JP2006342648A - 津波などに対する避難用施設並びにその築造方法 - Google Patents

津波などに対する避難用施設並びにその築造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 町内の公園とか広場などの近場を選んで簡単に避難場所を提供できるようにした津波などに対する避難用施設物並びにその築造方法を提供すること。
【解決手段】 土砂や岩石、外包重量物、木材、鉄骨、コンクリート、廃材などを単独あるいは適宜組み合わせにより用いて地盤レベルよりも高く盛り上がるように造成された人工丘陵上面以上の高いところに避難場所が設定されるとともに地盤レベルより前記避難場所へ登ることのできる登降手段を設けてなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、津波などに対する避難用施設並びにその築造方法に関する。
津波が発生し襲来する危険を知った場合には近くの小高い場所に急いで避難すべきことが古来からの習わしとなっている。
発明が解決しようとする課題
しかし、こうした近くの小高い場所は、どこにでもあるものでなく、時にして遠い場合もある。また、身体の不自由な人にとっては、小高い場所が自宅から近くとも実質的には非常に遠いものとなり、結果的に津波の襲来を受けたりすることが多々あった。
上記に鑑み、本発明は、町内の公園とか広場などの近場を選んで簡単に避難場所を提供できるようにした津波などに対する避難用施設並びにその築造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、土砂や岩石、外包重量物、木材、鉄骨、コンクリート、廃材などを単独あるいは適宜組み合わせにより用いて地盤レベルよりも高く盛り上がるように造成された人工丘陵上面以上の高いところに避難場所が設定されるとともに地盤レベルより前記避難場所へ登ることのできる登降手段を設けてなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、避難場所は、人工丘陵の上面である下側の避難場所と、同下側の避難場所よりも高くなるように人工丘陵を通じて立設さえた支柱を介して設けられた上避難場所とで構成されている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、人工丘陵は複数個所に配備されているとともに、これら避難場所間は、往き来可能で避難スペースともなるように連絡されている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のものにおいて、人工丘陵は、三角形を含む多角錐形でその1つの角部が津波の襲来に対し先行する側に方向付けられている。
請求項5記載の発明は、請求項3記載のものにおいて、人工丘陵は、津波の襲来してくる方向に合わせて前後に組をなして配置され、登降手段は、津波の襲来してくる方向に対し後方となる周位を介して設けられている。
請求項6記載の発明は、請求項1から5までのいずれかに記載のものにおいて、人工丘陵の裾周りは少なくともコンクリート製で外方へ突き出している。
請求項7記載の発明は、請求項1から5までのいずれかに記載のものにおいて、人工丘陵の少なくとも津波の襲来が想定される側には、津波に対抗すべく予備防御手段が設けられている。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のものにおいて、予備防御手段は、人工丘陵の外周における津波が襲来してくる側に配備した植林からなる。
請求項9記載の発明は、地盤より高く伸びた立直部材を立設固定してのち、その立直部材の周りを介して人工丘陵を造成して避難場所を造るとともに立直部材を固める。
請求項10記載の発明は、請求項9記載のものにおいて、人工丘陵造成前あるいは造成後に立直部材の上部に人工丘陵上の避難場所よりも高位の上避難場所を造るようにする。
請求項11記載の発明は、少なくとも津波が襲来してくる側において対抗状をなすように防護壁を立設し、この防護壁の後側に高い避難場所を造り、その避難場所に登る登降手段を配すようにする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載のものにおいて、防護壁として、鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭あるいは木材などの土木・建設用等の長尺資材や矩形板などの複数を使用して外周を形成するようにする。
請求項13記載の発明は、請求項11記載のものにおいて、防護壁を上からみて丸形・角形等のラセン状に形成し、そのラセンの外周端に相当して登降口を形成するとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段を設け、その登降手段の末端であるラセンの中央部分に避難場所を設けてなる。
請求項14記載の発明は、少なくとも津波が襲来してくる側において対抗状をなすように立設された防護壁と、この防護壁の後側に高く設けられた避難場所と、その避難場所に登る登降手段とを備えてなる。
請求項15記載の発明は、請求項14記載のものにおいて、防護壁として、鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭あるいは木材などの土木・建設用等の長尺資材や矩形板などの複数が使用されて外周が形成されている。
請求項16記載の発明は、請求項14または15記載のものにおいて、防護壁は、上からみて丸形・角形等のラセン状に形成され、そのラセンの外周端に相当して登降口が形成されるとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段が設けられ、その登降手段の末端であるラセンの中央部分には、避難場所が設定されている。
請求項17記載の発明は、請求項14から16までのいずれかに記載のものにおいて、防護壁の上部内を含む上側には、上避難場所が設けられており、同避難場所には避難場所からの登降手段が接続されている。
請求項18記載の発明は、請求項14ないし17までのいずれかに記載のものにおいて、避難場所および/または登降手段の内部空間には、水備蓄タンクが構成されている。
発明の効果
本発明によれば、町内の公園とか広場などの近場を選んで簡単な施工によって安全な避難場所を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態・実施例
以下、本発明を各実施形態によって詳細に説明するが、各実施形態で説明する内容は、他の実施形態にも同様に適用があるものである。
図1および図2は、本発明に係る津波(あるいは洪水)に対する避難用施設についての一実施形態を示す。
同実施形態の避難用施設は、海の沿岸一帯やそれより離れた公園・広場・校庭などの地盤1上に構成されたもので、設置数は図示では単一基としてあるが複数基のものを適宜に離間(近接も含む)して配備してもよい。
2は人工丘陵で、避難用施設の主要部を構成し、同人工丘陵2は、全体が円錐形で上面を切ったような形になっている。その切った上面は水平で円形の避難場所3とされている。4は円錐面である立ち上がり面であり、また、5は避難場所3の上防護柵である。人工丘陵2の外周りにも一部を出入り口とする下防護柵を周設してもよい。同柵は前回り半周のみでもよい。こうした人工丘陵2の複数個所には、階段である鉄製・木製などの登降手段6…が固定して設けられ、地盤1側から避難場所3に登ることができるようになっている。
この実施形態の場合、図1の右方向が海岸側であるので矢印Xが津波の襲来する方向と想定されるが、人工丘陵2の前記方向X側と戻り流発生方向Y側のそれぞれには、予備防御手段であるポール7…が複数本下部を埋設して立設固定されている。このポール7は、金属パイプや鉄筋入りコンクリート柱、木柱、ゴム柱などで造られて、人工丘陵2の裾直径と略同じ寸法となる幅間に配備されている。このポール7は、その外周に廃棄タイヤなどの弾性緩衝材を上下積層状に嵌め付ければより防御効果が上がる。また、仮想線のように、これらのポール7…の底部を上からみて円弧状に包括して埋めるように裾防御手段8を配備してもよい。この防御手段8は、土砂・岩石・コンクリートなどいずれでもよく、同防御手段8が大きさによっては人工丘陵といえる。ポール8は、抵抗力の大きい植林(竹林を含む)でもよい。この場合、X方向に対し二重、三重となるように植林し、千鳥配置にすればより防護効果が上がる。複数の植林間はつなぎ合わせることがある。
矢印Y側にも同様に裾防御手段8を配備すれば戻り流Yに対してだけでなく矢印Xから人工丘陵2回りを通った津波をも減衰する効果がある。
尚、人工丘陵2は、同実施形態では土砂を盛り積んで固めたものでなっているが、その立ち上がり面4にはモルタル吹き付けや樹脂吹き付けなどを処置して津波から防御するようにしてもよい。避難場所3にもこうした吹き付けをしてもよい。特に、土砂・砂利などで人工丘陵2を作り同じく登降手段も形成する場合、同登降手段(階段)表面に上記吹き付け層を固着すると簡単に堅固な階段を造ることができる。
人工丘陵2は、土砂と塊体を混ぜたもので仕上げることができる。この場合、塊体を下層とし土砂を上層とすることができ、また、塊体を本体部分としてその隙間や上面に土砂やコンクリートを流し込んだりして一体化したものにしてもよい。前記塊体には、岩塊や小石などの天然塊体、さらにはコンクリートブロックや建築廃材、焼成汚泥塊体などの人工塊体も含む。
前記人工丘陵2は、地盤1上に土砂を積み上げて固めて出来上がっているが、これには、図2に示すように、補強杭(あるいは板やパイプ)9…を打ち込んで防御効果を上げるようにしてもよい。避難場所3から垂直や斜めに杭を打ち込んで人工丘陵2を増強してもよく、打ち込み以外に、人工丘陵2を造成する前に地盤1に1本あるいは複数本の支柱を建てておいてその下部を人工丘陵2で埋め込む方式にしてもよい。同支柱上部を介して避難場所3より上位の上避難場所を設置してもよい。この支柱の下部は、地盤1に埋設したり、下端のフランジを地盤1に固定しておいて人工丘陵2の重量がフランジや支柱まわりに掛かって圧力で固定化されるようにしたものでもよい。
立ち上がり面4(避難場所3を含めてもよい)には、金属や樹脂などの網膜材を張り付けて防御効果を上げるようにしてもよい。この網膜材は、打ち込みアンカー(ペグ)で端縁その他全体を固定する。網膜材は、上下複数層にしてもよく、この場合、表側が粗く裏側が細かい目のものにする場合とその逆にする場合とがある。また、上下層間では網目が互いに交差するようにすれば保持力が強くなる。人工丘陵2は、下層を積み上げて第1網膜材を張り固定し、その上に土砂を上積みして第2網膜材を張るといった具合に中間層に1枚・複数枚の網膜材を介装してもよい。この場合、それぞれの層の網膜材はアンカー固定すれば堅固な人工丘陵が完成する。
人工丘陵2は、コンクリートで全体を仕上げてもよい。この場合、地盤1内に底部を埋設してもよい。
人工丘陵2は、ベタ基礎の上に土砂や塊体などを適宜に組み合わせて載せ積みしたものにしてもよい。この場合、ベタ基礎から一体に突出する複数本の柱(あるいは杭)が補強芯となるようにしてもよい。この補強芯は柱として機能させ、これらの上に避難場所3よりも高いレベルとなる上段避難ステージを形成して登降手段の付加により避難効果が上がるようにしてもよい。
人工丘陵2をコンクリート製とする場合、コンクリートは外周リング状部分のみで、その中は土砂や岩石などを投入して避難場所3に仕上げてもよい。前記外周リングはベタ基礎の有る場合と無い場合とがある。また、外周リングを同心状に2本あるいはそれ以上に形成し、その内径側のリング内に埋め立てを行い、その外周側のリングが防御壁として機能するように構成してもよい。
さらに、コンクリート仕上げの場合、立ち上がり面4は垂直外周面でもよいし、逆に裾が窄まった逆円錐面にして津波が上方へこないようにしてもよい。
人工丘陵2の形状は、円錐形に限らず、平面が楕円、長円形、多角形をしたものや三角や四角などの多角錐形のものにしてもよい。
