JP2002509921A - サイクリン依存性キナーゼ阻害剤 - Google Patents

サイクリン依存性キナーゼ阻害剤

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ヒラリー カルバート、アラン
ジェーン カータン、ニコラ
リチャード ニューウェル、ディビッド
ゴールディング、バーナード、トーマス
アン エンディコット、ジェーン
エドワード マンティラ ノーブル、マーティン
トーマス ボイル、フランシス
ジョン ジュウズバリー、フィリップ
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カンサー リサーチ キャンペーン テクノロジー リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤として作用することができ、それによって腫瘍または他の細胞増殖疾患の処置において使用される有用な治療用化合物を提供し得る様々なピリミジン誘導体(I)が開示される。本発明の化合物は、オロモウシンおよびロスコビチンなどの既知のCDK阻害剤の様式とは異なると考えられる様式でCDK分子に結合する。式(I)において、Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルである)であり;Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり;Aは、H、C 1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(CHOH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびRa2はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され;Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あるいはそのような炭素環または複素環を含み;D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZ はそれぞれ独立して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり;Eは、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1e2またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R)=U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル(例えば、ヒドロキシアルキル)、あるいは置換または非置換のアリールまたはアラルキル(例えば、ベンジル)であり、Uは、O、NR’、NOR’およびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して、H、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびにT、CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、ClまたはF)である)から選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤として生体系において
活性を示すある種の化合物(特に、ピリミジン誘導体)に関する。従って、この
ような化合物は、例えば、抗腫瘍またはガンの処置に関連して哺乳動物における
細胞の成長または増殖を制御または阻害する際に使用される薬学的な組成物また
は配合物に組み込むことができる潜在的に有用な治療剤として注目されている。
【0002】 (背景技術) サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、サイクリンとして知られている他の
活性化タンパク質との複合体を形成して、動物細胞における成長および分裂の制
御に関与している重要な調節因子をもたらす一群の酵素である。より詳細には、
動物細胞での細胞分裂周期(G1期、S期、G2期およびM期)の進行は、細胞
周期チェックポイントの通過、および細胞周期の連続した期の間における移行を
制御する一連のCDK/サイクリンダイマー複合体の連続した形成、活性化およ
びその後の不活性化によって調節され、CDKは複合体の触媒サブユニットとし
て作用している。
【0003】 実際、種々のCDKと同様に、関連性が若干少ないCDK活性化タンパク質フ
ァミリーを形成する多数の異なるサイクリンタンパク質が存在している;種々の
CDK/サイクリン複合体は、通常は細胞周期の規則正しい進行を決定する際の
重要な要因である細胞周期期間中におけるサイクリン発現およびM期期間中にお
けるサイクリン分解の連続的な増大および減少によって細胞周期の異なる段階で
機能している。従って、哺乳動物細胞におけるG1期からS期への進行は、少な
くともサイクリンDおよびEと会合したサイクリン依存性キナーゼCDK2、C
DK3およびCDK4(ならびに、いくつかの細胞ではCDK6もまた考えられ
ている)によって主に調節されていると考えられている。CDK2およびCDK
4(ならびに、おそらくはCDK6)の様々なD型サイクリンとの複合体は、特
に、G1制限ポイント通過の制御において重要な役割を果たしている。一方、C
DK2/サイクリンE複合体は、G1期からS期への移行を生じさせるために必
須である。一旦S期に入ると、G2へのさらなる進行および進入には、CDK2
のサイクリンAと呼ばれる別のサイクリンとの複合体(すなわち、CDK2/サ
イクリンAの複合体)の活性化が必要であると考えられている。最後に、G2期
からM期への移行および有糸分裂の開始には、CDK1(Cdc2としても知ら
れている)と呼ばれるサイクリン依存性キナーゼのサイクリンBと呼ばれるサイ
クリンとの複合体(および、CDK1のサイクリンAとの複合体)の活性化が必
要である。
【0004】 一般に、細胞周期およびCDK活性の制御には、リン酸化および脱リン酸化の
一連の刺激反応および阻害反応が関与し、そしてその調節機能の発揮において、
CDK/サイクリン複合体は、活性化されたときにATPを基質として使用して
、様々な他の基質の細胞タンパク質を、通常はそのセリン基およびトレオニン基
においてリン酸化する。細胞周期の制御にはまた、細胞周期を停止させるように
これらの酵素の触媒機能を阻止するCDK/サイクリン複合体の阻害剤が関与し
得る。ある種の天然の阻害剤(例えば、p16およびp21として知られている
阻害性タンパク質など)は、CDK/サイクリン複合体に選択的に結合してCD
K/サイクリン複合体を不活性化することによって細胞周期の進行を妨げること
ができる。
【0005】 従って、阻害剤によってCDK機能を制御することにより、細胞周期の進行を
制御するためのさらなる機構が提供され得る。このような機構によって、抗腫瘍
治療において、例えば異常に増殖している細胞を標的化して、細胞周期の進行を
停止させるための抗増殖治療剤としてCDK阻害剤を使用することが提案されて
いる。これは、細胞周期の進行における重度の異常または不規則性が、CDKお
よびCDKと会合する他のタンパク質の過剰発現を伴っていることが多いヒトの
腫瘍細胞において頻繁に生じていることが知られているために特に適すると考え
られる。さらに、確立された細胞傷害性の抗腫瘍薬物と比較して、CDKを通し
て作用する細胞増殖阻害剤の使用は、DNAとの直接的な相互作用が避けられ、
それにより二次的な腫瘍発生の危険性が減少するという利点を有する。
【0006】 従って、潜在的な治療適用および他の考えられる使用は、CDKのさらなる化
学的阻害剤に関する研究、特に、薬学的使用に好適であり得る選択的阻害剤に関
する研究をもたらした。選択されたCDK/サイクリン複合体の阻害活性および
選択性は、一般には、試験中の候補阻害剤の存在下におけるタンパク質ヒストン
H1(良好なCDK基質を一般に提供するクロマチンの主要なタンパク質構成成
分の1つ)のリン酸化におけるキナーゼ活性を測定することによってアッセイさ
れる。潜在的に有用なCDK阻害特性を有し、このような方法で同定された多数
の化合物が、Cell Biology(第6巻)(1996年10月)に発表
されたLaurent Meijerによる「サイクリン依存性キナーゼの化学
的阻害剤」と題する総説論文に記載されている(その内容は参考として本明細書
中に援用される)。上記論文に示される化合物の中には、「オロモウシン(ol
omoucine)」と名付けられた、CDK1およびCDK2を強く阻害する
アデニン誘導体である2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミ
ノ−9−メチルプリンが存在する。さらに、2位、6位および9位での修飾を含
む類似するアナログ、すなわち、6−(ベンジルアミノ)−2(R)−[{1−
(ヒドロキシメチル)プロピル}アミノ]−9−イソプロピルプリンが存在する
。この後者の化合物は、「ロスコビチン(roscovitine)」と名付け
られ、CDK阻害剤として、オロモウシンよりもさらに強力である。オロモウシ
ンの強くて選択的なCDK阻害特性は、J.Veselyらの「プリンアナログ
によるサイクリン依存性キナーゼの阻害」と題する論文(Eur.J.Bioc
hem.、224、771から786(1994))に最初に記載された。さら
に、オロモウシンおよびロスコビチンを含むアデニン誘導体の形態での広範囲の
プリン化合物のCDK阻害特性に関する研究が、Havlickらの「サイトカ
イン誘導のサイクリン依存性キナーゼ阻害剤:オロモウシンおよび関連化合物の
合成およびcdc2阻害活性」と題する論文(J.Med.Chem.(199
7)、40、408から412)に報告され、議論されている。再度ではあるが
、これらの刊行物の内容は参考として本明細書中に援用されると見なされる。
【0007】 オロモウシンおよびロスコビチンの両方の阻害活性は、ATP結合に対する拮
抗的阻害剤として作用するこれらの化合物から生じることが示されている。少な
くともオロモウシンは、CDK以外の多くの一般的なキナーゼに関連する阻害活
性を全く有していないと報告されていることは注目され得る。選択性は、オロモ
ウシンおよびロスコビチンはともに、CDK1、CDK2およびCDK5の活性
を阻害するが、これらはいずれもCDK4またはCDK6に対して活性であるこ
とが見出されていないという事実によってさらに明らかにされている。
【0008】 特に、オロモウシンは、さらなるプリン型CDK阻害剤の同定および設計に役
立つリード化合物を提供すると考えられている。また、構造/活性研究に基づい
て、メチル、2−ヒドロキシエチルまたはイソプロピルなどの疎水性残基による
N9置換は、例えば、CDKとの直接的な疎水性相互作用を得るために重要であ
ったこと、およびCでの側鎖は必須であると考えられることが、Vesely
らの上記論文において示唆された。同様に、Havlickらの論文には、CD
K阻害活性を有するプリン化合物の場合、プリン環の1位および7位ならびにお
そらくは3位は水素結合を可能にするために空けておかなければならないことが
認められるとは別に、2位における極性側鎖が必須であると考えられ、そして疎
