JP2006342284A - 燃料タンク用架橋性樹脂及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性と耐久性とのバランスに優れた大型容器用材料である燃料タンク用架橋性樹脂、特に射出成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れ、かつ耐火性に優れた射出成形燃料タンク用架橋性樹脂及びそれを用いた成形品の提供。
【解決手段】(1)架橋前の密度が0.940g/cm以上0.970g/cm以下、(2)架橋前の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1g/10分以上50g/10分以下、(3)架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1500MPa以下、及び(4)架橋後のゲル分率が20%以上の条件を満足することを特徴とする燃料タンク用架橋性樹脂及びそれを用いた成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料タンク用架橋性樹脂及び成形品に関し、特に射出成形に好適な燃料タンク用架橋性樹脂及び成形品に関する。さらに詳しくは、射出成形燃料タンク用材料において、良好な射出成形性を維持したまま、得られる成形品の耐久性、耐衝撃性、耐火性が優れる燃料タンク用架橋性樹脂及び成形品に関する。
近年、自動車用燃料タンク分野では、軽量化、省エネルギー化といった目的で製品の樹脂化が活発に押し進められている。樹脂材料としては、安価、高強度、良耐候性、良耐薬品性、リサイクル性等の観点から、ポリエチレンが一般に主材料として用いられている。また、樹脂製の燃料タンクは、大型のブロー成形による生産が主流となっている。
しかしながら、大型のブロー成形では、成形機が専用化する、バリ等の廃材発生により生産性が低下する、ブロー成形ピンチ部からの燃料透過性等の課題を抱えている。これらの課題を解決するため、例えば、ポリフェニレン樹脂組成物を溶融成形(特に射出成形、射出プレス成形)してなる樹脂成形品が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、この樹脂組成物からの成形品は、耐衝撃性、耐燃料透過性は良いものの成形効率性という点では不十分な面がある。
特開2004−339478号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、成形性と耐久性とのバランスに優れた大型容器用材料である燃料タンク用架橋性樹脂、特に射出成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れ、かつ耐火性に優れた射出成形燃料タンク用架橋性樹脂及びそれを用いた成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し、射出成形燃料タンクの要求する特性に十分に適合できる材料を検討した結果、架橋前後の密度、流動性、剛性、ゲル分率が特定範囲にある架橋性樹脂、特にエチレン性不飽和シラン化合物を用いた変性ポリエチレン等とシラノール触媒を含有する架橋性樹脂から、成形性と耐久性とのバランスに優れた成形品が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記特性(1)〜(4)の条件を満足することを特徴とする燃料タンク用架橋性樹脂が提供される。
特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm以上0.970g/cm以下
特性(2):架橋前の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1g/10分以上50g/10分以下
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1500MPa以下
特性(4):架橋後のゲル分率が20%以上
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、下記成分(a)〜(b)を含有することを特徴とする燃料タンク用架橋性樹脂が提供される。
成分(a):ポリエチレン99.999〜70重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜70重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、下記成分(a)〜(c)を含有することを特徴とする燃料タンク用架橋性樹脂が提供される。
成分(a):ポリエチレン99.999〜70重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜70重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
成分(c):下記特性(c1)〜(c3)の条件を満足するポリエチレン1〜200重量部
特性(c1):密度が0.940g/cm以上0.970g/cm以下
特性(c2):190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1g/10分以上50g/10分以下
特性(c3):オルゼン曲げ剛性が600MPa以上1500MPa以下
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明の燃料タンク用架橋性樹脂を射出成形後架橋させた成形品が提供される。
本発明によれば、成形性と耐久性とのバランスに優れた大型容器が得られ、特に射出成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れ、かつ耐火性に優れた射出成形燃料タンクを得ることが可能となる。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂は、以下の特性(1)〜(4)の条件を満足し、好ましくは成分(a)〜(b)を、さらに必要に応じて、成分(c)を含有する架橋性樹脂である。以下、本発明の架橋性樹脂の特性、架橋性樹脂の構成成分及び架橋性樹脂からなる成形品について詳細に説明する。
1.架橋性樹脂の特性
特性(1):架橋前密度
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂の架橋前密度は、0.940g/cm以上0.970g/cm以下であり、好ましくは0.940g/cm以上0.965g/cm以下であり、さらに好ましくは0.940g/cm以上0.960g/cm以下である。架橋前密度が0.940g/cm未満では成形品の剛性が不足し、0.970g/cmを超えると耐衝撃性が劣る。
