JP2006503985A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】内部トラフを有する電解槽
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に積層配置され且つ電気接触をなす複数の板状で且つそれぞれ1つの膜を含む電解槽を有し、アルカリ・ハロゲン化物水溶液からハロゲン・ガスを製造するための電解装置であって、前記電解槽はそれぞれ導電性材料の2つの半外殻体からなるハウジングを有し、前記半外殻体は少なくとも1つのハウジング後壁に外側接触部材を備え、この場合、前記ハウジングは、電解電流及び電解反応物を供給するための装置と、電解電流及び電解生成物を放出するための装置と、正規運転の間にガスを発生させるアノード電極及びカソード電極と、生成ガスのための排出口とを有する電解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電解槽は既知であり、例として、総括的な従来技術に関して独国特許出願公開第19641125号の文献が挙げられる。このタイプの装置は上方戻り領域内において十分なガス分離を提供し、これは電解膜まで伸長する導電薄板により達成され、導電薄板はさらに電解運転の間において電解膜に完全な湿潤化を提供する。しかしながら、運転中止時においては、このような湿潤化を維持することが困難な場合がある。
【0003】
通常の被覆部(以下において「コーティング」と呼ばれる)を保護するために、電解槽は、停止中、即ち始動時、休止時、運転中止時又は故障時において分極されてもよい。これは、特に、運転を開始するために電解槽が充満され且つ加熱される場合である。槽の電解運転が休止されたときもまた、アノード電極液が塩素フリーの状態となるまで及び十分に冷却されるまで分極が維持されるべきである。
【0004】
ここで、槽の上部領域内に電解膜が完全に湿潤化されていないところが存在する場合に、独国特許出願公開第19641125号の文献による個別要素技術において、半外殻体内の液面レベルは直立管のオーバフロー用縁部により決定される。分極電流は任意に選択されてはならず、所定の値を超えていなければならない。
【0005】
低温状態においては、直立管の材料即ち金属又はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びその切断角に応じてそれぞれ、頂部領域内に20mmの高さ以上のガス領域が発生可能である。調査の結果、電解槽内に使用されている電解膜は気密性がなく、分子サイズの関数としての拡散率を有し、拡散率はアノード電極室とカソード電極室との間に作用している差圧には無関係であることがわかっている。水素ガスはカソード電極側に形成され、また電流密度の関数としてアノード電極側に塩素ガス乃至酸素ガスが形成されるので、水素ガスは明らかに小さいその分子サイズに基づいてアノード電極室内に拡散する。ここで、塩素/水素混合物乃至酸素/水素混合物に対する爆発限界を確実に下回るように、分極が印加されたときにアノード電極側に多量のガスが発生されなければならない。酸素乃至塩素において設定されるべきこのガス発生は分極電流及びガス室の電解膜表面積に対して線形関数である。例えば、独国特許出願公開第19641125号の文献に記載のような電解装置に対しては、PTFE直立管を用い、且つ電解槽が高温のときに20mmの高さのガス室を有し、乃至電解槽が低温のときに30mmの高さのガス室を有するとき、約28アンペアの分極電流が得られる。
【特許文献1】独国特許出願公開第19641125号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記の欠点をもはや有することのない、これにより、より少ない分極電流を必要とする装置を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電解槽に組み込まれる組込構造物により液面レベルが著しく上昇され且つ残存ガス領域の容積が最小にされ、これにより分極のために必要な最小電流が低下可能であることによりこの課題を解決する。この場合、槽要素が膜に関して完全に湿潤化可能であるので、要素が湿潤化されているとき、したがって電解膜において水素ガス空間が存在しないとき、分極のために必要な最小電流は流れていなくても分極可能である。
【0008】
本発明による装置は、本来の電解室内の組込構造物から構成され、これにより組込構造物は気液混合物の水力学及び動力学に対する機能をも有している。この組込構造物は、
・組込構造物はトラフ(溝、樋)を形成し、当該トラフは、一方で電解膜に平行に且つ他方で水平に配置されて伸長し、
・前記トラフと電解膜との間に中間室が配置され、
・前記トラフと電解室の上部との間に、その少なくとも一部が前記電解膜の上部に位置する中間室が配置され、
