JP2006347865A - 化合物半導体単結晶成長用容器、化合物半導体単結晶、および化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】GaAs等の化合物半導体単結晶の縦型結晶成長法において、結晶の種付け部から結晶成長最終部まで全域単結晶(All Single)となる確率を高め、かつ転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶の収率を大幅に向上させるための、より簡便に製造でき、煩雑な設備を要さずに固液界面の形状制御を可能とするPBN製の化合物半導体単結晶成長用容器、およびその容器を使用した化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】種結晶収容部1aと増径部(断面積増大部)1bと結晶成長部1cとを有し、その構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が、容器全体に渡り50を超える熱分解窒化ホウ素(PBN)製化合物半導体単結晶成長用容器を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】種結晶収容部1aと増径部(断面積増大部)1bと結晶成長部1cとを有し、その構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が、容器全体に渡り50を超える熱分解窒化ホウ素(PBN)製化合物半導体単結晶成長用容器を使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、化合物半導体単結晶成長用容器、化合物半導体単結晶、および化合物半導体単結晶の製造方法に関し、特に、転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶を得ることが可能な化合物半導体単結晶成長用容器、その容器を使用して製造した化合物半導体単結晶、およびその容器を使用した化合物半導体単結晶の製造方法に関する。
容器の底部に予め配置した種結晶より結晶成長を開始して、徐々に上方に結晶化を進行せしめ、ついには原料融液全体を結晶化させるごとき縦型結晶成長法(例えば、垂直ブリッジマン法(VB法))は、引上法に比べて小さな温度勾配の下で結晶を成長させることができるので、転位等の結晶欠陥の少ない化合物半導体単結晶を得やすいことが一般的に知られている。
縦型結晶成長法の1つである垂直ブリッジマン法においては、従来、その結晶成長用容器として、種結晶を収容する種結晶収容部と、原料融液を収容する結晶成長部と、種結晶収容部および結晶成長部の中間に位置し、かつ、結晶成長部に向かって直径が増大する増径部あるいは結晶成長部に向かって断面積が増大する断面積増大部とを有する熱分解窒化ホウ素(Pyrolitic Boron Nitride、以下、PBNと記す)製のるつぼが用いられている。
PBN製結晶成長用容器は、化合物半導体単結晶の成長を行う際の高温においても、原料化合物と反応せず、また、PBN自体の純度が高い等の利点を有するため、特に砒化ガリウム(GaAs)単結晶の成長には欠かせない器具であり、化合物半導体単結晶の成長条件の再現性を向上し、歩留まり向上を図る上で、そのPBN製結晶成長用容器の特性改
善が不可欠である。
善が不可欠である。
垂直ブリッジマン法で、再現性よく単結晶を得るためのポイントは、融液と結晶部の界面(以下、固液界面と記す)の形状制御にあり、固液界面の形状制御のポイントは、結晶成長過程におけるPBN製結晶成長用容器内の熱流の制御、すなわちPBN製結晶成長用容器の熱伝導度の制御にあることが一般的に知られている。
また、PBNは、板の厚さ方向に垂直な方向、及び板の厚さ方向に平行な方向で、異方性を持ち、更にPBNの製作条件などにより、異方性の度合いが異なることも一般的に知られている。
よって、PBN製結晶成長用容器を用い、再現性よく単結晶を得るためのポイントは、PBN製結晶成長用容器の異方性、及び製作条件などによる異方性の度合いの相違をどのように管理するかにあると言ってもよい。
PBN製結晶成長用容器の特性と単結晶の再現性の関係を記載したものとして、結晶の種付け部から結晶成長最終部まで全域単結晶(以下、All Singleと記す)となる確率を上げるために、結晶成長用容器を構成するPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}が、種結晶収容部および結晶成長部よりも、断面積増大部の値を小さくした結晶成長用容器、および該容器を用いた単結晶の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、All Singleとなる確率を上げるために、X線回折積分強度比{I(002)/I(100)}が、増径部に比べ、結晶成長部において大きな値を持つ結晶成長用容器、および該容器を用いた単結晶の製造方法が開示されている(特許文献2参照)。
