JP2006348097A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性および耐熱性を有する樹脂組成物及び成形体を提供する。
【解決手段】樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合してなる混合物を主成分として含有する樹脂組成物であり、このメラミンの配合量が混合物中、15質量%以上、80質量%以下である。この樹脂組成物を用いて形成された成形体は難燃性及び耐衝撃性を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性を有する樹脂組成物および成形体に関し、特に、難燃性及び耐熱性を有する樹脂組成物と成形体に関するものである。
プラスチックは今や日常生活、産業等のあらゆる分野において広く浸透しており、プラスチックの需要は年々増加している。プラスチックは、その優れた物性、成形加工性等を活かして様々な用途に、例えば、フィルム包装材や、家電、OA機器、自動車部品等の成形分野において使用されている。
家電、OA機器、自動車部品等の用途に用いられる成形体には火災防止のため難燃性が要求される。例えばポリスチレンやABS樹脂は燃焼しやすいので、主として臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が使用されてきた。また、有機ハロゲン系化合物と三酸化アンチモンを配合して両者の化学的及び物理的相乗効果を利用する難燃性付与方法がある。しかしながら、有機ハロゲン系化合物を含む樹脂組成物は、燃焼時もしくは成形加工時に、又は、成形品が焼却される際にハロゲン系難燃剤からダイオキシン類のような有害ガスが発生することがあり、廃棄物焼却処理やサーマルリサイクルにおける安全性の課題があった。
そのため、近年においては非ハロゲン系難燃剤の開発が盛んに行われている。例えば、リン酸エステル系化合物に代表されるようなリン系難燃剤を配合する手法が一般的に用いられているが、リン酸エステル系化合物は可塑剤としても作用するため、難燃性を付与できる反面、耐熱性が大幅に低下する。
このため、非ハロゲン系化合物、非リン系化合物の代替材料として窒素系化合物が注目されている。
窒素系化合物としては、メラミン、メラミンシアヌレート、メラム、メロン、メラミン(モノ/ピロ/ポリ)フォスフェート等が挙げられる。例えば、メラミンは分解温度が約200℃と低く、特許文献1〜4に開示されているように、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称表記することもある)、ポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と略称表記することもある)等の芳香族ポリエステルの成形温度ではメラミンが分解し成形不良を生じる。また、メラミンシアヌレートは分解温度が約320℃と高いため、PET、PBT等に使用することができるが、難燃性の付与効果が低いため多量に配合する必要があり、多量に配合すると機械物性が著しく低下するので、家電、自動車部品等に使用することは非常に難しい。
また、窒素系化合物とリン系化合物を併用する方法が特許文献5〜7に開示されており、これらの技術を用いれば難燃性を付与することはできるが、リン系難燃剤の安全性、環境調和性の問題が残ることになる。
特開昭54−112958号公報 特公昭60−33850号公報 特公昭59−50184号公報 特公昭62−39174号公報 特開平3−281652号公報 特開平5−70671号公報 特開平5−287119号公報
このように、従来の難燃性付与の方法では、熱可塑性樹脂を窒素系化合物、特にメラミンにより難燃化を図ることは非常に難しかった。
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐熱性及び難燃性を有する樹脂組成物及び成形体を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合してなる混合物を主成分として含有する樹脂組成物であり、該メラミンの配合量が前記混合物中、15質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の樹脂組成物は、更にカルボジイミド化合物を配合することができ、該カルボジイミド化合物の配合量が、前記ポリブチレンサクシネートとメラミンとの混合物100質量部に対して0.5質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。
本発明の成形体は、上記いずれかの樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、成形温度、燃焼熱量の低いポリブチレンサクシネートにメラミンを配合することにより、ポリブチレンサクシネートが本来有する耐熱性を損なうことなく優れた難燃性を付与することができ、例えば、UL94垂直燃焼試験におけるV−0基準、もしくは、VTM−0基準を満たす樹脂組成物及び成形体を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明について説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネート及びメラミンからなる混合物を主成分として含む。
本発明に用いられるポリブチレンサクシネートは、コハク酸と1,4−ブタンジオールとを重合して得られる。ポリブチレンサクシネートとしては、例えば三菱化学(株)製の「GSPla」シリーズ、昭和高分子(株)製の「ビオノーレ」シリーズ等が商業的に入手可能なものとして挙げられる。本発明においては、ポリブチレンサクシネートの重量平均分子量が5万以上、40万以下であることが好ましく、10万以上、24万以下であることが更に好ましい。ポリブチレンサクシネートの重量平均分子量が5万以上であれば実用物性を発現することができ、40万以下であれば溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣るという事態は生じない。
本発明に用いられるメラミンは、化学名が2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンであり、白色結晶粉末である。例えば、市販品の代表的なものとしては、三菱化学(株)製の「ユカメラミン」等が挙げられる。
メラミンの配合量としては、ポリブチレンサクシネートとメラミンの混合物中に占めるメラミンの割合が15質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上、50質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上、40質量%以下であることが特に好ましい。メラミンの配合量が混合物中、15質量%未満であると、難燃性の付与効果が十分でなく、80質量%を越えると、耐衝撃性、成形性が低下する場合がある。
本発明においては、耐加水分解性を付与するために更にカルボジイミド化合物を配合することができる。用いられるカルボジイミド化合物としては、下記一般式に示す基本構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。