・前記トラフは、当該トラフと前記電解室の上部との間に形成されている中間室への少なくとも1つの開口を有し、及び
・前記トラフは少なくとも1つの排出口を設けている、
ことを特徴とする。前記トラフは、アノード電極側に、又はカソード電極側に、又はアノード電極側のみならずカソード電極側にも配置されてもよく、またガスのような流体をオーバフローさせる働きをする。前記トラフは、さらに、槽の全幅にわたり形成されても、入口乃至出口の領域のみにわたり形成されても、又はそれらの間の任意の領域にわたり形成されていてもよい。
【0009】
本発明の特定の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室が好ましくは2乃至3mmの隙間幅を有する隙間として形成されている。特に好ましい実施形態においては、この隙間が、水平面に対して、電解膜から見て外方へ上昇するように配置されている。隙間が可変隙の間幅を有してもよく、この場合、境界面が、直線状、波形状又はアーチ形状に形成されてもよい。
【0010】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室に穿孔板を設け、この場合、前記穿孔板が電解膜に平行に又は電解膜に対して僅かに傾斜して配置され、これにより孔はオリフィスとして働く。
【0011】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室に管の束を設け、この場合、管の軸が中間室の平面内に位置する。この場合、管は必ずしも円形である必要はなく、蜂の巣状型モデルから形成されていてもよい。この形態は特に剛性が大きいという利点を有している。
【0012】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室内に、ビード(ビーズ、玉)、ウェブ、ネップ(節玉、疣状の突起)又はその他のスペーサが装着され、これらは中間室の形状を固定し且つ所定の流動特性を確実に設定するように働く。
【0013】
本発明の他の形態においては、トラフ、供給口、排出口並びに付属サポートを形成する部材には、それらを防食するために、それらの少なくとも一部にコーティングが設けられている。
【0014】
本発明の利点は、トラフの下部領域がガスの前分離機能をも行い、この前分離機能は排出を安定化させ且つ場合により発生する脈動を弱め又はさらに完全に阻止することにある。
【0015】
トラフに欠陥が発生した場合、トラフは槽内部に密封されている組込構造物であるので、電解槽の運転がこれにより必ずしも危険となることはなく、このことは本発明の他の利点である。
【0016】
本発明による装置は既存の装置内へ組込構造物としてあとから装着可能であり、このことは本発明の他の利点である。
さらに、本発明による装置は、カソード電極後壁及びアノード電極後壁の形状に対して特定の要求を設定せず、したがって、カソード電極後壁及びアノード電極後壁は、直線に、アーチ形に又は斜めに上昇されてもよいという利点を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明を1つの例により説明する。図1にアノード電極側のみならずカソード電極側にも装着されている本発明によるトラフを有する電解槽の上部部分の断面図が示されている。
電解槽の2つの半外殻体がアノード電極後壁1及びカソード電極後壁2により形成され且つ締付結合部材3により突き合わせ保持される。ここには示されていない支持又は保持要素により、ブラインド状(羽根板状、ルーバー状)に形成されているアノード電極4及びカソード電極5が電解槽内のほぼ中央に装着され、電極4及び5の間に電解膜6が配置されている。
【0018】
アノード電極側にトラフ7が示され、当該トラフ7は、構造的に、曲げられた薄板8により形成されている。ブラインド状に形成されているアノード電極4において発生された塩素ガスは、電解液と共に、トラフ7を形成する薄板8と電極4との間の中間室9内に泡として流入する。気泡の主要部分はトラフ7の下側で破壊され且つ前分離されて中間室9及び隙間10を介してトラフ7内に流入する。
【0019】
停止の場合、液面レベルが隙間10の上縁11の高さまで到達するように、槽内に多量の液体があとから流入される。これにより、電解膜6はアノード電極側で完全に湿潤化され且つ水素がカソード電極側からアノード電極側へほとんど拡散可能とならない。
【0020】
カソード電極側にトラフ12が示され、当該トラフ12は、構造的に、曲げられた薄板13により形成されている。平滑なカソード電極5において発生された水素ガスは、電解液と共に、トラフ12を形成する薄板13と電極5との間の中間室14内に泡として流入する。気泡の主要部分はトラフ12の下側で破壊され且つ前分離されて中間室14及び隙間15を介してトラフ12内に流入する。
