JP6993199B2 - タイヤ成形用金型の鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ成形用金型を重力鋳造法により鋳造する鋳造装置に関する。

タイヤ成形用金型を鋳造する場合、鋳型に形成された鋳込み空間に溶湯を注湯する際に、溶湯内に気泡が巻き込まれて鋳込み空間に入ると、気泡が石膏鋳型の表面に貼り付くことで、鋳造製品に気泡欠陥を発生する。
鋳造欠陥の中でも、気泡欠陥は最も生じ易い欠陥である。
この気泡欠陥の対策として有効な鋳造方法として、低圧鋳造法(例えば、特許文献1参照)がある。
特許文献1に開示された低圧鋳造法は、密閉された保持炉内に溜められた溶湯を圧縮ガスの吹き込みにより、保持炉内を加圧することで、ストークを通して溶湯を上昇して鋳込み空間に注湯する方法であり、注湯中に溶湯内に気泡が巻き込まれることが極めて少ない。
しかし、この低圧鋳造法は、複雑で大きな専用の低圧鋳造装置が必要であり、大きな設備投資を要し、製造コストも高く、大型タイヤの成形金型の鋳造は困難である。
また、鋳造方法として、重力鋳造法がある。
重力鋳造法は、鋳型に形成された鋳込み空間に高い位置から重力を利用して溶湯を注湯する鋳造方法であり、大掛かりな装置が不要であり、設備投資および製造コストも低く抑えられ、大型タイヤの成形金型の鋳造も可能である。
しかし、重力鋳造法は、低圧鋳造法に比べ、注湯時に溶湯内に気泡が巻き込まれ易く、気泡による鋳造欠陥の発生が発生しやすい。
そこで、できるだけ鋳込み空間に気泡が入らないようにして、気泡欠陥の発生を抑えるようにした重力鋳造法の例(例えば、特許文献2参照)がある。
特開昭57-58968号公報 特開2007-144480号公報
特許文献2に開示されたタイヤ成形用金型の鋳造装置は、定盤の上に石膏鋳型とその外周を囲繞する中空リング(外筒鋳枠に相当)が設置され、石膏鋳型と中空リングとの間に環状の鋳込み空間が形成されている。
定盤の上面には、リング状の溝が彫りこまれており、このリング状の溝は、中空リングにより上方から覆われてリング状の湯道が形成されている。
リング状の溝は、その一部が遠心方向に中空リングの外側まで延出した遠心側延出部を有し、同遠心側延出部に注湯用の湯口が連結されるとともに、リング状の溝の複数個所に中心方向に中空リングの内側まで延出した中心側延出部を有し、同中心側延出部は鋳込み空間に開口している。
したがって、注湯用の湯口から遠心側延出部に入湯した溶湯は、リング状の溝を流れて、複数中心側延出部から鋳込み空間に出湯し、鋳込み空間に充填される。
湯口からリング状の溝を介して鋳込み空間に出湯するまでの湯道が、リング状の溝を形成していることで、相当程度距離が長く、この長い距離の湯道を溶湯が通ることにより、注湯により生じた気泡が鋳込み空間に入ることが抑制されている。
溶湯内に巻き込んだ気泡を湯道内で浮上分離させるには、一定速度以下の流速に抑える必要があり、必然的に鋳込み空間に溶湯を充填する時間にも下限が存在する。
鋳込み時間が長いと、石膏鋳型の形状の転写が緩慢となるとともに、押湯の圧力がタイミング遅れにより有効に作用しないなどの不具合があり、細かな処で鋳造品質にあまり良くない影響を与える。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、気泡欠陥の発生を抑えるとともに、鋳込み時間を短縮して鋳造品質の向上を図ったタイヤ成形用金型の鋳造装置および鋳造方法を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明に係るタイヤ成形用金型の鋳造装置は、
定盤の上に設置される環状の石膏鋳型と、
前記定盤の上に設置されて前記石膏鋳型の外周を中心軸を同軸にして囲繞して前記石膏鋳型との間に環状の鋳込み空間を形成する外筒鋳枠と、
前記外筒鋳枠の外側で前記定盤の上に設けられて前記鋳込み空間に溶湯を鋳込むために溶湯を重力により注湯する注湯治具と、
を備えたタイヤ成形用金型の鋳造装置において、
前記定盤の上面に前記中心軸を中心に放射方向に延びる1本または複数本の放射溝を有し、
前記放射溝の遠心側溝端部は、前記外筒鋳枠より外側にあって前記注湯治具と連結して溶湯を前記放射溝に入湯する溝入湯口を備え、
前記放射溝の中心側溝端部は、前記外筒鋳枠の内側にあって前記放射溝から前記鋳込み空間に溶湯を出湯する溝出湯口を備え、
前記鋳込み空間の上に配設されて前記溝出湯口の直上に押湯を溜める押湯空間(35)が形成される押湯枠を備え
前記石膏鋳型は、製品用鋳型とダミー鋳型を周方向に組み合わせて構成され、
