JP4360420B2 - 津波などに対する避難用施設並びにその築造方法 - Google Patents

津波などに対する避難用施設並びにその築造方法 Download PDF

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Description

本発明は、津波などに対する避難用施設並びにその築造方法に関する。
津波が発生し襲来する危険を知った場合には近くの小高い場所に急いで避難すべきことが古来からの習わしとなっている。
発明が解決しようとする課題
しかし、こうした近くの小高い場所は、どこにでもあるものでなく、時にして遠い場合もある。また、身体の不自由な人にとっては、小高い場所が自宅から近くとも実質的には非常に遠いものとなり、結果的に津波の襲来を受けたりすることが多々あった。
上記に鑑み、本発明は、町内の公園とか広場などの近場を選んで簡単に避難場所を提供できるようにした津波などに対する避難用施設並びにその築造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、津波の襲来に対抗状をなす防護壁を上からみて丸形・角形等のラセン状になるように形成し、そのラセンの外周端に相当して登降口を形成するとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段を設け、その登降手段の末端であるラセンの中央部分に避難場所を設けるようにする
請求項2記載の発明は、津波の襲来に対抗状をなす防護壁を上からみて同心状で互いに離間した位置関係となるように内筒体と外筒体からなるものとして形成し、内筒体の内側に高い避難場所を造るとともに、防護壁における津波襲来方向を基準として後側となる個所に登降口を形成し、内外両筒体の前記離間した個所に前記登降口と避難場所間を連絡するように登降手段を形成するようにする
請求項3記載の発明は、津波の襲来に対抗状をなすように立設される防護壁は、上からみて丸形・角形等のラセン状に形成され、そのラセンの外周端に相当して登降口が形成されているとともに、同防護壁には、前記登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段が設けられ、その登降手段の末端であるラセンの中央部分には、避難場所が設定されている
請求項4記載の発明は、津波の襲来に対抗状をなすように立設される防護壁は、上からみて同心状で互いに離間した位置関係となるように内筒体と外筒体からなるものとして形成され、前記内筒体の内側には高い避難場所が造られているとともに、防護壁における津波襲来方向を基準として後側となる個所には登降口が形成されており、内外両筒体の前記離間した個所には、前記登降口と避難場所間を連絡する登降手段が形成されている
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載のものにおいて、防護壁の上部内を含む上側には、上避難場所が設けられており、同上避難場所には、防護壁内の避難場所との間を接続する登降手段が設けられている
発明の効果
本発明によれば、町内の公園とか広場などの近場を選んで簡単な施工によって安全な避難場所を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態・実施例
以下、本発明を各実施形態によって詳細に説明するが、各実施形態で説明する内容は、他の実施形態にも同様に適用があるものである。
図1ないし図4は、本発明に係る津波(あるいは洪水)に対する避難用施設についての一実施形態を示す。
同実施形態の避難用施設は、海の沿岸一帯やそれより離れた公園・広場・校庭などの地盤202上に構成されたもので、設置数は図示では単一基としてあるが複数基のものを適宜に離間(近接も含む)して配備してもよい。
同実施形態は、長尺資材である鋼矢板200…の多数本を連続して打設することにより平面丸形ラセン状(図1参照)の避難用施設本体である防護壁(スパイラルタワーあるいはスパイラルシェルター、ラセンタワー、ラセンシェルターなどを称することもある)201を築造したものである。この築造の地盤202は、町内や村内の公園や校庭、その他の使用されてない広場や休耕地などいずれを利用したものでもよい。
鋼矢板200は、図1の右欄の斜視図に示すように、一般にU形と称するもので、一対の斜めのフランジaと平坦なウエッブbおよび両脇の掛溝条cからなるもので、ここでは長尺資材と呼ぶこととする。同鋼矢板200は400mm幅と600mm幅とがあるが、ここでは広い600mm幅のものを溝が内外交互に向くようにして掛溝条c…同士を掛合して打設するものとする。
これら鋼矢板200…は、図2の右下欄に一端斜視図を示すように、図1のラセン全体に適合するような導梁203を設置予定地盤202上に敷設して打設するもので、導梁203は、図示の溝形鋼やH形鋼などの内外離間した2条の曲がり梁からなり、これらを導梁203を目的とするラセンラインを規定するように調整して縦向きの導杭や導梁203と鋼矢板200間に嵌め込まれるスペーサ(図示省略)などを適宜使用して上からの鋼矢板200をぶれなく正確に誘導するものとされる。導杭やスペーサなどは使用しないこともある。以下ではこうした誘導方式は簡略化のため説明を省略する。
鋼矢板200…はこの実施形態では略2周強ラセン状をなすように打設される。ここで、打設とは、バイブロハンマー工法、圧入工法その他の工法によるものを主なるものとするが、地盤にラセン溝を掘り下げたり、ラセン全体を含む穴を掘削して鋼矢板200の下部を埋め込み固定する工法によることもある。これら溝や穴を掘った状態で鋼矢板200を圧入などにより打ち込むこともある。
