JP3827647B2 - ガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス拡散電極を備えたイオン交換膜型電解槽に関し、ガス拡散電極を装着した陰極室内に陰極液分配手段を設けた電解槽であって陰極液分配手段の厚みが小さく電気分解性能に優れたガス拡散電極を有するイオン交換膜電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
食塩水に代表されるアルカリ金属ハロゲン化物水溶液の電気分解は陽イオン交換膜を使用したイオン交換膜電解法によって行われている。イオン交換膜法による電気分解方法では、工程における省エネルギーも進んでいる。しかしながら併産される水素に関しては化学原料等として有効に利用されている場合もあるが、燃料として利用したり、あるいは大気中へ放棄処理されるといった高度な用途がない立地条件の工場がある。
【0003】
陰極として一般的な水素発生電極に代えて酸素ガス拡散電極を用いた場合には、陰極においては水素は発生せず、理論的には水の電気分解電圧に相当する1.2Vの電気分解電圧の低下が可能である。したがって、ガス拡散電極を用いた場合には電気分解に要する電気エネルギーを減少させることができるので、酸素ガス拡散電極を陰極とした電気分解方法は、水素の高度な利用条件のない工場においては極めて有効な電気分解方法である。
【0004】
ガス拡散電極を用いた食塩水のイオン交換膜電解槽には、各種の構造のものが提案されているが、一般にガス拡散電極は、親水性の反応層と疎水性のガス拡散層から構成されており、陽イオン交換膜とガス拡散電極との間には、陰極室が形成されている。
陰極室においては、ガス拡散電極に供給される酸素と水から生じた水酸基と、陽イオン交換膜を透過したナトリウムイオンによって水酸化ナトリウムが生成するが、陽イオン交換膜の電流効率は、水酸化ナトリウム水溶液の濃度に左右されるので、最も効率が高い濃度である30ないし33質量%において運転することが必要となる。そこで、陰極室の下部から濃度が30%前後の水酸化ナトリウム水溶液を導入し、陰極室の上部からは33質量%程度で取り出すことが行われている。陰極室内での水酸化ナトリウム水溶液の濃度を均一化させるためには陰極室内での水酸化ナトリウム水溶液の滞留を防止して円滑に流動させることが必要となる。
【0005】
また、陰極室内に存在する陰極液の層が大きくなると通電抵抗が大きくなるが、通電抵抗が単位極間距離(mm)、単位電流密度(kA/m2 )あたり約10mVであるので、運転電流密度が3kA/m2 の場合、電極間距離が2mm大きくなると、電解槽電圧の上昇は60mVにも達する。このような現象は、ガス拡散電極を装着して電気分解電圧を低下させてエネルギー効率を高めるという目的とは相反することとなるので、陰極室の厚みを小さくことが不可欠であった。
このように、ガス拡散電極を用いたイオン交換膜電解槽においては、厚みが数mmである陰極室への陰極液の供給および排出に関する新たな技術的課題が発生している。
【0006】
そこで、陰極液の円滑な流れを形成するために、電解槽への陰極液の導入および排出方法を改善するために、上下枠部に陰極構造体の上下に設けた苛性チャンバーの苛性液出入口に合わせた苛性液通過用の孔を設けた厚みの薄いニッケル枠体、上下枠部に櫛状のスリットを設けた厚みの薄いニッケル枠体とを、この順序でイオン交換膜に向かって配置して苛性室枠とすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
しかしながら、これらの部材は厚みが薄い板状の部材であり、取り扱いが容易ではなく、単に積層配置した場合には周辺部から液漏れをする場合があった。一方、これらの部材を溶接によって接合すると、熱変形を生じて封口特性が悪化するという問題点もあり、また、陰極液の通路の厚みを充分に薄くすることが困難であるという問題点もあった。
【0008】
また、陰極室の上部および下部に上部チャンバー、下部チャンバーを設け、各チャンバーからの苛性液通路は、狭い間隔を有する平行な板材の間に形成されるとともに、スペーサーが設けられた電解槽が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、上部および下部のチャンバーを、陰極エレメントに取り付けるためには、それぞれのチャンバーの厚さ、封口するために必要なガスケットのの厚みを考慮すると、厚みを充分に薄くすることは困難であった。
【特許文献1】
