JP2006342279A - スチレン系樹脂発泡体の製造方法およびスチレン系樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジアルキルエーテル、およびプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる1種以上の化合物を特定モル比率にて用いることで押出発泡成形性に優れ、低密度で断熱性に優れたスチレン系樹脂発泡体の製造方法および前記発泡体を提供する。
【解決手段】加熱溶融させたスチレン系樹脂に、発泡剤を含有させた組成物を押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって、発泡剤が、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジアルキルエーテル95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物0〜65モル%からなる発泡剤であり、かつ、前記発泡剤(A)〜(C)合計が前記組成物100重量部に対して4.5〜10重量部であるスチレン系樹脂発泡体の製造方法および発泡体。
【解決手段】加熱溶融させたスチレン系樹脂に、発泡剤を含有させた組成物を押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって、発泡剤が、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジアルキルエーテル95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物0〜65モル%からなる発泡剤であり、かつ、前記発泡剤(A)〜(C)合計が前記組成物100重量部に対して4.5〜10重量部であるスチレン系樹脂発泡体の製造方法および発泡体。
Description
本発明は、特定の炭化水素系化合物を発泡剤として用いた環境適合性に優れた発泡体であって、シクロペンタン、ジアルキルエーテル、およびプロパン、ノルマルブタン、イソブタンから選ばれる1種以上の化合物を特定モル比率にて用いることで押出発泡成形性に優れ、低密度で断熱性に優れたスチレン系樹脂発泡体の製造方法およびスチレン系樹脂発泡体に関する。
スチレン系樹脂を押出機などにより加熱溶融し、ついで発泡剤を添加し、冷却させ、これを低圧域に押し出すことにより発泡体を連続的に製造する方法は既に知られている。
発泡剤には、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、二酸化炭素などを用いることも知られている。ハロゲン化炭化水素の中でも、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、オゾン層保護および地球温暖化などの観点から、可能ならば代替していくことが望まれており、ハイドロフルオロカーボン(HFC)への転換が検討されている。しかしながら、HFCは温室効果ガスであり、地球温暖化への影響が懸念されている。
発泡剤には、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、二酸化炭素などを用いることも知られている。ハロゲン化炭化水素の中でも、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、オゾン層保護および地球温暖化などの観点から、可能ならば代替していくことが望まれており、ハイドロフルオロカーボン(HFC)への転換が検討されている。しかしながら、HFCは温室効果ガスであり、地球温暖化への影響が懸念されている。
このような中、ハロゲンを含有しない発泡剤を用いたスチレン系樹脂発泡体およびその製造方法が種々提案されている。例えば、ハロゲンを含有しない発泡剤を使用して製造された発泡板体であって、その発泡剤の具体的なものとして、二酸化炭素およびジメチルエーテルなどのエーテル、あるいは、エタノールなどのアルコールを用いることが提案されている(特許文献1)。特に、ハロゲンを含有しない発泡剤としては、炭化水素が注目されており、炭素数3〜5の飽和炭化水素が主に用いられている。例えば、スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれたエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、95重量%以下の炭素数3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた飽和炭化水素を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法が提案されている(特許文献2)。
そこで、断熱性の高い(すなわち熱伝導率のより低い)スチレン系樹脂発泡体を得るためには、発泡剤の少なくとも一部として、気体の熱伝導率および沸点が低く、かつ、スチレン系樹脂に対して透過性の低い(すなわちスチレン系樹脂発泡体中から散逸しにくい)発泡剤を選択することが重要であり、炭化水素の中では、特にイソブタンが注目されている(例えば、特許文献2)。また、押出発泡成形時に、より安定して低密度の発泡体を得るためには、発泡剤として、沸点が低く、スチレン系樹脂に対する溶解度が高く、かつ、透過性の高い(すなわちスチレン系樹脂発泡体中から散逸しやすい)発泡剤が併用して用いられる。ハロゲンを含有しないこのような発泡剤としてジメチルエーテルなどが挙げられる(例えば、特許文献2)。
さらに、両方の発泡剤の特性を兼ね備えた、すなわち、気体の熱伝導率がより低く、スチレン系樹脂に対して透過性の低く、かつ、スチレン系樹脂に対する溶解性が高い発泡剤として、シクロペンタンを用いる技術が提案されており、発泡剤としてシクロペンタンを用い、かつ、JIS A9511に規定された燃焼性基準を満足するために、使用される可燃性ガス発泡剤の合計量が樹脂100重量部に対して4.5重量部未満としたスチレン系樹脂押出発泡体が提案されている(特許文献3)。
特開平8−510495号公報
WO1999/33625号公報
特開2005−8668号公報