前記鋳込み空間のうち前記ダミー鋳型と前記外筒鋳枠との間の空間に、前記溝出湯口が開口することを特徴とする。
この構成によれば、鋳込み空間に溶湯を鋳込むために注湯治具により溶湯を重力により注湯する重力鋳造方式の鋳造装置であり、大掛かりな装置が不要であり、設備投資および製造コストも低く抑えられるとともに、大型タイヤの成形金型の鋳造も可能である。
また、鋳込み空間の上に配設される押湯枠により溝出湯口の直上に押湯を溜める押湯空間が形成されるので、注湯時に溶湯内に生じた気泡が溝入湯口から放射溝に入り、さらに放射溝を移動して溝出湯口から鋳込み空間に入る気泡は、殆どが溝出湯口の直上の押湯空間内の押湯を通して外部に放出されるため、鋳込み空間に充填される溶湯内に気泡が残ることを極少化し、鋳造製品における気泡欠陥の発生を抑えることができる。
前記構成において、
前記注湯治具は、上端の湯溜め部からシュート部が下方に延出して構成され、
前記シュート部の下端が前記定盤における前記放射溝の遠心側溝端部に連結されて、前記溝入湯口を介して前記シュート部の内部と前記放射溝とが連通され、
前記溝入湯口が栓部材により開閉自在に閉塞されるようにしてもよい。
この構成によれば、栓部材により溝入湯口が閉塞されることで、シュート部の内部およびシュート部の上端の湯溜め部に溜められた溶湯は、栓部材により溝入湯口が開かれると、シュート部の底の溶湯が溝入湯口に引き込まれるようにして放射溝に入湯して放射溝を介して鋳込み空間に鋳込まれるので、溶湯をシュート部に注ぎ込むのに比べて注湯時の気泡の発生が少なく、益々気泡欠陥の発生を抑えることができる。
注湯時の気泡巻き込みを極少化できることで、鋳込み速度の規制の必要がなくなり、鋳込み時間を短くすることが可能となる。
定盤の上面の放射溝は、外筒鋳枠より外側の注湯治具と連結する溝入湯口と外筒鋳枠の内側の鋳込み空間に溶湯を出湯する溝出湯口とを連通する湯道である。
すなわち、放射溝は、外筒鋳枠を外側から内側に最短距離で潜り抜ける湯道であるので、極めて距離が短い。
このように、放射溝(湯道)を短くすることで、鋳込み空間に溶湯が鋳込まれる鋳込み時間を短くしている。
これにより、鋳型の形状の転写が早く行われ、押湯の圧力が早めに有効に作用するなど、種々の点で鋳造品質を向上させることができる。
前記構成において、
前記石膏鋳型は、製品用鋳型とダミー鋳型を周方向に組み合わせて構成され、
前記ダミー鋳型は、前記溝出湯口の近傍に配設されるようにしてもよい。
溝出湯口から気泡が鋳込み空間に浸入するので、溝出湯口の近傍の鋳込み空間の溶湯に、特に気泡が混じり易いが、上記構成によれば、溝出湯口の近傍にダミー鋳型が配設されるので、ダミー鋳型に対応する溶湯に特に気泡が混じり易いことになり、このダミー鋳型に対応するダミー鋳物部はダミーとして製品鋳物部と分割され取り除かれるため、ダミー鋳物部に気泡が混じっても製品鋳物部には気泡が混じり難く、製品鋳物部での気泡欠陥の発生を極少に抑えることができる。
前記構成において、
前記ダミー鋳型の下端部の外周面に対向して前記鋳込み空間内に配設される鋳造用フィルタにより、前記溝出湯口が覆われるようにしてもよい。
この構成によれば、ダミー鋳型の下端部の外周面に対向して鋳込み空間内に配設される鋳造用フィルタが、溝出湯口を覆うので、溝出湯口から鋳込み空間に出湯する溶湯は鋳造用フィルタにより異物とともに気泡が除去され、製品鋳物部には益々気泡が混じり難く、気泡欠陥の発生をより一層抑えることができ、かつ異物も除去されて製品鋳物の品質を向上させることができる。
なお、鋳造用フィルタは、ダミー鋳型の下端部の外周面に対向しているので、ダミー鋳型に対応して鋳造されるダミー鋳物部の下部に鋳造用フィルタが位置することになり、ダミー鋳物部がダミーとして製品鋳物部と分割されて取り除かれるときに、鋳造用フィルタも同時に取り除くことができる。
前記構成において、
前記放射溝に、気泡の移動を規制する堰が設けられるようにしてもよい。
この構成によれば、放射溝に、気泡の移動を規制する堰が設けられるので、放射溝内を溝出湯口に流動する溶湯内の気泡が堰により堰き止められて溝出湯口から鋳込み空間内に気泡が浸入することを極力防止し、気泡欠陥の発生をより一層抑えることができる。
本発明に係るタイヤ成形用金型の鋳造方法は、
前記タイヤ成形用金型の鋳造装置を用いてタイヤ成形用金型を鋳造するタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
前記注湯治具により溶湯を前記溝入湯口から前記放射溝に入湯し、前記溝出湯口から前記鋳込み空間に出湯して前記鋳込み空間に充填し、さらに前記鋳込み空間から押湯を溢れさせ、その後溶湯を冷却して凝固させることを特徴とする。
