JP2013122164A - 地域防災システム - Google Patents

地域防災システム Download PDF

Info

Publication number
JP2013122164A
JP2013122164A JP2012209820A JP2012209820A JP2013122164A JP 2013122164 A JP2013122164 A JP 2013122164A JP 2012209820 A JP2012209820 A JP 2012209820A JP 2012209820 A JP2012209820 A JP 2012209820A JP 2013122164 A JP2013122164 A JP 2013122164A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mound
mounds
prevention system
disaster prevention
tsunami
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012209820A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6011851B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Akie
康弘 秋江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP2012209820A priority Critical patent/JP6011851B2/ja
Publication of JP2013122164A publication Critical patent/JP2013122164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6011851B2 publication Critical patent/JP6011851B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Abstract

【課題】津波被害を軽減可能であり、地域住人が安全に避難するための避難場所を確保し得る有効適切な地域防災システムを提供する。
【解決手段】盛土により円錐台形状に造成されて消波堤として機能する大規模なマウンド1を、津波の襲来が想定される地域の海岸線に沿って間隔をおいて配列して多数設置する。あるいは、盛土により円錐台形状に造成されて災害発生時に避難場所として利用可能な大規模なマウンド2を、津波等の災害による被害が想定される地域に対して間隔をおいて分散配置して多数設置する。沿海地域に対しては消波用のマウンド1と避難場所としてのマウンド2の双方を並設することが好ましい。マウンドの内部に地下空洞部やそこに通じる通路を設けたり、マウンドの頂部に塔状構造物を設けるこことも考えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は津波等の災害が想定される地域を対象とする地域防災システムに関する。
周知のように、従来における津波対策は防潮堤や防波堤の高さを想定規模の津波の波高よりも高く設定しておくことが基本である。
また、防波堤や防潮堤以外の津波対策としては、各種の消波堤や消波装置、たとえば特許文献1に示されるように海上に係留した浮体によって消波して波のエネルギーを低減させるという浮消波堤を沖合に設置することも考えられる。
特開平10−227020号公報
しかし、単に防波堤や防潮堤の高さを高く設定しておくことのみでは、想定を超える規模の津波の際には容易に越流が生じてしまい、また防波堤や防潮堤が容易に破壊されてしまって、殆ど無力であることが先の東日本大震災により露呈した。
また、特許文献1に示されるような浮消波堤も、大規模な津波に対しては消波効果は殆ど期待できるものではない。
いずれにしても、現時点では想定規模を超える津波による被害を防止し軽減し得る有効適切な防災システムは確立されていないのが実状であり、遠からず発生することが確実視されている大地震に備えて十分な防災対策を講じることが急務とされている。
上記事情に鑑み、本発明は都市計画的な手法によって津波被害を軽減可能であり、また津波のみならず他の災害発生時においても地域住人が安全に避難するための避難場所を確保するための有効適切な地域防災システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明の地域防災システムは、盛土により円錐台形状に造成されて消波堤として機能する大規模なマウンドを、津波の襲来が想定される地域の海岸線に沿って間隔をおいて配列して多数設置してなることを特徴とする。
請求項2記載の発明の地域防災システムは、盛土により円錐台形状に造成されて災害発生時に避難場所として利用可能な大規模なマウンドを、津波等の災害による被害が想定される地域に対して間隔をおいて分散配置して多数設置してなることを特徴とする。
