JP2006348841A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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大介 田中
Yoshihiro Nakase
善博 中瀬
Fumiaki Aoki
文明 青木
Tomoaki Abe
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Abstract

【課題】
時間と共に変化する噴霧燃料の燃料濃度の偏りを抑制することができる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】
弁座13aと、該弁座13aより中心軸側に位置する第1噴孔25aと、該第1噴孔25aよりさらに中心軸側に位置する第2噴孔25bとを有する弁ボディ13と、弁ボディ13の内部に移動可能に収容され、弁座13aに対して離着座し、第1噴孔25aおよび第2噴孔25bを開閉する弁体20と、を備え、弁体20を弁ボディ13の軸方向に沿って移動させることにより、弁体20と弁ボディ13の内壁との間を通って流入する燃料を第1噴孔25aおよび第2噴孔25bより噴霧する燃料噴射弁1であって、第1噴孔25aの出口側の開口面積を、第2噴孔25bの出口側の開口面積よりも大きくさせ、第1噴孔25aおよび第2噴孔25bの出口側の燃料圧力または燃料速度をほぼ等しくさせていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来、噴孔の数を増やし、その配置を適切にすることにより噴霧燃料の微粒化を図っている燃料噴射弁が知られている(特許文献1)。この燃料噴射弁は、噴霧燃料を微粒化させることにより、噴霧燃料の気化促進、均質な混合気の形成を促進し、燃焼を良好にする。
特開2000−104647号公報
ところが、この燃料噴射弁では、時間と共に変化する噴霧燃料の燃料濃度までは考慮されておらず、特に、噴霧開始から十分時間が経過した時点の噴霧形状先端部分の中央付近の燃料濃度は、非常に高く、その周囲の燃料濃度は、非常に低い状態であり、燃料濃度に偏りが生じていた。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、時間と共に変化する噴霧燃料の燃料濃度の偏りを抑制することができる燃料噴射弁を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明では、弁座と、該弁座より中心軸側に位置する第1噴孔と、該第1噴孔よりさらに中心軸側に位置する第2噴孔とを有する弁ボディと、弁ボディの内部に移動可能に収容され、弁座に対して離着座し、第1噴孔および第2噴孔を開閉する弁体と、を備え、弁体を弁ボディの軸方向に沿って移動させることにより、弁体と弁ボディの内壁との間を通って流入する燃料を第1噴孔および第2噴孔より噴霧する燃料噴射弁であって、
第1噴孔の出口側の開口面積を、第2噴孔の出口側の開口面積よりも大きくさせ、第1噴孔および第2噴孔の出口側の燃料圧力または燃料速度をほぼ等しくさせていることを特徴としている。
燃料圧力と噴霧燃料の粒径との間には所定の関係があることは、一般的に知られており、燃料圧力が低ければ低いほど噴霧燃料の粒径は大きくなる。さらに、噴孔から噴霧された燃料粒子と粒子の周囲の気体との間には所定の関係があることは、一般的に知られており、粒径が小さいほど周囲の気体(空気)の影響を受けやすく、速度の低下割合が大きい。
上記した弁座、第1噴孔、第2噴孔が配置されている形式の燃料噴射弁では、弁体が弁座から離座し、燃料を噴霧する際、弁体と弁ボディの内壁とを通る燃料は、第1噴孔、第2噴孔の順で到達する。したがって、第1噴孔、第2噴孔の入口側の燃料圧力は、常に、第1噴孔の入口側の燃料圧力の方が大きくなる傾向にある。開口面積が第1噴孔、第2噴孔で同じであるとすると、それぞれの噴孔から噴霧される燃料の粒径は、入口側の燃料圧力の低い第2噴孔の方が大きくなる。