そこで、断熱性の高い(すなわち熱伝導率のより低い)スチレン系樹脂発泡体を得るためには、発泡剤の少なくとも一部として、気体の熱伝導率および沸点が低く、かつ、スチレン系樹脂に対して透過性の低い(すなわちスチレン系樹脂発泡体中から散逸しにくい)発泡剤を選択することが重要であり、炭化水素の中では、特にイソブタンが注目されている(例えば、特許文献2)。また、押出発泡成形時に、より安定して低密度の発泡体を得るためには、発泡剤として、沸点が低く、スチレン系樹脂に対する溶解度が高く、かつ、透過性の高い(すなわちスチレン系樹脂発泡体中から散逸しやすい)発泡剤が併用して用いられる。ハロゲンを含有しないこのような発泡剤としてジメチルエーテルなどが挙げられる(例えば、特許文献2)。
さらに、両方の発泡剤の特性を兼ね備えた、すなわち、気体の熱伝導率がより低く、スチレン系樹脂に対して透過性の低く、かつ、スチレン系樹脂に対する溶解性が高い発泡剤として、シクロペンタンを用いる技術が提案されており、発泡剤としてシクロペンタンを用い、かつ、JIS A9511に規定された燃焼性基準を満足するために、使用される可燃性ガス発泡剤の合計量が樹脂100重量部に対して4.5重量部未満としたスチレン系樹脂押出発泡体が提案されている(特許文献3)。
シクロペンタンの熱伝導率は、イソブタンよりも低く、このため、より断熱性の高い(熱伝導率の低い)発泡体を得るためには有利と考えられるが、シクロペンタンの沸点は49.3℃と高く、さらにはスチレン系樹脂に対する溶解性が高いため、シクロペンタン単独を発泡剤として用いた場合には、押出発泡成形直後の発泡体は柔らかく、また、場合によってはシクロペンタンが気泡内で液化し、このため発泡体が著しく収縮してしまい、低密度で、寸法が安定した良好な発泡体は得られない。
このため、シクロペンタンと沸点のより低い他の炭化水素を組合せ、シクロペンタンの使用量を減量することが提案される。前記技術(特許文献3)では、二酸化炭素を併用する技術が提案されているが、二酸化炭素はスチレン系樹脂に対しては溶解性が低く、このため、押出発泡成形性が不安定になると共に、気泡径が小さくなる傾向にあるため、密度低減効果は小さく、逆に密度上昇につながる場合もある。更に前記技術では水を併用する例が挙げられているが、水もまたスチレン系樹脂、特にポリスチレンに対しては溶解性が低く、押出発泡成形性が不安定になると共に、発泡体にボイドや気孔などが生じ、良好な発泡体が得難いという問題がある。
このため、シクロペンタンと沸点のより低い他の炭化水素を組合せ、シクロペンタンの使用量を減量することが提案される。前記技術(特許文献3)では、二酸化炭素を併用する技術が提案されているが、二酸化炭素はスチレン系樹脂に対しては溶解性が低く、このため、押出発泡成形性が不安定になると共に、気泡径が小さくなる傾向にあるため、密度低減効果は小さく、逆に密度上昇につながる場合もある。更に前記技術では水を併用する例が挙げられているが、水もまたスチレン系樹脂、特にポリスチレンに対しては溶解性が低く、押出発泡成形性が不安定になると共に、発泡体にボイドや気孔などが生じ、良好な発泡体が得難いという問題がある。
このような状況の下、本発明が解決しようとする課題は、オゾン層破壊、地球温暖化といった問題のない化合物の中で、シクロペンタンおよびジアルキルエーテルをもちいて、押出発泡成形性に優れ、安定して低密度で断熱性の高いスチレン系樹脂発泡体を得るための製造方法およびこれによって得られたスチレン系樹脂発泡体を提供することである。
本発明者らは、シクロペンタンを用いる技術について、前記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、シクロペンタンとジアルキルエーテル、およびプロパン、ノルマルブタンあるいはイソブタンとを特定範囲の比率で併用して用いることにより、押出発泡成形直後の収縮が抑制され、より低密度で断熱性に優れた発泡体が得られることが見出された。なお、前記技術(特許文献3)では、エーテル系のガスを発泡剤として用いた場合、気泡径が小さくなりすぎて密度が高くなる、としているが、本発明者らの検討結果では全くそのようなことは無く、低密度の発泡体を安定して得ることが可能となった。
また、懸念された発泡体の難燃性低下に関しても、発泡剤の一部にジメチルエーテルを用いることで問題が解決されることも見出された。すなわち、ジメチルエーテルはシクロペンタンやイソブタンよりもスチレン系樹脂に対して透過性の高い(スチレン系樹脂発泡体中から散逸しやすい)発泡剤であるため、可燃性ガスである発泡剤の合計使用量を4.5重量部以上とした場合でも、所定量以上のジメチルエーテルを用い、押出発泡成形直後の収縮を抑制する事で、低密度の発泡体が得られ、その後、発泡体の厚みや形状にもよるものの、数日から数週間といった比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量が低減するため、結果的に難燃性の低下が抑制される。このとき、発泡剤使用量の調整により、断熱性の高い発泡体とすることも可能である。これらによって、本発明を完成するに至った。
また、懸念された発泡体の難燃性低下に関しても、発泡剤の一部にジメチルエーテルを用いることで問題が解決されることも見出された。すなわち、ジメチルエーテルはシクロペンタンやイソブタンよりもスチレン系樹脂に対して透過性の高い(スチレン系樹脂発泡体中から散逸しやすい)発泡剤であるため、可燃性ガスである発泡剤の合計使用量を4.5重量部以上とした場合でも、所定量以上のジメチルエーテルを用い、押出発泡成形直後の収縮を抑制する事で、低密度の発泡体が得られ、その後、発泡体の厚みや形状にもよるものの、数日から数週間といった比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量が低減するため、結果的に難燃性の低下が抑制される。このとき、発泡剤使用量の調整により、断熱性の高い発泡体とすることも可能である。これらによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)に関する。