請求項3記載の発明の地域防災システムは、盛土により円錐台形状に造成されて消波堤として機能する大規模なマウンドを、津波の襲来が想定される地域の海岸線に沿って間隔をおいて配列して多数設置するとともに、盛土により円錐台形状に造成されて災害発生時に避難場所として利用可能な大規模なマウンドを、津波等の災害による被害が想定される地域に対して間隔をおいて分散配置して多数設置してなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の地域防災システムであって、前記マウンドの内部に、災害時及び/又は通常時に利用可能な諸施設を設置するための地下空洞部を設けてなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の地域防災システムであって、前記マウンドの底部から前記地下空洞部に通じる通路を設けてなることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4または5記載の地域防災システムであって、前記マウンドの頂部に、災害時及び/又は通常時に利用可能な塔状構造物を設けてなることを特徴とする。
本発明の地域防災システムによれば、対象地域の海岸部に消波用のマウンドを間隔をおいて配列しておくことにより、津波の際にはそれらのマウンドによって十分な消波効果が得られることはもとより、それらのマウンドは単なる防波堤や防潮堤のように容易に破壊されたり倒壊してしまうことなく粘り強く消波機能を発揮し得ることから、想定規模を超える津波に対する被害を十分に軽減可能である。しかも、各マウンド間には平坦な道路や通路を支障なく確保し得るので、通常の防潮堤に代えて設置すれば海岸部と地域内部とが分断されてしまう不便もない。
また、本発明の地域防災システムによれば、地域内の各所に避難場所として利用可能な人工の高台としてのマウンドを多数分散配置しておくことにより、津波はもとより洪水その他の災害に対する人的被害を軽減できるし、各マウンドを被災後の避難生活の場として有効に活用可能である。
なお、マウンドの内部に災害時及び/又は通常時に利用可能な諸施設、たとえば備蓄倉庫、集会場、避難広場、駐車場、エネルギープラント等を設置するための地下空洞部を設けておき、その場合にはマウンドの底部から地下空洞部に通じる通路を設けておくと、マウンドをさらに有効に活用可能である。
あるいは、マウンドの頂部に災害時及び/又は通常時に各種用途に利用可能な塔状構造物、たとえば津波避難ビル、オフィス、集合住宅、ホテル等の多層ないし高層建物を設けておくと、さらに有効に活用可能である。
本発明の地域防災システムの実施形態を示すもので、全体イメージを示す図である。 同、消波堤としてのマウンドの配置パターンの例を模式的に示す図である。 同、避難場所としてのマウンドの配置パターンの例を模式的に示す図である。 同、マウンドの具体例を示す図である。 同、マウンドの他の構成例を示す図であって、(a)は地下空洞部を設けたもの、(b)は地下空洞部を多層に構成するとともにマウンド底部から地下空洞部に通じる通路を設けたもの、(c)は地下空洞部に加えて塔状構造物を設けたものである。
本発明の地域防災システムの一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態の地域防災システムは、たとえば図1に示すような大地震により津波被害が想定される沿海地域を対象として、その地域の海岸線に沿って消波堤として機能する多数のマウンド1を配列するとともに、地域内の各所に災害発生時に避難場所として利用可能な人工の高台としての多数のマウンド2を分散設置したことを主眼とする。
図2に消波堤としてのマウンド1の設置パターンの例を模式的に示す。
これらのマウンド1は土木工事による盛土によって円錐台形状をなすように施工されたもので、(a)に示すように全体として3列をなすように千鳥配置され、縦横に隣接するものどうしの相互間隔がたとえば50〜100m程度とされ、それぞれのマウンド1の大きさはたとえば底部直径が50m程度、頂部直径が10m程度、高さは10m程度、周面の傾斜角度(法面勾配)は25〜30°程度とされた大規模なものである。
なお、マウンド1の法面勾配は擁壁を必要としない範囲に設定することが好ましく、それによりマウンド1の造成工事を十分に簡略にかつ安価に施工することが可能である。
これらのマウンド1は、相互に間隔をおいて配置されているので通常の防潮堤のようにそれ自体で津波を堰き止めることは期待できないし、その高さも10m程度であるのでそれを超える波高の津波は越流してしまうことから、これ自体では津波による地域内への海水の流入は阻止し得ないものではあるが、襲来した津波は図2(a)に矢印で示しているように各マウンド1に衝突してそれを迂回しつつ各マウンド1間を進行し、また波高によっては各マウンド1に乗り上げてそれを乗り越えて地域内に進入することになるので、その際に津波エネルギーが自ずと消費されてマウンド群の全体による消波効果は十分に得られるものであり、したがって大規模な津波に対する被害に十分に軽減することは可能である。
また、それらのマウンド1は周面が滑らかな傾斜面(法面)とされた円錐台形状であるし、頂部は平坦面であるから、各マウンド1は津波エネルギーを消費させ散逸させつつも通常の防潮堤のように想定規模を超える津波に正対し、容易に破壊されてしまったり倒壊してしまうことはなく、粘り強く消波機能を維持可能なものである。
しかも、各マウンド1を密接させることなく間隔をおいて配列しているので、各マウンド1間には迂回路とはなるものの平常時に支障なく使用可能な平坦な通路や道路を確保できるものである。したがって通常のように長大な防潮堤を連続的に設けることに代えて本実施形態のマウンド群を消波堤として設けることにより、平常時においても海岸部と地域内部(市街地)とが分断されてしまう不便は生じないし、防潮堤を設ける場合には要所に通路を確保するために設ける必要のある格別の開口部やそれを開閉するための扉を設ける必要もない。