また、All Singleとなる確率を上げるために、配向度を結晶成長用容器の上下方向で漸次異ならせた(徐々に増加又は低下させた)結晶成長用容器、および該容器を用いた単結晶の製造方法が開示されている(特許文献3参照)。ここに、配向度とは、PBN板の厚さ方向(a軸方向)のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}aの値を、PBN板の面の長さ方向(c軸方向)のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}cの値で割った値を言う。
特開2004-244232号公報
特開平10-7485号公報
特許第3250409号公報
しかし、特許文献1乃至特許文献3等に記載のPBN製結晶成長用容器によれば、上述したように、得られる化合物半導体単結晶がAll Singleとなる確率は、容器の上下方向におけるX線回折積分強度比(もしくは配向度)の分布(変動)に依存するものであるため、開示される分布(変動)を満足するように製造しなければならず、比較的手間がかかるものであった。
そこで、本発明の目的は、縦型結晶成長法において、より簡便に製造でき、煩雑な設備を要さずに固液界面の形状制御を可能とするPBN製の化合物半導体単結晶成長用容器、およびその容器を使用した化合物半導体単結晶の製造方法を提供し、これによってAll Singleとなる確率を高め、かつ転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶を得る収率を大幅に向上させることにある。
本発明は、All Singleとなる確率へ強く影響するものは、特許文献1等に記載の容器の上下方向におけるX線回折積分強度比(もしくは配向度)の分布(変動)よりも、容器全体に渡るX線回折積分強度比の値であることが判明したことに基づき、完成させたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、種結晶を収容する種結晶収容部と、原料融液を収容する結晶成長部と、前記種結晶収容部および前記結晶成長部の中間に位置し、かつ、前記結晶成長部に向かって直径が増大する増径部あるいは前記結晶成長部に向かって断面積が増大する断面積増大部とを有する熱分解窒化ホウ素(以下、PBNと記す)製の化合物半導体単結晶成長用容器であって、前記容器は、縦型結晶成長法により化合物半導体単結晶を成長させるための容器であり、前記容器を構成する前記PBNの板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が、前記容器の全体に渡り50以上であることを特徴とする化合物半導体単結晶成長用容器を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明の化合物半導体単結晶成長用容器を用いて製造された化合物半導体単結晶を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明の化合物単結晶成長用容器を用いて化合物半導体単結晶を成長させることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
本発明によれば、煩雑な設備を要さずに固液界面の形状を制御できる縦型結晶成長法に使用するPBN製の化合物半導体単結晶成長用容器が得られ、これによってAll Singleとなる確率を高め、かつ転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶を得る収率を大幅に向上させることができる。
〔化合物半導体単結晶成長用容器の構成〕
図1は、本発明の実施の形態に係る化合物半導体単結晶成長用容器の断面図を示す。結晶成長用容器であるPBN製るつぼ1は、種結晶2を収容する種結晶収容部1aと、GaAs多結晶原料3などの原料融液や三酸化二ホウ素4などの液体封止材を収容する結晶成長部1cと、種結晶収容部1aおよび結晶成長部1cの中間に位置し、かつ、結晶成長部1cに向かって直径が増大する増径部1bとを有する。増径部1bは、結晶成長部1cに向かって断面積が増大する断面積増大部1bであってもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る化合物半導体単結晶成長用容器の断面図を示す。結晶成長用容器であるPBN製るつぼ1は、種結晶2を収容する種結晶収容部1aと、GaAs多結晶原料3などの原料融液や三酸化二ホウ素4などの液体封止材を収容する結晶成長部1cと、種結晶収容部1aおよび結晶成長部1cの中間に位置し、かつ、結晶成長部1cに向かって直径が増大する増径部1bとを有する。増径部1bは、結晶成長部1cに向かって断面積が増大する断面積増大部1bであってもよい。
PBN製るつぼ1は、種結晶収容部1aは断面円形で断面積が小さく、結晶成長部1cは断面円形で断面積が大きくほぼ一定で、増径部1b(断面積増大部1b)は種結晶収容部1aの直径(断面積)から種結晶成長部1cの直径(断面積)へ徐々に直径が増大する(徐々に断面積が増大する)形状が一般的である。