(1)溶融させたスチレン系樹脂に、発泡剤を含有させた組成物を押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって、発泡剤が、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物0〜65モル%からなる発泡剤であり、かつ、かつ、前記発泡剤(A))〜(C)の使用量合計が前記組成物100重量部に対して4.5〜10重量部であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
(2)発泡剤(B)がジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
(3)請求項1〜2に記載のスチレン系樹脂発泡体であって、発泡体中における、シクロペンタンの分圧が42kPa以下で、厚みが10〜150mm、密度が20〜60kg/m3であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
(4)発泡体を形成する気泡の厚み方向における平均気泡径が0.05〜0.20mmであることを特徴とする請求項3に記載のスチレン系樹脂発泡体。
(1)溶融させたスチレン系樹脂に、発泡剤を含有させた組成物を押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって、発泡剤が、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物0〜65モル%からなる発泡剤であり、かつ、かつ、前記発泡剤(A))〜(C)の使用量合計が前記組成物100重量部に対して4.5〜10重量部であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
(2)発泡剤(B)がジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
(3)請求項1〜2に記載のスチレン系樹脂発泡体であって、発泡体中における、シクロペンタンの分圧が42kPa以下で、厚みが10〜150mm、密度が20〜60kg/m3であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
(4)発泡体を形成する気泡の厚み方向における平均気泡径が0.05〜0.20mmであることを特徴とする請求項3に記載のスチレン系樹脂発泡体。
本発明によれば、シクロペンタンとジアルキルエーテル、および、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンから選ばれる化合物からなる、環境適合性に優れた化合物を発泡剤として用い、押出発泡成形性が良好で、低密度で断熱性に優れたスチレン系樹脂発泡体の製造方法、および、該製造法によるスチレン系樹脂発泡体が提供される。本発明のスチレン系樹脂発泡体は、その優れた断熱性の点から、種々の用途、とくに建築用断熱材、保冷庫・保冷車用断熱材の用途に有用である。
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、とくに限定はなく、たとえばスチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体またはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが具体例としてあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
スチレンと共重合可能な単量体としては、たとえばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物またはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、メルトフローレイト(以下、MFRという)が0.1〜50g/10分の範囲のものを用いることが、以下の点から好ましい。すなわち、押出発泡成形性に優れ、成形加工時の吐出量、得られたスチレン系樹脂発泡体の厚みや幅、密度または独立気泡率を所望の値に調整しやすく、得られたスチレン系樹脂発泡体の発泡性(発泡体の厚みや幅、密度、独立気泡率、表面性などを所望の状況に調整しやすいほど、発泡性が良い)、外観などに優れたスチレン系樹脂発泡体が得られると共に、圧縮強度、曲げ強度または曲げたわみ量といった機械的強度や、靱性などの特性のバランスがとれた、スチレン系樹脂発泡体が得られる点から、好ましい。さらに、スチレン系樹脂のMFRは、押出発泡成形性と得られた発泡体の機械的強度、靱性などのバランスの点から、0.3〜30g/10分がさらに好ましく、0.5〜20g/10分が特に好ましい。なお、MFRは、JIS K7210(1999年)のA法、試験条件Hにより測定される。
スチレン系樹脂のMFRが0.1g/10分未満では、押出発泡成形性が低下し、良好なスチレン系樹脂発泡体が得られ難くなる可能性があり、50g/10分を超えても、同様に押出発泡成形性が低下して、やはり、良好なスチレン系樹脂発泡体が得られなくなる可能性がある。
さらに、本発明で用いられるスチレン系樹脂は、MFR、成形加工時の溶融粘度、溶融張力などを調整する目的で、分岐構造を有するスチレン系樹脂であってもよい。
スチレン系樹脂のうちでは、経済性、押出発泡成形性の面からスチレンホモポリマーが好ましく、より耐熱性が高められるなどの面からスチレン−アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレン、無水マレイン酸変性ポリスチレンが好ましく、耐衝撃性の面からゴム強化ポリスチレンなどが好ましい。
本発明では、発泡剤として、(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル、および(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物を用いる。そして、押出発泡成形性が良好で、かつ、低密度のスチレン系樹脂発泡体を得るために、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれる1種以上のジアルキルエーテル、化合物95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる1種以上の化合物0〜65モル%からなる発泡剤を使用する。