−(N=C=N−R−)n−

ただし、式中、Rは有機系結合単位を示し、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族であることができる。nは1以上の整数を示し、通常は1〜50の間で適宜決められる。nが2以上の場合に、2以上のRは同一でも異なっていてもよい。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体がカルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独、又は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
カルボジイミド化合物の具体例としては、ラインケミー社製の「スタバクゾール」シリーズ、日清紡績(株)製の「カルボジライト」シリーズ等を挙げることができる。
カルボジイミド化合物の配合量は、ポリブチレンサクシネートとメラミンとの混合物100質量部に対して0.5質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、5質量部以下であることが更に好ましい。カルボジイミド化合物の配合割合が0.5質量%以上であれば耐久性の付与効果を発現することができ、5質量部以下であれば、樹脂組成物の軟質化を生じて耐熱性が損なわれるということがない。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、可塑剤、核剤、光安定剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
次に、本発明の樹脂組成物を用いて成形体を形成する方法について説明する。
ポリブチレンサクシネート、メラミン、および、必要に応じて、カルボジイミド化合物や、その他の添加剤等の各原料を、同一の押出機あるいは射出成形機に投入して直接混練し、成形することにより成形体を形成することができる。あるいは、ドライブレンドした原料を、二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作製しておき、このペレットを射出成形機、押出機等に入れて成形することによりフィルム、シート、プレート等の成形体を形成することができる。
いずれの方法を採用するにしても、原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があるが、各原料を均一に混合させるためには後者を選択することが好ましい。例えば、ポリブチレンサクシネート、メラミン、及び、必要に応じて、カルボジイミド化合物や、その他の添加剤等を、十分に乾燥させて水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作製する。なお、ポリブチレンサクシネート、メラミン、及び、その他の添加剤等との混合割合によって混合樹脂の粘度が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には160℃〜230℃の温度範囲が通常選択される。
上記方法によって作成されたペレットを十分に乾燥させて水分を除去した後、フィルム、シート、射出成形体等の成形体が形成される。フィルム、シート等の成形方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法等が採用され、シート、プレート等の成形方法としては、一般的なTダイキャスト法、プレス法等が採用される。
射出成形体の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を成形する場合に一般的に採用される射出成形法、ガスアシスト成形法、射出圧縮成形法等の射出成形法を採用することができる。また、その他目的に合わせて、上記の方法以外でもインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。ただし、射出成形法はこれらに限定されるものではない。
用いられる射出成形装置は、一般的な射出成形機、ガスアシスト成形機、射出圧縮成形機等と、これらの成形機に用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置、原料乾燥装置等から構成される。成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度が160℃〜230℃の範囲で成形することが好ましい。
ポリブチレンサクシネートは結晶性が高く、耐熱性、耐衝撃性にも優れているため、ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合して難燃化することにより、家電、OA機器、自動車部品等の耐熱性、難燃性、耐衝撃性が必要とされる用途に使用することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、各実施例及び各比較例は以下に示す方法で測定及び評価を行った。
(1)難燃性(UV94V、VTM)
長さ135.0mm×幅13.0mm×厚さ1.5mmの試験片を用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき、n=5にて燃焼試験を実施した。なお、厚さの薄いシート(長さ135.0mm×幅13.0mm)についても同様にしてUL94垂直燃焼試験(VTM)を実施した。UL94垂直燃焼試験(UL94V、VTM)の判定基準に基づき判定を行い、V−0基準又はVTM−0を満たすものを合格とした。
(2)分解率
メラミン又はメラミンシアヌレートを配合した場合の分解率(重量平均分子量の低下率)を下記式により算出した。なお、分解率は10%以下を実用基準とした。

分解率(%)=[(a−b)/a]×100
a:メラミン又はメラミンシアヌレートを配合していない場合の樹脂組成物の重量平均分子量
b:メラミン又はメラミンシアヌレートを配合した場合の樹脂組成物の重量平均分子量
(3)耐久性
日本工業規格 JIS K−7110に基づき、2号A試験片(ノッチ付き、長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mm)について、(株)東洋精機製作所製のJISL−Dを用い、23℃におけるアイゾット衝撃強度の測定を行った。
エスペック(株)製の小型環境試験機SH−241を使用し、温度85℃、相対湿度80%RHの条件下で試験片について湿熱試験を行った。100時間経過後のアイゾット衝撃強度を測定し、湿熱試験前のアイゾット衝撃強度と100時間経過後のアイゾット衝撃強度とを下記式に代入して、アイゾット衝撃強度保持率を算出した。なお、成形体に耐久性が要求される場合には、アイゾット衝撃強度保持率が70%以上であることが好ましく、アイゾット衝撃強度保持率が70%以上であれば強度の劣化が生じることはない。