また、PBN製るつぼ1は、縦型結晶成長法により化合物半導体単結晶を成長させるための容器である。
縦型結晶成長法としては、例えば、成長容器を相対的に降下させて成長させる垂直ブリッジマン法(VB法)、温度降下のみで成長させる垂直温度勾配凝固法(VGF法)、As圧を制御しながら成長する方式、不活性ガス中においてB2O3で融液表面を覆いAsの揮散を防ぎながら成長する方式のいずれの方法も含まれる。
成長させる化合物半導体単結晶としては、GaAs単結晶のほか、InP、GaP、InAs等の化合物半導体単結晶にも適用できる。結晶径(直径)が140mm以上の大型結晶を成長させる場合に好適に用いることができ、特に、140mm〜160mmの結晶径の化合物半導体単結晶成長用として適している。
また、PBN製るつぼ1は、PBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が、るつぼの全体に渡り50以上であることを特徴とする。PBN製るつぼ1を構成するPBN板のうち、X線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が最小である部分が50を超えればよい。すなわち、るつぼ1の全体に渡り一定の値とする必要はないが、X線回折積分強度比は、るつぼ1の全体に渡るそのバラつきが100以下であることが好ましく、より好ましくは50以下であり、さらに好ましくは20以下である。X線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が50を超えると、その最小値が大きくなるほど、All Singleとなる確率が上昇する傾向がある。
上記X線回折積分強度比の上限は、特に限定されるものではないが、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。
なお、X線回折積分強度比を求める際のX線回折は、以下の測定条件により行った。
<測定条件>
X線源:CuKα線
電圧/電流:40kV/30mA
スリット:DS1、RS0.3、SS1
スキャンスピード:1°/min
スキャン幅(2θ):(002)24°〜28°、(100)40°〜50°
<測定条件>
X線源:CuKα線
電圧/電流:40kV/30mA
スリット:DS1、RS0.3、SS1
スキャンスピード:1°/min
スキャン幅(2θ):(002)24°〜28°、(100)40°〜50°
PBN製るつぼ1は、例えば、高純度の三塩化ホウ素ガスや三フッ化ホウ素ガス等と、高純度のアンモニアガスとを減圧下、高温で反応させ、この反応生成物をカーボン基体上に析出することで製造でき、反応圧力および反応温度を調整することで上記の値を満たすPBN製るつぼ1が製造できる。
詳述すると、PBN製るつぼは、高純度のハロゲン化硼素、例えば三塩化硼素ガス(BCl3)と高純度のアンモニアガス(NH3)をモル比で1:3の割合で減圧下、高温下で反応させ、この反応生成物を例えばカーボン製の基体上に析出させることで製造できる。なお、減圧下とは1〜10Torr、高温下とは1800〜1900℃の範囲であることが一般的である。この条件で、製造したPBN製るつぼのX線回析積分強度比{I(002)/I(100)}は、50以下であるのが一般的である。本発明によるX線回析積分強度比が50を超えるPBN製るつぼは、圧力はより減圧に、温度はより高温の条件下で生成したものである。なお、X線回析積分強度比の値を大きくするためには、圧力をより減圧に、温度をより高温の条件下でPBN製るつぼを生成すればよい。本実施例で使用されたPBN製るつぼは、X線回析積分強度比の値が50を超えるように、圧力が0.1〜1Torr、温度が1900〜1950℃の条件下で製造されたものである。
詳述すると、PBN製るつぼは、高純度のハロゲン化硼素、例えば三塩化硼素ガス(BCl3)と高純度のアンモニアガス(NH3)をモル比で1:3の割合で減圧下、高温下で反応させ、この反応生成物を例えばカーボン製の基体上に析出させることで製造できる。なお、減圧下とは1〜10Torr、高温下とは1800〜1900℃の範囲であることが一般的である。この条件で、製造したPBN製るつぼのX線回析積分強度比{I(002)/I(100)}は、50以下であるのが一般的である。本発明によるX線回析積分強度比が50を超えるPBN製るつぼは、圧力はより減圧に、温度はより高温の条件下で生成したものである。なお、X線回析積分強度比の値を大きくするためには、圧力をより減圧に、温度をより高温の条件下でPBN製るつぼを生成すればよい。本実施例で使用されたPBN製るつぼは、X線回析積分強度比の値が50を超えるように、圧力が0.1〜1Torr、温度が1900〜1950℃の条件下で製造されたものである。
〔化合物半導体単結晶の構成〕
上記の化合物半導体単結晶成長用容器を用いて製造されたGaAs等の化合物半導体単結晶は、All Singleとなる確率が極めて高く、その確率は80%以上である。また、得られた化合物半導体単結晶は、転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶であり、良質の化合物半導体ウェハとして使用できる。