発泡剤の使用量は、低密度の発泡体を得るためには、組成物100重量部に対して4.5〜10重量部とする。
より断熱性の高い(より熱伝導率が低い)スチレン系樹脂発泡体を得るためには、発泡剤(A)のシクロペンタンは押出発泡成形直後の収縮、気泡内での液化などが起こらない範囲で、より比率が高く、かつ、多く用いる方が好ましい。従って、好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは20〜70モル%である。
発泡剤(A)のシクロペンタンの使用量は0.3〜4重量部であることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜3.6重量部である。0.3重量部未満では、シクロペンタンのスチレン系樹脂への溶解性、気体の熱伝導率が低いといった特性を活かし、押出発泡成形性が良好で、断熱性の高い発泡体が得られにくくなり、4重量部を超えると発泡体製造時に発泡体の収縮が起こる、気泡内で液化して断熱性が低下するなどの問題が生じる傾向にあるため好ましくない。
発泡剤(B)としてジメチルエーテルを用いた場合、発泡体製造時においては、発泡剤の合計使用量を4.5重量部以上とすることで、押出発泡成形性に優れ、安定して低密度で良好な発泡体が得られると共に、その後、比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量を低減させることが可能であり、これによって、結果的に難燃性の低下が抑制される。ただし、シクロペンタンの沸点が高いために、ジメチルエーテルが散逸し、気泡内でのシクロペンタンのモル分率が増大すれば、温度によっては、気泡内中で液化し、断熱性が低下する可能性がある。
発泡剤(B)のジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテルの使用量は0.2〜9.7重量部である。好ましくは1〜9.5重量部である。0.2重量部未満ではシクロペンタンの使用量によっては発泡体製造時に発泡体の収縮が起こり、良好な発泡体が得られない場合がある。9.7重量部を超えると、シクロペンタンの特性を活かし断熱性の高い発泡体が得られ難く、また、シクロペンタンとの合計使用量が10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
このような場合では発泡剤(C)としてイソブタンを用い、シクロペンタンの使用量を低減し、低密度で断熱性の高い発泡体を得ることができる。ただし、イソブタンはスチレン系樹脂に対して透過性が低いため、シクロペンタンおよびイソブタンの使用量によっては難燃性が低下する場合がある。
発泡剤(C)のプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物の使用量は0〜7重量部である。好ましくは0.2〜5重量部である。7重量部を超えると、シクロペンタンの特性を活かし断熱性の高い発泡体が得られ難く、また、シクロペンタンとの合計使用量が10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
すなわち、シクロペンタン、ジメチルエーテルおよびイソブタンの合計使用量を4.5重量部以上とし、シクロペンタン、ジメチルエーテルおよびイソブタンの使用量を調整することにより、押出発泡成形性が良好で、低密度で断熱性の高い発泡体が得られ、その後、発泡体の厚みや形状にもよるものの、数日から数週間といった比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量を低減させることが可能であり、これによって難燃性の低下が抑制される。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造時に、スチレン系樹脂中に添加または注入される(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物の合計使用量は、組成物100重量部に対して4.5〜10重量部の範囲で、発泡体の密度の設定値などに応じて適宜設定される。合計使用量で好ましくは5〜8重量部である。4.5重量部未満では、低密度かつ断熱性に優れた発泡体が安定して得られにくくなる。10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
発泡剤の使用量は、低密度の発泡体を得るためには、組成物100重量部に対して4.5〜10重量部とする。
より断熱性の高い(より熱伝導率が低い)スチレン系樹脂発泡体を得るためには、発泡剤(A)のシクロペンタンは押出発泡成形直後の収縮、気泡内での液化などが起こらない範囲で、より比率が高く、かつ、多く用いる方が好ましい。従って、好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは20〜70モル%である。
発泡剤(A)のシクロペンタンの使用量は0.3〜4重量部であることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜3.6重量部である。0.3重量部未満では、シクロペンタンのスチレン系樹脂への溶解性、気体の熱伝導率が低いといった特性を活かし、押出発泡成形性が良好で、断熱性の高い発泡体が得られにくくなり、4重量部を超えると発泡体製造時に発泡体の収縮が起こる、気泡内で液化して断熱性が低下するなどの問題が生じる傾向にあるため好ましくない。
発泡剤(B)としてジメチルエーテルを用いた場合、発泡体製造時においては、発泡剤の合計使用量を4.5重量部以上とすることで、押出発泡成形性に優れ、安定して低密度で良好な発泡体が得られると共に、その後、比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量を低減させることが可能であり、これによって、結果的に難燃性の低下が抑制される。ただし、シクロペンタンの沸点が高いために、ジメチルエーテルが散逸し、気泡内でのシクロペンタンのモル分率が増大すれば、温度によっては、気泡内中で液化し、断熱性が低下する可能性がある。