ここで、架橋性樹脂の密度は、JIS−K7112(1999)に準拠して測定されるものであり、該樹脂を温度160℃の熱圧縮成形機により溶融後25℃/分の速度で降温し厚み2mmのシートを成形し、このシートを23℃48時間保持後、密度勾配管に入れ測定するものである。なお、架橋前の樹脂の密度は水分と接触しないようにして測定される。
特性(2):架橋前のメルトフローレート
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂の架橋前の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、0.1g/10分以上50g/10分以下であり、好ましくは0.1g/10分以上20g/10分以下であり、さらに好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下である。架橋前のメルトフローレートが0.1g/10分未満であると、射出成形時に押出し量が不足し、成形不安定な状態となり実用的ではない。また、50g/10分を超えると成形品の耐衝撃性が低下するようになる。
ここで、架橋性樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、JIS−K7210(1999)に準拠して測定されるものである。なお、架橋前の樹脂のメルトフローレートは水分と接触しないようにして測定される。
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂の架橋後のオルゼン曲げ剛性は、600MPa以上1500MPa以下であり、好ましくは600MPa以上1300MPa以下であり、さらに好ましくは650MPa以上1200MPa以下である。オルゼン曲げ剛性が600MPa未満では成形品の剛性不足が顕在化し、1500MPaを超えると耐衝撃性が低下する。
ここで、架橋性樹脂の架橋後のオルゼン曲げ剛性は、JIS−K7106(1995)に準拠して測定されるものであり、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定するものである。
特性(4):架橋後のゲル分率
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂の架橋後のゲル分率は、20%以上であり、好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上95%以下である。ゲル分率が20%未満では成形品の剛性低下を招いてしまう。架橋の程度(ゲル分率)は、目的とする物性に応じて、後述のエチレン性不飽和シラン化合物等の量を適宜変更して調整することが可能である。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂は、水雰囲気に曝す又は水と接触させることにより架橋させることができ、架橋させたものはゲル分率が大きくなり熱的特性、機械的特性、化学的特性が向上し、燃料タンクとして好適な成形品とすることができる。
ここで、架橋後のゲル分率は、JIS−K6787(1997)に準拠し、サンプル10gを、溶媒としてキシレンを用いたソックスレー型抽出器により24時間沸点温度にて抽出し、溶媒乾燥後の抽出残分の重量を次式に従い計算したものである。
ゲル分率(%)=抽出残分の重量(g)×100/抽出前のサンプルの重量(g)
2.架橋樹脂を構成する成分
成分(a):ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性ポリエチレン(a−1)及び/又はオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体(a−2)
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられるポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性ポリエチレン(a−1)におけるポリエチレンとしては、チーグラー触媒、メタロセン触媒等の公知の各触媒、例えば、一般的には、チタン、ジルコニウム等の遷移金属化合物、マグネシウム化合物からなるチーグラー触媒、ジルコニウム、ハフニウム、チタン等の遷移金属化合物に少なくとも1つのシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基を有するメタロセン系触媒を重合触媒として、エチレンを主として重合することによって得られる。
本発明のポリエチレンは、エチレンの重合に際してエチレン単独重合またはエチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10のα−オレフィンから選ばれる1種またはそれ以上のコモノマーを所定の密度になるように共重合することにより得られる。共重合するα−オレフィンの例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等が挙げられるが、耐久性ならびに経済性の見地からは特にプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1が好ましい。
更に、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルシクロヘキサン、スチレンあるいはその誘導体などのビニル化合物も使用することができる。また、これらα−オレフィンは1種のみでもよく、また2種以上を併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィンの含有量は、10重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。α−オレフィンの含有量がこれより多くなると、剛性が低下するので好ましくない。
より詳細に具体的なポリエチレンを例示すれば、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。ポリエチレン共重合体を例示すれば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはエチレン−メタクリル酸共重合体等がある。これらのポリエチレンは、市販の商品として入手できるばかりでなく、公知の重合方法により製造することができる。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられるポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性ポリエチレン(a−1)におけるエチレン性不飽和シラン化合物としては、加水分解性の基及びエチレン性不飽和結合を有するシラン化合物であり、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
SiR 3−n …(I)
