JP2005126542A - フッ素ゴム組成物及びその硬化物を含む物品 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(1)で表される高分子化合物100質量部
【化17】
Figure 2005126542

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
(B)平均粒径0.001〜200μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子10〜300質量部(C)パーオキサイド架橋剤0.1〜10質量部を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物。
【効果】 耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、透湿性等の諸特性に優れている上、低温特性と耐フッ酸性に優れた硬化物を与える硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、撥水性、撥油性に優れ、かつ低温特性の良好な硬化物ゴムを得ることができる硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム製品に関する。
1分子中に2個のビニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中に1個以上のフッ素含有基を有し、かつ2個以上のヒドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン及び触媒量の白金族化合物(ヒドロシリル化反応触媒)から成る組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、低温特性、透湿性等の性質がバランスよく優れた硬化物を得ることができることが特許第2990646号公報において提案されている。
また、特願2002−001257号においては主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有するフルオロポリエーテル化合物と補強性フィラーとパーオキサイド架橋剤とからなる組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、低温特性の性質がバランスよく優れた硬化物を得ることができることが示されている。
これらのフルオロポリエーテルゴム組成物は−50℃以下でも柔軟性を失わず、フッ化オレフィン系エラストマー類で問題となる長時間の低温環境でも脆化することのない優れた低温特性を示す。
このようなフルオロポリエーテルゴム組成物の場合、使用目的に応じた物性の硬化物を得るために、しばしばヒュームドシリカ、石英粉末、ガラス繊維、カーボン及び酸化チタン等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩等の無機系の充填材が添加される。
ところがフッ酸成分の存在下では、これら無機系の充填材をの配合量が増えるに従いた硬化物では内部にフッ素イオンが容易に浸透し易くなり耐フッ酸性が低下してしまうという欠点がある。
一方、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンあるいはテトラフルオロエチレンの共重合体に代表されるフッ化オレフィン系エラストマー類は耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に優れ、耐フッ酸性についても比較的良好な材料であり、シール、ガスケット、ホース、O−リング等に広く用いられている。
しかし、一般にこれらのフッ化オレフィン系エラストマー類は低温で剛性を示しゴムとしての性能を発揮しなくなることも広く知られている。たとえばフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロプロピレンとの共重合体のガラス転移温度は0℃よりもわずかに低い程度であり、さらに低い温度や、長時間の低温環境下では容易に脆化する。このため低温にさらされる条件下で使用できないという大きな欠点がある。
特許第2990646号公報 特願2002−001257号
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、透湿性等の諸特性に優れている上、低温特性と耐フッ酸性に優れた硬化物を与える硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(1)で表される高分子化合物、
Figure 2005126542

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
(B)平均粒径0.001〜200μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子、(C)パーオキサイド架橋剤から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、低温特性、透湿性等の諸特性に優れている上、低温特性、耐フッ酸性に優れつ硬化物を与える硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(A)成分、(B)成分、(C)成分を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物及びこの組成物を硬化してなるフッ素ゴム硬化物を部分構造又は全体構造として有する物品を提供する。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分
(A)成分は、25℃の粘度が1,000Pa・s以上、好ましくは2,000〜100,000Pa・s、更に好ましくは2,000〜10,000Pa・sの下記一般式(1)で表される高分子化合物である。
Figure 2005126542

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
この場合、nは上記粘度を与える数である。この場合、(A)成分は、通常生ゴム状のものが好ましく、ノナフルオロブチルメチルエーテルに10質量%の濃度で溶解させたときの溶液の動粘度が2.0mm/s以上、より好ましくは5〜50mm/s、特に10〜40mm/sであることが好ましい。
Rfはそれぞれ独立に、C2m(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基、又は下記式(2)、(3)、(4)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基であることが好ましい。
Figure 2005126542

(Xはそれぞれ独立にF又はCF基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)
Figure 2005126542

(Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数。)
Figure 2005126542

(yは1〜100の整数。)
二価のパーフルオロアルキレン基は直鎖でも分岐していてもよく、例えば−C−、−C−、−C−、−C12−、−C16−、−C1020−、−CCF(CF)C−などが例示される。
二価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、例えば下記のものが例示される。
Figure 2005126542
Figure 2005126542
また、Qは下記式(5)で表される基であることが好ましい。
Figure 2005126542
(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、Rは水素原子又はRと同様の一価炭化水素基、Rは酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、RはRと同様の一価炭化水素基、RはRと同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基を示す。)
、R 、R の例示:
、Rは炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基であり、Rは水素原子又はRと同様の一価炭化水素基である。R、R、Rの一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。
の例示:
はRと同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基である。Rの脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基としては、例えばビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基及び下記構造の基が例示される。
(Siとの結合部位を示すために、化学式中にSiを記す。)
Figure 2005126542
または、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基として、下記のものが例示される。
(Siとの結合部位を示すために、化学式中にSiを記す。)
Figure 2005126542
の二価の有機基の例示:
は酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基である。Rの二価炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等のアリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基などが挙げられる。
Zは炭素原子数1〜30の一価炭化水素基等の有機基であって、酸素、窒素、硫黄、ケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよく、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、これらの基の途中に、エーテル結合、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合、スルホニルアミド結合、シロキサン結合等を含んだ基を挙げることができる。
(B)成分
(B)平均粒径0.001〜200μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子
本発明における成分(B)は平均粒径0.001〜200μm好ましくは0.05〜50μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子である。成分(B)は成分(A)に対する充填剤として作用するが、成分(B)の平均粒径が0.05μmに満たないと十分な量を添加することができず、また50μmを超えると最終的な硬化物のゴム強度を上げることが困難になる。
該粒子の原料である含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデンおよび/またはテトラフルオロエチレンを含むモノマー群からなるラジカル共重合性のモノマーを共重合してなるものが特に好適であり、共重合性のモノマー群のフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン以外のモノマーとしては、具体的にはヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロペン等の含フッ素エチレン性不飽和モノマー、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル等のパーフルオロビニルエーテル類、、パーフルオロシクロブテン、パーフルオロメチルシクロプロペン等のフッ素化環状オレフィンが、エチレン、プロピレン等の非フッ素化炭化水素エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。
また共重合体を硬化させるためポリマーの主鎖中に架橋部位を導入させるため、ヨウ素、臭素、シアノ基等の官能基をつモノマーも使用できる。これらの共重合体は単独あるいは複数の共重合体の混合物として硬化物を作成できる。共重合体の硬化方法は特に限定されないがパーオキサイド、ポリオール、アミン架橋、あるいは放射線架橋などの既知の方法が利用でき、特にパーオキサイド架橋、放射線架橋による硬化が望ましい。
架橋方法としてアミン架橋を採用する場合、架橋剤としては、1級または2級ポリアミンが用いられる。ポリオール架橋を採用する場合、ビスフェノールA、ビスフェノールAFなどのポリオールと水酸化カルシウム、水酸化バリウム、グアニジン、イミダゾールなどの架橋促進剤との組み合わせが用いられる。パーオキサイド架橋を採用する場合、一般に10時間での半減温度100℃以上のパーオキサイド、たとえばジクミルパーオキサイド、クミルヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドなどが用いられる。
アミン架橋、ポリオール架橋およびパーオキサイド架橋を採用する場合には、上記した共重合体に架橋方法に応じて各種架橋剤を配合する。架橋剤の配合量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらに0.5〜5質量部が好ましい。架橋剤の量が 10質量部をこえると物性に悪影響を与える可能性があり、0.05質量部以下では架橋が不十分になったり、架橋速度が遅くなったりするので好ましくない。
さらに、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、架橋助剤、補強剤、受酸剤、増量剤、可塑剤、着色剤などを添加してもよい。好ましい架橋助剤の具体例としてはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートおよびN,N′−m−フェニレン−ジマレイミド、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのような多不飽和架橋助剤が挙げられる。補強剤の例としてはカーボンブラック、グラファイト、シリカ、タルクなどが例示できる。受酸剤としては酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛などが例示できる。増量剤としては硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機塩などが例示できる。可塑剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ジオクチルフタレート、ジクレシルフタレートなどが例示できる。着色剤としては酸化チタン、酸化モリブデン、酸化鉄などが例示できる。
上記の硬化組成物を硬化する条件は、その硬化方法により異なるが、加熱温度100〜250℃で5〜120分キュアすることによって得られ、更に必要に応じて100℃〜300℃で1〜30時間程度の熱処理で2次キュアー硬化物の物性を安定させることができる。
硬化物粉体の調整法はとくに限定されないが、例えば硬化物の粉砕による方法、共重合体の微粒子状での硬化による方法が挙げられる。
硬化物の粉砕による方法の場合、例えば以下の様な手順が示される。まず共重合体および必要に応じて充填剤、架橋剤等をカレンダーロール、ニーダーなどの混練り機により均一に混合した後、シート状、ブロック状などの適切な形態で硬化物を作成する。得られた硬化物を溶解せずに膨潤させる溶媒に浸漬し、十分膨潤した硬化物をガラス転位温度好ましくは脆化点以下の温度環境で凍結させた状態でカッターミル、ジェットミル、ハンマーミル等の粉砕器などで粉砕する。あるいは、作成した硬化物をシリコーンカーバイド等のグラインダーを用いて摩耗させ粉状にする手法などでも粉体の作成は可能である。
共重合体の微粒子状での硬化による方法の場合、共重合体の水性分散液あるいは非水性分散液を作成し、これを加熱や放射線照射により架橋硬化させたのちにスプレー乾燥などの手法で硬化物粉体を回収する。これらの手法で得られた硬化物微粒子は必要に応じて篩などにより分級をおこない使用することができる。
(B)成分の含フッ素エラストマー硬化物粒子の(A)成分に対する添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分100質量部に対して10〜300質量部、特に20〜200質量部が好適である。上記含フッ素エラストマー硬化物粒子が少なすぎると十分なコスト効果が得られず、多すぎると硬化して得られたゴムの強度が低下する。
(C)成分
本発明の(C)成分のパーオキサイド架橋剤としては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネートなどが挙げられるが、架橋効率性、保存安定性やスコーチ防止の点から、2,5−ジメチル−2,5−ビス−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネートが好ましい。
上記パーオキサイド架橋剤の添加量は、(A)成分を硬化させるに十分な量であればよいが、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部、特に0.5〜3質量部が好ましい。0.1質量部に満たないと架橋が不十分になったり架橋が遅くなる場合があり、5質量部を超えると物性に悪影響を与える場合がある。
この組成物には、その実用性を高めるために、内添離型剤、ウェッター、顔料、染料などの種々の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明のフッ素ゴム組成物は、
(a)(A)成分に対し、(B)成分の含フッ素エラストマー硬化物粒子を添加する工程(b)次いで(C)成分の架橋剤を添加する工程
によって製造することができる。
(a)工程は、一般的なゴムの配合に用いられるゴム用ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ゴム用2本ロール等を用い、フィラーを添加しながら混練すればよい。
これらの配合の際は、常温であっても何ら問題ないが、剪断熱を安定にするなどの目的によりポリマーが分解しない温度範囲で加熱してもよく、その条件は100〜300℃で10分〜8時間程度が望ましい。
(b)工程は、(C)成分の架橋剤を配合する工程であるが、装置としてはニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどは混合発熱により架橋が進行するスコーチ現象の危険があり好ましくなく、分出し作業も行うことができるゴム用2本ロールが望ましく、練り作業時の発熱による架橋の進行を抑えるために冷却設備を有するものがよい。
本発明の組成物の硬化条件は、一次キュアーとして100〜200℃で1〜30分が好ましい。100℃未満では硬化時間が長くなってしまうため、工業的生産性に劣る場合があり、200℃を超えるとスコーチ発生の危険性があるため、100〜200℃が好ましく、更には120〜170℃が好適である。その場合の硬化時間は架橋反応が完了する時間を適宜選択すればよい。また、本組成物の物性を安定化させるため、100〜230℃で1〜24時間程度の熱処理で二次キュアーをすることが好ましい。二次キュアーは100℃未満では効果が少なく、230℃を超えると熱分解するおそれがある。更に好ましくは150〜200℃で1〜20時間が好適である。
本発明の硬化性組成物は、これを硬化・成形してゴム製品として、種々の用途に使用することができる。例えば、フューエル・レギュレータ用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクタ用O−リングなどのO−リング類、あるいはオイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材などの自動車用ゴム部品、ポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどの化学プラント用ゴム部品、ダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのインクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、ポンプ用ダイヤフラム、O−リング、パッキン、バルブ、ジョイントなどの分析、理化学機器用ゴム部品、医療機器用ゴム部品、テント膜材料,シーラント,成形部品,押出部品,被覆材,複写機ロール材料,電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布、航空機用エンジンオイル、ジェット燃料、ハイドローリックオイル、スカイドロール等の流体配管用O−リング、フェースシール、パッキン、ガスケット、ダイヤフラム、バルブ等の航空機用ゴム部品などに使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
[実施例1]
(A)成分
Figure 2005126542

