JP2006510839A - 電気的に駆動される空気ポンプおよび電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法 - Google Patents

電気的に駆動される空気ポンプおよび電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、空気ポンプ(10)のハウジング(12)内に、少なくとも1つのファン車(36,38)を備えたポンプ装置(13)と、該ファン車(36,38)を駆動する電動モータ(16)とが配置されている、電気的に駆動される空気ポンプ(10)を製造するための方法、特に内燃機関を備えた自動車に用いられる二次空気ポンプ(10)を製造するための方法に関する。
本発明によれば、空気ポンプ(10)を、ハウジング(12)内に組み込まれた電動モータ(16)と共に、軸方向で互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つの平面(A,B)でのバランス調整によりバランスすることが提案される。
さらに本発明は、電気的に駆動される空気ポンプ(10)、特に内燃機関を備えた自動車に用いられる二次空気ポンプ(10)であって、ハウジング(12)と、該ハウジング(12)内に組み込まれた電動モータ(16)とが設けられており、該電動モータ(16)が弾性的な手段(24)によってポンプハウジング(12)内に支持されており、さらにポンプ装置(13)が設けられており、該ポンプ装置(13)が、前記電動モータ(16)の軸(23)に固定された少なくとも1つのファン車(36,38)を備えている形式のものに関する。
本発明によれば、前記電動モータ(16)の駆動軸(23)の、ポンプ装置(13)とは反対の側の端部の範囲に、バランスディスク(50)が配置されていることが提案される。

Description

背景技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の特徴を有する、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法、特に内燃機関を備えた自動車に用いられる二次空気ポンプを製造するための方法ならびに請求項8の上位概念部に記載の 特徴を有する、このような電気的に駆動される空気ポンプに関する。
このような形式の空気ポンプもしくはブロワは、たとえば自動車の内燃機関の排ガス通路内へ付加的な空気を吹き込むための二次空気ポンプもしくは二次空気ブロワとして使用される。このような手段は、窒素酸化物の生成を最小限に抑えるか、もしくは排ガスが内燃機関の触媒に流入する前に、燃焼残滓中の一酸化炭素もしくは炭化水素の含量を低減させる。二次空気供給の場合には、できるだけエンジンのすぐ背後で排ガス通路に新空気が供給され、これにより燃焼過程において発生した炭化水素化合物および一酸化炭素が除去される。排ガス経路内への二次空気供給により、実質的に排ガスの後燃焼が実施される。この後燃焼の経過中に、エンジン内で燃焼されなかった一酸化炭素もしくは炭化水素が後燃焼され、つまり後酸化される。二次空気供給システムによる後燃焼はさらに、排ガス温度を高めるので、制御された触媒のために必要となる作動温度が早期に達成される。こうして、排ガス経路内での温度上昇が、制御された触媒を、より迅速に応答させるので、この触媒は、有害物質を除去するという固有の役目を、走行サイクル内で早期に果たすことができるようになる。
典型的には20000r.p.m.の範囲にある二次空気ブロワの高い公称回転数に基づき、このブロワおよび特にブロワを駆動する電動モータには、ばらつきのない均一な回転(Gleichlauf)に対して、ひいてはバランス調整プロセスの精度に対して、極めて高い要求が課せられなければならない。空気ポンプにおいてアンバランスに基づき生ぜしめられる振動は、空気ポンプに結合された各構成部分へ伝達され、こうして高められた運転ノイズを生ぜしめる。場合によっては、車両への振動伝達および特に車室への振動伝達を回避するために、空気ポンプ全体を別の構成部分に対して機械的に分離することが必要となり得る。
このような空気ポンプの回転スムーズさもしくは回転静寂性(Laufruhe)を改善するためには、一般に空気ポンプを、たとえばポンプ装置のファン車における材料の除去もしくは材料の付与によりバランスすることが知られている。
