JP2006342241A - フッ素ゴムシール材 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (a)架橋性フッ素ゴムと、該ゴム(a)100重量部に対して、(b)2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物(架橋性フッ素ゴム(a)を除く)と、
(c)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し、上記化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物とを合計で1〜10重量部の量で含有し、さらに、共架橋剤(d)とを含むゴム組成物、及び該組成物を必要により加熱、加圧して予備成形し、次いで、予備成形体を放射線架橋してなるフッ素ゴムシール材。
【効果】 特に半導体製造プロセスなどで、高温下で長時間継続的に使用してもクラックが発生し難く、耐プラズマ性に優れたプラズマ処理装置用シール材が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素ゴムシール材に関し、さらに詳しくは、特に半導体製造プロセスなどで、長時間継続的に使用してもクラックの発生がなく耐クラック性に優れ、またプラズマ環境下に長時間置かれても重量変化(低減)が少なく耐プラズマ性(耐ラジカル性)に優れ、プラズマ処理装置用シール材などとして好適に使用することができる、プラズマ処理装置用シール材等のフッ素ゴムシール材に関する。
従来より、半導体製造分野などでは、耐プラズマ性に優れたエラストマー材料として、パーフロロエラストマー(FFKM)が使用されていた。
しかしながら、パーフロロエラストマーは非常に高価である。そのため、パーフロロエラストマー(FFKM)に代えて、より安価なフッ素ゴム(FKM)が使用されることが多い。
ところが、近年半導体の微細化傾向が強まり、半導体製造工程において、半導体用部材の微細化加工に際し、気相中でプラズマによりエッチング処理するドライエッチング方式が主流となっている。
このドライプロセスにおいては、300mm径のウエハーへの移行と共に、高出力化が行われているが、これにより発生するイオン、電子といった高エネルギーの荷電粒子の存在は、ウエハーへのナトリウム、重金属による汚染等を誘発するという問題点がある。
そこで、プラズマダウンフローエッチング・アッシングすなわち、マイクロ波により発生したプラズマ中のイオン及び電子を完全に捕捉し、フリーラジカルのみをステージ上のウエハー表面に導きエッチング・アッシング(ashing、灰化)させることにより、チャージアップによる半導体のダメージを防ぐ方式が採用されるようになっている。このプラズマダウンフローエッチング・アッシングでは、フリーラジカルのみがエッチングやアッシングに使用されるため、ウエハーの金属による汚染は起きにくい。
ところで、従来、半導体製造装置に組み込まれているシール材としては、耐ラジカル性に優れたフッ素ゴム(FKM)製シール部材が使用されている。しかしながら、昨今その使用環境は厳しくなりつつあり、それに伴い、フッ素ゴム製シール部材までも、ラジカルによりエッチングされて顕著に劣化するという問題点があり、また、このシール部材は、使用時には、通常、圧縮、伸張された状態で配設されるため、局所的にシール部材に応力がかかり、当該部位がプラズマによりエッチングされ、クラック(亀裂)が入るという問題点がある。
これに対して特開2004−263038号公報(特許文献1)には、金属元素含有量が1.5重量%以下であるテトラフロロエチレン−プロピレン系共重合体からなる原料ゴムと、トリアリルイソシアヌレートのプレポリマーとを含有し、電離性放射線架橋されているフッ素ゴム成形体が開示され、また、上記原料ゴムに、トリアリルイソシアヌレートのプレポリマーを添加したゴム組成物を、加熱雰囲気中で所望形状に予備成形し、得られた予備成形体を電離性放射線照射により架橋するフッ素ゴム成形体の製造方法が開示されている。
このフッ素ゴム成形体は、純粋性、低溶出金属、低放出ガス、耐プラズマ性、耐オゾン性、耐薬品性、耐熱性等に優れ、十分な機械的強度を兼備し、特に半導体製造装置や半導
体搬送装置に使用されるゴム材料に好適なフッ素ゴム成形体を提供できる旨記載されている。
しかしながら、このフッ素ゴム成形体では、耐プラズマ性、耐クラック性の点で十分でないという問題点がある。
特開2004−263038号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、特に半導体製造プロセスなどで、長時間継続的に使用してもクラックの発生がなく耐クラック性に優れ、またプラズマ環境下に長時間置かれても重量変化(低減)が少なく耐プラズマ性(耐ラジカル性)に優れ、プラズマ処理装置用シール材として好適に使用することができる、プラズマ処理装置用シール材等のフッ素ゴムシール材を提供することを目的としている。
本発明に係るフッ素ゴムシール材は、
(a) 架橋性フッ素ゴムと、
該架橋性フッ素ゴム100重量部に対して、
(b) 2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物[架橋性フッ素ゴム(a)を除く。]と、