それぞれの噴孔から噴霧される燃料の粒径が異なると、同時期に噴霧された燃料は、周囲の気体の影響を受け、時間と共に到達距離が異なってくる。特に、噴霧形状先端部分の中央付近の燃料濃度は、非常に高く、その周囲の燃料濃度は、非常に低い状態となり、燃料濃度に偏りが生じていた。
本発明では、第1噴孔の出口側開口面積を第2噴孔の出口側開口面積よりも大きくし、第1、第2噴孔の出口側の燃料圧力または燃料速度が等しくなるようにしている。これにより、各噴孔から同時期に噴霧される燃料の粒径が揃い、噴霧形状先端部分の燃料濃度に偏りを抑制することができる。
また、本発明の請求項2に記載されているように、第2噴孔の出口側の開口面積を第2噴孔の入口側の開口面積よりも小くさせると、入口側と出口側の開口面積が同じ形式の噴孔を有する従来の燃料噴射弁に比べ、噴霧初期に噴霧される燃料の粒径を小さくすることができる。
本発明の請求項3に記載の発明では、第1噴孔の出口側の開口面積は、第1噴孔の入口側の開口面積よりも大きいことを特徴としている。また、本発明の請求項4に記載の発明では、第1噴孔の出口側の開口面積は、第1噴孔の入口側の開口面積とほぼ同じであることを特徴としている。請求項3、請求項4に記載されているように第1噴孔の出口側および入口側の開口面積を定めることにより、各噴孔の出口側の燃料圧力または燃料速度を等しくすることができる。
本発明の請求項5に記載の発明では、弁座と、該弁座より中心軸側に位置する第1噴孔と、該第1噴孔よりさらに中心軸側に位置する第2噴孔とを有する弁ボディと、
弁ボディの内部に移動可能に収容され、弁座に対して離着座し、第1噴孔および第2噴孔を開閉する弁体と、を備え、弁体を弁ボディの軸方向に沿って移動させることにより、弁体と弁ボディの内壁との間を通って流入する燃料を第1噴孔および第2噴孔より噴霧する燃料噴射弁であって、
第1噴孔から噴霧される燃料の噴霧形状の側壁に沿って空気流を形成する空気流形成手段が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、燃料噴射弁には、第1噴孔から噴霧される噴霧形状の側壁に沿って空気流を形成する空気流形成手段が設けられているので、噴霧される燃料は、形成される空気流によって引きずられる。従来の燃料噴射弁では到達することができなかった場所まで燃料を運ぶことができるので、噴霧形状先端部分の燃料濃度の偏りを防ぐことができる。
請求項6に記載されているように、空気流形成手段は、燃料噴霧開始直前まで空気流を形成することが好ましい。これは、燃料が噴霧された後も空気流を形成し続けると、噴霧初期の燃料だけでなく噴霧中期および後期の燃料も空気流に引きずられてしまい、噴霧形状の噴霧付近から中腹部分にかけての燃料濃度が小さくなるからである。
本発明の請求項7に記載の発明では、空気流形成手段は、燃料噴霧終了直後から空気流を形成することを特徴としている。この構成によれば、噴霧後に形成される空気流により、噴孔付近に付着している燃料を除去することができる。これにより、燃焼室からの熱により噴孔付近にデポジットが発生するという問題を回避することもできる。
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
ガソリンエンジンに本発明の燃料噴射弁を適用した第1実施形態を、図1から図8に示す。図1は、本発明の第1実施形態によるガソリンエンジン用の燃料噴射弁の断面図である。図2は、燃料噴射弁の噴孔付近の断面図である。図3は、図2に示す燃料噴射弁の噴孔付近の断面の模式図である。図4は、噴孔付近の平面図である。
図1に示すように、燃料噴射弁1のケーシング11は、磁性パイプ12、固定鉄心30、スプール40に巻回したコイル41等を覆うモールド樹脂である。弁ボディ13は磁性パイプ12とレーザ溶接等により結合している。弁体としてのニードル弁20は磁性パイプ12および弁ボディ13内に往復移動可能に収容されており、ニードル弁20の当接部21は弁ボディ13に形成した弁座13aに着座可能である。