人工丘陵2の避難場所3の高さは、設置される公園などの区域の津波想定高さを越える充分な高さをもって設定される。
人工丘陵2は、図1および2のように、その裾部分だけをやや直径の大きな裾ガイド部分10として、津波が上方へ登りにくいようにしてもよい。この裾ガイド部分10はコンクリートが好ましい。また、裾ガイド部分10の外周面は、図1の仮想線のように凹凸状にしておけば津波流を減衰させる効果がある。
登降手段6は、金属製や木製の階段部材で出来ていて津波襲来方向Xからの津波により避難する人が流されないように人工丘陵2の後方に相当する個所や左右に相当する個所に設けてあるが、前周りに設けてもよい。前周りのいずれかの個所に登降手段6を設ける場合、ポール7…や裾防御手段8などが津波を減衰させて避難者を護る作用があるが、階段の下前方に他の防御手段、例えば、防御板やポールなどを立設しておいてもよい。
登降手段6は、人工丘陵2にコンクリートなどで一体の階段を設けたものでもよい。
また、図1に仮想線で示すように、登降手段6は、リンクチェーンやロープなどで梯子状に作った簡易梯子6−Aでもよい。
さらに、登降手段6は、図1に同じく仮想線で示すように、車椅子でも登れるような長いスロープ(土砂・コンクリート・踏み板製のいずれでもよい)6−Bにしてもよい。このスロープ6−Bは、緩やかな階段にしたり、スロープ6−Bと階段との併用型にしてもよい。
また、ラセン状のスロープ(あるいは階段)6−Cにしてもよい。
さらに、図1に仮想線で示すように、人工丘陵2に切り溝11を形成しその内側に階段(あるいはスロープ)6−Dを形成したものにしてもよい。この場合、階段6−dとスロープの併用型にしてもよい。この併用型とは、他の登降手段についても同様にいえることであるが、傾斜方向下側がスロープで上側が階段になったものも含むものであり、この場合、下側のスロープの上端近くには車椅子が安全に避難できる避難スペースが凹所などにより提供されるように構成することができる。
また、登降手段6は、立ち上がり面4全体を図2の傾斜角度よりも非常に緩やかな角度で形成し、だれでもが確実に登り切れるようにしてもよい。
さらに、登降手段6は、立ち上がり面4全体を階段状にして構成してもよい。この場合、その一部をスロープとして車椅子などでも登れるようにすることができる。前記した全てのスロープにはウインチ巻き取り装置を組み合わせることができる。
人工丘陵2の津波襲来側には、他の人工丘陵を設置して予備防御手段とするようにしてもよい。この予備防御手段は、複数基のこともある。
人工丘陵2上には、図2に仮想線で示すように、ドーム型やコンテナ型、剛強仮設住宅様のものなどの避難ハウス12を設置してもよい。この避難ハウス12は、例えば、ボックスカルバートを水平軸向きにしてその中に避難できるようにしてもよい。この場合、カルバートの両端開口には開閉蓋を装備することもある。この避難ハウス12内には、非常時の食料や飲料水、寝具その他の必要用品を常備するようにしてもよい。
以上の個々の案は下記実施形態のすべてにそれぞれ適用され得る。
図3は他の実施形態を示す。地盤14上に円錐形など前記した適宜形状で人工丘陵15を土砂やコンクリートなどで造成し、その裾部分に階段を兼ねるコンクリート製裾ガイド16を付すとともに、立ち上がり面17には階段である登降手段18を複数本配備し、さらに、上面の避難場所19には、上防御柵20を設けてなるもので、予め立設固定しておいた丸または角、H形などの支柱(立直部材)21を避難場所19よりさらに立ち上がるようにして、その上に上避難ステージ22を設定するとともに同ステージ22に登れる階段である登降手段23を備えたものにしてある。同ステージ22は必須ではない。
尚、上避難ステージ22を無しにして登降手段23を1本あるいは複数本立設して同登降手段23それ自体が避難場所になるようにしてもよい。同登降手段23には、支えを付すことがある。登降手段23を避難場所とする場合、2本の登降手段23を側面視X(図13参照)あるいは逆さV形に組み合わせて構成してもよい。
支柱21は、鉄パイプ製であるが、鋼矢板、鋼管矢板、コンクリート矢板を使用でき、また、鉄筋コンクリート製電柱やコンクリート杭などでもよい。前記支柱21は、図3の破線のように人工丘陵15の造成前に予め土中に埋めこみ(あるいは圧入)により立設するが、地盤14あるいは裾ガイド16上にアンカー固定しておいてもよい。支柱21の下部にはフランジ状あるいは水平放射状をなす抵抗材Hを付せば安定性が一段と向上する。支柱21は人工丘陵15の造成で圧保持され、逆に人工丘陵15はし21が芯となって護られる。手すりtを上にTのように伸ばしその上に上避難場所22を設置してもよい。Tは鋼矢板でもよい。前記登降手段18は人工丘陵15の周面に添って設けられていたが、図3に18Aあるいは18Bで示すように人工丘陵15のXを基準とする左右間を凹溝状に通るスロープあるいは階段として避難場所19の面内に上端が臨むものとして形成してもよい。登り角を小さくすることができる。18C,18Dのように折れ線ルートとして形成してもよく、この場合、登り角をより小さくすることができる。
図4は他の実施形態を示す。同実施形態は、立ち上がり面26に傾斜方向縦2列の複数本のアンカー27…を打ち込み、それと同時に横向きにワイヤーロープや横桟などの登降手段28と縦桟である手すり29を構成したものである。これらの部材は登降手段28であるとともに人工丘陵30の補強を果たす。
図5および図6は他の実施形態を示す。同実施形態は、土砂・塊体・コンクリート(ブロック状のものを含む)などを択一あるいは組み合わせて円錐形の人工丘陵33を造成したもので、特に、人工丘陵33を津波襲来方向Xに対し前後に並ぶようにして配備して、その上面間に渡架固定した連結橋状の避難場所34を構成して、より多くの人が避難できるようにしてある。35は登降手段であり、前記のような各種の登降手段を使用できる。特に、登降手段は、地盤から避難場所34のフロアに通じるものにしてもよい。
尚、前記人工丘陵33は、前後2点に配置されていたが、図5の左欄図のように3点、4点、5点などより多くの複数点に配置してもよい。その場合、複数点のうちの1つをX方向に先行するように配置する場合と、2つをX方向に先行するように配置する場合とがある。図示のように前記人工丘陵は円錐形に限定されず、例えば、図5の右欄図のように、津波襲来方向である前方を三角形(三角錐を含む)や六角形などの多角形の人工丘陵37にしてその1つの角を前向きとすることで津波を切り開くようにして後方の人工丘陵38をより確実に防御し得るようにしてもよく、また、前後の人工丘陵40,41とも三角形などの多角形にして前後方向からの流れに有効に対抗できるようにしてもよい。いずれも複数の人工丘陵間に広い避難場所を設けることを原則とするが、避難場所をそれぞれの人工丘陵上に直接設定することもある。
前記人工丘陵33,33は、図5に示す津波襲来方向X1に対し左右に対応するように配置してもよい。
図7および図8には他の実施形態を示す。同実施形態は、人工丘陵44が四角錐でその底部に四角形の裾ガイド部45を備えたコンクリート製のもので、同人工丘陵44は、底部埋設式(固定杭付きでもよい)にしてもよい。46は登降手段、47は避難場所であり、同人工丘陵44は、波切り可能なように裾ガイド部45の1つの角をX方向に先行するように向けてある。
尚、仮想線のように、前後に長い菱形の底面をもつ長手状の人工丘陵48にしてもよい。
図9の斜視図は他の実施形態を示す。同図は、避難用施設の設置外円50に沿って多数本の太い受杭(鋼矢板でもよい)51…が打ち込まれる様子を示している。受杭51は、上下2段に通しリング52を備え、これらのリング52を通じて図10のようにワイヤーなどのロープ53を上下2段に通し円形の受柵54を形成するようになっている。尚、同受柵54の一部は避難するために開放状になっている。
55は塊体入りネット(外包重量物)で、塊体は、岩石やコンクリート塊、鉄塊、焼成汚泥塊体などであり、これらのうち1種あるいは複種のものを多数ネットに入れて吊りリング56でクレーンで搬送できるようにしたものである。塊体入りネット55は、前記受柵54内に山積みにされて人工丘陵57が構成される。その上部は避難場所58となっている。59は登降手段である。
尚、山積みしたネット55はその網目自体をそのまま足掛けに利用して登降手段となるが、さらに人工丘陵57の外周りに別ネットを張ってこのネットがより安定した足掛けになるようにしてもよい。コの字状などのステップを人工丘陵57に縦方向に打設して登降手段にしてもよく、この場合、同ステップの打設によって前記ネットを同時固定するようにしてもよい。ネットのワイヤを縦横に向くものとして設置し、その水平ワイヤ部分に上下多段にわたるように各パイプなどのステップ片を取り付けることでより安定した登降手段を提供するようにしてもよい。また、ネット55それ自体は極く安定しているので受柵54は必ずしも設ける必要はないが、図10の右欄図のように凹凸配置にすれば津波に対抗しやすくなる。前記人工丘陵57は相互に連結し合ったり、その表に土砂やコンクリートなどを被せて仕上げてもよい。
図11は他の実施形態を示す。同実施形態は、多数の塊体入りネット62を山積みして人工丘陵63を造成し、その外周囲に、同じく塊体入りネット62による防御外輪(予備防御手段)64を配備した避難用施設である。右図のように塊体入りネット62相互を連結して全体が崩れないようにしてもよく、また、全体に外張りネット65を張ってペグ66で固定することでより安定な人工丘陵63および防御外輪64を得ることができるようになる。
尚、地盤67に凹み68を形成してその中にネット62が埋め込まれるようにすれば外輪64全体が津波に対して安定化する。杭69を付加してもよい。この凹み68による方式は人工丘陵63についても形成することができる。また、人工丘陵63の上面は凹み状にしてこの避難場所70内に避難することでより安全性が向上するが、水平な避難場所にしてもよい。さらに、外輪64は、図11の上欄に平面模式図を示すように全周でなく避難者が通過できるように一部を切り欠き状にしてもよい。また、人工丘陵63は、外周を階段状に山積みすると登りやすい。
図10の実施形態でも同様にいえるが、塊体入りネット55,62の内層のものは大きな塊体を入れたものとし、外層のものはより小さな塊体を入れたものにして外層のネットのみが重機による押圧力で平坦化して人工丘陵57,63の凹凸が少ない表面にすることが可能になる。その結果、ネットを使って避難者が登るのが容易になる(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。
前記塊体入りネットは、土嚢のようなものに代えることができ、土嚢と塊体を組み合わせて積み上げることもできる。土嚢の中に土砂と塊体とを混合可能である。図10でも同様であるが、図11に仮想線で示すように、止め杭71…を予め打ち込んでおいてその上にネット55,62を投入固定すれば崩れ難い。
図12は他の実施形態を示す。同実施形態は、図10あるいは図11のような人工丘陵73を中央に造成し、その前後にバラ置き式にやや小さい人工丘陵74…を配備して予備防御手段としてなるものである。人工丘陵74…相互、あるいは人工丘陵74と人工丘陵73相互とはワイヤーロープやリンクチェーン、パイプなどで連結しておけば津波への対抗力を大きくすることができる。人工丘陵74は、その前方のアンカー杭75とワイヤーなどの牽引ロープ76などで連結するようにしてもよい。
図13は他の実施形態を示す。同実施形態は、全周が階段80になった高さ6m前後の人工丘陵81を造成する前に、基部フランジ82をアンカー83で固定して高さ12m前後の支柱84を立設しておき、そのあとで、土砂積み上げ方法や図11のようなネット積み上げ方法やコンクリート打設などにより人工丘陵81を造成することでその大重量によって支柱84を確固たる安定立設状態にする施工方式である。支柱84は仮想線のような地盤内への埋設式でもよい。