(c) 分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し少なくとも前記反応性フッ素系化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物とを合計[(b)+(c)]で1〜10重量部の量で含有し、さらに、
(d)共架橋剤とを含むゴム組成物に、放射線処理してなることを特徴としている。
本発明に係るフッ素ゴムシール材の製造方法は、
(a)架橋性フッ素ゴムと、
該架橋性フッ素ゴム100重量部に対して、
(b)2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物[架橋性フッ素ゴム(a)を除く。]と、
(c)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し少なくとも前記反応性フッ素系化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物とを合計[(b)+(c)]で1〜10重量部の量で含有し、さらに、
(d)共架橋剤とを含むゴム組成物を
加熱下に加圧して予備成形し、得られた予備成形体に、放射線処理することを特徴としている。
本発明では、フッ素ゴムシール材及びその製造方法の何れの場合も、上記ゴム組成物中の反応性フッ素系化合物(b)と、上記反応性有機珪素化合物(c)とが液状であり、触媒の存在下に反応してゲル化し得るものであることが望ましい。
本発明においては、フッ素ゴムシール材及びその製造方法の何れの場合も、上記ゴム組成物中の架橋性フッ素ゴム(a)100重量部に対して、反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)とを合計で1〜10重量部の量で、共架橋剤(d)を3〜1
5重量部の量で含むことが望ましい。
本発明によれば、特に半導体製造プロセスなどで、長時間継続的に使用してもクラックの発生がなく耐クラック性に優れ、またプラズマ環境下に長時間置かれても重量変化(低
減)が少なく耐プラズマ性(耐ラジカル性)に優れ、プラズマ処理装置用シール材として
好適に使用することができる、プラズマ処理装置用シール材等のフッ素ゴムシール材が提供される。
また本発明に係るフッ素ゴムシール材の製造方法によれば、耐プラズマ性、耐クラック性等に優れたフッ素ゴム成形体が容易に得られる。
以下、本発明に係るフッ素ゴムシール材並びにその製造方法について具体的に説明する。
[フッ素ゴムシール材用のゴム組成物とフッ素ゴムシール材]
本発明に係るフッ素ゴムシール材は、下記に詳述する特定のゴム組成物を放射線照射(処理)してなる。この放射線照射により、成分(a)相互間、成分(a)と(b)、(c)との間などに、架橋反応などが起きて、化学結合が形成されて、優れた耐クラック性、耐プラズマ性等が付与されているものと推察される。
<ゴム組成物>
このゴム組成物は、架橋可能で反応性を有する硬化前のゴム組成物であり、架橋性フッ素ゴム(a)と、特定の反応性フッ素系化合物(b)と、特定の反応性有機珪素化合物(c)と、共架橋剤(d)とを含んでいる。
以下、この未処理(未架橋)ゴム組成物に含まれる各成分について初めに説明する。
<架橋性フッ素ゴム(a)>
架橋性フッ素ゴム(a)としては、本発明の目的に照らして各種半導体ドライプロセスで使用されるプラズマ(プラズマエッチング処理)に対する耐性を示すシール材が得られるようなゴム材が望ましく、ベースゴム材料(a)としては一般的に耐プラズマ性に優れた公知のフッ素ゴムが使用される。
本発明では、上記架橋性フッ素ゴム(a)としては、(イ)フッ化ビニリデン系の架橋性フッ素ゴム(FKM)単独で用いてもよく、また
(ロ)上記架橋性FKMに加えて、架橋性パーフルオロフッ素ゴム(FFKM)とフッ素系熱可塑性エラストマーのうちの何れか1種以上を含んでいてもよく、
(ハ)フッ素系熱可塑性エラストマーを単独で用いてもよい。
架橋性フッ素ゴム(a)としては、例えば、「フッ素系材料の開発」(1997年、シーエムシー社刊、山辺、松尾編、64pの表1)に挙げられているようなものを使用でき、具体的には、(1)2元系のビニリデンフルオライド(VDF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体ゴム(FKM)、四フッ化エチレン(TFE)/プロピレンゴム、3元系のビニリデンフルオライド(VDF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体ゴム、四フッ化エチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VDF)共重合体ゴム、ビニリデンフルオライド(VDF)/四フッ化エチレン(TFE)/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体ゴムに代表されるように、主鎖炭素(C)−炭素(C)結合を構成している炭素(C)の一部に直接結合する水素が存在し、主鎖炭素(C)−水素(H)結合が存在する通常のフッ化ビニリデン系のフッ素ゴム(FKM);
