JP2007260752A - 鋳型装置、鋳造方法、および塗型方法 - Google Patents

鋳型装置、鋳造方法、および塗型方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間にその押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えた鋳型装置等に関し、十分な押湯効果を得ることやキャビティ内のエア抜きの効率低下を防止することができる。
【解決手段】押湯形成空間画定体22,23が、隣接した画定部材22,23の間に押湯形成空間Rへつながる隙間225,226,228を有するものであり、収容室21が、押湯形成空間Rへ向けて隙間225,226,228に加圧流体を供給する加圧流体供給孔2121を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間にその押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えた鋳型装置、その鋳型装置を用いた鋳造方法、およびその鋳型装置に塗型剤を塗布する塗型方法に関する。
型閉めされることによって形成されたキャビティに溶湯を充填し鋳造品を得るにあたって、キャビティ内に存在するエアを溶湯の充填に伴って外部へ効率よく抜く工夫が施された鋳型装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載された鋳型装置では、内周縁を有する画定部材を積み上げてその画定部材の内周縁によって押湯形成空間を画定し、隣り合う画定部材の間に押湯形成空間につながる隙間を設けて、この隙間からキャビティ内のエアが抜けるようにしている。
特開平8−243722号公報
ところで、高品質な鋳造品を得るには鋳造組織を緻密にすることが必要であり、押湯効果を十分に効かせなければならない。しかしながら、特許文献1には、十分な押湯効果を効かせることについての工夫は記載されていない。
また、高品質な鋳造品を得るには湯回り性を良好にすることも必要である。湯回り性は鋳型が冷えてくると悪化する傾向にあり、このため鋳型の保温が必要になる。さらに、高品質な鋳造品が得れても抜型がうまくいかないと、鋳造品の表面の平滑度が低下してしまう。そのため、鋳造品の、鋳型からの離型性を高めることも重要である。そこで、鋳型の保温性や鋳造品の離型性を高めるため鋳型には塗型剤が塗布される。特許文献1に記載された鋳型装置では、画定部材の内周縁に押湯形成空間側から塗型剤を塗布すると、隣り合う画定部材の間に設けられた隙間に塗型剤が入り込んで塗型剤によってその隙間が塞がれてしまう。隙間が塞がれたまま注湯が行われると、キャビティ内のエアを抜くためにせっかく設けた隙間が機能せず、エア抜きの効率が大幅に低下してしまう。
さらに、溶湯に圧力をかけて注湯する加圧鋳造法では特に、隣り合う画定部材の間に設けられた隙間に溶湯が差し込みやすく、これもまた、エア抜きの隙間が機能せずにエア抜きの効率が大幅に低下してしまう。
本発明は上記事情に鑑み、十分な押湯効果を得ることやキャビティ内のエア抜きの効率低下を防止することができる鋳型装置、その鋳型装置を用いた鋳造方法、およびその鋳型装置に塗型剤を塗布する塗型方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の第1の鋳型装置は、内周縁を有する画定部材が積み上げられた押湯形成空間画定体を収容する収容室が設けられ、その収容室に収容された押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁によって押湯形成空間が画定された鋳型装置において、
上記押湯形成空間画定体が、隣接した画定部材の間に上記押湯形成空間へつながる隙間を有するものであり、
上記収容室が、上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給孔を有するものであることを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の第1の鋳造方法は、押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間にその押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えた鋳型装置を用いて鋳造を行う鋳造方法において、
上記鋳型装置のキャビティへ溶湯を充填する注湯工程と、
上記注湯工程完了直後に、上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程とを有することを特徴とする。
本発明の第1の鋳型装置によれば、従来、キャビティ内のエアを抜くために使用していた隙間を、押湯形成空間へ向けて加圧流体を供給する隙間として利用する。ここで、本発明の第1の鋳型方法のように、キャビティへの注湯が完了した直後に上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給することで、押湯形成空間に充填された溶湯が加圧流体によって押され、十分な押湯効果を得ることができる。
すなわち、本発明の第1の鋳型装置において、上記加圧流体供給孔が、この鋳型装置のキャビティへの注湯完了直後に上記隙間に加圧流体を供給するものであることにより、上記画定部材の内周縁を大きくして押湯形成空間を広めにとり押湯効果を増大させる必要がなくなり、歩留まりの向上や、鋳型装置の小型化を実現することができる。また、押湯が小さくてすむことから押湯の凝固時間が短くなり、生産性も向上する。