そののち、側面X字状をなすように人工丘陵81上に昇降手段85を立設するとともに昇降手段85および支柱84上に12m前後の高さをもつ上避難場所86を設置するようにしたものである。87は下の避難場所である。上避難場所86はコーナー支柱88で支持してもよい。
尚、89は予備防御手段であり、後方の予備防御手段89と人工丘陵81間には渡し90を装架してもよい。前記人工丘陵81の周りの各周階段80の高さは、避難する人にとってやや大きな段差(1.5m前後)を有するものに図示されているが、これは避難する人にとって登りやすい小さい段差をもつものにすることができる。また、段差が図示のように大きい場合は、図11のような外張りネット65を付してそれ自体の網目を足掛けに利用して登り得るようにしたり別途階段部材を備え付けることがある。
図14は他の実施形態を示す。同実施形態は、ピラミッド式に積み上げてなる人工丘陵92の側面部分にスロープ式あるいは階段式の登降手段93を折り返し式に設けて避難場所94に登ることができるようにしたものである。95は登降手段93を設けるための凹所である。尚、図の左上欄のように、周階段96の段差が大きい場合には、別途階段板97を固定するようにしてもよい。図示では、人工丘陵92の底部が埋設されているが、地盤上に載せ付ける方法をとってもよい。前記周階段96はラセン階段やラセンスロープにすることができる。
図15は他の実施形態を示す。同実施形態は、基台99を六角などの多角形としてその角稜部分を津波の襲来する方向X側に向けることで津波Xを左右に振り分けるようにするとともに、その上の人工丘陵100も六角などの多角錐形にしたものである。人工丘陵100は、円柱状あるいは円錐状にしたり六角以外の多角錐形にしてもよい。また、ラセン階段やスロープなどの登降手段101を設けてもよい。
図16は他の実施形態を示す。同実施形態は、基台104が四角形などの多角形としてその角稜部分を津波の襲来する方向X側に向けることで津波Xを左右に振り分けるようにするとともに、その上の人工丘陵105は円柱あるいは円錐形にしたものである。人工丘陵105も四角形などの多角形にすることができるし、基台104も円柱形にすることができる。尚、右下欄の図のように、階段である登降手段106は、津波の襲来する方向の背方となる側に形成された凹溝107の中に構成してもよいし、図15の仮想線のようなラセン階段やラセンスロープでもよい。同図左欄のように、人工丘陵105を山・丘の裾部に対応して築造し避難場所108を形成してもよい。109は登降手段であり、人工丘陵105の幅間あるいは側面サイドに設けられるが、図示のように前方へ長く形成する。さらに長く登降手段110のように形成することもできる。登降手段109,110は、スロープあるいは階段式またはこれらの併設式のいずれでもよい。
図17および図18は他の実施形態を示す。同実施形態は、地盤110上にボックスカルバート111…を複数個縦軸状にして寄せ合わせて基台となすとともに牽張ロープ112により固定し、これらの中央位置にさらに上台としてのボックスカルバート111を載置してその中に上階段113を付けおいてカルバート111に形成した図示しない登降口から昇り降りできるようにしたものである。そして、下台である各カルバート111…の中に土砂や岩塊を投入してのち上台であるカルバート111内底部にも土砂や岩塊を投入して安定化を図るものである。カルバート111は図18の右下図のように底部を埋め込むようにしてもよい。
115は人工丘陵である。この人工丘陵115は、下台であるカルバート111および下台であるカルバート111の底部周りを全て包み込むようにして埋設するもので、その長軸をX方向に平行に向けた長円形の平面形状を有するものとされ、この形も円形・角形などいかなる幾何学形状をも採用できる。また、土砂・岩塊・コンクリート塊・塊体入りネット・コンクリート固結法などを択一または組み合わせにより採用できる。また、裾の崩壊を防止するための裾ガイドや防御柵などをも付すことができる。そして、上台であるカルバート111の上には上避難場所118が手すり付きでより高い位置に固定設置してある。この上避難場所118は牽きワイヤ117でより安定化を図ることができる。
119は登降手段で、津波襲来方向Xからできるだけ後方に離れた左右両サイドからのスロープで構成されているが、図17の仮想線のように、折れ曲がりなどの長いスロープで構成することもある。階段でもよい。
尚、人工丘陵115の前方(および後方)には、図18のように下部埋め込み式の予備防御手段120が設けられる。同手段120はコンクリートパイプやカルバートなどを使用してもよい。
また、図17の平面図のように、カルバート111を縦軸向きに多数寄せ合わせて下台aとしその上にカルバート111を載せ付けて上台bとするとともに、内部に土砂などを投入してなる人工丘陵122を構成してその角をX向きに設置してもよい。この場合、カルバート111の周りには土砂などを設置しないが、必要に応じて設けることがある。
カルバート111内への土砂などの投入を無しとし空のままとすることもある。また、下段のカルバート111は横向きとすることもある。この場合、カルバート111は端部開口および内部通路をもつので、これらを外部と連通状としかつ内部に登降手段を備えれば上方へ登ることが可能になる。
尚、上記人工丘陵式の避難用施設物の外回りには図17のように植林121…をしたり竹やぶを造ると津波エネルギーを前もって減衰することができる。また、図18の左下欄に示すように、登降手段124と避難場所126を備える人工丘陵122を大台とし、その上に小台を付加造成して登降手段125に登ることのできる上避難場所127を有する上人工丘陵123を形成してもよい。
図19ないし図22は他の実施形態を示す。
尚、以下の各実施形態で説明する内容は、他の実施形態にも同様に適用がある。
同実施形態は、長尺資材である鋼矢板200…の多数本を連続して打設することにより平面丸形ラセン状(図19参照)の避難用施設本体である防護壁(スパイラルタワーあるいはスパイラルシェルター、ラセンタワー、ラセンシェルターなどを称することもある)201を築造したものである。この築造の地盤202は、町内や村内の公園や校庭、その他の使用されてない広場や休耕地などいずれを利用したものでもよい。
鋼矢板200は、図19の右欄の斜視図に示すように、一般にU形と称するもので、一対の斜めのフランジaと平坦なウエッブbおよび両脇の掛溝条cからなるもので、ここでは長尺資材と呼ぶこととする。同鋼矢板200は400mm幅と600mm幅とがあるが、ここでは広い600mm幅のものを溝が内外交互に向くようにして掛溝条c…同士を掛合して打設するものとする。
これら鋼矢板200…は、図20の右下欄に一端斜視図を示すように、図19のラセン全体に適合するような導梁203を設置予定地盤202上に敷設して打設するもので、導梁203は、図示の溝形鋼やH形鋼などの内外離間した2条の曲がり梁からなり、これらを導梁203を目的とするラセンラインを規定するように調整して縦向きの導杭や導梁203と鋼矢板200間に嵌め込まれるスペーサ(図示省略)などを適宜使用して上からの鋼矢板200をぶれなく正確に誘導するものとされる。導杭やスペーサなどは使用しないこともある。以下ではこうした誘導方式は簡略化のため説明を省略する。
鋼矢板200…はこの実施形態では略2周強ラセン状をなすように打設される。ここで、打設とは、バイブロハンマー工法、圧入工法その他の工法によるものを主なるものとするが、地盤にラセン溝を掘り下げたり、ラセン全体を含む穴を掘削して鋼矢板200の下部を埋め込み固定する工法によることもある。これら溝や穴を掘った状態で鋼矢板200を圧入などにより打ち込むこともある。
図示では、圧入工法によって導梁203に誘導されながら鋼矢板200を配列固定する場合を例示している。こうして築造された防護壁201は、その外面側および/または内面側から掛溝条c同士を直接溶接したり付加板を当てて溶接や止着をすることで防護壁201の保形力を持たせるようにすることができる。また、防護壁201の上部に梁を装架して拡開しないように補強することもできる。さらに、防護壁201の外周をワイヤ巻きして引っ張ることで拡開を防止することもできる。これらの組み合わせで補強することもできる。
図示防護壁201は、高さ10m、最大直径15m前後に築造してラセン溝空間の幅を約2〜3mにするとともに外周端には登降口205を形成してある。この登降口205は、図19のように、津波の直接の襲来を受けないように津波襲来想定方向Xに対し後背側に開口してあるようにされている。登降口205から防護壁201内に向かうように登降手段であるスロープ(あるいは仮想線のような階段)206が緩い登り傾斜でもって1周強回るようにして形成されている。このスロープ206は、図22に示すように、土砂207で作る場合は、両脇に砂利208を配して安定化を図る上で好ましいが、コンクリート投入によりスロープ206を形成したり、あるいは仮想線のように階段209により登降手段を形成することもできる。下層が土砂基盤で上層がコンクリートの場合もある。また、図23に示すように、登降手段の構造としては、階段209とスロープ206とを左右に併設することもある。左右いずれが階段209でスロープ206であってもよい。この場合、スロープ206を外周寄りにすると角度を緩くとることができて登りやすくなる利点がある。尚、図19の●印は上方からみた避難者mを示す。前記ラセンの方向は図示とは逆向きにすることもできる。
図19ないし図21の矢印UP1は登降口205からの第1段階としての登り方向を示し、避難者がスロープ206を1周強ほど登ると、そこにはラセンの中央部分に相当する避難場所210が平坦な面として形成されている。同避難場所210は、図20の破線のように地盤202から7〜8m程度上がった高いところに設定されている。勿論この高さは津波襲来想定高さに余裕高さを持たせた高さとして高低に設定される。
同避難場所210は前記登降手段と同様の各種態様、すなわち、土砂類やコンクリート流し込み、あるいはこれらの組み合わせなどで造成することができる。そして、この避難場所210内に1.8〜2m前後の避難ステージを設けて同ステージの上としたである避難場所210に併せて避難できるようにしてもよい。この実施形態では、避難場所210の内周である防護壁201の内周に添って上スロープ(あるいは階段)212を設け、その上側の避難ステージ(上避難場所)213上に矢印UP2のように登ることができるようになっている。同避難ステージ213は、図19および図21に仮想線の丸形で示すように、鋼板による広いステージ面を備えるとともに外周には安全のための手すり214が施されている。そして、ステージ面には上スロープ212に通じる登り口が明けられている。避難ステージ213および上スロープ212は必須なものではない。
この避難ステージ213は、防護壁201上に直接載置して止着固定してもよく、図19の仮想線のように、防護壁201の各鋼矢板200…に複数の脚柱216を固定してその上に同避難ステージ213を取付固定するようにしてもよい。この脚柱216はその下部を避難場所210内の土砂などに埋め込むようにすると一層安定化する。同脚柱216は、図19の右欄図に仮想線で示すように、同じ鋼矢板200を上突出状に連結あるいは溶接して構成することができる。また、防護壁201の外部に脚柱217を埋め込み立設しておいてその上である防護壁201上にくるように避難ステージ213を固定設置してもよい。この場合の脚柱217は、防護壁201の前側に配置されているので、津波襲来時の予備防護手段としても機能する。脚柱217の横列間には防護ロープや廃タイヤなどの緩衝手段を付加することができる。
尚、防護壁201は、組み合わせ鋼矢板(図示省略)や図19の右下欄のような直線形鋼矢板などで築造することができるし、後述するが、鋼管杭や鋼管矢板、コンクリートパイル、コンクリートパネル、木杭など種々のものを利用して築造することができる。