水性残基によるN9置換もまたは好ましい結合におそらくは重要であるというこ
ともまた述べられた。プリン環における2位、6位および9位は、CDK1に対
する結合を制御する位置であると同定された。
【0009】 Meijerの総説論文は、CDK−阻害剤の複合体の結晶化(特に、CDK
2との同時結晶化の研究)の結果として、オロモウシンおよびロスコビチンなど
の阻害剤は、CDKタンパク質分子の小さな突出部と大きな突出部との間のくぼ
みに位置するATP結合ポケットに局在化していることが見出されたこと、およ
び特異性は、おそらくは、ATP結合部位の外側でキナーゼと相互作用する阻害
剤分子の一部によってもたらされることにも言及している。
【0010】 (発明の開示) 本発明は、DNA修復タンパク質O−メチルグアニンDNAメチルトランス
フェラーゼ(MGMT)の阻害剤としての活性について様々なグアニン誘導体を
調べている最中に行われた観測から発展した。その際、化合物O−シクロヘキ
シルメチルグアニンはMGMT阻害剤としての活性をほとんど有していなかった
が、それにもかかわらず、この化合物は細胞傷害性であり、オロモウシンの阻害
活性と比較した場合にはCDK1(cdc2)/サイクリンB複合体に対して非
常に大きな阻害活性を示したことが予想に反して見出された。このことは、この
グアニン化合物がプリン環における2−NH位または9位のいずれにおいても
置換基を有していないこと、および6−NHの6−Oによる置換によって、この
化合物は、少なくともオロモウシンが結合部位に関して拮抗していると考えられ
ているATPとの類似性がほとんどなくなったことを考えれば、オロモウシンに
関して議論された上記の背景に反して特に驚くべきことであった。
【0011】 その後、オロモウシンおよびロスコビチンなどの化合物よりもO−シクロヘ
キシルメチルグアニンに対してより関連する他のグアニン誘導体が同定された。
これらは顕著なCDK阻害活性を示し、そして結晶学的研究によって、少なくと
も触媒作用結合部位に関してはCDK1と相同的なCDK2のO−シクロヘキ
シルメチルグアニンおよびO−シクロヘキサ−1−エニルメチルグアニンなど
のグアニン誘導体との複合体は、CDK2のオロモウシンとの複合体とは異なる
様式で一緒に結合していることが明らかにされた。
【0012】 これは、添付した図面において示されている。
【0013】 オロモウシンの場合、CDK2タンパク質のATPリボース結合ポケットの内
部に位置するのはプリン環のN2における極性側鎖であり、そしてN9のメチル
置換基は離れた疎水的な特異性ポケットとかみ合い、N7および6−NHはタン
パク質との水素結合に関与しているが、図2に示される結合様式においては、A
TPリボース結合ポケットの内部に位置するのは6位における置換基のシクロア
ルキル環であり、そして水素結合が、N9、N3および2−NHに対して形成さ
れている。すなわち、配向は、オロモウシンの結合と比較した場合、完全に逆に
なっている。同様の状況が、いくつかの水分子の関与もまた示されている図3に
示される結合形式の場合に得られている。
【0014】 従って、オロモウシンおよびロスコビチンによって例示されるアデニン系列の
化合物における構造/活性相関に関して得られた結論は、すべてのプリン誘導体
に対して、特にグアニン誘導に対してもはや有効であり得ないことは明らかであ
る。本発明者らの同時係属中の国際特許出願PCT/GB98/02025に開
示されているように、少なくともいくつかのCDKに対する阻害活性を有し、そ
して図1に示されている様式ではなくむしろ図2(または図3)に示されている
様式で結合することが考えられる様々な他のプリン化合物が同定されている。
【0015】 今回、適切な置換基が提供された場合、上記のプリン化合物のように作用し得
るか、あるいは上記のプリン化合物を模倣することができ、そして少なくともい
くつかのCDKタンパク質に対する阻害活性を示す多数の単環窒素含有複素環化
合物(特に、ピリミジン化合物)もまた存在することが見出された。プリン化合
物と同様に、CDK阻害活性のためには、これらのピリミジン化合物は、CDK
タンパク質のATPリボース結合ポケットの内部に位置すると考えられる必要に
応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環に側鎖を介して4位で連結
する。さらに、通常、6位には、CDKを阻害するプリンの結合に関して図2ま
たは図3に示されている様式と類似した様式でCDKタンパク質の疎水的な特異
性ポケットと相互作用するアミノ基または部分的に置換されたアミノ基が存在す
る。好ましくは、2位にもまたアミノ基または部分的に置換されたアミノ基が存
在する。
【0016】 より詳細には、1つの局面において、本発明は、哺乳動物における細胞増殖疾
患(例えば、腫瘍)を処置するための薬学的組成物を提供する。この組成物は、
有効成分として、下記の構造式Iを有するCDK阻害ピリミジン化合物を含有す
る:
【0017】
【化6】 ただし、好ましい実施形態において、 Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、H、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換
されたアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1 e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立
して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換
されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R )=U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換ま
たは非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR ’およびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して
、H、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびに
T、CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Cl
またはF)である)から選択される。
【0018】 上記の定義の範囲に含まれるいくつかの化合物は既にそれ自体知られているが
、CDK阻害剤としての能力においては以前には知られていなかった。このよう
な化合物のいくつかは新規な化学物質であると考えられる。さらに、場合により
、CDK阻害活性は、種々のCDKに対して、オロモウシンの特異性とは顕著に
異なる特異性を有していることが見出されている。従って、本発明によって、実
際に、さらなるクラスのCDK阻害剤が同定され、そしてCDK阻害剤としての
使用に利用され得る化合物の範囲がかなり拡大された。
【0019】 CDKタンパク質のATPリボース結合ポケットに一致するか、またはCDK
タンパク質のATPリボース結合ポケットの内部に位置し、そして図1ではなく
むしろ図2に示されている一般的な様式での結合が可能になり得る限り、Yに関
して好適であると考えられる広範囲の置換基が存在する。場合により、Yが極性
のヒドロキシル置換基などを含む環構造を含むことは有用であり得る。
【0020】 ほとんどの実施形態において、Yはシクロアルカン環またはシクロアルケン環
であり、好ましくは、2つまでの二重結合を有する5員環または6員環である。
しかし、環における炭素原子の1個または2個はヘテロ原子または基によって置
換することができ、そのようなヘテロ原子または基は、具体的には、O、S、N
R’(ただし、R’はHまたはC1−4アルキルである)、またはシクロアルケ
ン環での−N=である。環が置換されている場合、(任意の位置における)その
ような置換基または各置換基は、好ましくは、H、C1−4アルキル、OH、C 1−4 アルコキシ、ハロゲン、CF3、CN、N3、およびNRY1Y2(た
だし、RY1およびRY2はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルであ
る)から選択される。さらに、2つの置換基が環の隣接する原子に存在する場合
、例えば、
【0021】
【化7】 の場合、置換基PおよびQは連結して、さらなる縮合環構造(例えば、4員、5
員または6員の炭素環または複素環)を形成することができる。このさらなる環
構造は、例えば、O、SまたはNHなどのヘテロ原子または基を2個まで含むこ
とができ、さらに、1つまたは複数の置換基により、例えばC1−4アルキル基
(1個または複数)またはフェニル基または置換フェニル基により置換され得る
。特定の実施形態において、Yはまたアダマンチルであり得る。 Yによって表される環構造の例には下記が含まれる:
【0022】
【化8】 ただし、VおよびWは、O、S、NR’(R’はHまたはC1−4アルキルであ
る)、およびCH(または、=CH−)から独立的にそれぞれが選択され;か
つ RおよびRはそれぞれがHまたはC1−4アルキルである。
【0023】 上記のように、これらの環構造は、同一または異なっていてもよい置換基を必
要に応じて有し得る。このような置換基は、H、C1−4アルキル、C1−4
ルコキシ、−OH、NRY1Y2(ただし、RY1およびRY2はそれぞれ独
立して、HまたはC1−4アルキルである)、CF3、ハロゲン、N3、CN、
必要に応じて置換されたアリール(例えば、フェニル)、および必要に応じて置
換されたアラルキル(例えば、ベンジル)から特に選択され得る。さらに、既に
示されているように、環構造が、例えば、ヒドロキシルなどの極性置換基を複数
含むことは場合により有用であり得る。
【0024】 一般に、本発明の薬学的組成物は、CDKを阻害する非毒性的な有効量の活性
なピリミジン化合物を含有し、そして任意の都合のよい方法で投与するために、
製薬の分野でよく知られている方法のいずれかに従って配合される。本発明の化
合物は、例えば、配合可能な薬学的に受容可能な添加剤、キャリア、希釈剤また
は賦形剤を提供する少なくとも1つの他の成分と混合された単位投薬形態で提供
され得る。
【0025】 本明細書において式Iの化合物が参照される場合、そのような参照は、関連す
る場合にはその薬学的に受容可能な塩および他の薬学的に受容可能な生物学的前
駆体(プロドラッグ形態)に対しても拡大されるものとして解釈しなければなら
ないことが理解される。用語「プロドラッグ」は、本明細書では、哺乳動物の治
療処置の途中において投与(特に、経口投与または静脈内投与)された後、体内
で生分解して前記の活性化合物に変換される薬理学的に活性な化合物の修飾形態
または誘導体を示すために使用されている。そのようなプロドラッグは、配合問
題を克服するために、そして場合により、活性薬剤の比較的遅い放出または制御
された放出を得るためにもまた役立つ水性媒体での溶解性が高まるために広く選
択されている。
【0026】 示された化合物のいずれかが2つ以上のエナンチオマー形態および/またはジ
