M.J., et al. (1993), Tren
ds Biochem. Sci., 18:172-177参照)。真核生物遺伝子の2〜3%もの多くの部
分がプロテインキナーゼをコードしていると考えられる。生理学的過程における
プロテインキナーゼの重要性が、潜在的な薬理学的利益を伴う特殊な阻害剤に対
する活発な探究の刺激となっている(Hidaka, H., et al. (1992), Annu. Rev.
Pharmacol. Toxicol., 32:377-397 参照)。数種類の化合物、例えば、スタウロ
スポリン、ナフタレンスルホンアミド(W7, ML-9, SC-9)、イソキノリン誘導体
(H-7, H-8, KN-62)、スフィンゴシン、チルフォスチン(tyrphostin)その他が同
定されているが、ほとんどの場合、これらの阻害剤は幅広い特異性を示す。偽基
質型自己阻害性ペプチドの一部に高度な特異性を示すものがあるにすぎない。
【0003】 特に、最近になりサイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、その細胞分裂周期
(CDC)の調節における重要な役割に鑑みて相当に関心が高まっている(Nigg
, E.A. (1993), Trends in Cell Biol., 3:296-301及びSherr, C.S. (1993), Ce
ll, 73:1059-1065参照)。CDKは真核生物種の中で高度に保存されている。よ
り高度な真核生物細胞は、細胞周期の特定期において活性化される数種類のCD
K等価体を含有する。CDKは、触媒サブユニット(そのプロトタイプがCDC
2である)と調節サブユニット(サイクリン)とからなる。これまで6種類のヒ
トCDKタンパク質、すなわち、CDK1(CDC2としても知られている)と
CDK2〜6、が記載されている(Meyerson, M., et al. (1992), EMBO J., 11
:2909-2917; Meyerson, M., et al. (1994), Mol. Cell Biol., 14:2077-2086及
びVan den Heuvel, S., et al. (1993), Science, 262:2050-2054 参照)。いま
だ調節サイクリンが同定されていないCDK3を除き、これらCDKタンパク質
はいずれもサイクリンファミリー、すなわちサイクリンA(CDC2、CDK2
)、B1−B3(CDC2)、D1−D3(CDK2、CDK4、CDK5、C
DK6)、E(CDK2)の一種との過渡的会合により調節される。細胞周期の
各段階はこのようなCDK複合体により調節されると考えられている:G1/S
遷移(CDK2/サイクリンE、CDK3/未知サイクリン、CDK4/サイク
リンD1−D3、CDK6/サイクリンD3)、S期(CDK2/サイクリンA
)、G2(CDC2/サイクリンA)、G2/M遷移(CDC2/サイクリンB
)。
【0004】 CDKは、ヒストン、ラミン及び腫瘍サプレッサータンパク質、例えば網膜芽
腫遺伝子産物pRbをはじめとする細胞周期事象に関与する多くのタンパク質を
リン酸化することができる(上記Norbury, C., et al., Matsushime, H., et al
. (1992), Cell, 71:323-334, Nigg, E.E. (1993), Curr. Opin. Cell Biol., 5
:187-193参照)。その細胞周期における中心的役割により、酵素活性が多重機構
により厳密に制御される。キナーゼの活性化には、上記の調節サイクリンタンパ
ク質との複合体形成に続き、CDC2のThr-161 又は他のCDKの対応するThr
に対する活性化リン酸化が必要とされる(例えば、Gould, K.L., et al. (1991)
, EMBO J., 10:3297-3309; Desai, D., et al. (1992), Mol. Biol. Cell, 3:57
1-582; Solomon, M.J., et al. (1992), Mol. Biol. Cell, 3:13-27 参照)。さ
らに、酵素活性の負の調節が、Tyr-15及び/又はThr-14におけるリン酸化によっ
て(例えば、上記 Solomon, M.J., et al.; Gu, Y., et al. (1992), EMBO J.,
11:3995-4005; Krek, W., et al. (1991), EMBO J., 10:3331-3341; Norbury, C
., et al. (1991), EMBO J., 10:3321-3329; Parker, L.L., et al. (1992), Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 89:2917-2921; McGowan, C.H., et al. (1993),
EMBO J., 12: 75-85 参照)又はp16(Serrano, M., et al. (1993), Nature
(London), 366:704-707; Kamb, A., et al. (1994), Nature (London), 264:43
6-440; Nobori, T., et al. (1994), Nature (London), 368:753-756参照)、p
27(Polyak, K., et al. (1994), Cell, 78:59-66; Toyoshima, H., et al. (
1994), Cell, 78:67-74 参照)、p28(Hengst, L., et al. (1994), Proc. N
atl. Acad. Sci. U.S.A., 91:5291-5295参照)及びp21(Gu, Y., et al. (19
93), Nature (London), 366:707-710; Xiiong, Y., et al. (1993), Nature (Lo
ndon), 366:701-704; Harper, J.W., et al. (1993), Cell, 75:805-816; Dulic
, V., et al. (1994), Cell, 76:1013-1023 参照)のようなタンパク質阻害剤と
の複合体形成によって行われる。後者はp53によって誘導され得る。特に留意
すべきことは、試験したすべてのヒト悪性細胞系の50%を超えるものについて
p16遺伝子の欠失が認められたが(上記Kamb, A., Nobori, T., et al 参照)
、原発性腫瘍細胞においてははるかに少なく(Spruck III, C.H., et al. (1994
), Nature (London), 370:183-184 参照)、p16が腫瘍サプレッサータンパク
質として機能することを暗示していることである。このように、多くのガン遺伝
子産物を介して伝達された細胞成長シグナルと、いくつかの腫瘍サプレッサータ
ンパク質からの成長阻害シグナルとの両方が、CDKの活性を調節する。CDK
自体の突然変異はガンと関連しなかったが、サイクリンの過剰発現は腫瘍発生と
の関連があった(Hunter, T., et al. (1991), Cell, 66:1071-1074; Keyomarsi
, K., et al. (1993), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 90:1112-1116; Wang,
T.C., et al. (1994), Nature (London), 369:669-671 参照)。このように、C
DKは、抗腫瘍効果を有する阻害剤の開発及び細胞増殖性疾患の治療にとって有
望な標的である。
【0005】 プリン環系は、細胞キナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼをはじめとする
多くの生合成、調節及びシグナル伝達タンパク質の基質及びリガンドの重要な構
造要素である。このため、プリン環系は、多くの生物医学的に重要なプロセスの
阻害剤を探究する場合の良好な出発点となっている。実際には、各種のプロテイ
ンキナーゼの阻害についてプリン類似体がスクリーニングされたが、比較的選択
的な阻害剤のオロマウシン(olomousine)(図1)が7μMのIC50でCDK2/
サイクリンAを競争的に阻害することが同定された(Vesely, J., et al. (1994
), Eur. J. Biochem., 224:771-786参照)。オロマウシンはCDK/サイクリン
プロテインキナーゼに対して中程度の阻害活性及び良好な選択性を示すが、プロ
テインキナーゼのみならずGプロテインやポリメラーゼに対してさらに高い親和
性及び特異性を有する別のプリン類似体を同定することが有利である。まったく
意外なことであるが、本発明はこのような類似体を提供するものである。
【0006】 発明の概要 本発明は、(1)特にプロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼを
阻害するプリン類似体、(2)当該プリン類似体を使用してプロテインキナーゼ
、Gプロテイン、ポリメラーゼその他の細胞プロセスを阻害する方法、並びに(
3)当該プリン類似体を含む医薬組成物を提供するものである。 一つの具体的態様として、本発明は下記一般式で表されるプリン類似体、又は
その医薬として許容できる塩、を提供する。
【0007】
【化37】
【0008】 式I中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、各々独立に選ばれ、H、C1
8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和アルキル、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及
び不飽和置換アルキル、アリール並びに置換アリールをはじめとする官能基であ
るが、これらに限定はされない。 別の具体的態様として、本発明は、本発明のプリン類似体化合物と医薬として