この構成によれば、鋳込み速度の規制をなくすことができ、鋳込み時間が短くすることができ、そのため、鋳型の形状の転写が早く行われ、押湯の圧力が早めに有効に作用するなど、種々の点で鋳造品質を向上させることができる。

注湯治具により溶湯を溝入湯口から放射溝に入湯し、溝出湯口から鋳込み空間に出湯して鋳込み空間に充填するので、外筒鋳枠を外側から内側に潜り抜ける短い放射溝を通って溶湯は鋳込み空間に充填され、
また、放射溝を移動して溝出湯口から鋳込み空間に入る気泡は、殆どが溝出湯口の直上の押湯に上昇して放散されるので、鋳込み空間に充填される溶湯内に気泡が残ることが少なく、気泡欠陥の発生を抑えることができる。
本発明は、鋳込み空間に溶湯を鋳込むために注湯治具により溶湯を重力により注湯する重力鋳造方式の鋳造装置であり、大掛かりな装置が不要であり、設備投資および製造コストも低く抑えられるとともに、大型タイヤの成形金型の鋳造も可能である。
そして、鋳込み速度を大きく設定することも可能なため、溶湯が鋳込み空間に充填される鋳込み時間を短くできる。
そのため、鋳型の形状の転写が早く行われ、押湯の圧力が早めに有効に作用するなど、種々の点で鋳造品質を向上させることができる。
鋳込み空間の上に配設される押湯枠により溝出湯口の直上に押湯を溜める押湯空間が形成されるので、注湯時に溶湯内に生じた気泡が溝入湯口から放射溝に入り、さらに放射溝を移動して溝出湯口から鋳込み空間に入る気泡は、殆どが溝出湯口の直上の押湯空間の押湯に上昇して放散されるため、鋳込み空間に充填される溶湯内に気泡が残ることが少なく、鋳造製品における気泡欠陥の発生を抑えることができる。
本発明の一実施の形態に係るタイヤ成形用金型の鋳込み直前の鋳造装置の全体斜視図である。 図1のII-II矢視の同鋳造装置の鉛直断面図である。 定盤の斜視図である。 定盤と断熱ペーパーの分解斜視図である。 定盤と断熱ペーパーの分解斜視図である。 定盤と鋳型配列テーブルと押えリングとゲート部材の分解斜視図である。 定盤と鋳型配列テーブルと押えリングとゲート部材を組み合わせた組合せ体の斜視図である。 図7に示す組合せ体に石膏鋳型を組み合わせた組合せ体の斜視図である。 図8に示す組合せ体に押湯枠を組み合わせた組合せ体の斜視図である。 図9に示す組合せ体に外筒鋳枠を組み合わせた組合せ体の斜視図である。 図10に示す組合せ体に栓部材および開閉ロッドを組み合わせた組合せ体の斜視図である。 図11に示す組合せ体にシュート部と湯溜め部を組み合わせた組合せ体の斜視図である。 鋳込み後の同鋳造装置の鉛直断面図である。 同鋳造装置により鋳造された鋳造物からタイヤ成形用金型が製造される工程を示す説明図である。 別の実施の形態に係る鋳造装置における組立ての一工程の組合せ体の斜視図である。 鋳込み後の同鋳造装置の鉛直断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るタイヤ成形用金型の鋳造装置1の全体斜視図であり、図2は、図1のII-II矢視の同鋳造装置1の鉛直断面図である。
タイヤ成形用金型の本鋳造装置1は、鋳込み空間に溶湯を鋳込むために注湯治具により溶湯を重力により注湯する重力鋳造方式の鋳造装置である。
したがって、本鋳造装置1は、低圧鋳造方式の鋳造装置のように、大掛かりな装置が不要であり、設備投資および製造コストも低く抑えられるとともに、大型タイヤの成形金型の鋳造も可能である。
また、本鋳造装置1は、製品用鋳型の間にダミー鋳型を嵌め込んで環状に構成される石膏鋳物により鋳造する装置である。
すなわち、鋳造したリング鋳物は、製品鋳物部とダミー鋳物部とが周方向に交互に形成されるので、後述するように、分割してダミー鋳物を除いた製品鋳物(製品セグメント)を、複数リング分組み合わせて、1つのタイヤ成形用金型を製造する。
なお、本鋳造装置1は、2つのリング分の製品鋳物により1つのタイヤ成形用金型を製造するための鋳造装置である。
図1の本鋳造装置1の全体斜視図と図2の本鋳造装置1の断面図を参照しながら、本鋳造装置1の構造を、概ね組立て順に図示された図3ないし図12に従って、以下説明する。
図3には、定盤2が示されている。
定盤2は、鋳鉄平板であり、図3に示されるように、中空円板の外周縁の互いに等間隔の5か所が中央円環部2aの中心軸Lcを中心に放射方向に突出して、平面視で五芒星形状をしている。
定盤2は、中央円環部2aがその外周の外周環状部2bより上面が凹んでいる。
外周環状部2bが五芒星形状をしており、外周環状部2bの外周縁の5か所に放射方向に突出した突出部2bbを有している。