ニードル弁20の当接部21と反対側に設けられた接合部22は可動鉄心31と結合している。固定鉄心30と非磁性パイプ32、非磁性パイプ32と磁性パイプ12とはそれぞれレーザ溶接等により結合している。
アジャスティングパイプ34の反燃料導入側にはニードル弁20を弁座13a方向に付勢するスプリング35が配設されている。アジャスティングパイプ34の軸方向位置を変更することによりニードル弁20を付勢するスプリング35の付勢力を調整することができる。
コイル41は、軸方向に非磁性パイプ32を挟むように位置する固定鉄心30および磁性パイプ12のそれぞれの端部と非磁性パイプ32との周囲を覆うようにケーシング11内に位置している。コイル41はターミナル42と電気的に接続されており、ターミナル42に印加される電圧がコイル41に加わる。
金属プレート45、46は、コイル41が巻回されたスプール40の周囲を覆うように配設されており、磁性パイプ12、固定鉄心30、可動鉄心31とともに磁気回路を構成している。
コイル41への通電がオンされると、固定鉄心30側に可動鉄心31を吸引可能な電磁吸引力がコイル41に生ずる。この電磁吸引力によって可動鉄心31が固定鉄心30側に吸引されるとニードル弁20も固定鉄心30側に移動し、当接部21が弁座13aから離座する。
コイル41への通電がオフされ電磁吸引力が消滅するとスプリング35の付勢力により弁座13a側に可動鉄心31およびニードル弁20が移動し、当接部21が弁座13aに着座する。
図2に示すように、弁ボディ13の燃料噴射側端面に、薄板でカップ状に形成された噴孔部材24が配設されている。噴孔部材24は円板部25と、円板部25の外周縁で折り曲げられている折り曲げ部26とを有する。円板部25には図3に示すように複数の噴孔25a、25bが形成されている。図2に示すニードル弁20が弁座13aから離座すると、各噴孔25a、25bから燃料が噴射される。本実施形態では、弁ボディ13と噴孔25a、25bが形成されている噴孔部材24は別部材として説明しているが、これらの部材は、一体的に形成されていても良い。噴孔25a、25bの配置については、後ほど説明する。
噴孔部材24の出口側にカップ状に形成された保持部材27が配設されている。噴孔部材24と保持部材27とはレーザ溶接されており、保持部材27は噴孔部材24を支持している。各噴孔から噴射される燃料が通過する貫通孔27aが保持部材27に形成されている。スリーブ28は円筒状に形成されており、噴孔部材24および保持部材27を覆っている。
次に、噴孔部材24に形成される噴孔について説明する。図4に示すように、この実施形態では、12個の噴孔が噴孔部材24に形成されている。噴孔は、8個の噴孔25aと、4個の噴孔25bとから構成されている。
各噴孔25a、25bは、噴孔部材24の中心軸を中心とした径の異なる二つの同心円に沿って形成されている。噴孔25aは、噴孔25bよりも径の大きい同心円上に沿って形成されている。なお、噴孔25aは、請求項1に記載の第1噴孔に相当し、噴孔25bは、請求項1に記載の第2噴孔に相当する。
図3に示すように、各噴孔25a、25bの入口側、出口側の開口面積は、異なっている。噴孔25aの入口側の開口面積は、出口側の開口面積よりも小さくなっており、噴孔25bの入口側の開口面積は、出口側の開口面積よりも大きくなっている。本実施形態では、噴孔の形状は、いずれも楕円形となっているが、円形でももちろん良い。
また、噴孔25aの出口側の開口面積は、噴孔25bの出口側の開口面積よりも大きく形成されている。このように、各出口側の開口面積を定めることにより、各噴孔25a、25bから噴霧される燃料の燃料圧力または燃料速度をほぼ等しくすることができる。具体的には、各噴孔25a、25bの出口側の開口面積は、出口側から噴霧される燃料の燃料圧力または燃料速度が等しくなるように、各出口側の開口面積を定めている。開口面積を定める方法についての考え方は後ほど説明する。
次に、各噴孔から噴霧される燃料が形成する噴霧形状、ならびに噴霧燃料の濃度について、従来の燃料噴射弁と比較して説明する。