また、上記押湯形成空間画定体は、3つ以上の画定部材が積み上げられたものであれば、押湯形成空間に充填された溶湯が高さ方向に異なる位置から加圧流体によって押され、より十分な押湯効果を得ることができる。
上記目的を解決する本発明の第2の鋳造方法は、押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間にその押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えた鋳型装置を用いて複数回の鋳造を連続して行う鋳造方法において、
上記鋳型装置のキャビティへ溶湯を充填する注湯工程と、
上記キャビティへ溶湯が充填された鋳型装置から鋳造品を抜型する抜型工程と、
上記抜型工程を実施した後であって次の注湯工程を実施する前に、上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程とを有することを特徴とする。
本発明の第2の鋳造方法によれば、溶湯がキャビティへ充填された際、上記隙間に差し込んでその隙間で凝固してしまった溶湯が加圧流体によって吹き飛ばされ、上記隙間が上記押湯形成空間へ開口した状態に戻る。その結果、キャビティ内のエアが上記隙間を通って外部へ抜ける効率の低下が防止される。また、上記注湯工程を実施することによって上記画定部材の温度が上昇し、温度上昇した画定部材の間の隙間には溶湯がより差し込みやすくなるが、上記抜型工程を実施した後であって次の注湯工程を実施する前に、上記隙間に加圧流体を供給することで、その加圧流体によって上記画定部材が冷却され、次の注湯工程では溶湯が上記隙間に差し込みにくくなる。その結果、キャビティ内からエアを抜く効率の低下がここでも防止される。
また、本発明の第2の鋳造方法において、前記加圧流体供給工程が、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に0.196MPa以上の加圧流体を供給する工程であることが好ましい。
上記隙間に0.196MPa未満の加圧流体を供給しても、上記隙間に差し込んで凝固した溶湯を吹き飛ばすことはできるが、上記画定部材の冷却効果は不十分になりやすく、このことから、上記隙間に0.196MPa以上の加圧流体を供給することが好ましい。
上記目的を解決する本発明の塗型方法は、押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間にその押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備え、キャビティ内のエアがその隙間を通って外部へ抜ける鋳型装置に塗型剤を塗布する塗型方法において、
上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程と、
上記押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁に上記押湯形成空間側から、上記加圧流体供給工程を実施しながら塗型剤を塗布する塗型工程とを有することを特徴とする。
ここにいう塗型剤とは、鋳型の保温性や離型性を高めるために鋳型に塗布されるものである。
本発明の第1の鋳型装置によれば、本発明の塗型方法のように、上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に加圧流体を供給しながら各画定部材の内周縁に塗型剤を塗布することで、塗布した塗型剤が上記隙間から吹き出した加圧流体によって飛ばされ、上記隙間に塗型剤が入り込んでその隙間が塞がれてしまうことが防がれる。その結果、キャビティ内のエアが上記隙間を通って外部へ抜ける効率の低下が防止される。
なお、上記塗型工程は、鋳造開始前の鋳型セット時に実施してもよいが、複数回の鋳造を連続して行う場合には、上記鋳型装置から鋳造品を抜型した後であってその鋳型装置のキャビティへ溶湯を次に充填する前に実施することで、上述したように、上記隙間に差し込んで凝固した溶湯の除去や上記画定部材の冷却が行われて好ましい。
さらに、本発明の塗型方法において、上記塗型工程が、上記押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁に上記押湯形成空間側から、塗型剤を所定圧力で吹き付ける工程であり、
上記加圧流体供給工程が、上記押湯形成空間へ向けて上記隙間に上記所定圧力以下の加圧流体を供給する工程であることがより好ましい。
上記所定圧力を越える加圧流体を供給すると、上記画定部材の内周縁に塗布する塗型剤までもが、上記隙間から吹き出した加圧流体によって飛ばされてしまう。したがって、加圧流体の圧力は上記所定圧力以下であることが好ましい。
また、本発明の第1の鋳型装置において、上記収容室が、上記画定部材の外周縁に接する周壁と上記押湯形成空間画定体の上方に位置する上壁とを有するものであって、
上記押湯形成空間画定体は、上記周壁に接する外周縁に内周縁へ向かって窪んだ凹部が設けられた画定部材が、各画定部材の凹部が上下方向につながるように積み上げられ、隣接した画定部材の間に上記押湯形成空間と上記凹部とを結ぶ隙間を有するものであり、
上記押湯形成空間画定体を構成する画定部材のうち一番上の画定部材は、内周縁よりも外側の位置から外周縁までの部分が上記上壁との間に空間を有するものであり、
上記加圧流体供給孔が、上記空間に開口したものである態様が好ましい。
この態様によれば、上記加圧流体供給孔から供給された加圧流体が、上記空間から流路が狭まることなく上記凹部へ入り込み、上記押湯成形空間へ加圧流体が効率よく供給される。