(2)四フッ化エチレン(TFE)/パーフルオロアルキル(アルキル基:好ましくはC
1〜C3、特にC1)ビニルエーテル共重合体ゴム(FFKM)、四フッ化エチレン(TFE)/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体ゴム、に代表されるように、主鎖炭素(C)−炭素(C)結合を構成している炭素(C)に直接結合する水素原子(H)が全てフッ素原子(F)などで置換されており、主鎖炭素(C)-水素(H)結合を持たな
いFFKM;
(3)押出成形等が可能なフッ素系熱可塑性エラストマー;などが挙げられる。
このような架橋性フッ素ゴム(a)のうちで、上記架橋性のFKMとしては、「ダイエルG902、G912」(ダイキン工業社製)、商品名「バイトン」(デュポン社製)、「ミラフロン」(旭化成社製)、「フルオレル」(3M社製)、「テクノフロン」(アウシモント社製)などの商品名で上市されているものを何れも使用可能である。
また上記フッ素系熱可塑性エラストマーとしては、商品名「ダイエルサーモプラスチックT550」(ダイキン工業社製)が挙げられる。
<反応性フッ素系化合物(b)>
反応性フッ素系化合物(b)としては、2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基(≡Si−H)と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有するものが用いられる。この2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造は、硬化反応に寄与する。
このような反応性フッ素系化合物(b)としては、好適には、前記特開2003−183402号公報の[0016]〜[0022]に記載のフッ素系エラストマー、特開平11-116684号公報あるいは特開平11-116685号公報[0006]〜[0014]に記載のパーフルオロ化合物等と同様のものが使用可能である。
具体的には、反応性フッ素系化合物(b)は、前記特開2003−183402号公報にも記載されているように、下記式(1)で表される。
CH2=CH-(X)p-(Rf-Q)a-Rf-(X)p-CH=CH2 ・・・・・(1)
式(1)において、Xは独立に-CH2-、-CH2O-、CH2OCH2-、-Y-NR1SO2-または-Y-NR1-CO-(但し、Yは-CH2-または-Si(CH3)2-Ph-(Ph:フェニレン基)であり、R1は水素原子又
は置換あるいは非置換の1価炭化水素基)を示し、Rfは2価パーフロロアルキレン基又は2価パーフロロポリエーテル基を示し、pは独立に0又は1であり、aは0以上の整数で
ある。また、Qは下記一般式(2)、(3)または(4)で表される。
特に、a=0の場合、式(1)は、
CH2=CH-(X)p-Rf-(X)p-CH=CH2 ・・・・・(1-a0)
[式(1-a0)中のX、p、Rfの定義は、上記(1)の場合に同じ。]
で表される。
この式(1-a0)において、Rfの具体例としては、−Cm2n−(m、n:1以上の整数
)、―[CF(CF3)OCF2p-(CF2r−[CF2OCF(CF3)]q−、−CF2CF2−[OCF2CF2CF2w−OCF2CF2−等が挙げられる。
Figure 2006342241
式(2)〜(4)において、X、p、R1は上記と同様の意味を示し、R3は置換または非
置換の2価炭化水素基である。また、R4は結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を介在させてもよい置換または非置換の2価炭化水素基、あるいは下記式(5)又は(6)で表される官能基である。
Figure 2006342241
式(5)、(6)において、R5は置換または非置換の1価炭化水素基、R6は炭素原子、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を主鎖構造中に含む基である。
このような反応性フッ素系化合物(b)として、上市されているものとしては、例えば、「SIFEL」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
<反応性有機珪素化合物(c)>
反応性有機珪素化合物(c)としては、分子中に2個以上のヒドロシリル基(≡Si−H)を有し、少なくとも前記反応性フッ素系化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可
能のものが用いられる。
反応性有機珪素化合物(c)としては、好適には、前記特開2003−183402号公報の[0023]〜[0027]に記載の架橋用ポリマー、特開平11-116684
号公報あるいは特開平11-116685号公報[0021]〜[0035]に記載の有
機ケイ素化合物と同様のものが使用可能である。