アステレオマー形態で存在し得る場合、すべてのそのような形態、その混合物、
ならびにそれらの調製および使用は本発明の範囲内であることもまた理解しなけ
ればならない。しかし、立体化学的な検討は重要であると考えられ、そして種々
のエナンチオマーまたはジアステレオマーは著しく異なる阻害活性を有するほど
のかなりの選択性が存在し得ることに注意しなければならない。
【0027】 本発明はまた、当然のことではあるが、上記に示される医薬品または薬学的組
成物を製造するための、示されたCDK阻害化合物の使用を含む。本発明はまた
、そのような医薬品または薬学的組成物を使用して、異常な細胞増殖の疾患を処
置することを含む。本発明はさらに、前記のCDK阻害化合物の合成における中
間体として有用な新規な化学物質であるいくつかのピリミジン化合物を含む。
【0028】 好ましくは、本発明を実施する際に使用される構造式Iによる化合物において
、Dは非置換のアミノ基であり、Xは酸素である。
【0029】 Yは飽和型または部分的な飽和型の炭素環構造または複素環構造を含むことが
通常好ましいが、場合により、Yは、芳香族環系(例えば、必要に応じて置換さ
れたアリールまたはアラルキル)を含むことができ、そして特に、図2に示され
ているのと実質的に同じ様式でCDKと結合するような構造を有し得る限り、本
発明の範囲において有用であり得る潜在的な選択的CDK阻害剤として注目され
る化合物を依然としてもたらし得ることを認識しなければならない。
【0030】 本明細書に開示されている多数のCDK阻害化合物はそれ自体既に知られてい
るが、既に指摘されているように、そのような化合物のいくつかは新規であり、
かつ新規な化学物質を構成していると考えられる。
【0031】 本発明を実施する際に、直接的に、あるいは中間体化合物として使用すること
に関して現在特に好ましく、そして、CDK1および/またはCDK2に対して
少なくともインビトロでアッセイされたときに同定された非常に強力なCDK阻
害剤を含む化合物の例には下記が含まれる:
【0032】 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,5,6−トリアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−5−(4’−クロロフェニル)アゾ−4−シクロヘキシル
メトキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,5,6−トリアミノ−4−ベンジルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシ−5−ニトロ
ソピリミジン; 2−アミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシ−6−メチルアミノピリミジン
; 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジ
ン;および 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシル−メチルオキシピリミジン−5−カル
バルデヒド。
【0033】 (生物学的活性) 様々なアッセイを用いて、CDK1/サイクリンA、CDK1/サイクリンB
、CDK1/サイクリンF、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE
、CDK4/サイクリンD、CDK5/35およびCDK6/サイクリンD3を
含む様々なCDK/サイクリン複合体に対する目的化合物の阻害活性を調べるこ
とができる。さらに、種々のCDKに対するいくつかの化合物の選択性に注意す
ることは特に注目される。
【0034】 調製された化合物のいくつかについて測定されたCDK阻害活性の値を示す試
験結果を本明細書の最後の表1に示す。化合物が種々のエナンチオマー形態で存
在する場合、アッセイは、一般にはラセミ混合物で行われた。参照化合物を除い
て、列記された化合物にはNU参照コード番号またはNU識別コード番号が付け
られている。表1には、調製された化合物の現在最も好ましい化合物が示されて
いるが、今までのところ、すべてが完全に試験されていない。
【0035】 一般には、行われた研究によって、試験された化合物のCDK阻害特性は効果
的な抗腫瘍薬物として作用するこれらの化合物の能力を反映しているという考え
は十分に支持されている。
【0036】 阻害アッセイは、J.Veselyらの前記論文およびL.Azziらの論文
((1992)Eur.J.Biochem.、203、353から360)に
記載される方法に基づく方法を使用して行われた。しかし、例として、典型的な
プロトコルを下記に要約する。
【0037】 CDKアッセイ例 試薬類: 緩衝液C(60mMβ−グリセロホスフェート、30mMニトロフェニルホス
フェート、25mM MOPS(pH7.0)、5mM EGTA、15mM
MgCl、1mM MgCl2、および0.1mMオルトバナジン酸ナトリウ
ムを含有する)を下記のようにして作製する。 FW g/100ml 最終濃度 β−グリセロホスフェート(室温) 216 1.3 60mM MOPS(室温) 209.3 0.52 25mM EGTA(室温) 380.4 0.19 5mM MgCl(室温) 203.4 0.305 15mM 上記成分を最初に約80mlの蒸留水に溶解し、pHを7.0にする。 次いで1mlの10mMオルトバナジン酸ナトリウム(1.84mg/ml−F
W=183.9室温)を加え(最終濃度=0.1mM)、4℃に冷却する。 その後、下記を加える: 4−ニトロフェニルホスフェート(−20℃) 279.2 1.112 30mM DTT(4℃) 154.2 0.0154 1mM (あるいは、100mMのDTT(15.4mg/ml)を作製し、1.2ml
ずつ冷凍庫で保存し、解凍して、1mlを上記の緩衝液に加える)。
【0038】 100mlに調製して5mlづつを冷凍庫で保存する。M期のヒトデ(Mar
thasterias glacialis)からアフィニティー精製されたp
34 cdc2(CDK1)/サイクリンBは、20%グリセロール中において
箱形冷凍庫に−80℃で保存される。
【0039】 100mMオロモウシン(カタログ番号LC−0−3590−M025、Al
exis Co.、Bingham Nottingham)。FW=298.
35 29.835mg/ml=100mM、25mlずつ冷凍庫で保存する。
【0040】 1%リン酸(58.9mlの85%リン酸+4.942リットルの水)。 アッセイ当日に下記を調製する: ヒストンH1(タイプIII−S(Sigma)4℃) 緩衝液Cで5mg/
mlにする。 [32P]ATP 75mM:下記の容量(の倍量)を使用して調製する。 2mlの[32P]ATP(3000Ci/mMol、PB168、Amers
ham、放射性物質冷凍庫にて保存)+7.5mlの1mM非放射性ATP(−
20℃)(0.551mg/ml−200mlずつを冷凍庫で保存)+90.5
mlの緩衝液C。 濃度=12.5mM(最終アッセイにおいて)
【0041】 アッセイ手順 DMSOはアッセイ混合物において1%を越えてはならない。阻害剤は、最終
アッセイ容量の1/10量で、10x最終強度で加えられる。従って、DMSO
ストック溶液は、10%以下のDMSO、すなわち90%以上の緩衝液Cでの1
0xの最終所望濃度に希釈されなければならない。推奨濃度範囲は0、1、10
、100mMであり、従って、0、100、1,000および10,000mM
のDMSOストック溶液は緩衝液Cで1/10に希釈され、その後アッセイに加
えられる。
【0042】 調製: 適切なラックに入れたアッセイ用0.2mlマイクロチューブセット(例えば
、A、A、A10、A100)およびさらに1セットの薬物希釈用エッペン
ドルフチューブに印を付ける。 鉛筆でホスホセルロールフィルターに印(例えば、A、A、A10、A 00 )を付け、縦に折り畳んで「傾斜屋根」にする。 マイクロチューブ用の別のラックを含む水浴を30℃にする。 磁石式攪拌機上に、金網挿入物および金網挿入物の下に入れた磁気攪拌子を含
むビーカーを、400mlの1%リン酸とともに準備する。
【0043】 反応混合物: すべての試薬(DMSOストック溶液を除く)は、アッセイを開始するまでは
氷上で保たなければならない。 アッセイチューブのラックを氷上に置く。 各チューブに下記のものを入れる: 16mlの緩衝液C 1mlのcdc2/サイクリンBキナーゼ 5mlのヒストンH1 3mlの阻害剤。 各チューブでの反応を30秒間隔で開始させる。反応の開始は、5mlの[3
2P]ATPを加えて激しく攪拌して、30℃の水浴内のラックに入れることに
よって行う。 10分後、同じ順序で、30秒間隔で反応を停止させる。反応の停止は、25
mlの反応混合物を取り出し、適切に印を付けたフィルターにしみ込ませ、20
から30秒間乾燥させて、攪拌した1%リン酸に移すことによって行う。
【0044】 ブランクインキュベーションを、ヒストンを用いないことを除いて上記のよう
に行う(代わりに5mlの緩衝液Cを加え)。洗浄ブランクは、フィルターに直
接添加した5mlのATPである。 フィルターを、5から6回、それぞれ5分間洗浄する。 フィルターをペーパータオル上で乾燥させる。 5mlのシンチラントを用いてミニシンチレーションバイアルで計数する。 5mlのATP標準物もまた計数する(375pmoles ATP)3回。
【0045】 備考:アッセイは、保存用反応混合物: (1部のcdc2/サイクリンB、16部の緩衝液C、5部のヒストンH1)x
アッセイチューブの数+1 を作製することによって簡略化することができ、22mlが3mlの緩衝液C&p
lusmn;阻害剤を含む各アッセイチューブに加えられる。しかし、それでも、別途
、アッセイブランク(すなわち、ヒストンを含まない)を作製することは必要で
ある。
【0046】 (例示用の実施例の説明) 様々な例示的な目的化合物が調製される合成経路における各段階の下記の例お
よび説明は本発明を例示するのにさらに有用であるが、それらはいかなる点にお
いても本発明の限定として解釈してはならない。再度ではあるが、多くの場合、
記載された化合物にはNU参照コード番号またはNU識別コード番号が付けられ
ている。
【0047】 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシピリミジン(NU6034)
(これは中間体化合物として使用される) シクロヘキシルメタノール(30ml)およびナトリウム(0.76g、32
mmol)を一緒にN2下において150℃で1.5時間加熱した。4−クロロ
−2,6−ジアミノピリミジン(4.32g、30mmol)を加えて、反応混
合物をN2下において180℃で2時間還流しながら加熱した。溶媒を、短路蒸
留装置を使用して、オイルポンプでの減圧下で除いた。得られた残留物を、溶出
液として10%メタノール/ジクロロメタンを使用してカラムクロマトグラフィ
ーによって精製した。最終生成物をメタノールからの再結晶によってさらに精製
した(4.69g、70%)。融点:142℃。実測値:C、59.35;H、
8.21;N、25.17%。C1118O計算値:C、59.45;H
、8.11;N、25.23%。δH(200MHz、d6−DMSO):1.
