JP2006341270A - 局部加圧鋳造金型 - Google Patents

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Mitsuaki Ueno
光明 上野
Yuji Ishii
裕士 石井
Yoshimichi Asai
良道 浅井
Yukihiro Mukoda
行宏 向田
Tadashi Okada
正 岡田
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Abstract

【課題】加圧ピンの加圧タイミングが多少遅れても、製品表面に割れが発生する虞のない局部加圧鋳造金型を提供する。
【解決手段】キャビティ3内に加圧ピン4を押し込んで溶湯を加圧する局部加圧鋳造金型において、キャビティ3に面する型面に、加圧ピン4から離間して加圧ピンを取り囲む凹溝5を形成してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビティ内に加圧ピンを押し込んで溶湯を加圧する局部加圧鋳造金型に関する。
金型鋳造法により製品を鋳造する場合、製品の一部に肉厚の厚い部分があると、その部位が孤立して凝固収縮し、内部に鋳巣が発生し易くなる。その対策のひとつとして、厚肉部を成形する金型のキャビティ内に加圧ピンを押し込んで溶湯を加圧する局部加圧鋳造法が知られている(特許文献1参照)。
特開平6−134549号公報(第1図)
この鋳造法においては、加圧ピンを押し込むタイミングが難しく、タイミングが適切でないと、種々の不具合が生じる。図2はタイミングが遅い場合の、不具合の発生を示している。すなわち、加圧ピンを押し込むタイミングが遅れると、同図(a)に示すように溶湯aの凝固がある程度進行し、金型100,101の型面と接する箇所に凝固層bを形成している。
ここで、同図(b)に示すように加圧ピン102をキャビティ103内に押し込むと、凝固層bが金型の型面から剥離されることになる。凝固層bはキャビティ103の厚肉部と面する型面全体に亘って形成されているため、凝固層bの剥離に時間を要する。つまり、剥離が完了した時には、溶湯aの凝固がかなり進行している。このため、凝固層bのあった箇所に溶湯aが流れ込みにくく、製品の厚肉部表面にリング状の割れcが生じ易くなる。
なお、加圧ピン102を押し込むタイミングが早いと、キャビティ103内への溶湯の充填が不十分なままで加圧ピン102の押し込みが行われることになるので、溶湯aの加圧効果が得られず、鋳巣の発生を防止できなくなる。
ところで、加圧ピン102を加熱してキャビティ103内に押し込んだり、金型100のキャビティ厚肉部と面する部分を加熱しながら加圧ピン102を押し込んだり、加圧ピン102と金型100を加熱した状態で加圧ピン102を押し込んだりする方法も提案されている。しかし、このような方法では、加圧ピン102で加圧されるキャビティ103内の溶湯aが加熱されて凝固しにくくなっているため、加圧ピン102の周りの溶湯aが急激に冷やされてかじりつき、品質の安定した製品が得られにくくなる。
本発明は、このような事情に鑑み、加圧ピンの加圧タイミングが多少遅れても、製品表面に割れが発生する虞のない局部加圧鋳造金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、キャビティ内に加圧ピンを押し込んで溶湯を加圧する局部加圧鋳造金型において、キャビティに面する型面に、加圧ピンから離間して加圧ピンを取り囲む凹溝または突起を形成したことを特徴とする。
かかる構成によれば、キャビティの厚肉部と面する型面に、溶湯が接してほぼ均一な厚さの凝固層を形成するが、その厚さは凹溝の箇所だけ大きくなり、型面に対する接合強度もこの部分だけ大きくなる一方、突起の箇所では凝固層の厚さが小さくなり、型面に対する接合強度もこの部分だけ小さくなる。キャビティ内に加圧ピンが押し込まれると、加圧ピンの周囲の凝固層が型面から剥離されるが、その際、凝固層の型面凹溝または突起に面する箇所に応力が集中し、凝固層が凹溝または突起と面する部分と一般部分との境界で破断し、凹溝の内側の凝固層だけが型面から剥離される。
本発明によれば、キャビティ内に加圧ピンを押し込むと、凝固層の型面凹溝または突起に面する箇所が応力の集中によって破断し、凹溝または突起の内側の凝固層だけが型面から剥離し、凝固層の剥離時間が短くなる。このため、凝固層の剥離が完了した段階でも、周囲の溶湯の凝固はあまり進行してなく、凝固層のあった箇所への溶湯の流れ込みが可能になり、製品表面に割れが発生する虞がなくなる。