上記目的を解決する本発明の第2の鋳型装置は、内周縁を有する画定部材が積み上げられた押湯形成空間画定体を収容する収容室が設けられ、その収容室に収容された押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁によって押湯形成空間が画定された鋳型装置において、
上記収容室が、上記画定部材の外周縁に接する周壁と上記押湯形成空間画定体の上方に位置する上壁とを有するものであって、
上記押湯形成空間画定体は、上記周壁に接する外周縁に内周縁へ向かって窪んだ凹部が設けられた画定部材が、各画定部材の凹部が上下方向につながるように積み上げられ、隣接した画定部材の間に上記押湯形成空間と上記凹部とを結ぶ隙間が設けられたものであり、
上記押湯形成空間画定体を構成する画定部材のうち一番上の画定部材は、内周縁よりも外側の位置から外周縁までの部分が上記上壁との間に空間を有するものであり、
上記上壁が、上記空間に開口した孔を有するものであることを特徴とする。
本発明の第2の鋳型装置においては、上記孔が、上記空間へ加圧流体を供給するものであってもよいし、あるいは、上記空間のエアを上記収容室の外へ抜くものであってもよい。
上記孔が、上記空間へ加圧流体を供給するものであれば、加圧流体は、上記空間から上記凹部を通って上記隙間へ流れ込む。したがって、本発明の第1の鋳型装置と同じく、十分な押湯効果を得ることやキャビティ内のエア抜きの効率低下を防止することができる。さらに、上記態様と同じく、上記孔から供給された加圧流体が、上記空間から上記凹部へ流路が狭まることなく入り込み、上記押湯成形空間へ加圧流体が効率よく供給される。
また、上記孔が、上記空間のエアを上記収容室の外へ抜くものであれば、上記隙間から上記凹部を通って上記空間に到達したキャビティ内のエアは、流路が狭まることなく上記孔から抜ける。この結果、キャビティ内のエアがより効率よく抜ける。
本発明によれば、十分な押湯効果を得ることやキャビティ内のエア抜きの効率低下を防止することができる鋳型装置、その鋳型装置を用いた鋳造方法、およびその鋳型装置に塗型剤を塗布する塗型方法を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1および第2の鋳型装置の一実施形態である低圧鋳造用の鋳型装置の内部構造を示す断面図である。
図1に示す低圧鋳造用の鋳型装置1は、ディッシュタイプの車両用ホイールを鋳造する際に用いられる、サイドゲート方式を採用したものであって、下型11と上型12と一対の横型13とを備えている。この鋳型装置1を用いて鋳造される車両用ホイールは、円筒状のリム部とそのリム部の内周面につながり窓部が設けられたディスク部とを有する。
図1には、型閉めされた鋳型装置1が示されており、この図1では、断面を表す部分にハッチングを施すのではなく、下型11、上型12、および一対の横型13それぞれを明確にするため、下型11には左下がりのハッチングを施し、上型12には右下がりのハッチングを施し、一対の横型13にはクロスハッチングを施してある。
図1に示す下型11は下型プラテン140に固定配置されたものである。一方、上型12は昇降自在なものである。この上型12は、シリンダ(不図示)のピストンロッド151に取り付けられ上下動する上型プラテン150に固定され、上型プラテン150が上下動することによって昇降する。なお、下型プラテン140の内部には、冷却媒体の搬送経路となる配管類(不図示)等が収容された収容空間141が設けられている。
一対の横型13は、互いに離れることで型が開き、当接するまで互いに接近することで型が閉まるものである。図1には、一対の横型13のうちの一方の横型13のみが示されている。図1に示す横型13は、下型プラテン140の水平面140a上を、図1の紙面に対して垂直な方向にスライドする。すなわち、図1に示された一方の横型13は、紙面手前へ向かってスライドすることで型が閉まり、紙面奥側へ向かってスライドすることで型が開く。
図1に示す鋳型装置1では、固定配置された下型11の上に上型12が下降してくるとともに一対の横型13が当接するまで互いに接近することで型閉めが行われ、キャビティCが形成される。すなわち、横型13は車両用ホイールのリム部の外周面を形成し、下型11は車両用ホイールのディスク部のおもて面(デザイン面)を形成する。また、上型12は、リム部の内周面を形成するとともにディスク部の裏面も形成する。
一方、型閉めされた鋳型装置1は、一対の横型13が互いに離れるとともに上型12が上昇することで型開きが行われる。キャビティCに溶湯を充填して得られた車両用ホールの鋳造品は、上昇する上型12から離れず、リム部の、ディスク部とは反対側のフランジ先端部(いわゆるインナーリムフランジ)が不図示の押し出し板によって下方へ押されることで、上型12から抜型する。
また、図1に示す鋳型装置1には、横型13のスライド面になる下型プラテン140の水平面140aに、凹部1611が設けられた湯口カラー161が配備されている。この凹部1611にはストーク170が接続しており、凹部1611内にはストレーナ(不図示)がセットされる。なお、湯口カラー161は、押さえ板162によってストーク170の上端に取り付けられている。ストーク170は、不図示の密閉された保持炉内に差し込まれたものであって、このストーク170には断熱材171が配備されている。保持炉にはアルミニウムの溶湯が保持されており、この溶湯に2MPa以上10MPa以下の圧力をかけることで、保持炉内の溶湯がストーク170を通って凹部1611に達する。したがって、この凹部1611の開口が、図1に示す鋳型装置1の湯口160になる。図1に示す鋳型装置1には、湯口160に到達した溶湯が、横型13と下型プラテン140との間から漏れ出してくることを防止するため、湯口ブラケット163が配備されている。