上記の反応性フッ素系化合物(b)は、分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し、アルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物(c)(架橋用ポリマー)により架橋される。この反応性有機珪素化合物(c)としては、ヒドロシリル基を2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物に通常用いられるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができるが、特に以下に示す化合物(7)及び(8)が望ましい。
Z-CH2CH2-(X)P-Rf-(X)P-CH2CH2-Z ・・・・・(7)
Rf-(X)P-CH2CH2-Z ・・・・・(8)
式(7)、(8)中、X、p、Rfは上記と同様の意味を示す。また、Zは下記式(9)または(10)で表される。
Figure 2006342241
但し、R2は置換または非置換の1価炭化水素基、bは化合物(7)においては1、2ま
たは3、化合物(8)においては2または3である。
また、R2において、1価炭化水素基としては、炭素数1〜8のものが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部または全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフロロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフロロヘキシル基等を挙げることができる。
反応性有機珪素化合物(c)として、上市されているものとしては、例えば、「SIFEL用架橋剤CP−2」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
<反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)とのゲル硬化反応用の触媒>
本発明においては、上記反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)とは触媒の存在下に反応してゲル化するが、このゲル化反応用の触媒としては、白金族化合物が好適に用いられる。
ゲル化反応用触媒としては、好適には、前記特開2003−183402号公報の[0028]に記載の白金族金属化合物等の付加反応触媒、特開平11-116684号公報
あるいは特開平11-116685号公報[0036]に記載の白金族金属系触媒等と同
様のものが使用可能である。
具体的には、上記成分(b)と成分(c)とのゲル化反応用の白金族化合物触媒等としては、前記特開2003−183402号公報等にも記載されているように、例えば、塩化白金酸または塩化白金酸と、エチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/(シリカまたはアルミナまたはカーボン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
白金化合物以外の白金族金属化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、特に制限されるものではなく、触媒量で所望の硬化速度を得ることができるが、経済的見地または良好な硬化物を得るためには、反応性フッ素系化合物(b)(成分(b))と、反応性有機珪素化合物(c)(成分(c))との合計量に対して0.1〜1,000ppm(白金族金属換算)、より好ましくは0.1〜500ppm程度の範囲とするのがよい。
上記反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)とのゲル化反応用触媒が、上記反応性フッ素系化合物(b)または反応性有機珪素化合物(c)に含まれているものとしては、「SIFEL POTTING GEL (SIFEL8070A/B)」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
上記反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)とを、ゲル硬化反応用の白金族金属化合物等の触媒の存在下に熱処理すると、ヒドロシリル基とアルケニル基の白金触媒下での付加反応が起こり、ゲル化物(ゲル状硬化物)(bc)が得られるものと推測される。なお、この(b)と(c)とのゲル状の反応硬化物{(b−c)の硬化物}は、このように触媒等の存在下で熱処理するだけで得られ、(b)と(c)とをゲル化させるためには、特に放射線架橋を実施しなくてもよい。
本発明において、上記成分「(b)+(c)」として好ましく用いられる上記「SIFEL POTTING GEL (SIFEL8070A/B)」(信越化学工業(株)製)には、上記反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)と、(b)と(c)とのゲル化反応用触媒とが含まれている。
そこで、硬化前の「SIFEL POTTING GEL (SIFEL8070A/B)」、すなわち、「SIFEL」中の硬化前(ゲル化前)の配合成分(A)と成分(B)と触媒とを、本発明で用いられる架橋性フッ素ゴム(a)(例:FKM)、さらには共架橋剤(d)などと配合して所望により加熱・加圧下に所望形状に成形(予備成形)、すな
わちゲル化している。