〔式(I)中、Rはエチレン性不飽和ハイドロカーボン基又はハイドロカーボンオキシ基、Rはハイドロカーボン基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0〜2の整数である。〕
ここで、Rとしては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等が、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基等が、Yとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等が、それぞれ挙げられ、このようなエチレン性不飽和シラン化合物の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明で用いる変性ポリエチレンは、上記のポリエチレン99.999〜70重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%をグラフト反応させて得られる。エチレン性不飽和シラン化合物の量が0.001重量%未満では架橋が不充分となり剛性が不充分であり、30重量%を超えると架橋後の樹脂にフィッシュアイやブツ等が発生し易くなる。
グラフト反応は、公知の方法で行なうことができる。例えば、ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をラジカル開始剤の存在下に反応させて得られる。ラジカル開始剤としては、その分解温度が使用するオレフィン系樹脂の融点以上であり、オレフィン系樹脂のグラフト反応に一般的に用いられる化合物であればよく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは単独で用いられても2以上の組み合わせで用いられてもよい。中でも、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
上記ラジカル開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、前記ポリエチレン100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.02〜2重量部である。ラジカル開始剤の使用量が少なすぎると、グラフト反応が十分進行しないので所望のゲル分率が得られず、逆に多過ぎると、ポリエチレン分子内に遊離ラジカルが過剰に生成し、いわゆる過酸化物架橋が進行して、スコーチの発生、表面平滑性の低下、粘度の異常上昇などが起こり、作業性が悪化する。
なお、変性ポリエチレンは、特公昭48−1711号公報に記載の方法に準じて製造することも可能である。しかし、該方法に限定されるものではなく、適宜変更した方法で製造することができる。
また、本発明の成分(a)で用いるオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体(a−2)は、オレフィン99.999〜70重量とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%とを共重合して得られる。エチレン性不飽和シラン化合物の量が0.001重量%未満では架橋が不充分となり剛性が不充分であり、30重量%を超えると架橋後の樹脂にフィッシュアイやブツ等が発生し易くなる。
共重合反応は、公知の方法で行なうことができ、例えば、特開昭55−9611号公報に記載の方法に準じて製造することが可能である。しかし、該方法に限定されるものではなく、適宜変更した方法で製造することができる。
なお、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができ、エチレン性不飽和シラン化合物としては、(a−1)で用いた化合物と同様のものを用いることができる。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる成分(a)は、上記の成分(a−1)と(a−2)を、それぞれ単独で用いても、混合して用いても良い。
成分(b):シラノール縮合触媒
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(b)シラノール縮合触媒としては、通常エステル加水分解に用いられる触媒が使用可能であり、酸触媒、塩基触媒が挙げられ、中でもシラノール間の脱水縮合を促進する触媒として一般的に用いられる任意の化合物が好ましく、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタネート、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジンなどの化合物、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートがより好適に用いられる。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂における(b)シラノール縮合触媒の配合量は、成分(a)100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、好ましくは0.01〜5重量部である。成分(b)の配合量が0.001重量部未満では架橋反応が遅く、10重量部を超えると架橋後の樹脂にフィッシュアイやブツ等が発生し易くなる。
本発明で用いるシラノール縮合触媒の使用方法は、該触媒を前記変性ポリエチレン及び/又はオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体のパウダー又はペレットと共に混合する方法、該触媒を押出機の途中に設けた注入孔から圧入する方法、又は、該触媒を溶液又は分散液として変性ポリエチレン及び/又はオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体から得られる成形品表面に塗布するか、或いは、その溶液又は分散液に該成形品を含浸させる等の方法が採られる。中でも、本発明においては、シラノール縮合触媒を、前記オレフィン系樹脂パウダー、前記エチレン性不飽和シラン化合物、及びラジカル発生剤と共に前記変性ポリエチレン及び/又はオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体のパウダー又はペレットと共に混合する方法、又は、該触媒を押出機の途中に設けた注入孔から圧入する方法によるのが好ましい。特に、本発明の架橋性樹脂を製造するにあたり、そのまま混合してもよいし、好ましくは少量のポリエチレン等と予め混合したものを用いると分散性等の観点から好適である。
成分(c):ポリエチレン
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンとしては、前記成分(a)で説明したポリエチレンを用いることができ、それらの中でも下記特性(c1)〜(c3)を満足するポリエチレンが好ましい。
