JP2006082109A - 金型製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶湯を整流して鋳型内に充填して鋳造欠陥を低減することができる金型鋳造装置を供する。
【解決手段】 容積の異なる多数のセル21がランダムに配置され隣接したセル21,21間が接触部で連通したセル構造のセラミック多孔体20aを、鋳型の溶湯が通る湯道に配設した金型製造装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は、タイヤ成型用金型等を精密鋳造する場合に用いられる金型鋳造装置に関し、特にセラミックフィルタを湯道に配置した金型鋳造装置に関するものである。
金型鋳造装置の湯道に配置するセラミックフィルタについては、同じ出願人が先に出願したセラミック多孔体の例(特許文献1参照)がある。
特開昭55−111817号公報(第2図)
同特許文献1において、溶融金属用フィルタとして用いられているセラミック多孔体は、内部連通空間を有する三次元網状のセル構造をなすものである。
このセラミック多孔体により溶融金属をろ過することにより、ろ過速度を高く維持して微小不純物を確実に除去することができる。
しかし、セラミック多孔体の三次元網状のセル構造は、隣接するセル(孔,小室)が大きく重なりあって連通空間を形成することで網状をなすものであり、いくつものセルを見通すことができる連通空間が形成されていて、溶湯に乱流があると、この連通空間を通過しても整流されることなく乱流のまま抜け、溶湯がエアを巻き込んで気泡が混入された状態で鋳型内に充填される可能性があり、気泡による鋳造巣が生じるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、溶湯を整流して鋳型内に充填して鋳造欠陥を低減することができる金型鋳造装置を供する点にある。
課題を解決するための手段および効果
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、容積の異なる多数のセルがランダムに配置され隣接したセル間が接触部で連通したセル構造のセラミック多孔体を、鋳型の溶湯が通る湯道に配設した金型製造装置とした。
鋳型の溶湯が通る湯道に配設されるセラミック多孔体が、容積の異なる多数のセルがランダムに配置され、隣接したセル間が接触部で連通したセル構造をなすので、1つのセルは容積の異なる隣接する複数のセルと接触部の絞られた連通路を介して連通状態にあり、1つのセルで溶湯が停滞滞留しても別の連通路を用いて溶湯が優先的に流れる一方向の流れが自ずと形成され溶湯は整流化されて鋳型内に充填されるため、溶湯に気泡が混入せず鋳造欠陥の発生を防止することができる。
なお、セラミック多孔体は、本来のフィルタとしての機能も果し、スラグ等固形不純物を除去することができるが、整流化作用が大きく、よって、ろ過速度も高く維持することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の金型製造装置において、前記セラミック多孔体における前記セルの容積の分布は、2項分布またはポアソン分布に従うことを特徴とする。
セラミック多孔体におけるセルの容積の確率分布が、2項分布またはポアソン分布に従う極めてランダムなセル構造なので、セラミック多孔体を通過する溶湯に整流化作用が大きく働き、鋳造欠陥の発生を確実に防止することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の金型製造装置において、前記セルの容積は、同じ容積の球形にするとその直径が、5mm〜10mmであることを特徴とする。
球形にするとその直径が、5mm〜10mmとなる容積のセルとすることで、フィルタとしての不純物の除去機能を高めることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか記載の金型製造装置において、前記セルが、球状を偏平に変形した形状をしていることを特徴とする。
球状を偏平に変形した形状のセルとすることで、セラミック多孔体を通過中の溶湯はランダムな抵抗を受けるため、整流化作用を向上させることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図3に基づいて説明する。
本実施の形態に係るタイヤ成形用金型鋳造装置1の縦断面図を図1に、同図1のII−II線断面図を図2に示す。
本タイヤ成形用金型鋳造装置1は、タイヤ成形用の金型を重力鋳造法によって製造する鋳造装置であって、分割された石膏製の鋳型2を中央保持部材3の回りに円形に配列し、上部保持部材4でこれらの鋳型を保持して構成された中子5と、上記中子5を取り囲む石膏製の環状枠型6と、上記中子5と環状枠型6とを固定する底型7とから構成されている。