許容できるキャリヤとを含む医薬組成物を提供する。
【0009】 別の具体的態様として、本発明は、プロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポ
リメラーゼからなる群より選ばれたタンパク質に本発明のプリン類似体を接触さ
せることを含む、当該タンパク質の阻害方法を提供する。好適な具体的態様では
、当該タンパク質はプロテインキナーゼである。より好適な具体的態様では、当
該プロテインキナーゼはサイクリン依存性キナーゼである。さらに好適な具体的
態様では、当該サイクリン依存性キナーゼはCDK1(CDC2)、CDK2、
CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7及びCDK8からなる群よ
り選ばれたもの、特にCDK1及びCDK5、である。 別の具体的態様として、本発明は、細胞増殖性疾患を有する哺乳類に対して本
発明のプリン類似体を治療有効量投与することを含む、細胞増殖性疾患の治療方
法を提供する。
【0010】 さらに別の具体的態様として、本発明は、腫瘍細胞に本発明のプリン類似体を
接触させることを含む、腫瘍細胞の成長の阻害方法を提供する。好適な具体的態
様では、当該腫瘍細胞は、肺細胞、結腸細胞、胸細胞、卵巣細胞、前立腺細胞及
び肝細胞からなる群より選ばれる。好適な具体的態様では、当該腫瘍細胞は哺乳
類の被験体に含まれる。別の好適な具体的態様では、当該プリン類似体に賦形剤
又はキャリヤを医薬として許容できる形態で配合し、そしてこれを経口投与する
。別の具体的態様では、本法はさらに腫瘍細胞の成長の衰えを観察する工程を含
む。 さらに別の具体的態様では、本発明は、神経変性疾患を有する哺乳類に本発明
のプリン類似体を治療有効量投与することを含む、神経変性疾患の治療方法を提
供する。 本発明及びその好適な具体的態様のその他の特徴、目的及び利点は、後述の詳
細な説明により明らかとなる。
【0011】 本発明及び好適な具体的態様の詳細な説明 本発明は、(1)特にプロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼを
阻害するプリン類似体、(2)当該プリン類似体を使用してプロテインキナーゼ
、Gプロテイン、ポリメラーゼその他の細胞プロセスを阻害する方法、並びに(
3)当該プリン類似体を含む医薬組成物を提供するものである。 A.定義 本明細書中の用語「各々独立に選ばれた」とは、複数のR基、例えば、R1
2 、R4 及びR5 が、同一であっても異なっていてもよいことを意味する(例
、R1 、R2 及びR3 がすべて置換アルキルであっても、R1 とR2 が置換アル
キルでありR3 がアリールであってもよい、等)。 一般に、命名されたR基は、その名称を有するR基に対応するものとして当該
技術分野で認識されている構造式を有する。例示目的のため、先に列挙した代表
的R基をここに定義する。これらの定義は、当業者に知られている定義を補充、
説明するためのものであって、これを排除するものではない。
【0012】 本明細書中の用語「アルキル」とは、炭素数1〜12、好ましくは1〜6の、
分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和の、一価の炭化水素基を意味する。アルキル
基の炭素数が1〜6である場合、それを「低級アルキル」と称する。好適なアル
キル基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−プ
ロペニル(又はアリル)、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(又は2−メチ
ルプロピル)、等が挙げられる。 「置換アルキル」とは、上記アルキルに一又は二以上の官能基が付いたものを
意味する。官能基の例として、低級アルキル、アリール、アシル、ハロゲン(す
なわち、アルキルハロ、例、CF3 )、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アル
キルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシア
ルキル、メルカプト、飽和環式炭化水素、不飽和環式炭化水素、複素環、等が挙
げられる。これらの基はアルキル部分のいずれの炭素に結合してもよい。
【0013】 本明細書中の用語「アリール」とは、単芳香族環又は、互いに縮合した、共有
結合した、もしくはメチレンもしくはエチレン部分のような共通の基に結合した
多芳香族環であることができる芳香族置換基を意味する。共通の結合基はベンゾ
フェノンにおけるようなカルボニルであってもよい。当該芳香族環として、とり
わけフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル及びベンゾフェノンを
挙げることができる。 本明細書中の用語「アリールアルキル」とは、当該アリール基が本明細書で定
義したアルキル基を介して結合している「アリール」のサブセットを意味する。
【0014】 「置換アリール」とは、上記アリールに一又は二以上の官能基が付いたものを
意味する。官能基の例として、低級アルキル、アシル、ハロゲン、アルキルハロ
(例、CF3 )、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アシルア
ミノ、アシルオキシ、メルカプト並びに、芳香族環に縮合した、共有結合した、
もしくはメチレンもしくはエチレン部分のような共通の基に結合した飽和及び不
飽和環式炭化水素が挙げられる。結合基はシクロヘキシルフェニルケトンにおけ
るようなカルボニルであってもよい。用語「置換アリール」には「置換アリール
アルキル」が包含される。 「置換アリールアルキル」とは、当該置換アリール基が本明細書で定義したア
ルキル基によって核に結合している「置換アリール」のサブセットを意味する。 本明細書中の用語「ハロゲン」とは、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨ
ウ素原子を意味する。 本明細書中の用語「ヒドロキシ」とは、−OH基を意味する。
【0015】 本明細書中の用語「アミノ」とは、−NRR’基を意味する。ここで、R及び
R’は、各々独立に、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換
アリール又はアシルであることができる。 本明細書中の用語「アルコキシ」とは、−OR基を意味する。ここで、Rは低
級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル又
は置換アリールアルキルであり、当該アルキル、アリール、置換アリール、アリ
ールアルキル及び置換アリールアルキルは本明細書で説明したものである。好適
なアルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、置換フェノキ
シ、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、t−ブトキシ、等が含まれる。
【0016】 用語「アルキルアミノ」とは、当該アルキル基が同一であっても異なっていて
もよく、また直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素からなることができる第
二級及び第三級アミンを意味する。 本明細書中の用語「複素環式」とは、環内に1〜12個の炭素原子と1〜4個
の窒素、硫黄又は酸素から選ばれた異種原子とを含む単環又は多縮合環を有する
一価の基を意味する。当該複素環の例として、テトラヒドロフラン、モルフォリ
ン、ピペリジン、ピロリジン、チオフェン、ピリジン、イソキサザール、フタル
イミド、ピラゾール、インドール、フラン、これらの環のベンゾ縮合類似体、等
が挙げられる。
【0017】 用語「置換複素環式」とは、当該複素環核が一又は二以上の官能基で置換され
ている「複素環式」のサブセットを意味する。官能基の例として、低級アルキル
、アシル、ハロゲン、アルキルハロ(例、CF3 )、ヒドロキシ、アミノ、アル
コキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、メルカプト、等が挙げ
られる。 用語「医薬として許容できる塩」とは、その遊離の塩基の生物学的な効果及び
特性を保持し且つ、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸
、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、等のような無機酸
との反応により得られる化合物の塩を意味する。医薬として許容できる塩には、
例えば、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属塩、アルカリ土類塩及びア
ンモニウム塩が含まれる。
【0018】 本明細書中の用語「接触」は、一緒にする、添加する、混合する、上を通過す
る、インキュベートする、上に流す、等と相互変換的に用いられる。さらに、本
明細書中で説明するように、本発明のプリン化合物は、常用のいずれの方法でも
、例えば、非経口的、経口的、局所的及び吸入的の経路により、「投与」するこ
とができる。 「十分量」又は「有効量」とは、特定のプリン類似体の所期の結合/阻害活性
を示す量又は、症状の緩和が自覚され、もしくは臨床家その他の適格観察者に認
められる客観的に識別可能な改善が得られるような量を意味する。
【0019】 B.プリン類似体 プリン環は、細胞プロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼをはじ
めとする多くの生合成、調節及びシグナル伝達タンパク質の基質及びリガンドの
重要な構造要素である。極めて重要なことであるが、本発明は、このようなタン
パク質を阻害するため、したがって多くの生物医学的に重要なプロセスを阻害す
るために使用することができるプリン類似体を提供する。より具体的には、本発