特性(c1):密度
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンの密度は、0.940g/cm以上0.970g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.940g/cm以上0.965g/cm以下であり、さらに好ましくは0.940g/cm以上0.960g/cm以下である。密度が0.940g/cm未満では成形品の剛性が不足し、0.970g/cmを超えると耐衝撃性が劣る。密度の調整はエチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができる。
ここで、密度は、JIS−K7112(1999)に準拠して測定されるものであり、ポリエチレンペレットを温度160℃の熱圧縮成形機により溶融後25℃/分の速度で降温し厚み2mmのシートを成形し、このシートを23℃、48時間保持後、密度勾配管に入れ測定するものである。
特性(c2):メルトフローレート
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンの190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、0.1g/10分以上50g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.1g/10分以上20g/10分以下であり、さらに好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下である。メルトフローレートが0.1g/10分未満であると、射出成形時に押出し量が不足し、成形不安定な状態となり実用的ではない。また、50g/10分を超えると成形品の耐衝撃性が低下するようになる。190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートの調整は、例えばエチレン重合中に共存させる水素の量を変化させることによって行うことができる。
ここで、メルトフローレートは、JIS−K7210(1999)に準拠して測定されるものである。
特性(c3):オルゼン曲げ剛性
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンのオルゼン曲げ剛性は、600MPa以上1500MPa以下が好ましく、より好ましくは600MPa以上1300MPa以下であり、さらに好ましくは650MPa以上1200MPa以下である。オルゼン曲げ剛性が600MPa未満では成形品の剛性不足が顕在化し、1500MPaを超えると耐衝撃性が低下する。
ここで、オルゼン曲げ剛性は、JIS−K7106(1995)に準拠して測定されるものであり、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定するものである。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂における(c)ポリエチレンは、上記の特性(c1)〜(c3)を満足するものであれば、単一のポリエチレンでもよいが、複数、例えば異なる二種類の物性を有するポリエチレン成分から構成することもできる。特に、本発明で用いるポリエチレンは、連続多段重合法で得られるポリエチレンが好ましく、また、所定のポリエチレン成分をそれぞれ別個に重合したものを、その後所定量をポリマーブレンドした、いわゆるポリエチレン組成物といわれる、混合したものでも差し支えない。
本発明で用いる(c)ポリエチレンには、本発明の効果を著しく損なわない範囲で各種公知の添加剤、充填材等を適宜の量で添加できる。添加剤としては、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、着色剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、相溶化剤等を1種または2種以上適宜併用することができる。充填材としては、例えばタルク、マイカ等が使用できる。また、本発明で用いるポリエチレンは、必要に応じて無水マレイン酸変性等をしておくこともできる。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂における(c)ポリエチレンの配合量は、成分(a)100重量部に対し、1〜200重量部が好ましく、より好ましくは10〜100重量部である。成分(c)が1重量部未満では、成形品である燃料タンクの性能は優れるが、コスト的に不利であり、200重量部を超えると成形品である燃料タンクの耐火性および耐環境応力き裂(耐久性)のレベルが低下し、燃料タンクの必要性能を発揮出来なくなる。
本発明における架橋性樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂やゴム、及び、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填材、相溶化剤、接着剤等が添加されていてもよい。
3.成形品
本発明の成形品は、上記架橋性樹脂を公知の成形方法で成形し、次いで架橋して得られる。成形方法としては、射出成形が好ましく、低温、かつ、高速で射出成形することができる。架橋方法は、いわゆる水架橋が好ましく、本発明の架橋性樹脂を成形して成形品としたものを常温〜200℃程度、通常は常温〜100℃程度の液状又は蒸気状の水に1時間〜1週間程度、通常は3〜12時間程度にわたって接触させることによりなされることが好適である。
本発明の燃料タンク用架橋性樹脂より成形される成形品としては、特に射出成形による大型容器が好ましい例として挙げられる。大型容器としては、工業薬品缶、ドラム缶、燃料タンク等が該当し、好ましくは燃料タンクである。また、大型容器に取り付ける小部品、例えば工業薬品缶、ドラム缶においては蓋(キャップ)、内溶液供給口、または取り出し口等の部品、燃料タンクにおいては、燃料タンク本体に溶着された燃料供給口、バルブまたは燃料ポンプ固定用蓋(キャップ)等の樹脂としても好適に使用できる。この小部品とは、大型容器に溶着、ウェルドすることによって大型容器に一体に取り付ける、取っ手、内溶液供給口、または取り出し口等の役割を果たす中空パイプ状小部品、大型容器の開口部の補強部品、インレット、開口部ライナーのような各種部品を挙げることが出来る。また、大型容器の蓋(キャップ)のような、大型容器のネジ山に取り付ける為の内面にネジ山を設けたキャップ、大型容器の口への単なるはめ込み式のキャップなど、いわゆる大型容器とは別体で取り扱われる多くの所定の形状に設計変更された小部品を対象とすることができる。