発泡剤(B)のジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテルの使用量は0.2〜9.7重量部である。好ましくは1〜9.5重量部である。0.2重量部未満ではシクロペンタンの使用量によっては発泡体製造時に発泡体の収縮が起こり、良好な発泡体が得られない場合がある。9.7重量部を超えると、シクロペンタンの特性を活かし断熱性の高い発泡体が得られ難く、また、シクロペンタンとの合計使用量が10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
このような場合では発泡剤(C)としてイソブタンを用い、シクロペンタンの使用量を低減し、低密度で断熱性の高い発泡体を得ることができる。ただし、イソブタンはスチレン系樹脂に対して透過性が低いため、シクロペンタンおよびイソブタンの使用量によっては難燃性が低下する場合がある。
発泡剤(C)のプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物の使用量は0〜7重量部である。好ましくは0.2〜5重量部である。7重量部を超えると、シクロペンタンの特性を活かし断熱性の高い発泡体が得られ難く、また、シクロペンタンとの合計使用量が10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
すなわち、シクロペンタン、ジメチルエーテルおよびイソブタンの合計使用量を4.5重量部以上とし、シクロペンタン、ジメチルエーテルおよびイソブタンの使用量を調整することにより、押出発泡成形性が良好で、低密度で断熱性の高い発泡体が得られ、その後、発泡体の厚みや形状にもよるものの、数日から数週間といった比較的短期間の養生期間を経ることで、発泡体中の炭化水素系発泡剤含有量を低減させることが可能であり、これによって難燃性の低下が抑制される。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造時に、スチレン系樹脂中に添加または注入される(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物の合計使用量は、組成物100重量部に対して4.5〜10重量部の範囲で、発泡体の密度の設定値などに応じて適宜設定される。合計使用量で好ましくは5〜8重量部である。4.5重量部未満では、低密度かつ断熱性に優れた発泡体が安定して得られにくくなる。10重量部を超えると難燃性の低下が見られる場合がある。
本発明では、さらに他の非フッ素化炭化水素系発泡剤が使用されてもよい。例えば、ノルマルペンタンなどのシクロペンタン、プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタン以外の炭化水素、ケトン、メタノールなどのアルコール、カルボン酸エステル、塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化アルキルなどの有機発泡剤、二酸化炭素などの無機発泡剤、アゾ化合物、テトラゾールなどの化学発泡剤などが挙げられる。
他の発泡剤も含め、発泡剤全体の使用量としては、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部とするのが好ましい。20重量部をこえると、過剰な発泡剤のために発泡体中にボイドなどの不良が生じる場合がある。
他の発泡剤も含め、発泡剤全体の使用量としては、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部とするのが好ましい。20重量部をこえると、過剰な発泡剤のために発泡体中にボイドなどの不良が生じる場合がある。
発泡剤を添加または注入する際の圧力には、とくに制限はなく、押出機などの内圧力よりも高い圧力であればよい。
本発明において、得られたスチレン系樹脂発泡体中における、(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれる1種以上のジアルキルエーテル、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる1種以上の化合物の残存含有量は、化合物の種類および使用量、発泡剤の発泡体中における透過性、発泡体の倍率あるいは密度、要求される断熱性能などによっても異なる。発泡剤の発泡体中における透過性によっては、経時的に残存量が減量し、発泡体気泡中の気体は空気などに置換されていく。したがって、透過性が高い化合物を用いて製造され、結果的に発泡体中に残存含有する(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれる1種以上のジアルキルエーテル、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる1種以上の化合物が非常に少ない発泡体も本発明の範疇に含まれる。
JISA 9511(1995)で規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3種、さらにはこれ以上の断熱性といった高度の断熱性能が要求される場合には、発泡剤(A)のシクロペンタンは、発泡体100重量部に対して、0.3〜4重量部含有することが好ましい。0.3重量部未満では、断熱性の高い発泡体が得られにくくなり、4重量部を超えると冬期など周囲の温度が低い場合には、気泡内で液化して断熱性が低下する可能性があるため好ましくない。さらに、発泡体中におけるシクロペンタンの分圧は42kPa以下とすることが好ましい。42kPaを超えると、周囲の温度によっては、気泡内で液化して断熱性が低下する傾向にあるため好ましくない。
本発明で得られるスチレン系樹脂発泡体の厚み方向における平均気泡径は、通常、0.01〜1mmである。好ましくは、0.02〜0.6mm、さらに好ましくは0.03〜0.4mm、特に好ましくは、0.05〜0.2mmである。厚み方向における平均気泡径を特に好ましい範囲とすることで、より低い熱伝導率のスチレン系樹脂発泡体を得ることができる。厚み方向における平均気泡径を調整する方法としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物などの造核剤を添加し、その添加量を適宜調整することで可能である。また、押出発泡成形時の押出機、スクリュー形状、押出発泡成形時の温度、ダイス形状などでも調整できる。