図3に地域内の各所に避難場所として設置されるマウンド2の設置パターンを模式的に示し、図4にそのマウンド2の具体的な構成例を示す。
避難場所としてのマウンド2も、上記の消波堤としてのマウンド1と同様に盛土により円錐台形状をなす人工の高台として設置されるものであるが、その設置パターンはたとえば図3に示すように縦横に間隔をおいて格子状に配置され、かつそれぞれのマウンド2は上記の消波堤としてのマウンド1よりもさらに大規模とされていて、たとえば底部直径が110m程度、頂部直径が50m程度、高さが15m程度とされている。
そして、図4に示すように、周面には非常時に避難道路となり平常時には管理道路として使用される道路4や、非常時に避難通路となり平常時には遊歩道としても使用可能な階段5が頂部に通じるように設けられている。
このマウンド2の頂部の平坦面は災害時および被災後に避難場所として利用することから、そのために必要となる各種の設備や施設類、たとえば避難所や仮設住宅となる建物や防災備蓄倉庫を始めとして、非常時に利用可能な簡易な上下水道設備や非常電源設備その他のインフラストラクチャをマウンド2単位で予め整備しておくことが好ましい。
特に、太陽光や風力による発電設備等の自立分散型エネルギー供給施設を設けて、このマウンド2全体をスマートシティの一つのタイプとして活用できるようにしておくことにより、マウンド2単位で相当数の避難者が独立かつ自立的に相当期間の避難生活を営めるようにしておくことが好ましい。
また、これらのマウンド2は災害時に避難場所として利用するのみならず、平常時においてはコミュニティーの核となる広場や公園、運動場、集会場その他の公共施設として利用することも可能であるので、必要に応じてそのための各種施設や設備を整備しておくと良い。
その場合、マウンド2全体が平常時においても好ましい景観と環境を提供できることが好ましく、そのためにはたとえば図4に示す具体例のようにマウンド2の周面に段部3を設けたり、周面全体を植樹や植栽により緑化したものとすることが考えられるが、全体の意匠や仕上げは平常時の用途に応じて、かつ本来の目的である避難場所としての機能を損なわない範囲で、任意に設計すれば良い。
このようなマウンド2を地域内の各所に多数分散配置しておくことにより、津波等の災害時における住人の避難場所として有効に利用可能である。
特に、自然の高台や津波に対して安全な中高層建物がない地域に対して、上記のように人工の高台としての多数のマウンド2をたとえば500m程度の間隔で縦横に設置しておけば、個々のマウンド2のカバーエリアは500m×500m=250,000m2となり、地域内の全域からいずれかのマウンド2への避難距離は最大でもわずか350m程度となることから、その範囲内に居住する多くの住人が大地震発生直後にいずれかのマウンド2まで迅速に避難することが可能であり、その後に襲来する津波による人的被害を十分に軽減することが可能である。
以上のように、本発明の地域防災システムによれば、対象地域の海岸部に多数の消波用のマウンド1を配列して設置するとともに、地域内部に避難場所としてのマウンド2を多数分散配置することにより、この地域に対する津波被害を十分に軽減することが可能である。
特に、従来のように単なる防波堤や防潮堤の高さに頼る津波対策では想定規模を超える津波に対しては殆ど無力であるが、本発明のように消波用のマウンド1を間隔をおいて配列することにより津波を完全に堰き止めることはできないものの津波エネルギーを有効に低減可能であるし、想定規模を超える津波に対しても容易に破壊されることはないので粘り強く消波機能を発揮し得るものとなる。
また、避難場所としてのマウンド2を多数分散配置しておくことにより、津波はもとより洪水その他の災害に対して迅速な被害が可能であって人的被害を軽減できるし、各マウンド2を多数の被災者の避難生活の場として長期にわたって有効に活用可能であるから、特に多数の被災者が発生することが想定される都市域における地域防災システムとして極めて有効である。
なお、本発明におけるマウンド1,2は周知の盛土工法により容易にかつ低コストで造成可能であるが、本発明の地域防災システムを先の東日本大震災による津波被災地に対する復旧・復興事業の一環として適用することも考えられ、その場合には当地で発生した膨大な量の瓦礫をマウンド1,2を造成するための盛土材料として利用することも考えられる。
そのようにすれば、マウンド1,2の造成工事を瓦礫処理・処分を兼ねて実施することが可能であるし、マウンド1,2の造成スペースを瓦礫処分スペースとして利用可能である(つまり、マウンド1,2を造成するべき位置を瓦礫処分場としてそこに瓦礫を山積みすれば良い)ので合理的である。
以上で本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって、本発明の地域防災システムは上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、たとえば以下に列挙するような適宜の設計的変更や応用が可能である。
上記実施形態は津波被害が想定される沿海地域に対する適用例であるので、津波に対する消波用のマウンド1と避難場所としてのマウンド2の双方を並設するものとしたが、必ずしもそうすることはなく、地域条件によっていずれか一方のみを設置することで十分な場合には他方は省略しても良い。