まず、従来の燃料噴射弁について説明する。従来の燃料噴射弁を図14に示す。図14は、従来の燃料噴射弁の噴孔付近の断面図の模式図である。なお、第1実施形態と同一機能物は、同一符号を付す。ここでは、第1実施形態と相違する点のみを説明する。
図14に示すように、従来の燃料噴射弁の噴孔は、第1実施形態の噴孔と同様、噴孔部材24に形成されている。噴孔は、噴孔25aと、噴孔25bとから構成されている。
各噴孔25a、25bは、噴孔部材24の中心軸を中心とした径の異なる二つの同心円に沿って形成されている。噴孔25aは、噴孔25bよりも径の大きい同心円上に沿って形成されている。なお、噴孔25aは、第1実施形態の噴孔25aに相当し、噴孔25bは、噴孔25bに相当する。図14に示すように、各噴孔25a、25bの入口側、出口側の開口面積は、全て等しくなっている。
図5は、ニードル弁が弁座から離座し、再び着座するまでの噴孔の入口側、出口側の圧力変化を示したグラフである。各噴孔25a、25bの入口側の圧力の状態は、図5の破線で示すように、ニードル弁20が弁座13aから離座し、再び着座するまでの間、常に噴孔25bの入口側圧力の方が低い値を示している。これは、各噴孔25a、25bに供給される際の燃料の流入経路によるためだと考えられる。燃料噴射弁1に供給される燃料は、ニードル弁20と弁ボディ13の内壁との間を通り、その後、噴孔25a、噴孔25bの順序で供給される。このため、噴孔25bの入口側圧力は、噴孔25aの入口側圧力よりも低い値を示す。
各噴孔25a、25bの出入口の開口面積は、全て等しいので、各噴孔25a、25bの出口側圧力は、図5中の一点鎖線に示すようになる。出口側圧力の値は、上記入口側圧力の値とほぼ同じとなっている。圧力の傾向は、各噴孔25a、25bの入口側圧力の傾向と同じである。噴孔25bの出口側圧力は、噴孔25aの出口側圧力よりも低い値を示す。
燃料圧力と噴霧燃料の粒径との間には所定の関係があることは、一般的に知られており、図15に示すように燃料圧力が低ければ低いほど噴霧燃料の粒径は大きくなる。さらに、噴孔から噴霧された燃料粒子とその粒子周囲の気体との間には所定の関係があることも、一般的に知られており、図16に示すように粒径が小さいほど周囲の気体(空気)の影響を受けやすく、速度の低下割合が大きい。
従来の燃料噴射弁の各噴孔25a、25bの出口側圧力は上記のように差があるので、各噴孔25a、25bから同時期に噴霧される燃料の粒径は異なる。噴孔25bから噴霧される燃料の粒径は、噴孔25aから噴霧される燃料の粒径よりも大きくなる。
噴霧初期に各噴孔25a、25bから噴霧された燃料は、粒径の大きさの違いにより、噴霧燃料の速度の低下割合が異なるので、噴霧された燃料で形成される噴霧形状の先端部分は、図6の破線で示すような形状となる。以下、噴霧される燃料が進む方向を噴霧方向といい、噴霧方向に対して垂直な方向を水平方向という。
図7は、噴霧形状の先端部分における水平方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。図8は、噴霧形状の中央付近における噴霧方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。ここでいう燃料濃度とは、噴霧形状内の単位体積当りの燃料量である。
図7に示すように、噴霧形状先端部分の水平方向の燃料濃度は、中央付近の値が非常に大きく、中央付近に偏っている(図中、破線参照)。噴霧初期の噴霧形状先端部分の水平方向の燃料濃度は、偏りがないが、時間と共に燃料濃度は変化し、最終的には、図6の破線で示すような噴霧形状となり、燃料濃度は、図7で示すように中央付近に偏ったものとなってしまう。これは、噴孔25aから噴霧される燃料の粒径は、噴孔25bから噴霧される燃料よりも小さく、噴孔25bから噴霧された燃料よりも空気の影響を多く受けたためだと考えられる(図16参照)。
また、図8に示すように、噴霧形状中央付近の噴霧方向の燃料濃度は、噴霧形状の先端ほど値が大きい(図中、破線参照)。これは、図5に示すように噴霧初期(開弁直後)の圧力は小さいためであり、この時期に噴霧される燃料の粒径は大きい。このため、噴霧形状先端部分の燃料濃度は大きいものとなる。
