JP4845617B2 - 中空成形燃料タンク用架橋性樹脂及び成形品 - Google Patents
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Description
特許文献2には、重合性官能基を有する難燃剤を含有するポリエチレンをフィルム状に成形し、基材樹脂のタンク成形時に外層のポリオレフィン上に前記フィルムを被覆したタンクを作成した後、アクリロニトリルを含有する溶液で処理し、このタンクにガンマ線、電子線または紫外線を照射してアクリロニトリルおよび重合性官能基を有する難燃剤をグラフト重合することを特徴とする燃料タンクが開示されている。
特許文献3には、単層あるいは多層構造プラスチック燃料タンクの最外殻層に、難燃性発泡プラスチック層を備えたことを特徴とする難燃性多層構造プラスチック燃料タンクが開示されている。
特許文献4には、自動車燃料タンクが0.945から0.955g/cm3の密度及び5から9.5g/10の高荷重メルトインデックスを有する高密度ポリエチレンから構成され、この高密度ポリエチレンが0.5重量%迄のカーボンブラック含量を有する燃料タンクが開示されている。
特許文献5には、合成樹脂製タンクの外表面にセラミックス系塗料を塗布してなる燃料タンクが開示されている。
特許文献6には、カーボン繊維によりマット状に形成した耐火炎材を、樹脂製燃料タンクの必要な外面に取り付けたことを特徴とする樹脂製燃料タンクが開示されている。
特許文献7には、合成樹脂製の容器体の外周面に低温膨張性黒鉛を含む耐火層を有する樹脂製燃料タンクが開示されている。
特許文献8には、合成樹脂製のタンク本体と、シート状材料に低温膨張性黒鉛含有塗料を塗布してなる耐火シートとを備え、該耐火シートが前記タンクのブロー成形により当該タンク本体の外表面に接着一体化されたことを特徴とする燃料タンクが開示されている。
特許文献9には、耐火性を有する難燃剤含有中空プラスチック製品が開示されている。
しかしながら、これらの従来技術では難燃剤等のコストがかかる上、物性バランスの面から必ずしもいまだ十分とは言えない。
成分(a):ポリエチレン99.999〜85重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜85重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm 3 以上0.970g/cm 3 以下
特性(2):架橋前の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(4):架橋後のゲル分率が5%以上
成分(a):ポリエチレン99.999〜85重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜85重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
成分(c):下記特性(c1)〜(c3)の条件を満足するポリエチレン100〜1000重量部
特性(c1):密度が0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下
特性(c2):190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(c3):オルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm 3 以上0.970g/cm 3 以下
特性(2):架橋前の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(4):架橋後のゲル分率が5%以上
R1SiR2 nY3−n …(I)
〔式(I)中、R1はエチレン性不飽和ハイドロカーボン基又はハイドロカーボンオキシ基、R2はハイドロカーボン基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0〜2の整数である。〕
成分(a):ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性ポリエチレン(a−1)及び/又はオレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体(a−2)
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂に用いられるポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性ポリエチレン(a−1)におけるポリエチレンとしては、チーグラー触媒、メタロセン触媒、フィリップス触媒等の公知の各触媒、例えば、一般的には、チタン、ジルコニウム等の遷移金属化合物、マグネシウム化合物からなるチーグラー触媒、ジルコニウム、ハフニウム、チタン等の遷移金属化合物に少なくとも1つのシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基を有するメタロセン系触媒、クロム化合物を含有するフィリップス触媒を重合触媒として、エチレンを主として重合することによって得られる。
更に、ビニルシクロヘキサン、スチレンあるいはその誘導体などのビニル化合物も使用することができる。また、これらα−オレフィンは1種のみでもよく、また2種以上を併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィンの含有量は、10重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。α−オレフィンの含有量がこれより多くなると、剛性が低下するので好ましくない。
R1SiR2 nY3−n …(I)
〔式(I)中、R1はエチレン性不飽和ハイドロカーボン基又はハイドロカーボンオキシ基、R2はハイドロカーボン基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0〜2の整数である。〕
