JP3702157B2 - 津波と火災の避難壕 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば海洋型地震時に伴って発生する津波や火災等の災害時に、短時間で両者または一方に対して避難することができて、身の安全を守ることのできる新規な雨水利用の津波と火災の避難壕を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
例えば、往時の阪神淡路大震災では、津波の被害は特に問題とはならなかったが、わが国において今後発生する可能性のある海洋型地震では、例えば過去の北海道の奥尻島の震災の場合には、津波と火災の双方の大きな被害を蒙った。
【0003】
海国であるわが国においては、最近の有珠岳噴火の地震や伊豆諸島の地震等も、いずれも海洋型のものであり、特に後者の場合は何時津波が発生するかは全く予断を許さない状況が続いている。
【0004】
これらの震災を生じた場合には、人命を保護するための避難はいずれも急を要するが、従来ではこれらに対する緊急対策手段は皆無に等しい現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような現状にかんがみて、本願発明者らは、特開平10−37525号公報において、極めて効果的な“震災時の津波と火災の避難壕”を開示して、比較的短時間に避難できて、人命を保護し得ると共に、また震災後の飲料水をもある程度の期間確保し得る避難壕手段を提供した。
【0006】
これに加えて、本願発明者らは、さらに、平常時において比較的大量の雨水を貯蔵し得ると共に、この種の非常時にはより短時間でアクセスが可能であり、これらの貯水を利用して火災時の高温に対処、保護し得ると共に、津波からも比較的高位置に避難することのできる、比較的低コストで狭い面積地にも建設の可能な新規な津波と火災両用の避難壕構造の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、以下の(1)項に示す津波と火災の避難壕の提供により、前記目的を達成しようとするものである。
【0008】
(1)地表下の貯水装置としての地階部と、その上部の避難室入口室としての下階部と、その上部の避難室としての中階部ユニット、並びにその最上部に屋根部を有する操作室と、屋上部とを有する上階部ユニットより成る避難壕であって、 前記地階部は、切換ストップバルブを介する集水槽と、雨水溜及び源水槽とを備えて、平常時の雨水を貯蔵すると共に、前記下階部には、その左右壁部にそれぞれ形鋼材組立構成の強固な各柱ユニットを備え、その一方の柱ユニットには防火戸を、またその一隅には浄水槽及び垂直梯子手段を備えた避難室入口室を形成し、前記中階部ユニットには、形鋼製の前記避難室を形成し、さらに、前記上階部ユニットの、緊急脱出口を供えた前記操作室内には、上部源水タンクと緊急消火貯水タンクを、また前記屋上部には矩形皿状の定水位式の輻射熱断熱水槽を設けると共に、前記中階部ユニットの4側壁外面及び前記上階部ユニットの4側壁下部外面には、それぞれ共通の一対の2枚の鋼板間に水の流通を許すと共に、上部にその排出口を有する各外部輻射熱断熱パネルを、また前記避難室の4壁面の各内面及び床面上には、各内部通水冷却パネルをそれぞれ付設すると共に、前記屋根部の頂部には、散水ヘッドを設け、さらにまた、前記雨水溜より前記源水槽へ送水するための第1のポンプ手段、前記貯水槽より前記上部源水タンクへ送水すると共に、非常時には前記緊急消火貯水タンク、散水ヘッド及び輻射熱断水槽に送水するための第2のポンプ手段、及び前記浄水槽より前記内部通水冷却パネルへ送水するための第3のポンプ手段を備えると共に、常時は、前記外部輻射熱断熱パネルの上部より前記切換ストップバルブを介して前記集水槽に取り入れると共に、非常の火災時には、前記切換ストップバルブを閉鎖すると共に、前記上部貯水タンクより前記散水ヘッドを介して散水し、さらにまた、前記上部貯水タンクより前記緊急消火貯水タンク及び輻射熱断熱水槽を介して、前記外部輻射熱断熱パネル内に注水することにより、その蒸発潜熱により、またさらに、前記各内部通水冷却パネルへの注水とにより、前記避難室の内部を冷却する機能を有することを特徴とする津波と火災の避難壕。