明は、特にプロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼその他の細胞プ
ロセスを阻害するプリン類似体を提供する。このように、本発明のプリン類似体
を使用して、細胞周期の進行、細胞増殖、アポプトシスその他の細胞プロセスを
妨害することができる。本発明のプリン類似体はサブナノモルからサブマイクロ
モルの範囲内において活性である。 一つの具体的態様として、本発明は下記一般式で表されるプリン類似体、又は
その医薬として許容できる塩、を提供する。
【0020】
【化38】
【0021】 式I中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、各々独立に選ばれ、H、C1
8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和アルキル、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及
び不飽和置換アルキル、アリール並びに置換アリールをはじめとする官能基であ
るが、これらに限定はされない。 上記式Iの範囲内に含まれる特定の具体的態様、すなわち、R1 とR2 が各々
独立に選ばれ且つ、H、アリール、置換アリール、アリールで置換されたC1
8 直鎖飽和アルキル、並びに置換アリールで置換されたC1 〜C8 直鎖飽和ア
ルキルをはじめとする官能基(これらに限定されない)であり、R3 が、C1
8 分岐鎖飽和アルキル及びC1 〜C8 分岐鎖不飽和アルキルをはじめとする官
能基(これらに限定されない)であり、そしてR4 とR5 が各々独立に選ばれ且
つ、H、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和アルキル、C1 〜C8 直鎖、
分岐鎖、飽和及び不飽和置換アルキル、アリール並びに置換アリールをはじめと
する官能基(これらに限定されない)であるものが好ましい。
【0022】 別の好適な具体的態様では、R1 とR2 が各々独立に選ばれ且つ、H、無置換
アリール及び置換アリールをはじめとする官能基(これらに限定されない)であ
り、R3 がイソプロピルであり、そしてR4 とR5 が各々独立に選ばれ且つ、H
、C1 〜C8 飽和及び不飽和分岐鎖アルキル並びにC1 〜C8 飽和及び不飽和分
岐鎖置換アルキルをはじめとする官能基(これらに限定されない)である。 別の好適な具体的態様では、R4 とR5 が各々独立に選ばれ且つ、H及び下式
で表される基をはじめとする官能基(これらに限定されない)である。
【0023】
【化39】
【0024】 上式中、Xは、H、OH、CH2 OH、C(O)NH2 、SH、COOH又は
これらの医薬として許容できる塩及びCOOR7 (R7 は低級アルキルである)
からなる群より選ばれた基であり、そしてR6 は、H、C1 〜C8 直鎖アルキル
、C1 〜C8 分岐鎖アルキル、C1 〜C8 直鎖置換アルキル及びC1 〜C8 分岐
鎖置換アルキルからなる群より選ばれた基である。 上記の具体的態様に関して、Xは好ましくはCOOHであり、そしてR6 は各
々独立に選ばれ且つ、H、−CH3 、−(CH2 3 NHC(=NH)NH2
−CH2 CONH2 、−CH2 CO2 H、−CH2 SH、−(CH2 2 CON
2 、−(CH2 2 CO2 H、−CH2 (4−イミダゾイル)、−CH(CH 3 )CH2 CH2 、−CH2 CH(CH3 2 、−(CH2 4 NH2 、−(C
2 2 SCH3 、−CH2 Ph、−CH2 OH、−CH(CH3 )OH、−C
2 (3−インドリル)、−CH2 (4−ヒドロキシフェニル)及び−CH(C
3 2 をはじめとする官能基(これらに限定されない)である。
【0025】 このような具体的態様において、R1 とR2 は各々独立に選ばれ且つ、H並び
に、3位、4位及び5位の少なくとも一つにおいて、ハロゲン、アルコキシ、ト
リハロメチル、アミノ、ヒドロキシル、チオール、スルホン酸、スルホン酸、ア
ミド、エステル及びカルボン酸からなる群より各々独立に選ばれた基で置換され
たアリールをはじめとする官能基(これらに限定されない)である。 表Iに、本発明による特に好ましいプリン化合物を列挙する。本表に含まれ且
つ本明細書全体にわたるこれらの化合物をコード番号で称するが、これは便宜の
ために使用するものにすぎず、本発明の目的にとってはまったく任意なものであ
る。 表I.プリン類似体の例
【0026】
【化40】
【0027】
【化41】
【0028】
【化42】
【0029】
【化43】
【0030】
【化44】
【0031】
【化45】
【0032】
【化46】
【0033】
【化47】
【0034】
【化48】
【0035】 a:これらのIC50値はCDK2の他の既知の低分子阻害剤に匹敵し得る(図2及
び図3参照)。 当業者であれば、置換基によって本発明のプリン類似体がラセミ体混合物又は
一対のジアステレオマーもしくはエナンチオマーになり得ることは容易に理解で
きる。 本発明のプリン類似体は、従来の合成化学技法を用いて様々な様式で合成する
ことができる。典型的には、本発明の化合物はスキームIに記載した反応経路に
従い調製される(R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は先に定義した通り)。本反
応を実施するのに適した有機溶剤、温度及び時間条件の使用は当業者の水準の範
囲内である。一般に、この種の反応はNorman, et al., J. Am. Chem. Soc. 118:
7430-7431 (1996)及びGray, et al., Tetrahedron Letters, 38:1161-1164 (199
7)に説明されており、これらの教示を本明細書の一部とする。さらに、本明細書
中に好適な合成反応を代表例として説明する。必要な出発材料は有機化学の標準
的手順によって得ることができる。
【0036】
【化49】
【0037】 略説すると、スキームIに記載したように、2位にハロゲンを有するプリン誘
導体を Mitsonuboアルキル化により9位においてアルコールでアルキル化する。
アルキル化に続き、プリン誘導体を6位においてアミンでアミノ化する。合成後
は、プリン類似体を精製し(例、TLCにより)、特性決定し(例、逆相HPL
Cにより)、そして分析する(例、 1H NMR又はFAB−MSを用いた高解
像度分光分析法により)ことができる。
【0038】 C.本発明のプリン類似体の使用 本発明のプリン類似体は、様々な目的でin vitro又はin vivo において使用す
ることができる。上述のように、本発明のプリン類似体を用いてプロテインキナ
ーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼを阻害することができる。また、本発明の
プリン類似体を用いて細胞増殖性疾患を治療することができる。さらに、本発明
の化合物を分子ツールや分子プローブとして使用することもできる。 このように、一つの具体的態様として、本発明は、プロテインキナーゼ、Gプ
ロテイン又はポリメラーゼに下記一般式で表されるプリン類似体、又はその医薬
として許容できる塩、を接触させることを含む、プロテインキナーゼ、Gプロテ
イン又はポリメラーゼの阻害方法を提供する。
【0039】
【化50】
【0040】 先に説明したR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 、それらの定義及び好適な具体
的態様は本法に用いられるプリン類似体に完全に当てはまるので、説明の繰返し
は行わない。プロテインキナーゼ、Gプロテイン又はポリメラーゼを、阻害を引
き起こすに十分な量のプリン類似体と接触させる。 本発明のプリン類似体を用いて阻害し得るプロテインキナーゼには、サイクリ
ン依存性キナーゼ(CDK)、MAPキナーゼ(p38、ERK)、(MAPK
/MEK/MEKK)、cAMP依存性キナーゼ、cGMP依存性キナーゼ、カ
ルモジュリン依存性キナーゼ、CSK(C-src様キナーゼ)pp60c−src
、ミオシン軽鎖キナーゼ、JNKキナーゼ、IKBキナーゼ、プロテインキナー
ゼC、等が含まれるが、これらに限定はされない。現在のところ好適な具体的態
様では、プロテインキナーゼはCDKである。このCDKにはCDK1(CDC
2)及びCDK2〜CDK8が含まれる。さらに好ましい具体的態様では、CD
KはCDC2、CDK2又はCDK5である。本発明のプリン類似体の多くがこ
れらのCDKに対して高い親和性及び特異性を示すからである。本発明の化合物
を用いて阻害され得るGプロテインには、GTP結合性タンパク質が含まれるが
、これに限定はされない。本発明のプリン類似体を用いて阻害され得るポリメラ
ーゼには、DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼσ、DNAポリメラーゼ
I、トポイソメラーゼII、ホスファターゼ、テロメラーゼ、等が含まれるが、こ
れらに限定はされない。本発明のプリン類似体を用いて阻害され得るその他のプ
ロテインキナーゼ、Gプロテイン又はポリメラーゼは当業者には公知である。
【0041】 プロテインキナーゼ、Gプロテイン又はポリメラーゼを阻害する場合に用いる
のに適した本発明のプリン類似体は、in vitro又はin vivo スクリーニングアッ
セイを用いて容易に同定することができる。例えば、プロテインキナーゼ阻害活
性を有するプリン類似体は、実施例及びBuxbaum, J.D., et al. Anal. Biochem. 1988, 169:209-215に記載されているCDK2/サイクリンAマイクロタイター
系溶液相プロテインキナーゼアッセイを用いてスクリーニングすることができる
。同様に、特定のプリン類似体をGプロテイン阻害活性又はポリメラーゼ阻害活
性についてスクリーニングするために用いることができるアッセイも数多く存在
する。このようなアッセイは、例えば、Vesley, J., et al., Eur. J. Biochem.