なお、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができ、エチレン性不飽和シラン化合物としては、(a−1)で用いた化合物と同様のものを用いることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(b)シラノール縮合触媒としては、通常エステル加水分解に用いられる触媒が使用可能であり、酸触媒、塩基触媒が挙げられ、中でもシラノール間の脱水縮合を促進する触媒として一般的に用いられる任意の化合物が好ましく、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタネート、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジンなどの化合物、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートがより好適に用いられる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂においては、必要に応じて成分(c)を用いることができる。(c)ポリエチレンとしては、前記成分(a)で説明したポリエチレンを用いることができ、それらの中でも下記特性(c1)〜(c3)を満足するポリエチレンが好ましい。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンの密度は、0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下が好ましく、より好ましくは0.940g/cm3以上0.965g/cm3以下であり、さらに好ましくは0.940g/cm3以上0.960g/cm3以下である。密度が0.940g/cm3未満では成形品の剛性が不足し、0.970g/cm3を超えると耐衝撃性が劣る。密度の調整はエチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができる。
ここで、密度は、JIS−K7112(1999)に準拠して測定されるものであり、ポリエチレンペレットを温度160℃の熱圧縮成形機により溶融後25℃/分の速度で降温し厚み2mmのシートを成形し、このシートを23℃、48時間保持後、密度勾配管に入れ測定するものである。
密度は、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって調整することができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンの190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートは、0.001g/10分以上50g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.005g/10分以上30g/10分以下であり、さらに好ましくは0.01g/10分以上10g/10分以下である。メルトフローレートが0.001g/10分未満であると、中空成形時に押出し量が不足し、成形不安定な状態となり実用的ではない。また、10g/10分を超えるとドローダウン悪化による成形不良が発生する。190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートの調整は、例えばエチレン重合中に共存させる水素の量を変化させることによって行うことができる。
ここで、メルトフローレートは、JIS−K7210(1999)に準拠して測定されるものである。
メルトフローレートは、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより大きくすることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂に用いられる(c)ポリエチレンのオルゼン曲げ剛性は、600MPa以上1300MPa以下が好ましく、より好ましくは600MPa以上1250MPa以下であり、さらに好ましくは650MPa以上1200MPa以下である。オルゼン曲げ剛性が600MPa未満では成形品の剛性不足が顕在化し、1300MPaを超えると耐衝撃性が低下する。
ここで、オルゼン曲げ剛性は、JIS−K7106(1995)に準拠して測定されるものであり、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定するものである。
オルゼン曲げ剛性は、ポリエチレンの分子量及び密度を増減させることにより調節することができ、分子量又は密度を増加させると曲げ弾性率を上げることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂は、上記成分構成からなるが、下記特性(1)〜(4)を有するものであることが好ましい。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂の架橋前密度は、0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下であり、好ましくは0.940g/cm3以上0.965g/cm3以下であり、さらに好ましくは0.940g/cm3以上0.960g/cm3以下である。架橋前密度が0.940g/cm3未満では成形品の剛性が不足し、0.970g/cm3を超えると耐衝撃性が劣る。
ここで、架橋性樹脂の密度は、JIS−K7112(1999)に準拠して測定されるものであり、該樹脂を温度160℃の熱圧縮成形機により溶融後25℃/分の速度で降温し厚み2mmのシートを成形し、このシートを23℃、48時間保持後、密度勾配管に入れ測定するものである。なお、架橋前の樹脂の密度は水分と接触しないようにして測定される。
密度は、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって調整することができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂の架橋前の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートは、0.001g/10分以上50g/10分以下であり、好ましくは0.005g/10分以上30g/10分以下であり、さらに好ましくは0.010g/10分以上10g/10分以下である。架橋前のメルトフローレートが0.001g/10分未満であると、中空成形時に押出し量が不足し、成形不安定な状態となり実用的ではない。また、50g/10分を超えると成形品の耐衝撃性が低下するようになる。