【0009】
【作用】
以上のような本発明構成に係る避難壕は、日常の天然雨水を有効利用して貯水すると共に、比較的短時間にアクセス可能の地表より高い位置の中階部ユニットの耐火性の避難室を備えて、津波の直撃を避けると共に、火災発生時には前記貯水した雨水を利用して屋根部より散水すると共に、避難室集壁中の外部輻射熱断熱パネル内の水路に放水し、外部の火災熱による蒸発潜熱により避難室を冷却すると共に、さらに前記壁内面の内部通水冷却パネルにも通水することにより、室内をさらに冷却して避難人員を火災熱から効果的に保護することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、一実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
図1に、本発明に係る避難壕の一実施例の垂直断面概略正面図(a)及び側面図(b)を示す。また図2は、図1における各階部の概略平面図(a)〜(d)、図3は、図1の貯水、搬水等の配水系統概略図である。
【0012】
(構成)
本実施例の避難壕1は、図1に示すように、概要構成として、地表GL下の貯水装置としての地階部2と、その上方の避難室入口室11としての下階部2aと、その上部の避難室14としての中階部ユニット41、並びにその最上部に屋根部30を有する操作室39と、屋上部31とを有する上階部ユニット40とより成る。
【0013】
以下に、上記各部構成概要を前記地階部2より順次に説明する。
【0014】
<地階部2の構成>
本実施例避難壕1の基礎となる強固な比較的厚いコンクリート製の地階部2は、地下深く掘り進んで基礎杭を打ち、地下にコンクリート打ちで平坦な基礎を仕上げた上に、比較的狭い場所にも規格化生産で、運搬及び組立てが容易なコンクリート製のボックスカルバート(箱型暗渠)3(例えば縦2.5m×横1.5m×高さ1.5m×厚さ10cm位)を上下2〜3段(図例は3段)、中央部の雨水溜部を含む3列に現場で組み合わせて接合して、周囲に鉄筋を回してコンクリートで固めて、地下式の集水槽4、雨水浄化装置24、雨水溜5と、左右に2つの源水槽6を構成する構造で、上部に基礎付きの鉄筋コンクリート板9製の蓋を被せて、周囲をコンクリートで強固に固定した地階部2の水槽の基礎部である。
【0015】
地下の中央部の1階の集水槽4は、切換ストップバルブ16を介して本避難壕1や近隣の家屋の屋根から、雨水を取り入れている雨水の溜桝の構造が地下1階で、地下2階は雨水の土砂や不純物等を除去するための、従来方法の砂と石と木炭や、ガラス繊維の布等の層の構成の雨水浄化装置24と、下部の雨水溜めの点検の降口が併設され、流れ込んだ雨水は濾過されて下の雨水溜5に落ちる構造であり、通常の降雨では、全ての水は地下3階に流れ落ちて、雨水浄化装置24の砂の表面が乾燥することで、掃除口から蚊や鼠や油等の除去が容易なように、地下を三分割したものである。
【0016】
この雨水浄化装置24の砂利砂等で濾過した雨水は、自然に下に落下する構造で、地下3階は、雨水の一時滞留場所の雨水溜5で、第1のポンプ手段として市販の安価な水中ポンプA33で、隣の左・右の源水槽6に送水されて、源水槽6に常時多量の雨水を15m3以上、満水時約20m3、地下に貯水することが可能な構造である。
【0017】
源水を貯水する左右の各地下タンク源水槽6は、それぞれ内側を比較的安価な大きな一重ないし多重のビニール製のビニール袋32内に貯水できるようになっており、これによりコンクリート水槽の地震動による破損時を想定した準備で、水の流出防止対策と、安価で掃除取替えが容易なことと、大量に貯水できるためである。
