JP2006348426A - ポリエステル複合繊維 - Google Patents

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【課題】 織編物にした際に優れたストレッチバック性とハリ、コシを付与することができ、さらに、膨らみ感に加えてシボ立ちのない良好な品位の布帛を得ることができるポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】 粘度が異なる2種類のポリエステル成分が互いにサイドバイサイド型、あるいは偏心芯鞘型に貼り合わされた単糸形状を呈している複合繊維であって、沸水処理によりスパイラル状捲縮を発現する潜在捲縮性能を有し、かつ、100℃、15分間の沸水処理により発現するスパイラル状捲縮の捲縮数(Y)が20山/cm以上であり、捲縮率(X)との比(X/Y)が1.5以下であるポリエステル複合繊維。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘度の異なる2種類のポリエステル成分を貼り合わせた単糸形状を呈している複合繊維であって、潜在捲縮性能を有することにより、織編物にした際に優れたストレッチバック性とハリ、コシを有し、膨らみ感とシボ立ちのない良好な品位を兼ね備えた布帛を得ることができるポリエステル複合繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルは、優れた機械的特性と化学的特性を有しており、繊維分野においても様々な用途に使用されている。そして、この用途の一つとして、ストレッチ性能を有する織編物を得るために、熱収縮特性の異なる2種類のポリエステルをサイドバイサイド型に接合し、製織編後の加工時に受ける熱により捲縮性能を発現する潜在捲縮性を有する複合繊維が使用されている(例えば特許文献1、2参照)。
このような潜在捲縮性を有する繊維は、製織編後に捲縮を発現することに嵩高となり、織編物に膨らみ感を与えることができ、かつストレッチ性能とソフトな風合いを付与することもできる。これらの潜在捲縮性繊維は、単独で織編物に加工して使用することもできるが、他の様々な繊維と混繊や交絡することにより複合して加工糸として使用することもでき、組み合わせる相手の繊維の特性を活かしつつ上記したような性能を付与することが可能となり、多用途に使用されている。
近年、このような繊維素材の複合化の要望が高まるとともに、上記したような性能に加えて、さらに品位の高い布帛を得ることができる潜在捲縮性繊維が求められている。
特開平11−241229号公報 特開2000−212838号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、織編物にした際に優れたストレッチバック性とハリ、コシを付与することができ、さらに、膨らみ感に加えてシボ立ちのない良好な品位の布帛を得ることができるポリエステル複合繊維を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、粘度が異なる2種類のポリエステル成分が互いにサイドバイサイド型、あるいは偏心芯鞘型に貼り合わされた単糸形状を呈している複合繊維であって、沸水処理によりスパイラル状捲縮を発現する潜在捲縮性能を有し、かつ、100℃、15分間の沸水処理により発現するスパイラル状捲縮の捲縮数(Y)が20山/cm以上であり、捲縮率(X)との比(X/Y)が1.5以下であることを特徴とするポリエステル複合繊維を要旨とするものである。
本発明のポリエステル複合繊維は、織編物にした際に優れたストレッチバック性とハリ、コシを付与することができ、さらには、膨らみ感に加えてシボ立ちのない良好な品位の布帛を得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複合繊維は、粘度が異なる2種類のポリエステル成分(高粘度ポリエステル成分と低粘度ポリエステル繊維)が互いにサイドバイサイド型、あるいは偏心芯鞘型に貼り合わされた単糸形状を呈している複合繊維である。
つまり、複合繊維を構成する各単糸は、横断面形状において、2種類のポリエステル成分がサイドバイサイド型あるいは偏心芯鞘型に貼り合わされているものであるが、サイドバイサイド型とは、図1(A)に示すように2種類のポリエステル成分の貼り合わせ面が直線的でほぼ等分に貼り合わされているものや、図1(B)に示すように貼り合わせ面が湾曲して貼り合わされているものが挙げられる。そして、偏心芯鞘型とは、図2に示すように、一方の成分が鞘、他方の成分が芯となり、芯部と鞘部の中心が一致していないものをいう。なお、本発明においては、鞘部を高粘度成分、芯部を低粘度成分とすることが好ましい。
本発明の複合繊維においては、高粘度ポリエステル成分の極限粘度〔η〕Aと低粘度ポリエステル成分の極限粘度〔η〕Bの差(〔η〕A−〔η〕B)は、0.05〜0.3とし、中でも0.07〜0.25とすることが好ましい。
ここで、極限粘度とは、ポリエステルをフェノールとテトラクロロエタンの1:1混合溶媒で溶解し、ウベローデ粘度計を使用して、20℃で測定した値である。