また、図19の左欄に示すように、登降口205を後向きに開いたものにしてもよい。登降口205を仮想線のように右方向に振ったさらに拡がる口として形成してもよく、この場合、口が広がるだけでなく前方からの津波の流れを側脇方へ誘導して避難しやすくする利点もある。尚、鋼矢板は内外二重に離間して対向させて配列しその間に充填材、例えば、土砂や砂利、岩塊、コンクリートなどの他、洗浄済みかき殻微細片(粉粒状のものも含む)やホタテ貝殻微細片(同様に粉粒状のものも含む)などを単独にあるいは前記土砂などと混合して充填するようにしてもよい。川底浚渫物・石炭ガラ・下水汚泥焼成物なども含む。
さらに、図19の矢印Yは戻り流を示し、これに対し登降口205の後方側には図21仮想線のような防護手段215を設けることがある。
また、図19に仮想線で示すように、避難場所210の内部には支柱218を立設してその上に避難ステージを固定するとともに支柱218周りにラセン階段219を備えて登降できるようにしてもよい。
さらに、図20の右欄に示すように、登降口205からの登り経路に対応する鋼矢板200は、図21のように高くせず後回りであることもあって低目にしてもよい。
また、図20に示すように、避難ステージ213上には、扉付きのコンテナ220などの非常用倉庫を設置して非常用の食料や飲料、救助用品などを常備するようにしてもよい。
さらに、図21の左上欄に示すように、スロープ206の上の空間が空いていることを利用して対面する鋼矢板200間に扇形の避難ステージ板221…を広い面積にわたるように設けて避難場所210側から同ステージ板221…上に登降できるようにしてもよい。ステージ板221は、鋼矢板200間に挿通される受けバー222…により受担されるものにしてもよい。
また、図20に示すように、防護壁201の外周、特に前回りの裾部にはコンクリートなどによる制御手段223を設けると前方からの津波が円筒形の防護壁201とともに後方上昇分散流に制御される利点があるし、防護壁201の補強にもなる。同制御手段223はより大きな制御手段223′にしてもよい。
尚、前記実施形態では鋼矢板200…を打設したあと内部に土砂などを投入するようにしたが、例えば、図3のような人工丘陵15を造成したあとに人工丘陵15の外周や避難場所19外周などに添って鋼矢板200…を打設し、そのあとで登降手段や避難場所などを図19ないし図23のように造成・整備して完成するように、施工順序を変えてもよい。この場合、鋼矢板200…をラセンにしたり円筒配置(後述)にしたりすることができる。
図24は他の実施形態を示す。同実施形態は、同じく鋼矢板などによるラセン状防護壁227でラセンを2周巻き程度にしてその後部に登降口228を設け、それに通じるスロープ(あるいは階段)229を登降手段として備えるとともに、中央に平坦な避難用スペース230を設定したものであるが、これに上側の避難ステージを設けるか否かは自由である。特に、同図の右欄上に示すように、鋼矢板に代えて丸形鋼管矢板(あるいは鋼管杭)231を角度変更自在な継手232で連結する方法もあることを例示してある。同鋼管矢板231の外周側には木製外装材(丸軸状あるいは板状)233を配列して自然らしさを出すようにしてもよく、また一方、鋼管矢板231自体を間伐材などを利用した木杭方式にしてもよい。木杭の場合、相互を連結手段で止め付けたり外巻きワイヤで保持するようにしてもよい。図24左上欄のように鋼管(あるいは木杭)231間にH型鋼240や角パイプ、溝型鋼などを交互となるように接合して防護壁を築造してもよい。
同じく右欄中段に示すように、角形鋼管矢板235…を継手236で連設するようにしてもよい。この場合、右図のように凹凸237を備えた角木材238で連設することもある。この角木材238は、右上欄の鋼管矢板231の表側に張ることもできる。
また、右下欄のようにH形鋼240を継手241で連設するようにしてもよい。さらに、このH形鋼240は左欄図のように鋼矢板242と交互に組み合わせてもよく、この場合、相互間はコンクリートやモルタルなどのシール剤243で目地止めする。
さらに、図24の左下欄に示すように、X方向に対し長く幅の方を抑えた楕円を基本とする鋼矢板などによるラセン状防護壁245としてもよい。同防護壁245は、津波流Xからの作用度が少なくて安全度も向上する一方において前後に長いので避難者数も一定に確保できるものである。登降口246から避難者が入り込みやすくしかも入る際に前方からの津波流により流されにくいように登降口246の一端に防護ガイド247を突設してもよい。この方式も他の実施形態に採用することができる。また、防護壁245の外周前側両脇には予備ガイド248を突設して、津波流がさらに左右に振り分けられて後方の避難者の方へ激しい流れが到達しないようにできるものである。この方式も他の実施形態で採用できる。
図25は他の実施形態を示す。同実施形態は、同じく鋼矢板などによるラセン形をした防護壁250であるが、そのラセン巻数を1周半前後に短く簡略化したものである。251は登降口、252は登降手段であるスロープ、253は平坦な避難場所である。破線で示す254は蓋付き緩衝パイプで登降手段252の内部に埋め込まれて津波流Xからの衝撃を自らの弾性変形により吸収する機能をもつとともに例えば、土砂やコンクリート投入量を少なく施工が簡略になる。255は他の登降口で、防護壁250の後周りの上縁に右下欄のように切欠状(あるいは四角開口状)に形成されたもので、同登降口255への登降は、防護壁250の外壁面に設けられたステップ256…でなされる。尚、左欄のように、幅を狭く前後に長い楕円あるいは長円形をした防護壁257にしてもよく、この場合にも防護ガイド258を付して安全度を向上させるようにしてもよい。その一方で右上欄のように横長状の防護壁260も考えられるし、長軸が津波流Xに対し斜め向きの防護壁にしてもよい。
尚、前記では防護壁260の全周を鋼矢板などで構築した例を説明したが、防護壁は前回りが津波Xの影響をダイレクトに受ける部分であることから、図25の左上欄に示すように、鋼矢板などにより前周部Lを構築する一方、それ以外の後周部(内巻き部分を含む)Mについては木杭で構築してもよい(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。後周部Mについては図47に示す組単位a…で構築してもよい。防護壁250は、仮想線でQで示すように延長して広い登降口が提供されるようにするとともに登降する人が通過する津波から守られるようにすることができる。
図26は他の実施形態を示す。同実施形態は、ラセンでない同心円型の防護壁(鋼矢板などによる)263で、内筒体264と外筒体265を備え、外筒体265の切欠266が後向きに、内筒体264の切欠267が前向きにくるようにして鋼矢板などの打設により同心円状に固定されたものである。そして、後部に左右一対の登降口268が形成されるとともに内筒体264と外筒体265間に左右一対の登降手段であるスロープ(あるいは階段)269が形成されている。左右のスロープ269を登りきった処は、図の上部で合わさり平坦な中央の避難場所270の高さと同レベルになるようにつながっている。この防護壁263も縦長式の楕円あるいは長円形状などに変形してもよい。尚、271は戻り流の対抗ガードである。
尚、スロープ269は土砂・コンクリートなどの投入方式によらず、木・鉄・コンクリート・樹脂などによる張板S…方式にしてもよい。中央の避難場所270も張板SFとしてもよい。また、右図のように、スロープをメッシュS1で造ってもよい(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。内筒体264は省略してもよい。
図27は他の実施形態を示す。同実施形態は、半円で同心状の内筒体275と外筒体276とからなる防護壁(鋼矢板などによる)277を示し、278は登降口、279は登降手段であるスロープ(あるいは階段)、280は避難場所である。スロープ279は後方から二手に登ることができるもので、内外筒体275,276間のスロープ279を経由して図の上部から高いレベルの避難場所280に上がり込むことができるようになっている。尚、前記スロープ279は、できるだけ緩い傾斜で登り易くするため図示のように防護壁277の後方に張り出しているが、登降口278のところから傾斜がはじまるようにしてもよい。また、仮想線のように、スロープ279は内筒体275の裏側基部から左右に登り直角に曲がって防護壁277内のスロープ279につながるように構成してもよい。さらに、津波流Xの襲来側には、予備防護手段281…が複数立設されている。内筒体275は省略してもよい。
また、図27に示す防護壁277を上下対称的に一対配してその間を通じて登降可能に構成してもよい。津波流Xの他に戻り流にも有効に対抗できるものとなる。
図28および図29は他の実施形態を示す。同実施形態は、液状対策をしたラセン状防護壁(鋼矢板などによる)284を備えるもので、同防護壁284には登降口285とスロープ286および避難場所287を備えるものであるが、特に、その外周複数個所からは同防護壁284に添って溶接あるいは連結される基部288を備え先端の張り出し部289が地盤290内に埋め込まれた安定板291が配備されており、これらの安定板291…により液状化現象の際にも防護壁284は安定になるものである。この安定板291は前向きにも伸びており、その先端からは予備緩衝手段292が津波流Xに対抗すべく立設されている。尚、避難場所287の中央には図29のように土中から上向きに伸びた液抜きパイプ293が挿通固定されており、その基部の通孔294を通じて液状化時の水などが抜き去られるようになっている。只、同液は避難場所287内に抜き出されることになるため、その対策として、同パイプ293を上の避難ステージ295上に吹きだすように突き出すか、あるいは途中でエルボ状に形成して防護壁284外部に排出できるようにするのが好ましい。前記避難ステージ295の方へパイプ293を突き出すようにする場合、同時にパイプ293により避難ステージ295を支えるようにしてもよい。また、その場合、パイプ293の外周にラセン階段である第2の登降手段を設けてもよい。尚、前側の安定板291については、図29の仮想線のように、その途中の部分をL形でなく斜上部aを備えてその部分aが予備緩衝手段を構成するようにしてもよい。図28の296は補強梁である。
図30は他の実施形態を示す。同実施形態は、鋼矢板などの打設により築造されたラセンあるいは内外同心状の防護壁299に登降口300から登れるスロープ301や階段などの登降手段を備えて中央の避難場所302に避難できるようにしたものにおいて、他の登降手段として、外階段303を前側に斜め姿勢で立て付けて防護壁299に別途明けた直登降口304を通じて内部の避難場所302内に直接避難できるようにしたものである。
前記外階段303は、ステップを備えた桁305と手すり306を備えるものであるが、特別に全体に強度をもたせて襲来する津波流Xに抵抗し得るものとされ、そのため、階段基部を地盤307内に埋め込むとともに防護壁299との間にも受ブラケット308を両端固定式で連結して支持させてなるものである。この外階段303は、同外階段303は、図に仮想線で示すように側周面や後側などいずれにも設置することができる。また、図30の右欄に斜視図を示すように、丸胴形の防護壁309の内部全体を避難用スペース310としたものに登降口312を形成し、それに外階段313を取り付けたものにしてもよい。外階段303,313は図示のものより幅広形にしてより多くの人が登れるようにしたり、複数本の外階段を同時設置してもよい。外階段を防護壁の後側に設置する場合には、登降口を低くし外階段を傾斜の緩いものにしても津波Xや戻り流により影響を受けない。尚、314は裾ガードで、土砂やコンクリート、ゴムなどでもよく、津波流Xを上向き流に制御し被害をより少なくするために機能する。
図31は外階段317を津波襲来側に設置する場合の津波流処理対策例についてのもので、桁318間の踏み板319の下側に設けられる蹴込み板320に津波流が当ると直撃するのでなく左右に流し分けるようにしたものである。