次に、本実施形態の燃料噴射弁について、上記従来の燃料噴射弁と比較しながら説明する。本実施形態の燃料噴射弁1に形成される各噴孔25a、25bは、前述したように形成されている。
前述したように噴霧される燃料の粒径は、噴孔の出口側燃料圧力が大きく係っているのが分かる。本実施形態は、このことを利用したものであり、各噴孔25a、25bの出口側開口面積を調節することで、噴孔の出口側燃料圧力を調節するものである。この出口側燃料圧力を調節することにより、各噴孔25a、25bから同時期に噴霧される燃料の粒径を揃えることができる。結果、従来の燃料噴射弁から噴霧される燃料の噴霧形状の燃料濃度の偏りを防止することができる。本実施形態は、このような考え方の上に成り立っている。
本実施形態の燃料噴射弁1においても、各噴孔25a、25bの入口側の燃料圧力は、従来の燃料噴射弁のそれと同じ傾向を示す(図5参照)。噴孔25aの入口側燃料圧力は、噴孔25bの入口側燃料圧力よりも大きい。本実施形態では、それを踏まえ、各噴孔25a、25bの出口側開口面積の面積を定めている。具体的には、噴孔25aの出口側の開口面積を、噴孔25bの出口側の開口面積よりも大きく形成している。これにより、図5に示すように各噴孔25a、25bの出口側燃料圧力を等しくすることができ、同時期に噴霧される燃料の粒径を揃えることができる。なお、開口面積の決定に当っては、実際に各噴孔から出る粒子径を計測して定めても良いし、モデル式等を使用して定めても良い。
本実施形態の燃料噴射弁1から噴霧される燃料によって形成される噴霧形状は、図6の実線で示すような形状となる。そして、この噴霧形状先端部分の水平方向の燃料濃度は、図7の実線で示すようになり、噴霧方向の燃料濃度は、図8の実線で示すようになる。
本実施形態では、図7に示すように、噴霧形状先端部分の燃料濃度は、従来のものと比べ、中央付近での値は、小さくなり、反対にその周囲では、値が大きくなっている。全体的に見ると燃料濃度の偏りが従来に比べ解消されている。
本実施形態では、噴孔25aの出口側開口面積を、噴孔25bの出口側開口面積よりも大きく形成され、かつ、噴孔25aは、その入口側開口面積よりも出口側開口面積を大きく、噴孔25bは、その入口側開口面積よりも出口側開口面積を小さく形成されている。これにより、噴孔25aの出口側燃料圧力は、従来に比べ小さくなり、粒径は大きくなる。噴孔25bの出口側燃料圧力は、従来に比べ大きくなり、粒径は小さくなる。
これにより、噴霧形状先端部分の中央付近の燃料濃度は、従来に比べ小さくなり、その周囲の燃料濃度は、従来に比べ大きくなり、燃料濃度の偏りが解消する。
さらに、噴霧方向の先端部分の燃料濃度も、従来に比べ小さくなり、噴霧方向の燃料濃度の方よりも従来に比べ解消される(図8参照)。噴霧形状先端部分の燃料濃度と、燃料濃度が最も小さい部分の濃度差(ΔD)は、従来の濃度差(Δd)に比べ小さくなっている。
また、同時期に噴霧される燃料の粒子を揃える点のみを重視すれば、図9や図10に示すように、噴孔25a、25bを定めても良い。図9では、噴孔25bは、本実施形態と同様に入口側開口面積よりも出口側開口面積が小さく形成され、噴孔25aは、入口側開口面積と出口側開口面積とが同じ面積となるように形成されている。図10では、噴孔25aは、本実施形態と同様に入口側開口面積よりも出口側開口面積が大きく形成され、噴孔25bは、入口側開口面積と出口側開口面積とが同じ面積となるように形成されている。いずれの場合も、各噴孔25a、25bの出口側開口面積の関係は、噴孔25aの方が大きく形成されている。
