JP2000094582A - ゴム層と樹脂層との積層体 - Google Patents

ゴム層と樹脂層との積層体

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JP2000094582A
JP2000094582A JP10266053A JP26605398A JP2000094582A JP 2000094582 A JP2000094582 A JP 2000094582A JP 10266053 A JP10266053 A JP 10266053A JP 26605398 A JP26605398 A JP 26605398A JP 2000094582 A JP2000094582 A JP 2000094582A
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acid
rubber
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ethylene
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JP10266053A
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English (en)
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Shizuo Kitahara
静夫 北原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン系共重合体ゴムの加硫ゴム層と熱可
塑性樹脂層とが強固に結合したゴムと樹脂との積層体を
提供すること。 【解決手段】 エチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合ゴム加硫物からなるゴム層(A)とポリプロピレン
樹脂組成物からなる樹脂層(B)との積層体において、
ゴム層にジカルボン酸とジオール等を重縮合して得られ
る高分子量かつ高水酸基価のポリエステルを配合し、樹
脂層に、マレイン化ポリプロピレン等の分子内にカルボ
キシル基又は酸無水物基が結合した重合体を配合するこ
とを特徴とするゴムと樹脂との積層体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムと樹脂との積
層体に関し、詳しくは、ゴム層と樹脂層とが強固に結合
したゴムと樹脂との積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合体ゴム等のエチレン系共重合体ゴムは、各種熱可塑
性樹脂と組み合わせて広く利用されている。
【0003】例えば、グラスランチャンネル等の加硫ゴ
ム製品の製造では、従来、エチレン系共重合体ゴムの組
成物を押し出し成形することにより直線部分を成形し、
加硫槽にて加硫を行った後、コーナー部分に未加硫ゴム
を加硫接着して接合する方法が一般的である。近年、コ
ストダウン及び製品のリサイクル化を目的として、コー
ナー部分を樹脂化することが試みられている。しかし、
この場合、加硫ゴムと樹脂組成物との接着性が不十分
で、界面剥離を生じ易く、実用上満足できるものではな
い。
【0004】加硫ゴムと樹脂組成物との接着性を向上さ
せる方法として幾つか報告されている。例えば、加硫ゴ
ムの接合面をサンドペーパーでブラスト処理して粗面と
した後、接着剤と熱可塑性樹脂粉末とを付着させる方法
(特開平6−47816号公報);熱可塑性樹脂に、タ
ルク又はカルボキシル基等を有する化合物等を配合する
方法(特開平9−131751号公報);熱可塑性エラ
ストマーにエチレン−1−オクテン共重合体を配合する
方法(特開平9−40814号公報);水酸基等の極性
基を有する熱可塑性樹脂を使用する方法(特開平8−2
44068号公報)が提案されている。しかしながら、
これらの方法でも、加硫ゴムと樹脂組成物との結合性が
不十分で、実用上満足できるものではなかった。
【0005】さらに、ゴム層と樹脂層の両方に、アルコ
キシシリル基等を有する化合物等を配合する方法;アル
コキシシリル基を有する化合物をゴム層に配合し、水酸
基等を有する化合物をポリオレフイン樹脂層に配合する
方法;アミノ基を有する化合物等をゴム層に配合し、カ
ルボキシル基等を有する化合物等をポリオレフィン樹脂
に配合する方法;カルボキシル基を有する化合物等をゴ
ム層に配合し、アミノ基を有する化合物等をポリオレフ
ィン樹脂に配合する方法(例えば、特開平9−2163
14号公報等)が知られている。しかし、これらの方法
も、加硫ゴムと樹脂組成物との接着性が安定しておら
ず、実用上満足できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
エチレン系共重合体ゴムの加硫ゴム層と熱可塑性樹脂層
とが強固に結合したゴムと樹脂との積層体を提供するこ
とにある。本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ジカ
ルボン酸とジオールとを重縮合して得られる高分子量か
つ高水酸基価のポリエステルをエチレン−プロピレン−
非共役ジエン共重合ゴムに配合し、これを加硫した加硫
ゴムシートと、マレイン化ポリプロピレンを配合したポ
リプロピレン樹脂組成物とをそれぞれ調製し、これらを
熱融着させることにより得られた積層体は、ゴム層と樹
脂層とが強固に結合していることを見出し、この知見に
基づき本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン系共重合体ゴム加硫物からなるゴム層
(A)と熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層(B)との
積層体において、いずれか一方の層に、多価カルボン酸
成分と多価アルコール成分とを重縮合して得られるポリ
エステルを配合し、他方の層に、分子内にカルボキシル
基又は酸無水物基が結合した重合体を配合することを特
徴とするゴムと樹脂との積層体が提供される。
【0008】なお、本発明の具体的な実施形態は以下の
とおりである。 (1)エチレン系共重合体ゴムが、エチレンとエチレン
以外の他のα−オレフイン及び非共役ジエンとの共重合
体であって、通常、ムーニー粘度(ML1+4,100
℃)は、30〜170、好ましくは50〜150、さら
に好ましくは80〜120である。 (2)エチレン系共重合体ゴムにおけるエチレン/α−
オレフィン(モル比)が、45/55〜85/15、好
ましくは50/50〜80/20、さらに好ましくは5
5/45〜75/25である。 (3)熱可塑性樹脂が、JIS K7210準拠のメル
トフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、
0.01〜300g/10分の範囲のものである。 (4)熱可塑性樹脂が、オレフィン系熱可塑性樹脂、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性
樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、塩化ビニル樹脂等から選ばれるものである。
【0009】(5)ポリエステルは、ゲルパミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)で測定され、標準ポリ
スチレンに換算した重量平均分子量(Mw)が10,0
00〜50,000、好ましくは、5,000〜30
0,000、より好ましくは、30,000〜200,
000の範囲のものである。 (6)ポリエステルは、水酸基価が、0〜200mgK
OH/g、好ましくは、35〜150mgKOH/g、
より好ましくは、40〜100mgKOH/gの範囲の
ものである。 (7)ポリエステルは、軟化点が0℃以上、好ましくは
20〜200℃、より好ましくは30〜150℃、最も
好ましくは50〜120℃の範囲のものである。 (8)ポリエステルが油溶性である。 (9)ポリエステルアミドの合成に使用する多価カルボ
ン酸成分が、芳香族多価カルボン酸、複素環多価カルボ
ン酸及び脂肪族多価カルボン酸等及びその誘導体から選
ばれるものである。
【0010】(10)多価カルボン酸の誘導体が、酸ハ
ロゲン化物、酸無水物、エステル化合物等である。 (11)多価カルボン酸の誘導体が、エステル化合物等