図示では、圧入工法によって導梁203に誘導されながら鋼矢板200を配列固定する場合を例示している。こうして築造された防護壁201は、その外面側および/または内面側から掛溝条c同士を直接溶接したり付加板を当てて溶接や止着をすることで防護壁201の保形力を持たせるようにすることができる。また、防護壁201の上部に梁を装架して拡開しないように補強することもできる。さらに、防護壁201の外周をワイヤ巻きして引っ張ることで拡開を防止することもできる。これらの組み合わせで補強することもできる。
図示防護壁201は、高さ10m、最大直径15m前後に築造してラセン溝空間の幅を約2〜3mにするとともに外周端には登降口205を形成してある。この登降口205は、図1のように、津波の直接の襲来を受けないように津波襲来想定方向Xに対し後背側に開口してあるようにされている。登降口205から防護壁201内に向かうように登降手段であるスロープ(あるいは仮想線のような階段)206が緩い登り傾斜でもって1周強回るようにして形成されている。このスロープ206は、図4に示すように、土砂207で作る場合は、両脇に砂利208を配して安定化を図る上で好ましいが、コンクリート投入によりスロープ206を形成したり、あるいは仮想線のように階段209により登降手段を形成することもできる。下層が土砂基盤で上層がコンクリートの場合もある。また、図5に示すように、登降手段の構造としては、階段209とスロープ206とを左右に併設することもある。左右いずれが階段209でスロープ206であってもよい。この場合、スロープ206を外周寄りにすると角度を緩くとることができて登りやすくなる利点がある。尚、図1の●印は上方からみた避難者mを示す。前記ラセンの方向は図示とは逆向きにすることもできる。
図1ないし図3の矢印UP1は登降口205からの第1段階としての登り方向を示し、避難者がスロープ206を1周強ほど登ると、そこにはラセンの中央部分に相当する避難場所210が平坦な面として形成されている。同避難場所210は、図2の破線のように地盤202から7〜8m程度上がった高いところに設定されている。勿論この高さは津波襲来想定高さに余裕高さを持たせた高さとして高低に設定される。
同避難場所210は前記登降手段と同様の各種態様、すなわち、土砂類やコンクリート流し込み、あるいはこれらの組み合わせなどで造成することができる。そして、この避難場所210内に1.8〜2m前後の避難ステージを設けて同ステージの上としたである避難場所210に併せて避難できるようにしてもよい。この実施形態では、避難場所210の内周である防護壁201の内周に添って上スロープ(あるいは階段)212を設け、その上側の避難ステージ(上避難場所)213上に矢印UP2のように登ることができるようになっている。同避難ステージ213は、図1および図3に仮想線の丸形で示すように、鋼板による広いステージ面を備えるとともに外周には安全のための手すり214が施されている。そして、ステージ面には上スロープ212に通じる登り口が明けられている。避難ステージ213および上スロープ212は必須なものではない。
この避難ステージ213は、防護壁201上に直接載置して止着固定してもよく、図1の仮想線のように、防護壁201の各鋼矢板200…に複数の脚柱216を固定してその上に同避難ステージ213を取付固定するようにしてもよい。この脚柱216はその下部を避難場所210内の土砂などに埋め込むようにすると一層安定化する。同脚柱216は、図1の右欄図に仮想線で示すように、同じ鋼矢板200を上突出状に連結あるいは溶接して構成することができる。また、防護壁201の外部に脚柱217を埋め込み立設しておいてその上である防護壁201上にくるように避難ステージ213を固定設置してもよい。この場合の脚柱217は、防護壁201の前側に配置されているので、津波襲来時の予備防護手段としても機能する。脚柱217の横列間には防護ロープや廃タイヤなどの緩衝手段を付加することができる。
尚、防護壁201は、組み合わせ鋼矢板(図示省略)や図1の右下欄のような直線形鋼矢板などで築造することができるし、後述するが、鋼管杭や鋼管矢板、コンクリートパイル、コンクリートパネル、木杭など種々のものを利用して築造することができる。
また、図1の左欄に示すように、登降口205を後向きに開いたものにしてもよい。登降口205を仮想線のように右方向に振ったさらに拡がる口として形成してもよく、この場合、口が広がるだけでなく前方からの津波の流れを側脇方へ誘導して避難しやすくする利点もある。尚、鋼矢板は内外二重に離間して対向させて配列しその間に充填材、例えば、土砂や砂利、岩塊、コンクリートなどの他、洗浄済みかき殻微細片(粉粒状のものも含む)やホタテ貝殻微細片(同様に粉粒状のものも含む)などを単独にあるいは前記土砂などと混合して充填するようにしてもよい。川底浚渫物・石炭ガラ・下水汚泥焼成物なども含む。
さらに、図1の矢印Yは戻り流を示し、これに対し登降口205の後方側には図3仮想線のような防護手段215を設けることがある。
また、図1に仮想線で示すように、避難場所210の内部には支柱218を立設してその上に避難ステージを固定するとともに支柱218周りにラセン階段219を備えて登降できるようにしてもよい。
さらに、図2の右欄に示すように、登降口205からの登り経路に対応する鋼矢板200は、図3のように高くせず後回りであることもあって低目にしてもよい。
また、図2に示すように、避難ステージ213上には、扉付きのコンテナ220などの非常用倉庫を設置して非常用の食料や飲料、救助用品などを常備するようにしてもよい。