なお、後述するがこのように予備成形した後に、本発明では放射線処理(架橋)している。このように放射線架橋すると、フッ素ゴム成分(a)同士の架橋反応、あるいは、「
SIFEL8070A/B」を構成する上記成分(A)と(B)との付加反応(すなわち反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)との反応)、あるいは、フッ素ゴム成分(a)と「SIFEL8070A/B」との反応(すなわち、(a)と(b)と(c)との化学結合)などが進行することにより、特に、フッ素ゴム(a)の(b)、(c)による改質が良好に進行する結果、所望の物性の成形体と成っているものと思われる。なお、上記成形時には、必要により金型を用いて、加熱、加圧(予備成形)してもよい。
<共架橋剤(d)>
本発明に係る未加硫ゴム組成物には、共架橋剤(d)が含まれているが、この共架橋剤としては、例えば、本願出願人が先に提案した特開2003−155382号公報の[0019]等に記載の過酸化物架橋用架橋助剤を用いることができる。
共架橋剤(d)としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製「タイク」)、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、N,N'-m-フェニレンビス
マレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタルアミド、エチレングリコール・ジメタクリレート(三新化学社製「サンエステル EG
」)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(三新化学社製「サンエステル TM
P」)、多官能性メタクリレートモノマー(精工化学社製「ハイクロス M」)、多価ア
ルコールメタクリレートおよびアクリレート、メタクリル酸の金属塩などのラジカルによる共架橋可能な化合物が挙げられる。
これらの共架橋剤は、1種または2種以上組合わせて用いることができる。
これらの共架橋剤のうちでは、反応性に優れ、得られるシール材の耐熱性を向上させる傾向があるトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
なお、特開2004−263038号公報(特許文献1)においては同上のプレポリマー(トリアリルイソシアヌレートなどのプレポリマー)を使用して耐プラズマ性など向上させているが、恐らくは、該文献ではプレポリマーを非常に高充填し有機フィラーとして存在させることにより耐プラズマ性を向上させており、フッ素ゴム自体を改質するというものではない。
<配合組成>
本発明に係るゴム組成物には、上記架橋性フッ素ゴム(固形分)(a)100重量部に対して、反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)とを合計で通常1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の量で、
共架橋剤(d)を通常3〜15重量部、好ましくは4〜10重量部の量で含むことが望ましい。
上記反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)との合計((b)+(c))が上記範囲より少ないと、得られるシール材の耐プラズマ性の向上が認められない傾向があり、また上記範囲より多いと製造工程上、混練り作業がきわめて困難となる傾向がある。
また、上記共架橋剤(d)が上記範囲より少ないと架橋不足となる傾向があり、また上記範囲より多いと得られるシール材を、特にプラズマ処理装置用シール材として用いる上で、その架橋密度が高くなりすぎて、伸び等の物性面に悪影響を及ぼし、シール材に高温、圧縮時に割れが発生するなどの傾向がある。
なお、反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)とは、通常、ほぼ等量(重量比)で用いられるが、必要により例えば、(b)>(c)の量で用いてもよい。
上記(未加硫)ゴム組成物には、必要により、さらに受酸剤、充填材、架橋剤などが含
まれていてもよい。
<受酸剤>
受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これら受酸剤が含まれていると、得られたシール材の使用中にパーティクルを発生させるおそれがある。そのため、シール材には、パーティクル発生源となる充填材を一切含まないことが望ましく、本発明では、受酸剤を必要としない加硫方式であるパーオキサイド加硫を採用することが望ましい。
<充填材>
本発明では、充填材は可能な限り使用しないのが望ましいが、本発明の目的・効果を逸脱しない範囲で必要に応じて(例えば、物性の改善などを目的として)、有機、無機系の各種充填材を配合することもできる。
無機充填材としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられる。
有機充填材としてはポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これら有機、無機充填材は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明において使用可能な充填材は、これらに限定されない。