であり、とくにメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、アミル、ヘキシル等の炭素数が1〜6のア
ルキルエステル化合物である。 (12)ポリエステルアミドの合成に使用する多価アル
コール成分が、2価アルコールと3価以上のアルコール
の混合物である。 (13)多価アルコールが、アルカンジオール、シクロ
アルカンジオール、芳香族系ジオール、オリゴオキシア
ルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール
等である。
【0011】(14)重縮合反応は、全単量体中のアル
コール性反応性基の総数[X]が、カルボン酸性反応性
基の総数[Y]よりも大きい値の条件で行うものであ
り、アルコール性反応性基の総数[X]とカルボン酸性
反応性基の総数[Y]との割合は、[X]/[Y]の当
量比で、通常1.02以上、好ましくは、1.03〜
3.5、より好ましくは、1.04〜2.5の範囲であ
る。 (15)酸変性重合体が、分子内にカルボキシル基又は
酸無水物基が結合した重合体である。 (16)酸変性重合体が、ダイマー酸、水素化ダイマー
酸、トリマー酸、両末端カルボキシル変性水素化ポリブ
タジエン、両末端カルボキシル変性ポリブタジエン、両
末端カルボキシル変性水素化ポリイソプレン、両末端カ
ルボキシル変性ポリイソプレン、エチレン−アクリル酸
共重合体または酸変性ポリエチレンワックス等である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。 (1)ゴム層と樹脂層との積層体 本発明のゴム層と樹脂層との積層体は、エチレン系共重
合体ゴム加硫物からなるゴム層(A)と熱可塑性樹脂組
成物からなる樹脂層(B)との積層体であって、一の層
に、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮
合して得られるポリエステルを配合し、他の層に、酸変
性重合体を配合したものである。
【0013】該積層体の製造方法は、とくに限定されな
いが、通常、該ポリエステルまたは酸変性重合体のいず
れか一方を配合したエチレン系共重合体ゴム加硫物から
なるゴム層と、他方を配合した熱可塑性樹脂組成物から
なる樹脂層とをそれぞれ成形し、これらを熱融着等の方
法により積層することにより得られる。
【0014】具体的には、該ゴム加硫物からなるゴム層
を、射出金型のキャビティー内に装着して固定し、該ゴ
ム層に、熱可塑性樹脂の溶融物を射出することによって
積層体を製造する方法;該ゴム層と樹脂層とをそれぞれ
成形し、これらを熱融着する方法等が挙げられる。
【0015】本発明のゴムと樹脂との積層体に使用する
エチレン系共重合体ゴム加硫物からなるゴム層の調製方
法は、通常、エチレン系共重合体ゴムに、各種の配合剤
を配合して加硫性ゴム組成物を調製した後、これを加硫
成形して加硫ゴムシートとする。該ゴム組成物の調整
は、とくに制限されないが、例えば、予め、加硫剤、加
硫促進剤、発泡剤及び脱水剤以外の配合剤であるポリエ
ステル、カーボンブラック、プロセスオイル、活性剤、
加工助剤、離型剤等を、ロールミル、バンバリーミキサ
ー、インターミックス、加圧ニーダー等の密閉型混練り
機や連続混練り機を用いて混練りした後、これに加硫
剤、加硫促進剤、発泡剤、脱水剤等をロールミル、加圧
ニーダーにて混練りすることによって行なうことができ
る。次に、通常の加硫ゴムを製造する手法により、例え
ば、該ゴム組成物を金型内に入れ、120〜180℃の
温度範囲で、発泡・加硫を行なう。また、押し出し機を
用いて任意の形状に成形した後、加硫槽内で加熱して発
泡・加硫を行なう等の方法により加硫物とする。
【0016】本発明のゴムと樹脂との積層体に使用する
熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層の調製方法は、通
常、熱可塑性樹脂に各種の配合剤を適宜配合した後、1
60〜250℃の成形温度で、プレス成形、トランスフ
ァー成形、射出成形等の方法により成形し樹脂層とす
る。射出成形の条件の範囲としては、通常、射出温度1
60〜250℃、型温度30〜80℃、射出圧力400
〜800kgf/cm、保持圧力400〜800kg
f/cm、保持時間15〜60秒が好ましい。
【0017】(2)ポリエステル 本発明で使用するポリエステルは、多価カルボン酸成分
と多価アルコール成分とを重縮合して得られるポリエス
テルである。該ポリエステルの分子量は、ゲルバミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で測定され、標準
ポリスチレンに換算した重量平均分子量(Mw)が1
0,000〜50,000、好ましくは、5,000〜
300,000、より好ましくは、30,000〜20
0,000の範囲である。分子量が過度に小さい場合、
及び、過度に大きい場合は、加硫ゴム層と樹脂層との界
面の結合が低下する傾向がある。
【0018】該ポリエステルの水酸基価は、通常30〜
200mgKOH/g、好ましくは、35〜150mg
KOH/g、より好ましくは、40〜100mgKOH
/gの範囲である。水酸基価がこの範囲にある場合は、
加硫ゴム層と樹脂層との界面の結合が強化される。
【0019】さらに、該ポリエステルの軟化点は、通常
0℃以上、好ましくは20〜200℃、より好ましくは
30〜150℃、最も好ましくは50〜120℃の範囲
にあるときに操作性に優れ好適である。また、該ポリエ
ステルは油溶性であると、ポリマーとの相溶性が更に優
れ好適である。ここで「油溶性」とは、ポリエステル溶
液の光透過率が、80%以上、好ましくは85%以上で
あることをいう。光透過率の測定方法については後述す
る。
【0020】多価カルボン酸成分 本発明で使用するポリエステルの合成に使用する多価カ
ルボン酸成分は、多価カルボン酸及びその誘導体であ
る。該多価カルボン酸としては、芳香族多価カルボン
酸、複素環多価カルボン酸及び脂肪族多価カルボン酸等
が挙げられる。なかでも、芳香族多価カルボン酸及び複
素環多価カルボン酸が好ましく、とくに、芳香族2価カ
ルボン酸及び複素環2価カルボン酸が好ましい。
【0021】該多価カルボン酸の誘導体としては、例え
ば、酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル化合物等が挙
げられる。これらの中でも、エステル化合物が好まし
く、とくにメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、アミル、ヘキシル等の炭素数が1〜6のアルキ
ルエステル化合物が好ましい。
【0022】芳香族多価カルボン酸は、炭素数は、通
常、8〜30、好ましくは8〜20、より好ましくは8
〜15の範囲のもである。その構造は、基本骨格とし
て、芳香環が1個のもの;ビフェニル、p−テレフェニ
ル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ビベンジ
ル、スチルベン等の形態で独立した芳香環を骨格中に2
個〜3個するもの;ナフタリン、アントラセン、フェナ
ントレン等の芳香環が2個〜3個縮合したもの;インデ
ン、テトラリン等の、芳香環に5員又は6員の他の炭素
環が縮合した形態のもの等が挙げられる。
【0023】芳香族多価カルボン酸の分子中の、複数の
カルボキシル基の結合位置は、多価アルコール成分との
重縮合反応を阻害しない範囲であれば、とくに限定され
ない。さらに、多価アルコール成分との重縮合反応を阻
害しない範囲であれば、その他の置換基を有してもよ
い。その他の置換基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキ
シル基等の炭素数が1〜6のアルキル基、アルキル置換
3級アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、
フッ素、塩素のようなハロゲン原子、メトキシ基、エト
キシ基等のアルコキシ基及びトリフルオロメチル基等の
ハロゲン化アルキル基が挙げられる。
【0024】芳香族多価カルボン酸の具体例としては、
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボ
ン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸及びこれらの
誘導体等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル
酸、イソフタル酸及びこれらのアルキルエステルが好ま
しい。
【0025】複素環多価カルボン酸は、炭素数は、通
常、8〜30、好ましくは8〜20、より好ましくは8
〜15の範囲のものである。その分子構造は、複素環
は、ヘテロ原子として、窒素原子、硫黄原子及び酸素原
子から選ばれた1以上のヘテロ原子を含む5員環、6員
環又はそれらの縮合環により構成された複素環に、複数
のカルボキシル基が配位したものである。
【0026】複素環の具体例としては、ピロール、ピラ
ゾール、ピリジン、キノリン、ナフチリジン、キノキサ
リン、チオフェン、ベンゾチオフェン;フラン、ピラ
ン、イソベンゾフラン、クロメン等が挙げられる。なか
でも、ピロール、ピラゾール、ピリジン等、ヘテロ原子
として窒素原子を含むものが好ましい。
【0027】複素環多価カルボン酸中の複数のカルボキ
シル基の結合置は、多価アルコール成分との重縮合反応
を阻害しない範囲であれば、とくに限定されない。さら
に、多価アルコール成分との重縮合反応を阻害しない範
囲で、また、重縮合反応時の開環反応を防止するため
に、その他の置換基を有してもよい。置換基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、アミル基、ヘキシル等の炭素数が1〜6の範囲
のアルキルで置換された3級アミノ基;ニトロ基;シア
ノ基;カルバモイル基;フッ素、塩素等のハロゲン原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基
等である。
【0028】複素環多価カルボン酸の具体例としては、
例えば、2,5−ピロールジカルボン酸、2,3−ピリ
ジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、
2,6−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカ
ルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸、2,4−
キノリンジカルボン酸、2,7−ナフチリジンジカルボ
ン酸、2,3−キノキサリンジカルボン酸、2,5−チ
オフェンジカルボン酸及びこれらのアルキルエステル化
合物等が挙げられる。これらの中でも、2,3−ピリジ
ンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,
6−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボ
ン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸等が好ましい。
【0029】脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタ
コン酸、ピメリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル
酸、1,2−シクロヘキサン・二酸、1,3−シクロヘ
キサン・二酸、1,4−シクロヘキサン・二酸、ポリア
ルケニル琥珀酸、ダイマー酸及びその水素化物等、及び
これらのエステル化合物等が挙げられる。さらに、トリ
メリット酸、トリカルバリル酸、カンホロン酸、トリメ
シン酸、トリマー酸等及びこれらのエステル化合物等が
挙げられる。
【0030】これらの多価カルボン酸、それぞれ単独
で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多価カルボン酸成分中に、芳香族2価カルボン酸
及び/又は複素環2価カルボン酸が、全多価カルボン酸
成分中の50〜99モル%、好ましくは70〜98モル
%、より好ましくは80〜97モル%の範囲である。
【0031】上記の多価カルボン酸成分には、本発明の
効果を損なわない範囲で、1価カルボン酸及びそのエス
テル化合物を含有してもよい。1価カルボン酸として
は、蟻酸、酢酸、酪酸、2−メチルプロパン酸、吉草
酸、イソオクチル酸、イソノナノイック酸、ラウリル
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、アラキン酸、リノール酸、オレイン酸、
エライジン酸、トール脂肪酸等が挙げられる。これらの
化合物の含有量は、全カルボン酸成分中の通常20重量
%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5
重量%以下である。
【0032】多価アルコール 本発明で使用するポリエステルの合成に使用する多価ア
ルコールは、格別制限されず、好ましくは2価アルコー
ルと3価以上のアルコールの混合物である。該混合物中
の2価アルコールの割合は90重量%以下、好ましくは
80重量%以下、より好ましくは70重量%以下の範囲
である。
【0033】2価アルコールとしては、例えば、アルカ
ンジオール、シクロアルカンジオール、芳香族系ジオー
ル、オリゴオキシアルキレングリコール、ポリオキシア
ルキレングリコール等が挙げられる。中でも、アルカン
ジオール、シクロアルカンジオール等が塗装性の改善効
果が高く好適である。これらの2価アルコールは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0034】アルカンジオールの具体例としては、例え
ば、炭素数が4〜9のアルカンジオールが好ましく、具
体的には、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等
である。さらに、エチレングリコール、プロピレングリ
コール等も使用することができる。
【0035】アルカンジオールの中でも、それぞれヒド
ロキシル基が結合した2個の炭素の間に水素原子が結合
していない炭素原子が挟まれた分子構造を有するもの
(以下、「ヒンダードグリコール」と記すことがあ
る。)が好適に使用される。該ヒンダードアルコールと
しては、下記一般式(1)のものが挙げられる。
【0036】
【化1】
【0037】一般式(1)中、R及びR は、それ
ぞれ、炭素数が、1〜50個、好ましくは2〜20個、
より好ましくは3〜10個のアルキル基である。アルキ
ル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、
トリデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイ
コシル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、セカンダリーブチル基、アミル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が
好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル
基、ヘキシル基、ヘプチル基等が特に好ましい。
【0038】該ヒンダードグリコールの具体例として
は、例えば、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジイソプロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−ドデシル−1,3−プロパンジオール、
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、
2−プロピル−2−ペンチル−1,3−プロパンジオー
ル等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、2,2−ジプロピル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3
−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3
−プロパンジオール、2−プロピル−2−ペンチル−
1,3−プロパンジオール等が好ましい。
【0039】シクロアルカンジオールの具体例として
は、例えば、シクロペンタン−1,2−ジオール、シク
ロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,
3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シ
クロオクタン−1,4−ジオール、2,5−ノルボルナ
ンジオール等が挙げられる。
【0040】芳香族系ジオールとしては、例えば、p−