本発明の発泡体の厚さにはとくに制限はなく、用途に応じて適宜選択される。たとえば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20〜100mmである。
また、本発明の発泡体の密度はとくに制限はないが、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与するためには、20〜60kg/m3、さらには20〜50kg/m3であることが好ましく、25〜45kg/m3であることがより好ましい。密度が20kg/m3未満であると、圧縮強度など機械的特性が低下する傾向があり、60kg/m3をこえると、断熱性が低下する傾向がある。
本発明においては、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で種々の化合物を添加することができる。例えば、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−メチルアリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(3−メチルアリルエーテル)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどのハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの難燃助剤、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフェート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトなどのヒンダードフェノール系抗酸化剤、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトなどのリン系安定剤、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系安定剤、3,3−チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステルなどのイオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有させることができる。
本発明のスチレン系樹脂発泡体は、
(い)スチレン系樹脂に各種添加剤を混合したのち加熱溶融する、
(ろ)スチレン系樹脂に1種以上の添加剤を混合したのち、加熱溶融し、これに残りの添加剤をそのままあるいは必要により液体化あるいは溶融させて添加し加熱混合する、
(は)あらかじめスチレン系樹脂に1種以上の添加剤を混合したのち、加熱溶融した組成物を準備し、ついで、該組成物と残りの添加剤、必要に応じてスチレン系樹脂をあらためて混合し、押出機に供給して加熱溶融する、
など、スチレン系樹脂、各種添加剤を押出機などの加熱溶融手段に供給し、任意の段階で高圧条件下で、発泡剤をスチレン系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイに通して低圧領域に押出発泡させて、発泡体を形成することにより製造される。
本発明のスチレン系樹脂発泡体は、
(い)スチレン系樹脂に各種添加剤を混合したのち加熱溶融する、
(ろ)スチレン系樹脂に1種以上の添加剤を混合したのち、加熱溶融し、これに残りの添加剤をそのままあるいは必要により液体化あるいは溶融させて添加し加熱混合する、
(は)あらかじめスチレン系樹脂に1種以上の添加剤を混合したのち、加熱溶融した組成物を準備し、ついで、該組成物と残りの添加剤、必要に応じてスチレン系樹脂をあらためて混合し、押出機に供給して加熱溶融する、
など、スチレン系樹脂、各種添加剤を押出機などの加熱溶融手段に供給し、任意の段階で高圧条件下で、発泡剤をスチレン系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイに通して低圧領域に押出発泡させて、発泡体を形成することにより製造される。
スチレン系樹脂と発泡剤、添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段についてはとくに制限はない。加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、たとえば150〜260℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概に決定することはできないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また、溶融混練手段としては、たとえばスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであればとくに限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。また、発泡成形方法にもとくに制限はないが、たとえばスリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
以上、本発明の内容をまとめるとつぎのようになる。
すなわち、スチレン系樹脂発泡体の発泡剤として、環境適合性に優れた炭化水素類の一つであるシクロペンタンを用いる技術は提案されており、スチレン系樹脂100重量部に対し、シクロペンタン及び他の発泡剤全量で4.5重量部未満を用いた低熱伝導率の発泡体を得る技術は提案されている。
しかしながら、シクロペンタンを用いた場合には、添加量によっては発泡体の収縮などが起こるため、前記技術では、前記発泡剤全量が4.5重量部未満であり、押出発泡成形性が安定したさらに低密度のスチレン系樹脂発泡体の製造方法について、問題があることが判った。
これに対して、本発明では発泡剤として(A)シクロペンタン、および、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物を発泡剤として、スチレン系樹脂100重量部に対し、4.5〜10重量部用いた場合には、押出発泡成形性、密度および熱伝導率のバランスが取れる特定の範囲があることを見出した。