一対の横型13は、型閉めされた状態でキャビティCの円筒状のリム成形空間部分CRに180°対向した位置からそのリム成形空間部分CRにそれぞれつながる2つの堰形成空間131を有する。これら2つの堰形成空間131は、一対の横型13の分割面(パーティング面)13aに形成されている。図1は、鋳型装置1の右側半分を一対の横型13の分割面13aに沿って断面した様子を示し、左側半分をその分割面13aとは異なる面に沿って断面した様子を示すものであるため、図1の右側にしか堰形成空間131が示されていない。なお、湯口160も、180°対向した位置にそれぞれ設けられているが、図1では右側となる湯口160しか示されていない。
また、一対の横型13は、型閉めされた状態で湯口160と堰形成空間131を結ぶ湯道形成空間132も有する。この湯道形成空間132も、一対の横型13の分割面13aに形成されたものである。図1に示す湯道形成空間132は、湯口160につながる部分が立ち上がった後、略90°折れ曲がり堰形成空間131に向けて延びている。すなわち、湯道形成空間132には、下型プラテン140の水平面140aと略平行に延びる部分が設けられている。
下型11は、中央部分に、車両用ホイールのディスク部のボス部のおもて面を形成する入れ子112を有する。この入れ子112は、基体1120とハブ孔形成体1121との2ピース構造である。ハブ孔形成体1121は、上型に向かって突出しており、車両用ホイールのハブ孔を形成するものである。このハブ孔形成体1121の内部は空洞であり、その内部には図示省略した空冷パイプが配置されている。また、基体1120にも水冷パイプ1122が埋め込まれている。さらに、下型には、入れ子112の基体1120を取り囲むようにして水冷パイプ1111が埋め込まれている。
上型12の内部には、下型11に向かって中央部分が開口した空洞12aが設けられている。この上型12も入れ子20を有するものであり、上型12の入れ子20は、空洞12aの中央部分の開口12bを塞ぐようにその空洞12a内に配備されている。なお、図示省略したが、この空洞12aには冷却手段も配備されている。上型12の入れ子20は、車両用ホイールのディスク部のボス部の裏面を形成するとともに、図1に示すキャビティCのボス部形成空間部分CBにつながる押湯形成空間Rも形成するものである。
以下、この入れ子20について詳述する。
図2は、図1に示す鋳型装置が備える上型の入れ子を拡大して示す図である。
図2に示す入れ子20の中央部分には収容室21が設けられている。この収容室21には、ドーナツ状の環状部材22が同心円状に3枚積み上げられた状態で収容されている。これら3枚の環状部材22は、下方の環状部材22ほど内周縁221の径が大きなものである。さらに、収容室21には、円盤状の板状部材23が、一番上の環状部材22の上にその環状部材22と同心円状に載置された状態で収容されている。板状部材23は、下面の中央部分に円状の凹部が設けられたものであり、この凹部によって内周縁231が形成されている。板状部材23の内周縁231の径は、一番上の環状部材22の内周縁231の径よりもさらに小さい。押湯形成空間Rは、これら3枚の環状部材22それぞれの内周縁221と板状部材23の内周縁231とによって画定される。したがって、3枚の環状部材22や板状部材23が本発明にいう画定部材の一例に相当し、これら3枚の環状部材22と板状部材23を併せたものが本発明にいう押湯形成空間画定体の一例に相当する。
また、図1に示す収容室21は、周壁211と上蓋212を有する。周壁211は、3枚の環状部材22の外周縁222や板状部材23の外周縁232に接している。一方、上蓋212は、板状部材23の、内周縁231よりも内側になる上面中央部分233に接しており、本発明にいう上壁の一例に相当する。この上蓋212は、ボルト213によって周壁211に固定されている。上蓋212の、板状部材23の上面中央部分233に接する部分には、押さえボルト214が設けられており、この押さえボルト214によって板状部材23は下方へ向けて押さえつけられている。このため、キャビティCへの溶湯充填時に環状部材22や板状部材23が浮き上がってしまうことが防止される。また、板状部材23の上面中央部分233を取り囲む外周部分234は、外周縁232に向かうにつれて上蓋212から漸次離れるように傾斜したテーパ形状になっている。したがって、板状部材23は、内周縁231よりも外側の位置から外周縁232までの外周部分234が上蓋212との間に空間Sを有するものである。上蓋212には、この空間Sに開口した孔2121が設けられている。図1に示すように、この孔2121には、切替弁32が途中に設けられた空気流路パイプ31の先端311が接続されている。切替弁32は、空気流路パイプ31の流路を、鋳型装置1の外方へ解放した流路と加圧ポンプ33に接続した流路との間で切り替える。
次に、図3および図4を用いて図2に示す環状部材22について詳述する。
図3は、図2に示す3枚の環状部材のうちの一つの環状部材を上方から見た平面図であり、図4は、図2に示す隣接した環状部材の境目部分を拡大して示す断面図である。なお、図3では、図2および図4にいう上下方向が紙面に対して垂直方向になる。