定盤2の外周環状部2bの上面には、中心軸Lcを中心に放射方向に、外周環状部2bの内周縁近傍から各突出部2bbに向けて放射溝3がくり抜かれて形成されている。
放射溝3の遠心側溝端部3aは、突出部2bbにおいて円柱状に拡張されている。
放射溝3の中心側溝端部3bは、外周環状部2bの内周縁に近接している。
本実施の形態における鋳造装置1では、定盤2の5本の放射溝3のうち2本の放射溝3を湯道として使用し、他の3本の放射溝3は詰め物4により埋めておく(図4参照)。
図4および図5を参照して、湯道として使用する放射溝3の底面と側壁面には断熱ペーパー5a,5bが内張りされる。
放射溝3の側壁面に内張りされる枠状の断熱ペーパー5bの対向する側壁部間に棒状の堰部材6が2本上方から架設される。
そして、図5および図6を参照して、断熱ペーパー5a,5bにより内張りされ、堰部材6が架設された放射溝3の上を断熱ペーパー7が覆う。
放射溝3の遠心側溝端部3aを覆う断熱ペーパー7の遠心側端部には、円孔である溝入湯口7iが形成されている。
断熱ペーパー7の中心側端部は、放射溝3の中心側溝端部3bの一部を溝出湯口7eとして開口して、その他を覆っている(図6参照)。
なお、断熱ペーパー5a,5b,7は、セラミックファイバーを紙状にしたもので耐熱性に優れた断熱材である。
次に、図6および図7を参照して、定盤2の中央円環部2aに中空円板状の鋳鉄品である鋳型配列テーブル8が嵌め込まれる。
定盤2において、中央円環部2aに鋳型配列テーブル8が嵌め込まれると、鋳型配列テーブル8の上面は定盤2の外周環状部2bの上面と同一面をなす。
そして、定盤2の外周環状部2bの上に押えリング9が載置される。
押えリング9は、炭素鋼板であり、定盤2と同じように中央円環部9aの外周に外周環状部9bを有し、外周環状部9bは定盤2の外周環状部2bと同じ形状の外周縁を形成しており、外周縁の5か所に放射方向に突出した突出部9bbを有して五芒星形状をなしている。
押えリング9の外周環状部9bの突出部9bbには、定盤2の外周環状部2bに形成された放射溝3の遠心側溝端部3aに対応する箇所に円孔9hが形成されている。
湯道として使用する2本の放射溝3の遠心側溝端部3aにそれぞれ対応する押えリング9の円孔9hには、ゲート部材10が嵌入される。
ゲート部材10は、非発泡石膏製で、円柱の内部がすり鉢状にくり抜かれて下方に先細に円錐面10cが形成されており、円錐面10cの先端(下端)には円孔10hが形成されて貫通している。
押えリング9は、中央円環部9aがその外周の外周環状部9bより上面が凹んでいる。
この押えリング9の中央円環部9aの内径は、定盤2の外周環状部2bの内径より大きい。
定盤2の中央円環部2aに鋳型配列テーブル8が嵌め込まれ、外周環状部2bの上に押えリング9が重ねられると、図7に示されるように、押えリング9の中央円環部9aの内側に、定盤2の放射溝3の中心側溝端部3bの断熱ペーパー7で覆われていない溝出湯口7eが開口している。
そして、押えリング9の円孔9hにゲート部材10が嵌入されると、ゲート部材10の円錐面10cの下端の円孔10hは、定盤2の放射溝3の上方を覆う断熱ペーパー7の遠心側端部の溝入湯口7iと一致する(図2参照)。
図2を参照して、定盤2の断熱ペーパー5a,5b,7により内面が内張りされた放射溝3は、ゲート部材10の円孔10hと一致する溝入湯口7iから溶湯を遠心側溝端部3aに入湯し、中心側溝端部3b側に流し、中心側溝端部3bの溝出湯口7eから出湯する溶湯の湯道を形成する。
次に、図8に示されるように、定盤2の中央に嵌め込まれた鋳型配列テーブル8の上に、内側を裏打ち材25で裏打ちされて環状に構成された石膏鋳型20が配置される。
石膏鋳型20は、5つの製品用鋳型21と5つのダミー鋳型22を周方向に交互に組み合わせて構成されている。
5つの製品用鋳型21は、同じ形状で、石膏鋳型20において周方向に等間隔に位置する。
5つのダミー鋳型22も、同じ形状で、石膏鋳型20において周方向に等間隔に位置する。
ダミー鋳型22の外径は製品用鋳型21の外径より小さい。
石膏鋳型20は、5つのダミー鋳型22がそれぞれ定盤2の5本の放射溝3のある突出部2bbの方を向いた姿勢で鋳型配列テーブル8の上に配置され、押えリング9の中央円環部9aを上方に貫通して突設される。
湯道として使用する2本の放射溝3にそれぞれ対応するダミー鋳型22は、放射溝3の中心側溝端部3bの溝出湯口7eの近傍に配設される(図2参照)。
製品用鋳型21は、非発泡石膏製であり、外周型面にパターン意匠が施されている。
製品用鋳型21,21間に嵌め込まれるダミー鋳型22は、製品用鋳型21より高密度の非発泡石膏製で、鋳造収縮に対する抗力が大きい。