キシレンジオール、4,4’−メチレンジフェノール、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ナフタレ
ンジオール等が挙げられる。
【0041】オリゴオキシアルキレングリコールおよび
ポリオキシアルキレングリコールとしては、酸化エチレ
ン、酸化プロピレン、酸化ブチレン等の酸化アルキレン
の単独もしくは混合物を、公知の方法で重合したものを
用いることができる。
【0042】オリゴオキシアルキレングリコールおよび
ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、下
記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
【0043】
【化2】
【0044】式(2)中、R は、水素原子又はメチ
ル基、エチル基等のアルキル基を示し、好ましくは水素
原子又はメチル基である。aは、1〜6の整数を示し、
好ましくは1〜4である。bは、2〜100の整数を示
し、好ましくは2〜50、より好ましくは2〜25であ
る。
【0045】具体的化合物としては、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール等のオリゴオキシアルキレングリコール;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レンプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等
のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
【0046】3価以上のアルコールとしては、3個以上
のヒドロキシル基を有するものであれば格別限定されな
い。3価以上のアルコールの具体例としては、例えば、
グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール等の
グリセロール化合物;ソルビトール、グルコース、マン
ニトール、ショ糖、ブドウ糖等の糖類;ジトリメチロー
ルプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0047】3価以上のアルコールとして、一般式
(3)で表されるように、それぞれヒドロキシル基が結
合した炭素原子の間に水素原子が結合していない炭素原
子が挟まれた分子構造を有するもの用いることができ
る。
【0048】
【化3】
【0049】一般式(3)中、R及びRは、それ
ぞれ、炭素数が1〜50個、好ましくは1〜20個、よ
り好ましくは2〜10個のアルキル基またはヒドロキシ
ル基を有するアルキル基を示し、R4、R5の少なくとも
一つがヒドロキシル基を有するものである。
【0050】このような3価以上のアルコールの具体例
としては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリ
トール等が挙げられる。これらの3価以上のアルコール
成分は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0051】これらの多価アルコールとして、前記の式
(1)又は(3)のものを用いたときは、ポリエステル
とエチレン系共重合体ゴム又は熱可塑性樹脂との相溶性
が向上する傾向がある。この場合、多価アルコール中の
前記の式(1)又は(3)のものの割合は、使用目的に
応じて適宜選択されるが、全多価アルコール中の、通常
50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ま
しくは70重量%以上である。多価アルコールの他の成
分は、とくに制限されず、他の2価アルコール又は3価
以上のアルコールを用いることができ、好ましくは2価
アルコール、より好ましくはアルキレングリコールであ
る。
【0052】上記の多価アルコール中には、本発明の効
果を損ねない範囲で、1価アルコールが含有されていて
もよい。1価アルコールの具体例は、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノー
ル、ネオペンチルアルコール、3−メチル−3−ペンタ
ノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,3,3−
トリメチル−2−ブタノール、1−デカノール、ノニル
アルコール等である。その使用量は、全多価アルコール
中の、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以
下、より好ましくは10重量%以下である。
【0053】ポリエステルの製造方法 本発明で使用するポリエステルの製造方法としては、多
価カルボン酸と多価アルコールとを重縮合させてポリエ
ステルを合成する方法等を採用することができる。重縮
合反応の方法は、常法に従い、例えば、反応温度が10
0〜300℃、好ましくは150〜280℃の範囲で行
われ、特に不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。必
要に応じて、トルエン、キシレン等の水と共沸する非水
溶性の有機溶媒を使用してもよく、また反応を減圧下
で、すなわち、通常、0.1〜500mmHg、好まし
くは1〜200mmHg、より好ましくは10〜100
mmHgで行ってもよい。
【0054】重縮合反応には、通常、エステル化触媒を
使用する。エステル化触媒としては、例えば、パラトル
エンスルホン酸、硫酸、リン酸重合等のブレンステッド
酸;酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ステア
リン酸亜鉛、アルキル錫オキサイド、ジアルキル錫オキ
サイド、チタンアルコキサイド等の有機金属化合物:酸
化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化バナジウム
等の金属酸化物:等が挙げられ、得られたポリエステル
の酸化安定性の点で周期律表第IV族の有機金属化合物
が好ましい。
【0055】重縮合反応は、全成分中のアルコール性反
応性基の総数[X]が、カルボン酸性反応性基の総数
[Y]よりも大きい値の条件で行うことが、ポリエステ
ルの分子量を高分子量にし、かつ、水酸基価を大きくす
る上で好適である。ここでアルコール性反応性基とは、
エステル結合を形成させるアルコール性の官能基のこと
であり、通常、ヒドロキシル基等が挙げられる。また、
カルボン酸性反応性基とは、エステル結合を形成させる
カルボン酸性の官能基のことであり、通常、カルボキシ
ル基、エステル基、酸無水物等が挙げられる。アルコー
ル性反応性基の総数[X]とカルボン酸性反応性基の総
数[Y]との割合は、[X]/[Y]の当量比で、通常
1.02以上、好ましくは、1.03〜3.5、より好
ましくは、1.04〜2.5の範囲である。
【0056】本発明で使用するポリエステルは、粉末
状、粒状、ペレットの形態、適当な有機溶剤に溶解した
溶液状態、貧溶媒中に分散させたデイスパージヨンの形
態、乳化剤を用いて調製したエマルジョンの形態、さら
に、種々の配合剤と組み合わせた形態等でエチレン系共
重合体ゴム又は熱可塑性樹脂に配合することにより、ゴ
ム層と樹脂層との結合性を増大することができる。
【0057】本発明で使用するポリエステルを、前記の
溶液状態で、デイスパージヨン、エマルジョン若しくは
種々の配合剤と組み合わせた組成物の形態で使用する場
合は、該ポリエステルの濃度はとくに限定されないが、
通常、1〜90重量%、好ましくは5〜70重量%であ
る。
【0058】(3)酸変性重合体 本発明で使用する酸変性重合体は、分子内にカルボキシ
ル基又は酸無水物基が結合した重合体であって、酸価
は、通常10〜80mgKOH/g、好ましくは、30
〜50mgKOH/gであり、分子量は、通常、少なく
とも500以上、好ましくは、1000以上のものであ
る。
【0059】上記の酸変性重合体の調製方法は、とくに
限定されないが、カルボキシ基または酸無水物基を有す
る化合物を単量体として使用して重合する方法、適当な
重合体とカルボン酸または酸無水物による変性反応を行
う方法等を例示することができる。これらの酸変性重合
体は、単独で又は2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0060】カルボキシル基または酸無水物基を有する
化合物を単量体として使用する重合方法におけるこれら