特許第3041792号公報
【特許文献2】
特許第3041793号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガス拡散電極を用いたイオン交換膜電解槽において、ガス拡散電極を設けた陰極室に電解液を導入する枠体を設けた場合に、陰極室の厚みを薄くするとともに、充分な量の陰極液の供給が可能で、陰極液の漏れのないイオン交換膜電解槽を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、ガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽において、陽イオン交換膜に接して配置された陰極側額縁状ガスケットと陽イオン交換膜およびガス拡散電極側部材によって形成された陰極室には、陽イオン交換膜と反対側の面と、陰極室の中心方向の二方向に開口を有するとともに両開口が連通した、陰極側額縁状ガスケットの厚みよりも厚みが小さな陰極液分配手段が、該陰極側額縁状ガスケットの上部枠および下部枠のそれぞれの内側に配置され、該陰極液分配手段の陽イオン交換膜と反対側に設けた開口が、陰極液給液部あるいは陰極液排出部と連通し、該陰極液分配手段は、開口を有さない板状体からなる第一の部材、連通路を有した板もしくは網状体からなる第二の部材、および開口を有した第三の部材を積層したものからなることを特徴とするガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽によって解決することができる。
このように、電解槽を組み立てる際に不可欠であるガスケットよりも厚みの薄い陰極液分配手段を設けたことによって、従来のように陰極液分配手段をガスケットと別体で設けた場合に比べて陰極室の厚さを小さくすることができる。その結果、電極間距離を減少させた電解槽電圧が小さな電解槽を提供することが可能となる。
【0011】
また、陰極液給液部および陰極液排出部がそれぞれ、下部あるいは上部の陰極液室である前記のイオン交換膜電解槽である。
ガス拡散電極を備えた電解槽において陰極液給液部および陰極液排出部をそれぞれ、下部あるいは上部の陰極液室としたので、ガス拡散電極を備えた陰極室への陰極液の供給を充分に、しかも円滑に行うことが可能となる。
また、陰極側額縁状ガスケットの上部枠および下部枠には、それぞれ陰極液分配手段の厚さよりも深い凹部が形成されており、陰極液分配手段が凹部に収容された前記のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽である。
陰極側額縁状ガスケットの上部枠および下部枠のそれぞれに形成した凹部に陰極液分配手段が収容されたので、陰極液分配手段がイオン交換膜と直接に接触することが防止されるので、フッ素樹脂フィルム等をイオン交換膜面との間に配置しなくてもイオン交換膜の損傷を防止することができ、また金属材料から形成された陰極液分配手段の腐食を防止することができる。
【0012】
このように、開口を有さない板状体と開口を有した板状体との間に連通路を有した板、もしくは網状体を配置したので、電解槽を組み立てた際に押圧されても陰極液の流路を確保することができるので、安定した運転が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽は、電解槽を構成する必須の構成材料である額縁状陰極側ガスケットの内部に、額縁状陰極側ガスケットの厚みよりも厚みが小さな陰極液分配手段を配置したものであり、陰極液分配手段の設置によって電極間の間隔は大きくならず、陰極液分配手段の配置によっても電解槽電圧を上昇させることはなく、また陰極液分配手段それ自体、あるいは陰極液分配手段と他の部材との積層部分からの陰極液の漏洩等の問題がないガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽を提供することが可能であることを見出したものである。
【0014】
以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽を説明する図であり、食塩水の電気分解用の電解槽を説明する断面図である。
イオン交換膜電解槽1は、陽極構造体2、イオン交換膜3、陰極構造体4から構成されている。陽極構造体2とイオン交換膜3の間には陽極側ガスケット5が配置されており、イオン交換膜3と陰極構造体4の間には、額縁状陰極側ガスケット6が配置されており、額縁状陰極側ガスケット6によって陰極室7が形成されている。