, 1994, 224:771-786 に記載されており、その教示を本明細書の一部とする。特
定のプリン類似体をプロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼに対す
る阻害特性についてスクリーニングするために、当業者に知られ且つ使用されて
いるその他のアッセイを使用してもよい。 さらに、本発明のプリン類似体を使用して、細胞増殖性疾患を有する哺乳類の
被験体に対して下記一般式で表されるプリン類似体、又はその医薬として許容で
きる塩、を治療有効量投与することにより、細胞増殖性疾患を治療することがで
きる。
【0042】
【化51】
【0043】 先に説明したR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 、それらの定義及び好適な具体
的態様は本法に用いられるプリン類似体に完全に当てはまるので、説明の繰返し
は行わない。 本発明のプリン類似体を用いて治療できる細胞増殖性疾患には、内皮細胞の異
常刺激(例、アテローム性動脈硬化症)、固形腫瘍及び腫瘍転移、良性腫瘍、例
えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、化膿性肉芽腫、脈管機能不
全、異常創傷治癒、炎症性及び免疫疾患、ベーチェット病、痛風又は痛風性関節
炎、例えばリューマチ様関節炎を伴う異常脈管形成、乾癬、糖尿病性網膜症、そ
の他の眼球脈管形成症、例えば、早熟の網膜症(水晶体後方の線維形成)、黄斑
変性、角膜移植拒絶反応、neuroscular 緑内障及びOster Webber症候群、乾癬、
restinosis、真菌類、寄生虫性及びウイルス性感染、例えば、サイトメガロウイ
ルス感染が含まれるが、これらに限定はされない。 好ましい具体的態様として、本発明は、腫瘍細胞に下記一般式で表される化合
物、又はその医薬として許容できる塩、を接触させることを含む、腫瘍細胞の成
長を阻害する方法を提供する。
【0044】
【化52】
【0045】 先に説明したR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 、それらの定義及び好適な具体
的態様は本法に用いられるプリン類似体に完全に当てはまるので、説明の繰返し
は行わない。 上記の方法によると、腫瘍細胞には、肺細胞、結腸細胞、胸細胞、卵巣細胞、
前立腺細胞及び肝細胞並びに鱗状細胞腫瘍が含まれるが、これらに限定はされな
い。現在のところ好ましい具体的態様では、腫瘍細胞が哺乳類の被験体に存在す
る。哺乳類の被験体には、ヒト、実験動物、家庭内ペット及び家畜が含まれるが
、これらに限定はされない。さらに好ましい具体的態様では、上記の方法はさら
に腫瘍細胞の成長の衰えを観察する工程を含む。 別の具体的態様として、本発明は、ガンを有する哺乳類の被験体に下記一般式
で表される化合物、又はその医薬として許容できる塩、を投与することを含む、
ガンの治療方法を提供する。
【0046】
【化53】
【0047】 先に説明したR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 、それらの定義及び好適な具体
的態様は本法に用いられるプリン類似体に完全に当てはまるので、説明の繰返し
は行わない。 本発明の化合物は多種多様なガンの治療に有用である。このようなガンの例と
して、咽頭、結腸、直腸、膵臓、胃、肝臓、肺、胸、皮膚、前立腺、卵巣、頸、
子宮及び膀胱癌のような腫瘍、リンパ腫、神経膠腫、網膜芽腫並びに肉腫が挙げ
られる。さらに、上記の方法によると、哺乳類の被験体には、ヒト、実験動物、
家庭内ペット及び家畜が含まれるが、これらに限定はされない。
【0048】 本発明の方法に用いるのに適したプリン類似体は、in vitro又はin vivo スク
リーニングアッセイを用いて容易に同定することができる。このようなアッセイ
は、特定の化合物のin vitro又はin vivo における悪性腫瘍細胞の成長を阻害す
る又は悪性細胞の腫瘍発生を防止する能力についてスクリーニングすることがで
きる。例えば、腫瘍細胞系統を各種濃度の興味あるプリン類似体に暴露し、そし
て当該細胞の生存性を alamar Blue(商標)アッセイ(BioSource, Internation
al of Camarillo, California より市販)を用いて一定の時点で測定することが
できる。alamar Blue 色素を培地に添加すると、色素は細胞ミトコンドリア酵素
により還元されて蛍光性が実質的に高くなった可溶性生成物を生じる。この蛍光
を蛍光計で測定することにより、その信号を細胞数と比例させることができる。
この情報を用いて、興味ある化合物のIC50(対照培養物と比較して細胞培養物
を50%致死させる化合物の濃度)値を容易に算出することができる。
【0049】 当業者には認識されているように、MDA MB 231 (乳癌) 、MCF-7(乳癌) 、MDA
MB 468 (乳癌) 、Siha (鱗状細胞癌) 、A549 (非小細胞肺癌) 、HL-60(白血病)
、Ovcar-3(卵巣) 、等(これらに限定はされない)をはじめとする悪性腫瘍細胞
培養及び細胞系統の多くの変種を用いて活性についてスクリーニングすることが
できる。さらに、本発明のプリン類似体を60のヒト腫瘍細胞系統のNational C
ancer Institute についてスクリーニングすることもできる。もちろん、当業者
に知られ且つ用いられている抗腫瘍活性及び/又は抗ガン活性についてスクリー
ニングするための他のin vitro及び/又はin vivo アッセイを採用して、本発明
の方法において有用な有効なプリン類似体を同定することもできる。 別の好ましい具体的態様では、本発明のプリン類似体を使用して、神経変性疾
患を有する哺乳類に対して下記一般式で表される化合物、又はその医薬として許
容できる塩、を治療有効量投与することにより、神経変性疾患を治療することが
できる。
【0050】
【化54】
【0051】 先に説明したR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 、それらの定義及び好適な具体
的態様は本法に用いられるプリン類似体に完全に当てはまるので、説明の繰返し
は行わない。 本発明のプリン類似体化合物を用いて治療できる神経変性疾患には、アルツハ
イマー症、AIDS関連性痴呆症、ライ(Leigh) 病、散在性ライ体(Lewy body)
病、てんかん、多発性システム萎縮症、ギヤン−バレー症候群、リソソーム保存
性疾患、例えば脂褐素症、ダウン症候群の後期変性段階、アルパー病、CNS変
性の結果としての目眩、等をはじめとするマルチニューロンシステム及び/又は
脳幹に関する神経変性病理学が含まれるが、これらに限定はされない。本発明の
プリン類似体を用いて治療できる他の神経変性疾患も当業者には自明である。
【0052】 さらに、細胞周期妨害活性の観点で、本発明のプリン類似体を使用して、上記
のように、癌、乾癬、真菌類、寄生虫、ウイルス、植物、等の成長をはじめとす
る望ましくない増殖を阻害することができる。さらに、本発明のプリン類似体は
、活発に分裂している細胞においてアポプトシスを誘発する効果を有しているた
め、この特性を利用して望ましくない増殖に係わる各種疾病状態を治療すること
ができる。このような利用法については、例えば、Meijer, L., Trends in Cell
Biology (1986), 6:393-397に記載されており、その教示を本明細書の一部とす
る。 上記の他、本発明のプリン類似体を分子ツール及びプローブとしてin vitroで
使用することができる。例えば、CDK阻害剤は細胞をG1及びG2後期/前期
初期の両方において停止させるので、これらを使用して、好ましくは別の同調化
剤/同調化法を組み合わせて使用した場合(例えば、アフィジコリンと一緒に使
用する場合)に細胞を同調化させることができる。さらに、細胞抽出物からCD
Kをアフィニティ精製/消耗するために固定化CDK阻害剤を使用することもで
きる。このようなプリン類似体は(結晶学又はスクリーニング目的で)発現した
CDKの大量精製に特に有用である。さらに、このようなプリン類似体は、異な
る発達又は細胞周期段階で細胞から抽出されたCDKの比較分析(濃度、キナー
ゼ活性、翻訳後修飾、等の変動)のためにも有用である。
【0053】 D.医薬組成物/投与経路 本発明の化合物、すなわちプリン類似体を、哺乳類、例えばヒトの患者に、単