の化合物としては、不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボ
ン酸及びその酸無水物等が挙げられる。具体的には、不
飽和カルボン酸としては、アクリル酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸、3−ブテン酸、メタクリル酸、オレイン
酸等;不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物としては、
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、無
水コハク酸、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物等で
ある。
【0061】上記の重合により得られる重合体の具体例
としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−メタク
リル酸共重合体等が挙げられる。
【0062】上記変性反応によって得られる重合体とし
ては、例えば、両末端カルボキシル変性水素化ポリブタ
ジエン、両末端カルボキシル変性ポリブタジエン、両末
端カルボキシル変性水素化ポリイソプレン、両末端カル
ボキシル変性ポリイソプレン、酸変性ポリエチレンワッ
クス、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合
体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸
変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性スチレンブタ
ジエンゴム、無水マレイン酸変性水素化スチレンブタジ
エンゴム、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体、無水マレイン酸変性スチレ
ン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体等であ
る。
【0063】さらに、ダイマー酸、水素化ダイマー酸、
トリマー酸等も使用することができる。ここで、ダイマ
ー酸またはトリマー酸(以下、「ダイマー酸等」と記
す)は、一般的に、脂肪酸または脂肪酸エステルを、公
知の方法で熱重合して得られるものである。その態様
は、不飽和脂肪酸のアルキルエステルを、水、アンスラ
キノン、二酸化硫黄またはアルカリ化合物の存在下で加
熱して、反応系中に生成する不飽和脂肪酸の共役二重結
合間で起こるDiels−Alder反応、または、不
飽和結合間で起こるエン反応等によって合成されるも
の;不飽和脂肪酸のアルキルエステルを、酸性白土、粘
土または三フツ化ホウ素のようなルイス酸の存在下で熱
重合することによって合成されるもの;不飽和脂肪酸を
ラジカル重合により多量化し、さらに、ジターシャリー
ブチルパーオキサイドのような過酸化物を併用して合成
されるものが挙げられる。
【0064】ダイマー酸等の合成に使用する不飽和脂肪
酸は、炭素数が通常8〜30、好ましくは12〜24、
より好ましくは16〜20を有するものである。また、
不飽和脂肪酸のアルキルエステルは、これらの不飽和脂
肪酸のメチルエステル、プロピルエステル、ブチルエス
テル、アミルエステル、シクロヘキシルエステル等であ
る。好ましい不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノ
ール酸、リシノール酸、エレオステアリン酸等が挙げら
れる。さらに、トール油、牛脂等の天然脂肪酸を使用す
ることもできる。なお、ダイマー酸等は、分子中に存在
する炭素−炭素不飽和結合の一部または全部を、水素添
加反応により飽和結合としたものを使用することもでき
る。
【0065】(4) ゴム層又は樹脂層におけるポリエ
ステル又は酸変性重合体を配合する場合の配合量は、と
くに限定されないが、通常、エチレン系共重合体ゴム又
は熱可塑性樹脂100重量部に対し、該ポリエステル又
は該酸変性重合体0.5〜30重量部、好ましくは1〜
25重量部、更に好ましくは2〜20重量部である。配
合量が過度に少ない場合は、ゴム層と樹脂層との界面が
強固に結合されない。また、過度に多い場合は、ゴム層
または樹脂層の機械的強度が低下する場合があるので好
ましくない。
【0066】(5)エチレン系共重合体ゴム加硫物から
なるゴム層 エチレン系共重合体ゴム 本発明で使用するエチレン系共重合体ゴムは、エチレン
とエチレン以外の他のα−オレフイン及び非共役ジエン
との共重合体であって、通常、ムーニー粘度(ML
1+4,100℃)は、30〜170、好ましくは50
〜150、さらに好ましくは80〜120である。ここ
でムーニー粘度が30未満では、力学的強度が低下した
り、圧縮永久歪が損なわれる傾向があり、170を超え
ると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎ、押し出し成形
時の生産性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0067】エチレン系共重合体ゴムは、エチレン/α
−オレフィン(モル比)が、45/55〜85/15、
好ましくは50/50〜80/20、さらに好ましくは
55/45〜75/25のものである。この値が過度に
小さいと、加硫ゴムの物性が低下する場合が有る。ま
た、過度に大きい場合は耐寒性が低下する場合がある。
【0068】α−オレフィンとしては、例えばプロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン
−1、ドデセン−1、等が挙げられ、好ましくはプロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1であ
る。これらのα−オレフィンは単独で又は2種以上を混
合して使用することができる。
【0069】非共役ジエンとしては、例えば、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ノ
ルボルナジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,4−
ヘキサジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−メチ
ルノルボルネン、5−ビニルノルボルネンが挙げられ、
好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンで
ある。これらの非共役ジエンは、単独で又は2種以上を
混合して使用することができる。エチレン系共重合体ゴ
ム中の非共役ジエンの共重合量は、該共重合ゴムのヨウ
素価が、5〜50、好ましくは10〜40、さらに好ま
しくは20〜30の範囲になるように決められる。ヨウ
素価が過度に小さいと、加硫速度が遅くなり加硫密度と
発泡のバランスが不十分となる恐れがある。また、過度
に大きいと、加硫ゴムの伸び及び引裂強度が低下する場
合がある。
【0070】エチレン系共重合体ゴムの具体例は、エチ
レン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ブテン−1−5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム、エチレン−
プロピレン−オクテン−1−5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合ゴム等が挙げられる。
【0071】 本発明で使用するエチレン系共重合体
ゴム加硫物からなるゴム層には、エチレン系共重合体ゴ
ムに加えて、その他のゴムを併用することができる。そ
の他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレン
共重合体ゴム、クロロプレンゴム等の共役ジエン重合体
ゴム;スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、ス
チレン−イソプレンランダム共重合体ゴム、スチレン−
イソプレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム等の芳香
族ビニル−共役ジエンランダム共重合体ゴム;芳香族ビ
ニル−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びその水添