欧州特許第0711924号明細書に基づき公知の電気的に駆動される空気ポンプのハウジング内には、一方の側ではポンプ装置が配置されており、他方の側では電動モータが配置されている。欧州特許第0711924号明細書に記載の空気ポンプのハウジングのポンプ側およびモータ側は、それぞれカバーによって閉鎖されなければならない。ポンプ装置を駆動する電動モータは、この電動モータとポンプハウジングとの間に支持されている2つのエラストマリングによってポンプ内部で十分に分離されている。公知先行技術によるこのような電気的に駆動される空気ポンプの電動モータは、組み付けられたポンプ車共に、空気ポンプが組み立てられた状態で、ただしまだポンプ側が閉鎖されていない状態で、ポンプ装置の回転車にバランスマークをセットすることによりバランスされる。電動モータが、組み込まれた状態で、組み付けられたポンプ車と共にバランスされることにより、電動モータと空気ポンプの別の構成部分との協働が考慮され得る。組み付けられた電動モータにおけるバランス調整過程に基づき、このような空気ポンプの運転ノイズは、振動発生の低減によりたしかに減じられるが、しかし空気ポンプの個々の製品毎のばらつきは回避され得ない。
本発明の根底を成す課題は、振動が減じられ、ひいては運転ノイズが減じられるような、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法を提供することである。また、このような空気ポンプを提供することも本発明の課題である。
本発明の根底を成す課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴を有する、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法もしくは請求項8の特徴部に記載の特徴を有する、電気的に駆動される空気ポンプにより解決される。本発明の有利な改良形および実施態様は、請求項2〜請求項7もしくは請求項9以下に記載されている。
発明の利点
請求項1の特徴部に記載の特徴を有する、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法は、公知先行技術に基づき公知の空気ポンプをその運転品質に関して改善する。本発明による製造方法では、空気ポンプのハウジング内に、少なくとも1つのファン車を備えたポンプ装置と、該ファン車を駆動する電動モータとが組み込まれており、このようなハウジングを有する空気ポンプが、既にハウジング内に組み込まれた前記電動モータと共に、軸方向で互いに間隔を置いて配置された2つの平面におけるバランス調整によりバランス調整される。このような2平面バランス調整に基づき、本発明による電気的に駆動される空気ポンプのバランス品質を著しく高めることができるので、ポンプの運転ノイズに認められる製品毎のばらつきを一層減少させることができる。
空気ポンプを製造するための本発明による方法では、前記少なくとも1つのファン車が電動モータの軸に装着された後に、電動モータが既に組み込まれた状態で、ファン車におけるバランス調整と、ファン車から軸方向の間隔を置いて配置されたバランス平面における付加的なバランス調整とによって空気ポンプがバランスされる。
本発明の有利な改良形および実施例は、請求項2以下に記載の特徴により可能となる。
本発明による電気的に駆動される空気ポンプは、電動モータの駆動軸の、ポンプ装置とは反対の側の端部の範囲にバランスディスクを有していると有利である。
電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法では、材料除去、たとえばファン車もしくはバランスディスクにおける純然たる機械的な材料除去により空気ポンプをバランス調整することができる。本発明による空気ポンプのバランスディスクは少なくとも部分的に金属から成っていると有利である。この金属は機械的な除去(いわゆる「かじり取り」)によってその質量が低減され得るので、バランスディスクの慣性モーメントもしくはファン車の慣性モーメントをバランス調整過程の要件に適合させることができる。
著しく高められたバランス調整度を達成するためには、バランスディスクが電動モータの軸の、ポンプ装置とは反対の側に取り付けられている。こうして、両バランス平面は互いに大きな軸方向相互間隔を有する。
空気ポンプの電動モータは弾性的な手段によってポンプハウジングから振動技術的に分離されている。このことは、ポンプハウジングへ伝達される駆動モータの振動の一層の低減をもたらす。電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法では、空気ポンプのバランス調整時におけるバランス回転数および/またはバランス取付け部の形式が分離手段の固有周波数もしくは固有振動数を考慮して選択される。典型的には、本発明による空気ポンプが分離手段の共振周波数もしくは共振振動数よりも著しく低い回転数範囲でバランス調整される。こうして、電動モータとポンプハウジングとの間の弾性的な結合手段の、空気ポンプの運転特性に対する影響を最小限に抑えることが可能となる。