上記の化合物半導体単結晶成長用容器を用いて製造されたGaAs等の化合物半導体単結晶は、All Singleとなる確率が極めて高く、その確率は80%以上である。また、得られた化合物半導体単結晶は、転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶であり、良質の化合物半導体ウェハとして使用できる。
〔化合物半導体単結晶の製造方法〕
図2は、上記の本発明の実施の形態に係る化合物単結晶成長用容器を用いた化合物半導体単結晶製造装置の概略構成図を示す。
図2は、上記の本発明の実施の形態に係る化合物単結晶成長用容器を用いた化合物半導体単結晶製造装置の概略構成図を示す。
化合物半導体単結晶製造装置10は、チャンバ11内の不活性ガス12中でグラファイト製加熱手段(ヒーター14、15)により、グラファイト製結晶受け台13に載せたPBN製るつぼ1に収容される原料を加熱処理する成長炉として構成されている。
PBN製るつぼ1に原料融液(GaAs多結晶原料3など)を収容し、るつぼ1の底部に予め配置した種結晶2より結晶成長を開始して、徐々に上方に結晶化を進行せしめ、ついには原料融液全体を結晶化させることにより化合物半導体単結晶(GaAs単結晶など)が製造できる。
より具体的には、PBN製るつぼ1の種結晶収容部1aに種結晶2を、その上に、GaAs多結晶原料3と、n型ドーパントとしてのSiと、液体封止材である三酸化二ホウ素(B2O3)4とを収容する。その後、グラファイト製結晶受け台13に載せた状態で、炉内にPBN製るつぼ1をセットする。セット完了後、炉内を真空引きし、不活性ガス12で置換し、下部ヒーター14と上部ヒーター15により昇温して、固液界面の温度勾配が所定値(例えば、約5℃/cm)となるように多結晶原料をのみ完全に融解する。その後、固液界面の温度勾配を所定値(例えば、約5℃/cm)に保持しながら、種結晶2の溶解速度が、例えば、3.0mm/hrとなるように炉内温度を昇温させてから、種付けを行う。種付け後、PBN製るつぼ1を、例えば、2.0mm/hrの速度で下方に移動して結晶成長を行うことによりGaAs単結晶が製造できる。
〔実施の形態の効果〕
PBN製るつぼ1のX線回折積分強度比(最小値)を50を超えるようにすることにより、特に、結晶径が140mm以上の化合物半導体単結晶成長において、All Singleとなる確率を80%以上にすることができる。また、るつぼ1の全体に渡るそのバラつきが100以下の場合、50以下の場合、20以下の場合には、それぞれAll Singleとなる確率をさらに1%、2%、4%程度向上させることができる。
PBN製るつぼ1のX線回折積分強度比(最小値)を50を超えるようにすることにより、特に、結晶径が140mm以上の化合物半導体単結晶成長において、All Singleとなる確率を80%以上にすることができる。また、るつぼ1の全体に渡るそのバラつきが100以下の場合、50以下の場合、20以下の場合には、それぞれAll Singleとなる確率をさらに1%、2%、4%程度向上させることができる。
(比較例)
比較例として、従来の結晶成長用容器を用いて垂直ブリッジマン法により、化合物半導体の一種であるGaAsの単結晶(結晶径150mm)を成長させ、その評価を行った。
比較例として、従来の結晶成長用容器を用いて垂直ブリッジマン法により、化合物半導体の一種であるGaAsの単結晶(結晶径150mm)を成長させ、その評価を行った。
PBN製の結晶成長用容器(るつぼ)として、結晶成長部の直径150mm、長さ200mm、種結晶収容部の直径10mm、直径10mmから150mmへ徐々に増大する増径部を持つ容器を用いた。なお、この時、結晶成長用容器をなすPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値は規定していない。
まず、結晶成長用容器の底部にGaAs種結晶を挿入し、GaAs多結晶原料12,000gとB2O3液体封止材500gを投入した。該結晶成長用容器を圧力容器内に装填し、圧力容器内を不活性ガスで置換し、ヒーターに給電、原料を溶融し、原料融液層およびB2O3液体封止材層とし、種付けを行う。次いで5℃/cmの温度勾配を設定して、結晶成長用容器を5mm/hrの速度で降下させる垂直ブリッジマン法で結晶成長を行った。
上記方法により結晶成長を50回行った。その結果、All Singleとなる確率は、40%であった。
また、化合物半導体単結晶の単結晶収率は、固液界面形状と強い相関があることが知られており、固液界面が融液側に凹形状の場合は、成長過程全般、または成長のある一定期間に係わらず、結晶欠陥であるリネージ、亜粒界が集積され易く多結晶化し易く、当然ながら単結晶収率も低くなる。従って、単結晶収率を向上させるための大きな要因は、固液界面を成長過程全般に渡り、融液側に凸形状に制御することである。