さらに、凹溝または突起は加圧ピンから離間させてあるので、加圧ピンの摺動抵抗が少なくて済む。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は局部加圧鋳造金型を示している。
この鋳造金型は固定型1と可動型2の間にキャビティ3を形成してあり、固定型1には加圧ピン4を設けてある。固定型1の型面でキャビティ3の厚肉部と面する箇所には、加圧ピン4から離間して加圧ピン4を取り囲む凹溝5を形成してある。この凹溝5は、断面半円形に形成されて加圧ピン4を中心とする円に沿って延びている。凹溝5を加圧ピン4を中心とした円形にすると、加圧ピン4を押し込んだ際の、凝固層bの凹溝5内における応力分布が均等になって、より破断し易くなり、凹溝5の内側の凝固層bを型面からきれいに剥離させることができる。
この鋳造金型では、キャビティ3内に溶湯aを充填し、加圧ピン4をキャビティ3内に押し込んで溶湯aを加圧している。加圧ピン4を押し込むタイミングが遅れると、図1(a)に示すように溶湯aの凝固がある程度進行し、金型1,2の型面と接する箇所に凝固層bを形成している。この凝固層bは型面全体に亘ってほぼ均一な厚さに形成されているが、その厚さは凹溝4の箇所だけ大きくなり、型面に対する接合強度もこの部分だけ大きくなる。なお、凝固層bの凝固は凹溝4の位置から始まり、徐々に型面全体に拡散していく。
ここで、同図(b)に示すように加圧ピン4をキャビティ3内に押し込むと、加圧ピン4の周囲の凝固層bが型面から剥離されるが、その際、凝固層bの凹溝5に面する箇所に応力が集中し、凝固層bが凹溝5に面する部分と一般部分との境界で破断し、凹溝5の内側の凝固層bだけが型面から剥離されるので、図2の場合に較べて、凝固層bの剥離時間が短くなる。このため、凝固層bの剥離が完了した段階でも、周囲の溶湯aの凝固はあまり進行してなく、凝固層bのあった箇所への溶湯の流れ込みが可能になり、製品表面に割れが発生する虞がなくなる。
以上、型面に凹溝5を形成する実施形態を例として述べたが、凹溝5に代えて突起(図示せず)を形成してもよい。このようにしても、凝固層bに応力の集中する箇所が形成できるからである。換言すると、凝固層bの厚さは突起の箇所だけ小さくなり、型面に対する接合強度もこの部分だけ小さくなるので、加圧ビン4をキヤビティ3内に押し込む際に、やはり凝固層bの突起に面する箇所に応力が集中するからである。
金型は通常除去加工によって製作することから、突起よりも凹溝の方が製作コスト上好ましい。なお、以上の実施形態では、凹溝5の断面形状は略半円形にしてあるが、V形あるいはW形、ノッチ形などであってもよい。
ところで、凹溝5が加圧ピン4と隣接配置していると、この凹溝5の付近に形成される凝固層bによって、加圧ピン4の摺動抵抗が大きくなるが、本実施形態では、凹溝5を加圧ピン4から離間させて配置してあるので、加圧ピン4の摺動抵抗は少なくて済む。
本発明の局部加圧鋳造金型を示す断面図。 従来の局部加圧鋳造金型を示す断面図。
符号の説明
1 固定型
2 可動型
3 キャビティ
4 加圧ピン
5 凹溝5
a 溶湯
b 凝固層

Claims (1)

  1. キャビティ内に加圧ピンを押し込んで溶湯を加圧する局部加圧鋳造金型において、キャビティに面する型面に、加圧ピンから離間して加圧ピンを取り囲む凹溝または突起を形成したことを特徴とする局部加圧鋳造金型。
JP2005168695A 2005-06-08 2005-06-08 局部加圧鋳造金型 Withdrawn JP2006341270A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2940158A1 (fr) * 2008-12-19 2010-06-25 Peugeot Citroen Automobiles Sa Procede et systeme de moulage d'une piece metallique de fonderie
CN104907525A (zh) * 2015-07-17 2015-09-16 昆山莱捷有色金属有限公司 局部增压模具
CN104923764A (zh) * 2015-07-17 2015-09-23 昆山莱捷有色金属有限公司 局部减肉模具

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