つぎに、本発明のスチレン系樹脂発泡体を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、とくに断らない限り、「%」は重量%を表わす。
(1)押出発泡成形性
発泡体を得る際の成形状況を下記の基準で評価した。
(a)目視評価
○:所望の厚み、幅、密度に調整が可能であり、安定して成形できた。
(1)押出発泡成形性
発泡体を得る際の成形状況を下記の基準で評価した。
(a)目視評価
○:所望の厚み、幅、密度に調整が可能であり、安定して成形できた。
×:所望の厚み、幅、密度が変動し調整ができなかった。あるいは、安定して成形できなかった。
(b)吐出量
押出発泡体(A)を得る際に1分間に押し出されてくる発泡体の重量を測り、1時間当たりの量に換算してkg/hで示した。
(c)押出圧力
押出発泡体(A)を得る際に、冷却機先端に設けた口金部分の圧力(単位MPa)を圧力計で測定した。
(2)発泡体厚さ
異なる時間にサンプルングした発泡体の3つのサンプルについて、幅方向の中央の厚さ(単位mm)を測定し、平均値を算出した。
(3)発泡体密度
押出発泡体(A)の発泡体密度を、式:
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
に基づいて求め、単位を(kg/m3)に換算して示した。
(4)熱伝導率
発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。測定は製造後、表面から10mmの部分を削除したのち、28日経過した発泡体について行なった。
(5)気泡径
発泡体の押出方向と直行する垂直断面の中央部分を顕微鏡を用いて拡大投影した写真において、厚み方向に直線を引き、その直線と交差する気泡の数を数え(拡大率、直線の長さは気泡径に応じて、気泡数が少なくとも10個以上になるように設定する)、厚さ方向の径をつぎの式にしたがって求めた。
(b)吐出量
押出発泡体(A)を得る際に1分間に押し出されてくる発泡体の重量を測り、1時間当たりの量に換算してkg/hで示した。
(c)押出圧力
押出発泡体(A)を得る際に、冷却機先端に設けた口金部分の圧力(単位MPa)を圧力計で測定した。
(2)発泡体厚さ
異なる時間にサンプルングした発泡体の3つのサンプルについて、幅方向の中央の厚さ(単位mm)を測定し、平均値を算出した。
(3)発泡体密度
押出発泡体(A)の発泡体密度を、式:
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
に基づいて求め、単位を(kg/m3)に換算して示した。
(4)熱伝導率
発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。測定は製造後、表面から10mmの部分を削除したのち、28日経過した発泡体について行なった。
(5)気泡径
発泡体の押出方向と直行する垂直断面の中央部分を顕微鏡を用いて拡大投影した写真において、厚み方向に直線を引き、その直線と交差する気泡の数を数え(拡大率、直線の長さは気泡径に応じて、気泡数が少なくとも10個以上になるように設定する)、厚さ方向の径をつぎの式にしたがって求めた。
厚さ方向の小気泡径=直線の長さ/直線を横切る気泡の数
(ただし、直線の長さは写真の拡大率から求められる、直線の長さを指す)
(6)燃焼性
発泡体の燃焼性をJIS K7201(1995)に準じ、A−1号にて7日経過した発泡体について行なった。
(ただし、直線の長さは写真の拡大率から求められる、直線の長さを指す)
(6)燃焼性
発泡体の燃焼性をJIS K7201(1995)に準じ、A−1号にて7日経過した発泡体について行なった。
○:酸素指数が24%以上
×:酸素指数が24%未満
なお、実施例および比較例では、下記の化合物を用いた。
スチレン系樹脂
ポリスチレン:PSジャパン(株)製G9401:MFRは2.5g/10分
発泡剤(A)
シクロペンタン:大洋液化ガス(株)製シクロペンタン
発泡剤(B)
ジメチルエーテル:三井化学(株)製ジメチルエーテル
発泡剤(C)
プロパン:イワタニ(株)製無臭プロパン
イソブタン:三井化学(株)製イソブタン
難燃剤
ヘキサブロモシクロドデカン:アルベマールコーポレーション製、SAYTEXHP−900
トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート:日本化成(株)製TAIC−6B
テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル):アルベマールコーポレーション製、SAYTEXHP−800
その他
タルク:林化成製、TALCAN PAWDER PK−Z
ステアリン酸バリウム:堺化学製、SB
流動パラフィン:和光純薬(株)試薬
安定剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、IRGANOX B911(ヒンダードフェノール系抗酸化剤IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとリン系安定剤IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの1:1の混合物)
実施例1
ポリスチレン100重量部に対して、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン5重量部、タルク1.0重量部、ステアリン酸バリウム0.2重量部、安定剤0.2重量部、流動パラフィン0.2重量部からなる混合物をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約50kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の発泡体を得た。
×:酸素指数が24%未満
なお、実施例および比較例では、下記の化合物を用いた。
スチレン系樹脂
ポリスチレン:PSジャパン(株)製G9401:MFRは2.5g/10分
発泡剤(A)
シクロペンタン:大洋液化ガス(株)製シクロペンタン
発泡剤(B)
ジメチルエーテル:三井化学(株)製ジメチルエーテル
発泡剤(C)
プロパン:イワタニ(株)製無臭プロパン