上記実施形態で例示したマウンド1,2の形態や規模(面積、高さ、法面勾配、設置間隔等の諸元、頂部や周面に設置する各種施設や設備類の有無やその種類、その他の仕様)はあくまで一例であって、要は本発明においては盛土による円錐台形状のマウンドを消波堤及び/又は避難場所として機能するように地域内の要所に間隔をおいて設置すれば良いのであって、その限りにおいてそれらのマウンドは実際の地域の状況に応じて最適な規模、パターンで設置すれば良い。
特に、上記実施形態では消波用のマウンド1を全体として3列をなすように千鳥配置したが、それに限るものではなく、海岸線の状況や想定される津波の規模に応じてマウンド群の全体で所望の消波機能を確保し得るように所望規模のマウンド1を所望間隔で所望列数をなすように設ければ良い。
また、上記実施形態において避難場所としてのマウンド2の具体例として例示した図4に示す構成は、消波堤として設置するマウンド1の構成例としても同様に適用可能であることはいうまでもなく、可能であれば消波堤としてのマウンド1も平常時には任意の用途に活用するべく必要に応じてそのための施設や設備を整備しておけば良い。
本発明のマウンド1を全体として消波堤として機能するようにマウンド群として設置することで通常の防波堤や防潮堤は省略することが可能であるが、必要であれば通常の防波堤や防潮堤を設置することを妨げるものではなく、本発明の消波堤としてのマウンド群の外側あるいは内側もしくは両側にさらに通常の防波堤や防潮堤を設置しても良い。
その場合、マウンド群の外側に防波堤や防潮堤を設ければ、津波が防波堤や防潮堤を越流しても、また防波堤や防潮堤が破壊され倒壊されたとしても、さらにマウンド群による消波効果により津波被害を軽減し得る。また、マウンド群の内側に防潮堤を設ければ、津波はマウンド群によりエネルギーが弱められてから防潮堤に到達するので、その防潮堤の簡略化を図ることもできる。
避難場所としてのマウンド2についても、対象地域の用途や地形、環境、地域内における人口およびその分布、想定される災害の規模その他の諸条件を考慮して、可及的に全ての住人に対して安全な避難場所を均等に提供し得るように、また必要に応じて平常時においても所望の用途で有効に活用可能であるように、最適規模のマウンドを最適位置に最適間隔で分散配置すれば良い。
図5(a)〜(c)に避難場所としてのマウンド2の他の構成例を示す。なお、以下に示す構成例は避難難場所としてのマウンド2のみならず、必要であれば消波堤としてのマウンド1に対しても同様に適用可能である。
図5(a)はマウンド2の内部に、災害時及び/又は通常時に利用可能な諸施設を設置するための地下空洞部10を設けて、その内部にたとえば備蓄倉庫、集会場、避難広場、駐車場、エネルギープラント等の諸施設を設けるようにしたものである。
このような地下空洞部10を設ける場合には、たとえばシールド性能の高い鉄筋コンクリート造の地下外壁11を原地盤上に先行施工して、その外側に盛土によるマウンド2を造成すれば良い。それにより、盛土工事に要する手間とコストを軽減することが可能であるし、そのように施工される地下空洞部10は実質的に原地盤の地盤上に設けられるものであるから地下水の影響を受け難いというメリットがある。
なお、図示例の地下空洞部10は水平断面形状を円形とし、かつその面積をマウンド2の頂部と同等にし、底部を原地盤のレベルとしているが、地下空洞部10の形状や規模、底部の深度その他の仕様はマウンド2全体の形状や規模も考慮して任意に設定すれば良い。勿論、地下空洞部10の上部には屋根部12を架設してその上部(つまりマウンド2の頂部)を上記実施形態の場合と同様に利用可能とすれば良いし、マウンド2の周面も上記実施形態の場合と同様に利用可能である。
図5(b)は上記の地下空洞部10の内部に複数層(図示例では2層)の床部13を設けて,地下空洞部10全体を多層の地下建築空間として各種用途に利用可能としたものである。
なお、(a)あるいは(b)に示したような地下空洞部10を設ける場合においては、必要であれば(b)に示しているようにマウンド2の底部から地下空洞部10に通じる通路14を設けておくと良く、その通路14には津波襲来時あるいは洪水発生時に地下空洞部10への浸水を防止するための防潮機能を備えた設備を設けておくと良い。
図5(c)はマウンド2の内部に上記のような地下空洞部10を設けたうえで、さらにマウンド2の上部に各種用途に利用可能な塔状構造物15、たとえば津波避難ビル、オフィス、集合住宅、ホテル、立体駐車場等の多層ないし高層建物を設けたものである。これによれば、マウンド2全体をさらに有効かつ多様に活用可能であるので、そのマウンド2を単なる防災施設や公共施設としてのみならず事業用施設として構築し運用することも考えられる。
なお、この場合、塔状構造物15の平面形状や規模、高さ、構造は任意であって、図示例のような多層ないし高層の建物としてのみならず文字どおり塔(タワー)として設けることでも良い。また、必ずしも図示例のように地下空洞部10と塔状構造物15の双方を並設することはなく、地下空洞部10を省略して塔状構造物15のみを設けることでも良いが、いずれにしても塔状構造物15は想定される災害に対して耐え得る構造としておく必要があることはもとより、その屋上面は上記実施形態におけるマウンド2の頂部と同様に避難広場等として利用可能にしておくと良い。
1 マウンド(消波堤)
2 マウンド(避難場所)
3 段部
4 道路
5 階段
10 地下空洞部