次に、図9に示されるように、石膏鋳型20の上に環状に構成される押湯枠30が重ねられる。
押湯枠30は、内筒壁31と外筒壁32を放射方向に指向した複数の連結壁33が連結して構成されている。
したがって、内筒壁31と外筒壁32の間には連結壁33で仕切られた扇状空間が10個形成されており、そのうち扇状空間が上下に貫通した押湯空間35と扇状空間の底が底壁34(図2参照)で閉塞されたダミー空間36とが、5つずつ周方向に交互に形成されている。
図2を参照して、押湯枠30は、外筒壁32の外径が環状に構成された5つの製品用鋳型21の外径より大きく、押えリング9の中央円環部9aの内径に略等しい。
押湯枠30の内筒壁31の外径は、環状に構成された5つのダミー鋳型22の外径と略等しく、中空の底壁34が石膏鋳型20の上面に接し、押湯枠30は支持される。
石膏鋳型20の上に押湯枠30を載置するに当たり、押湯枠30の押湯空間35が石膏鋳型20のダミー鋳型22と上下で対応する位置関係になるように、押湯枠30を配設する。
すなわち、ダミー鋳型22の外側空間の上方に押湯枠30の押湯空間35がある位置関係である。
なお、押湯枠30の押湯空間35の内壁には断熱ペーパー38が内張りされる。
次に、図10に示されるように、石膏鋳型20と押湯枠30の外周を囲繞するように、外筒鋳枠40を配設する。
外筒鋳枠40は、円筒状をした鋳鉄品であり、外筒鋳枠40の内径は、押湯枠30の外径および押えリング9の中央円環部9aの内径と等しい(図2参照)。
外筒鋳枠40は、上下端部にフランジ40U,40Lを有し、フランジ40U,40Lの互いの同径の外径は、押えリング9の外周環状部9bの内径と等しい。
したがって、図2を参照して、外筒鋳枠40は、内側に押湯枠30を嵌入し、石膏鋳型20の外周を囲繞して、下端のフランジ40Lが押えリング9の外周環状部9bに嵌合して中央円環部9aの上に配設される。
外筒鋳枠40は、押湯枠30よりも上方に延出している。
なお、石膏鋳型20に対向する外筒鋳枠40の内周面には断熱ペーパー45が内張りされる。
図2に示されるように、石膏鋳型20と外筒鋳枠40との間の環状空間が鋳込み空間50である。
鋳込み空間50の製品用鋳型21に対向する空間は、上方が押湯枠30の底壁34で仕切られているが、鋳込み空間50のダミー鋳型22に対向する空間は、上方が押湯枠30の押湯空間35となって、上下に連通している。
そして、ダミー鋳型22の近傍に、放射溝3の中心側溝端部3bの溝出湯口7eが開口するので、溝出湯口7eの直上に押湯空間35が位置して押湯が形成される(図2,図13参照)。
湯道として使用する放射溝3は、外筒鋳枠40の外側の溝入湯口7iから溶湯が入湯し、外筒鋳枠40の下を潜り抜けて外筒鋳枠40の内側の溝出湯口7eから鋳込み空間50に出湯する湯道であり、湯道としての距離が短い。
放射溝3の中心側溝端部3bの溝出湯口7eは、ダミー鋳型22の近傍で鋳込み空間50に開口しているので、溝出湯口7eから出湯した溶湯は鋳込み空間50のダミー鋳型22に対向する空間に入る。
次に、湯道として使用する2本の放射溝3の遠心側溝端部3aの上方に位置する各ゲート部材10に、それぞれ注湯治具60が設けられる。
図11に示されるように、ゲート部材10の円錐面10cに上方から接して円孔10hおよび溝入湯口7iを閉塞する栓部材61が、上方に開閉ロッド62を延設させて設けられる。
栓部材61は、円柱の下端部が円錐状に突出した形状の部材で、高炭素鋼で表面にセラミックコーティングを付与したものである。
栓部材61には開閉ロッド62が連結され、開閉ロッド62を栓部材61とともに上方に引き上げることで、ゲート部材10の円錐面10cに接して溝入湯口7iを閉塞していた栓部材61を上方に引き上げ、溝入湯口7iを開くことができる。
次に、図12に示されるように、ゲート部材10の上に円筒状のシュート部65が液密に連結されて立設され、シュート部65の上端に椀状に形成された湯溜め部66が取り付けられる。
こうして、タイヤ成形用金型の本鋳造装置1が組立てられる。
なお、シュート部65の内周面および湯溜め部66の内面には、断熱ペーパー67a,67bが内張りされる。
図2を参照して、湯溜め部66の底が開口してシュート部65の内部と連通しているので、栓部材61がゲート部材10の円錐面10cに接して溝入湯口7iを閉塞しているとき、栓部材61に連結された開閉ロッド62は、シュート部65内を上方に延出し、湯溜め部66内も貫通して湯溜め部66より上方に延設されている。
この栓部材61により溝入湯口7iを閉塞した状態で、湯溜め部66に溶湯を注入すると、図2に示されるように、溶湯はシュート部65内を満たし、さらに、湯溜め部66内を満たす。