電動モータを支持するための弾性的な手段はさらに、空気ポンプのポンプ装置がモータ部分に対してシールされるように形成されている。したがって、弾性的な手段は軸方向で互いに間隔を置いて配置された2つのエラストマリングの形に形成されていると有利である。ファン側のエラストマリングは本発明による空気ポンプの有利な1構成ではシールリップを有しており、このシールリップはモータ部分に対して空気ポンプのポンプ装置をシールする。
少なくとも1つのエラストマリングが駆動モータのトルク支持のための手段を有していてよいので、モータは特にその始動段階において確実に位置固定されている。
本発明による電気的に駆動される空気ポンプの別の有利な構成では、前記エラストマリングがそれぞれ駆動モータのポールハウジングと当該空気ポンプのポンプハウジングとの間に配置されている。特に有利な構成では、前記エラストマリングが駆動モータのポールハウジングの軸方向の端面に配置されている。エラストマリングはこの場合、軸方向・半径方向支持リングとして形成されているので、電動モータは軸方向でも半径方向でも、弾性的な支持手段によって位置固定される。
本発明による電気的に駆動される空気ポンプは、ファン車側のカバーと、モータ側のカバーとを有するハウジングを有している。電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法では、こうして、まだ組み付けられていないカバーを除いて完全に組み立てられた空気ポンプを、2つの平面で完全な形でバランス調整することができる。たとえばポンプハウジング内への電動モータの組込みによってしか生ぜしめられないアンバランスも、こうして実現された完全バランス調整により十分に取り除くことができる。機械的な分離エレメントから生ぜしめられ得る空気ポンプの運転品質におけるばらつきは、本発明による製造方法によって最小限に抑えられ得る。本発明による方法では、バランス調整過程の終了後にファン車側のカバーとモータ側のカバーとの装着によってポンプハウジングが完全な形に整えられて閉鎖される。
電気的に駆動される空気ポンプを製造するための前記方法により、2つの平面における完全バランス調整に基づき極めて高い運転静寂性を保証する空気ポンプが提供される。電動モータの機械的な分離と、組み立てられた状態で実施される、2つの平面における付加的な完全バランス調整とにより達成される著しい固体伝播音遮断に基づき、ボディ取付けのための手間のかかる分離手段なしでも本発明による空気ポンプを使用することが可能となる。
本発明による方法もしくは本発明による空気ポンプのさらに別の利点は、以下の図面ならびに対応する本発明による空気ポンプの実施例の説明から明らかとなる。
図面
図面には、燃焼空気を圧縮するための本発明による電気的に駆動される空気ポンプの1実施例が図示されている。以下に、この空気ポンプならびにこのような空気ポンプを製造するための方法について詳しく説明する。図面、図面の説明ならびに対応する特許請求の範囲には、多数の特徴の組み合わせが含まれている。当業者であれば、これらの特徴は個々に単独に考察し、かつ別の好都合な組合せにまとめることもできる。
図1は、本発明による電気的に駆動される空気ポンプを、組み立てられた状態で示す縦断面図であり、
図2は、図1に示した本発明による空気ポンプを、ファン側およびモータ側に設けられたカバーを取り除いた状態で示す縦断面図である。
図1には、本発明による電気的に駆動される空気ポンプ10の1実施例を、空気ポンプ10が組み立てられた状態で示す縦断面図が示されている。空気ポンプ10はポンプ部分11と駆動部分またはモータ部分15とを有しており、このポンプ部分11と駆動部分またはモータ部分15とは、ハウジング12によって取り囲まれている。ポンプ部分11は主としてポンプ装置13と、圧送したい空気のための相応する流入開口および流出開口とから成っている。ポンプハウジング12は図1に示した実施例では主として3つの部分から形成されている。空気ポンプ10を駆動する電動モータ16を取り囲んでいる中央のハウジング部分14の他に、ハウジング12はポンプ装置側のカバー20と、駆動モータ側のカバー22とを有している。ポンプ装置側のカバー20は中央の開口44を有しており、圧縮したい空気はこの開口44を通じて吸い込まれる。本発明による空気ポンプ10のハウジング12はプラスチックから製作されていると有利である。