本発明においては、上記充填材のうちでは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が望ましく、充填材としてこのようなポリテトラフルオロエチレン樹脂を含むシール材では、シール材からのパーティクル発生を極力防止することができ、シール材のゴム成分がエッチングされても、半導体製造工程に悪影響を与えるようなパーティクルが比較的発生しにくいという利点がある。
<架橋剤>
本発明では架橋剤を通常、必要としないが、必要により使用可能な上記架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、本願出願人が先に提案した特開2003−155382号公報の[0018]等に記載のものが挙げられる。
<未架橋ゴム組成物の製造>
本発明に係るゴム組成物の製造方法では、それぞれ上記量で上記反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)と、
(a) 架橋性フッ素ゴムと、
(d)共架橋剤を添加混合して上記未架橋ゴム組成物を得ている。これら成分(a)〜(d)の添加順序は任意であり特に限定されない。
なお、反応性フッ素系化合物(b)と、反応性有機珪素化合物(c)との付加反応用触媒(例:白金触媒)は、例えば、反応性フッ素系化合物(b)および反応性有機珪素化合物(c)の何れかに付加反応用触媒を予め添加しておくなどの方法で、反応性フッ素系化合物(b)および反応性有機珪素化合物(c)と、架橋性フッ素ゴム(a)などと混練りする際に、これら(a)〜(d)の配合物に添加混合される。
ただし、本発明で使用する反応性フッ素系化合物(b)と有機珪素化合物(c)は、後に説明するように、流動性を有する液状のものを使用するため、実際には、成分(b)と成分(c)とが別体に包装され、予め、成分(b)または(c)に、成分(b)と(c)との付加反応促進用触媒の1種である白金触媒が添加混合されたもの{例:「SIFEL
POTTING GEL (SIFEL8070A/B)」、信越化学工業(株)製}などとして入手されるものである。これらの配合成分をオープンロールミキサなどの混錬機により公知の方法で混錬し、未架橋ゴム組成物を調製すればよい。
[フッ素ゴムシール材]
本発明に係るフッ素ゴムシール材は、プラズマ処理装置用シール材などに好適に使用できるが、このフッ素ゴムシール材は、上記の何れかに記載の未架橋ゴム組成物を所定の型内で加熱、加圧して所望形状に成形(予備成形)した後、放射線架橋してなる。
この架橋成形物は、耐プラズマ性、耐クラック性等に優れるため、半導体製造プロセスにおけるプラズマ処理プロセスに使用されるシール材、特に、プラズマ処理チャンバーユニットの開口部に使用されるゲートバルブをはじめとした駆動部用のシール材として優れている。
上記未架橋ゴム組成物の所定の型内での加熱、加圧(加熱プレス成形)は、通常のゴムの加硫と同様に、未架橋ゴム組成物(ゴムコンパウンド)を金型等の中に射出成形等の方法で充填し、加圧下に150〜230℃の加熱下に、5〜20分間程度加熱し成形(予備成形)することにより行われる。
次いで、上記予備成形物を、真空中又は不活性ガス雰囲気下に、減圧〜常圧下に放射線照射して所望の物性の成形体が得られる。
このように放射線照射すると、「(b)と(c)」(例えば、「SIFEL A/B」)が反応
する以外に、「(b)と(c)」(=SIFEL A/B)とフッ素ゴム(a)との反応、フッ素
ゴム(a)と成分(b)、(c)、(d)との間での何らかの化学結合などが生じて、その結果、主に「(b)と(c)」の作用によるフッ素ゴム(a)の改質が行われて、耐クラック性、耐プラズマ性が向上するのであろうと考えられる。
なお、放射線架橋後は、ゴム組成物の架橋反応が進んでいるため、通常、成型するのは困難である。よって、所定の形状に成型するためには、加熱・加圧による、放射線架橋前の予備成形が必要である。
なお、放射線架橋時に酸素が存在すると架橋反応が阻害され、成形体の機械的強度の低下、表面のベタツキの恐れがある。なお電子線では、空気中で照射してもよい。
なお、もし、放射線照射量が不足し、架橋によって未反応成分の反応を十分に完結することができない場合は、未反応成分が、半導体製造プロセスでシール材からパーティクルや放出ガスとして放出され、半導体製造プロセスの汚染源となる恐れがある。
上記不活性ガスとしては、アルゴン、窒素等が好ましい。
放射線としては、γ線、電子線、X線、陽子線、重陽子線、α線、β線などを1種または2種以上組合わせて用いることができ、γ線、電子線、特にγ線が使用上の利便性、架橋効率に優れる。
放射線照射量は、通常、1〜100kGy、好ましくは20〜80kGyである。このような量で放射線照射すると、得られる成形体としてのフッ素ゴムシール材は、耐プラズマ性、耐クラック性等に優れる傾向がある。なお、過剰量で放射線照射すると、フッ素ゴムの低分子化等が起こり、得られるフッ素ゴムシール材は、機械的強度が低下する傾向がある。