独で、医薬として許容できる塩の形態で又は当該化合物に適当なキャリヤもしく
は賦形剤を混合した医薬組成物の形態で、治療有効量、例えば、プロテインキナ
ーゼもしくは細胞プロセスを阻害する又はプロテインキナーゼに関連する疾患の
症状を改善するのに有効な投与量で投与することができる。 本発明の化合物は、治療投与用の各種組成物に含めることができる。より具体
的には、本発明の化合物は、適当な医薬として許容できるキャリヤ又は希釈剤と
組み合わせて配合して医薬組成物にすることができ、またタブレット、カプセル
、ピル、粉末、顆粒、糖剤、ゲル、スラリー、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入
剤及びエアロゾルのように固体、半固体、液体又は気体の形態で調合することが
できる。このように、当該化合物の投与は、経口、頬、直腸、非経口、腹腔内、
皮内、経皮、等をはじめとする各種方法で行うことができる。その上、当該化合
物は、系統的様式ではなく局所において、例えば、しばしば配置型又は徐放性配
合物として固体腫瘍に直接化合物を注入する方式で投与することができる。さら
に、当該化合物は、標的型ドラッグデリバリーシステムにおいて、例えば、腫瘍
特異性抗体を被覆したリポソームにおいて投与することもできる。このようなリ
ポソームは腫瘍を標的とし、これに選択的に吸収される。
【0054】 本発明のプリン類似体は、単独で投与しても、互いに組み合わせて投与しても
よいし、また他の既知の化合物〔例、他の薬剤、例えば、抗ガン剤(例、AZT
)、抗有糸分裂薬、抗炎症剤、抗生物質、コルチコステロイド、ビタミン、等〕
と組み合わせて使用してもよい。より具体的には、本発明の化合物は、他の既知
の化学治療剤又は抗腫瘍剤(例、ビンカアルカロイド、抗生物質、代謝拮抗剤、
白金配位錯体、等)を含む連結治療において使用することができる。例えば、本
発明の化合物は、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タキソール、等のようなビ
ンカアルカロイド化合物;アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ダクチノマイ
シン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン、ルビドマイシ
ン)、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びミトマイシン(
ミトマイシンC)のような抗生物質;メトトレキセート、シタラビン(AraC)、
アザウリジン、アザリビン、フルオロデオキシウリジン、デオキシコフォルマイ
シン、メルカプトプリン、等のような代謝拮抗剤;又はシスプラチン(cis-DDP)
、カルボプラチン、等のような白金配位錯体と共に連結治療において使用するこ
とができる。さらに、当業者であれば、本発明の化合物がその他の既知の化学治
療剤又は抗腫瘍剤と共に連結治療において使用できることは理解できる。医薬投
与形態としては、当該化合物は、その医薬として許容できる塩の形態で投与され
ることができ、また単独でもしくは適当な関連で使用することや、他の医薬活性
化合物と組み合わせて使用することもできる。
【0055】 本発明において使用するのに適した配合物はRemington's Pharmaceutical Sci
ences (Mack Publishing社, Philadelphia, PA, 17th ed. (1985))に記載されて
おり、本文献を本明細書の一部とする。さらに、ドラッグデリバリーの方法の概
説については Langer, Science 249:1527-1533 (1990) を参照されたい。本文献
も本明細書の一部とする。本明細書に記載した医薬組成物は当業者に公知の方法
で、すなわち常用の混合法、溶解法、顆粒化法、糖剤製法、粉状化法、乳化法、
カプセル化法、捕捉法又は凍結乾燥法によって製造することができる。後述の方
法及び賦形剤は例示にすぎず、限定解釈されるべきものではない。
【0056】 注射剤の場合、本発明の化合物を、水性又は非水性溶剤、例えば、植物油その
他の類似油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル又はプロピレングリコ
ールに、所望であれば常用の添加剤、例えば、可溶化剤、等張化剤、懸濁剤、乳
化剤、安定剤及び防腐剤と共に、溶解、懸濁又は乳化することにより配合して製
剤にすることができる。本発明の化合物は、水溶液、好ましくは生理学的に適合
する緩衝液、例えば、Hankの溶液、Ringerの溶液又は生理食塩緩衝液において配
合されることが好ましい。経粘膜投与の場合には、透過すべき障壁に適した浸透
剤を配合物において使用する。このような浸透剤は一般に公知である。
【0057】 経口投与の場合、当該化合物は、当該技術分野で周知の医薬として許容できる
キャリヤと混合することにより容易に配合することができる。このようなキャリ
ヤは、治療を受ける患者の経口消化のためのタブレット、ピル、糖剤、カプセル
、エマルション、親油性且つ親水性の懸濁液、液体、ゲル、シロップ、スラリー
、懸濁液、等として当該化合物を配合することを可能にする。経口用途のための
医薬製剤は、当該化合物を固体賦形剤と混合し、必要により得られた混合物を錬
磨し、そして所望により適当な助剤を添加した後に顆粒混合物を処理してタブレ
ット又は糖衣剤のコアを得ることができる。好適な賦形剤として、特に、ラクト
ース、スクロース、マンニトールもしくはソルビトールをはじめとする糖類;ト
ウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ポテト澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム
、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボ
キシメチルセルロースのようなセルロース調製物及び/又はポリビニルピロリド
ン(PVP)、等の充填剤が挙げられる。所望であれば、架橋ポリビニルピロリ
ドン、寒天又はアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウム、の
ような崩壊剤を添加してもよい。
【0058】 糖衣剤には適当なコーティングが施される。このため、糖類濃縮液を使用する
ことができ、これに必要に応じてアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン
、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー
溶液、適当な有機溶剤又は溶剤混合物を含めることができる。色素や顔料を添加
することにより、タブレットや糖衣剤コーティングの識別に供すること、又は活
性化合物の投与量の異なる組合せを特性付けることができる。 経口使用可能な医薬製剤は、ゼラチンでできたプッシュフィットカプセル、並
びにゼラチンと可塑剤、例えばグリセロールやソルビトールとでできた柔らかい
封入カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトース、バインダー、
例えば、澱粉、及び/又は潤滑剤、例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウ
ムのような充填剤、並びに必要により安定剤との混合物として活性成分を含有す
ることができる。軟質カプセルにおいて、活性化合物を適当な液体、例えば、脂
肪油、液状パラフィン又は液状ポリエチレングリコールに溶解又は懸濁すること
ができる。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与用の配合物はすべて当該
投与に適した投与量範囲になければならない。
【0059】 頬投与の場合、当該組成物は常用の方法で配合されるタブレット又は舐剤の形
態をとることができる。 吸入投与の場合、本発明により使用される化合物は、適当な噴射剤、例えば、
ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオ
ロエタン、二酸化炭素その他適当なガスを使用して加圧されたパック又は噴霧器
からエアロゾルスプレーの形態で、又は噴射剤を含まない乾燥粉末吸入器から、
便利に送り込まれる。加圧されたエアロゾルの場合、投与量単位は計量された量