【0018】
ビニール袋32の設置方法は、規格の寸法の袋を作り、源水槽6内で膨らまして上部に接着剤をつけて水槽の上部に固定する。
【0019】
なお、三宅島の噴火災害では、水道が断水してもクリーニング店が貯蔵した雨水で営業できた由である。自然災害の発生に備えて、都市でも雨水の備蓄が必要である。中央環境審議会では、水循環の整備を企業に求めているが、採算に合わない設備の建設には、社会の反応がゼロが現状であり、比較的安価で用途の広い水循環の整備は急務である。
【0020】
従来の比較的に山間部に多量の雨だけでなく、近年都市部に局地的に豪雨が発生して排水設備の限界を越えて河川に流すことができずに、水害が発生しており、地下鉄まで浸水した時に、上空で雨雲が急速に発達して豪雨になったことがあった。
【0021】
建設省は、大雨の時の河川が天井川の時の浸水対策として、都市に雨水の備蓄を求めており、また震災対策としても、雨水の活用は必要不可欠であるが、都市の狭い場所の備蓄には経費もかかるが、地下が安全で多量の備蓄に最適である。
【0022】
<下階部2aの構成>
下階部2aの左・右の各柱材ユニットとしての、下階部Aユニット7(奥行2.5m×幅1.0m×高さ2.5m)及び下階部Bユニット8(奥行2.5m×幅0.5m×高さ2.5m)の2つのユニットを設置して基礎に強固に固定した構造で、両柱ユニットの中間の約3mの空間は、避難室14の避難室入口室11となり、狭い自動車用の駐車場としても使用することができる。
【0023】
左側の下階部Aユニット7は、例えば山形鋼材を箱状に組んだユニットで、桟と筋交等を配した、統一規格の規格生産が可能なユニットであり、前記基礎付きの鉄筋コンクリート板9の強固に固定して、上部の避難室14の避難室入口室11に、甲種防火戸15を取付けたもので、避難室入口室11脇の下部に、日常の雑用水の水源としての浄水槽10(例えば高さ1.5m×幅1.0m×奥行1.0m)を置き、さらに浄水槽10の上部に、第3のポンプ手段としての配水ポンプC35と、避難室14内壁の内部通水冷却パネルの配管、不図示の温度センサをつけて自動化して、水を集水槽4に落とすが、火災時には切換ストップバルブ16を閉鎖して、駐車場の不図示の散水ヘッドで散水したり、防火用の散水栓や近隣の家屋の雑用水の配管等を取り付けることができる。
【0024】
下階部A/Bユニット7/8の下部は、通常の耐火外壁材を使用する。避難室入口室11の上階への昇降は、不図示の垂直の梯子階段か屋根裏階段で良い。
【0025】
<下階部Bユニット8の構成>
右側の下階部Bユニット8は、例えば山形鋼または大形の溝型鋼等に、筋交、桟等で棚を取り付けた、細長い箱状体のユニットで、下部は、防火器材等の置場で、上部は、不図示の電源用のバッテリー10個位と、第2のポンプ手段としてのポンプB34を取り付けたユニットで、通常は配管を前記ポンプB34の故障に備えて、併用できる設備とするが、緊急時に切換弁で分岐する等の顧客の要望に応える設備とする。双方のA/Bユニット7/8共、低地の津波等の出水でも、給水・消火設備の被害の発生の防止を図って、比較的高い位置にポンプを取り付けている。
【0026】
<外部輻射熱断熱パネル17の構成>
中階部ユニット41の避難室14の外面の周囲と上階部ユニット40の下部と下階部A/Bユニット7/8の上部までに、厚さ約1mmの鋼板と、厚さ5mm位の平板の鋼材の2枚の鋼板を重ねて、中に水を通す構造の(水を上下に通すことが主眼で、前記の2枚の鋼板を重ねたものでも良く、衝撃で破損されてもつぶれるだけで済む)、外部輻射熱断熱パネル17で、上部が上階部ユニット40の屋上部31上の矩形皿状の定水位式輻射熱断熱水槽19に配管で結ばれて、上階部ユニット40の外部輻射熱断熱パネル17には、定水位式方式で通常は雨水等を輻射熱断熱水槽19の排水口に落とすが、非常災害時には、上部パイプスペースで配管を分岐して外部輻射熱断熱パネル17