本発明では、成分(b)、(c)を含むものとして、この「SIFEL8070A/B」(信越化学社製)およびLIM成形用の「SIFEL3701A/B」などの流動性のある液状を呈する材料を用いることが必要である。成分(b)、(c)を液状の形で、上記ゴム成分(a)にブレンドしたゴム組成物を調製し、これを型内で加熱、加圧した後、放射線架橋によりゴム弾性体(シール材)に成形する。
なお、特開2004−263038号公報に記載の組成物では、上記放射線照射しても
、本発明のような効果が得られないのは、以下のような理由によるのであろうと推察される。
すなわち、ゴム(a)に対する(b)、(c)成分の「SIFEL」等に比べて、上記プレ
ポリマー(トリアリルイソシアヌレートなどのプレポリマー)のみを用いても、耐プラズマ性に寄与する効果が少ないこと、また、「SIFEL」はゲル状であるため、(a)に対す
る分散性が非常に良いが、上記プレポリマーは常温で固体であるため、ゴム中では海島構造になり、大きな改善が無いことなどが考えられる。
ところで、半導体分野では、パーティクルの発生が半導体製造に悪影響を与えることが知られている。耐プラズマ性に加え、プラズマ劣化を受けたとしてもパーティクルの発生が少ないシール材が求められている。
プラズマ劣化によるシール材からのパーティクル発生を低減するために、シール材からのパーティクル発生源と考えられている充填材を含まないシール材とするには、「SIFEL POTTING GEL (SIFEL8070A/B)」が最も望ましい。
LIM成形用の材料(SIFEL3701A/B)の場合には、予め充填材が配合されているのに対し、SIFEL8070A/Bはゲル形成用材料であり充填材が入っていないため、このような要求に応えることができる。また、充填材がはいっていないことからLIM成形用の材料よりも高い流動性を有するので、ブレンドの分散性の観点からもより好ましい。
本発明では上記ゴム組成物を型内で加熱、加圧した後、さらに放射線架橋(処理)しており、(b)-(c)のゲル化反応完遂というよりは、主としてフッ素ゴム(a)の改質
が良好に行われ、また未反応成分を分解揮散させることができ、よりパーティクル発生の少ないシール材となっている。
このように本発明に係るプラズマ処理装置用シール材に代表される架橋成形体は、従来品と比較し、飛躍的に耐プラズマ性、耐クラック性が向上しており、充填材の配合が全く不要(組成物あるいは架橋成形体中の充填材含有量:0重量%)〜含有するとしても極微量(例:1.0〜10.0重量%程度)に抑制可能であるため、プラズマ処理装置用シール材として用いてもパーティクルが発生しないという優れた効果がある。
また、該シール材は、その価格がフッ素ゴム(FKM)と同等であり安価である。
[実施例]
以下、本発明について実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。
[測定条件等]
<耐プラズマ性>
特開2004−134665号公報にも記載されているように、平行平板型低温プラズマ照射装置(電極径φ300mm、電極間距離50mm)を用い、アース側電極とプラズマ源とを対向させ、アース側電極上に試験片となるシール材(O−リング)を円柱に嵌めて10%伸張した状態で載置して、試験片のプラズマ源側表面をパンチングメタルで遮蔽し、さらにその表面をスチールウールで遮蔽して、シール材がプラズマ照射によりイオンの影響を受けず、ラジカルの影響のみを受けるようにセットした。
次いで、出力RF300W、ガス混合比O2/CF4=180/20(cc/分、流量比(容積比))、ガス総流量150sccm、真空度80Paのダウンフロー条件で、6時間プラズマ照射試験を行った。
このときの試験前後のシール材の重量(質量)を測定し、試験前の質量(g)をx、試験後の質量をy(g)として下記式により質量減少率(重量変化率)を算出した。
該質量減少率(%)が少ないほど耐プラズマ性に優れることを示す。
質量減少率(%)=[(x−y)/x]×100
なお、表1では、比較例1で用いたシール材の重量変化率を1.0(基準)として、本願実施例及びその他の比較例の重量変化率を示している。
<クラック発生時間(単位:時)>
上記条件下において、プラズマ照射1時間ごとにシール材を取り出し、目視にて、クラックの発生の有無を確認した。
[実施例1]
架橋性フッ素ゴムとして熱可塑性フッ素ゴム「ダイエルサーモプラスチックT550」{ダイキン工業(株)製。}に、
2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖にヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物(b)、及び、分子中に2個以上のヒドロシリル基を有しアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物(c)、及び、(b)と(c)との付加反応用の白金族化合物触媒を含み、(b)と(c)との反応によりゲル化可能な成分である「SIFEL8070A/B」{信越化学工業(株)製}および、共架橋剤(「TAIC」、日本化成社製)を添加(配合)し、ラボプラストミルを用いて220℃の温度で10分混練し、ゴムコンパウンドを得た。
このゴムコンパウンドを金型に充填し、圧力20kgf/cm2をかけて、220℃の温度で