を送りだすためのバルブを設けることにより定めることができる。吸入器又は注
入器に用いられる、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、当該化合物
と適当な粉末ベース、例えばラクトース又は澱粉との粉末混合物を含有するもの
として配合することができる。
【0060】 当該化合物は注射、例えば、ボーラス注入又は連続注入による非経口投与用に
配合することができる。注射用配合物は防腐剤を添加した単位投与量形態、例え
ば、アンプル又は多数投与容器において存在することができる。当該組成物は、
油性又は水性ベヒクルにおける懸濁液、溶液又はエマルションのような形態をと
ることができ、また懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含むこと
もできる。 非経口投与用の医薬組成物は水溶性形の活性化合物の水溶液を含む。さらに、
活性化合物の懸濁液を適当な油性注入懸濁液として調製してもよい。適当な親油
性溶剤又はベヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油、又は合成脂肪酸エステル、例
えば、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリド、もしくはリポソームが含まれ
る。水性注入用懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質、例えば、ナトリウムカル
ボキシメチルセルロース、ソルビトール又はデキストランを含むことができる。
当該懸濁液はまた、必要に応じて、化合物の溶解度を高めて高濃度溶液の調製を
可能ならしめるに適当な剤又は安定剤を含むこともできる。別法として、活性成
分を粉末状とし、使用前に適当なベヒクル、例えば、発熱因子を含まない滅菌水
で構成することもできる。
【0061】 当該化合物は、ココアバター、カーボワックス、ポリエチレングリコール又は
他のグリセリドのような、どれも室温では固体であるが体温で溶融する常用の坐
剤ベースを含有する坐剤又は保持浣腸のような直腸用組成物として配合すること
もできる。 上記の配合物の他に、当該化合物は貯蔵製剤として配合することもできる。こ
のように作用の長い配合物は、移植(例えば、皮下的もしくは筋内的)又は筋内
注射により投与することができる。このように、例えば、当該化合物は、適当な
高分子材料もしくは疎水性材料(例えば、許容できる油状物におけるエマルショ
ンとして)もしくはイオン交換樹脂と共に、又は可溶性の低い誘導体、例えば、
可溶性の低い塩として、配合することができる。
【0062】 別法として、疎水性医薬化合物のための他のデリバリーシステムを採用しても
よい。リポソーム及びエマルションは疎水性薬物のデリバリー用ベヒクル又はキ
ャリヤの周知の例である。ジメチルスルホキシドのような特定の有機溶剤を使用
してもよいが、通常は毒性が高くなるという不利益もある。さらに、当該化合物
は、治療薬剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスのような徐
放システムを使用して送り込むこともできる。各種タイプの徐放性材料が確立さ
れており、当業者であればよく知っている。徐放性カプセルは、その化学特性に
よって、化合物を2、3週間から最長100日間にわたり放出することができる
。 医薬組成物はまた、適当な固体相又はゲル相のキャリヤ又は賦形剤を含むこと
もできる。このようなキャリヤ又は賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、各種糖類、澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン及びポリエチレング
リコールのようなポリマーが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0063】 本発明において使用するのに適した医薬組成物は、活性成分が治療有効量含ま
れている組成物を含む。もちろん、組成物の投与量は治療対象たる被験体、被験
体の質量、苦痛の程度、投与方法及び処方する医師の判断によって変わる。有効
量の決定は、特に本明細書の詳細な開示に照らし、当業者の能力の範囲内にある
。 本発明の方法において用いられるいずれの化合物についても、治療有効投与量
は最初は細胞培養アッセイから推定することができる。例えば、細胞培養におい
て求められたIC50(すなわち、細胞培養の50%が致死する試験化合物濃度)
又は細胞培養において求められたIC100 (すなわち、細胞培養の100%が致
死する試験化合物濃度)を含む循環濃度範囲を達成するように動物モデルにおい
て投与量を処方することができる。このような情報を使用して、人体における有
効投与量をより正確に求めることができる。初期投与量もまたin vitro又はin v
ivo データから概算することができる。
【0064】 また、初期投与量を、本明細書に記載した化合物の細胞培養アッセイにおける
効果と既知薬物の効果とを比較することによって処方することもできる。例えば
、抗ガン剤として使用する場合、本明細書に記載した化合物の細胞培養アッセイ
における効果と既知の抗ガン剤、例えばビンクリスチン、の効果とを比較するこ
とによって初期投与量を処方することができる。この方法では、本発明の化合物
と既知の抗ガン剤について細胞培養アッセイで得られた有効濃度の比率に既知の
抗ガン剤の有効投与量を掛け算することにより初期投与量を得ることができる。
例えば、本発明の化合物が細胞培養アッセイにおいてビンクリスチンよりも2倍
の効果を有する場合(すなわち、同一アッセイにおいて当該化合物のIC50がビ
ンクリスチンのIC50の半分である場合)には、本発明の化合物の初期有効投与
量はビンクリスチンの既知投与量の半分となる。これらの初期ガイドラインを使
用することにより、当業者であれば人体における有効投与量を決定することがで
きる。
【0065】 その上、本明細書に記載した化合物の毒性及び治療的効能は、細胞培養又は実
験動物における標準的な医薬的手順、例えば、LD50(集団の50%が致死する
投与量)及びED50(集団の50%において治療的に有効な投与量)によって測
定することができる。毒性及び治療的効果の間の投与量比は治療指数であり、L
50とED50との間の比率として表現することができる。高い治療指数を示す化
合物が好適である。これらの細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータ
を使用して、人体に使用する場合に毒性にならない投与量範囲を処方することが
できる。このような化合物の投与量は、毒性のほとんど又はまったく無いED50 を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用する投与形態及
び採用する投与経路によって当該範囲内で変動し得る。正確な処方、投与経路及
び投与量については、患者の状態を見て個々の医者が選ぶことができる(例、Fi
ngl et al., 1975, In: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ch. 1,
p. 1参照)。
【0066】 投与量及び投与間隔は、治療効果を維持するに十分な活性化合物の血漿中濃度
を提供するように個別に調整することができる。経口投与に有用な患者投与量は
約50〜2000mg/kg/日、通常は約100〜1000mg/kg/日、
好ましくは約150〜700mg/kg/日、最も好ましくは約250〜500
mg/kg/日の範囲にある。好ましくは、治療有効血清中濃度を毎日複数回の
投与を実施することにより達成することである。局所投与又は選択吸収の場合に
は、薬物の有効局所濃度は血漿中濃度とは関連しなくてもよい。当業者であれば
過度な実験によらずとも治療有効局所投与量の最適化が可能である。
【0067】 本発明を具体例によってさらに詳細に説明する。以下の例は例示目的にすぎず
、本発明をいかようにも限定するものではない。当業者であれば、実質的に同様
な結果を得るために変更可能な様々な非本質的パラメーターを容易に認識するこ
とができる。 実施例 例1は、固体支持体上で本発明のプリン誘導体を得るための一般的な合成経路
を示す。スキーム2に例示した固相合成戦略は、成長する化合物をプリン環構造
の2位において側鎖を介して固体支持体に結合させることを含む。
【0068】
【化55】