図32(側面図)および図33(平面図)は他の実施形態を示す。同実施形態は、上側に避難ステージ322を備え後方に登降口323を備えるとともにラセン経路の登降手段324を造成してなる防護壁325を1つの避難用施設物Eとしたものにおいて、その複数基を前側2基で後側1基の配置で多数人の避難を可能としたものをまず示している。
そして、それとは別の提案として、これら複数基の避難ステージ322間を避難橋326…で相互連絡していずれにも移動できるようにするとともに、さらに、近場の丘や山327にも設置した別の避難用施設物Eとの間にも避難橋326を渡架しておいてより安全な高いところに避難できるようにしたものである。図示のようにさらに連絡することは自由である。津波流Xの方向は図33のいずれを想定してもよいし、避難用施設物E…は、図示の配置に限定されず、例えば、図33の上欄のように、前に1基、後に2基のような配置にしたり、図33の下欄のように、津波流Xと平行(あるいは直角)に並ぶ方式にしてもよい。このように相互連結方式にすれば、各避難用施設物Eがより強く抵抗するものにもなるだけでなく、橋326上の避難場所に利用できさらに山327へ順次避難できて各避難用施設物Eが順次空きになることから、避難できる絶対数を格段に多くすることができる。尚、こうした避難橋326にて相互連絡する避難用施設物Eは図示の丸ラセン形以外に他のいずれの避難装置をも採用することができる。
図34ないし図39は変形例を示すもので、図34の実施形態は、上からみて台形をした防護壁330をその短い辺が前に向くようにして築造し、その一側あるいは両側に登降手段331を設けて中央の高い避難場所332上に避難できるようにしたものである。登降手段331は仮想線のように装置の巾間中央に配置してもよい。また、前面には津波流Xが激しく当ることも考慮して、前方には、津波流Xを流し分けるための支柱333付き振り分けガイド(V形)334を設置すると解消される。また、津波流Xに対し防護壁330を少し斜めに振った角度に設置すると津波流Xが左右に分けられるし、短い辺を鋼矢板の配列により前方丸凸状にしてもよい。
図35の実施形態は、鋼矢板などにより基本的に三角形に築造した防護壁337を示す。この防護壁337は、三角形の内筒体338とその外側に添ってV字形をなす外壁体339とでなる。340は登降口、341は左右の登降手段(スロープや階段)、342は避難場所であり、矢印経路で避難場所342に避難することができる。尚、防護壁337の前端には、津波流Xをより抵抗少なく切り分けるバルバスバウに相当する丸パイプ343を設けてもよい。また、外壁体339は仮想線のように外向き凸状に湾曲するように築造してもよい。
図36の実施形態は、基本的に四角形をした防護壁346についての例である。この防護壁346は、丸形ラセン状の防護壁を全体的に四角にしたもので、登降口347と登降手段348および四角な避難場所349を備えるものである。この避難用施設物は、前方および後方からの津波流の双方に有効に対抗できる形をしており、しかも、市販のU形鋼矢板とコーナー鋼矢板とを組み合わせて築造することができる。この実施形態を含めて、他の実施形態では全て避難ステージを構成することができる。
尚、右欄に示すように、四角な防護壁346′の中に中防護壁350を形成し、その間に左右両ルートから登れる登降手段351を備えて構成してもよい。この場合、こうした避難用施設物を仮想線のように寄せ合わせてもよい。Xは津波が襲来してくる側である。
図37は四角形を前後に長く伸ばした菱形を基本とする防護壁352についての実施形態を示す。353は登降口、354は登降手段、355は避難場所である。この避難用施設物は津波流Xの作用を弱めるとともにそれに対する抵抗力が強く、しかも、避難者数を多くとれるものである。尚、356はV形あるいは半丸形の前・後振り分け防護ガイドを示す。
図38および図39は基本的に四角形をし先端が半丸筒状で抵抗のないような形にした防護壁358を示す。359は登降口、360は登降手段、361は避難場所である。登降手段360は巾間中央であるが左右いずれか双方に配置してもよい。
また、仮想線で示すように、半丸筒状部分は後部にも築造して全体として長円形状の防護壁358とし、戻り流にも対抗できるようにしてもよい。この場合、一側後方から登降してラセン状の経路で中央の避難場所に登り得るように構成することもできる。
図40および図41の実施形態は、土砂や岩塊(塊体入りネットも含む)あるいはコンクリート製で可能なピラミッド形人工丘陵364とこれに関連して組み合わされた避難ステージ365とでなる避難用施設物(ピラミッドステージと称することもある)を示す。
ピラミッド形人工丘陵364は、四角錐形であるが三角錐や六角錐などの他の多角錐形でもよい。同人工丘陵364はその1つの稜線が津波流Xと戻り流Yの方向に向いてこれらの流れを切り分けるように設置されているとともに、その錐面を登降手段としてのスロープとして利用したり全周を階段状にして登降手段にしてもよい。ここでは錐面をスロープとして利用できるとともに錐面中央に縦向きに設けられた階段366により登降できるようになっている。こうしたピラミッド形人工丘陵364のみで避難用施設物を構成することもできる。
避難ステージ365は、四角な平坦基板と外周の手すりを備えたもので、人工丘陵364と同心状をなして配置されるとともに、人工丘陵364の周縁に対応して打設された鋼矢板200…などによるガード支柱368…により支承されて固定されている。その高さはピラミッドの頂点より少し低いところにあり、特に、同ステージ365の中央には四角な開口Pが明けられて人工丘陵364にその縁部が略接触する程度にされているとともに、開口369の各辺中央位置には階段366から避難ステージ365上に転回しながら乗り移ることができるように登り口Qを切欠状に形成してある。
尚、図40の右欄のように、人工丘陵364の頂部より少し下がった高さの外周に断面L形のような段差aを備えて階段366を登ったあとこの段差aを通じて避難ステージ365上に避難できるように構成してもよい。
また、図41の右欄のように、人工丘陵364の頂部bのみを四角錐状の屋根として支えて同頂部bとその下部の人工丘陵364間に避難ステージcを形成してもよい。この場合、避難ステージcの広さをさらに確保するため、避難ステージcの周りに、支柱dで支持された外周ステージeを備えてもよい。
図42の実施形態は、鋼矢板の打設などにより丸胴状あるいは楕円胴状、角胴状など各種形状を採用できる防護壁368の内部に高い避難場所369を造成し、その後部を切欠状に残しておいてその個所を通じて後方地盤から高い避難場所369の中央まで登降することのできる扇階段(あるいはスロープ)370をできるだけ緩やかな傾斜をもって形成したものである。階段370は土砂やコンクリートなどいずれで造成してもよい。階段370は脇流をも発生させながら戻り流を登りにくくする。
図43の実施形態は、ラセン状避難用施設物E,Eを左右一対配し、登降口373,373を共に後に向けて津波流Xの影響を受け難くするとともに、前方には、避難用施設物E,Eにダイレクトに津波流Xが当らないようにV字あるいは右欄の丸湾曲状のプロテクト374を予備緩衝ガイドを発揮するものとして設置してなる。プロテクト374は鋼矢板などの打設により築造することができる。
尚、上記各種実施形態は、対津波以外に津波避難訓練用、洪水、高潮等の水害避難用、その他町内会合や盆踊り用にも利用可能であることは言うまでもない。また、近隣の人(自治体が一部あるいは全部出費する場合も含む)が築造する場合の他、個人が住居として築造することもできる。
図44は、間伐材を含む木材(竹を含む)400…を左上欄のように数本あるいは十数本のように適宜本数で束ねてワイヤーロープ401などにより薪束のように巻き締めてこれを組単位aとし、これら組単位aの多数を縦向きにして更に大きく束ねてワイヤーロープやワイヤメッシュなどの外絞り402により上下数段階にわたって強力に締め付けることにより1つの大きな丸胴形束体(避難用施設)を構成したものである。前記木材400は、材木を含むもので、これに代えて竹や籐などを利用できる。前記外絞り402はワイヤあるいは樹脂メッシュとすればそれ自体の目が梯子となる。前記外絞り402は、必須のものではなく、例えば、組単位aを埋め込む場合には外絞り402を構成しないことがあり、また、組単位a同士を上端でかすがい止めするなどして連結しておけば外絞り402を特に構成する必要はない。その直径は、近隣の避難する人数を想定して10m・20m・30Mなど大小適宜に決定される性格のものであるのでここでは特定されない。また、木材400は、基本的に同じ長さに切断されてその上に避難場所が設定されるが、図示のように、襲来してくる津波Xに対し前側となる部分のものについては、1mないし2mのように他よりも長いものにして津波Xから避難者を守るようにしてもよい。前だけでなく外周全体を少し高くして、その内周のやや低い空間内に土砂などを投入して避難場所にすることもできる。
さらに、上の避難場所での安全性を考慮して、同場所の全面あるいは一部に敷板を敷設固定しておいてもよい。
また、図45に示す土砂やコンクリートなどの充填材bを仕上げに投入して木材a間や組単位a相互隙間などを埋めるようにしてもよい。この充填材は上面まで層面を形成するように撒いて避難場所を造るようにしいてもよい。木材400は、丸もので皮付きのままのものや皮剥ぎをした無垢のもの、いずれでもよく、また、丸ものから手を加えて四角など角柱状にしたものでもよい。さらに、木材400には塗装を施してもよい。
また、前記では主に天然木材400を対象にして説明したが、例えば、木材チップをコンパウンドで固めた擬木のようなもので構成してもよい。この場合、中実状のもの以外に筒状に形成したものも含まれる。擬木と天然木材400とを組み合わせて構成してもよい。
尚、図44に付加的に示すように、木材集束型避難用施設物を構成する前に、中央支柱403を立設しておき、その周りに組単位a…を寄せ合わせて構成することもできる。この場合、フランジ404付きの基部を地盤穴内に埋め込んで支柱403を立設固定するようにすれば同支柱403の安定度が向上して津波Xが襲来しても大きな抵抗力を発揮することになる。この支柱403は、複数本とすることもあり、この場合、相互を連結すると抵抗力はさらに大きく得られる。また、支柱を利用してその上に上避難ステージを構成することもできる。この場合、ラセン階段などの登降手段を構成できる。
図44の実線では、避難用施設物全体が地盤上に載置されたものを例示してあるが、仮想線のように、土中に基部を埋め込むこともある。その埋め込みは全ての本数に対してする場合と適宜の本数に対して実施する場合とがある。基部を埋め込むか否かは別として、この避難施設の外周り基部は土砂や岩塊(ネット入りも含む)・コンクリートなどで覆設するとより安定化する。また、外周りには、木杭を打ち込むこともできる。この場合、木杭は垂直に打設する場合と、仮想線図示のように、斜め打設式にする場合とがある。
図示装置(避難用施設)の登降手段407は、同じく木材400を並列使用したスロープ式のものになっているが、その下欄に示すように、木材400…を立て向きにして階段式に高くなるように配列したもので構成することもできる。
また、組単位a自体に縦列のステップ406…を配列して登降手段としてもよい。
同図右欄に示すように、津波Xの襲来してくる前方には、埋め込み方式などで予備防護手段405を固定してもよい。この場合も木材400…を利用することができる。同防護手段405は複数基でもよい。
また、前記避難用施設は、図33のように複数基配備して相互連絡するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、組単位aのものを寄せ合わせて丸胴形の施設を構成したが、例えば、先に円周ラインを描いてそのラインに添うようにして多数本の木杭を垂直に打設することで、円筒物を形成し、その円筒物を絞って固定しながらその中に多数本の木材を装填してゆくようにすることで全体として円胴形の施設を得るようにしてもよい(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。