〔η〕A−〔η〕Bが0.05未満の場合には、捲縮性能の発現が不十分となりやすく、十分なふくらみ感やストレッチ性能を有する布帛を得ることが困難になる。一方、〔η〕A−〔η〕Bが0.3を超えると、両ポリエステルの複合流が紡糸口金から吐出される際、屈曲が大きくなり、紡出されたポリマー(糸条)が紡糸口金に付着して切断が生じ、安定して紡糸を行うことが困難となる傾向がある。
そして、高粘度ポリエステル成分は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を主成分とするものであって、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が90%以上のPETとすることが好ましい。そして、PETに2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、スルホン酸塩基化合物、イソフタル酸の少なくとも1種を含有するものであることが好ましい。
これらの2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、スルホン酸塩基化合物、イソフタル酸の少なくとも一種を含有することで、高粘度ポリエステル成分は、熱収縮率が高くなり、低粘度ポリエステル成分との熱収縮率差を大きくすることができ、その結果、繊維全体の潜在捲縮率を高めることが可能となる。つまり、高粘度ポリエステル成分と低粘度ポリエステル繊維の極限粘度差をあまり大きくしなくても潜在捲縮率を高めることができるので、単糸繊度の小さい繊維であっても紡糸直後の糸条の屈曲が小さく、操業性よく生産することが可能となる。
2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、スルホン酸塩基化合物、イソフタル酸の総含有量は、高粘度ポリエステル成分中において5〜20モル%の範囲にあることが好ましく、中でも6〜15モル%とすることが好ましい。これらの成分を含有させるには、PETと共重合させたものとすることが好ましいが、ブレンド(混合)させたものでもよい。
これらの含有量が5モル%未満では、十分な潜在捲縮性能の向上効果が得られず、一方、含有量が20モル%を超えると、紡糸性が阻害されたり、繊維強度が損なわれることになり好ましくない。
中でも、2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンは、熱収縮性を向上させる効果が大きいため、高粘度ポリエステル成分中に2モル%以上含有することが好ましく、中でも4モル%以上含有することが好ましい。
さらには、高粘度ポリエステル成分は、2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンに加えてスルホン酸塩基化合物、イソフタル酸のいずれか一方を含有することが好ましい。
また、スルホン酸塩基化合物としては、特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。スルホン酸塩基化合物の含有量は1モル%以上とすることが好ましく、イソフタル酸の含有量は2モル%以上とすることが好ましい。
本発明の複合繊維を構成する低粘度ポリエステル成分は、PETを主体とするものであれば、特に限定されるものではないが、エチレンテレフタレート成分の繰り返し単位が、95%以上であるPETとすることが好ましい。そして、高粘度ポリエステル成分より熱収縮性が低くなるようにするため、結晶性を大きく阻害する成分が含まれたものや、高粘度ポリエステル成分に含有させる2,2−ビス{4−(B−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、スルホン酸塩基化合物、イソフタル酸等を含有するものは好ましくない。
なお、両ポリエステル成分中には、本質的な特性を損なわない限り、艶消剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導電性付与剤等の他の成分を少量含有していてもよい。
さらに、複合繊維における両ポリエステル成分の比率は、質量比で40/60〜60/40の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることにより、後加工により発現する捲縮の数、大きさともに十分なものとなり、優れた潜在捲縮性を有するものとすることができる。
次に、本発明の複合繊維の単糸繊度は0.5〜6.0dtexとすることが好ましいが、中でも0.7〜1.5dtexとすることが好ましい。単糸繊度が6.0dtexを超えると、得られる布帛はソフト性に劣るものとなりやすい。一方、単糸繊度が、0.5dtex未満であると、捲縮性能の発現が不十分となりやすく、十分なふくらみ感とストレッチ性能を有する布帛を得ることが困難となる傾向があるばかりでなく、紡糸時に糸条が紡糸口金に付着しやすくなり、安定して紡糸を行うことが困難となりやすい。中でも0.7〜1.5dtexとすることで、従来にないソフト感とふくらみ感を兼ね備えた布帛を得ることができ、また操業性よく繊維を得ることができる。