10分間加熱し予備成形を行った。
次いで、上記金型から予備成形された成形体を取り出し、不活性ガス置換された袋(材質:ポリプロピレン(PP))に入れ、80kGyで放射線処理(架橋)を行った。
得られた成形体について、表1に示すクラック発生までの所要時間(h)、耐プラズマ性{重量減少率(%)、条件:ダウンフロー環境、6時間遮蔽、O2:CF4=180:20、O−リング10%伸張。比較例1を基準値:1.0。}を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、放射線量を表1のように40kGyに変えた以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体について、表1に示す耐クラック性、耐プラズマ性(重量減少率(%)、条件:同上)を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、表1の配合組成に示すように、フッ素系熱可塑性エラストマーとしては、商品名「ダイエルサーモプラスチックT550」(ダイキン工業社製)のみを用い、「SIFEL8070A/B」{信越化学工業(株)製}および共架橋剤「TAIC」(日本化成社製)の両者を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、成形体を得た。
得られた成形体について、表1に示す耐クラック性、耐プラズマ性を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、表1の配合組成に示すように架橋性フッ素ゴム「T550」(ダイキン工業(株)製)100重量部と、共架橋剤「TAIC」(日本化成社製)1重量部と
を用い、「SIFEL8070A/B」{信越化学工業(株)製}を配合しなかった以外は実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体について、表1に示す耐クラック性、耐プラズマ性を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例2において、共架橋剤「TAIC」(日本化成社製)1重量部に代えて、「TA
IC Pre−Polymer」(日本化成社製)5重量部で用いた以外は、比較例2と同様にした。
得られた成形体について、表1に示す耐クラック性、耐プラズマ性を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、放射線架橋しなかった以外は、実施例1と同様にした。
得られた成形体について、表1に示す耐クラック性、耐プラズマ性を上記試験条件下で測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2006342241

Claims (4)

  1. (a) 架橋性フッ素ゴムと、
    該架橋性フッ素ゴム100重量部に対して、
    (b) 2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物[架橋性フッ素ゴム(a)を除く。]と、
    (c) 分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し少なくとも前記反応性フッ素系化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物とを合計[(b)+(c)]で1〜10重量部の量で含有し、さらに、
    (d)共架橋剤とを含むゴム組成物に、放射線処理してなるフッ素ゴムシール材。
  2. 上記反応性フッ素系化合物(b)と、上記反応性有機珪素化合物(c)とが液状であり、触媒の存在下に反応してゲル化し得るものであることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ゴムシール材。
  3. 上記架橋性フッ素ゴム(a)100重量部に対して、反応性フッ素系化合物(b)と反応性有機珪素化合物(c)とを合計で1〜10重量部の量で、共架橋剤(d)を3〜15重量部の量で含む請求項1〜2の何れかに記載のフッ素ゴムシール材。
  4. (a) 架橋性フッ素ゴムと、
    該架橋性フッ素ゴム100重量部に対して、
    (b) 2価パーフロロポリエーテル構造または2価パーフロロアルキレン構造を有し、末端あるいは側鎖に少なくとも有機珪素化合物(c)中のヒドロシリル基と付加反応可能なアルケニル基を2個以上有する反応性フッ素系化合物[架橋性フッ素ゴム(a)を除く。]と、
    (c) 分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し少なくとも前記反応性フッ素系化合物(b)中のアルケニル基と付加反応可能な反応性有機珪素化合物とを合計[(b)+(c)]で1〜10重量部の量で含有し、さらに、
    (d)共架橋剤とを含むゴム組成物を加熱下に加圧して予備成形し、得られた予備成形体に、放射線処理することを特徴とするフッ素ゴムシール材の製造方法。
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