図44の実施形態は、丸胴形の避難用施設であったが、図45の実施形態は、四角柱形の避難用施設を示す。五角形やその他の多角形にすることもある。組単位a…はその多数組が用意されて中央から次第に外周りへと縦向きにして平面視四角形となるように配列され、その外周に外絞り409を緊締して強固な1つの木塊体となるように構成されている。そして、同施設はその直角角部を津波Xの襲来する方向に対応して向けてある。しかし、四角な辺が津波X′の襲来する方向に直交するように向けることもある。
410は別途設けた登降手段である。尚、前記では組単位a…の全てを基部埋め込み方式としたが、例えば、津波Xの襲来する先頭側のみに限定して埋め込むようにしてもよい。津波襲来方向がX′のように四角な辺に直交する向きとなる場合には、先頭側の辺のみに限定して埋め込むようにしてもよい。また、施設を複数基離間配置して避難場所を兼ねる連絡橋411を渡してもよい。図45の実施形態では、図44について説明したと同様の各案を適用することができる。
図46は、四角などの多角形柱や図44のような丸胴形柱とした避難用施設についての他の例で、コーナーに相当する個所に組単位a…を配し、それ以外の間には、単一本からなるあるいは細い組単位aでなる木材413…を配列して四角形枠を形成し、その中の空間には、土砂やコンクリート、岩塊などによる埋込材414を投入して避難場所415としたものである。
埋込材414を投入する中間段階で外絞り416を施工して全体を絞ることで組単位aや木材413…が埋込材414側に押し付けられて堅固な四角枠を築造するようにしてもよい。その際、外絞り416をさらに絞り込むためのジグザグ絞り417を実施してもよい。また、仮想線で示すように、同様の方法で連鎖式に他の避難用施設を増設してゆくようにしてもよい。その数、形態などは自由である。
尚、418はステンレスメッシュなどによる登降手段で、避難用施設の外部に斜め張りされている。その目自体が梯子の役目をするようにやや粗めのメッシュ度(100mm□や150mm□など)を選ぶものとするが、別途ステップ419…を引掛固定できるようにしてもよい。
また、同図右上欄図(中央縦断面図)に示すように、埋込材414は、底上げ材である木材413の上に限定して設けてもよい。この場合、組単位aは金属やコンクリートのパイプであってもよい。コーナー部材である組単位a相互は連結材420で開き止めしてもよい。同図右下欄図(中央縦断面図)に示すように、埋込材414を下層とし、その上に木材413…を投入して避難場所としてもよい。埋込材414はその一部あるいは全体としてペットボトル(裁断片を含む)や圧潰空缶などのリサイクル可能材を構成してもよい。特に、コンクリート等の瓦礫を土砂と混合して埋込材にしてもよい。
図47は、図44の実施形態の拡大図を示すもので、併せて左下欄に図示するように、芯材422として木材以外の金属パイプあるいはコンクリートパイルなどを同時に巻き締めてもよく、この場合、芯材422のみを下向きに突出させて打設あるいは埋め込み用の部分としてもよい。また、下中央欄(平面図)に示すように、木材423の1本々々あるいは組単位aのものを利用してラセン状に埋め込み配置し、これらの内部空間に木材423や組単位aのものを縦向きに敷き詰めるようにして、矢印のように登ることができてその奥が避難場所となるようにしてもよい。内部に敷き詰めた木材423上には土砂などを敷いてもよい。424は予備緩衝手段で木材を束ねて構成されている。さらに、同図下右欄(平面図)のように、組単位a…は外周1層だけでなく千鳥配置などで2層あるいは図示しない3層・4層のように積層すれば抵抗力が高くなる。
図48は周方向に離間して打設あるいは埋込方式で立設固定したパイプあるいは杭・矢板などでなる外止部材427…と、その内周全体に添って高さをもって張られたワイヤや樹脂メッシュなどの内止部材428とでなり、その内部には土砂・砂利・岩塊(塊体入りネットを含む)・コンクリート・木材などによる内埋材429が高さ数mで投入されている。外止部材427相互は牽き部材430…により連結し倒れないように補強することができ、この場合、牽き部材430が内埋材429の投入により押下されることで矢印方向に牽き力を発生して自動的に外止部材427を倒れないようにする。尚、地盤面から避難場所431に登ることのできる登降手段432を1本あるいは複数本設けてもよい。また、外ネット433を追加してもよい。このネット433が登降手段を兼ねることができる。
右上欄のように、外止部材427をラセン配置しその内周に添って内止部材428を張ってもよい。そのラセン空間の内部には土砂などを投入してスロープなどの登降手段435と避難場所436を設けるものとする。
右下欄のように、外止部材427に対し内止部材428は千鳥縫い式に張設してもよい。また、下欄左のように、基部固定式のパイプや杭などの外止部材438間の内周側に組単位aのような内止部材を嵌め込むようにしてもよい。さらに、同図右図のように、矢板440間に組単位aがくるように組み合わせてもよい。
図49は、周胴部が蛇腹形で上下貫通状の大径(5乃至10m)のステンレス製変形パイプ442を基部を埋め込んで設置し、同タンク442の上縁の1個所に出入り口443を形成して地盤からパイプ外周に添ってラセン状に添うスロープあるいは階段式(ラセン階段も含む)の登降手段444の上端に接続し、これにより、登降を可能とし、同タンク442内に前記した土砂などによる埋込材445を投入して避難場所446を構成したものである。尚、同登降手段444の他に通常時遊戯用として使える滑り台447を設けてもよい。こうした避難用施設は、鋼矢板などで築造したものにも適用がある。
図50および図51は、3本あるいは4本など複数本のフランジ付き支柱450…を多角形の頂点位置に対応するようにして埋め込み立設し、それら支柱450…上に共通1枚の避難ステージ451を手すり付きのものとして載置固定するとともに、津波Xに対し後方から登り得るような登降手段452を接続して避難ステージ451に避難可能としたものである。図示した三角形頂点配置の支柱450のうちの1本は津波Xの襲来してくる方向に先行するように向けて設置してある。
特に、同実施形態の各支柱450周りには、緩衝手段として木材453…を集束状にして巻き締めて装備してある。先行する支柱450回りの木材453の後方に登降手段452が対応しているので、津波Xが拡がって弱まったものになって登降が安全に行える。同登降手段452は図示よりさらに木材453寄りに配置すればより安全な登降が可能となる。尚、図50に示すように、同じく木材を使って逆Vの字形をした切り分け誘導手段454を配備してもよい。同避難用施設が津波Xから守られるとともに避難する人が流されにくく避難ステージ451に辿り付くことができるようになる。図51の455は無方向アンカーである。
図50の右下欄に示すように、複数本の支柱456…を三角形の頂点位置とその中間位置とに埋め込み(打設も可能)により固定立設し、これらの各外周に多数の木材457…を巻き締めて高さ6乃至8mの6基の避難用施設を築造してある。そして、地盤上に後端を設置した登降手段458の前端を避難用施設上に連結固定していずれの施設にも移動して避難することができるようにしてある。津波Xは図示矢印のように左右に分かれるため施設は守られるとともに避難者も津波流の直接の影響のないところを通じて登降し上に避難することができる。支柱456…を介して上側に避難ステージを載置固定してさらに安全性を向上させた避難施設にしてもよい。
図52および図53は、鋼矢板や鋼管矢板、木材(組単位aのものも含む)、コンクリートパイルなどのいずれかあるいは複数組み合わせにより図示のようなラセン配列に添って地盤内から立ち上げて施設本体(防護壁)460を築造し、その津波Xに対する後方側底部を通じて後方外部とラセン内底とを連絡して避難者を導くボックスカルバートなどの連通路461を挿通固定するとともに、前記内底からラセンに添って登ることのできる階段(スロープあるいは階段とスロープ併設型でもよい)462を設け、さらに右回りに登る傾斜をなしてスロープ(階段、あるいは階段とスロープ併設型でもよい)463を形成したものである。この場合、スロープ463自体が長く広い避難場所になるが別途避難ステージを設けてもよい。例えば、スロープ463に続けてステージ上に登れる登降手段付きのステージとして構成することができる。尚、右下欄は、施設本体の構成例として、コンクリートパイルなどの内列材464…を周方向に間隔をおいて立設し、それらの間の前側に鋼管や木材などの外列材465…を併設して緩衝作用のある施設本体と構成したものである。
図54と図55は防護壁468の築造方法の2例を示すもので、図54の実施形態は、本体内部重量で傾倒が略完全に防止されることも考慮して、防護壁468を地盤469内に図53よりも少し浅く埋め込んだ(打設も可能)もので、その中心には後打設あるいは本体468の施工前の埋め込みにより支柱470を受担材として設けるようにしてよく、この場合、その上に避難ステージ471を設置して支柱470まわりのラセン階段で登降できるようにすることができる。
図55の実施形態は、鋼矢板や鋼管矢板その他でなる防護壁468を地盤469上に載置してなるもので、この場合も本体内部重量で傾倒が略完全に阻止され得ることを考慮して施工の簡略化を図ったものである。特に、この場合は、複数基の本体468を相互連結する方式により傾倒などを防止することができる。
尚、本体468は周位置において牽きワイヤ472…を上下複数にわたって配すことでより安定度は向上する。この牽きワイヤ472は、左欄のように登降手段473としてもよい。また、右欄上に示すように、本体468の基部の通孔474を通じて内から外地盤へあるいは外から内地盤へ向けてアンカー475を複数本打ち込んでもよい。さらに、その下図のように、本体468の基部外周コーナーには、コンクリートなどによる防護部476を付加して補強してもよい。この場合、仮想線のように断面形状は四角以外に三角形でもよい。
図56および図57は、鋼矢板である防護壁480を打設あるいは地盤上設置式で設けるに当り、予め設定ラインの外側に添うライン上に周方向に離間して外止部材481を深く打設あるいは埋込式に立設しておき、その内周側に添って防護壁480…を打設あるいは地盤上設置式で配備してなる。防護壁480は外止部材481側に連結固定してもよい。防護壁480は、右上欄のような鋼管482であってもよい。このように構成しておくことで、外止部材481が防護壁480の外倒れを防止するだけでなく津波から防護壁480を守るものである。防護壁480内には、土砂などでスロープなどの登降手段や避難場所を設ける。
尚、図57に仮想線で示すように、外止部材481を高く伸ばし、避難ステージ483の支えを兼用することもできる。
尚、図56の右方に示すように、コンクリート製のラセン状避難用施設485を築造してその内端側が低く外周側が次第に高くなった登降・避難手段兼用型のスロープ486を構築してもよい。この場合、ラセン溝487が避難通路になっている。
図58は、防護壁を構成する例えば、鋼矢板490…のうちの1本が上方に少し高く突出するものとされ、その突出部分が避難ステージ(図示省略)の支えを兼ねるようにした例である。これら鋼矢板490相互間はワイヤーロープ491で連結してもよい。
前記鋼矢板490は鋼管矢板であることもある。
図59は、同心状に矢板494…を打設して防護壁495を構築して内部に登降手段496と避難場所497を構成する場合に、その入口498を矢板494の相互連結により造るようにしたもので、右欄のように、かなり短い矢板494′を隣合う長い矢板494間に係合しながら降ろし、適宜高さで止めて相互溶接により一体化することで矢板494′と地盤との間に入口498を形成するようにしたものである。
尚、左欄に示すように、入口498の下側も短い矢板494′を先立って打設しておいて、隣合う498との連結関係を強化するようにしてもよい。
また、長い矢板494…で全てを構築しておいてのちに、溶断により入口498を開設してもよい。