額縁状陰極側ガスケット6の上部枠6aの内側には、ガスケットよりも厚さが薄い上部陰極液分配手段10aが配置されており、下部枠6bの内側には、同様に下部陰極液分配手段10bが配置されている。
【0015】
額縁状陰極側ガスケット6のイオン交換膜とは反対側の面には、陰極構造体4に設けた上部陰極液室11aおよび下部陰極液室11bのフランジ面12a,12bが接しており、上部陰極液室11aおよび下部陰極液室11bに設けた開口部13a,13bが上部陰極液分配手段10a、および下部陰極液分配手段10bに形成した開口部14a,14bと連通路を形成している。
また、陰極構造体4には、陰極室7に面してガス拡散電極20が設けられ、酸素含有気体供給口21および酸素含有気体排出口22を有している。
また、陽極構造体2には、陽極室30を有し、陽極室30に設けた陽極31がイオン交換膜3と密着して配置されている。陽極室30の下部には、陽極室供給口32を有し電解槽へ陽極液が供給され、陽極室30には、電気分解の結果、濃度が低下した陽極液と電気分解生成物を排出する陽極室排出口33が設けられている。
【0016】
食塩水の電気分解の場合には、陽極液として飽和食塩水が陽極室供給口32から陽極室30へ供給される。陽極31において発生した塩素は、電気分解の結果濃度が低下した淡塩水とともに陽極室排出口33から電解槽外へ排出される。
一方、食塩水中のナトリウムイオンは、水分子とともにイオン交換膜3を透過して陰極室7へ移動し、下部陰極液室11bから陰極液として陰極室7へ供給された低濃度水酸化ナトリウム水溶液の濃度を高めて、上部陰極液分配手段10aから上部陰極液室11aへと流入して電解槽外へ取り出される。
本発明のイオン交換膜電解槽においては、陰極液分配手段10a、10bのいずれもがイオン交換膜3と陰極構造体4との間に配置される額縁状陰極側ガスケット6によって形成される陰極室内に設けられているので、イオン交換膜とガス拡散電極との間の間隔を小さくすることが可能となる。
【0017】
次に、本発明のイオン交換膜電解槽に装着した陰極液分配手段による陰極液の流れを説明する。
図2は、本発明のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽の上部を説明する分解斜視図である。
イオン交換膜電解槽1のイオン交換膜3に接して額縁状陰極側ガスケット6が配置されており、額縁状陰極側ガスケット6によって陰極室7が形成されている。
額縁状陰極側ガスケット6の上部枠6aの内側に、ガスケットよりも厚さが薄い上部陰極液分配手段10aが配置されている。
上部陰極液分配手段10aは、額縁状陰極側ガスケット6よりも厚さが薄く、イオン交換膜面に面した穴を有さない金属板40、多孔性板41、および開口を有する金属板42から形成されている。
【0018】
それぞれの金属板は、額縁状陰極側ガスケット6の上部枠6aの内側に装着され、三方は、額縁状陰極側ガスケット6によって塞がれ、陰極室の中心部に面する下方と流路を有している。
また、開口を有する金属板42に設けた開口部14aは、上部陰極液室11aに設けた開口部13aと連通した陰極液流路15が形成されて上部陰極室11aへ流出する。
【0019】
このように、陰極室内には、陰極液分配手段を設けたので、厚みが小さな陰極室内を陰極液は均等に流れることとなり、陰極室内において濃度分布を生じにくくなる。その結果、イオン交換膜面での部分的な濃度の上昇によって生じるイオン交換膜の特性の低下を防止することができ、電気分解電圧の上昇等の問題を防止することができる。
また、陰極液分配手段は、陽極構造体、イオン交換膜および陰極構造体を積層して電解槽を組み立てた際に、押圧されても陰極液の流路が塞がる等の問題を生じないようにすることが必要であり、多孔体としては、エキスパンデッドメタル、線材を配置したもの、あるいは流路の形成するスリットを形成したもの等を挙げることができる。
陰極液分配手段を形成する金属板は、厚さ0.1mm〜0.2mmの厚さが薄いニッケル板、耐アルカリ性の大きなステンレス鋼(例えば、SUS310)等を挙げることができる。
【0020】
また、陰極液分配手段を構成する金属板とイオン交換膜とが直接に接触するおそれがある場合には、金属板とイオン交換膜の間に耐食性が大きなフッ素樹脂フィルム等を配置することが好ましい。
また、陰極液分配手段は各部材を積層して押圧して電解槽を組み立てた際に、額縁状陰極側ガスケット内に装着されるものであれば様々な形態をとることができ、開口を有する金属板42を設けずに上部陰極液室11aを開口を有する金属板42を兼用することが可能である。