03から1.37(5H、m、C11)、1.79から1.84(6H、m
、C11)、4.00(2H、d、OCH、J=6.3Hz)、5.13
(1H、s、C(5)H)、5.96(2H、br、s、NH)、6.10(
2H、br、s、NH)。m/z(+EI):222(M、29%)、13
9(M−C11、42)、126(MH−C13、100)、11
0(MH−C13O、28)、98(82)。
【0048】 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ニトロソピリミジン(
NU6027) 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシピリミジン(0.28g、1
.26mmol)を温氷酢酸溶液(30%、10ml)に溶解した。溶液を80
℃に加熱し、その後、デンプン・ヨウ化物紙によって示される過剰な酸化物が認
められるまで亜硝酸ナトリウム溶液(5mlの水に0.12g、1.72mmo
l)を1時間かけて滴下して加えた。反応混合物を室温に冷却し、紫色の結晶を
ろ過により集め、水で十分に洗浄した。表記化合物をエタノールからの再結晶に
よって精製した(0.26g、83%)。融点:254℃。実測値:C、52.
73;H、6.59;N、27.56%。C1117計算値:C、5
2.59;H、6.77;N、27.89%。δH(200MHz、d6−DM
SO):1.09から1.38(5H、m、C11)、1.73から2.0
0(6H、m、C11)、4.39(2H、d、OCH、J=6.3Hz
)、7.86(2H、br、s、NH)、8.08(1H、br、s、NH)
、10.19(1H、br、s、NH)。m/z(+EI):251(M、2
5%)、155(MH−C13、100)、138(MH−C13 O、72)、81(9)。
【0049】 2,5,6−トリアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジン(NU
6035) 水(5ml)に懸濁させた2,6−ジアミノ−5−ニトロソ−4−シクロヘキ
シルメトキシピリミジン(0.10g、0.4mmol)に、50℃で攪拌しな
がらジチオン酸ナトリウム(0.16g、0.92mmol)を少量ずつ5時間
かけて加えた。反応混合物を室温に冷却して周囲温度で一晩攪拌した。溶液のp
Hをアンモニア水で7に調節した(2ml)。得られた細かい黄色沈殿物をろ過
により集め、水で洗浄した。生成物を水からの再結晶によって精製した(0.0
6g、60%)。融点:154℃。実測値:C、55.50;H、7.95;N
、29.34%。C1119O計算値:C、55.69;H、8.02;
N、29.53%。δH(200MHz、d6−DMSO):1.02から1.
39(5H、m、C11)、1.71から1.89(6H、m、C11 )、3.22(2H、br、s、NH)、4.03(2H、d、OCH、J
=6.53Hz)、5.32(2H、br、s、NH)、5.71(2H、b
r、s、NH)。m/z(+EI):237(M、84%)、155(MH −C13、100)、124(MH−C13O、15)。
【0050】 4−クロロベンゼンジアゾニウム=テトラフルオロボラート (これは中間体化合物として使用される) 4−クロロアニリン(1.0g、7.87mmol)を6M HCl(4ml
)に懸濁して、反応混合物を攪拌しながら0℃に冷却した。水(1ml)に溶解
した亜硝酸ナトリウム(0.54g、7.87mmol)を5分かけて滴下して
加え、その後、混合物をさらに20分間0℃で攪拌した。氷冷したフルオロホウ
酸(40%、1.14ml、18.11mmol)を一度に加え、混合物を12
時間にわたって室温に加温した。氷浴で冷却した後、得られた沈殿物をろ過によ
り集め、水、メタノールおよびジエチルエーテルで順次洗浄した。化合物を冷ア
セトンからの沈澱によって精製した。δH(200MHz、d6−DMSO):
8.24(2H、dd)、8.810(2H、dd)。
【0051】 2,6−ジアミノ−5−(4’−クロロフェニル)アゾ−4−シクロヘキシル
メトキシピリジニウム(NU6037) 乾燥DMF(5ml)に溶解した4−クロロベンゼンジアゾニウム=テトラフ
ルオロボラート(0.09g、0.68mmol)に、N2下において0℃で攪
拌しながら2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシピリミジン(0.1
5g、0.68mmol)を加え、その後、攪拌しながら反応混合物を周囲温度
で72時間にわたって加温した。溶媒を減圧下で除き、残留物を水で粉砕してろ
過した。所望の生成物をメタノールから再結晶した後に得た(0.094g、3
9%)。δH(200MHz、d6−DMSO):1.14から1.47(5H
、m、C11)、1.81から1.95(6H、m、C11)、4.3
1(2H、d、OCH、J=6.04Hz)、7.36(2H、br、s、N
)、7.62(2H、d、Ar C(3)HおよびAr(C)5、J=8.
7Hz)、7.85(2H、d、Ar C(2)HおよびAr C(6)H、J
=8.72Hz)、8.04(1H、br、s、NH)。
【0052】 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシピリミジン(NU6038) ナトリウム(0.41g、17.8mmol)を窒素雰囲気下でベンジルアル
コール(15ml)に加え、混合物を150℃で1.5時間加熱した。2,6−
ジアミノ−4−クロロピリミジン(2.16g、14.94mmol)を加え、
反応混合物180℃でさらに2時間攪拌した。揮発物を真空下で除き、得られた
残留物を、溶出液としてジクロロメタン:メタノール(9:1)を用いてシリア
(silia)でクロマトグラフィー処理して、表記化合物を白色固体として得
た(1.98g、62%)。νmax/cm−1:3347(NH)、1498
(C)、1608(C)。δH(200MHz、d6−DMSO)
:5.20(1H、s、C(5)H)、5.32(2H、d、OCH)、6.
05(2H、br、s、NH)、6.17(2H、br、s、NH)、7.
41から7.48(5H、m、C)。m/z(+EI):216(M
100%)、139(M−C、33)、91(94)。
【0053】 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニトロソピリミジン(NU60
39) 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシピリミジン(0.5g、2.3mmo
l)を温酢酸(30%、10ml)に溶解し、反応混合物を80℃に加熱した。
水(5ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(0.22g、3.19mmol)を
1時間かけて滴下して加えた。このとき、過剰な酸化剤がデンプン−ヨウ化物紙
によって認められた。反応混合物を室温に冷却し、沈澱した紫色の結晶を集め、
水で洗浄した(0.53g、98%)。融点:209℃(分解)。実測値:C、
55.32;H、5.28;N、26.47%。C1111 0.1
O計算値:C、55.98;H、4.75;N、29.69%。νmax/
cm−1:3408(NH)、2952(CH)、1610(C)、1
518(NO)。δH(200MHz、d6−DMSO):5.69(2H、s
、OCH)、7.44から7.68(5H、m、C)、8.0(2H、
d、NH)、8.17(1H、s、NH)、10.19(1H、s、NH)。
m/z(+EI):245(M、25%)、91(100)、65(9)。
【0054】 2,5,6−トリアミノ−4−ベンジルオキシピリミジン(NU6040) 水(10ml)に懸濁させた2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニ
トロソピリミジン(0.3g、1.28mmol)に、50℃で、ジチオン酸ナ
トリウム(0.48g、2.76mmol)を少量ずつ5時間かけて加えた。反
応混合物を室温で一晩攪拌し、再度、50℃に加熱して、さらなる量のジチオン
酸ナトリウム(0.4g)を加えた。さらに12時間攪拌した後、反応混合物を
室温に冷却し、溶液をアンモニア水でpH7に調節した(0.2ml)。沈澱し
て得られた細かい黄色固体を集め、水で洗浄し、熱水から再結晶した(0.11
g、35%)。融点:130から135℃。νmax/cm−1:3394(N
)、3033(C)。δH(200MHz、d6−DMSO):5.