11 地下外壁
12 屋根部
13 床部
14 通路
15 塔状構造物

Claims (6)

  1. 盛土により円錐台形状に造成されて消波堤として機能する大規模なマウンドを、津波の襲来が想定される地域の海岸線に沿って間隔をおいて配列して多数設置してなることを特徴とする地域防災システム。
  2. 盛土により円錐台形状に造成されて災害発生時に避難場所として利用可能な大規模なマウンドを、津波等の災害による被害が想定される地域に対して間隔をおいて分散配置して多数設置してなることを特徴とする地域防災システム。
  3. 盛土により円錐台形状に造成されて消波堤として機能する大規模なマウンドを、津波の襲来が想定される地域の海岸線に沿って間隔をおいて配列して多数設置するとともに、
    盛土により円錐台形状に造成されて災害発生時に避難場所として利用可能な大規模なマウンドを、津波等の災害による被害が想定される地域に対して間隔をおいて分散配置して多数設置してなることを特徴とする地域防災システム。
  4. 請求項1,2または3記載の地域防災システムであって、
    前記マウンドの内部に、災害時及び/又は通常時に利用可能な諸施設を設置するための地下空洞部を設けてなることを特徴とする地域防災システム。
  5. 請求項4記載の地域防災システムであって、
    前記マウンドの底部から前記地下空洞部に通じる通路を設けてなることを特徴とする地域防災システム。
  6. 請求項1,2,3,4または5記載の地域防災システムであって、
    前記マウンドの頂部に、災害時及び/又は通常時に利用可能な塔状構造物を設けてなることを特徴とする地域防災システム。
JP2012209820A 2011-11-07 2012-09-24 地域防災システム Active JP6011851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012209820A JP6011851B2 (ja) 2011-11-07 2012-09-24 地域防災システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011243628 2011-11-07
JP2011243628 2011-11-07
JP2012209820A JP6011851B2 (ja) 2011-11-07 2012-09-24 地域防災システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013122164A true JP2013122164A (ja) 2013-06-20
JP6011851B2 JP6011851B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=48774281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012209820A Active JP6011851B2 (ja) 2011-11-07 2012-09-24 地域防災システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6011851B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015209660A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 清水建設株式会社 一体型マウンドとその構築方法
CN107558439A (zh) * 2017-09-20 2018-01-09 董兰田 两岸三点牵引抛固漂浮墩锚封堵激流溃坝决口方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004305737A (ja) * 2002-12-30 2004-11-04 Fujika:Kk 津波・洪水等の非常事態からの避難装置
JP3116710U (ja) * 2005-09-13 2005-12-15 一瀬 俊夫 風力発電の風車支持堤防
JP2006342648A (ja) * 2005-05-07 2006-12-21 Fujika:Kk 津波などに対する避難用施設並びにその築造方法
JP2007239452A (ja) * 2004-10-07 2007-09-20 Fujika:Kk 避難装置
JP2010121436A (ja) * 2008-05-29 2010-06-03 Mitsuhiro Fujiwara 津波避難用装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004305737A (ja) * 2002-12-30 2004-11-04 Fujika:Kk 津波・洪水等の非常事態からの避難装置
JP2007239452A (ja) * 2004-10-07 2007-09-20 Fujika:Kk 避難装置
JP2006342648A (ja) * 2005-05-07 2006-12-21 Fujika:Kk 津波などに対する避難用施設並びにその築造方法
JP3116710U (ja) * 2005-09-13 2005-12-15 一瀬 俊夫 風力発電の風車支持堤防