図3および図4に示す環状部材22の上面22aには、第1周溝225と第2周溝226が設けられている。第1周溝225は、上面22aの最内周を周回する溝である。また、第2周溝226は、第1周溝225の外側を第1周溝225に隣接して周回するものであり、図4に示すように第1周溝225よりも深い溝である。図4に示すように、第1周溝225と第2周溝226の境には段部Xが形成されている。また、環状部材22の、図2に示す周壁211に接する外周縁222には、内周縁221へ向かって窪み上下方向へ延びる凹部227が30°おきに合計12個設けられている。さらに、上面22aには、上面22aの第2周溝226と外周縁222の凹部227を結ぶ連絡溝228も設けられている。
一方、図4に示すように、環状部材22の下面22bは平坦であり、隣接した環状部材22の間には、図2に示す押湯形成空間Rへつながる隙間が、第1周溝225、第2周溝226、および連絡溝228によって形成されている。この隙間は0.03mm以上0.7mm以下の隙間である。
続いて、図5を用いて一番上の板状部材23について説明する。
図5は、図2に示す板状部材を上方から見た平面図である。なお、この図5でも、図3と同じく図2にいう上下方向が紙面に対して垂直方向になる。
図5には、板状部材23の、内周縁231よりも内側になる上面中央部分233や、内周縁231よりも外側の位置から外周縁232までの外周部分234が図示されている。図5に示す板状部材23の、図2に示す周壁211に接する外周縁232には、環状部材22と同じく、内周縁231へ向かって窪み上下方向へ延びる凹部237が30°おきに合計12個設けられている。なお、図5に示す板状部材23の下面も平坦であり、板状部材23と環状部材22の間にも、図2に示す押湯形成空間Rへつながる隙間が、環状部材22の第1周溝225、第2周溝226、および連絡溝228によって形成されている。この隙間も、0.03mm以上0.7mm以下の隙間である。
3つの環状部材22それぞれと板状部材23は、図2に示す収容室21に、互いの凹部227,237が上下方向につながるように積み上げられた状態で収容されている。収容部21に収容された板状部材23の凹部237は、図2に示す空間Sに開口した状態であり、各環状部材22の第1周溝225は、押湯形成空間Rに開口した状態である。したがって、図2に示す空間Sと押湯形成空間Rは、上下方向につながった凹部227,237と、環状部材22の第1周溝225、第2周溝226、および連絡溝228によって形成された隙間とによって連通している。
次に、図1に示す鋳型装置を用いて複数回の鋳造を連続して行う鋳造プロセスについて説明する。
図6は、図1に示す鋳型装置を用いて複数回の鋳造を連続して行う鋳造プロセスを示すフローチャートである。
まず、図1に示す下型11を下型プラテン140に取り付けるとともに上型12も上下動する上型プラテン150に取り付け、さらに一対の横型13も下型プラテン140の水平面140a上にスライド自在に取り付ける。すなわち、鋳型11〜13を型開きした状態でセットする(ステップS1)。次いで、鋳型の保温性や鋳造品の離型性を高めるために、セットした鋳型にシリカを主成分とする塗型剤を0.196MPa(2kg/cm2)以上の所定圧力(例えば、0.490MPa)で吹き付ける。押湯形成空間Rを画定する3つの環状部材22と板状部材23の各内周縁221,231には押湯形成空間R側から塗型剤を吹き付ける。この際、切替弁32を操作することで空気流路パイプ31の流路を加圧ポンプ33に接続した流路にし、収容室21内に、上蓋212に設けられた孔2121から上記所定圧力以下の加圧エアを供給する。上蓋212に設けられた孔2121から供給された加圧エアは、収容室21内の空間Sから上下方向につながった凹部237,227へ流路が狭まることなく入り込み、環状部材22の連絡溝228と第2周溝226と第1周溝225とによって形成された隙間に供給され、その隙間から押湯形成空間Rへ吹き出す。すなわち、ここでは、押湯形成空間Rへ向けて上記隙間に加圧エアを供給する加圧工程を実施しながら、環状部材22と板状部材23の各内周縁221,231に押湯形成空間R側から塗型剤を塗布する塗型工程も実施する(ステップS2)。このステップS2を実施することで、塗布した塗型剤が上記隙間から吹き出した加圧エアによって飛ばされ、その隙間に塗型剤が入り込んでその隙間が塞がれてしまうことが防がれる。なお、加圧エアの圧力を上記所定圧力を越える圧力にしてしまうと、各内周縁221,231に塗布する塗型剤までもが、上記隙間から吹き出した加圧エアによって飛ばされてしまうため、加圧エアの圧力は上記所定圧力以下に抑えている。
次いで、塗型を行ったか否かを作業者が判断し(ステップS3)、塗型を行う上記ステップS2が実施されていれば、ステップS4へ進む。ステップS4では、型開きしている状態の鋳型11〜13からゴミ等の異物を除去するとともに湯口カラー161に設けられた凹部1611内にストレーナをセットし、鋳型装置1の型閉めを行う。続いて、空気流路パイプ31の流路が鋳型装置1の外方へ解放した流路へ切替弁32によって切り替えられ、図1で図示省略した保持炉内の溶湯に2MPa以上10MPa以下の圧力をかけて溶湯を、型閉めされた鋳型装置1のキャビティCへ充填する(ステップS5)。この際、キャビティC内のエアは、上記隙間から上下方向につながった凹部227,237を通って収容室21内の空間Sに到達し、上蓋212に設けられた孔2121から流路が狭まることなく抜け出て、空気流路パイプ31を通って鋳型装置1の外方へ排出される。この結果、図1に示す鋳型装置1では、キャビティC内のエアが効率よく抜ける。しかも、ステップS2において塗型を行っていても、上記隙間に塗型剤が入り込んでいないため、キャビティC内のエアが非常に効率よく抜ける。なお、押湯形成空間Rには溶湯が、一番上の環状部材22と板状部材23の間までは充填されるが、それ以上は、エアが逃げないため充填されない。