36(2H、s、OCH)、5.40(2H、s、NH)、5.81(2H
、s、NH)、7.39から7.56(5H、m、C)。
【0055】 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシピリミジン(
NU6046) 1,2,3,6−テトラヒドロベンジルアルコール(20ml、0.17mo
l)に溶解したナトリウム(0.4g、17.4mmol)に、窒素下において
120℃で攪拌しながら2,6−ジアミノ−4−クロロピリミジン(2g、13
.84mmol)を加え、反応混合物を180℃でさらに2時間攪拌した。溶媒
を減圧下で除き、粗生成物を、溶出液としてジクロロメタン:メタノール(9:
1)を用いてシリカでのクロマトグラフィーによって精製した。酢酸エチル−石
油から再結晶することにより、表記化合物を黄色固体として得た(1.3g、4
3%)。融点:89℃。δH(200MHz、d6−DMSO):1.26から
2.24(7H、m、CH7)、4.16(2H、d、OCH、J=6.5
6Hz)、5.14(1H、s、C(5)H)、5.76(2H、s、C )、5.96(2H、br、s、NH)、6.10(2H、br、s、NH )。m/z(+EI):220(M、27%)、125(M−C7H11
97)、98(25)。
【0056】 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシ−5−ニトロ
ソピリミジン(NU6045) 30%酢酸溶液に溶解した2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニル
メチルオキシピリミジン(0.5g、2.27mmol)を80℃に加熱し、そ
して過剰な酸化剤が(デンプン−ヨウ化物紙で)認められるまで亜硝酸ナトリウ
ム溶液(10mlの水に0.22g、3.19mmol)を1時間かけて滴下し
て加えた。反応混合物を室温に冷却して、得られた紫色の結晶を集め、水で十分
に洗浄して乾燥した(0.52g、92%)。融点:237℃。δH(200M
Hz、d6−DMSO):1.51から2.19(7H、m、CH7)、4.
51(2H、d、OCH、J=5.66Hz)、5.82(2H、br、s、
)、7.95(2H、br、s、NH)、8.15(1H、br、s
、NH)、10.21(1H、br、s、NH)。m/z(+EI):249(
、22%)、155(M−C7H11、60)、138(M−C7H O、100)、69(24)。
【0057】 2−アミノ−4−クロロ−6−メチルアミノピリミジン(NU6042) (これは中間体化合物として使用される) 2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(1g、6.1mmol)、メチル
アミン(0.8ml)、炭酸カリウム(0.5g、3.62mmol)および無
水エタノール(15ml)の混合物を窒素下において18時間還流しながら加熱
した。反応混合物を室温に冷却して濾過し、ろ液を約2mlの容量にまで濃縮す
ると、クリーム状固体が得られた(0.82g、85%)。融点:152から1
57℃。νmax/cm−1:3442(NH)、2934(CH)、254
9(NH)。δH(200MHz、d6−DMSO):3.48(3H、s、
CH)、5.48(1H、s、C(5)H)、6.53(2H、br、s、N
)、7.28(1H、br、s、NH)。m/z(+EI):158(M 、100%)、123(M−Cl、9)、94(18)。
【0058】 2−アミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシ−6−メチルアミノピリミジン
(NU6041) 2−アミノ−4−クロロ−6−メチルアミノピリミジン(0.5g、2.25
mmol)を、ナトリウム(0.062g、2.69mmol)を溶解したシク
ロヘキシルメタノール(10ml)にN2下で攪拌しながら加え、そして反応混
合物を180℃で12時間加熱した。溶媒を減圧下で除いた。粗生成物を、溶出
液としてジクロロメタン:メタノール(9:1)を用いてシリカでのクロマトグ
ラフィーにより精製して、表記化合物を白色固体として得た(0.03g、6%
)。融点:128から129℃。νmax/cm−1:3452(NH)、28
51(NCH)、1583(NH)、1514(NH)。δH(200MH
z、d6−DMSO):1.04から1.31(5H、m、C11)、2.
78(3H、d、NCH、J=4.67Hz)、4.02(2H、d、OCH )、5.10(1H、s、C(5)H)、6.00(2H、br、s、NH )、6.52(1H、br、d、NH、J=4.22Hz)。m/z(+EI)
:236(M、37%)、206(MH−NHMe、31)、153(M −C11、45)、140(MH−C11CHO、100)。
【0059】 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−クロロピリミジン (これは中間体化合物として使用される) 2−アミノ−4、6−ジクロロピリミジン(0.5g、3.05mmol)、
ベンジルアミン(0.35ml、3.2mmol)、炭酸カリウム(0.25g
、1.81mmol)およびエタノール(15ml)の混合物を加熱して16時
間還流した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除いた。残留物を酢酸
エチルで粉砕し、白色の生成物をろ過により集めた。酢酸エチルのろ液を濃縮す
ることによってもまた、2番晶の生成物が得られた。固体を合わせて乾燥して、
目的とするピリミジンを得た(0.36g、50%)。融点:136℃。δH(
200MHz、d6−DMSO):4.55(2H、br、s、OCH)、5
.87(1H、br、s、C(5)H)、6.54(2H、br、s、NH
、7.35から7.41(5H、m、C)、7.72(1H、m、NH)
。m/z(+EI):234(M、85%)、106(100)、91(CCH+、51%)。
【0060】 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジ
ン シクロヘキシルメタノール(5ml、43mmol)に溶解したナトリウム(
0.025g、1.09mmol)に、窒素下において100℃で攪拌しながら
2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−クロロピリミジン(0.2g、0.86
mmol)を加え、混合物を180℃で2時間攪拌した。溶媒を除いた後、残留
物をメタノールに再溶解してろ過し、ろ液を蒸発乾固した。粗生成物を、溶出液
として石油:酢酸エチル(8:2)を用いてシリカでのクロマトグラフィーによ
り精製して、表記化合物を黄色固体として得た(0.13g、49%)。δH(
200MHz、d6−DMSO):0.96から1.15(5H、m、C )、1.23から1.34(6H、m、C11)、4.03(2H、br
、s、OCH)、4.51(2H、d、CCH、J=5.31Hz)
、5.12(1H、s、C(5)H)、6.56(2H、br、s、NH)、
7.20(1H、br、s、NH)、7.28から7.39(5H、m、C )。m/z(+EI):312(M、100%)、229(M−C 、45)、216(M−C11CH、53)、91(72)。
【0061】 一般に、多数の経路を、CDK阻害活性を有する本発明によるピリミジン化合
物、またはそのようなCDK阻害化合物を調製するための中間体を提供する本発
明によるピリミジン化合物を合成するために利用できる。例として、場合により
新規な化学物質に導く、使用することができる合成スキームのいくつかを、本明
細書の最後に示されている概略図に示される様々な合成スキームの典型的な段階
の実験的細部を記載する下記に例示する。
【0062】 スキーム1 これは、2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジ(4−メトキシベ
ンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(NU6057)の合成、およ
び2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−(4−メトキシベンジル)ア
ミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(NU6056)または2,6−ジアミノ
−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ピリミジンカルバルデヒド(NU6055
)を得るために2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジ(4−メトキ
シベンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒドからいずれか一方のベンジ
ルアミノ基または両方のベンジルアミノ基をそれぞれ除去することを例示する。
【0063】 1.1 2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジンカルバルデヒドの調
製 オキシ塩化リン(21.6ml;0.236mol)を氷浴で冷却(約5℃)
し、その後、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、7.0ml)を15
分かけてゆっくり加えた。以前の報告のように沈澱は生じなかった。反応混合物
を氷浴から取り出した。市販の2−アミノー4,6−ジヒドロキシピリミジン(
5.6g;0.044mol)を少量ずつ30分かけて加えた。得られた懸濁物
を90℃で1時間加熱し、次いで、105℃でさらに5時間加熱して、赤褐色の
溶液を得た。この溶液を4℃で一晩冷却した。3から4mlの過剰のオキシ塩化
リンを大気圧下で留去すると、粘性の懸濁物が得られた。これを氷−水(100
ml)に注いだ。ガム物が生成したが、これは、水温を20℃に上げると溶解し
た。水酸化アンモニウムを滴下して加えて、溶液をpH7にすると、黄色の沈殿
物が生じ、これをろ過により集めた。生成物を酢酸エチルから再結晶した(5.