さらに、図3の左上欄に示すように、スロープ206の上の空間が空いていることを利用して対面する鋼矢板200間に扇形の避難ステージ板221…を広い面積にわたるように設けて避難場所210側から同ステージ板221…上に登降できるようにしてもよい。ステージ板221は、鋼矢板200間に挿通される受けバー222…により受担されるものにしてもよい。
また、図2に示すように、防護壁201の外周、特に前回りの裾部にはコンクリートなどによる制御手段223を設けると前方からの津波が円筒形の防護壁201とともに後方上昇分散流に制御される利点があるし、防護壁201の補強にもなる。同制御手段223はより大きな制御手段223′にしてもよい。
尚、前記実施形態では鋼矢板200…を打設したあと内部に土砂などを投入するようにしたが、例えば、人工丘陵を造成したあとに人工丘陵の外周や避難場所外周などに添って鋼矢板200…を打設し、そのあとで登降手段や避難場所などを図1ないし図5のように造成・整備して完成するように、施工順序を変えてもよい。この場合、鋼矢板200…をラセンにしたり円筒配置(後述)にしたりすることができる。
図6は他の実施形態を示す。同実施形態は、同じく鋼矢板などによるラセン状防護壁227でラセンを2周巻き程度にしてその後部に登降口228を設け、それに通じるスロープ(あるいは階段)229を登降手段として備えるとともに、中央に平坦な避難用スペース230を設定したものであるが、これに上側の避難ステージを設けるか否かは自由である。特に、同図の右欄上に示すように、鋼矢板に代えて丸形鋼管矢板(あるいは鋼管杭)231を角度変更自在な継手232で連結する方法もあることを例示してある。同鋼管矢板231の外周側には木製外装材(丸軸状あるいは板状)233を配列して自然らしさを出すようにしてもよく、また一方、鋼管矢板231自体を間伐材などを利用した木杭方式にしてもよい。木杭の場合、相互を連結手段で止め付けたり外巻きワイヤで保持するようにしてもよい。図6左上欄のように鋼管(あるいは木杭)231間にH型鋼240や角パイプ、溝型鋼などを交互となるように接合して防護壁を築造してもよい。
同じく右欄中段に示すように、角形鋼管矢板235…を継手236で連設するようにしてもよい。この場合、右図のように凹凸237を備えた角木材238で連設することもある。この角木材238は、右上欄の鋼管矢板231の表側に張ることもできる。
また、右下欄のようにH形鋼240を継手241で連設するようにしてもよい。さらに、このH形鋼240は左欄図のように鋼矢板242と交互に組み合わせてもよく、この場合、相互間はコンクリートやモルタルなどのシール剤243で目地止めする。
さらに、図6の左下欄に示すように、X方向に対し長く幅の方を抑えた楕円を基本とする鋼矢板などによるラセン状防護壁245としてもよい。同防護壁245は、津波流Xからの作用度が少なくて安全度も向上する一方において前後に長いので避難者数も一定に確保できるものである。登降口246から避難者が入り込みやすくしかも入る際に前方からの津波流により流されにくいように登降口246の一端に防護ガイド247を突設してもよい。この方式も他の実施形態に採用することができる。また、防護壁245の外周前側両脇には予備ガイド248を突設して、津波流がさらに左右に振り分けられて後方の避難者の方へ激しい流れが到達しないようにできるものである。この方式も他の実施形態で採用できる。
図7は他の実施形態を示す。同実施形態は、同じく鋼矢板などによるラセン形をした防護壁250であるが、そのラセン巻数を1周半前後に短く簡略化したものである。251は登降口、252は登降手段であるスロープ、253は平坦な避難場所である。破線で示す254は蓋付き緩衝パイプで登降手段252の内部に埋め込まれて津波流Xからの衝撃を自らの弾性変形により吸収する機能をもつとともに例えば、土砂やコンクリート投入量を少なく施工が簡略になる。255は他の登降口で、防護壁250の後周りの上縁に右下欄のように切欠状(あるいは四角開口状)に形成されたもので、同登降口255への登降は、防護壁250の外壁面に設けられたステップ256…でなされる。尚、左欄のように、幅を狭く前後に長い楕円あるいは長円形をした防護壁257にしてもよく、この場合にも防護ガイド258を付して安全度を向上させるようにしてもよい。その一方で右上欄のように横長状の防護壁260も考えられるし、長軸が津波流Xに対し斜め向きの防護壁にしてもよい。
尚、前記では防護壁260の全周を鋼矢板などで構築した例を説明したが、防護壁は前回りが津波Xの影響をダイレクトに受ける部分であることから、図7の左上欄に示すように、鋼矢板などにより前周部Lを構築する一方、それ以外の後周部(内巻き部分を含む)Mについては木杭で構築してもよい(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。後周部Mについては図25に示す組単位a…で構築してもよい。防護壁250は、仮想線でQで示すように延長して広い登降口が提供されるようにするとともに登降する人が通過する津波から守られるようにすることができる。
図8は他の実施形態を示す。同実施形態は、ラセンでない同心円型の防護壁(鋼矢板などによる)263で、内筒体264と外筒体265を備え、外筒体265の切欠266が後向きに、内筒体264の切欠267が前向きにくるようにして鋼矢板などの打設により同心円状に固定されたものである。そして、後部に左右一対の登降口268が形成されるとともに内筒体264と外筒体265間に左右一対の登降手段であるスロープ(あるいは階段)269が形成されている。左右のスロープ269を登りきった処は、図の上部で合わさり平坦な中央の避難場所270の高さと同レベルになるようにつながっている。この防護壁263も縦長式の楕円あるいは長円形状などに変形してもよい。尚、271は戻り流の対抗ガードである。