アイゾット衝撃強度保持率(%)=
(湿熱試験後のアイゾット衝撃強度/湿熱試験前のアイゾット衝撃強度)×100
(実施例1)
ポリブチレンサクシネートとして三菱化学(株)製のGSPla AZ91T(重量平均分子量18万)を用い、メラミンとして三菱化学(株)製の商品名「ユカメラミン」を用いた。GSPla AZ91Tと、ユカメラミンとを質量比で、85質量部:15質量部の割合でドライブレンドした後、三菱重工(株)製の40mmφの小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、難燃性評価用の試験片として長さ135.0mm×幅13.0mm×厚さ1.5mmの板材(試験片)を射出成形して得た。ただし、主な成形条件は以下に示すとおりである。
・ 温度条件:シリンダー温度(190℃) 金型温度(30℃)
・ 射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
・ 計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
得られた射出成形体(試験片)について、難燃性(UL94V)及び分解率の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=70:30となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製した。また、得られたペレットを用い、実施例1と同様にして、射出成形を行い難燃性評価用の試験片を作製した。さらにまた、得られたペレットを用い、実施例1と同様にして射出成形を行い、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。また、耐久性試験用の射出成形体(試験片)について耐久性の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=50:50となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=30:70となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートとユカメラミンとの配合割合を、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン=80:20となるようにドライブレンドした後、三菱重工(株)製の40mmφの単軸押出機を用いて190℃で混練した。次いで、口金から押出した後、約50℃のキャスティングロールに接触させて急冷し、200μm厚のシートを作製した。得られたシートから長さ135.0mm×幅13.0mmのシート試験片を切り出し、このシート試験片について、難燃性(UL94VTM)及び分解率の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、メラミンを使用せずに、ポリブチレンサクシネートGSPla AZ91Tからなるペレットを作製した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりに、ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製の「ユニペットRT523C」、IV=0.7)を用い、ユニペットRT523Cとユカメラミンとを質量比で70:30となるように混合した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られた射出成形体は著しく外観を損なった成形体であった。
(比較例3)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりに、ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製の「Nature Works 4032D」、L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4、重量平均分子量20万)を用い、Nature Works 4032Dとユカメラミンとを質量比で70:30となるように混合した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、ポリブチレンサクシネートの替わりにポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製の「セルグリーンP−H7」、平均分子量12万)を用い、質量比で、P−H7:ユカメラミン=70:30の割合で配合してドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、メラミンの替わりにメラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製、MC−860)を用い、質量比で、GSPla AZ91T:MC−860=70:30となるように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、また、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006348097
表1から明らかなように、実施例1〜4及び実施例5の本発明の樹脂組成物からなる射出成形体はUL94垂直燃焼試験に基づく難燃性がV−0基準又はVTM−0基準を満たし、難燃性に優れたものであることが分かった。また、実施例1〜5の樹脂組成物はポリブチレンサクシネートの耐熱性、耐衝撃性の特性が低下することがないので、優れた耐熱性及び耐衝撃性を有するものであった。
一方、表1から明らかなように、比較例1〜5の樹脂組成物からなる射出成形体は、難燃性試験における結果がすべてV−2基準より悪いものであることが分かった。また、PET、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂にメラミンを配合した比較例2〜4では、メラミンが分解して分子量が低下してしまい、難燃性の効果が発現されていないことが分かった。また、メラミンではなくメラミンシアヌレートを難燃剤として配合した比較例5では、難燃性の付与効果が低く、V−2基準を示すものであることが分かった。
(実施例6)
実施例2において、更にカルボジイミド化合物として日清紡績(株)製の「カルボジライトHMV−8CA」を用い、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン:カルボジライトHMV−8CA=70:30:1の割合でドライブレンドした以外は実施例2と同様にして、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。得られた射出成形体について実施例2と同様の耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例2において、更にカルボジイミド化合物として日清紡績(株)製の「カルボジライトHMV−8CA」を用い、質量比で、GSPla AZ91T:ユカメラミン:カルボジライトHMV−8CA=70:30:3の割合でドライブレンドした以外は実施例2と同様にして、耐久性試験用の射出成形体(長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mmの試験片)を作製した。得られた射出成形体について実施例2と同様の耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2006348097
表2から明らかなように、ポリブチレンサクシネート及びメラミンに更にカルボジイミド化合物を配合することにより、耐久性を著しく向上させることができることが分かった。
以上説明したように、本発明によればポリブチレンサクシネートの耐熱性を損なうことなく難燃性を付与することができるので難燃性及び耐熱性を有する樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の樹脂組成物を用いて形成された成形体は、優れた難燃性及び耐熱性を備えているので、難燃性、耐熱性等が必要とされる家電、自動車用途に広く使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、難燃性及び耐熱性の両方を必要とする用途に広く利用することができ、例えば、家電製品、自動車用製品等に利用することができる。また、これ以外にも、電気電子機器部品、日用品、食品容器、その他の一般的な射出成形品としても利用することができる。

Claims (3)

  1. ポリブチレンサクシネートにメラミンを配合してなる混合物を主成分として含有する樹脂組成物であり、該メラミンの配合量が前記混合物中、15質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 更にカルボジイミド化合物を配合し、該カルボジイミド化合物の配合量が、前記ポリブチレンサクシネート100質量部に対して0.5質量部以上、10質量部以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。


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