15g;0.027mol;61%)。
【0064】 1.2 ジ(4−メトキシベンジル)アミンの調製 乾燥エタノール(40ml)に溶解した4−メトキシベンゾアルデヒド(3.
0g;22mmol)に、4−メトキシベンジルアミン(3.02g;22mm
ol)を加えた。混合物を還流するまで加熱して、加熱を1.5時間続け、その
後、溶媒を減圧下で除いた。TLC分析により、生成物および原料アルデヒドは
Rf0.8(10%MeOH/DCM)で同時に溶出することが示された。中間
体イミンの単離を試みなかった。しかし、代わりに、生成物をメタノール(10
ml)に溶解し、攪拌しながら、これにホウ水素化ナトリウム(0.834g;
22mmol)をゆっくり加えた。反応混合物は、さらに加熱することなく還流
することが認められ、そして1時間攪拌した。溶媒を除くことによって、淡黄色
オイルが得られた。これをカラムクロマトグラフィー(100% EtOAc)
によってさらに精製して、無色のオイルが得られた。これは冷却すると、白色固
体に固化した(5.31g;20.7mmol;94%)。
【0065】 1.3 2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−
5−ピリミジンカルバルデヒドの調製 2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジンカルバルデヒド(0.50g
;2.60mmol)を乾燥DCM(5ml)中で攪拌した。トリエチルアミン
(0.263g;2.60mmol)およびジ(4−メトキシベンジル)アミン
(0.669g;2.60mmol)を加え、反応物を室温で1.25時間攪拌
した。反応物を、DCM(50ml)をさらに加えて飽和塩化ナトリウム溶液に
よる抽出(3x50ml)を行うことによって処理した。有機層を水(50ml
)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発留去して、黄色の泡状物が得られた(
0.957g;2.32mmol;89.2%)。
【0066】 次の段階(1.4)において、ピリミジン環の4位におけるクロロ置換基は、
シクロヘキシルメトキシ基により置換される。2つの代替的な方法(方法Iおよ
び方法II)を記載する。
【0067】 1.4 2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジ(4−メトキシベ
ンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(NU6057)の調製 (方法1) シクロヘキシルメタノール(8ml)をナトリウム(0.14g;6.06m
mol)とともに90℃で1時間加熱した。2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(
4−メトキシベンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(0.50g;
1.212mmol)を加え、混合物を同じ温度で25分間加熱した。過剰なシ
クロヘキシルメタノールを減圧下での短経路蒸留によって除き、残留物をMgS
O4に負荷した。乾燥した生成物−MgSO4nをシリカカラムに負荷し、40
%EtOAc/石油(40:60)で溶出した。生成物は、分離することができ
なかった少量のシクロヘキシルメタノールとともに溶出された。この混合物を次
工程に使用した。
【0068】 (方法2) 水素化ナトリウム(3当量;0.087g;3.6mmol)、乾燥ジメチル
スルホキシド(3ml)およびシクロヘキシルメタノール(5.5当量;0.6
91g;6.1mmol)を窒素下において30分間攪拌して、透明な溶液を得
た。攪拌しながら、2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)
アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(0.50g;1.212mmol)を
加えた。反応混合物を100℃で2時間加熱し、その後、溶媒を減圧下での短経
路蒸留によって除いた。残留物をシリカカラムに負荷し、30%EtOAc/石
油で溶出した。生成物を淡黄色固体として単離した(0.183g;0.37m
mol;30.6%)。融点:140から141℃。
【0069】 続いて、(保護基として作用している)ベンジルアミノ基のいずれか一方また
は両方を下記の記載(1.5および1.6)に従って除き、NU6056または
NU6055を得る。
【0070】 1.5 2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−(4−メトキシベン
ジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(NU6056)の調製 前述の得られた2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジ(4−メト
キシベンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒドおよびシクロヘキシルメ
タノールの混合物をトリフルオロ酢酸(2ml)中で18時間攪拌した。過剰の
トリフルオロ酢酸を除き、残留物を酢酸エチルおよび水(各50ml)で抽出し
た。さらなる酢酸エチルを水層に加えた。有機成分を一緒にして乾燥し、蒸発留
去した。残留した茶色オイルをシリカカラムに負荷し、20%EtOAc/石油
(40:60)で溶出した。淡黄色オイルが得られた。アセトニトリルの添加お
よび除去によって固体が得られた。この固体を石油/酢酸エチルの混合物から再
結晶した(0.091g;0.34mmol)。融点:97℃。
【0071】 1.6 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ピリミジンカ
ルバルデヒド(NU6055)の調製 前述の得られた2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジ(4−メト
キシベンジル)アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒドおよびシクロヘキシルメ
タノールの混合物をトリフルオロ酢酸(2ml)中において65℃で24時間攪
拌した。前記と同じ処理手順を使用し、40%EtOAc/石油(40:60)
で溶出するカラムクロマトグラフィーによる生成物の精製によって淡黄色固体が
得られた。融点:159から160℃。
【0072】 スキーム2 これは、2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジベンジルアミノ−
5−ピリミジンカルバルデヒドを合成するために使用される少し異なるスキーム
を例示する。
【0073】 2.1 2−アミノ−4−クロロ−6−ジベンジルアミノ−5−ピリミジンカ
ルバルデヒドの調製 スキーム1で調製された2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジンカル
バルデヒド(0.15g;0.78mmol)を乾燥ジクロロメタン(3ml)
中において0℃で攪拌した。ジベンジルアミン(1当量;0.78mmol;0
.154g)およびトリエチルアミン(1当量;0.78mmol;0.078
g)を滴下して加えた。反応物を室温にして一晩攪拌し、透明な溶液を得た。
【0074】 さらなるジクロロメタン(50ml)を加え、溶液を飽和塩化ナトリウム溶液
および水で洗浄した。有機層を乾燥して蒸発留去すると、黄色固体が得られた(
0.253g;0.72mmol;92.3%)。融点:138から142℃。
【0075】 2.2 2−アミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−6−ジベンジルアミノ−
5−ピリミジンカルバルデヒドの調製 シクロヘキシルメタノール(10ml)およびナトリウム(5当量;0.16
3g)を90℃で1時間反応させた。2−アミノ−4−クロロ−6−ジベンジル
アミノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(0.5g;1.42mmol)を加え
て90分間加熱を続けた。過剰のアルコールを減圧下での短経路蒸留によって除
き、生成物をカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。生成物はシク
ロヘキシルメタノールが混入していることが、硫酸(2%)を噴霧してアルコー
ルを可視化することによって明らかにされた。
【0076】 スキーム3 これは、置換アラルキル基または置換アラルケン基を5位に有するピリミジン
誘導体の合成経路を例示する。
【0077】 3.1 2−アミノ−4−クロロ−6−ジベンジルアミノ−5−(1−ヒドロキ
シフェネチル)ピリミジン (J.Org.Chem.、1958、23、1783から1784に記載され
る方法に基づく方法) スキーム2に従って調製された2−アミノ−4−クロロ−6−ジベンジルアミ
ノ−5−ピリミジンカルバルデヒド(0.10g;0.28mmol)を乾燥T
HF(10ml)中において0℃で攪拌した。ベンジルマグネシウム塩化物(1
.0M;3当量;0.85mmol;0.85ml)を滴下して加えると、黄色
になり、すぐに消失した。反応物を30分間攪拌し、その後、飽和塩化アンモニ
ウム溶液(50ml)および酢酸エチル(50ml)を加えた。水層を酢酸エチ
ルでさらに抽出し、有機層を一緒にして水で洗浄し、乾燥して蒸発留去した。生
成物を40%EtOAc/石油(40:60)で溶出するカラムクロマトグラフ
ィーにより精製して、淡黄色オイルを得た(0.086g;0.19mmol;
68%)。
【0078】 3.2 対応する5−フェネチレン誘導体を得るための2−アミノ−4−クロ
ロ−6−ジベンジルアミノ−5−(1−ヒドロキシエチル)ピリミジンの酸化 塩化オキサリル(1.1当量;0.016g;0.12mmol)を、窒素下
において、滴下ロートを取り付けた三口フラスコ内の乾燥DCM(5ml)に加
えた。フラスコをドライアイス−アセトン浴で−75から−80℃に冷却した。
乾燥DCMに溶解したDMSO(2.2当量;0.25mmol;0.02g)
を5分かけて滴下して加え、10分間攪拌を続けた。乾燥DCM(5ml)に溶
解した2−アミノ−4−クロロ−6−ジベンジルアミノ−5−(1−ヒドロキシ
エチル)ピリミジン(0.05g;0.11mmol)を5分かけて滴下して加
え、反応物を15分間放置した。トリエチルアミン(5当量;0.56mmol
;0.057g)を5分かけて滴下し、そして冷却浴を除いた。反応物を室温に
し、水(50ml)を加え、有機層を分液した。水相をさらなるDCM(50m
l)で洗浄し、有機層を一緒にして乾燥して、蒸発留去した。生成物をシリカカ
ラムに負荷し、30%EtOAc/石油(40:60)で溶出した。これにより
、少量の出発物質(0.01g)が回収されるとともに、生成物が黄色オイルと
して得られた(0.020g;0.05mmol;45%)。
【0079】 中間体化合物である両方の上記生成物に関して、ピリミジン環の4位にあるク
ロロ置換基は、スキーム1に記載される方法でシクロヘキシルメトキシ基により
置換され得る。
【0080】 スキーム4 これは、6位におけるジベンジルアミン置換基、および5位におけるヒドロキ
シ置換またはケト置換のアルキル基、アルケン基、アラルキル基またはアラルケ
ン基を有するピリミジン誘導体を合成するさらなる例を例示する。
【0081】 4.1 2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−
5−(1−ヒドロキシ−フェネチル)ピリミジン(R=Ph)の調製 2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−5−ピリ
ミジンカルバルデヒド(0.20g;0.48mmol)を乾燥THF中におい
て0℃で攪拌した。ベンジルマグネシウム塩化物(1.0M;3当量;1.45
mmol;1.45ml)を滴下して加えた。混合物を30分間攪拌し、その後
、飽和塩化ナトリウム溶液(50ml)および酢酸エチル(50ml)を加えた
。水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を一緒にして水で洗浄し、乾燥し
て蒸発留去した。生成物を40%EtOAc/石油(40:60)で溶出するカ
ラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色オイルを得た(0.151g;0
.30mmol;62.4%)。
【0082】 4.2 2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−
5−(1−ヒドロキシエチル)ピリミジン(R=H)の調製 2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−5−ピリ
ミジンカルバルデヒド(0.20g;0.48mmol)および3.0Mメチル
マグネシウム臭化物(3当量;0.5ml)を用いて上記手順を行う。生成物を
無色のガラスとして得た(0.159g;0.37mmol;77%)。
【0083】 4.3 対応する5−エテニル誘導体を得るための2−アミノ−4−クロロ−
6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−5−(1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン(R=H)の酸化 塩化オキサリル(1.1当量;0.039g;0.31mmol)を、窒素下
において、滴下ロートを取り付けた三口フラスコ内の乾燥DCM(5ml)に加
えた。フラスコをドライアイス−クロロホルム浴で−60℃に冷却した。乾燥D
CMに溶解したDMSO(2.2当量;0.62mmol;0.048g)を5
分かけて滴下して加え、10分間攪拌を続けた。乾燥DCM(5ml)に溶解し