【0069】 例2 例2は、固体支持体上でプリン誘導体に至る一般的な合成経路を示す。スキー
ム2に例示した固相合成戦略は、成長する化合物をプリン環構造の9位において
側鎖を介して固体支持体に結合させることを含む。
【0070】
【化56】
【0071】 例3 例3は、固体支持体上で合成されるプリン誘導体に至る一般的な経路を示す。
スキーム3に例示した経路は、成長する化合物をプリン環の6位において置換基
を介して固体支持体に結合させることを含む。
【0072】
【化57】
【0073】 例4 例4は、プリン核の9位のアルキル化を詳説するものである。合成経路をスキ
ーム4にまとめる。
【0074】
【化58】
【0075】 N2 下、火炎乾燥したフラスコにおいて2−フルオロ−6−クロロプリン(9
00mg、5.20ミリモル)とPPh3 (3.0g、10.4ミリモル)とを
一緒にした。蒸留したばかりのTHF(60mL)を添加し、次いで2−プロパ
ノール(800μL、10.4ミリモル)を添加した。その混合物をエチレング
リコール/ドライアイス浴において−10℃に冷却した。DEAD(850μL
、10.4ミリモル)を10分間かけて添加した。その混合物を−10℃で攪拌
して徐々に3時間かけて室温にした。 反応混合物に水(500μL)を添加することにより反応を止めた。溶剤を真
空除去して粘性の黄色油状物を得た。その油状物をCH2 Cl2 (2×10mL
)と共沸させて微量のTHFを除去した。CH2 Cl2 で溶離するシリカゲル系
カラムクロマトグラフィーにより精製した。CH2 Cl2 を所望の分画から除去
した。所望の生成物を白色粉末として57%の収率で単離した。 例5 例5はアミノ化の合成経路を示すものである。
【0076】
【化59】
【0077】 例4で得られた化合物(3.75g、17.47ミリモル)に、n−BuOH
中で、3−クロロアニリン(1.85mL、17.47ミリモル)とジイソプロ
ピルエチルアミン(3.05mL、17.47ミリモル)とを混合した。その反
応混合物を70℃〜80℃に11時間加熱した。n−BuOHを真空除去し、得
られた残留物をH2 Oに懸濁させてスラリーを得た。この生成物を濾過して単離
し、少量のCH2 Cl2 及びEt2 Oで洗浄した。生成物をまず空気流下で乾燥
し、次いで真空乾燥した。所望の生成物が58%の収率で単離された。 例6 例6はプリン環系の2位のアミノ化を詳説するものである。合成経路をスキー
ム6に示す。
【0078】
【化60】
【0079】 例5で得られた化合物(1.55g、5.10ミリモル)と、2−アミノ−3
−メチル−1−ブタノール(559μL、5.10ミリモル)と、ジイソプロピ
ルエチルアミン(892μL、5.10ミリモル)とをn−ブタノール中で一緒
にした。その混合物を約100℃に加熱した。溶剤を減圧下で除去し、その残留
物を99:1のCH2 Cl2 :MeOHを用いたシリカゲルクロマトグラフィー
で精製した。所望の生成物が71%の収率で単離された。 上記の例は、本発明の多種多様なプリン誘導体を合成するための一般的且つ具
体的な方法を説明したものである。
【0080】 例7 本例は、阻害活性について本発明のプリン類似体をスクリーニングするために
用いることができるCDK2/CYCLIN Aマイクロタイタープロテインキ
ナーゼアッセイを説明するものである。 1.必要な緩衝液及び溶液 a.緩衝液A:80mMトリス(pH=7.2)mM MgCl2 処方:4.84gトリス(F.W.=121.1g/モル)4.07gMg
Cl2 (F.W.=203.31g/モル)を500mLのddH2 Oに溶解。
pHをHClで7.2に調整。 b.ヒストンHl溶液:20mM HEPES中0.45mg/mLヒストンH
l。pH=72。 処方:11.111mLの20mM HEPES中5mgのヒストンHl。
pH=72。1mLのアリコート中477mgのHEPESを提供。−80℃で
保存。 c.ATP溶液:90μM ATP、300μg/mL BSA、3mM DT
T。 処方:9.25mgのDTT、1.01mgのATP(F.W.=560g
/モル)、6mgのBSAを20mLのddH2 Oに溶解。1mLのアリコート
において提供。−80℃で保存。 d.CDK2溶液:10mMのHEPES(pH=7.2)、25mMのNaC
l、0.5mMのDTT、10%グリセロール、192μLのアリコートにおい
て提供。−80℃で保存。
【0081】 2.アッセイの段階的説明 a.ddH2 O中の所望の最終アッセイ濃度を15体積%DMSOとする阻害剤
溶液を3回調製する。 b.20μLの阻害剤をマイクロタイター形式のアッセイトレイのウェルに分配
する。 c.ヒストンHl溶液(1mLアリコート)、ATP溶液(1mLアリコート)
及びCDK2溶液(192μLアリコート)を解凍する。 d.192μLのCDK2溶液を2.1mLの緩衝液Aにいれて希釈する。かき
混ぜる。この溶液20μLを多チャンネルピペットマンを用いて各ウェルに分配
する。(溶液の流出を避けるために多チャンネルに充填するためのかなり尖った
トラフを有することが重要であることに留意されたい。) e.1mLのヒストンHl溶液と1mLのATP溶液とを10mLのスクリュー
キャップチューブにおいて混合する。かき混ぜる。(高温ATPの新しさに応じ
て)2〜3μLのγ−32P−ATP(10μCi/mL)を添加する。高温AT
Pを一様に分布させるべくよく混合するが、BSAの泡立ちには気をつける。多
チャンネルピペットマンでウェルに分配し、そのウェル内の溶液を多チャンネル
ピペットマンで6回混合する。 f.反応を30分間進行させる。反応を行っている間に下記のことを行うことが
できる。 1)9×12cmのニトロセルロース片(0.22μm)を水に10分間予備
浸漬する。 2)ニトロセルロース紙をドットブロット上に装填する。四つのクランプを下
方にねじ込み(対角的に行う)、指が入らない程度に締める。次いで、真空を適
用してスクリューをきつくなるまで締めつづける。真空を解除し、そしてドット
ブロットの各ウェルに100μLの水を充填して膜を再水和する。軽く真空をか
けて過剰な水分を除去するが、膜が乾ききることのないように注意する。 3)30分が経過する直前に、ドットブロットの各ウェルに35μLの10%
TCAを添加する。 g.多チャンネルピペットマンを使用してドットブロットの各ウェルに35μL
の反応混合物をATPを分配したのと同様に移す(同一の反応時間を確保するた
め)。 h.さらに35μLの10%TCAを添加し、そしてウェルに液体が含まれなく
なるまで軽い真空を適用する。35μLの10%TCAを添加して真空により排
液する工程をさらに2回繰り返す。ウェルに液体が含まれなくなった時又は再充
填した時に真空を解除することを忘れないこと。 i.ドットブロットの各ウェルに35μLの水を添加し、そしてウェルに液体が
含まれなくなるまで軽い真空を適用する。この工程を全部で4回実施する。 j.ニトロセルロース膜をドットブロット装置から当該膜を覆うに十分な水を含
む小さなトレイに移す。膜を水中に10分間静置した後にデカントする。このよ
うに膜を3バッチの水で洗浄する。 k.膜を完全に乾燥させてからホスホイメージャで分析する。
【0082】 上記の説明は例示目的であって限定するものではないことを理解されたい。上
記の説明を読めば当業者であれば多くの具体的態様が自明である。したがって、
本発明の範囲は、上記の説明を参照して決められるものではなく、添付の請求の
範囲を参照し、このような請求の範囲に与えられる均等物の全範囲と共に、決め
られるべきものである。特許出願明細書及び刊行物をはじめとするすべての論文
及び文献の開示事項を、全目的のために参照することにより本明細書の一部とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はオロマウシンの構造式及びプリン核の番号を示す。
【図2】 図2は表1の代表的化合物のIC50を示す。
【図3】 図3は表1の代表的化合物のIC50を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 300 Lakeside Drive, 22nd Floor, Oakland, California 94612, Un ited States of Amer ica (72)発明者 シュルツ,ピーター アメリカ合衆国,カリフォルニア 94619, オークランド,ライジング ヒル コート 4616 (72)発明者 キム,スン−ホウ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94556, モラガ,カントリー クラブ ドライブ 1080 (72)発明者 メージャー,ローラン フランス国,エフ−29680 ロスコフ,プ ラース ジェ.テシエール,スタチオン ビオロジーク,セエヌエールエス Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 CB07 NA14 ZB26 ZC02