尚、スロープ269は土砂・コンクリートなどの投入方式によらず、木・鉄・コンクリート・樹脂などによる張板S…方式にしてもよい。中央の避難場所270も張板SFとしてもよい。また、右図のように、スロープをメッシュS1で造ってもよい(このことは他の実施形態でも同様に適用することがある)。内筒体264は省略してもよい。
図9は他の実施形態を示す。同実施形態は、半円で同心状の内筒体275と外筒体276とからなる防護壁(鋼矢板などによる)277を示し、278は登降口、279は登降手段であるスロープ(あるいは階段)、280は避難場所である。スロープ279は後方から二手に登ることができるもので、内外筒体275,276間のスロープ279を経由して図の上部から高いレベルの避難場所280に上がり込むことができるようになっている。尚、前記スロープ279は、できるだけ緩い傾斜で登り易くするため図示のように防護壁277の後方に張り出しているが、登降口278のところから傾斜がはじまるようにしてもよい。また、仮想線のように、スロープ279は内筒体275の裏側基部から左右に登り直角に曲がって防護壁277内のスロープ279につながるように構成してもよい。さらに、津波流Xの襲来側には、予備防護手段281…が複数立設されている。内筒体275は省略してもよい。
また、図9に示す防護壁277を上下対称的に一対配してその間を通じて登降可能に構成してもよい。津波流Xの他に戻り流にも有効に対抗できるものとなる。
図10および図11は他の実施形態を示す。同実施形態は、液状対策をしたラセン状防護壁(鋼矢板などによる)284を備えるもので、同防護壁284には登降口285とスロープ286および避難場所287を備えるものであるが、特に、その外周複数個所からは同防護壁284に添って溶接あるいは連結される基部288を備え先端の張り出し部289が地盤290内に埋め込まれた安定板291が配備されており、これらの安定板291…により液状化現象の際にも防護壁284は安定になるものである。この安定板291は前向きにも伸びており、その先端からは予備緩衝手段292が津波流Xに対抗すべく立設されている。尚、避難場所287の中央には図11のように土中から上向きに伸びた液抜きパイプ293が挿通固定されており、その基部の通孔294を通じて液状化時の水などが抜き去られるようになっている。只、同液は避難場所287内に抜き出されることになるため、その対策として、同パイプ293を上の避難ステージ295上に吹きだすように突き出すか、あるいは途中でエルボ状に形成して防護壁284外部に排出できるようにするのが好ましい。前記避難ステージ295の方へパイプ293を突き出すようにする場合、同時にパイプ293により避難ステージ295を支えるようにしてもよい。また、その場合、パイプ293の外周にラセン階段である第2の登降手段を設けてもよい。尚、前側の安定板291については、図11の仮想線のように、その途中の部分をL形でなく斜上部aを備えてその部分aが予備緩衝手段を構成するようにしてもよい。図10の296は補強梁である。
図12は他の実施形態を示す。同実施形態は、鋼矢板などの打設により築造されたラセンあるいは内外同心状の防護壁299に登降口300から登れるスロープ301や階段などの登降手段を備えて中央の避難場所302に避難できるようにしたものにおいて、他の登降手段として、外階段303を前側に斜め姿勢で立て付けて防護壁299に別途明けた直登降口304を通じて内部の避難場所302内に直接避難できるようにしたものである。
前記外階段303は、ステップを備えた桁305と手すり306を備えるものであるが、特別に全体に強度をもたせて襲来する津波流Xに抵抗し得るものとされ、そのため、階段基部を地盤307内に埋め込むとともに防護壁299との間にも受ブラケット308を両端固定式で連結して支持させてなるものである。この外階段303は、同外階段303は、図に仮想線で示すように側周面や後側などいずれにも設置することができる。また、図12の右欄に斜視図を示すように、丸胴形の防護壁309の内部全体を避難用スペース310としたものに登降口312を形成し、それに外階段313を取り付けたものにしてもよい。外階段303,313は図示のものより幅広形にしてより多くの人が登れるようにしたり、複数本の外階段を同時設置してもよい。外階段を防護壁の後側に設置する場合には、登降口を低くし外階段を傾斜の緩いものにしても津波Xや戻り流により影響を受けない。尚、314は裾ガードで、土砂やコンクリート、ゴムなどでもよく、津波流Xを上向き流に制御し被害をより少なくするために機能する。
図13は外階段317を津波襲来側に設置する場合の津波流処理対策例についてのもので、桁318間の踏み板319の下側に設けられる蹴込み板320に津波流が当ると直撃するのでなく左右に流し分けるようにしたものである。
図14(側面図)および図15(平面図)は他の実施形態を示す。同実施形態は、上側に避難ステージ322を備え後方に登降口323を備えるとともにラセン経路の登降手段324を造成してなる防護壁325を1つの避難用施設物Eとしたものにおいて、その複数基を前側2基で後側1基の配置で多数人の避難を可能としたものをまず示している。