た2−アミノ−4−クロロ−6−ジ(4−メトキシベンジル)アミノ−5−(1
−ヒドロキシエチル)ピリミジン(0.12g;0.28mmol)を5分かけ
て滴下して加え、反応物を25分間放置した。トリエチルアミン(5当量;1.
4mmol;0.141g)を5分かけて滴下し、そして冷却浴を除いた。反応
物を40分にわたって室温に加温し、その後、水(50ml)を加え、有機層を
分液した。水相をさらなるDCM(50ml)で洗浄し、有機層を一緒にして乾
燥し、蒸発留去した。生成物をシリカカラムに負荷して40%EtOAc/石油
(40:60)により溶出して、黄色オイルを得た(0.031g;0.08m
mol;24.5%)。
【0084】 再度ではあるが、ピリミジン環の4位にあるクロロ置換基は、本発明によるC
DK阻害化合物を得るために、スキーム1に記載される方法を使用してシクロヘ
キシルメトキシ基により置換され得る。
【0085】 (概要) 本発明は、全般的には、本明細書中に開示された各特徴およびすべての新規な
特徴または開示された特徴の組み合わせを含むと考えられるが、本発明の主要な
局面は、原理的には限定的ではないが、広く下記を含む: (i)本明細書中に規定される式(I)の新規な化合物; (ii)治療のためであり、あるいは医薬品および医学的調製物の製造において
使用され、例えばガンまたは他の細胞増殖疾患の処置におけるCDK阻害剤とし
て有用な、前記に規定される置換基を有する式(I)の化合物(そのプロドラッ
グ形態および塩を含む); (iii)本明細書中に規定される式(I)の新規な化合物の調製プロセス、こ
れには、そのようなプロセスを行う際に製造されるいずれかの新規な中間体化合
物の調製プロセスを含む; (iv)本明細書中に規定される式(I)の化合物を薬学的に受容可能なキャリ
アとともに含む薬学的な組成物または配合物;および (v)例えば、本明細書中で示される方法による、上記(iv)に規定される薬
学的配合物の調製プロセス。
【0086】 スキーム1
【化9】
【0087】 スキーム2
【化10】
【0088】 スキーム3
【化11】
【0089】 スキーム4
【化12】
【0090】
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、オロモウシンがCDK2に結合している様式を示す図である。
【図2】 図2は、化合物O−シクロヘキシルメチルグアニンがCDK2に結合してい
ることが見出された様式を示す類似する図である。
【図3】 図3は、化合物O−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メト
キシ)グアニンのRエナンチマー体がCDK2に結合していることが見出された
様式を示す結晶構造を表す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月9日(2000.6.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 ただし、前記ピリミジン化合物自体は、効果的で独立した活性な抗腫瘍剤または
細胞増殖阻害剤を提供し、かつ構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、H、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換
されたアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1 e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立
して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換
されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R )=U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換ま
たは非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR ’およびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して
、H、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびに
T、CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Cl
またはF)である)から選択される。
【化2】 ただし、 VおよびWは、O、S、NR’(R’はHまたはC1−4アルキルである)、
およびCHまたは=CH−から独立的にそれぞれが選択され;かつ RおよびRはそれぞれがHまたはC1−4アルキルである。
【化3】 ただし、前記ピリミジン化合物は構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Eは、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換され
たアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立して
、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換され
たアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R)=
U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換または
非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR’お
よびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびにT、
CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Clまた
はF)である)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)である。
【化4】 ただし、 VおよびWは、O、S、NR’(R’はHまたはC1−4アルキルである)、
およびCHまたは=CH−から独立的にそれぞれが選択され;かつ RおよびRはそれぞれがHまたはC1−4アルキルである。
【化5】 ただし、前記ピリミジン化合物は構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換され
たアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立して
、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換され
たアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R)=
U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換または
非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR’お
よびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して、H
、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびにT、
CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Clまた
はF)である)から選択される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 239/48 C07D 239/48 239/50 239/50 473/00 473/00 473/24 473/24 473/30 473/30 473/32 473/32 473/36 473/36 519/00 301 519/00 301 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 カルバート、アラン ヒラリー イギリス国 エヌイー21 6ジェイアー ル、タイン アンド ウエアー、ブレイド ン、バーン ロード、ビーチ ハウス (72)発明者 カータン、ニコラ ジェーン イギリス国 エヌイー39 1ピーケイ、タ イン アンド ウエアー、ロウランズ ギ ル、スターリング アベニュー、ベール ビュー (72)発明者 ニューウェル、ディビッド リチャード イギリス国 エヌイー46 4エージー、ノ ースアンバーランド、ヘクサム、ハムショ ー、ザ ダウワー ハウス (72)発明者 ゴールディング、バーナード、トーマス イギリス国 エヌイー16 6エイチエー、 ニューキャッスル オポン タイン、バー ノプフィールド、ザ コプス 6 (72)発明者 エンディコット、ジェーン アン イギリス国 オーエックス2 0ディーエ ー、オックスフォード、ヒル ビュー ロ ード 41 (72)発明者 ノーブル、マーティン エドワード マン ティラ イギリス国 オーエックス2 0エーエ ル、オックスフォード、ミル ストリート 63 (72)発明者 ボイル、フランシス トーマス イギリス国 シーダブリュ12 3エーワ イ、コングルトン、アストバリィ レーン エンズ、22エー、ヒンストック マウン ト (72)発明者 ジュウズバリー、フィリップ ジョン イギリス国 ダブリュエー15 9キュージ ェイ、チェシャー、アルトリンチャム、ア ッシュフィールド ロード 28 Fターム(参考) 4C072 MM03 4C086 AA01 AA02 AA03 BC42 CB07 MA01 MA04 ZB26 【要約の続き】 F)である)から選択される。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つまたは複数のCDK酵素の阻害に対する感受性を有する
    腫瘍または他の細胞増殖疾患を処置するために哺乳動物の治療において使用され
    る医薬品を製造するための下記の一般構造式Iを有するピリミジン化合物あるい
    はその薬学的に受容可能な塩形態および/またはプロドラッグ形態の使用: 【化1】 ただし、前記ピリミジン化合物は構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
    る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
    、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
    リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
    OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
    るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
    H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
    アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、H、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換
    されたアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1 e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立
    して、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換
    されたアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R )=U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換ま
    たは非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR ’およびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して
    、H、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびに
    T、CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Cl
    またはF)である)から選択される。
  2. 【請求項2】 Yは、極性のヒドロキシル置換基を含む環構造を含む、請求
    項1に規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 Yはシクロアルカン環またはシクロアルケン環である、請求
    項1に規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用。
  4. 【請求項4】 Yは、1つまたは2つの二重結合を有する5員または6員の
    シクロアルカン環またはシクロアルケン環である、請求項3に規定されるピリミ
    ジン化合物の請求項3に記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記のシクロアルカン環またはシクロアルケン環における炭
    素原子の1個または2個がヘテロ原子または基により置換されている場合は除か
    れる、請求項4に規定されるピリミジン化合物の請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記のヘテロ原子または基は、O、S、NR’(ただし、R
    ’はHまたはC1−4アルキルである)、および(シクロアルケン環での)−N