に接続して緊急時に対応する構造で、常時は下の集水槽4に雨水を落とす構造であるが、災害時には中途の切換ストップバルブ16を閉鎖して、溢れた水の膜の壁で外部の強力な輻射熱から避難室14内の人々を水の楯で安全を守る構造であり、定水位式輻射熱断熱水槽19に水を追加することで最上部の外部輻射熱断熱パネル17の排出口38から熱水を外部に排出するようにして、人が汗をかいて体温を下げる方法と同様の方法を利用する事前に準備した雨水を利用した耐熱構造であり、さらに避難室14の床部や内壁部には市販の床暖房用パネルの内部通水冷却パネル25を張り、浄水槽10の下階部A/Bユニット7/8の上部で接続して、その下部の集水槽4に落とす構造である。
【0027】
外部輻射熱断熱パネル17は、互いに溶接・接着して1枚の鋼材の箱状としたもので、火災時に地下の源水槽6の水を上階部ユニット40の操作室39内の上部源水タンク22付近で分岐して、屋上部31の輻射熱断熱水槽19に前記ポンプB34で送水注水し、輻射熱断熱水槽19と配管で繋がれた外部輻射熱断熱パネル17の最上部の排出口38から熱水を溢れさせる。
【0028】
<中階部ユニット41の構成>
さらに上部に、中階部の避難室14のある中階部ユニット41(2.5m×4.5m×2.5m位)は、山形鋼の骨組みに筋交、桟等で補強して箱状に強固に組んだ箱形のユニットで、各外壁面の周囲に外部輻射熱断熱パネル17を張り防火断熱材29を挟んで、壁内面及び床面は市販の床暖房用パネルの内部通水冷却パネル25で下の浄水槽10から前記第3ポンプ手段としての近隣の家屋の雑用水の配水ポンプC35の水を分岐して、不図示の温度センサをつけて避難室14を冷却した水を集水槽4に落とすが、火災時には前記切換ストップバルブ16操作で駐車場の散水ヘッド等で散水する構造である。
【0029】
火災時の輻射熱対策と、生存のための呼吸気の確保を目的としたユニットで、呼吸用には海に潜るときの圧縮空気ボンベ等(図示せず)を使用する。
【0030】
<上階部ユニット40の構成>
上階部ユニット40は、操作室と併置された矩形の皿状の輻射熱断熱水槽19の構造の屋上部31とから成る構造である。
【0031】
矩形の皿状の定水位式輻射熱断熱水槽19の下部の骨組を2段にして、間に高さ約30cmくらいのパイプスペースを作り、パイプスペース支柱42で支持すると共に、上部に矩形の皿状の輻射熱断熱水槽19を設置して、この輻射熱断熱水槽19の排水口の下部で各々の外部輻射熱断熱パネル17の配管を分岐して取り付けると共に、接続した配管の下階部A/Bユニット7/8の下部の切換ストップバルブ16に接続して、通常は雨水を集水槽4に流すが、災害時にはこれを閉鎖して水の膜を作る耐熱構造であり、津波等の衝撃に耐える屋上部31の強固な骨組を作ることが可能になった構造である。
【0032】
また、通常の降雨時には、屋上に降った雨水を矩形の皿状の輻射熱断熱水槽19に導き、外部輻射熱断熱パネル17を経由するか配管で地下の集水槽4に落とすが、回路の中途の切換ストップバルブ16を火災時に閉める構造で、避難室14の上部を含む各周囲壁に水の壁を作り、水の比熱の大きいことと熱を下方に伝えない性質を応用したもので、断熱構造の津波の衝撃と出水時の対応と震災時の火災の熱の対策とを備えた避難壕1である。
【0033】
<上階部ユニット40の構成>
上階部ユニット40は、屋上部31への出入口で、輻射熱断熱水槽19への緊急脱出口20と、周囲の状況を確認してポンプ類を操作する操作室39と、脇に上部源水タンク22と緊急時のポンプの故障に備えて予め水槽タンクに消火用水を準備した構造の緊急消火水貯水タンク21に、予め水を揚げておく。使用法は、別に準備した不図示の消防ポンプの放水の水源とする他、最後の対策として輻射熱断熱水槽19に放出するバルブと、下部の避難室14の散水ヘッドの水源としての比較的大形のタンクで、配管に不図示の定水位弁を取り付けて屋根部30の外面の上に、雨水の浄化・雑用水の管理用のポンプ等の電源の常時充電用の太陽電池パネル23を設置した。