【0021】
停止の場合、液面レベルが隙間15の上縁16高さまで到達するように、槽内に多量の液体があとから流入される。これにより、電解膜6はカソード電極側で完全に湿潤化され且つ水素がカソード電極側からアノード電極側へ拡散可能とならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 アノード電極側のみならずカソード電極側にも装着されている本発明によるトラフを有する電解槽の上部部分の断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 アノード電極後壁
2 カソード電極後壁
3 結合部材
4 アノード電極
5 カソード電極
6 電解膜
7 トラフ
8 薄板
9 中間室
10 隙間
11 上縁
12 トラフ
13 薄板
14 中間室
15 隙間
16 上縁
【発明の名称】内部トラフを有する電解槽
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に積層配置され且つ電気接触をなす複数の板状で且つそれぞれ1つの膜を含む電解槽を有し、アルカリ・ハロゲン化物水溶液からハロゲン・ガスを製造するための電解装置であって、前記電解槽はそれぞれ導電性材料の2つの半外殻体からなるハウジングを有し、前記半外殻体は少なくとも1つのハウジング後壁に外側接触部材を備え、この場合、前記ハウジングは、電解電流及び電解反応物を供給するための装置と、電解電流及び電解生成物を放出するための装置と、正規運転の間にガスを発生させるアノード電極及びカソード電極と、生成ガスのための排出口とを有する電解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電解槽は既知であり、例として、総括的な従来技術に関して独国特許出願公開第19641125号の文献が挙げられる。このタイプの装置は上方戻り領域内において十分なガス分離を提供し、これは電解膜まで伸長する導電薄板により達成され、導電薄板はさらに電解運転の間において電解膜に完全な湿潤化を提供する。しかしながら、運転中止時においては、このような湿潤化を維持することが困難な場合がある。
【0003】
通常の被覆部(以下において「コーティング」と呼ばれる)を保護するために、電解槽は、停止中、即ち始動時、休止時、運転中止時又は故障時において分極されてもよい。これは、特に、運転を開始するために電解槽が充満され且つ加熱される場合である。槽の電解運転が休止されたときもまた、アノード電極液が塩素フリーの状態となるまで及び十分に冷却されるまで分極が維持されるべきである。
【0004】
ここで、槽の上部領域内に電解膜が完全に湿潤化されていないところが存在する場合に、独国特許出願公開第19641125号の文献による個別要素技術において、半外殻体内の液面レベルは直立管のオーバフロー用縁部により決定される。分極電流は任意に選択されてはならず、所定の値を超えていなければならない。
【0005】
低温状態においては、直立管の材料即ち金属又はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びその切断角に応じてそれぞれ、頂部領域内に20mmの高さ以上のガス領域が発生可能である。調査の結果、電解槽内に使用されている電解膜は気密性がなく、分子サイズの関数としての拡散率を有し、拡散率はアノード電極室とカソード電極室との間に作用している差圧には無関係であることがわかっている。水素ガスはカソード電極側に形成され、また電流密度の関数としてアノード電極側に塩素ガス乃至酸素ガスが形成されるので、水素ガスは明らかに小さいその分子サイズに基づいてアノード電極室内に拡散する。ここで、塩素/水素混合物乃至酸素/水素混合物に対する爆発限界を確実に下回るように、分極が印加されたときにアノード電極側に多量のガスが発生されなければならない。酸素乃至塩素において設定されるべきこのガス発生は分極電流及びガス室の電解膜表面積に対して線形関数である。例えば、独国特許出願公開第19641125号の文献に記載のような電解装置に対しては、PTFE直立管を用い、且つ電解槽が高温のときに20mmの高さのガス室を有し、乃至電解槽が低温のときに30mmの高さのガス室を有するとき、約28アンペアの分極電流が得られる。
【特許文献1】独国特許出願公開第19641125号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記の欠点をもはや有することのない、これにより、より少ない分極電流を必要とする装置を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電解槽に組み込まれる組込構造物により液面レベルが著しく上昇され且つ残存ガス領域の容積が最小にされ、これにより分極のために必要な最小電流が低下可能であることによりこの課題を解決する。この場合、槽要素が膜に関して完全に湿潤化可能であるので、要素が湿潤化されているとき、したがって電解膜において水素ガス空間が存在しないとき、分極のために必要な最小電流は流れていなくても分極可能である。