    =から選択される、請求項5に規定されるピリミジン化合物の請求項5に記載の
    使用。
  7. 【請求項7】 Yは、置換された4員から8員の炭素環または複素環(ただ
    し、各置換基は、H、C1−4アルキル、OH、C1−4アルコキシ、ハロゲン
    、CF3、CN、N3、およびNRy1y2(ただし、Ry1およびRy2
    それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択される、請求項
    1に規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用。
  8. 【請求項8】 前記置換基の2つは環の隣接する原子に存在し、かつ連結し
    てさらなる縮合炭素環構造または縮合複素環構造を形成している、請求項7に規
    定されるピリミジン化合物の請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 Yは、下記の構造式の1つによって表される環構造を含む、
    請求項1に規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用: 【化2】 ただし、 VおよびWは、O、S、NR’(R’はHまたはC1−4アルキルである)、
    およびCHまたは=CH−から独立的にそれぞれが選択され;かつ RおよびRはそれぞれがHまたはC1−4アルキルである。
  10. 【請求項10】 Dは非置換のアミノ基であり、かつXは酸素である、請求
    項1に規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用。
  11. 【請求項11】 アルキル基として、あるいはアルコキシ基または他の基に
    おける一部として存在する各アルキル基は1個から6個の炭素原子を含有する、
    前記請求項のいずれかに規定されるピリミジン化合物の請求項1に記載の使用。
  12. 【請求項12】 下記のいずれかであるピリミジン化合物の請求項1に記載
    の使用: 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,5,6−トリアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−5−(4’−クロロフェニル)アゾ−4−シクロヘキシル
    メトキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシ−5−ニトロ
    ソピリミジン; 2−アミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシ−6−メチルアミノピリミジン
    ; 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジ
    ン;および 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシル−メチルオキシピリミジン−5−カル
    バルデヒド。
  13. 【請求項13】 活性な薬学的物質として使用される下記の一般構造式Iを
    有するピリミジン化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩形態および/または
    プロドラッグ形態: 【化3】 ただし、前記ピリミジン化合物は構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
    る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
    、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
    リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
    OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
    るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
    H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
    アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換され
    たアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立して
    、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換され
    たアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R)=
    U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換または
    非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR’お
    よびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して、H
    、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびにT、
    CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Clまた
    はF)である)から選択される。
  14. 【請求項14】 アルキル基として、あるいはアルコキシ基または他の基に
    おける一部として存在するアルキル基または各アルキル基は1個から6個の炭素
    原子を含有する、活性な薬学的物質として使用される請求項13に記載の化合物
  15. 【請求項15】 Yは、極性のヒドロキシル置換基を含む環構造を含む、活
    性な薬学的物質として使用される請求項13または14に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 Yはシクロアルカン環またはシクロアルケン環である、活
    性な薬学的物質として使用される請求項13または14に記載の化合物。
  17. 【請求項17】 Yは、1つまたは2つの二重結合を有する5員または6員
    のシクロアルカン環またはシクロアルケン環である、活性な薬学的物質として使
    用される請求項13または14に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 前記のシクロアルカン環またはシクロアルケン環における
    炭素原子の1個または2個がヘテロ原子または基により置換されている場合は除
    かれる、請求項17に記載の化合物。
  19. 【請求項19】 前記のヘテロ原子または基は、O、S、NR’(ただし、
    R’はHまたはC1−4アルキルである)、および(シクロアルケン環での)−
    N=から選択される、請求項18に記載の化合物。
  20. 【請求項20】 Yは、置換された4員から8員の炭素環または複素環(た
    だし、各置換基は、H、C1−4アルキル、OH、C1−4アルコキシ、ハロゲ
    ン、CF3、CN、N3、およびNRy1y2(ただし、Ry1およびRy2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択される、活性
    な薬学的物質として使用される請求項13または14に記載の化合物。
  21. 【請求項21】 前記置換基の2つは環の隣接する原子に存在し、かつ連結
    してさらなる縮合炭素環構造または縮合複素環構造を形成している、請求項20
    に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 Yは、下記の構造式の1つによって表される環構造を含む
    、請求項21に記載の化合物: 【化4】 ただし、 VおよびWは、O、S、NR’(R’はHまたはC1−4アルキルである)、
    およびCHまたは=CH−から独立的にそれぞれが選択され;かつ RおよびRはそれぞれがHまたはC1−4アルキルである。
  23. 【請求項23】 Dは非置換のアミノ基であり、かつXは酸素である、活性
    な薬学的物質として使用される請求項13または14に記載の化合物。
  24. 【請求項24】 下記のいずれかであることを特徴とする、活性な薬学的物
    質として使用されるピリミジン化合物: 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,5,6−トリアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−5−(4’−クロロフェニル)アゾ−4−シクロヘキシル
    メトキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニトロソピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシピリミジン; 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキサ−3−エニルメチルオキシ−5−ニトロ
    ソピリミジン; 2−アミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシ−6−メチルアミノピリミジン
    ; 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−4−シクロヘキシルメチルオキシピリミジ
    ン;および 2,6−ジアミノ−4−シクロヘキシル−メチルオキシピリミジン−5−カル
    バルデヒド。
  25. 【請求項25】 CDK阻害剤による処置を必要とする哺乳動物に投与する
    ための単位投薬形態で作製された請求項13から24のいずれかに記載の化合物
    を含有する薬学的な配合物または組成物。
  26. 【請求項26】 医学的に使用され、CDK阻害有効量の請求項13から2
    4のいずれかに記載の化合物を薬学的に受容可能なキャリアとともに含む薬学的
    な配合物または組成物。
  27. 【請求項27】 抗腫瘍処置において使用される請求項25または26に記
    載の薬学的な配合物または組成物。
  28. 【請求項28】 哺乳動物における腫瘍または他の細胞増殖疾患を処置する
    ための薬学的組成物であって、有効成分として、下記の構造式Iを有するCDK
    阻害ピリミジン化合物あるいは前記ピリミジン化合物の薬学的に受容可能な塩形
    態および/またはプロドラッグ形態を含有する組成物: 【化5】 ただし、前記ピリミジン化合物は構造式Iにおいて下記の特徴を有する: Xは、O、SまたはCHR(ただし、RはHまたはC1−4アルキルであ
    る)であり; Dは、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、H
    、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換されたア
    リール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CH(C
    OH(n=1−4)、およびNRa1a2(ただし、Ra1およびR a2 はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択され; Yは、必要に応じて置換された4員から8員の炭素環または複素環であり、あ
    るいはそのような炭素環または複素環を含み; D’は、HまたはNZ(ただし、ZおよびZはそれぞれ独立して、
    H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換された
    アリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)であり; Eは、NO、NO、N=N−Ar(ただし、Arは、必要に応じて置換され
    たアリールまたは必要に応じて置換されたアラルキルである)、NRe1e2 またはNRe1e2e3(Re1、Re2およびRe3はそれぞれ独立して
    、H、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、必要に応じて置換され
    たアリール、または必要に応じて置換されたアラルキルである)、C(R)=
    U(Rは、水素、C1−4アルキルまたは置換アルキル、あるいは置換または
    非置換のアリールまたはアラルキルであり、Uは、O、NR’、NOR’お
    よびN−NR’R”(ただし、R’およびR”はそれぞれ独立して、H
    、C1−4アルキルまたはCONHである)から選択される)、ならびにT、
    CHT、CHTおよびCT(ただし、Tはハライド(I、Br、Clまた
    はF)である)から選択される。
  29. 【請求項29】 哺乳動物における腫瘍または他の細胞増殖疾患を処置する
    際に使用される薬学的組成物の製造方法であって、CDK阻害有効量の請求項1
    3から24のいずれかに記載のピリミジン化合物またはそのプロドラッグ形態を
    、配合可能な薬学的に受容可能な添加剤、キャリア、希釈剤または賦形剤と混合
    することを含む方法。
  30. 【請求項30】 哺乳動物に対して行われる腫瘍または他の細胞増殖疾患の
    治療的処置方法であって、CDK阻害有効量の請求項13から24のいずれかに
    記載の化合物、あるいは請求項25から28のいずれかに記載の薬学的な配合物
    または組成物を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
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