はC−又はCH=CHC−であって、その比率は5:5である。
(B)成分
以下の組成物をゴム用75トンプレスにて170℃,10分間の条件で1mm厚のゴムシートを作成した後に、200℃,4時間のポストキュアーを行った。以下、部数はすべて質量部である。
バイトンGFLT 100部(デュポンダウエラストマー社製フッ素ゴム)
MTカーボン 30部
水酸化カルシウム 3部
トリアリルイソシアヌレート 3部
パーヘキサ25B 2部(日本油脂製: 2,5−dimetyll−2,5−bis (t−butylperoxy)hexane)
得られた硬度75のゴムシートをテトラヒドロフラン中で膨潤させた後に細断した物を、液体窒素中凍結させて粉砕し、得られた粉体を分級することで得られた平均粒径23μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子。
(C)成分
パーオキサイド架橋剤 : t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート
上記、(A),(B)、(C)成分と架橋剤をゴム用2本ロール上で以下の配合で混合して硬化可能なフッ素ゴム組成物を得た。
(A)成分 100部
(B)成分 50部
(C)成分 2部
得られた組成物を、ゴム用75トンプレスにて170℃,10分間の条件で2mm厚のゴムシートを作成した後に、200℃4時間のポストキュアーを行い、硬度69の硬化物を得た。
[比較例1]
実施例1で得られた硬化物シートと(B)成分の組成の硬化物シートについて、JIS K 6261に基づいて、ゲーマンねじり試験を行い低温特性を調べた。結果を表1に示す。
[表1]ゲーマンねじり試験における比モジュラス温度
Figure 2005126542
[比較例2]
実施例1における(B)成分の代わりにVP−NVX300(日本アエロジル社製商品名…ケイ素系表面処理剤で処理されたヒュームドシリカ)30部を使用した組成物を、ゴム用75トンプレスにて170℃,10分間の条件で2mm厚のシートを作成した後に、200℃ 4時間のポストキュアーを行い硬度70のシートを得た
[比較例3]
硬化物の耐フッ酸性を10%フッ酸浸漬(室温、168h)後の硬度変化で比較した結果を表2に示す。
[表2] 10%フッ酸浸漬による硬度変化
Figure 2005126542