キャビティCへの溶湯の充填が完了した直後に、空気流路パイプ31の流路が加圧ポンプ33に接続した流路へ切替弁32によって切り替えられ、収容室21内に、上蓋212に設けられた孔2121から加圧エアが供給される(ステップS6)。すなわち、ここでも、押湯形成空間Rへ向けて上記隙間に加圧エアが供給される。この時点では押湯形成空間Rに充填された溶湯は凝固前であり、押湯形成空間に充填された溶湯が、高さ方向に異なる3カ所の隙間から加圧エアによって押され、十分な押湯効果が得られる。図1に示す鋳型装置1によれば、環状部材22の内周縁221の径や板状部材23の内周縁231の径を大きくして押湯形成空間Rを広めにとり押湯効果を増大させる必要がなくなり、歩留まりの向上や、鋳型装置の小型化が実現されている。また、押湯が小さくてすむことから押湯の凝固時間が短くなり、生産性も向上している。このステップS6の実施後、水冷パイプ1122等の冷却手段によって冷却が開始され、所定の冷却時間が経過すると、型開きが行われ(ステップS7)、続いて、この鋳型装置から車両用ホールの鋳造品が抜型される(ステップS8)。
車両用ホールの鋳造品が抜型された鋳型装置は型開きした状態にあり、ここで、作業者が、塗型を行う必要があるか否かを判断し(ステップS9)、塗型を行う必要があると判断すればステップS2へ戻り、不要であると判断すれば今度は、鋳造作業が終了であるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10における判断で、鋳造作業を終了するのであれば、下型11、上型12、および一対の横型13を取り外し(ステップS11)、この一連の鋳造プロセスは終了する。一方、ステップS10における判断で、鋳造作業を続行するのであれば、塗型を行ったか否かを判断するステップS3へ戻り、ステップS12へ進む。このステップS12では、空気流路パイプ31の流路は加圧ポンプ33に接続した流路になっており、収容室21内に、上蓋212に設けられた孔2121から0.196MPa以上の加圧エアを供給する。ここでも、加圧エアは上記隙間へ供給される。ステップS12が実施されると、型閉めを行うステップS4へ進む。したがって、このステップS12は、抜型を行うステップS8を実施した後であって、次の注湯を行うステップS5を実施する前に行われる。注湯を行うステップS5を実施すると、溶湯が上記隙間に差し込んでその隙間で凝固してしまうことがあるが、凝固してしまった溶湯は、上記隙間へ供給された加圧エアによって吹き飛ばされ、上記隙間が押湯形成空間Rへ開口した状態に戻る。その結果、キャビティC内のエアが上記隙間を通って外部へ抜ける効率の低下が防止される。また、注湯を行うステップS5を実施すると、環状部材22や板状部材23の温度が上昇し、上記隙間に溶湯がより差し込みやすくなるが、このステップS12で上記隙間に加圧エアが供給されることで、温度上昇した環状部材22や板状部材23がその加圧エアによって冷却され、次の注湯を行うステップS5では溶湯が上記隙間に差し込みにくくなる。その結果、キャビティ内からエアを抜く効率の低下がここでも防止される。なおここでは、加圧エアの圧力が0.196MPa未満であると、上記隙間に差し込んで凝固した溶湯を吹き飛ばすことはできても、環状部材22や板状部材23の冷却効果が不十分になりやすいため、加圧エアの圧力は0.196MPa以上にしている。
以上、説明したように、ステップS2は、本発明の塗型方法における加圧流体供給工程の一例に相当するとともに、2回目以降のステップS2は、本発明の第2の鋳造方法における加圧流体供給工程の一例にも相当する。また、ステップS6は、本発明の第1の鋳造方法における加圧流体供給工程の一例に相当する。さらに、ステップS12は、本発明の第2の鋳造方法における加圧流体供給工程の一例に相当する。またさらに、上蓋212に設けられた孔2121は、これらのステップS2、S6、S12を実施している際には、押湯形成空間Rへ向けて上記隙間に加圧エアを供給するものであるが、ステップS5を実施している際には、キャビティC内のエアを収容室21の外へ抜くものである。
ここで、リム幅が6Jの15インチのディッシュタイプの車両用ホイールを図1に示す鋳型装置1を用いて数十回鋳造した後、図6に示す、加圧エアを上記隙間に供給しながら塗型を行うステップS2を、加圧エアの圧力を変えて行ってみた。なおここでは、塗型剤は、0.490MPaの圧力で吹き付けた。
ステップS2を実施した後の上記隙間を観察し、上記隙間に差し込んで凝固してしまったアルミ溶湯が除去されているか否かを評価した(アルミ除去)。また、同様な観察を行い、上記隙間に塗型剤が入り込んでいるか否かも評価するとともに、環状部材22の内周縁221や板状部材23の内周縁231に塗布された塗型剤の状態も評価した(塗型剤の入り込み)。さらに、注湯を行い抜型した後の上記隙間も観察し、上記隙間に差し込んで凝固してしまったアルミ溶湯があるか否かも評価した(溶湯差込み)。結果を表1に示す。
Figure 2007260752
0.098MPaの加圧エアを上記隙間に供給した場合には、上記隙間に差し込んで凝固したアルミ溶湯を除去することはできた。また、環状部材22の内周縁221や板状部材23の内周縁231に塗布した塗型剤の状態は良好な状態であったが、上記隙間に入り込んでいる塗型剤が確認された。ただし、上記隙間に入り込んでいた塗型剤の量は、キャビティCからのエア抜きの効率には影響がほとんどない程度のわずかな量であった。さらに、注湯を行い抜型した後の上記隙間からは、その隙間に差し込んで凝固したアルミ溶湯がわずかに観察された。