本発明による空気ポンプ10の中央のハウジング部分14には、駆動用の電動モータ16が導入されている。この電動モータ16は図1に示した実施例では、インナロータ式モータ(Innenlaeufer)として形成されていて、少なくとも1つのロータ19と、このロータ19を取り囲むステータ21とを有している。ステータ21は図1に示した本発明による空気ポンプ10の実施例では、磁石25により実現されている。電動モータ16のモータハウジング17はモータのフィールドフレームもしくはポールハウジング30により形成される。しかし、本発明による空気ポンプのためには、本実施例で示したインナロータ式モータとは異なるモータタイプも考えられる。電動モータ16は軸23を介して、空気を圧縮するためにポンプ装置13を駆動する。
電動モータ16は弾性的な手段24によって空気ポンプ10のハウジング12から分離されている。図1に示した実施例では、振動減衰のためにエラストマリング26;28が使用される。エラストマリング26;28は電動モータ16のポールハウジング30の両端面に、ポールハウジング30とポンプハウジング12との間で配置されている。エラストマリング26;28は、電動モータ16の半径方向の支持も軸方向の支持もポンプハウジング内で行われるように加工成形されて導入されている。モータ側の分離部を成すエラストマリング28はその形状付与の点で、ハウジングにおける電動モータ16のトルク支持が与えられるように形成される。トルク支持は当然ながら、ポンプ装置側のエラストマリング26または両エラストマリングに形成されていてもよい。さらに、特にポンプ装置側のエラストマリング26はシールリップ27を有しており、このシールリップ27の働きにより、弾性的な手段24は本発明による空気ポンプ10の回転スムーズさもしくは回転静寂性を改善するために、本発明による空気ポンプ10のモータ部分15とポンプ装置13との間のシールエレメントとしても働くようになる。ポンプ装置側のエラストマリング26は駆動用の電動モータ16の、ポンプ装置13に向けられたエンドシールド32の範囲に配置されていると有利である。
分離のためのエラストマリング26;28を備えた電動モータ16がポンプハウジング12内に組み付けられた後に、モータハウジング17の、ポンプ装置13とは反対の側に保持カバー34が取り付けられる。この保持カバー34はエラストマリング28に押圧されて、ポンプハウジング12の中央のハウジング部分14と係止される。こうして、電動モータ16は軸方向で位置固定される。
本発明による空気ポンプ10の駆動モータである電動モータ16の軸23は、モータハウジング17の両軸方向端部においてこのモータハウジング17から導出されている。この軸23は図1で見て右側にポンプ装置13のインペラもしくは回転車36;38を支持している。本発明の図1に示した実施例による空気ポンプ10のポンプ装置13は、2段式に形成されている。ポンプ装置13の両回転車36,38の間には、案内車40が配置されている。この案内車40は空気ポンプ10のハウジング12に固く結合可能である。案内車40は複数の通路42の形の構造を有している。これらの通路42の働きにより、第1の回転車36から半径方向外側へ向かって圧送された空気は第1の回転車36の外側の範囲から第2の回転車38の内側の回転車範囲へ圧送されるようになるので、吸い込まれた空気の効果的な2段式圧縮を行うことができる。第2の回転車38により半径方向外側へ案内された圧縮された空気は、空気ポンプ10のハウジング12の周方向に延びる環状の空気案内通路18内へ圧送される。この空気案内通路18の直径はポンプハウジング12の周方向で増大している。この空気案内通路18(渦形)は、図1には図示されていない空気ポンプ10の吐出側の接続部に通じている。
本発明による空気ポンプ10は2段式のポンプ装置13に限定されるものではない。より多くのポンプ段あるいはまた、より少ないポンプ段も、当然ながら本発明による空気ポンプにおいて使用され得る。2段よりも多い多段式のポンプ装置の場合、それぞれ別の回転車には別の案内車が対応しており、この案内車は前置された回転車の、半径方向外側へ圧送された空気を、後置された回転車の、半径方向内側に位置する範囲へ圧送する。
ポンプ装置側のカバー20は、その内側に、つまりポンプ装置13の第1の回転車36に面した側に、第1の回転車36を介して圧縮された空気の、ポンプ装置13の吸込範囲への逆流を阻止する構造体47が形成されるように設計されている。
