JP2006348097A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合してなる混合物を主成分として含有する樹脂組成物であり、このメラミンの配合量が混合物中、15質量%以上、80質量%以下である。この樹脂組成物を用いて形成された成形体は難燃性及び耐衝撃性を有する。
【選択図】 なし
Description
窒素系化合物としては、メラミン、メラミンシアヌレート、メラム、メロン、メラミン(モノ/ピロ/ポリ)フォスフェート等が挙げられる。例えば、メラミンは分解温度が約200℃と低く、特許文献1〜4に開示されているように、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称表記することもある)、ポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と略称表記することもある)等の芳香族ポリエステルの成形温度ではメラミンが分解し成形不良を生じる。また、メラミンシアヌレートは分解温度が約320℃と高いため、PET、PBT等に使用することができるが、難燃性の付与効果が低いため多量に配合する必要があり、多量に配合すると機械物性が著しく低下するので、家電、自動車部品等に使用することは非常に難しい。
本発明の樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネート及びメラミンからなる混合物を主成分として含む。
−(N=C=N−R−)n−
ただし、式中、Rは有機系結合単位を示し、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族であることができる。nは1以上の整数を示し、通常は1〜50の間で適宜決められる。nが2以上の場合に、2以上のRは同一でも異なっていてもよい。
ポリブチレンサクシネート、メラミン、および、必要に応じて、カルボジイミド化合物や、その他の添加剤等の各原料を、同一の押出機あるいは射出成形機に投入して直接混練し、成形することにより成形体を形成することができる。あるいは、ドライブレンドした原料を、二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作製しておき、このペレットを射出成形機、押出機等に入れて成形することによりフィルム、シート、プレート等の成形体を形成することができる。
長さ135.0mm×幅13.0mm×厚さ1.5mmの試験片を用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき、n=5にて燃焼試験を実施した。なお、厚さの薄いシート(長さ135.0mm×幅13.0mm)についても同様にしてUL94垂直燃焼試験(VTM)を実施した。UL94垂直燃焼試験(UL94V、VTM)の判定基準に基づき判定を行い、V−0基準又はVTM−0を満たすものを合格とした。
メラミン又はメラミンシアヌレートを配合した場合の分解率(重量平均分子量の低下率)を下記式により算出した。なお、分解率は10%以下を実用基準とした。
分解率(%)=[(a−b)/a]×100
a:メラミン又はメラミンシアヌレートを配合していない場合の樹脂組成物の重量平均分子量
b:メラミン又はメラミンシアヌレートを配合した場合の樹脂組成物の重量平均分子量
日本工業規格 JIS K−7110に基づき、2号A試験片(ノッチ付き、長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mm)について、(株)東洋精機製作所製のJISL−Dを用い、23℃におけるアイゾット衝撃強度の測定を行った。
エスペック(株)製の小型環境試験機SH−241を使用し、温度85℃、相対湿度80%RHの条件下で試験片について湿熱試験を行った。100時間経過後のアイゾット衝撃強度を測定し、湿熱試験前のアイゾット衝撃強度と100時間経過後のアイゾット衝撃強度とを下記式に代入して、アイゾット衝撃強度保持率を算出した。なお、成形体に耐久性が要求される場合には、アイゾット衝撃強度保持率が70%以上であることが好ましく、アイゾット衝撃強度保持率が70%以上であれば強度の劣化が生じることはない。
アイゾット衝撃強度保持率(%)=
(湿熱試験後のアイゾット衝撃強度/湿熱試験前のアイゾット衝撃強度)×100
ポリブチレンサクシネートとして三菱化学(株)製のGSPla AZ91T(重量平均分子量18万)を用い、メラミンとして三菱化学(株)製の商品名「ユカメラミン」を用いた。GSPla AZ91Tと、ユカメラミンとを質量比で、85質量部:15質量部の割合でドライブレンドした後、三菱重工(株)製の40mmφの小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、難燃性評価用の試験片として長さ135.0mm×幅13.0mm×厚さ1.5mmの板材(試験片)を射出成形して得た。ただし、主な成形条件は以下に示すとおりである。
・ 射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
・ 計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=70:30となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製した。また、得られたペレットを用い、実施例1と同様にして、射出成形を行い難燃性評価用の試験片を作製した。さらにまた、得られたペレットを用い、実施例1と同様にして射出成形を行い、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。また、耐久性試験用の射出成形体(試験片)について耐久性の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=50:50となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=30:70となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=80:20となるようにドライブレンドした後、三菱重工(株)製の40mmφの単軸押出機を用いて190℃で混練した。次いで、口金から押出した後、約50℃のキャスティングロールに接触させて急冷し、200μm厚のシートを作製した。得られたシートから長さ135.0mm×幅13.0mmのシート試験片を切り出し、このシート試験片について、難燃性(UL94VTM)及び分解率の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、メラミンを使用せずに、ポリブチレンサクシネートGSPla AZ91Tからなるペレットを作製した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりに、ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製の「ユニペットRT523C」、IV=0.7)を用い、ユニペットRT523Cとユカメラミンとを質量比で70:30となるように混合した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られた射出成形体は著しく外観を損なった成形体であった。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりに、ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製の「Nature Works 4032D」、L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4、重量平均分子量20万)を用い、Nature Works 4032Dとユカメラミンとを質量比で70:30となるように混合した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりにポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製の「セルグリーンP−H7」、平均分子量12万)を用い、質量比で、P−H7:ユカメラミン=70:30の割合で配合してドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、メラミンの替わりにメラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製、MC−860)を用い、質量比で、GSPla AZ91T:MC−860=70:30となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2において、更にカルボジイミド化合物として日清紡績(株)製の「カルボジライトHMV−8CA」を用い、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン:カルボジライトHMV−8CA=70:30:1の割合でドライブレンドした以外は実施例2と同様にして、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。得られた射出成形体について実施例2と同様の耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例2において、更にカルボジイミド化合物として日清紡績(株)製の「カルボジライトHMV−8CA」を用い、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン:カルボジライトHMV−8CA=70:30:3の割合でドライブレンドした以外は実施例2と同様にして、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。得られた射出成形体について実施例2と同様の耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
Claims (3)
- ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合してなる混合物を主成分として含有する樹脂組成物であり、該メラミンの配合量が前記混合物中、15質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
- 更にカルボジイミド化合物を配合し、該カルボジイミド化合物の配合量が、前記ポリブチレンサクシネート100質量部に対して0.5質量部以上、10質量部以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
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