そして、それとは別の提案として、これら複数基の避難ステージ322間を避難橋326…で相互連絡していずれにも移動できるようにするとともに、さらに、近場の丘や山327にも設置した別の避難用施設物Eとの間にも避難橋326を渡架しておいてより安全な高いところに避難できるようにしたものである。図示のようにさらに連絡することは自由である。津波流Xの方向は図15のいずれを想定してもよいし、避難用施設物E…は、図示の配置に限定されず、例えば、図15の上欄のように、前に1基、後に2基のような配置にしたり、図15の下欄のように、津波流Xと平行(あるいは直角)に並ぶ方式にしてもよい。このように相互連結方式にすれば、各避難用施設物Eがより強く抵抗するものにもなるだけでなく、橋326上の避難場所に利用できさらに山327へ順次避難できて各避難用施設物Eが順次空きになることから、避難できる絶対数を格段に多くすることができる。尚、こうした避難橋326にて相互連絡する避難用施設物Eは図示の丸ラセン形以外に他のいずれの避難装置をも採用することができる。
図16ないし図21は変形例を示すもので、図16の実施形態は、上からみて台形をした防護壁330をその短い辺が前に向くようにして築造し、その一側あるいは両側に登降手段331を設けて中央の高い避難場所332上に避難できるようにしたものである。登降手段331は仮想線のように装置の巾間中央に配置してもよい。また、前面には津波流Xが激しく当ることも考慮して、前方には、津波流Xを流し分けるための支柱333付き振り分けガイド(V形)334を設置すると解消される。また、津波流Xに対し防護壁330を少し斜めに振った角度に設置すると津波流Xが左右に分けられるし、短い辺を鋼矢板の配列により前方丸凸状にしてもよい。
図17の実施形態は、鋼矢板などにより基本的に三角形に築造した防護壁337を示す。この防護壁337は、三角形の内筒体338とその外側に添ってV字形をなす外壁体339とでなる。340は登降口、341は左右の登降手段(スロープや階段)、342は避難場所であり、矢印経路で避難場所342に避難することができる。尚、防護壁337の前端には、津波流Xをより抵抗少なく切り分けるバルバスバウに相当する丸パイプ343を設けてもよい。また、外壁体339は仮想線のように外向き凸状に湾曲するように築造してもよい。
図18の実施形態は、基本的に四角形をした防護壁346についての例である。この防護壁346は、丸形ラセン状の防護壁を全体的に四角にしたもので、登降口347と登降手段348および四角な避難場所349を備えるものである。この避難用施設物は、前方および後方からの津波流の双方に有効に対抗できる形をしており、しかも、市販のU形鋼矢板とコーナー鋼矢板とを組み合わせて築造することができる。この実施形態を含めて、他の実施形態では全て避難ステージを構成することができる。
尚、右欄に示すように、四角な防護壁346′の中に中防護壁350を形成し、その間に左右両ルートから登れる登降手段351を備えて構成してもよい。この場合、こうした避難用施設物を仮想線のように寄せ合わせてもよい。Xは津波が襲来してくる側である。
図19は四角形を前後に長く伸ばした菱形を基本とする防護壁352についての実施形態を示す。353は登降口、354は登降手段、355は避難場所である。この避難用施設物は津波流Xの作用を弱めるとともにそれに対する抵抗力が強く、しかも、避難者数を多くとれるものである。尚、356はV形あるいは半丸形の前・後振り分け防護ガイドを示す。
図20および図21は基本的に四角形をし先端が半丸筒状で抵抗のないような形にした防護壁358を示す。359は登降口、360は登降手段、361は避難場所である。登降手段360は巾間中央であるが左右いずれか双方に配置してもよい。
また、仮想線で示すように、半丸筒状部分は後部にも築造して全体として長円形状の防護壁358とし、戻り流にも対抗できるようにしてもよい。この場合、一側後方から登降してラセン状の経路で中央の避難場所に登り得るように構成することもできる。
図19および図20の実施形態は、土砂や岩塊(塊体入りネットも含む)あるいはコンクリート製で可能なピラミッド形人工丘陵364とこれに関連して組み合わされた避難ステージ365とでなる避難用施設物(ピラミッドステージと称することもある)を示す。
ピラミッド形人工丘陵364は、四角錐形であるが三角錐や六角錐などの他の多角錐形でもよい。同人工丘陵364はその1つの稜線が津波流Xと戻り流Yの方向に向いてこれらの流れを切り分けるように設置されているとともに、その錐面を登降手段としてのスロープとして利用したり全周を階段状にして登降手段にしてもよい。ここでは錐面をスロープとして利用できるとともに錐面中央に縦向きに設けられた階段366により登降できるようになっている。こうしたピラミッド形人工丘陵364のみで避難用施設物を構成することもできる。
避難ステージ365は、四角な平坦基板と外周の手すりを備えたもので、人工丘陵364と同心状をなして配置されるとともに、人工丘陵364の周縁に対応して打設された鋼矢板200…などによるガード支柱368…により支承されて固定されている。その高さはピラミッドの頂点より少し低いところにあり、特に、同ステージ365の中央には四角な開口Pが明けられて人工丘陵364にその縁部が略接触する程度にされているとともに、開口369の各辺中央位置には階段366から避難ステージ365上に転回しながら乗り移ることができるように登り口Qを切欠状に形成してある。
尚、図19の右欄のように、人工丘陵364の頂部より少し下がった高さの外周に断面L形のような段差aを備えて階段366を登ったあとこの段差aを通じて避難ステージ365上に避難できるように構成してもよい。
また、図20の右欄のように、人工丘陵364の頂部bのみを四角錐状の屋根として支えて同頂部bとその下部の人工丘陵364間に避難ステージcを形成してもよい。この場合、避難ステージcの広さをさらに確保するため、避難ステージcの周りに、支柱dで支持された外周ステージeを備えてもよい。