中子5と環状枠型6と底型7とに囲まれた円環状空間が製品部空間8であり、ここに注入されたアルミニウム合金が製品となる。
上記環状枠型6の一端部には、溶湯を流し込む溶湯受け口9、同溶湯受け口9の下部に連なる鉛直湯道10、同鉛直湯道10の下端部に連なる水平湯道11が設けられ、同水平湯道11の端部が製品部空間8に開口する注湯口12となっている。
この注湯口12の直前の水平湯道11に湯道内壁面に密着してセラミック多孔体20aからなるセラミックフィルタ20が配設されている。
本セラミック多孔体20aの一部を直方体状に切り取って拡大し模式的に示した図3を参照して、本セラミック多孔体20aは、容積の異なる多数のセル21がランダムに配置されており、隣接したセル21,21間がその両者の接触部で連通したセル構造をしている。
各セル21は、球状を偏平に変形したような形状をしており、セル21の容積は、その分布が2項分布に従うランダムな大きさであり、同じ容積の球形にするとその直径が、5mm〜10mm程度のものである。
本セラミック多孔体20aは、1つのセル21が容積の異なる隣接する複数のセルと接触部の絞られた連通路を介して連通状態にあり、1つのセル21で溶湯が停滞滞留しても別の連通路を用いて溶湯が優先的に流れる一方向の流れが自ずと形成されることで、溶湯の流れを整流化することができる。
セラミック多孔体20aにおけるセル21の容積の確率分布が、通常の正規分布と異なり2項分布に従う極めてランダムなセル構造であるので、溶湯が優先的に流れる一方向の流れが確実に形成されて、整流化作用がより促進される。
なお、セル21の容積の確率分布を、2項分布の極限としてポアソン分布に従うようにしてもよい。
さらに、セル21自体の形状を、球状を偏平に変形したような形状としているので、セラミック多孔体20aを通過中の溶湯はランダムな抵抗を受けることになり、整流化作用をより一層向上させている。
かかるセル構造をなすセラミック多孔体20aからなるセラミックフィルタ20が、製品部空間8への注湯口12の直前の水平湯道11に配設される。
したがって、セラミックフィルタ20により整流化された状態で溶湯が注湯口12から製品部空間8へ充填されることになり、充填された溶湯には気泡が混入せず鋳造欠陥(鋳造巣)の発生を防止することができる。
なお、セル21の容積が、球形にするとその直径が、5mm〜10mmとなる程度とすることで、フィルタとしてのスラグ等固形不純物の除去機能を高めることができ、鋳造不良の発生を低減することができる。
そして、本セラミック多孔体20aの前記整流化作用により溶湯の円滑な流れが維持されることで、この不純物を除去するろ過速度も高く維持できる。
本発明の一実施の形態に係るタイヤ成形用金型鋳造装置の縦断面図である。 図1のII−II線断面図である。 本セラミック多孔体の一部を直方体状に切り取って拡大し模式的に図示した図である。
符号の説明
1…タイヤ成形用金型鋳造装置、2…鋳型、3…中央保持部材、4…上部保持部材、5…中子、6…環状枠型、7…底型、8…製品部空間、9…溶湯受け口、10…鉛直湯道、11…水平湯道、12…注湯口、
20…セラミックフィルタ、20a…セラミック多孔体、21…セル。

Claims (4)

  1. 容積の異なる多数のセルがランダムに配設され隣接したセル間が接触部で連通したセル構造のセラミック多孔体を、鋳型の溶湯が通る湯道に配設したことを特徴とする金型製造装置。
  2. 前記セラミック多孔体における前記セルの容積の分布は、2項分布またはポアソン分布に従うことを特徴とする請求項1記載の金型製造装置。
  3. 前記セルの容積は、同じ容積の球形にするとその直径が、5mm〜10mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金型製造装置。
  4. 前記セルが、球状を偏平に変形した形状をしていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか記載の金型製造装置。

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019111431A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 株式会社ブリヂストン タイヤ成形用金型の鋳造装置およびタイヤ成形用金型の鋳造方法
CN110560639A (zh) * 2019-10-21 2019-12-13 广西玉柴机器股份有限公司 气缸体浇注系统防缩松的内浇道结构

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