図1および図2は、2つの注湯治具60における各栓部材61が溝入湯口7iを閉塞して、溶湯(散点模様が施された部分)が各シュート部65内および各湯溜め部66内を満たした状態の本鋳造装置1の全体斜視図および鉛直断面図である。
なお、本鋳造装置1において、使用する溶湯は、アルミニウム合金溶湯である。
この状態から2つの注湯治具60の各開閉ロッド62を掴んで引き上げると、各栓部材61が一体に引き上げられ、2つの注湯治具60において、溝入湯口7iが開き、シュート部65内および湯溜め部66内に溜められた溶湯が重力により溝入湯口7iから放射溝3に入湯し、放射溝3の湯道により外筒鋳枠40の下を外側から内側に潜り抜けた溶湯は、溝出湯口7eから鋳込み空間50に出湯し、鋳込み空間50を充填し、さらに押湯空間35を満たして押湯を形成していく。
図13は、溶湯の鋳込みを終えた状態を示す鋳造装置1の鉛直断面図である。
定盤2の上面の放射溝3は、外筒鋳枠40より外側の注湯治具60と連結する溝入湯口7iと外筒鋳枠40の内側の鋳込み空間50に溶湯を出湯する溝出湯口7eとを連通する湯道である。
注湯時の気泡巻き込みが極少化できることから、鋳込み速度を大きくすることができ、鋳込み空間50に溶湯が鋳込まれる鋳込み時間を短くすることができる。
本鋳造装置1では、さらに注湯治具60が2つ使用されているので、同時に2つの注湯治具60から鋳込み空間50に溶湯が鋳込まれ、益々鋳込み時間は短くなっている。
鋳込み時間が短いことで、鋳型の形状の転写が速やかに行われ、押湯の圧力が早めに有効に作用するなど、種々の点で鋳造品質を向上させることができる。
放射溝3の中心側溝端部3bの溝出湯口7eの直上に、押湯枠30の押湯空間35が位置して押湯が形成されるので、注湯時に溶湯内に生じた気泡が溝入湯口7iから放射溝3に入り、さらに放射溝3を移動して、溝出湯口7eから鋳込み空間50に入る気泡は、殆どが溝出湯口7eの直上の押湯を通して外部に放出されるため、鋳込み空間に充填される溶湯内に気泡が残ることを極少化し、気泡欠陥の発生を抑えることができる。
また、本鋳造装置1では、注湯治具60の栓部材61により溝入湯口7iが閉塞されて、シュート部65の内部およびシュート部65の上端の湯溜め部66に溜められた溶湯は、栓部材61が上方に引き上げられて溝入湯口7iが開かれると、シュート部65の底の溶湯が溝入湯口7iに引き込まれるようにして放射溝3に入湯して放射溝3を介して鋳込み空間50に鋳込まれるので、溜められた溶湯内で予め気泡を浮上分離させておくことができるため、溶湯をシュート部65内に注ぎ込むのに比べて注湯時の気泡の発生が少なく、益々気泡欠陥の発生を抑えることができる。
さらに、本鋳造装置1では、放射溝3に、気泡の移動を規制する堰部材6が設けられるので、放射溝3内を溝出湯口7eに流動する溶湯内の気泡が堰部材6により堰き止められて溝出湯口7eから鋳込み空間50内に気泡が浸入することを極力防止し、気泡欠陥の発生をより一層抑えることができる。
こうして鋳込まれた溶湯を冷却して凝固させて鋳造された鋳造物は、鋳放しすると、図14の(1)に示す形状をなしている。
鋳放しされた鋳造物80は、図13の鋳造装置1の鉛直断面図に示された溶湯の流動状態が示す形状をしている。
なお、図14の(1)に示す鋳造物80は、注湯治具60のシュート部65内の鋳物部分は除去されている。
したがって、図14の(1)に示す鋳造物80は、鋳込み空間50により形成された環状のリング鋳物81と、押湯空間35により形成された押湯鋳物部85と、湯道として使用される2本の放射溝3により形成された湯道鋳物部86とからなる。
本鋳造装置1は、製品用鋳型21とダミー鋳型22を周方向に組み合わせて構成された石膏鋳型20を使用しているので、環状のリング鋳物81は、製品用鋳型21に接し型面が転写される製品鋳物部82とダミー鋳型22に接するダミー鋳物部83が、5つずつ周方向に交互に形成されている。
5つの製品鋳物部82は、同じ形状で、リング鋳物81において周方向に等間隔に位置する。
押湯鋳物部85は、5つのダミー鋳物部83から上方に延出して形成されている。
2本の湯道鋳物部86は、2つのダミー鋳物部83の下部からそれぞれ放射方向に延びている。
この鋳放しされた鋳造物80のリング鋳物81から2本の湯道鋳物部86を切除するとともに、5つのダミー鋳物部83を切断することで、図14の(2)に示すリング鋳物81が形成される。
リング鋳物81は、製品鋳物部82とダミー鋳物部83が、5つずつ周方向に交互に形成されており、各ダミー鋳物部83の内側のダミー鋳型22に内側から外力を加えて直径拡張矯正を行い、さらに外周加工を行い、図14の(3)に示す径を拡張した拡径リング鋳物81Aを形成する。