ここで、架橋性樹脂の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートは、JIS−K7210(1999)に準拠して測定されるものである。なお、架橋前の樹脂のメルトフローレートは水分と接触しないようにして測定される。
メルトフローレートは、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより大きくすることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂の架橋後のオルゼン曲げ剛性は、600MPa以上1300MPa以下であり、好ましくは600MPa以上1250MPa以下であり、さらに好ましくは650MPa以上1200MPa以下である。オルゼン曲げ剛性が600MPa未満では成形品の剛性不足が顕在化し、1300MPaを超えると耐衝撃性が低下する。
ここで、架橋性樹脂の架橋後のオルゼン曲げ剛性は、JIS−K7106(1995)に準拠して測定されるものであり、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定するものである。
オルゼン曲げ剛性は、ポリエチレンの分子量及び密度を増減させることにより調節することができ、分子量又は密度を増加させると曲げ弾性率を上げることができる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂の架橋後のゲル分率は、5%以上であり、好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは10%以上95%以下である。ゲル分率が5%未満では成形品の剛性低下を招いてしまう。架橋の程度(ゲル分率)は、目的とする物性に応じて、後述のエチレン性不飽和シラン化合物等の量を適宜変更して調整することが可能であり、エチレン性不飽和シラン化合物等の量を増加させるとゲル分率は大きくなる。
本発明の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂は、水雰囲気に曝す又は水と接触させることにより架橋させることができ、架橋させたものはゲル分率が大きくなり熱的特性、機械的特性、化学的特性が向上し、燃料タンクとして好適な成形品とすることができる。
ここで、架橋後のゲル分率は、JIS−K6787(1997)に準拠し、サンプル10gを、溶媒としてキシレンを用いたソックスレー型抽出器により24時間沸点温度にて抽出し、溶媒乾燥後の抽出残分の重量を次式に従い計算したものである。
ゲル分率(%)=抽出残分の重量(g)×100/抽出前のサンプルの重量(g)
本発明の成形品は、上記架橋性樹脂を公知の成形方法で成形し、次いで架橋して得られる。成形方法としては、多層中空成形が好ましい。架橋方法は、いわゆる水架橋が好ましく、本発明の架橋性樹脂を成形して成形品としたものを常温〜200℃程度、通常は常温〜100℃程度の液状又は蒸気状の水に1時間〜1週間程度、通常は3〜12時間程度にわたって接触させることによりなされることが好適である。温度23℃、湿度50%の状態においても、10日程度の放置において、効果が得られる。
上記接着性樹脂は、不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性した高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン等から選ばれるものが好ましく、特に不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性した直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体の含有量は0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは、0.01〜1重量%である。グラフト変性量が、0.01重量%未満であると十分な接着性能が発現せず、5重量%を超えると接着性に寄与しない不飽和カルボン酸が接着性に悪影響を与える。
上記バリア性樹脂は、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等から選ばれるものであるが、特にエチレンビニルアルコール樹脂からなることが好ましい。エチレンビニルアルコール樹脂は、ケン化度が93%以上、望ましくは96%以上でエチレン含量が25〜50モル%であることがより好ましい。
なお、樹脂の物性は以下の方法で測定し、架橋前の樹脂の物性測定の場合は水分と接触しないようにして行い、架橋後の樹脂の物性測定の場合は本発明の架橋性樹脂を水分と接触させた後のサンプルで行った。
(2)190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレート:JIS−K7210(1999)に準拠して測定した。
(3)オルゼン曲げ剛性:JIS−K7106(1995)に準拠して、スパン間30mm、つかみ部30mm、全曲げモーメントが6kgf・cmの条件で60deg/分で片持ち曲げ応力を測定した。
(4)ゲル分率:JIS−K6787(1997)に準拠し、サンプル10gを、溶媒としてキシレンを用いたソックスレー型抽出器により24時間沸点温度にて抽出し、溶媒乾燥後の抽出残分の重量を次式に従い計算した。
ゲル分率(%)=抽出残分の重量(g)×100/抽出前のサンプルの重量(g)
(5)中空成形性:中空成形時のパリソンの耐ドローダウン性と肉厚均質性を評価し、良好なものを○、成形不良発生したものを×とした。
(6)中空成形品の耐火性:中空成形した容積500mlの中空ボトルに水を満量まで注入し、ガスバーナーで約20mmの炎が接触するように容器の下方より加熱し、穴があくまでの時間(秒)を測定した。
(7)耐環境応力亀裂(ボトルESCR):ASTM D1693に準拠して測定した。
特公平2−35766号公報の実施例2に準じて、チーグラー触媒を用いてコモノマーとしてヘキセン−1を用い、密度0.948g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが15g/10分、オルゼン曲げ剛性が900MPaであるポリエチレン(I)を製造した。