図60は、ラセン状防護壁500に登降手段501および避難場所502を構成したものにおいて、その避難場所502の底側全体に水備蓄タンク503を装填式に設けて蓋504を開けることで適宜に給水補充可能にしてある一方、内部の水は、登降手段501の底側に埋め込んだ浄化タンク505内で浄化処理可能で浄化後の水を水備蓄タンク503内に常時(あるいは定期的に)循環させて戻すようにしたものである。506は吸上ポンプ、507はメンテナンス可能な浄化要素、508は攪拌曝気装置である。前記備蓄された水は、非常時用として津波・洪水など以外に消火水としても活用できる。タンク503を装填すると、その対応空間に土砂などを投入する施工が省略される。
尚、防護壁511の上に水備蓄タンク512を設置してもよい。その上が避難ステージ513となっている。同タンク512と前記タンク503とを併設してもよい。図60の右下欄は、同心型防護壁515の避難場所516底側に水備蓄タンク517を装填したものである。518は登降手段である。
図61は、ラセン型防護壁521にスロープなどの登降手段522を設けたものにおいて、その中心スペースにタンク523を装填し、同タンク523内を避難空間としたものである。同タンク523の下層部分を水備蓄タンクにしてもよい。
以上実施形態においては避難施設が多人数用の大口径のものについて説明したが、例えば、家庭向けあるいは近隣限定向けのものとして、口径の小さい2m乃至5m程度のものについても同様にして実施することができる。
尚、ラセン形防護壁(あるいは同心形防護壁)521は、図61の左下図のようなラセン巻鋼板で一体成形したものを現場搬入して設置したり、上下に分割したラセン巻鋼板a、a、aを搬入して現場で溶接や連結して1本のラセン胴体に形成するようにしてもよい。また、その右図のように、H形鋼・矢板などの打ち込みアンカー525…をラセンライン上に打設しておいてその間を介して上から分割板b…を挿填し、あとは溶接や連結などにより全体をタンク状に形成するようにしてもよい。
図62は、U形鋼矢板530…や直線形鋼矢板などを打設して周方向に連結して防護壁531を形成することによりラセンや同心状にし内部に避難場所を形成するようにしたものにおいて、その津波が襲来してくる側の前面には、鋼矢板530の溝aや凸面bに添って津波が這い上がって上方から内部の避難場所や登降手段に多量に飛来してくるおそれがあり、避難する意味が損なわれる。そのことから、同図のように、上昇流を前方へと返すようにしたものである。
凸面b…の津波が襲来する高さより上側には、縦向きに分流化部材533…を止め付けてある。この分流化部材533は、横断面が半丸形や右下欄のV形にしたもので、この部材533により津波流は矢印のように左右に分かれて溝a…の方向に導かれるようになっている。左下図のようにV形を図示向きにして凸面b上に取り付けてもよい。
535は転回ガイド板で、鋼板や樹脂板(ポリカ・FRP板など)で作られ、溝a…内に上昇してくる津波流をまとめて図示矢印のように前方へ転回させるものである。この転回ガイド板535は、溝aの前面に当て付けられる基板部536と、同基板部536から斜め上方前向きに傾斜して伸びるガイド板部537とでなり、ガイド板部537は、溝aの全体を斜行するとともに同溝aを有する鋼矢板530に隣合う鋼矢板530の斜面にも斜行する脇突起部538を備える。
尚、転回ガイド板535の隣合うもの同士を仮想線で示す連結ガイド板539で凸面bに当るように連結して矢印のように上昇してくる津波流を前上方に転回させるようにしてもよい。この連結ガイド板539を装備する場合、前記分流化部材533…は設けないこともある。
また、転回ガイド板535は、仮想線のように、鋼矢板530の上端に配置してもよい。
さらに、前記分流化部材533や転回ガイド板535などを設ける角度範囲は、右上欄に示すように90°のθ1や120°のθ2とすることができる。同例ではラセンの避難施設について示すが同心型のものにも適用される。
また、図の上欄に示すように、U形鋼矢板530の数倍の連結幅WをもつU形鋼矢板(ジャンボ鋼矢板)541で防護壁を構成することもできる。この場合、補強リブ542を付すことがある。
さらに、直線形鋼矢板543も同様に幅広形にしたものを示す。この鋼矢板543は一端に挿通ロッド544を備え、他端に同ロッド544が通される筒部545を備え、補強リブ546を付加してもよい。
また、ガイド板部537は、図64のような湾曲状にしてもよい。
図63は、U形鋼矢板549…の多数枚を連設して周状防護壁550を形成してなるものにおいて、その前向きの溝aの上部内に楔形をした転回ガイド部材551を備え付けて這い上がる津波流が前向きに転回して避難空間側へ飛び込まないようにしたものである。同ガイド部材551は、図示しない止着具で取り付ける場合と、図示のように防護壁550の周囲に緊締されるワイヤーロープ552と溝a間を利用して打設するようにしいてもよい。この場合、ねじ孔553…を多数設けておいて抜止具554により転回ガイド部材551がワイヤーロープ552に引っ掛かることで抜けないように構成することができる。
尚、転回ガイド部材551の表に横溝を段階状に形成してワイヤーロープ552に係合するようにしてもよい。
同転回ガイド部材551は鋼板を折り曲げて形成されているが、木質あるいは樹脂製の楔形をしたものでもよい。
また、実線の転回ガイド部材551に代えて、仮想線で示すように、差込舌片556を2葉備えた楔形の転回ガイド部材557を溝aが前向きの鋼矢板549の上端に挿し込み固定するようにしてもよい。この転回ガイド部材557は、凸面bを前向きにした鋼矢板549にも取り付けてもよい。凸面bの転回ガイド部材557と実線の転回ガイド部材549とを組み合わせることもできる。
前記楔を打ち込む方式は、木材をワイヤーロープで束ねて防護壁を築造するものにおいても同ワイヤーロープを利用して打設するようにして適用できる。
図64は、U形鋼矢板560…の多数枚を連設して周状防護壁561を形成してなるものにおいて、離間して隣合う関係の鋼矢板560,560間に跨るような幅の広い転回ガイド部材562を前向き湾曲状のものとして取り付け固定したものを示す。この転回ガイド部材562の湾曲した面は、溝aを前向きにした鋼矢板560は勿論、凸面bを前向きにした鋼矢板560を這い上がってきた津波流をも捉えて前方へ転回させて戻すように機能する。この転回ガイド部材562は、周方向に互いに接近するようにして連設してある。材質は鋼板、樹脂板などいずれでもよい。凸面bを前向きとする鋼矢板560の裏側の溝からは、津波流による吸引作用でエアーが噴出する。
尚、右上欄のように、転回ガイド部材562の両脇にリブ563を付加してもよい。そのリブ数は2つに限定されない。
また、右下欄のように、リブ565を幅間に設けた転回ガイド部材566としてもよい。
図65は、登降手段569が充分幅広状(10mから50m程度)で多くの人が混雑なくしかも安全に避難することができるようにした避難用施設物を示し、図の左と右上に示すように、同避難用施設物は、津波が襲来してくる方向X側に丸い先端部570がくるようにして後方拡大状をした防護壁571を鋼矢板や木材などで築造したもので、その中には、後方から登り避難することのできるスロープ状の登降手段569が前上がり状に形成されている。このスロープは、階段でもよく、またスロープ・階段併設型のものでもよい。この登降手段569は、コンクリート埋設式によるもの、土砂や塊体入りネットなどによるものいずれでもよい。下地を土砂や塊体入りネットなどとし上仕上げをコンクリートやモルタルによるものでもよい。板張りやメッシュ張り、グレーチング張り、木材張りなどでもよい。
また、避難用施設物の中には鋼矢板などで丸筒型とされた中防護壁571′の内部スペースに埋めこみなどにより避難場所572が形成されて矢印のように避難できるようになっている。尚、仮想線のように、避難場所572へ直接登ることのできる他の登降手段として中央階段573を設けてもよい。
また、津波流が避難側に飛び込んでくるのを防止するため、転回ガイド部材574を先端部570を取り付けたり、仮想線および右下欄のように先端部570よりも先行した位置にやや低目の予備防護壁575を配列してもよい。この防護壁575の中は空間としたり土砂などを埋め込んでもよい。これにより、津波流がきても同防護壁575内に飛びこませることができ避難側に届くおそれがなくなる。
さらに、右上欄のように、実線の避難用施設物を前後に離間して対向配備してその間を避難口576として逃げ込むことができるようにしてもよい。この場合、Sのように後側にくる避難用施設物を前の避難用施設物の幅よりも幅狭状にしいておけば津波流が入りにくくなる利点がある。
また、前記先端部570は、先端を三角形の頂点のように先鋭状にしてもよい。
図66は、前記中防護壁571′なしで避難用施設物を構成したもので、579は防護壁で、先が丸くなって津波抵抗の少ない形状特性をしたV形壁をしており、その中には、前方へ向けて上がるスロープ580と、その上の階段581とが形成され、さらに階段581の上には水平な避難場所582が設定されている。ここでは、階段581も広い避難場所として利用することができる。スロープ580は、階段でもよく、スロープと階段の併設型でもよい。スロープ580は、図示では防護壁579からさらに後方へ裾広がり状に延びているが、図65のように防護壁の端に合わせてもよい。逆に図65の場合には、スロープを図66のように後方へ長く延ばしてもよい。
尚、図66に仮想線で示すように、避難場所582を少し狭くし階段581を長く広い避難場所として構成してもよい。
また、この避難用施設物の前には仮想線のようなV形予備防護壁583を立設してもよい。
図67は、ラセン形避難用施設物の浮敷型登降手段586の登り端部をラセンの端部開口587に合致させずにラセン方向外部にずらせたものである。これにより、矢印のように戻り流Yが登降手段586上に押し寄せることがなくラセン内空間で吸収する。この場合、ラセンの前側にY流のみにより前方へ開く逆止扉(図示省略)を装備しておいて前方へ抜け出るように構成してもよい。
尚、右欄のように、登降手段588をラセン端部に合わせた場合には、同手段588をグレーチングやメッシュ部材などを使用して戻り流Yがラセン内に抜けるように構成することもできる。
趣旨は異なるが、矢印Yのように登降可能な下階の登降手段を実線の上階の登降手段と併設することもできる。
図68は、4本のリップ付きアングル材などの主支柱591…を4隅に圧入などの打設により立設し、これらの主支柱591の各2面に添ってH型鋼でなる副支柱592を打設するとともに、これら副支柱592の向かい合うもの同士の間に角材(鋼矢板を含む)593…を落とし堰方式に配備して内空間に土砂や塊体入りネット、コンクリートなどを充填して避難場所594としたものである。595は登降手段である。
こうした避難用施設物は、津波が襲来してくる方向Xに対して図示のように1つの角隅を先行させるように向きを設定するが、これに限定されない。尚、中間にもH型鋼でなる副支柱592を配置してより強固な構造にしてもよい。
また、H型鋼の一対を1本化しておいてそれを圧入するようにしてもよい。この場合、主支柱591は省略することがある。
図69は付加的な提案例を示すものである。従来の慣例は、下着にワイシャツを着装してネクタイを締めたのち背広上着を着るというものであったため、夏場には非常に暑く困っていた。しかし、図示のように、下着124の上に直接夏用の清涼スーツ125を着ることにより非常に涼しく軽快に生活を送れるようにようになる。清涼スーツ125は、非常に細かいメッシュ地で涼しくて軽く涼しさを感じる繊維が使われ、形態としては旧来からのものであって、袖先にはワイシャツ様のメッシュ地の袖先126が縫着されている。
この清涼スーツ125の下衿127には、やや太いラインで強調された模様128が付されて全体に高級感を醸し出すように工夫してある。