Claims (6)

  1. (A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(1)で表される高分子化合物、 100質量部
    Figure 2005126542

    (但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
    (B)平均粒径0.001〜200μmの含フッ素エラストマー硬化物粒子 10〜300質量部
    (C)パーオキサイド架橋剤 0.1〜10質量部
    を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物。
  2. 式(1)において、Rfが、C2m(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又は下記式(2)、(3)、(4)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基であり、
    Figure 2005126542

    (Xはそれぞれ独立にF又はCF基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)
    Figure 2005126542

    (Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数。)
    Figure 2005126542

    (yは1〜100の整数。)
    式(1)において、Qが、下記式(5)で表される基であり、
    Figure 2005126542

    (但し、
    は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、
    は水素原子又はRと同様の一価炭化水素基、
    は酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、
    はRと同様の一価炭化水素基、
    はRと同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基
    を示す。)
    式(1)において、Zは酸素、窒素、硫黄、ケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよい炭素原子数1〜30の一価の有機基である請求項1記載の組成物。
  3. (B)成分の含フッ素エラストマー硬化物粒子が、フッ化ビニリデンおよび/またはテトラフルオロエチレンを含むモノマー群からなる共重合体硬化物の粒子であるような請求項1、2または3記載の硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物
  4. 請求項1、2又は3記載の組成物を硬化してなるフッ素ゴム硬化物を部分構造又は全体構造として有する物品。
  5. 物品が自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機器用、医療機器用、航空機用又は燃料電池用である請求項4記載のゴム製品。
  6. 物品がダイヤフラム、バルブ、O−リング、オイルシール、ガスケット、パッキン、ジョイント又はフェースシールである請求項4又は5記載のゴム製品。

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