なお、大型容器とは、通常、内容積5L以上の容器をいい、工業薬品缶、燃料タンク、ドラム缶等が当てはまり、通常ジェリカン(20〜50L程度)、ドラム(20〜220L程度)、IBC(約1000L程度)、タンク(約1000L程度)、燃料タンク(約5〜150L程度)のような容器を対象とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、樹脂の物性は以下の方法で測定し、架橋前の樹脂の物性測定の場合は水分と接触しないようにして行い、架橋後の樹脂の物性測定の場合は本発明の架橋性樹脂を水分と接触させた後のサンプルで行った。
(1)密度:JIS−K7112(1999)に準拠した。
(2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート:JIS−K7210(1999)に準拠した。
(3)オルゼン曲げ剛性:JIS−K7106(1995)に準拠して、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定した。
(4)ゲル分率:JIS−K6787(1997)に準拠し、サンプル10gを、溶媒としてキシレンを用いたソックスレー型抽出器により24時間沸点温度にて抽出し、溶媒乾燥後の抽出残分の重量を次式に従い計算した。
ゲル分率(%)=抽出残分の重量(g)×100/抽出前のサンプルの重量(g)
(5)耐環境応力き裂:ASTM D1693に準拠して測定した。
(6)シャルピー衝撃強度:JIS−K7111(1996)に準拠して測定した。
(7)射出成形品の耐火性:射出成形した縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで密閉容器を作製した。密閉容器の上面に10mmφ程度の穴を開け、その穴から水を深さ25mmとなるように注入し、ガスバーナーで約20mmの炎が接触するように容器の下方より加熱し、穴があくまでの時間(秒)を測定した。
(実施例1)
チーグラー触媒を用いてコモノマーとしてヘキセン−1を用いスラリー重合法により、密度0.948g/cm、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが15g/10分、オルゼン曲げ剛性が900MPaであるポリエチレン(I)を製造した。
ポリエチレン(I)100重量部に対して、エチレン性不飽和シラン化合物としてビニルトリエトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製「SZ6300 SILANE」)を3重量部、ラジカル発生剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサ25B」)を0.1重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、口径50mm、L/D24の押出機により190℃で溶融混練して変性ポリエチレン(I)を製造した。
次に、ポリエチレン(I)100重量部に対してシラノール縮合触媒としてのジブチル錫ジオクテート(三共有機合成社製「STANN=SNT=1F」)を5重量部添加し、口径50mm、L/D24の押出機により190℃で溶融混練して、架橋触媒樹脂(I)とした。
変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂を得た。
得られた架橋性樹脂を、射出成形機(東芝機械株式会社製IS150E)を用いて、成形温度230℃、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件にて、縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器に成形した。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品容器を得た。この成形品容器の底部よりテストピースを打抜き、密度、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度測定用のテストピースを作製し、各項目の測定を行った。また、別に同じ方法で製造した直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで作製した容器を用いて耐火性評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1の架橋性樹脂は、射出成形性が良好であり、剛性、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度、耐火性のいずれも良好であった。
(実施例2)
実施例1の変性ポリエチレン(I)50重量部、実施例1のポリエチレン(I)50重量部及び架橋触媒樹脂(I)を5重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂を得た。
得られた架橋性樹脂を、実施例1と同様に射出成形機(東芝機械株式会社製IS150E)を用いて、成形温度230℃、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件にて、縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器に成形した。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品容器を得た。この成形品容器の底部よりテストピースを打抜き、密度、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度測定用のテストピースを作製し、各項目の測定を行った。また、別に同じ方法で製造した直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで作製した容器を用いて耐火性評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例2の架橋性樹脂は、射出成形性が良好であり、剛性、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度、耐火性のいずれも良好であった。
(実施例3)
実施例1の変性ポリエチレン(I)40重量部、実施例1のポリエチレン(I)60重量部及び架橋触媒樹脂(I)を5重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂を得た。