物;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等の共
役ジエンとその他の共重合可能な単量体との共重合体ゴ
ム;塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレンゴム等の変性ポリエチレンゴム;オレフィン系共
重合体ゴム及びその変性体、アクリルゴム、シリコンゴ
ム、フッ素ゴム等である。
【0072】 該ゴム層には、各種の補強剤、充填
剤、プロセスオイル、加硫剤、加硫促進剤、活性剤等を
配合することができる。補強剤としては、例えば、FE
F、SRF、GPF、HAF等のカーボンブラック;シ
リカ等である。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
亜硫酸カルシウム、マイカ、ドロマイト、クレー、タル
ク、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
【0073】上記の充填剤は、表面処理したものがとく
に好適である。表面処理剤の具体例としては、例えば、
シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、高
級脂肪酸、不飽和有機酸等の酸等が挙げることができ
る。また充填剤の粒径は、通常、平均粒径が5mμ以下
のものが用いられる。これらの充填剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0074】カーボンブラックの配合量は、エチレン系
共重合体ゴム100重量部に対して、通常5〜250重
量部、好ましくは50〜200重量部である。充填剤の
配合量は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対し
て、3〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であ
る。
【0075】前記プロセスオイルとしては、具体的には
パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ
ル等が好ましい。プロセスオイルの配合量は、エチレン
系共重合体ゴム100重量部に対して、3〜200重量
部、好ましくは5〜100重量部である。
【0076】前記加硫剤の具体例としては、例えば、粉
末イオウ、コロイドイオウ、モルホリン、ジスルフィド
等の硫黄系加硫剤;ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブ
チルペロキシジイソプロピルベンゼン等のパーオキシド
系加硫剤等が挙げられる。これらの加硫剤は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を混合して使用することがで
きる。その配合量は、エチレン系共重合体ゴム100重
量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは
0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部であ
る。
【0077】前記加硫促進剤の具体例としては、例え
ば、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、
ジチオカルバミン酸系加硫促進剤、グアニジン系加硫促
進剤、チオウレア系加硫促進剤等が挙げられ、これらは
1種以上を組み合わせて用いられる。加硫促進剤の配合
量は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、
通常0.01〜20重量部、好ましくは0.5〜10重
量部、より好ましくは1〜5重量部である。
【0078】活性剤の具体例としては、亜鉛華、活性亜
鉛華等が挙げられる。活性剤の配合量は、エチレン系共
重合体ゴム100重量部に対して、通常0.05〜30
重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましく
は1〜15重量部である。
【0079】該ゴム層には、発泡剤を配合することもで
きる。発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム等の
無機発泡剤、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド等の
アゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のカ
ルホニルヒドラジド系化合物等が挙げられる。とくに、
p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)等のカルホニルヒドラジド系化合物が好ましい。発
泡剤の配合量は、エチレン系共重合体ゴム100重量部
に対して、通常0.05〜25重量部、好ましくは1〜
20重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
【0080】該ゴム層には、加工助剤を配合することが
できる。加工助剤としては、パラフィンワックス類、流
動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等であ
る。具体例としては、ポリエチレンワックス、ポリエチ
レングリコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、サブ
(ファクチス)等である。その他、市販の特殊加工助剤
(例えば、スプレンダーR−100、エクストンK−
1、サンエイドHP、ヨドプラスト−P、TE−80
(Technical Processing社製
品)、アクチプラスト、アフラックス42、ストラクト
ールWB212等)も適宜使用できる。これらの加工助
剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
加工助剤の配合量は、エチレン系共重合体ゴム100重
量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1
〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
【0081】該ゴム層には、酸化防止剤を配合すること
ができる。酸化防止剤の具体例としては、ジオクチル化
ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のp
−フェニレンジアミン系酸化防止剤;2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリ
ン系酸化防止剤;4,4’−メチレン−ビス−(6−ア
ルファメチル−ベンジル−p−クレゾール)等のビスフ
ェノール系酸化防止剤;n−オクタデシル−3−(4’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三ブチルフェニル)
プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−
(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール
系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤の配合量は、
ゴム組成物中のエチレン系共重合体ゴム100重量部に
対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
【0082】さらに、該ゴム層には、酸化カルシウム等
の脱水剤;酸化チタン、亜鉛華、鉛白、鉛丹、亜酸化
銅、黄色酸化鉄、鉄黒、カドミウムイエロー、モリブデ
ンレッド、銀朱、黄鉛、酸化クロム、紺青、ベンガラ等
の無機顔料;チオインジゴレッド、フタロシアニンブル
ー、キナクリドンレッド、キノフタロイエロー、縮合ア
ゾイエロー、群青等の有機顔料等の着色剤;カルシウム
ステアレート、マグネシウムステアレート等の分散剤;
フェライトやケッチェンブラック等の導電性付与剤;各
種界面活性剤等の帯電防止剤;離型剤;ヒンダードアミ
ン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外
線吸収剤;難燃剤等の、通常のゴム配合に用いられる各
種配合剤を配合することができるる。
【0083】(6)熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層 本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層