この下衿127から上衿129にかけての部分とそれらが対面する本体縁部分には、同図右欄のように、通気孔130…を多数明けて、より涼しくなるようにしてある。上衿129の内面には、同図右上欄図のように、吸汗効果と消臭効果のある生地を用いて波形に作った通気促進片131が縫い付けられて背中からの蒸散気が外に逃げるようになっている。
同図右欄の133は掛装品で、この掛装品133は、表側と裏側とでなり、表側は、上端が15cm前後に幅広化され下向きに次第に狭くなった通気性のあるネクタイ地部134でなり、裏側は、吸汗効果と消臭効果のある生地を用いた内通し舌片135として前記ネクタイ地部134から折り曲げ状に連設されている。この内通し舌片135の身体に当たる面には、同図の右上に示すような通気促進片131が縫い付けられている。
こうした掛装品133は、矢印Bで示すように内通し舌片135を下着124のネック部の内側にくるように差し入れて垂らすようにするとともに、ネクタイ地部134を下着124の表側に垂らすようにして掛装品133全体を下着124のネックを介して掛装するようにする。ネクタイ地部134の上部は充分に幅広状になっているので、下着124を覆い隠して前から見えるようなことはない。
尚、下着124のネック部は首下より少し低くなっているのが通例であるので、そこに掛けられた掛装品133の上端縁と首下との間にはやや広めの余地が残るが、そのため、右図破線のようにネクタイ地部134の裏面少し低い位置に簡易クリップ136を付けておいてそれが下着124のネック部に挟み付けられるようにしておけば掛装品133全体のレベルが少しアップし違和感もなくなる。
尚、上衿129は、従来からのスーツの上衿高さよりも高く、ワイシャツの衿高さ程に少し高目に作ってもよい。
図70も付加的な提案例を示すもので、この掛装品138は、ネッカチーフ様の表装部139と内通し舌片140とを備えるとともに、表装部139の裏面と内通し舌片140の表側には簡易ポケット141が縫い付けられている。内通し舌片140は汗取りと臭い消しの両効果をもつ生地で出来ている。142は首掛リングで、ワンタッチで掛脱できまた長さ調節も可能な掛脱具143を備えるとともにその前回りの部分には、掛装品138が掛け付けられている。こうした掛装品138は首下近くまで寄せ上げた状態にセットできる。表装部139はネクタイ様のものでもよい。
図71も付加的な提案例を示す。清涼スーツ146は、上衿147から下衿148上部にかけての部分が従来のワイシャツの衿と同様のやや高いものになっているとともに、下衿148の上部位置には、左右に相対向するように通し口149が明けられている。150は首掛リングで、前後に掛脱具151をもつとともにその前回りには図70のような掛装品152が掛けられている。前記首掛リング150は、清涼スーツ146の上衿147から下衿148にかけて掛け回されるとともに通し口149を通じて前回りにきて止め着けられる。
そして、こうした首掛リング150の前回りには掛装品152が掛けられる。裏側の汗取り・臭い消し用の内通し舌片140を備える場合とそうでない場合とがあるが、図示しない下着のネック部内に差し入れるようにするかネック部の表側にくるようにするかは自由である。尚、図71に仮想線で示すように、実線で示す従来からの衿ラインよりも少し首寄りまでくるように衿部分153を形成すると掛装品152も狭いもので済む。
尚、図71の右下欄に示すように、下衿148の上寄り内縁には、左右対応位置の取付点155からそれぞれ垂れ下がるようにして掛脱具157付きの条材(チェーンや紐、真珠など)156,156を設けておき、スーツ着装後に仮想線のように持ち上げつつ両掛脱具(マグネットも可)157,157を合着させて一本つなぎに垂れた条材とし、これに前記のような掛装品を着装するように構成することもできる。
また、図73も付加的な提案例で、清涼スーツ160の下衿161,161裏の左右間にわたるようにして渡装地162を上縁162aが前首裾部163近くになるように装着してなる。この渡装地162は、その中央部分が左右の下衿161,161間に現出するようにされるとともに、略逆三角形の通気質布地を用いて作られている。162′のように渡装地162は十分垂れ下がった長い形のものにしてもよい。同渡装地162は、向かって左側の側縁を下衿161に止着具164(面ファスナーを含む)164…で脱着可能にしたり縫着してもよい。
一方、向かって右側の側縁は、下衿161側とともに一対の面ファスナーを構成する脱着具165でワンタッチで下衿161側と着脱できるようになっている。渡装地162の中央上部は少し高くなっていて、その個所から下向きにネクタイ様(ネッカチーフ様も可)166が直接染め込まれている。渡装地162の色や模様は、他のものに自由に変えられるものとし、表裏別模様のものを裏返し使用することもできるものとしてもよい。渡装地162に別物のネクタイを着脱自在に取着できるようにしてもよい。この場合、ネクタイ等の付加品は、渡装地162に対し面ファスナーなどで脱着可能にしたり、掛脱自在にしてもよい。
本発明の一実施形態を示す避難用施設物の平面図。 図1の側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す側面図。 図10の避難用施設物の施工要領を示す斜視図。 図9の施工完了図を示す側面図。 他の実施形態を示す側断面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す平面図。 図17の縦断側面図。 他の実施形態を示す図20の平面図。 図19のA矢視である背面図。 図19、図20の実施形態の避難用施設物の斜視図。 図21の登降手段の部分を示す縦断面図。 他の登降手段を示す断面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 図28のD−D線側断面図。 他の実施形態を示す左側面図。 登降手段の他の実施形態を示す斜視図。 丘や山への避難用施設物を示す図32の側面図。 図32の平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 図38の左側面図。 図41の実施形態の平面図。 図40の左側面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す拡大平面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す平面図。 図50の側面図。 他の実施形態を示す平面図。 図52の側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す平面図。 図56の側面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す半断面斜視図。 他の実施形態を示す縦断面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す平面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 付加的な提案例を示す正面図。 他の付加例を示す斜視図。 他の付加例を示す正面図。 図71のC矢視図。 他の付加例を示す正面図。
符号の説明
1…地盤 2…人工丘陵 3…避難場所 6…登降手段。

Claims (18)

  1. 土砂や岩石、外包重量物、木材、鉄骨、コンクリート、廃材などを単独あるいは適宜組み合わせにより用いて地盤レベルよりも高く盛り上がるように造成された人工丘陵上面以上の高いところに避難場所が設定されるとともに地盤レベルより前記避難場所へ登ることのできる登降手段を設けてなる津波などに対する避難用施設。
  2. 請求項1記載のものにおいて、避難場所は、人工丘陵の上面である下側の避難場所と、同下側の避難場所よりも高くなるように人工丘陵を通じて立設さえた支柱を介して設けられた上避難場所とで構成されている津波などに対する避難用施設。
  3. 請求項1記載のものにおいて、人工丘陵は複数個所に配備されているとともに、これら避難場所間は、往き来可能で避難スペースともなるように連絡されている津波などに対する避難用施設。
  4. 請求項1または2記載のものにおいて、人工丘陵は、三角形を含む多角錐形でその1つの角部が津波の襲来に対し先行する側に方向付けられている津波などに対する避難用施設。
  5. 請求項3記載のものにおいて、人工丘陵は、津波の襲来してくる方向に合わせて前後に組をなして配置され、登降手段は、津波の襲来してくる方向に対し後方となる周位を介して設けられている津波などに対する避難用施設。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載のものにおいて、人工丘陵の裾周りは少なくともコンクリート製で外方へ突き出している津波などに対する避難用施設。
  7. 請求項1から5までのいずれかに記載のものにおいて、人工丘陵の少なくとも津波の襲来が想定される側には、津波に対抗すべく予備防御手段が設けられている津波などに対する避難用施設。
  8. 請求項7記載のものにおいて、予備防御手段は、人工丘陵の外周における津波が襲来してくる側に配備した植林からなる津波などに対する避難用施設。
  9. 地盤より高く伸びた立直部材を立設固定してのち、その立直部材の周りを介して人工丘陵を造成して避難場所を造るとともに立直部材を固める津波などに対する避難用施設の築造方法。
  10. 請求項9記載のものにおいて、人工丘陵造成前あるいは造成後に立直部材の上部に人工丘陵上の避難場所よりも高位の上避難場所を造るようにする津波などに対する避難用施設の築造方法。
  11. 少なくとも津波が襲来してくる側において対抗状をなすように防護壁を立設し、この防護壁の後側に高い避難場所を造り、その避難場所に登る登降手段を配すようにする津波などに対する避難用施設の築造方法。
  12. 請求項11記載のものにおいて、防護壁として、鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭あるいは木材などの土木・建設用等の長尺資材や矩形板などの複数を使用して外周を形成するようにする津波などに対する避難用施設の築造方法。
  13. 請求項11記載のものにおいて、防護壁を上からみて丸形・角形等のラセン状に形成し、そのラセンの外周端に相当して登降口を形成するとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段を設け、その登降手段の末端であるラセンの中央部分に避難場所を設けてなる津波などに対する避難用施設の築造方法。
  14. 少なくとも津波が襲来してくる側において対抗状をなすように立設された防護壁と、この防護壁の後側に高く設けられた避難場所と、その避難場所に登る登降手段とを備えてなる津波などに対する避難用施設。
  15. 請求項14記載のものにおいて、防護壁として、鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭あるいは木材などの土木・建設用等の長尺資材や矩形板などの複数が使用されて外周が形成されている津波などに対する避難用施設。
  16. 請求項14または15記載のものにおいて、防護壁は、上からみて丸形・角形等のラセン状に形成され、そのラセンの外周端に相当して登降口が形成されるとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段が設けられ、その登降手段の末端であるラセンの中央部分には、避難場所が設定されている津波などに対する避難用施設。
  17. 請求項14から16までのいずれかに記載のものにおいて、防護壁の上部内を含む上側には、上避難場所が設けられており、同避難場所には避難場所からの登降手段が接続されている津波などに対する避難用施設。
  18. 請求項14ないし17までのいずれかに記載のものにおいて、避難場所および/または登降手段の内部空間には、水備蓄タンクが構成されている津波などに対する避難用施設。
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