【0008】
本発明による装置は、本来の電解室内の組込構造物から構成され、これにより組込構造物は気液混合物の水力学及び動力学に対する機能をも有している。この組込構造物は、
・組込構造物はトラフ(溝、樋)を形成し、当該トラフは、一方で電解膜に平行に且つ他方で水平に配置されて伸長し、
・前記トラフと電解膜との間に中間室が配置され、
・前記トラフと電解室の上部との間に、その少なくとも一部が前記電解膜の上部に位置する中間室が配置され、
・前記トラフは、当該トラフと前記電解室の上部との間に形成されている中間室への少なくとも1つの開口を有し、及び
・前記トラフは少なくとも1つの排出口を設けている、
ことを特徴とする。前記トラフは、アノード電極側に、又はカソード電極側に、又はアノード電極側のみならずカソード電極側にも配置されてもよく、またガスのような流体をオーバフローさせる働きをする。前記トラフは、さらに、槽の全幅にわたり形成されても、入口乃至出口の領域のみにわたり形成されても、又はそれらの間の任意の領域にわたり形成されていてもよい。
【0009】
本発明の特定の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室が好ましくは2乃至3mmの隙間幅を有する隙間として形成されている。特に好ましい実施形態においては、この隙間が、水平面に対して、電解膜から見て外方へ上昇するように配置されている。隙間が可変隙の間幅を有してもよく、この場合、境界面が、直線状、波形状又はアーチ形状に形成されてもよい。
【0010】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室に穿孔板を設け、この場合、前記穿孔板が電解膜に平行に又は電解膜に対して僅かに傾斜して配置され、これにより孔はオリフィスとして働く。
【0011】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室に管の束を設け、この場合、管の軸が中間室の平面内に位置する。この場合、管は必ずしも円形である必要はなく、蜂の巣状型モデルから形成されていてもよい。この形態は特に剛性が大きいという利点を有している。
【0012】
本発明の他の形態においては、トラフと電解室の上部との間の中間室内に、ビード(ビーズ、玉)、ウェブ、ネップ(節玉、疣状の突起)又はその他のスペーサが装着され、これらは中間室の形状を固定し且つ所定の流動特性を確実に設定するように働く。
【0013】
本発明の他の形態においては、トラフ、供給口、排出口並びに付属サポートを形成する部材には、それらを防食するために、それらの少なくとも一部にコーティングが設けられている。
【0014】
本発明の利点は、トラフの下部領域がガスの前分離機能をも行い、この前分離機能は排出を安定化させ且つ場合により発生する脈動を弱め又はさらに完全に阻止することにある。
【0015】
トラフに欠陥が発生した場合、トラフは槽内部に密封されている組込構造物であるので、電解槽の運転がこれにより必ずしも危険となることはなく、このことは本発明の他の利点である。
【0016】
本発明による装置は既存の装置内へ組込構造物としてあとから装着可能であり、このことは本発明の他の利点である。
さらに、本発明による装置は、カソード電極後壁及びアノード電極後壁の形状に対して特定の要求を設定せず、したがって、カソード電極後壁及びアノード電極後壁は、直線に、アーチ形に又は斜めに上昇されてもよいという利点を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明を1つの例により説明する。図1にアノード電極側のみならずカソード電極側にも装着されている本発明によるトラフを有する電解槽の上部部分の断面図が示されている。
電解槽の2つの半外殻体がアノード電極後壁1及びカソード電極後壁2により形成され且つ締付結合部材3により突き合わせ保持される。ここには示されていない支持又は保持要素により、ブラインド状(羽根板状、ルーバー状)に形成されているアノード電極4及びカソード電極5が電解槽内のほぼ中央に装着され、電極4及び5の間に電解膜6が配置されている。
【0018】
アノード電極側にトラフ7が示され、当該トラフ7は、構造的に、曲げられた薄板8により形成されている。ブラインド状に形成されているアノード電極4において発生された塩素ガスは、電解液と共に、トラフ7を形成する薄板8と電極4との間の中間室9内に泡として流入する。気泡の主要部分はトラフ7の下側で破壊され且つ前分離されて中間室9及び隙間10を介してトラフ7内に流入する。