は、JIS K7210準拠のメルトフローレート(2
30℃、2.16kg荷重)が、0.01〜300g/
10分の範囲のものであることが適当である。メルトフ
ローレートがこの範囲にあるときに、該樹脂組成物を射
出成形法により成形することができる。
【0084】熱可塑性樹脂としては、オレフィン系熱可
塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレ
ン系熱可塑性樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、
ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱
可塑性エラストマー、塩化ビニル樹脂等を挙げることが
できる。なかでもオレフィン系熱可塑性樹脂、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性樹脂が
好ましく、さらに、オレフィン系熱可塑性樹脂、スチレ
ン系熱可塑性樹脂がとくに好ましい。
【0085】オレフィン系熱可塑性樹脂としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1、等のα−オレフィン単独重合体;エチレンとプロ
ピレン又はその他のα−オレフィンとの共重合体等が挙
げられる。中でも、エチレンまたはプロピレンを主成分
とする単独重合体または共重合体(以下、単に「重合
体」と記す)が好ましく、プロピレンを主成分とする重
合体が好ましい。プロピレンを主成分とする重合体とし
ては、ポリプロピレン、プロピレンとプロピレン以外の
α−オレフインとの共重合体等である。該共重合体中の
プロピレン以外のα−オレフインの組成は、50重量%
以下、好ましくは30重量%以か、より好ましくは10
重量%以下である。共重合するα−オレフィンとして
は、とくにエチレンが好ましい。
【0086】さらに、例えば、上記オレフィン系樹脂
に、アクリル酸、マレイン酸またはその無水物等のα,
β−不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト共重
合させたグラフト共重合変性オレフィン系樹脂;上記オ
レフィン系樹脂にアクリル酸、マレイン酸またはその無
水物等のα,β−不飽和カルボン酸をブロック共重合さ
せたブロック共重合変性オレフィン系樹脂;エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合
体、エチレン・クロトン酸共重合体、エチレン・マレイ
ン酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィンとその他の
共重合可能な単量体との共重合体等も使用することがで
きる。
【0087】スチレン系樹脂としては、例えば、ポリス
チレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−アクリル(メタ)アクリレ
ート共重合体、ABS樹脂、MBS樹脂、AAS樹脂、
スチレン変性ポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体樹脂、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体樹脂及びそれらの水素化物等が挙げられ
る。
【0088】該樹脂層には、各種安定剤を配合すること
ができる。安定剤としては、例えば、フェノール系、リ
ン系、硫黄系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤
等が挙げられる。これらの中でもリン系酸化防止剤の配
合が好ましく、リン系酸化防止剤単独またはその他の酸
化防止剤及び/又は紫外線吸収剤とを併用して用いられ
る。また、その配合量は、本発明の効果を損なわない範
囲で適宜決められる。 さらに、 上記安定剤以外に、タ
ルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の充填剤または補強剤;パラフ
ィンオイル、液状ポリブテン等の可塑剤;シリコーンオ
イル等のブロッキング剤;中和剤、滑剤、分散剤、防菌
剤、着色剤、難燃剤、蛍光漂白剤等の各種配合剤を、本
発明の効果を著しく損なわない範囲内で配合することが
できる。
【0089】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例中の部および%は、とくに断わりがない
限り重量基準である。
【0090】(1)ポリエステルの重量平均分子量 ポリエステルの重量平均分子量は、GPC法に従って、
標準ポリスチレン換算量として算出した。
【0091】(2)ポリエステルの水酸基価及び酸価 ポリエステルの水酸基価および酸価は、「基準油脂分析
試験法」(日本油学協会)に記載される下記に準じて測
定した(単位:mgKOH/g)。 水酸基価 2,4,9,2−83 酸価 2,4,1−83
【0092】(3)ポリエステルの軟化点 ポリエステルの軟化点は、JIS K2531に準じ
て、環球法により測定した(単位:℃)。
【0093】(4)光透過率 ポリエステルの光透過率は、以下の方法により測定し
た。すなわち、ポリエステル5gとトルエン95gとを
混合し、窒素雰囲気下に80℃で1時間撹拌しながら溶
解し、次いで、20℃まで冷却する。このトルエン溶液
を20℃恒温室にて24時間静置し、次いで、再度撹拌
した後、濁度計(東京光電(株)製ANA−14S)を
用いて透過率を測定する。光源としてタングステン白熱
電球(6V、6A)を用い、セルとして20mm角型ガ
ラスセルを使用する。シヤッターを閉じた状態を透過率
0とし、希釈に用いたトルエン自体の透過率を100と
する(単位:%)。数値が大きいほど、光透過率が良好
である。
【0094】(5)エチレン系共重合体ゴム加硫物の引
張試験 JIS K6301に従い、引張り強さ(単位:kgf
/cm)、伸び(単位:%)、100%引張り応力
(単位:kgf/cm)を測定した。
【0095】(6)エチレン系共重合体ゴム加硫物の圧
縮永久歪み JIS K6301に従い測定した(単位:%)。
【0096】(7)エチレン系共重合体ゴム加硫物のゴ
ム層/樹脂層の剥離試験 (試験片)ゴム加硫物シート及び熱可塑性樹脂組成物
を、それぞれ、長さ60mm×幅20mm×厚さ2mm
に打ち抜き、これらを重ねて金型に入れ、50kg/c
の圧力にて150℃× 5分間加熱して、次いで、
室温まで冷却して、ゴムと樹脂との積層体を調製した。
【0097】(剥離試験)引張り試験機により、上記の
試験片の一端のゴム層と樹脂層とを、180度方向に引
っ張ることにより、剥離強度を測定した(単位:kgf
/cm)。数値が大きいほど、ゴム層と樹脂層との
結合が強固である。
【0098】(ポリエステルの製造1)撹拌機、温度
計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた2
000ccフラスコに、テレフタル酸800g、2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオール770
g、ペタンエリスリトール72.7g、モノブチルスズ
オキサイド0.80gを仕込んだ。系中のヒドロキシル
基(OH)とカルボキシル基(COOH)との当量比
(以下、「OH/COOH当量比」と記す。)は1.1
6である。
【0099】窒素ガスを導入しながら撹拌を行い、反応
中に生成する水を除去しながら、220℃,3時間反応
し、その後240℃でさらに6時間反応を続けた。その
後240℃で、200mmHgの減圧下で脱水を行い、
その後50mmHgの減圧下で未反応のジオールを除去
しながら、再度2時間反応を続けた。得られたポリエス
テル(ポリエステルA)は、重量平均分子量44,02
0、酸価0.35、水酸基価66、軟化点105℃、光
透過率92%であった。
【0100】(ポリエステル製造2)イソフタル酸80
0g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール734.8g、ペタンエリスリトール69.4g、
モノブチルスズオキサイド0.80gを使用し(OH/
COOH当量比=1.16)、製造例1と同様にしてポ
リエステルを調製した。得られたポリエステル(ポリエ
ステルB)は、重量平均分子量61,600、酸価0.