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で表される化合物。 【化1】 (上式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、各々独立に、H、C1 〜C8
    鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和アルキル、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽
    和置換アルキル、アリール並びに置換アリールからなる群より選ばれた基である
    。)
  2. 【請求項2】 R1 とR2 が、各々独立に、H、アリール、置換アリール、
    アリールで置換されたC1 〜C8 直鎖飽和アルキル、並びに置換アリールで置換
    されたC1 〜C8 直鎖飽和アルキルからなる群より選ばれた基であり、 R3 が、C1 〜C8 分岐鎖飽和アルキル及びC1 〜C8 分岐鎖不飽和アルキル
    からなる群より選ばれた基であり、そして R4 とR5 が、各々独立に、H、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和ア
    ルキル、C1 〜C8 直鎖、分岐鎖、飽和及び不飽和置換アルキル、アリール並び
    に置換アリールからなる群より選ばれた基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1 とR2 が、各々独立に、H、無置換アリール及び置換ア
    リールからなる群より選ばれた基であり、 R3 がイソプロピルであり、そして R4 とR5 が、各々独立に、H、C1 〜C8 飽和及び不飽和分岐鎖アルキル並
    びにC1 〜C8 飽和及び不飽和分岐鎖置換アルキルからなる群より選ばれた基で
    ある、請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R4 とR5 が、各々独立に、H及び下式で表される基からな
    る群より選ばれた基である、請求項3に記載の化合物。 【化2】 〔上式中、 Xは、H、OH、CH2 OH、C(O)NH2 、SH、COOH又はこれらの
    医薬として許容できる塩及びCOOR7 (R7 は低級アルキルである)からなる
    群より選ばれた基であり、そして R6 は、H、C1 〜C8 直鎖アルキル、C1 〜C8 分岐鎖アルキル、C1 〜C 8 直鎖置換アルキル及びC1 〜C8 分岐鎖置換アルキルからなる群より選ばれた
    基である。〕
  5. 【請求項5】 XがCOOHであり、そして R6 が、各々独立に、H、−CH3 、−(CH2 3 NHC(=NH)NH2 、−CH2 CONH2 、−CH2 CO2 H、−CH2 SH、−(CH2 2 CO
    NH2 、−(CH2 2 CO2 H、−CH2 (4−イミダゾイル)、−CH(C
    3 )CH2 CH2 、−CH2 CH(CH3 2 、−(CH2 4 NH2 、−(
    CH2 2 SCH3 、−CH2 Ph、−CH2 OH、−CH(CH3 )OH、−
    CH2 (3−インドリル)、−CH2 (4−ヒドロキシフェニル)及び−CH(
    CH3 2 からなる群より選ばれた基である、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R1 とR2 が、各々独立に、H並びに、3位、4位及び5位
    の少なくとも一つにおいて、ハロゲン、アルコキシ、トリハロメチル、アミノ、
    ヒドロキシル、チオール、スルホン酸、スルホン酸、アミド、エステル及びカル
    ボン酸からなる群より各々独立に選ばれた基で置換されたアリールからなる群よ
    り選ばれた基である、請求項4に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 下記構造式で表される、請求項6に記載の化合物。 【化3】 (上式中、R8 は、H、置換ベンジル基、置換C1 〜C3 直鎖アルキル基、複素
    環及び置換複素環からなる群より選ばれた基である。)
  8. 【請求項8】 前記アリール基が多環式芳香族炭化水素及び置換多環式芳香
    族炭化水素からなる群より選ばれた基である、請求項6に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 下記構造式からなる群より選ばれた構造式で表される、請求
    項1に記載の化合物。 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 【化28】 【化29】 【化30】 【化31】 【化32】 【化33】 【化34】 【化35】 【化36】
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の化合物及び医薬として許容できるキャリ
    ヤを含む医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の化合物及び医薬として許容できるキャリ
    ヤを含む医薬組成物。
  12. 【請求項12】 プロテインキナーゼ、Gプロテイン及びポリメラーゼから
    なる群より選ばれたタンパク質に請求項1に記載の化合物を接触させることを含
    む、前記タンパク質の阻害方法。
  13. 【請求項13】 前記タンパク質がプロテインキナーゼである、請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記プロテインキナーゼがサイクリン依存性キナーゼであ
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記サイクリン依存性キナーゼがCDK1(CDC2)、
    CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7及びCDK8か
    らなる群より選ばれたものである、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記プロテインキナーゼがCDK1及びCDK5からなる
    群より選ばれたものである、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 細胞増殖性疾患を有する哺乳類に対して請求項1に記載の
    化合物を治療有効量投与することを含む、細胞増殖性疾患の治療方法。
  18. 【請求項18】 腫瘍細胞に請求項1に記載の化合物を接触させることを含
    む、腫瘍細胞の成長の阻害方法。
  19. 【請求項19】 前記腫瘍細胞が、肺細胞、結腸細胞、胸細胞、卵巣細胞、
    前立腺細胞及び肝細胞からなる群より選ばれる、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記腫瘍細胞が哺乳類の被験体に含まれる、請求項18に
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記化合物に賦形剤又はキャリヤを医薬として許容できる
    形態で配合する、請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記化合物を経口投与する、請求項18に記載の方法。
  23. 【請求項23】 さらに前記腫瘍細胞の成長の衰えを観察する工程を含む、
    請求項18に記載の方法。
  24. 【請求項24】 哺乳類の被験体に請求項1に記載の化合物を治療有効量投
    与することを含む、哺乳類の被験体に含まれる腫瘍細胞の成長の阻害方法。
  25. 【請求項25】 神経変性疾患を有する哺乳類に請求項1に記載の化合物を
    治療有効量投与することを含む、神経変性疾患の治療方法。
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