空気ポンプ10のハウジングは、ポンプ装置側でカバー20により閉鎖される。このカバー20は、圧縮したい空気を吸い込むための中央の開口44を有している。ポンプハウジング12のカバー20に設けられた中央の開口44は、図1の実施例では管片46として形成されている。この管片46により、相応する接続手段、たとえばホースを、本発明による空気ポンプ10に迅速にかつ容易に取り付けることが可能になる。
ポンプハウジング12と、ポンプ装置13の案内車40と、ポンプ装置側のカバー20とは、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法の終了時に互いに結合される。結合技術としては、当業者にとって知られているあらゆる技術が使用可能である。
モータハウジング17の、ポンプ装置13とは反対の側でも、電動モータ16の駆動軸23は、対応する軸受け48を超えてモータハウジング17から導出されている。駆動軸23の、ポンプ装置13とは反対の側の端部の範囲では、電動モータ16の駆動軸23にバランスディスク50が装着されている。このバランスディスク50は駆動軸23に相対回動不能に結合されている。このバランスディスク50は金属、たとえば金属薄板から製作されていてよく、典型的には駆動モータもしくは電動モータ16のロータ19の直径よりも小さな直径を有している。バランスディスク50は当業者に知られている固定方法により、駆動軸23に相対回動不能に結合されている。バランスディスク50には、本発明による空気ポンプ10のアンバランスを補償するためにバランスマークが、たとえば材料除去によりセットされ得る。本発明による空気ポンプ10のハウジング12の、ポンプ装置13とは反対の側の端部は、空気ポンプ10の組立てが行われた後にカバー22によって閉鎖される。
電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法では、組み付けられた駆動モータもしくは電動モータ16にまず、分離リングもしくはエラストマリング26;28が装備される。電動モータ16自体は既に予めバランスされていてよいので、たとえばモータ軸もしくはロータあるいはまたモータのアーマチュアにおける材料除去または材料被覆によって第1のバランス過程が実施される。択一的には、電動モータ16自体の予バランス調整を不要にすることができるので、この場合には、組み付けられた電動モータ16と、組み付けられたポンプ車もしくは回転車36;38とを備えた空気ポンプ10のバランス調整(なお詳しく説明する)を実施するだけで済む。前組付けされた電動モータ16はポンプハウジング12の、ポンプ装置13とは反対の側の開口52を通じてポンプハウジング12内へ導入されて、ハウジングでの保持カバー34の係止によって軸方向および半径方向で位置固定される。このときに保持カバー34の係止は、エラストマリング26;28がある程度のプレロードもしくは予荷重をかけられてポンプハウジング12の内面に向かって押圧されるように設定され得る。引き続き、回転車38と、案内車40と、回転車36とが電動モータ16の駆動軸23のポンプ装置側の端部に装着される。
本発明によれば、電気的に駆動される空気ポンプ10を製造するための方法では、電動モータ16が組み込まれた状態で、かつポンプ装置13が組み付けられた状態で空気ポンプがバランスされる。
図2には、バランス調整のために、たとえばバランシングマシンに挿入されるような、組み込まれた電動モータ16と、組み付けられたポンプ装置13とを備えた本発明による空気ポンプが示されている。バランス過程は空気ポンプ10の駆動軸23に対してほぼ直角に配置された2つのバランス平面A;Bにおいて順次にもしくは平行に実施される。バランス平面Aは、駆動軸23の、ポンプ装置13とは反対の側の端部に設けられたバランスディスク50により形成される。第2のバランス平面Bは図2の実施例では、本発明による空気ポンプ10のポンプ装置13の回転車36のカバーディスク54により形成される。しかし択一的には、バランス平面Bが回転車36のベースディスク56と合致していてもよい。
本発明による空気ポンプ10は、一方または両方のバランス平面におけるバランスマークのセッティングによりバランスされると有利である。このためには、たとえばバランスディスク50もしくはカバーディスク54から材料を切削によりいわば「かじり取る」ことができる。バランス回転数およびチャック等のバランス取付け部(Wuchtaufnahme)の形式は、弾性的な手段24による電動モータ16の分離部の固有振動数を考慮して選択されている。特に、分離手段である弾性的な手段24の固有振動数の回転数範囲における本発明による空気ポンプ10のバランス調整は問題外である。