そして、本発明の複合繊維は、沸水処理によりスパイラル状捲縮を発現する潜在捲縮性能を有し、100℃、15分間の沸水処理により発現するスパイラル状捲縮の捲縮数(Y)が20山/cm以上であり、捲縮率(X)との比(X/Y)が1.5以下である。
つまり、本発明の複合繊維は、沸水処理によりスパイラル状捲縮を発現するものであるが、スパイラル状捲縮とは、捲縮の形態が3次元の螺旋状構造を呈するものをいう。そして、100℃、15分間の沸水処理により発現するスパイラル状捲縮の捲縮数(Y)が20山/cm以上であり、中でも25〜40山/cmであることが好ましい。
捲縮数(Y)が20山/cm未満であると、得られる布帛は、ストレッチバック性やハリ、コシに乏しいものとなり、十分な性能を有する布帛を得ることが困難となる。なお、ストレッチバック性に優れるとは、布帛に応力を付与して伸長した後、応力を解除した直後に瞬間的に元の寸法に戻る際の回復速度が速いことをいう。
また、本発明における沸水処理後の捲縮数(Y)(山/cm)は以下の方法により求める。まず、繊維を7cmの長さにカットして試料とし、沸水中にフリーの状態で浸漬させ、100℃、15分間沸水処理を行う。処理後、繊維を取り出し、すぐに20℃の水中に1分間浸漬させる。この後、繊維を取り出し、フリーの状態で5時間自然乾燥させる。乾燥後、繊維を試料板に貼る際、フリーの状態で測定した長さの2倍の長さに引き延ばして貼り付け、幅2cmのスリット板をかぶせて顕微鏡にて観察し、山数を読みとる。1つの試料で2回ずつ測定し、10個の試料を測定し、これらの測定値(n=20)の平均を求める。
さらに、捲縮数(Y)と捲縮率(X)との比(X/Y)が1.5以下であり、中でも1.0以下であることが好ましい。
本発明においては、捲縮数(Y)を20以上とし、X/Yを1.5以下とするものであり、これにより、得られる布帛はストレッチバック性に優れ、かつなめらかで高級感のある表面品位を得ることができる。X/Yが1.5を超えると、捲縮率に対して捲縮数が少ないため、得られる布帛の表面状態は滑らかな表面感が得られなくなり、表面品位は劣ったものとなる。
なお、本発明における沸水処理後の捲縮率(X)(%)は、以下の方法により求める。検尺機にて10回枷取りした繊維を沸水中にフリーの状態で浸漬させ、100℃、30分間沸水処理を行う。処理後、長さaの繊維を取り出し、フリーの状態で30分間風乾させ、2.27×10-3cN/dtexの荷重をかけてその長さbを測定し、次式より算出する。
捲縮率(X)(%)=〔(b−a)/b〕×100
そして、本発明のポリエステル複合繊維は、沸水収縮率が 3〜12%であることが好ましい。沸水収縮率を3〜12%にすることによって、得られた布帛は、上記した風合いに加えて、ソフト感にも優れたものとなる。沸水収縮率が12%を超えると、得られる布帛の収縮が大きくなるため、粗剛感が顕在化し、ソフト感に乏しくなる傾向がある。一方、沸水収縮率が3%未満になると、得られる布帛のふくらみ感、ストレッチバック性に乏しくなる傾向がある。
なお、本発明における沸水収縮率は、以下の方法により求める。検尺機にて10回枷取りした繊維に0.18cN/dtexの荷重をかけて、原長L0を測定する。次に、荷重を取り外し、1/6000cN/dtexの荷重をかけて、沸水中に浸漬させ、100℃、15分間沸水処理を行う。処理後、繊維を取り出し、すぐに20℃の水中に1分間浸漬させる。この後、繊維を取り出し、フリーの状態で5時間自然乾燥させる。乾燥後、繊維に3.5cN/dtexの荷重をかけて30秒待ってから処理後長L1を測定し、次式より沸水収縮率を求める。
沸水収縮率(%)=〔(L0−L1)/L0〕×100
次に、本発明の複合繊維の製造方法について説明する。本発明の複合繊維は、通常の複合紡糸型溶融紡糸機により製造することができる。まず、紡糸口金の背面で、2種類のポリエステル成分をサイドバイサイド型、あるいは偏心芯鞘型となるように合流させ、同一紡糸孔から吐出し、紡糸する。その際、紡糸温度は、ポリエステル成分の極限粘度によって適宜選定されるが、通常、280℃〜310℃の範囲が好ましい。紡出された糸条は、冷却固化後、紡糸油剤を付与して1000〜4000m/分の速度で引き取り、一旦捲取った後、別工程で延伸機により熱延伸を施すか、あるいは引き取った糸条を一旦捲取ることなく紡糸に連続して熱延伸することにより、本発明の複合繊維を得ることができる。上記製法における延伸倍率は、引取った時点での繊維の残留伸度によって適宜選定され、延伸後の残留伸度が15〜40%の範囲になるように選定することが好ましい。
そして、本発明の複合繊維は、このまま経糸や緯糸として用いることができるが、他の糸と混繊して用いてもよい。また、仮撚り加工を施してもよく、仮撚り混繊してもよい。また、実撚を付与したり、実撚混繊してもよく、またこれらを組み合わせたものでもよい。
本発明の複合繊維は、沸水処理により潜在捲縮性能を発現するものであるが、工程通過性等の作業性を考慮すると、製編織等により布帛にした後、沸水処理を施して潜在捲縮性能を発現させることが好ましい。中でもアルカリ減量処理工程や染色工程で発現させることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例において測定及び評価は次の通りに行った。