拡径リング鋳物81Aには、製品鋳物部82aとダミー鋳物部83aが、5つずつ周方向に交互に形成されている。
製品鋳物部82aの方がダミー鋳物部83aより周方向幅が多少大きい。
次に、拡径リング鋳物81Aは、ワイヤ放電加工機などを用いて周方向に等間隔に切断されて10個のセクターに分割される。
図14の(4)に示されるように、拡径リング鋳物81Aの製品鋳物部82aは、周方向両端を除く中央部分が製品セグメント92aのセクターとして切り出される。
残りのセクターであるダミー鋳物部83aを含むダミーセグメントは除去される。
なお、セクターに分割を行った後に、直径拡張矯正を行ってもよい。
1つの拡径リング鋳物81Aから5個の製品セグメント92aが切り出されるので、同じように成形された別の拡径リング鋳物から5個の製品セグメント92bを切り出し、図14の(5)に示すように、5個の製品セグメント92aと5個の製品セグメント92bとを環状に組み合わせて、図14の(6)に示す1つのタイヤ成形用金型90が組立てられる。
このようにして、タイヤ成形用金型90が製造される。
以上のように、製造されるタイヤ成形用金型90のもととなるリング鋳物81は、製品鋳物部82とダミー鋳物部83が、5つずつ周方向に交互に形成されており、そのうちダミー鋳物部83は、鋳造装置1の鋳込み空間50のダミー鋳型22に対向する空間で形成され、図13に示されるように、ダミー鋳型22は放射溝3の溝出湯口7eの近傍に配設されるので、ダミー鋳型22に接するダミー鋳物部83に特に気泡が混じり易い。
しかし、このダミー鋳型22に対応するダミー鋳物部83はダミーとして他の製品鋳物部82と分割(セクター分割)され除去されるため、ダミー鋳物部83に気泡が混じっても製品鋳物部82には気泡が混じり難く、製品鋳物部82での気泡欠陥の発生を極少に抑えることができる。
なお、ダミー鋳物部83の上方は押湯鋳物部85であり、ダミー鋳物部83の溶湯に混じる気泡の多くは、押湯鋳物部85の溶湯を上昇して外部に放出されることが多く、ダミー鋳物部83の溶湯に留まって混じる気泡はそれ程多くはない。
次に、別の実施の形態に係る鋳造装置100について、図15および図16に基づき説明する。
本鋳造装置100は、鋳造用フィルタ110を前記鋳造装置1に追加したものである。
そこで、本実施の形態では、部材を示す符号は、前記実施の形態と同じものを用いる。
鋳造用フィルタ110は、セラミックフォームフィルタであり、溶湯内の金属酸化物や非金属介在物等の異物および気泡を捕集する機能とともに溶湯整流機能を持つ。
この鋳造用フィルタ110は、鋳込み空間50内で溝出湯口7eを上方から覆うように配設される。
図15に示されるように、鋳造用フィルタ110は、湯道としての放射溝3の溝出湯口7eの近傍に配設されるダミー鋳型22の下端部の外周面と押えリング9の中央円環部9aの内周面との間に嵌合し、図16に示されるように、鋳込み空間50内にあって、定盤2と鋳型配列テーブル8の上面に接して、溝出湯口7eを上方から覆って配設される。
鋳造用フィルタ110は、ダミー鋳型22の下端部の外周面に対向して接し放射方向に延設している。
ダミー鋳型22の下端部の外周面に接して鋳込み空間50内に配設される鋳造用フィルタ110が、溝出湯口7eを上方から覆うので、溝出湯口7eから鋳込み空間50に出湯する溶湯は鋳造用フィルタ110により異物とともに気泡が除去され、製品鋳物部82には益々気泡が混じり難く、気泡欠陥の発生をより一層抑えることができ、かつ異物も除去されて鋳物品質を向上させることができる。
なお、鋳造用フィルタ110は、ダミー鋳型22の下端部の外周面に接しているので、ダミー鋳型22に対応して鋳造されるダミー鋳物部83の下部に鋳造用フィルタ110が位置することになり、ダミー鋳物部83がダミーとして製品鋳物部82と分割されて取り除かれるときに、鋳造用フィルタ110も同時に取り除くことができる。
以上、本発明に係る実施の形態に係る鋳造装置および鋳造方法について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
例えば、本実施の形態に係る鋳造装置は、注湯治具を2つ設けたものであったが、1つでもよく、また3つ以上であってもよい。
注湯治具が多い程、注湯治具から鋳込み空間に溶湯が鋳込まれる鋳込み時間は短くなり、鋳型の形状の転写が速やかに行われ、押湯の圧力が早めに有効に作用するなど、種々の点で鋳造品質をより向上させることができる。