ポリエチレン(I)100重量部に対して、エチレン性不飽和シラン化合物としてビニルトリエトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製「SZ6300 SILANE」)を3重量部、ラジカル発生剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサ25B」)を0.1重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、口径50mm、L/D24の押出機により190℃で溶融混練して変性ポリエチレン(I)を製造した。
次に、ポリエチレン(I)100重量部に対してシラノール縮合触媒としてのジブチル錫ジオクテート(三共有機合成社製「STANN=SNT=1F」)を5重量部添加し、口径50mm、L/D24の押出機により190℃で溶融混練して、架橋触媒樹脂(I)とした。
変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部、ポリエチレン(II)(日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB111R、密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが6g/10分)400重量部を添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(A)を得た。
得られた架橋性樹脂(A)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(A)は、中空成形性が良好であり、耐火性、ボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)評価のいずれも良好であった。
実施例1の変性ポリエチレン(I)100重量部、実施例1のポリエチレン(I)100重量部、架橋触媒樹脂(I)5重量部、ポリエチレン(II)(日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB111R、密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが6g/10分)300重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(B)を得た。
得られた架橋性樹脂(B)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(B)は、中空成形性が良好であり、耐火性、ボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)評価のいずれも良好であった。
実施例2の架橋性樹脂(B)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、パリソン押出圧力を実施例2より小さくし、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約80gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(B)は、パリソン押出圧力を小さくした成形でも中空成形性が良好であり、耐火性、ボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)評価のいずれも良好であった。
実施例1の変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部を添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(C)を得た。
得られた架橋性樹脂(C)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(C)は、中空成形性がほぼ良好であり、耐火性、ボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)評価のいずれも良好であった。
実施例1の変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部、ポリエチレン(II)(日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB111R、密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが6g/10分)900重量部を添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(D)を得た。
得られた架橋性樹脂(D)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(D)は、中空成形性が良好であり、耐火性、ボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)評価のいずれも良好であった。
日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB111R(密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが6g/10分)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約80gであった。
この容器を90℃温水中に6時間浸漬し、成形品とした。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。比較例1の樹脂は、中空成形性は良好であるが、耐火性が実施例よりも低いレベルであった。
パリソン押出圧力を比較例1より小さくした以外は比較例1と同様に行った。パリソン押出圧力を小さくした成形でも中空成形性は良好であるが、耐火性が実施例よりも低いレベルであった。
実施例1の変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部、ポリエチレン(II)(日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB111R、密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが6g/10分)1100重量部を添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(E)を得た。