図21の実施形態は、鋼矢板の打設などにより丸胴状あるいは楕円胴状、角胴状など各種形状を採用できる防護壁368の内部に高い避難場所369を造成し、その後部を切欠状に残しておいてその個所を通じて後方地盤から高い避難場所369の中央まで登降することのできる扇階段(あるいはスロープ)370をできるだけ緩やかな傾斜をもって形成したものである。階段370は土砂やコンクリートなどいずれで造成してもよい。階段370は脇流をも発生させながら戻り流を登りにくくする。
図22の実施形態は、ラセン状避難用施設物E,Eを左右一対配し、登降口373,373を共に後に向けて津波流Xの影響を受け難くするとともに、前方には、避難用施設物E,Eにダイレクトに津波流Xが当らないようにV字あるいは右欄の丸湾曲状のプロテクト374を予備緩衝ガイドを発揮するものとして設置してなる。プロテクト374は鋼矢板などの打設により築造することができる。
尚、上記各種実施形態は、対津波以外に津波避難訓練用、洪水、高潮等の水害避難用、その他町内会合や盆踊り用にも利用可能であることは言うまでもない。また、近隣の人(自治体が一部あるいは全部出費する場合も含む)が築造する場合の他、個人が住居として築造することもできる。
図23および図24は、鋼矢板や鋼管矢板、木材(組単位aのものも含む)、コンクリートパイルなどのいずれかあるいは複数組み合わせにより図示のようなラセン配列に添って地盤内から立ち上げて施設本体(防護壁)460を築造し、その津波Xに対する後方側底部を通じて後方外部とラセン内底とを連絡して避難者を導くボックスカルバートなどの連通路461を挿通固定するとともに、前記内底からラセンに添って登ることのできる階段(スロープあるいは階段とスロープ併設型でもよい)462を設け、さらに右回りに登る傾斜をなしてスロープ(階段、あるいは階段とスロープ併設型でもよい)463を形成したものである。この場合、スロープ463自体が長く広い避難場所になるが別途避難ステージを設けてもよい。例えば、スロープ463に続けてステージ上に登れる登降手段付きのステージとして構成することができる。尚、右下欄は、施設本体の構成例として、コンクリートパイルなどの内列材464…を周方向に間隔をおいて立設し、それらの間の前側に鋼管や木材などの外列材465…を併設して緩衝作用のある施設本体と構成したものである。
図25と図26は防護壁468の築造方法の2例を示すもので、図25の実施形態は、本体内部重量で傾倒が略完全に防止されることも考慮して、防護壁468を地盤469内に図24よりも少し浅く埋め込んだ(打設も可能)もので、その中心には後打設あるいは本体468の施工前の埋め込みにより支柱470を受担材として設けるようにしてよく、この場合、その上に避難ステージ471を設置して支柱470まわりのラセン階段で登降できるようにすることができる。
図26の実施形態は、鋼矢板や鋼管矢板その他でなる防護壁468を地盤469上に載置してなるもので、この場合も本体内部重量で傾倒が略完全に阻止され得ることを考慮して施工の簡略化を図ったものである。特に、この場合は、複数基の本体468を相互連結する方式により傾倒などを防止することができる。
尚、本体468は周位置において牽きワイヤ472…を上下複数にわたって配すことでより安定度は向上する。この牽きワイヤ472は、左欄のように登降手段473としてもよい。また、右欄上に示すように、本体468の基部の通孔474を通じて内から外地盤へあるいは外から内地盤へ向けてアンカー475を複数本打ち込んでもよい。さらに、その下図のように、本体468の基部外周コーナーには、コンクリートなどによる防護部476を付加して補強してもよい。この場合、仮想線のように断面形状は四角以外に三角形でもよい。
図27および図28は、鋼矢板である防護壁480を打設あるいは地盤上設置式で設けるに当り、予め設定ラインの外側に添うライン上に周方向に離間して外止部材481を深く打設あるいは埋込式に立設しておき、その内周側に添って防護壁480…を打設あるいは地盤上設置式で配備してなる。防護壁480は外止部材481側に連結固定してもよい。防護壁480は、右上欄のような鋼管482であってもよい。このように構成しておくことで、外止部材481が防護壁480の外倒れを防止するだけでなく津波から防護壁480を守るものである。防護壁480内には、土砂などでスロープなどの登降手段や避難場所を設ける。
尚、図28に仮想線で示すように、外止部材481を高く伸ばし、避難ステージ483の支えを兼用することもできる。
尚、図27の右方に示すように、コンクリート製のラセン状避難用施設485を築造してその内端側が低く外周側が次第に高くなった登降・避難手段兼用型のスロープ486を構築してもよい。この場合、ラセン溝487が避難通路になっている。
図29は、防護壁を構成する例えば、鋼矢板490…のうちの1本が上方に少し高く突出するものとされ、その突出部分が避難ステージ(図示省略)の支えを兼ねるようにした例である。これら鋼矢板490相互間はワイヤーロープ491で連結してもよい。
前記鋼矢板490は鋼管矢板であることもある。
図30は、同心状に矢板494…を打設して防護壁495を構築して内部に登降手段496と避難場所497を構成する場合に、その入口498を矢板494の相互連結により造るようにしたもので、右欄のように、かなり短い矢板494′を隣合う長い矢板494間に係合しながら降ろし、適宜高さで止めて相互溶接により一体化することで矢板494′と地盤との間に入口498を形成するようにしたものである。