得られた架橋性樹脂を、実施例1と同様に射出成形機(東芝機械株式会社製IS150E)を用いて、成形温度230℃、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件にて、縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器に成形した。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品容器を得た。この成形品容器の底部よりテストピースを打抜き、密度、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度測定用のテストピースを作製し、各項目の測定を行った。また、別に同じ方法で製造した直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで作製した容器を用いて耐火性評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例3の架橋性樹脂は、射出成形性が良好であり、剛性、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度、耐火性のいずれも良好であった。
(比較例1)
ポリエチレンとして日本ポリエチレン株式会社製ノバテックHD HJ451を用い、実施例1と同様に射出成形機(東芝機械株式会社製IS150E)を用いて、成形温度230℃、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件にて、縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器を得た。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、成形品容器を得た。この成形品容器の底部よりテストピースを打抜き、密度、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度測定用のテストピースを作製し、各項目の測定を行った。また、別に同じ方法で製造した直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで作製した容器を用いて耐火性評価を行った。その結果を表1に示した。
比較例1の樹脂は、射出成形性、剛性は良好であるが、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度、耐火性のいずれもが燃料タンク用途としては満足できないレベルであった。
(比較例2)
実施例1の変性ポリエチレン(I)30重量部、実施例1のポリエチレン(I)70重量部及び架橋触媒樹脂(I)を5重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂を得た。
得られた架橋性樹脂を、実施例1と同様に射出成形機(東芝機械株式会社製IS150E)を用いて、成形温度230℃、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件にて、縦100mm、横100mm、高さ50mm、厚さ3mm、重量120g、容積500mlの直方体箱状の凹型容器に成形した。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品容器を得た。この成形品容器の底部よりテストピースを打抜き、密度、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度測定用のテストピースを作製し、各項目の測定を行った。また、別に同じ方法で製造した直方体箱状の凹型容器を2つ使用し、各容器の口の淵部を200℃熱版にて溶融させ、各容器の淵部を合わせて溶着させることで作製した容器を用いて耐火性評価を行った。その結果を表1に示した。
比較例2の樹脂は、射出成形性、剛性は良好であるが、耐環境応力き裂、シャルピー衝撃強度、耐火性のいずれもが燃料タンク用途としては満足できないレベルであった。
Figure 2006342284
本発明の架橋性樹脂から得られる成形品は、成形性と耐久性とのバランスに優れ、特に射出成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れ、かつ耐火性に優れた大型射出成形燃料タンクとすることができ、工業的に非常に利用価値の高いものである。

Claims (4)

  1. 下記特性(1)〜(4)の条件を満足することを特徴とする燃料タンク用架橋性樹脂。
    特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm以上0.970g/cm以下
    特性(2):架橋前の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1g/10分以上50g/10分以下
    特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1500MPa以下
    特性(4):架橋後のゲル分率が20%以上
  2. 下記成分(a)〜(b)を含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク用架橋性樹脂。
    成分(a):ポリエチレン99.999〜70重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜70重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%との共重合体100重量部
    成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
  3. 下記成分(a)〜(c)を含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク用架橋性樹脂。
    成分(a):ポリエチレン99.999〜70重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜70重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜30重量%との共重合体100重量部
    成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
    成分(c):下記特性(c1)〜(c3)の条件を満足するポリエチレン1〜200重量部
    特性(c1):密度が0.940g/cm以上0.970g/cm以下
    特性(c2):190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1g/10分以上50g/10分以下
    特性(c3):オルゼン曲げ剛性が600MPa以上1500MPa以下
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料タンク用架橋性樹脂を射出成形後架橋させた成形品。
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