38、水酸基価38、軟化点101℃、光透過率89%
であった。
【0101】(ポリエステルの製造3)テレフタル酸8
00g、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール
612.2g、ペタンエリスリトール70.7g、ジブ
チルスズオキサイド1.10gを使用してポリエステル
を調製した(OH/COOH当量比1.18)。得られ
たポリエステル(ポリエステルC)は、重量平均分子量
49,560、酸価0.45、水酸基価75、軟化点1
07℃、光透過率90%であった。
【0102】(エチレン系共重合体ゴム加硫物からなる
ゴム層の調製1)上記製造したポリエステルA、Bを用
い、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム
(EPDM3070 三井石油化学社製)のゴム組成物
を表1に示す配合処方に従い調整した。なお、比較のた
めにポリエステルを配合しないものと水酸基を有するポ
リオレフィンを配合したものも調整した(比較例)。
【0103】初めに、硫黄および加硫促進剤以外の各成
分を0.8リッターのバンバリーミキサーで、60℃
× 5分間混練した。その後、6インチロールにて硫黄
と加硫促進剤を加え、60℃にて混練した。ロールより
シート状未加硫ゴムを取り出し、20mmφの押し出し
機(東洋精機社製、ダイス温度 60℃、シリンダー温
度50℃、ローター回転数40rpm)を用いて、幅2
5mm×厚さ2mmの平板状に押し出した。平板を18
0℃のギヤーオーブン中で18分間加硫し、得られたゴ
ム加硫物を用いて試験片を作成した。
【0104】
【表1】
【0105】なお表1中の*は次のとおりである。 *1 エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム
三井石油化学社製 *2 シースト116 東海カーボン社製 *3 ダイナプロセスPW380 出光興産社製 *4 ベスタPP 井上石灰社製 *5 2−メルカプトベンゾチアゾール *6 ジベンゾチアジル・ジスルフィド *7 テトラメチルチウラム・ジスルフィ *8 ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド *9 水酸基含有ポリオレフイン ポリテールH 三菱
化学社製
【0106】(エチレン系共重合体ゴム加硫物からなる
ゴム層の調製2)上記製造したポリエステルC及びマレ
イン化EPR(商品名ロイヤルタフ465 ユニロイヤ
ル社製造)を用い、エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン共重合ゴム(EPDM1060 三井石油化学社製)
のゴム組成物を、表2に示す配合処方に従い調整した。
なお、比較のためにポリエステルを配合しないものと水
酸基を有するポリオレフィンを配合したものも調整した
(比較例)。
【0107】
【表2】
【0108】(熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層の調
製)上記製造したポリエステルA及びマレイン化ポリプ
ロピレン(商品名 ユーメックス1010 三洋化成工業
社製造)を用い、表3に示す配合で、各原料をヘンシェ
ルミキサーで混合後、220℃に設定された2軸押出機
によって溶融混練し、ペレット化してポリマー組成物を
作成した。次に、射出成形により試験片(幅50、長さ
80mm、厚さ2mm)を作成した。
【0109】
【表3】
【0110】なお、表3中の*は以下のとおりである。 *1 ポリプロピレン樹脂J3050HP 出光石油化
学社製 MFR=4.2 *2 エチレン−プロピレンゴムEP02 日本合成ゴ
ム社製 MFR=3.2 *3 タルク ミクロエースP4 日本タルク社製 平
均粒径 1.5μm
【0111】実施例1〜4及び比較例1〜6 上記ゴム層と樹脂層とによる積層体の剥離試験を行い、
剥離強度を測定した。結果を表4に示す。なお、市販の
水酸基含有ポリオレフイン等を配合した場合及びポリエ
ステル等を配合しない場合についても比較として、剥離
試験を行った。結果を表5に示す。
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】表4と表5の結果から、本発明のゴムと樹
脂との積層体は、ゴム加硫物からなるゴム層と熱可塑性
樹脂からなる樹脂層とが、強固に結合していることが分
かる。これに対して、水酸基含有ポリオレフインを配合
したゴム層とマレイン化ポリプロピレンを配合した樹脂
層との積層体の場合(比較例1、比較例3)、ポリエス
テル等を配合しないゴム層とマレイン化ポリプロピレン
を配合した樹脂層との積層体の場合(比較例2、比較例
4)、水酸基含有ポリオレフインを配合したゴム層とポ
リエステル等を配合しない樹脂層との積層体の場合(比
較例5)、及び、ポリエステル等を配合しないゴム層と
ポリエステル等を配合しない樹脂層との積層体の場合
(比較例6)は、いずれも剥離強度が小さく、ゴム層と
樹脂層との結合は改善されないことが分かる。
【0115】
【発明の効果】本発明のゴム樹脂との積層体は、複雑な
形状や、比較的大きな複合射出成形体に対応できるの
で、自動車用途としては、ウインドシールドガスケッ
ト、ウエザーストリップ等、あるいは建材用途、各種ガ
スケット等の分野において使用することができる。具体
例として、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器、OA機
器等の電気・電子部品、自動車等の部品、収納ケース等
の日用雑貨品等として有用である。とくに、バンパーエ
アーダムスカート、マッドガード、サイドモール、ホィ
ールキャップ、サイドモール、ドアーミラーベース、ウ
エザーストリップ、ガラスラン、エアバッグ、インパル
やサイドドアトリム等の内装材等の自動車材料、スポー
ツシューズ、ウエットスーツ等のスポーツ用品材料、シ
ート防水材料、ガスケット、シーリング材料等の用途に
適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK03A AK07 AK07J AK41A AK41B AK75 AL01A AL05A AL05B AL07 AL07A AL07B AN02A BA02 GB08 GB32 GB41 GB48 JB16B JK06 4J002 AC011 AC021 AC031 AC061 AC071 AC091 AC112 BB031 BB061 BB081 BB121 BB151 BB171 BB202 BB212 BB241 BB271 BC041 BC051 BC062 BC072 BD121 BN051 BN122 BN142 BN152 BN162 BP011 CF032 CF042 CF052 CF062 CF072 CF082 CF102 CF132 CF142 CP031 GC00 GJ02 GL00 GN00 GQ00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン系共重合体ゴム加硫物からなる
    ゴム層(A)と熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層
    (B)との積層体において、いずれか一方の層に、多価
    カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合して得
    られるポリエステルを配合し、他方の層に、酸変性重合
    体を配合することを特徴とするゴム層と樹脂層との積層
    体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527593A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ぺー・アガー・ベー・インドウストリアル・エシ・アー 環境分解性ポリマーブレンド及び環境分解性ポリマーブレンドを得る方法
JP2009527592A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ぺー・アガー・ベー・インドウストリアル・エシ・アー 環境分解性ポリマーブレンド及び環境分解性ポリマーブレンドを得る方法
JP2009527594A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ぺー・アガー・ベー・インドウストリアル・エシ・アー 環境分解性ポリマー組成物及び環境分解性ポリマー組成物を得る方法
US7718272B2 (en) 2004-10-05 2010-05-18 Sumitomo Chemical Company Limited Laminated product and process for producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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