尚、左欄に示すように、入口498の下側も短い矢板494′を先立って打設しておいて、隣合う498との連結関係を強化するようにしてもよい。
また、長い矢板494…で全てを構築しておいてのちに、溶断により入口498を開設してもよい。
図31は、ラセン状防護壁500に登降手段501および避難場所502を構成したものにおいて、その避難場所502の底側全体に水備蓄タンク503を装填式に設けて蓋504を開けることで適宜に給水補充可能にしてある一方、内部の水は、登降手段501の底側に埋め込んだ浄化タンク505内で浄化処理可能で浄化後の水を水備蓄タンク503内に常時(あるいは定期的に)循環させて戻すようにしたものである。506は吸上ポンプ、507はメンテナンス可能な浄化要素、508は攪拌曝気装置である。前記備蓄された水は、非常時用として津波・洪水など以外に消火水としても活用できる。タンク503を装填すると、その対応空間に土砂などを投入する施工が省略される。
尚、防護壁511の上に水備蓄タンク512を設置してもよい。その上が避難ステージ513となっている。同タンク512と前記タンク503とを併設してもよい。図31の右下欄は、同心型防護壁515の避難場所516底側に水備蓄タンク517を装填したものである。518は登降手段である。
図32は、ラセン型防護壁521にスロープなどの登降手段522を設けたものにおいて、その中心スペースにタンク523を装填し、同タンク523内を避難空間としたものである。同タンク523の下層部分を水備蓄タンクにしてもよい。
以上実施形態においては避難施設が多人数用の大口径のものについて説明したが、例えば、家庭向けあるいは近隣限定向けのものとして、口径の小さい2m乃至5m程度のものについても同様にして実施することができる。
尚、ラセン形防護壁(あるいは同心形防護壁)521は、図32の左下図のようなラセン巻鋼板で一体成形したものを現場搬入して設置したり、上下に分割したラセン巻鋼板a、a、aを搬入して現場で溶接や連結して1本のラセン胴体に形成するようにしてもよい。また、その右図のように、H形鋼・矢板などの打ち込みアンカー525…をラセンライン上に打設しておいてその間を介して上から分割板b…を挿填し、あとは溶接や連結などにより全体をタンク状に形成するようにしてもよい。
図33は、U形鋼矢板530…や直線形鋼矢板などを打設して周方向に連結して防護壁531を形成することによりラセンや同心状にし内部に避難場所を形成するようにしたものにおいて、その津波が襲来してくる側の前面には、鋼矢板530の溝aや凸面bに添って津波が這い上がって上方から内部の避難場所や登降手段に多量に飛来してくるおそれがあり、避難する意味が損なわれる。そのことから、同図のように、上昇流を前方へと返すようにしたものである。
凸面b…の津波が襲来する高さより上側には、縦向きに分流化部材533…を止め付けてある。この分流化部材533は、横断面が半丸形や右下欄のV形にしたもので、この部材533により津波流は矢印のように左右に分かれて溝a…の方向に導かれるようになっている。左下図のようにV形を図示向きにして凸面b上に取り付けてもよい。
535は転回ガイド板で、鋼板や樹脂板(ポリカ・FRP板など)で作られ、溝a…内に上昇してくる津波流をまとめて図示矢印のように前方へ転回させるものである。この転回ガイド板535は、溝aの前面に当て付けられる基板部536と、同基板部536から斜め上方前向きに傾斜して伸びるガイド板部537とでなり、ガイド板部537は、溝aの全体を斜行するとともに同溝aを有する鋼矢板530に隣合う鋼矢板530の斜面にも斜行する脇突起部538を備える。
尚、転回ガイド板535の隣合うもの同士を仮想線で示す連結ガイド板539で凸面bに当るように連結して矢印のように上昇してくる津波流を前上方に転回させるようにしてもよい。この連結ガイド板539を装備する場合、前記分流化部材533…は設けないこともある。
また、転回ガイド板535は、仮想線のように、鋼矢板530の上端に配置してもよい。
さらに、前記分流化部材533や転回ガイド板535などを設ける角度範囲は、右上欄に示すように90°のθ1や120°のθ2とすることができる。同例ではラセンの避難施設について示すが同心型のものにも適用される。
また、図の上欄に示すように、U形鋼矢板530の数倍の連結幅WをもつU形鋼矢板(ジャンボ鋼矢板)541で防護壁を構成することもできる。この場合、補強リブ542を付すことがある。
さらに、直線形鋼矢板543も同様に幅広形にしたものを示す。この鋼矢板543は一端に挿通ロッド544を備え、他端に同ロッド544が通される筒部545を備え、補強リブ546を付加してもよい。
また、ガイド板部537は、図35のような湾曲状にしてもよい。
図34は、U形鋼矢板549…の多数枚を連設して周状防護壁550を形成してなるものにおいて、その前向きの溝aの上部内に楔形をした転回ガイド部材551を備え付けて這い上がる津波流が前向きに転回して避難空間側へ飛び込まないようにしたものである。同ガイド部材551は、図示しない止着具で取り付ける場合と、図示のように防護壁550の周囲に緊締されるワイヤーロープ552と溝a間を利用して打設するようにしいてもよい。この場合、ねじ孔553…を多数設けておいて抜止具554により転回ガイド部材551がワイヤーロープ552に引っ掛かることで抜けないように構成することができる。
尚、転回ガイド部材551の表に横溝を段階状に形成してワイヤーロープ552に係合するようにしてもよい。
同転回ガイド部材551は鋼板を折り曲げて形成されているが、木質あるいは樹脂製の楔形をしたものでもよい。