イソブタン:三井化学(株)製イソブタン
難燃剤
ヘキサブロモシクロドデカン:アルベマールコーポレーション製、SAYTEXHP−900
トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート:日本化成(株)製TAIC−6B
テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル):アルベマールコーポレーション製、SAYTEXHP−800
その他
タルク:林化成製、TALCAN PAWDER PK−Z
ステアリン酸バリウム:堺化学製、SB
流動パラフィン:和光純薬(株)試薬
安定剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、IRGANOX B911(ヒンダードフェノール系抗酸化剤IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとリン系安定剤IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの1:1の混合物)
実施例1
ポリスチレン100重量部に対して、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン5重量部、タルク1.0重量部、ステアリン酸バリウム0.2重量部、安定剤0.2重量部、流動パラフィン0.2重量部からなる混合物をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約50kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の発泡体を得た。
このとき、発泡剤として、組成物100重量部に対して、シクロペンタン3.5重量部(40モル%)およびジメチルエーテル3.5重量部(60モル%)からなる発泡剤を前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の端部)から前記組成物中に圧入した。
安定して成形でき、吐出量50kg/h、得られる発泡体の厚みを50mmに調整した場合の押出圧力は5MPaであった。得られた発泡体の厚みは50mm、密度は32kg/m3、平均の気泡径は0.21mmであった。得られた発泡体の評価結果を表1に示した。
発泡剤組成、難燃剤、タルクを表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、スチレン系樹脂発泡体を得た(流動パラフィン、ステアリン酸バリウムおよび安定剤量は変更なし)。その評価結果を表1に示した。
比較例1〜3
発泡剤組成、難燃剤、タルクを表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、スチレン系樹脂発泡体を得た(流動パラフィン、ステアリン酸バリウムおよび安定剤量は変更なし)。その評価結果を表2に示した。
Claims (4)
- 加熱溶融させたスチレン系樹脂に、発泡剤を含有させた組成物を押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって、発泡剤が、(A)〜(C)の全量を100モル%としたときに、(A)シクロペンタン5〜70モル%、(B)ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルから選ばれるジアルキルエーテル95〜30モル%、(C)プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンから選ばれる化合物0〜65モル%からなる発泡剤であり、かつ、前記発泡剤(A)〜(C)の使用量合計が前記組成物100重量部に対して4.5〜10重量部であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
- 発泡剤(B)がジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
- 請求項1〜2に記載のスチレン系樹脂発泡体であって、発泡体中における、シクロペンタンの分圧が42kPa以下で、厚みが10〜150mm、密度が20〜60kg/m3であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
- 発泡体を形成する気泡の厚み方向における平均気泡径が0.05〜0.20mmであることを特徴とする請求項3に記載のスチレン系樹脂発泡体。
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Citations (2)
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JP2000502132A (ja) * | 1995-12-13 | 2000-02-22 | バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト | ウレタン基を有する硬質フォームプラスチックの製造方法 |
JP2005008739A (ja) * | 2003-06-18 | 2005-01-13 | Jsp Corp | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法及びポリスチレン系樹脂押出発泡板 |
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2005
- 2005-06-10 JP JP2005170571A patent/JP2006342279A/ja active Pending
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JP2005008739A (ja) * | 2003-06-18 | 2005-01-13 | Jsp Corp | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法及びポリスチレン系樹脂押出発泡板 |
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