【0019】
停止の場合、液面レベルが隙間10の上縁11の高さまで到達するように、槽内に多量の液体があとから流入される。これにより、電解膜6はアノード電極側で完全に湿潤化され且つ水素がカソード電極側からアノード電極側へほとんど拡散可能とならない。
【0020】
カソード電極側にトラフ12が示され、当該トラフ12は、構造的に、曲げられた薄板13により形成されている。平滑なカソード電極5において発生された水素ガスは、電解液と共に、トラフ12を形成する薄板13と電極5との間の中間室14内に泡として流入する。気泡の主要部分はトラフ12の下側で破壊され且つ前分離されて中間室14及び隙間15を介してトラフ12内に流入する。
【0021】
停止の場合、液面レベルが隙間15の上縁16高さまで到達するように、槽内に多量の液体があとから流入される。これにより、電解膜6はカソード電極側で完全に湿潤化され且つ水素がカソード電極側からアノード電極側へ拡散可能とならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 アノード電極側のみならずカソード電極側にも装着されている本発明によるトラフを有する電解槽の上部部分の断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 アノード電極後壁
2 カソード電極後壁
3 結合部材
4 アノード電極
5 カソード電極
6 電解膜
7 トラフ
8 薄板
9 中間室
10 隙間
11 上縁
12 トラフ
13 薄板
14 中間室
15 隙間
16 上縁
Claims (11)
- ハロゲン・ガスを製造するための電解槽であって、
導電性材料製の2つの半外殻体のハウジングと、
アノード及びカソード電極(4,5)であって、当該アノード及びカソード電極の間に配置される電解膜(6)を備えるアノード及びカソード電極と、
前記電解膜(6)の上縁を超える液面レベルへの定められた上昇を許容する組込構造物を備える、前記半外殻体の少なくとも1つであって、前記組込構造物は、第1中間室(9,14)によって、前記電解膜(6)に平行で且つ当該電解膜から離間する1つの主表面を有する内部のトラフ(7)を形成する、前記半外殻体の少なくとも1つと、
前記電解膜(6)から見て水平面に対して外方且つ上昇するように傾斜し、前記トラフ(7)と前記少なくとも1つの半外殻体の上部との間に配置される、第2中間室(10,15)であって、前記トラフ(7)は、前記第2中間室(10,15)及び少なくとも1つの排出口に連通する少なくとも1つの開口を有する、第2中間室とを備える、電解槽。 - 請求項1に記載の電解槽において、前記第2中間室(10,15)の最も高い点は、前記電解膜(6)の前記上縁より上に位置する、電解槽。
- 請求項1又は2に記載の電解槽において、前記トラフ(7)は水平に配置されている、電解槽。
- 前記請求項の何れか一項に記載の電解槽において、前記第2中間室(10,15)は、2乃至3mmの幅の隙間として与えられる、電解槽。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の電解槽において、前記第2中間室(10,15)は、直線状、波形状又はアーチ状の境界面を供給する可変の隙間として与えられる、電解槽。
- 前記請求項の何れか一項に記載の電解槽において、前記第2中間室(10,15)は、前記電解膜(6)に平行に又は前記電解膜から僅かに傾斜して配置される穿孔板を備える、電解槽。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の電解槽において、前記第2中間室(10,15)は、管の束を備え、前記管の軸は前記第2中間室(10,15)の平面内に位置する、電解槽。
- 請求項7記載の電解槽において、前記管は、円形又は蜂の巣状型に構成される、電解槽。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の電解槽において、ビード、ウェブ、ネップ又はその他のスペーサが、前記第2中間室(10,15)に配置されている、電解槽。
- 前記請求項の何れか一項に記載の電解槽において、前記トラフ(7)を形成する前記組込構造物は、十分な防食を保証するために少なくとも部分的にコーティングされている、電解槽。
- アルカリ・ハロゲン化物水溶液からハロゲン・ガスを製造するための電解装置であって、相互に積層配置される板状の電解槽を有し、前記電解槽の少なくとも1つは、前記請求項の何れか一項に記載の電解槽である、電解装置。
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