また、実線の転回ガイド部材551に代えて、仮想線で示すように、差込舌片556を2葉備えた楔形の転回ガイド部材557を溝aが前向きの鋼矢板549の上端に挿し込み固定するようにしてもよい。この転回ガイド部材557は、凸面bを前向きにした鋼矢板549にも取り付けてもよい。凸面bの転回ガイド部材557と実線の転回ガイド部材549とを組み合わせることもできる。
前記楔を打ち込む方式は、木材をワイヤーロープで束ねて防護壁を築造するものにおいても同ワイヤーロープを利用して打設するようにして適用できる。
図35は、U形鋼矢板560…の多数枚を連設して周状防護壁561を形成してなるものにおいて、離間して隣合う関係の鋼矢板560,560間に跨るような幅の広い転回ガイド部材562を前向き湾曲状のものとして取り付け固定したものを示す。この転回ガイド部材562の湾曲した面は、溝aを前向きにした鋼矢板560は勿論、凸面bを前向きにした鋼矢板560を這い上がってきた津波流をも捉えて前方へ転回させて戻すように機能する。この転回ガイド部材562は、周方向に互いに接近するようにして連設してある。材質は鋼板、樹脂板などいずれでもよい。凸面bを前向きとする鋼矢板560の裏側の溝からは、津波流による吸引作用でエアーが噴出する。
尚、右上欄のように、転回ガイド部材562の両脇にリブ563を付加してもよい。そのリブ数は2つに限定されない。
また、右下欄のように、リブ565を幅間に設けた転回ガイド部材566としてもよい。
図36は、ラセン形避難用施設物の浮敷型登降手段586の登り端部をラセンの端部開口587に合致させずにラセン方向外部にずらせたものである。これにより、矢印のように戻り流Yが登降手段586上に押し寄せることがなくラセン内空間で吸収する。この場合、ラセンの前側にY流のみにより前方へ開く逆止扉(図示省略)を装備しておいて前方へ抜け出るように構成してもよい。
尚、右欄のように、登降手段588をラセン端部に合わせた場合には、同手段588をグレーチングやメッシュ部材などを使用して戻り流Yがラセン内に抜けるように構成することもできる。
趣旨は具なるが、矢印Yのように登降可能な下階の登降手段を実線の上階の登降手段と併設することもできる。
他の実施形態を示す図2の平面図。 図1のA矢視である背面図。 図1、図2の実施形態の避難用施設物の斜視図。 図3の登降手段の部分を示す縦断面図。 他の登降手段を示す断面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 他の実施形態を示す避難用施設物の模式平面図。 図10のD−D線側断面図。 他の実施形態を示す左側面図。 登降手段の他の実施形態を示す斜視図。 丘や山への避難用施設物を示す図14の側面図。 図14の平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 図20の左側面図。 他の実施形態を示す模式平面図。 他の実施形態を示す平面図。 図23の側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す側面図。 他の実施形態を示す平面図。 図27の側面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す半断面斜視図。 他の実施形態を示す縦断面図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。 他の実施形態を示す斜視図。
符号の説明
200…鋼矢板 201…防護壁 202…地盤 206…スロープ(登降手段) 210…避難用スペース(避難場所)。

Claims (5)

  1. 津波の襲来に対抗状をなす防護壁を上からみて丸形・角形等のラセン状になるように形成し、そのラセンの外周端に相当して登降口を形成するとともに、同登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段を設け、その登降手段の末端であるラセンの中央部分に避難場所を設けるようにする津波などに対する避難用施設の築造方法
  2. 津波の襲来に対抗状をなす防護壁を上からみて同心状で互いに離間した位置関係となるように内筒体と外筒体からなるものとして形成し、内筒体の内側に高い避難場所を造るとともに、防護壁における津波襲来方向を基準として後側となる個所に登降口を形成し、内外両筒体の前記離間した個所に前記登降口と避難場所間を連絡するように登降手段を形成するようにする津波などに対する避難用施設の築造方法
  3. 津波の襲来に対抗状をなすように立設される防護壁は、上からみて丸形・角形等のラセン状に形成され、そのラセンの外周端に相当して登降口が形成されているとともに、同防護壁には、前記登降口からラセンの求心方向に向けて登るように登降手段が設けられ、その登降手段の末端であるラセンの中央部分には、避難場所が設定されている津波などに対する避難用施設
  4. 津波の襲来に対抗状をなすように立設される防護壁は、上からみて同心状で互いに離間した位置関係となるように内筒体と外筒体からなるものとして形成され、前記内筒体の内側には高い避難場所が造られているとともに、防護壁における津波襲来方向を基準として 後側となる個所には登降口が形成されており、内外両筒体の前記離間した個所には、前記登降口と避難場所間を連絡する登降手段が形成されている津波などに対する避難用施設
  5. 請求項3または4記載のものにおいて、防護壁の上部内を含む上側には、上避難場所が設けられており、同上避難場所には、防護壁内の避難場所との間を接続する登降手段が設けられている津波などに対する避難用施設
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