【0034】
上部源水タンク22は、浄水槽10の上部で配管で雨水浄化装置24aを経て落差で水を浄化する水槽で、不図示の定水位弁で水を制御して浄水するもので、大きいものではなく屋根の低い場所に取り付ける。
【0035】
また、屋上部31の津波の衝撃対策として、矩形の皿状の定水位式輻射熱断熱水槽19の下部の骨組を、前述のように2段にして間に前記30cm位のパイプスペースを作り、上部に輻射熱断熱水槽19を設置して脇の操作室39と強固に接合して、数箇所を不図示の固定バンドで強固に外部輻射熱断熱パネル17の中階部ユニット41に固定する。また、防水を考慮して、輻射熱断熱水槽19は周囲の外部輻射熱断熱パネル17に強固に固定すれば、津波等の衝撃に対しても万全である。
【0036】
<ポンプ配管の構成>
▲1▼地階部2の雨水溜5から、左右の源水槽6に送るポンプは、前述の如く、第1のポンプ手段としての水中ポンプA33で、
▲2▼地下の左右の源水槽6から前記第2のポンプ手段としてのポンプB34で上階部ユニット40に送られた水が操作室39で配管の分岐とバルブ操作で4分割(A〜D)される。この分割方法は、バルブ切り替え方式か、シスタンク定水位方式と手動により、
A.雨水浄化装置24aを経由して下階部2aの浄水槽10に貯水する構造と、
B.屋上部31の輻射熱断熱水槽19に注水されて、配管で結ばれた外部輻射熱断熱パネル17とで広域火災の火熱の防御対策として、
C.別に準備した緊急消火貯水タンク21とで、緊急消火の水源として、
D.屋根部30への散水ヘッド37の送水配管として、配管が屋上部31で分岐されている。
【0037】
以上のA〜D4つの作用をポンプB34で行うものである。
【0038】
▲3▼浄水槽10から前記ポンプC35で近隣の雑用水として使用し、夏期や火災時には不図示の温度センサで自動冷却して、通常は集水槽4に落とすが、火災時には切換ストップバルブ16の操作で不図示の散水ヘッドで駐車場に散水する。
【0039】
<作用/効果>
以上説明したように、本実施例の避難壕1の大きさは、地下3m以上、地上6m位の、縦2.5m、横5mの比較的小形構造であり、狭い場所でも建設が可能なプレハブ式の、多量の雨水の貯水が可能であり、津波の波の衝撃と、火災時の火の海を潜り抜ける構造のものであって、通常は下階部2aを車庫と雑用水の水源と防災器材置き場として使用するもので、また箱状に各ユニット7/8を積組んだ構造は、津波等の衝撃には強力であり、直撃を受けても局部的な破損で済み、震災時の津波や火災等に人々を速やかに安全に避難させることができ、またある期間、雨水の貯水設備を利用することができる雨水利用システムに避難設備を備えたシェルターである。
【0040】
自然災害ではいかなる事態が発生するか分からないが、予想される事態の準備は必要である。
【0041】
本発明実施例の特徴は、外部の広域火災の輻射熱を遮る構造を分割して、構造を強化、簡略化した構造にある。外部輻射熱断熱パネル17を屋根部30に向って垂直に延ばし、屋上部31の周囲の内側の中に深さ10cm位で幅2m位の水を張れる大きな皿状の水槽形の輻射熱断熱水槽19と屋外の外部輻射熱断熱パネル17を配管で結び、この外部輻射熱断熱パネル17の上部の排出口38で熱水を屋外に排出できる構造で、内部から定水位式輻射熱断熱用水槽19に源水槽6の水を注水することと、緊急消火貯水タンク21の水を注水する方式との2つの対策のある構造である。
【0042】