(1)極限粘度
前記の方法で測定した。
(2)布帛風合い
得られた複合繊維(56dtex/48f、56dtex/12f)に1500T/Mの加撚(S撚、撚係数K11000)を施し、引き続き80℃、40分間の条件で真空熱セットを行った。この糸を経糸と緯糸に用いて経密度110本/2.54cm、緯密度80本/2.54cmの平織の織物を製織し、精練後、100℃の沸水中で15分間処理し、潜在捲縮を発現させ、次いで風乾して織物を得た。なお、得られた複合繊維が110dtex/24fのものは、1100T/Mの加撚を施し、経密度78本/2.54cm、緯密度57本/2.54cmの平織物に変更した以外は上記と同様にして織物を得た。
得られた織物をパネラーにより触感による評価を行った。ストレッチバック性、表面品位(シボ立ちのない滑らかさ)、ソフト感、ハリとコシのそれぞれについて、1〜10点の10段階で評価した(10点が最も優れているものとした)。
実施例1〜6、比較例1〜3
高粘度ポリエステル成分として、PETに2,2−ビス{4−(Β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン(以下、BP−A/EOとする)、イソフタル酸(IPA)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SIP)の含有量(共重合量)が表1に示す値となる共重合PETであって、表1に示す極限粘度を有するものを用いた。低粘度ポリエステル成分としては、表1に示す極限粘度を有するPETを用いた。
両ポリエステル成分を複合紡糸型溶融押出機に等量供給し、紡糸温度295℃で溶融し、紡糸孔を有する紡糸口金の背面で両成分を合流させ、サイドバイサイド型に接合して紡出した。紡出した糸条を冷却固化した後、油剤を付与しながら糸条を集束し、表面速度が3000m/分の引取ローラを介して捲取機で捲取った。
次いで、得られた繊維を延伸機に供給し、表面温度85℃のローラと170℃のホットプレートを介して延伸倍率1.6倍で延伸し、巻き取った。
得られた複合繊維は、図1(B)に示す貼り合わせ面の断面形状を呈し、それぞれのフィラメント構成は表1に示すものであった。
得られた複合繊維の捲縮数Y、捲縮率/捲縮数(X/Y)、沸水収縮率と布帛風合いの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜6の複合繊維は、いずれも捲縮数Y、捲縮率/捲縮数(X/Y)、沸水収縮率が適切な値であったため、得られた布帛は、ストレッチバック性、表面品位、ソフト性、ハリ・コシともに優れていた。
一方、比較例1及び2の複合繊維は、捲縮数Yが10未満であり、捲縮率/捲縮数(X/Y)が1.5を超えるものであったため、ストレッチバック性、表面品位,ハリ・コシともに劣るものであった。また、比較例3の複合繊維は、捲縮率/捲縮数(X/Y)が1.5を超えるものであったため、得られた布帛は表面品位に劣るものであった。
本発明の複合繊維の複合形状の一実施態様(サイドバイサイド型)を示す単繊維の横断面模式図である。 本発明の複合繊維の複合形状の一実施態様(偏心芯鞘型)を示す単繊維の横断面模式図である。

Claims (3)

  1. 粘度が異なる2種類のポリエステル成分が互いにサイドバイサイド型、あるいは偏心芯鞘型に貼り合わされた単糸形状を呈している複合繊維であって、沸水処理によりスパイラル状捲縮を発現する潜在捲縮性能を有し、かつ、100℃、15分間の沸水処理により発現するスパイラル状捲縮の捲縮数(Y)が20山/cm以上であり、捲縮率(X)との比(X/Y)が1.5以下であることを特徴とするポリエステル複合繊維。
  2. 高粘度ポリエステル成分は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレートと、以下の(a)〜(c)の3成分のうち少なくとも1種を含有し、(a)〜(c)の成分の総含有量が高粘度ポリエステル成分全体において5〜20モル%であるものであって、低粘度ポリエステル成分はエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレートであり、かつ下記(1)を満足する請求項1記載のポリエステル複合繊維。
    (a)2,2−ビス{4−(Β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン
    (b)スルホン酸塩基化合物
    (c)イソフタル酸
    (1)0.05≦〔η〕A−〔η〕B≦0.30
    ただし、〔η〕Aは高粘度ポリエステル成分の極限粘度、〔η〕Bは低粘度ポリエステル成分の極限粘度である。
  3. 単糸繊度が0.7〜1.5dtex以下である請求項1又は2記載のポリエステル複合繊維。
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