得られた架橋性樹脂(E)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(E)は、中空成形性が良好であるが、耐火性及びボトルによる耐環境応力亀裂(ボトルESCR)のいずれもが実施例よりも低いレベルであった。
実施例1の変性ポリエチレン(I)100重量部に対して架橋触媒樹脂(I)を5重量部、ポリエチレン(III)(日本ポリエチレン社製高密度ポリエチレン ノバテックHD HD230、密度が0.945g/cm3、190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが75g/10分)400重量部を添加しヘンシェルミキサーで混合して架橋性樹脂(F)を得た。
得られた架橋性樹脂(F)を使用し、小型ブロー成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、成形温度200℃、吹き込み時間40秒の条件にて容積500mlのボトルを成形した。成形品重量は約95gであった。
このボトルを90℃温水中に6時間浸漬し、架橋させた成形品を得た。この成形品について、オルゼン曲げ剛性、ゲル分率、耐火性、ボトルESCR評価を行った。その結果を表1に示した。
架橋性樹脂(F)は、中空成形性が良好でなく、耐火性が実施例よりも低いレベルであった。
4種6層の大型多層ブロー成形機(日本製鋼所社製NB150)を用い、成形温度210℃、ブロー金型冷却温度20℃、冷却時間180秒の条件にて重量10kg、容量200Lの5種6層多層容器を成形した。容器の形状は、胴体外径580mm、総高さ970mm、胴体肉厚3.6mmの円筒ドラム状のものを成形した。
なお、概略の層厚さ構成は、第1層(最外層)が10%、第2層が40%、第3層が3%、第4層が1%、第5層が3%、第6層(最内層)が43%となるようにした。各層の樹脂は、第1層(最外層)に実施例1の架橋性樹脂(A)、第2層に実施例1のポリエチレン(II)、第3層に市販の接着性樹脂(日本ポリエチレン社製無水マレイン酸変性ポリエチレン)、第4層に市販のバリア性樹脂(クラレ社製エチレンビニルアルコール樹脂)、第5層に市販の接着性樹脂(日本ポリエチレン社製無水マレイン酸変性ポリエチレン、第6層(最内層)に実施例1のポリエチレン(II)を使用した。得られた容器を温度23℃、湿度50%の状態中に10日放置したものについて耐火性を評価した。耐火性は、成形した容器に水を満了まで注入し、ガスバーナーで約20mmの炎が接触するように容器の下方より加熱し、穴があくまでの時間を測定した。その結果、300秒経過しても容器に穴が開くことはなかった。
第1層(最外層)にポリエチレン(II)を使用した以外は実施例6と同様に行った。その結果、300秒以下で容器に穴が開いた。
Claims (7)
- 下記成分(a)〜(b)を含有し、下記の特性(1)〜(4)の条件を満足することを特徴とする中空成形燃料タンク用架橋性樹脂。
成分(a):ポリエチレン99.999〜85重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜85重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm 3 以上0.970g/cm 3 以下
特性(2):架橋前の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(4):架橋後のゲル分率が5%以上 - 下記成分(a)〜(c)を含有し、下記の特性(1)〜(4)の条件を満足することを特徴とする中空成形燃料タンク用架橋性樹脂。
成分(a):ポリエチレン99.999〜85重量%にエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%をグラフトさせた変性ポリエチレン及び/又はオレフィン99.999〜85重量%とエチレン性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%との共重合体100重量部
成分(b):シラノール縮合触媒0.001〜10重量部
成分(c):下記特性(c1)〜(c3)の条件を満足するポリエチレン100〜1000重量部
特性(c1):密度が0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下
特性(c2):190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(c3):オルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(1):架橋前の密度が0.940g/cm 3 以上0.970g/cm 3 以下
特性(2):架橋前の190℃、21.6kg荷重におけるメルトフローレートが0.001g/10分以上50g/10分以下
特性(3):架橋後のオルゼン曲げ剛性が600MPa以上1300MPa以下
特性(4):架橋後のゲル分率が5%以上 - ポリエチレンが、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂。
- エチレン性不飽和シラン化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂。
R1SiR2 nY3−n …(I)
〔式(I)中、R1はエチレン性不飽和ハイドロカーボン基又はハイドロカーボンオキシ基、R2はハイドロカーボン基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0〜2の整数である。〕 - シラノール縮合触媒が、ジブチル錫ジラウリレートまたはジオクチル錫ジラウリレートであることを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂を最外層に使用したことを特徴とする多層中空成形燃料タンク。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空成形燃料タンク用架橋性樹脂を最内層に使用したことを特徴とする多層中空成形燃料タンク。
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