高強度の光線ビームもしくはレーザビームを用いた蒸発除去による材料除去は、本発明による方法においてバランスマークをセットするための、考えられ得る別の方法である。さらに、特にファン車もしくはバランスディスクにおける接着剤点の付与によりバランスマークを実現することも可能である。
バランス調整が行われた後に、駆動モータ側のカバー22およびポンプ装置側のカバー20の組付けによってポンプハウジング12が完全な形に整えられる。ポンプ装置側のカバー20の組付け時に、案内車40は軸方向および半径方向でハウジング部分14とカバー20との間に位置固定されるので、この案内車40は回動防止されている。たとえば、案内車40の外周面58を、ポンプハウジング12の中央のハウジング部分14に設けられた、対応する切欠き60もしくはポンプ装置側のカバー20に設けられた切欠き62内に嵌め込んで、カバー20の組付けにより締付け固定することができる。ポンプハウジング12を完成させるカバー20;22を固定するためには、多数の手段が当業者に提供されている。可能となる固定手段としては、たとえばクランプ締結、ねじ締結、リベット締結、接着、超音波溶接もしくは摩擦溶接が挙げられる。
空気ポンプが既に十分に組み立てられた状態で2つの平面で、いわば完全な形でブロワバランス調整が行われることに基づき、本発明による空気ポンプ10の回転スムーズさもしくは回転静寂性の著しい改善が得られる。特に組み込まれた駆動モータの結合効果によってしか生ぜしめられないアンバランス、ならびに弾性的な手段による電動モータの機械的な分離に基づいて生じる振動がトータル的に補正され得るので、振動および運転ノイズに関する個々の製品のばらつきが狭い範囲内に保持され得る。このことは、本発明による空気ポンプがボディ組込みのための手間のかかる分離手段なしに使用され得るという利点をもたらす。
本発明による空気ポンプは図示の実施例に限定されるものではない。
特に、本発明による空気ポンプは2段式のポンプ装置の使用に限定されるものではない。
電気的に駆動される空気ポンプを製造するための本発明による方法は、ファン車もしくはバランスディスクにおける機械的な材料除去に限定されるものではない。バランス質量体の付与の他に、たとえばバランス品質を改善するための材料の溶融除去、特に光学的に誘導される溶融除去も考えられる。
本発明による電気的に駆動される空気ポンプを、組み立てられた状態で示す縦断面図である。 図1に示した本発明による空気ポンプを、ファン側およびモータ側に設けられたカバーを取り除いた状態で示す縦断面図である。

Claims (19)

  1. 空気ポンプ(10)のハウジング(12)内に、少なくとも1つのファン車(36,38)を備えたポンプ装置(13)と、該ファン車(36,38)を駆動する電動モータ(16)とが配置されている、電気的に駆動される空気ポンプ(10)を製造するための方法、特に内燃機関を備えた自動車に用いられる二次空気ポンプ(10)を製造するための方法において、空気ポンプ(10)を、ハウジング(12)内に組み込まれた電動モータ(16)と共に、軸方向で互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つの平面(A,B)でのバランス調整によりバランスすることを特徴とする、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  2. 前記ファン車(36,38)を前記電動モータ(16)の軸(23)へ装着した後に、前記電動モータ(16)が組み込まれた状態で、1つのファン車(36,38)におけるバランス調整と、該ファン車(36,38)から軸方向の間隔を置いて配置されたバランスディスク(50)におけるバランス調整とによって空気ポンプ(10)をバランスする、請求項1記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  3. 空気ポンプ(10)を、少なくとも1つのファン車(36,38)における材料除去および/または前記バランスディスク(50)における材料除去によりバランスする、請求項2記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  4. 前記バランスディスク(50)を、前記電動モータ(16)の軸(23)の、ポンプ装置(13)とは反対の側に取り付ける、請求項1、2または3記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  5. 