また、開口を有する金属板42を上部陰極室11aの壁面に溶接によって接合したものであっても、あるいは開口を有する金属板42のみではなく陰極液分配手段10aを接合したものであっても良い。
【0021】
図3は、本発明のイオン交換膜電解槽の他の実施態様を説明する図であり、断面図であり、陰極側を説明する図である。
イオン交換膜電解槽1のイオン交換膜3に接して配置された額縁状陰極側ガスケット6に特徴を有している。
額縁状陰極側ガスケット6の上部枠6aには、凹部51aが設けられており、凹部51aには上部陰極液分配手段10aが配置されている。また、下部枠6bには凹部51bが形成されており、下部陰極液分配手段10bが配置されている。上部陰極液分配手段10aは、電解槽を組み立てた際には、凹部51aに収納され、上部および側面は額縁状陰極側ガスケット6の上部枠6aによって封口されている。
同様に、下部陰極液分配手段10bは、下部枠6bに設けた凹部51bに収納されて下部枠6bによる保持と密封が行われる。
【0022】
下部陰極液室11bから供給された陰極液は、下部陰極室の壁面の開口部14b、および下部陰極液分配手段10bの壁面に設けた開口部13bを通じて下部陰極液分配手段10bへと供給されて、下部陰極液分配手段10bの陰極室7の中央部へ向けた開口部から陰極室内を上昇し、上部陰極液分配手段10aから上部陰極液分配手段の壁面の開口部13aおよび上部陰極液室11aの壁面の開口部14aを通じて上部陰極液室11aと排出される。
このように、ガスケットに装着することによって、上部および下部の電解液分配手段の安定した保持と密封が可能となり、陰極液を安定して流すことができる。
【0023】
図4は、本発明のイオン交換膜電解槽の他の実施態様を説明する図であり、ガスケットに設けた陰極液分配手段を説明する図である。
図4(A)および図4(B)は、額縁状陰極側ガスケットに設けた陰極液分配手段10を説明する図であり、額縁状陰極側ガスケット6の内部に等間隔で流路52が形成され、陰極液は陰極室内を均等に流れる。
【0024】
図5は、本発明の陰極液分配手段を説明する分解斜視図である。
図5(A)は、イオン交換膜面に面した穴を有さない金属板40、多孔性板41、および開口を有する金属板42から形成されており、中央の多孔性板41は、櫛状にスリット43が形成されている。各スリット43は、開口部14aに連通し、開口部14aと各スリットを通じた流路を形成している。
図5(B)は、イオン交換膜面に面した穴を有さない金属板40、多孔性板41、および開口を有する金属板42から形成されており、中央の多孔性板41は、網状体で形成されおり、開口を有する金属板42には、切り欠き部44が形成されて、切り欠き部44から網状体を通じた流路が形成される。
【0025】
穴を有さない金属板40、および開口を有する金属板42は、陰極液に対して耐食性が大きなニッケル板、ステンレス板等が用いられるが、金属板以外にも耐食性があるフッ素樹脂板を用いることもできる。
また、中間に配置する多孔性板は、コルゲート状部材、平織り網、エキスパンデッドメタル、発泡体等を用いることができるが、耐食性と電解槽を組み立てた際の圧力によって変形しないものであれば金属板に限らずフッ素樹脂等を用いることも可能である。
また、これらの部材がすべて金属材料である場合には、溶接等の方法によって接合した後に電解槽に装着することができるが、合成樹脂材料の場合には、フッ素樹脂製のテープ等に固定した後に電解槽の装着する。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を示し本発明を説明する。
実施例1
図1に示す、有効電解面積が幅10cm、高さ60cmの電解槽を作製した。陰極液分配手段には、幅10cm×1cmのものを用いた。
陰極液分配手段には、板厚み0.4mmのニッケル板を線幅0.4mm、長径2.5mmにエキスパンデッド加工した部材をピッチ2mmでコルゲート加工を施して得られた厚みが1.0mmの部材を多孔板とした。この多孔板の両面に厚み0.1mmのニッケル板を接合した。一方の板には6mm径の穴を2cmピッチであけ、上部および下部陰極液室にも同様の穴を設けた。
この陰極液分配手段を使用して、極間距離1mmで電解槽を組立てることができた。