本実施形態では、各噴孔25a、25bの出口側の燃料圧力を等しくすることにより、同時期に噴霧される燃料の粒径を揃えて、燃料濃度の偏りを防止するものであったが、燃料圧力にかえて燃料速度を等しくすることでも本実施形態と同様な効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図11から図13に基づいて説明する。本実施形態における燃料噴射弁を図11に示す。図12は、燃料噴射弁から噴霧される燃料の噴霧形状を示す図である。図13は、噴霧形状の先端部分における水平方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。なお、第1実施形態と同一機能物は、同一符号を付す。ここでは、第1実施形態と相違する点のみを説明する。
燃料噴射弁1の噴孔部材24に形成されている各噴孔25a、25bの開口面積は、入口側、出口側全て同じ開口面積となっている。燃料噴射弁1の先端には、請求項5に記載の空気流形成手段としての制御弁50が設けられている。制御弁50は、燃料噴射弁1から噴霧される燃料の噴霧形状の側壁部分に空気流56を形成するものであり、ソレノイド51、弁体52、スプリング53および外套54からなっている。
外套54は、スリーブ28の外周に配置され、外套54の内壁とスリーブ28の外壁との間には、空気を通す空気通路55が形成される。弁体52は、略L字形の部品であり、空気通路55を開閉するためのものである。この弁体52は、外套54に形成されたスリット54aにその一端が差し込まれ、弁体52が水平方向に往復移動することにより、空気通路55を開閉する。
ソレノイド51は、弁体52の外壁側に配置され、ソレノイド51への通電がオンされると、弁体52を吸引する。弁体52は、ソレノイド51に吸引されると空気通路55を開放し、噴霧形状の側壁部分に空気流56が形成される。弁体52の内壁側には、スプリング53が配置されている。ソレノイド51への通電がオフされるとこのスプリング53の付勢力により、弁体52が空気通路55を閉塞する。空気通路55に供給される空気は、図示しないエアポンプ等から供給される。
次に、本実施形態の動作と効果とを図12および図13に基づいて説明する。ソレノイド51への通電は、燃料噴射弁1から燃料が噴霧される前からオンとされ、燃料が噴霧される直前にオフとなる。ソレノイド51へ通電されている期間、弁体52が空気通路55を開放するので、図12に示すように噴霧形状の側壁部分に空気流56を形成する。この空気流56は、ソレノイド51への通電がオフとなり、弁体52が空気通路55を閉塞した後でも、所定時間空気流56は持続する。
空気流56が形成されている状態で、燃料噴射弁1から燃料が噴霧されると、噴霧初期の空気流56に近い部分の噴霧燃料は、この空気流56に引きずられる。すると、図12の実線で示すような噴霧形状となる。従来の燃料噴射弁1では、周囲の噴霧燃料の粒径は、中央付近の粒経よりも小さいため、燃料の到達距離が異なるが、本実施形態では、空気流56を形成する制御弁50を燃料噴射弁1の先端に配置しているので、周囲の噴霧燃料を空気流56に引きずらせ、燃料の到達距離を延ばすことができる。これにより、図13に示すように、噴霧形状先端部分の燃料濃度の偏りを防ぐことができる。
空気通路55の閉塞タイミングを燃料噴射弁1から燃料が噴霧される直前までとすることが好ましい。燃料が噴霧された後も空気流56を形成し続けると、噴霧初期の燃料だけでなく噴霧中期および後期の燃料も空気流56に引きずられてしまい、噴霧形状の噴孔付近から中腹部分にかけての燃料濃度が小さくなるからである。
また、燃料噴射弁1から噴霧が停止した直後に、弁体52を駆動させ、空気通路55を開放し、空気流56を形成しても良い。これによれば、噴霧後に円板部25に付着する燃料を除去することができる。その結果、燃焼室からの熱により噴孔付近にデポジットが発生するという問題を回避することもできる。