外部輻射熱断熱水槽19は、定水位構造の屋根の大部分を覆う大きな水槽と、下部で外部輻射熱断熱パネル17の排出口38に接続、外部輻射熱断熱パネル17の上部に輻射熱断熱水槽19の上部の縁を被せる構造としたものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明構成による津波と火災の避難壕は、日常の天然雨水を有効利用して貯水すると共に、比較的短時間にアクセス可能の地表より高い中階部ユニットの耐火性の避難室を備えて津波の直撃を避けると共に、火災発生時には前記貯水した雨水を利用して屋根部より散水すると共に、避難室の周壁の外部輻射断熱パネル内の水路内に放水し、外部の火災熱による蒸発潜熱により避難室を冷却すると共に、さらに前記壁内面の内部通水パネルにも通水することにより、室内をさらに冷却して避難人員を火災熱から安全に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の垂直断面概略正面図(a)及び側面図(b)
【図2】 図1の各階部の概略平面図(a)〜(d)
【図3】 貯水、散水等の配水系統概略図
【符号の説明】
1 避難壕
2 地階部
2a 下階部
3 ボックスカルバート
4 集水槽
5 雨水溜
6 源水槽
7 下階部Aユニット(柱ユニット)
8 下階部Bユニット(柱ユニット)
9 鉄筋コンクリート板
10 浄水槽
11 避難室入口室
14 避難室
15 甲種防火戸
16 切換ストップバルブ
17 外部輻射熱断熱パネル
19 輻射熱断熱水槽
20 緊急脱出口
21 緊急消火貯水タンク
22 上部源水タンク
23 太陽電池パネル
24 雨水浄化装置
24a 雨水浄化装置
25 内部通水冷却パネル
29 防火断熱材
30 屋根部
31 屋上部
32 ビニール袋
33 ポンプA(第1のポンプ手段)
34 ポンプB(第2のポンプ手段)
35 ポンプC(第3のポンプ手段)
37 散水ヘッド
38 外部輻射熱断熱パネルの排出口
39 操作室
40 上階部ユニット
41 中階部ユニット
42 パイプスペース支柱
Claims (1)
- 地表下の貯水装置としての地階部と、その上部の避難室入口室としての下階部と、その上部の避難室としての中階部ユニット、並びにその最上部に屋根部を有する操作室と、屋上部とを有する上階部ユニットより成る避難壕であって、
前記地階部は、切換ストップバルブを介する集水槽と、雨水溜及び源水槽とを備えて、平常時の雨水を貯蔵すると共に、
前記下階部には、その左右壁部にそれぞれ形鋼材組立構成の強固な各柱ユニットを備え、その一方の柱ユニットには防火戸を、またその一隅には浄水槽及び垂直梯子手段を備えた避難室入口室を形成し、
前記中階部ユニットには、形鋼製の前記避難室を形成し、
さらに、前記上階部ユニットの、緊急脱出口を供えた前記操作室内には、上部源水タンクと緊急消火貯水タンクを、また前記屋上部には矩形皿状の定水位式の輻射熱断熱水槽を設けると共に、
前記中階部ユニットの4側壁外面及び前記上階部ユニットの4側壁下部外面には、それぞれ共通の一対の2枚の鋼板間に水の流通を許すと共に、上部にその排出口を有する各外部輻射熱断熱パネルを、また前記避難室の4壁面の各内面及び床面上には、各内部通水冷却パネルをそれぞれ付設すると共に、
前記屋根部の頂部には、散水ヘッドを設け、
さらにまた、前記雨水溜より前記源水槽へ送水するための第1のポンプ手段、前記貯水槽より前記上部源水タンクへ送水すると共に、非常時には前記緊急消火貯水タンク、散水ヘッド及び輻射熱断水槽に送水するための第2のポンプ手段、及び前記浄水槽より前記内部通水冷却パネルへ送水するための第3のポンプ手段を備えると共に、
常時は、前記外部輻射熱断熱パネルの上部より前記切換ストップバルブを介して前記集水槽に取り入れると共に、
非常の火災時には、前記切換ストップバルブを閉鎖すると共に、前記上部貯水タンクより前記散水ヘッドを介して散水し、さらにまた、前記上部貯水タンクより前記緊急消火貯水タンク及び輻射熱断熱水槽を介して、前記外部輻射熱断熱パネル内に注水することにより、その蒸発潜熱により、またさらに、前記各内部通水冷却パネルへの注水とにより、前記避難室の内部を冷却する機能を有することを特徴とする津波と火災の避難壕。
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