前記電動モータ(16)を弾性的な手段(24)によってポンプハウジング(12)から分離する、請求項1から4までのいずれか1項記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  6. 空気ポンプ(10)のバランス調整時におけるバランス回転数および/またはバランス取付け部の形式を、分離手段(24)の固有振動数を考慮して選択する、請求項5記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  7. 空気ポンプ(10)のバランス調整の後に、ポンプハウジング(12)をファン車側のカバー(20)とモータ側のカバー(22)とによって閉鎖する、請求項1から6までのいずれか1項記載の、電気的に駆動される空気ポンプを製造するための方法。
  8. 電気的に駆動される空気ポンプ(10)、特に内燃機関を備えた自動車に用いられる二次空気ポンプ(10)であって、ハウジング(12)と、該ハウジング(12)内に組み込まれた電動モータ(16)とが設けられており、該電動モータ(16)が弾性的な手段(24)によってポンプハウジング(12)内に支持されており、さらにポンプ装置(13)が設けられており、該ポンプ装置(13)が、前記電動モータ(16)の軸(23)に固定された少なくとも1つのファン車(36,38)を備えている形式のものにおいて、前記電動モータ(16)の駆動軸(23)の、ポンプ装置(13)とは反対の側の端部の範囲に、バランスディスク(50)が配置されていることを特徴とする、電気的に駆動される空気ポンプ。
  9. バランスディスク(50)が少なくとも部分的に金属から成っている、請求項8記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  10. バランスディスク(50)がモータハウジング(17,30)の外部で、前記駆動モータ(16)の軸(23)に装着配置されている、請求項8または9記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  11. バランスディスク(50)の直径が、前記電動モータ(16)のロータ(19)の直径よりも小さく形成されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  12. 前記電動モータ(16)を支持するための弾性的な手段(24)が、当該空気ポンプ(10)のポンプ装置(13)をモータ部分(15)に対してシールしている、請求項8から11までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  13. 前記電動モータ(16)を支持するための弾性的な手段(24)が、軸方向で互いに間隔を置いて配置された2つのエラストマリング(26,28)の形に形成されている、請求項8から12までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  14. 前記エラストマリング(26,28)が、それぞれ前記駆動モータ(16)のポールハウジング(30)と、当該空気ポンプ(10)のポンプハウジング(12)との間に配置されている、請求項13記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  15. 前記エラストマリング(26,28)が、前記駆動モータ(16)のポールハウジング(30)の端面に配置されている、請求項13または14記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  16. 前記エラストマリング(26,28)が、軸方向−半径方向支持リングとして形成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  17. ファン車側のエラストマリング(26)にシールリップ(27)が形成されている、請求項13から16までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  18. 少なくとも一方のエラストマリング(26,28)に、前記駆動モータ(16)のトルク支持のための手段が形成されている、請求項13から17までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
  19. ポンプハウジング(12)が、ファン車側のカバー(20)と、モータ側のカバー(22)とを有している、請求項8から18までのいずれか1項記載の電気的に駆動される空気ポンプ。
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