本発明の第1実施形態によるガソリンエンジン用の燃料噴射弁の断面図である。 燃料噴射弁の噴孔付近の断面図である。 図2に示す燃料噴射弁の噴孔付近の断面の模式図である。 図2に示す燃料噴射弁の噴孔付近の平面図である。 ニードル弁が弁座から離座し、再び着座するまでの噴孔の入口側、出口側の圧力変化を示したグラフである。 燃料噴射弁から噴霧される燃料の噴霧形状を示す図である。 噴霧形状の先端部分における水平方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。 噴霧形状の中央付近における噴霧方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。 第1実施形態の他の実施形態による燃料噴射弁の噴孔付近の断面の模式図である。 第1実施形態の他の実施形態による燃料噴射弁の噴孔付近の断面の模式図である。 本発明の第2実施形態による燃料噴射弁の噴孔付近の断面の模式図である。 本発明の第2実施形態による燃料噴射弁から噴霧される燃料の噴霧形状を示す図である。 噴霧形状の先端部分における水平方向の位置と燃料濃度との関係を示すグラフである。 従来の燃料噴射弁の噴孔付近の断面図の模式図である。 噴孔から噴霧される燃料の粒径と、噴孔出口付近の燃料圧力との関係を示すグラフである。 粒径が異なる燃料の速度の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
1 燃料噴射弁
13 弁ボディ
13a 弁座
20 ニードル弁
21 当接部
24 噴孔部材
25a 噴孔(第1噴孔)
25b 噴孔(第2噴孔)
50 制御弁(空気流形成手段)
51 ソレノイド
52 弁体
53 スプリング
54 外套

Claims (7)

  1. 弁座と、該弁座より中心軸側に位置する第1噴孔と、該第1噴孔よりさらに中心軸側に位置する第2噴孔とを有する弁ボディと、
    前記弁ボディの内部に移動可能に収容され、前記弁座に対して離着座し、前記第1噴孔および前記第2噴孔を開閉する弁体と、を備え、
    前記弁体を前記弁ボディの軸方向に沿って移動させることにより、前記弁体と前記弁ボディの内壁との間を通って流入する燃料を前記第1噴孔および前記第2噴孔より噴霧する燃料噴射弁であって、
    前記第1噴孔の出口側の開口面積を、前記第2噴孔の出口側の開口面積よりも大きくさせ、前記第1噴孔および前記第2噴孔の出口側の燃料圧力または燃料速度をほぼ等しくさせていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記第2噴孔の出口側の開口面積は、前記第2噴孔の入口側の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記第1噴孔の出口側の開口面積は、前記第1噴孔の入口側の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記第1噴孔の出口側の開口面積は、前記第1噴孔の入口側の開口面積とほぼ同じであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
  5. 弁座と、該弁座より中心軸側に位置する第1噴孔と、該第1噴孔よりさらに中心軸側に位置する第2噴孔とを有する弁ボディと、
    前記弁ボディの内部に移動可能に収容され、前記弁座に対して離着座し、前記第1噴孔および前記第2噴孔を開閉する弁体と、を備え、
    前記弁体を前記弁ボディの軸方向に沿って移動させることにより、前記弁体と前記弁ボディの内壁との間を通って流入する燃料を前記第1噴孔および前記第2噴孔より噴霧する燃料噴射弁であって、
    前記第1噴孔から噴霧される燃料の噴霧形状の側壁に沿って空気流を形成する空気流形成手段が設けられていることを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 前記空気流形成手段は、燃料噴霧開始直前まで前記空気流を形成していることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記空気流形成手段は、燃料噴霧終了直後から前記空気流を形成することを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射弁。
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