なお、鋳込み時に溶湯が途中で凝固することを防止するために、溶湯が触れる熱伝導率の高い鉄材等の部材の内面には万遍なく断熱ペーパーが内張りされるが、鋳込み時間が短いと、断熱ペーパーを所要箇所のみ内張りして、断熱ペーパーを減らすことが可能であり、コストを削減できる。
また、鋳込み時に溶湯が凝固しないように、鋳枠等を加熱することが要求されるが、鋳込み時間が短いと、室温でも鋳込みすることが可能となることがあり、コストを低減することができる。
上記実施の形態に係る鋳造装置1,100は、石膏鋳型20が5つの製品用鋳型21と5つのダミー鋳型22を周方向に交互に組み合わせて構成されていたが、ダミー鋳型がなく製品用鋳型でのみ構成されていてもよい。
この場合は、製品用鋳型でタイヤ成形用金型が直接鋳造される。
また、石膏鋳型を構成する製品用鋳型とダミー鋳型の数は、5つ以外の複数としてもよい。
1…鋳造装置、2…定盤、2a…中央円環部、2b…外周環状部、2bb…突出部、3…放射溝、3a…遠心側溝端部、3b…中心側溝端部、4…詰め物、5a,5b…断熱ペーパー、6…堰部材、7…断熱ペーパー、8…鋳型配列テーブル、9…押えリング、9a…中央円環部、9b…外周環状部、9bb…突出部、9h…円孔、10…ゲート部材、
20…石膏鋳型、21…製品用鋳型、22…ダミー鋳型、
30…押湯枠、31…内筒壁、32…外筒壁、33…連結壁、34…底壁、35…押湯空間、36…ダミー空間、38…断熱ペーパー
40…外筒鋳枠、40U,40L…フランジ、45…断熱ペーパー、
50…、鋳込み空間、
60…注湯治具、61…栓部材、62…開閉ロッド、65…シュート部、66…湯溜め部、67a,67b…断熱ペーパー、
80…鋳造物、81…リング鋳物、82…製品鋳物部、83…ダミー鋳物部、85…押湯鋳物部、
81A…拡径リング鋳物、82a,82b…製品鋳物部、83a…ダミー鋳物部、
90…タイヤ成形用金型、92a,92b…製品セグメント、
100…鋳造装置、110…鋳造用フィルタ。

Claims (3)

  1. 定盤(2)の上に設置される環状の石膏鋳型(20)と、
    前記定盤(2)の上に設置されて前記石膏鋳型(20)の外周を中心軸(Lc)を同軸にして囲繞して前記石膏鋳型(20)との間に環状の鋳込み空間(50)を形成する外筒鋳枠(40)と、
    前記外筒鋳枠(40)の外側で前記定盤(2)の上に設けられて前記鋳込み空間(50)に溶湯を鋳込むために溶湯を重力により注湯する注湯治具(60)と、
    を備えたタイヤ成形用金型の鋳造装置において、
    前記定盤(2)の上面に前記中心軸(Lc)を中心に放射方向に延びる1本または複数本の放射溝(3)を有し、
    前記放射溝(3)の遠心側溝端部(3a)は、前記外筒鋳枠(40)より外側にあって前記注湯治具(60)と連結して溶湯を前記放射溝(3)に入湯する溝入湯口(7i)を備え、
    前記放射溝(3)の中心側溝端部(3b)は、前記外筒鋳枠(40)の内側にあって前記放射溝(3)から前記鋳込み空間(50)に溶湯を出湯する溝出湯口(7e)を備え、
    前記鋳込み空間(50)の上に配設されて前記溝出湯口(7e)の直上に押湯を溜める押湯空間(35)が形成される押湯枠(30)を備え
    前記石膏鋳型(20)は、製品用鋳型(21)とダミー鋳型(22)を周方向に組み合わせて構成され、
    前記鋳込み空間(50)のうち前記ダミー鋳型(22)と前記外筒鋳枠(40)との間の空間に、前記溝出湯口(7e)が開口し、
    前記ダミー鋳型(22)の下端部の外周面に対向して前記鋳込み空間(50)内に配設される鋳造用フィルタ(110)により、前記溝出湯口(7e)が覆われることを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造装置。
  2. 前記注湯治具(60)は、上端の湯溜め部(66)からシュート部(65)が下方に延出して構成され、
    前記シュート部(65)の下端が前記定盤(2)における前記放射溝(3)の遠心側溝端部(3a)に連結されて、前記溝入湯口(7i)を介して前記シュート部(65)の内部と前記放射溝(3)とが連通され、
    前記溝入湯口(7i)が栓部材(61)により開閉自在に閉塞されることを特徴とする請求項1記載のタイヤ成形用金型の鋳造装置。
  3. 前記放射溝(3)に、気泡の移動を規制する堰(6)が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ成形用金型の鋳造装置。
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