作製した電解槽に濃度32質量%の水酸化ナトリウム水溶液を0.67mL/秒の流速で導入した。陰極室内での線速度は0.67cm/秒であった。電流密度3kA/m2 、85℃で電解を行ったところ電圧は1.98Vであった。カレントインターラプト法により電極間のオーム損を測定したところ0.38Vであった。
【0027】
比較例1
陰極室枠体として、厚さ1mmのニッケル板を3枚使用して、中央のニッケル板に陰極室内との連通するスリットを2cmのピッチで形成し、一方のニッケル板には、スリットと陰極液室とを連通する開口部を形成した点を除き、実施例1と同様にして電解槽を組み立てた。
電極間間隔は、イオン交換膜側およびガス拡散電極側のガスケットを加えて4mmとなった。実施例1と同様に陰極液を供給して電気分解を行ったところ電解槽電圧は2.10Vであった。またカレントインターラプト法により電極間のオーム損を測定したところ0.47Vであった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の陰極液分配手段を使用したイオン交換膜電解槽は、電極間間隔を1mm程度まで短縮して電解槽を構成することができ、低電圧での運転が可能となる。また、陰極室全体にわたり均一に陰極液を流動させることができ、電気分解特性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽を説明する図であり、食塩水の電気分解用の電解槽を説明する断面図である。
【図2】図2は、本発明のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽の上部を説明する分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明のイオン交換膜電解槽の他の実施態様を説明する図である。
【図4】図4は、本発明のイオン交換膜電解槽の他の実施態様を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の陰極液分配手段を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1…イオン交換膜電解槽、2…陽極構造体、3…イオン交換膜、4…陰極構造体、5…陽極側ガスケット、6…額縁状陰極側ガスケット、6a…上部枠、6b…下部枠、7…陰極室、10a…上部陰極液分配手段、10b…下部陰極液分配手段、11a…上部陰極液室、11b…下部陰極液室、12a,12b…フランジ面、13a,13b…開口部、14a,14b…開口部、15…陰極液流路、20…ガス拡散電極、21…酸素含有気体供給口、22…酸素含有気体排出口、30…陽極室、31…陽極、32…陽極室供給口、33…陽極室排出口、40…穴を有さない金属板、41…多孔性板、42…開口を有する金属板、43…スリット、44…切り欠き部、51a,51b…凹部、52…流路
Claims (3)
- ガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽において、陽イオン交換膜に接して配置された陰極側額縁状ガスケットと陽イオン交換膜およびガス拡散電極側部材によって形成された陰極室には、陽イオン交換膜と反対側の面と、陰極室の中心方向の二方向に開口を有するとともに両開口が連通した、陰極側額縁状ガスケットの厚みよりも厚みが小さな陰極液分配手段が、該陰極側額縁状ガスケットの上部枠および下部枠のそれぞれの内側に配置され、該陰極液分配手段の陽イオン交換膜と反対側に設けた開口が、陰極液給液部あるいは陰極液排出部と連通し、該陰極液分配手段は、開口を有さない板状体からなる第一の部材、連通路を有した板もしくは網状体からなる第二の部材、および開口を有した第三の部材を積層したものからなることを特徴とするガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽。
- 陰極側額縁状ガスケットの上部枠および下部枠には、それぞれ陰極液分配手段の厚さよりも深い凹部が形成されており、陰極液分配手段が該凹部に収容されたことを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電解槽。
- 陰極液分配手段を構成する金属板とイオン交換膜との間にはフッ素樹脂フィルムが配置されたことを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極を備えたイオン交換膜電槽。
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