0.196MPaの加圧エアを上記隙間に供給した場合や、0.490MPaの加圧エアを上記隙間に供給した場合には、いずれの評価も良好であった。
0.588MPaの加圧エアを上記隙間に供給した場合には、アルミ除去と溶湯差込みについては良好な結果であったが、環状部材22の内周縁221や板状部材23の内周縁231に塗布した塗型剤の厚さがこれまでと比べて薄かった。
上記隙間へのアルミ溶湯の差込みは、キャビティCに溶湯が充填された際、環状部材22の温度や板状部材23の温度が高めであることによって生じたことと考え、0.098MPaの加圧エアでは、環状部材22や板状部材23を冷却する能力が相対的に弱いといえる。また、0.098MPaの加圧エアでは、塗型時に上記隙間への塗型剤の入り込みを防止する能力も相対的に弱いといえる。一方、各内周縁221,231に塗布した塗型剤の厚さが薄いということは、各内周縁221,231に塗布する塗型剤までもが、上記隙間から吹き出した加圧エアによって飛ばされてしまった結果であると考え、0.588MPaの加圧エアでは強すぎることがあるといえる。
続いて、図7を用いて図2に示す上型の入れ子の変形例について説明する。以下の説明では、これまで説明したことと重複する説明は省略し、図2に示す入れ子の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図7は、図2に示す上型の入れ子の変形例を示す要部拡大図である。
図7に示す入れ子20は、収容室21の上蓋212に設けられた孔2121の位置が、図2に示す入れ子とは異なる。すなわち、図7に示す上蓋212に設けられた孔2121も、図2に示す上蓋に設けられた孔と同じく収容室21の空間Sに開口したものであるが、図2に示すその孔よりも外側に位置しており、周壁211いっぱいまで寄っている。また、図7に示す入れ子20は、収容室21に積み重ねられた状態で収容された、3枚の環状部材22と板状部材23それぞれの形状が、図2に示す入れ子20とは異なる。なお、図7にも、板状部材23を下方へ向けて押さえつける押さえボルト214が示されている。
図8は、図7に示す3枚の環状部材のうちの一つの環状部材を上方から見た平面図であり、この図8では、図7にいう上下方向が紙面に対して垂直方向になる。
図8に示す環状部材22の、図7に示す周壁211に接する外周縁222には、内周縁221へ向かって窪み上下方向へ延びる凹部227が90°おきに合計4個設けられている。この図8に示す凹部227は、図3に示す環状部材に設けられた凹部に比べてかなり大きなものであり、図7に示す上蓋212に設けられた孔2121の直径と、図8に示す凹部227の奥行き(外周縁222から内周縁221へ向かって窪んだ長さ)は同じ長さである。また、図7に示す板状部材23も、図8に示す環状部材22と同じような凹部237を有する。
さらに、図8に示す環状部材22の上面22aには、周溝229が設けられている。この周溝229は、上面22aを周回する溝であり、その周溝229は、外周縁222に設けられた凹部227につながるとともに押湯形成空間R(図7参照)にもつながっている。環状部材22の下面は平坦であり、隣接した環状部材22の間には、押湯形成空間Rへつながる隙間が周溝229によって形成されている。
3つの環状部材22それぞれと板状部材23は、収容室21に、互いの凹部227,237が上下方向につながるように積み上げられた状態で収容されており、図7に示すように、上下方向につながった凹部227,237には、空間Sを介して上蓋212に設けられた孔2121が開口している。このため、上蓋212に設けられた孔2121から供給される加圧エアは、収容室21内の空間Sから上下方向につながった凹部237,227へ流路が狭まることなく最短距離で入り込み、環状部材22の周溝229によって形成された隙間に供給され、その隙間から押湯形成空間Rへ吹き出す。また、キャビティC内のエアは、上記隙間から上下方向につながった凹部227,237を通って収容室21内の空間Sに到達し、上蓋212に設けられた孔2121から流路が狭まることなく最短距離で抜け出て、空気流路パイプ31を通って鋳型装置の外方へ排出される。
なお、ここでの説明では、車両用ホイールを鋳造する際に用いられる、サイドゲート方式を採用した低圧鋳造用の鋳型装置を例にあげて説明したが、本発明は、車両用ホイール以外の物品を鋳造する際に用いられる鋳型装置にも適用することができる。また、本発明は、サイドゲート方式に代えてセンターゲート方式を採用した鋳型装置や、低圧鋳造以外の加圧鋳造用の鋳型装置や、重力鋳造用の鋳型装置にも適用することができる。
本発明の第1および第2の鋳型装置の一実施形態である低圧鋳造用の鋳型装置の内部構造を示す断面図である。 図1に示す鋳型装置が備える上型の入れ子を拡大して示す図である。 図2に示す3枚の環状部材のうちの一つの環状部材を上方から見た平面図である。 図2に示す隣接した環状部材の境目部分を拡大して示す断面図である。 図2に示す板状部材を上方から見た平面図である。 図1に示す鋳型装置を用いて複数回の鋳造を連続して行う鋳造プロセスを示すフローチャートである。 図2に示す上型の入れ子の変形例を示す要部拡大図である。 図7に示す3枚の環状部材のうちの一つの環状部材を上方から見た平面図である。
符号の説明
1 鋳型装置
11 下型
12 上型
13 横型
131 堰形成空間
132 湯道形成空間
160 湯口
20 入れ子
21 収容室
211 周壁
212 上蓋
2121 孔
22 環状部材
221 内周縁
222 外周縁
225 第1周溝
226 第2周溝
227 凹部