JP2010121436A (ja) * 2008-05-29 2010-06-03 Mitsuhiro Fujiwara 津波避難用装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016012724; 社団法人日本道路協会: 道路土工-のり面工・斜面安定工指針 改訂版第15刷, 20070315, P.159〜161、表3-4, 社団法人日本道路協会 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015209660A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 清水建設株式会社 一体型マウンドとその構築方法
CN107558439A (zh) * 2017-09-20 2018-01-09 董兰田 两岸三点牵引抛固漂浮墩锚封堵激流溃坝决口方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6011851B2 (ja) 2016-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010112163A (ja) 耐震貯水堤防とその設置工法
Tõnisson et al. Application of system approach framework for coastal zone management in Pärnu, SW Estonia
JP6011851B2 (ja) 地域防災システム
Anderson Amphibious Architecture Living with a Rising Bay
JP2013147838A (ja) 防災堤防インフラストラクチャー
JP6541012B1 (ja) 津波防災丘陵の断面形と丘陵内部に備えた広域避難地および多目的機能
JP6497641B2 (ja) 一体型マウンドの構築方法
Mongkonkerd et al. Comparison of direct monetary flood damages in 2011 to pillar house and non-pillar house in Ayutthaya, Thailand
Griffis Engineering failures exposed by Hurricane Katrina
Siegel et al. Coastal city flooding
Permana et al. Linking engineering approach and local wisdom in water sensitive urban design as an adaptation strategy to climate change
Shannon Resilient architecture: Adaptive community living in coastal locations
Yamamotoya Shelter-in-Place: Designing a Resilient Hawaiʻi Against Coastal and Flood Vulnerabilities
Barker et al. Flood-aware design
RU2710164C1 (ru) Способ предотвращения ущерба от паводковых наводнений
Wanabakti et al. Unraveling the impact of built-environmental self-modification of the local inhabitants in their attempt to reduce the urban flood impact in Grogol, Sukoharjo
Argyriou et al. Resi2 Rick: Flood Resistance and Resilience in Ricklingen, Hanover (Germany)
JP2020056299A (ja) 空中都市の構造
Barker et al. Flood-resilient design
Permana et al. Low-Risk Engineering Adaptation Strategies to Climate Change Impacts at Individual Level in Urban Areas: A Developing Country's Viewpoint
Ganiron Jr Environmental flood protection dikes
JP6683417B2 (ja) 空中都市の構造
Clark Structural Design Aspects of a Coastal Building Code
Tokimatsu Geotechnical problems in the 2007 Niigata-ken Chuetsu-oki earthquake
Vangeli et al. Climate Change Mitigation for Coastal Communities

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160628

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6011851

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150