そこで、成長させたGaAs単結晶を容器より取り出し、これを成長方向に対して水平な方向に切断し、その切断面にラッピング処理及びポリッシング処理を施して鏡面にし、これにABエッチングを施してストリエーション、すなわち固液界面形状を露呈させたところ、固液界面形状は、結晶成長全般にわたり融液側への固液界面の凸の度合いが小さく、融液側へ凹となっている部分が確認された。
(実施例1)
構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が容器全域で50を超えるPBN製容器(形状は比較例と同様)を用い、比較例と同様の手順で、結晶成長を50回行った。その結果、GaAsのAll Singleとなる確率は、80%であった。
構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が容器全域で50を超えるPBN製容器(形状は比較例と同様)を用い、比較例と同様の手順で、結晶成長を50回行った。その結果、GaAsのAll Singleとなる確率は、80%であった。
また、比較例と同様の方法で固液界面形状を確認したが、固液界面形状は、結晶成長全般にわたり融液側に向かって凸となっていることが分かった。
(実施例2)
構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値(最小部分)が、20〜70(5刻み)であるPBN製容器をそれぞれ製作し、比較例と同様の手順で、それぞれGaAsの結晶成長を5回行った。その結果を図3に示す。なお、図3の横軸は、PBN製容器内の最小のX線回折積分強度比を示している。
構成材料であるPBN板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値(最小部分)が、20〜70(5刻み)であるPBN製容器をそれぞれ製作し、比較例と同様の手順で、それぞれGaAsの結晶成長を5回行った。その結果を図3に示す。なお、図3の横軸は、PBN製容器内の最小のX線回折積分強度比を示している。
図3に示すように、X線回折積分強度比とAll Singleとなる確率には、正の相関があり、X線回折積分強度比(最小値)が50を超えるとAll Singleとなる確率が大幅に(80%以上に)増加することがわかった。
1:PBN製るつぼ(結晶成長用容器)
1a:種結晶収容部
1b:増径部(断面積増大部)
1c:結晶成長部
2:種結晶
3:GaAs多結晶原料
4:三酸化二ホウ素(液体封止材)
10:化合物半導体単結晶製造装置
11:チャンバ
12:不活性ガス
13:グラファイト製結晶受け台
14:下部ヒーター
15:上部ヒーター
1a:種結晶収容部
1b:増径部(断面積増大部)
1c:結晶成長部
2:種結晶
3:GaAs多結晶原料
4:三酸化二ホウ素(液体封止材)
10:化合物半導体単結晶製造装置
11:チャンバ
12:不活性ガス
13:グラファイト製結晶受け台
14:下部ヒーター
15:上部ヒーター
Claims (6)
- 種結晶を収容する種結晶収容部と、原料融液を収容する結晶成長部と、前記種結晶収容部および前記結晶成長部の中間に位置し、かつ、前記結晶成長部に向かって直径が増大する増径部あるいは前記結晶成長部に向かって断面積が増大する断面積増大部とを有する熱分解窒化ホウ素(以下、PBNと記す)製の化合物半導体単結晶成長用容器であって、 前記容器は、縦型結晶成長法により化合物半導体単結晶を成長させるための容器であり、前記容器を構成する前記PBNの板の厚さ方向に垂直な面で測定した(100)面と(002)面のX線回折積分強度比{I(002)/I(100)}の値が、前記容器の全体に渡り50を超えることを特徴とする化合物半導体単結晶成長用容器。
- 前記縦型結晶成長法は、垂直ブリッジマン法(VB法)または垂直温度勾配凝固法(VGF法)であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体単結晶成長用容器。
- 前記化合物半導体単結晶は、結晶径が140mm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化合物半導体単結晶成長用容器。
- 前記化合物半導体単結晶は、砒化ガリウム(GaAs)単結晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の化合物半導体単結晶成長用容器。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶成長用容器を用いて製造された化合物半導体単結晶。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶成長用容器を用いて化合物半導体単結晶を成長させることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。
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