228 連絡溝
23 板状部材
231 内周縁
232 外周縁
234 外周部分
237 凹部
C キャビティ
R 押湯形成空間
S 空間

Claims (9)

  1. 内周縁を有する画定部材が積み上げられた押湯形成空間画定体を収容する収容室が設けられ、該収容室に収容された押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁によって押湯形成空間が画定された鋳型装置において、
    前記押湯形成空間画定体が、隣接した画定部材の間に前記押湯形成空間へつながる隙間を有するものであり、
    前記収容室が、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給孔を有するものであることを特徴とする鋳型装置。
  2. 前記加圧流体供給孔が、この鋳型装置のキャビティへの注湯完了直後に前記隙間に加圧流体を供給するものであることを特徴とする請求項1記載の鋳型装置。
  3. 前記収容室が、前記画定部材の外周縁に接する周壁と前記押湯形成空間画定体の上方に位置する上壁とを有するものであって、
    前記押湯形成空間画定体は、前記周壁に接する外周縁に内周縁へ向かって窪んだ凹部が設けられた画定部材が、各画定部材の凹部が上下方向につながるように積み上げられ、隣接した画定部材の間に前記押湯形成空間と前記凹部とを結ぶ隙間を有するものであり、
    前記押湯形成空間画定体を構成する画定部材のうち一番上の画定部材は、内周縁よりも外側の位置から外周縁までの部分が前記上壁との間に空間を有するものであり、
    前記加圧流体供給孔が、前記空間に開口したものであることを特徴とする請求項1記載の鋳型装置。
  4. 内周縁を有する画定部材が積み上げられた押湯形成空間画定体を収容する収容室が設けられ、該収容室に収容された押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁によって押湯形成空間が画定された鋳型装置において、
    前記収容室が、前記画定部材の外周縁に接する周壁と前記押湯形成空間画定体の上方に位置する上壁とを有するものであって、
    前記押湯形成空間画定体は、前記周壁に接する外周縁に内周縁へ向かって窪んだ凹部が設けられた画定部材が、各画定部材の凹部が上下方向につながるように積み上げられ、隣接した画定部材の間に前記押湯形成空間と前記凹部とを結ぶ隙間が設けられたものであり、
    前記押湯形成空間画定体を構成する画定部材のうち一番上の画定部材は、内周縁よりも外側の位置から外周縁までの部分が前記上壁との間に空間を有するものであり、
    前記上壁が、前記空間に開口した孔を有するものであることを特徴とする鋳型装置。
  5. 押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間に該押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えた鋳型装置を用いて鋳造を行う鋳造方法において、
    前記鋳型装置のキャビティへ溶湯を充填する注湯工程と、
    前記注湯工程完了直後に、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程とを有することを特徴とする鋳造方法。
  6. 押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間に該押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えキャビティ内のエアが該隙間を通って外部へ抜ける鋳型装置を用いて、複数回の鋳造を連続して行う鋳造方法において、
    前記鋳型装置のキャビティへ溶湯を充填する注湯工程と、
    前記キャビティへ溶湯が充填された鋳型装置から鋳造品を抜型する抜型工程と、
    前記抜型工程を実施した後であって次の注湯工程を実施する前に、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程とを有することを特徴とする鋳造方法。
  7. 前記加圧流体供給工程が、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に0.196MPa以上の加圧流体を供給する工程であることを特徴とする請求項6記載の鋳造方法。
  8. 押湯形成空間を画定する内周縁を有する画定部材が隣り合う画定部材との間に該押湯形成空間につながる隙間を設けて積み上げられた押湯形成空間画定体を備えキャビティ内のエアが該隙間を通って外部へ抜ける鋳型装置に、塗型剤を塗布する塗型方法において、
    前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に加圧流体を供給する加圧流体供給工程と、
    前記押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁に前記押湯形成空間側から、前記加圧流体供給工程を実施しながら塗型剤を塗布する塗型工程とを有することを特徴とする塗型方法。
  9. 前記塗型工程が、前記押湯形成空間画定体を構成する各画定部材の内周縁に前記押湯形成空間側から、塗型剤を所定圧力で吹き付ける工程であり、
    前記加圧流体供給工程が、前記押湯形成空間へ向けて前記隙間に前記所定圧力以下の加圧流体を供給する工程であることを特徴とする請求項8記載の塗型方法。
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