JP2006043756A - 金型鋳造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶湯を注入するために、ほぼ鉛直な第1湯道と、上記第1湯道の下端部に連なるほぼ水平な第2湯道とを備えた金型鋳造装置において、鋳造巣や鋳造不良の低減を図る。
【解決手段】上記第1湯道の下端部にセラミックフィルタが設けられ、上記セラミックフィルタの上面と上記第2湯道に連なる側面とを除く外面は湯道底面または湯道内壁面に密着して塞がれ、上方から上記第1湯道内を落下し上記セラミックフィルタに達した溶湯が、流れ方向をセラミックフィルタ内でほぼ水平に方向を変え、上記第2湯道へ流出し、製品部空間へ充填されることを特徴とする金型製造装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】上記第1湯道の下端部にセラミックフィルタが設けられ、上記セラミックフィルタの上面と上記第2湯道に連なる側面とを除く外面は湯道底面または湯道内壁面に密着して塞がれ、上方から上記第1湯道内を落下し上記セラミックフィルタに達した溶湯が、流れ方向をセラミックフィルタ内でほぼ水平に方向を変え、上記第2湯道へ流出し、製品部空間へ充填されることを特徴とする金型製造装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アルミニウム合金を用いた重力鋳造法によってタイヤ成型用金型等を精密鋳造する場合に用いられる金型鋳造装置に関するものである。
図4は従来のタイヤ成形用金型鋳造装置51の縦断面図であり、図5は図4のV−V断面図である。タイヤ成形用の金型を重力鋳造法によって製造する鋳造装置は、分割された石膏製の鋳型52を中央保持部材53の回りに円形に配列し、上部保持部材54でこれらの鋳型を保持して構成された中子55と、上記中子55を取り囲む石膏製の環状枠型56と、上記中子55と環状枠型56とを固定する底型57とから構成されている。中子55と環状枠型56と底型57とに囲まれた円環状空間が製品部空間58である。上記環状枠型56の一端部には、溶湯を流し込む溶湯受け口59、同溶湯受け口59の下部に連なる鉛直湯道60、同鉛直湯道60の下端部に連なる水平湯道61が設けられ、同水平湯道61の端部が製品部空間58に開口する注湯口62となっている。
鋳造を行う場合は、溶融アルミニウム合金が溶湯受け口59から流し込まれ、これが鉛直湯道60を経由して落下し、水平湯道61を経て注湯口62から製品部空間58に注入される(例えば、特許文献1参照。)。
溶融アルミニウム合金中には、スラグやその他の固形酸化物が混入していることが多いので、図4に示されるように、鉛直湯道60の途中にセラッミック多孔体からなるセラミックフィルタ63を配置してスラグ等固形不純物を濾過し、浄化された溶湯を製品部空間58に注入することが行われている。
図6は上記装置の鉛直湯道60から水平湯道61を経て注湯口62に至る溶湯64の流れを示す模式斜視図である。鉛直湯道60の中ほどに湯道内壁面66に支持されたセラミックフィルタ63が設けてある。鉛直湯道60に注入された溶湯64はセラミックフィルタ63を通過し、通過中にスラグやその他の固形酸化物が除去される。セラミックフィルタ63通過後の溶湯は、鉛直湯道60の下半部を再び落下し、鉛直湯道60の底面65に衝突し、そこに落下旋流67が発生して流れが乱れ、酸化物が発生して溶湯に混入される。乱流状態68の溶湯64が水平湯道61を経て注湯口62から送出され、製品部空間58へ充填される。
溶湯に落下旋流や乱流が発生すると溶湯に気泡が混入する。これが製品部空間に充填されると製品の鋳造巣となる。また落下旋流で生じた酸化物は鋳造不良の原因となる。これらはセラッミックフィルタの配置に問題があるからである。本発明は、鋳造巣や鋳造不良の低減を考慮した金型鋳造装置を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、溶湯を注入するために、ほぼ鉛直な第1湯道と、上記第1湯道の下端部に連なるほぼ水平な第2湯道とを備えた金型鋳造装置において、上記第1湯道の下端部にセラミックフィルタが設けられ、上記セラミックフィルタの上面と上記第2湯道に連なる側面とを除く外面は湯道底面または湯道内壁面に密着して塞がれ、上方から上記第1湯道内を落下し上記セラミックフィルタに達した溶湯が、流れ方向をセラミックフィルタ内でほぼ水平に方向を変え、上記第2湯道へ流出し、製品部空間へ充填されることを特徴とする金型製造装置に関するものである。
請求項1の発明においては、上記第1湯道の下端部にセラミックフィルタが設けられているので、セラミックフィルタのクッション作用によって、溶湯の落下衝撃が緩和され、落下旋流の発生が防止される。従ってセラミックフィルタに流入する前の溶湯において、気泡や酸化物の混入が低減されている。
セラミックフィルタの内部で、セラミックフィルタからの溶湯の流出方向が第2湯道の方向となるよう緩やかに方向転換され、整流されて流出するので、従来のような落下衝撃や落下旋流による方向転換に際して生じた乱流は発生しない。したがって、気泡や酸化物の混入が低減される。
セラミックフィルタから流出した溶湯は、水平な第2湯道を経て製品部空間へ送られるので、従来のような、セラミックフィルタから出た後、再び落下するということはなく、落下衝撃や落下旋流による気泡や酸化物の混入は起こらない。以上の理由によって、鋳造巣発生や酸化物による製品の鋳造不良が防止される。
図1は本発明の第1実施形態に係るタイヤ成形用金型鋳造装置1の縦断面図であり、図2は図1のII−II断面図である。本装置は、タイヤ成形用の金型を重力鋳造法によって製造する鋳造装置であって、分割された石膏製の鋳型2を中央保持部材3の回りに円形に配列し、上部保持部材4でこれらの鋳型を保持して構成された中子5と、上記中子5を取り囲む石膏製の環状枠型6と、上記中子5と環状枠型6とを固定する底型7とから構成されている。中子5と環状枠型6と底型7とに囲まれた円環状空間が製品部空間8であり、ここに注入されたアルミニウム合金が製品となる。上記環状枠型6の一端部には、溶湯を流し込む溶湯受け口9、同溶湯受け口9の下部に連なる鉛直湯道10、同鉛直湯道10の下端部に連なる水平湯道11が設けられ、同水平湯道11の端部が製品部空間8に開口する注湯口12となっている。鉛直湯道10の下端部に湯道底面15と湯道内壁面16に密着してセラミック多孔体からなるセラミックフィルタ13が置かれている。
図3は上記装置の鉛直湯道10から水平湯道11を経て注湯口12に至る湯道の構成と溶湯14の流れを示す模式斜視図である。セラミックフィルタ13の上面と水平湯道11に連なる側面とを除く外面は、湯道底面15または湯道内壁面16に密着させて塞がれている。
本装置によってタイヤ成形用金型鋳造を行う場合は、まず溶湯受け口9から溶融アルミニウム合金を流し込む。溶融アルミニウム合金は鉛直湯道10内を落下し、鉛直湯道10の下端部でセラミックフィルタ13上に落下する。この時、セラミックフィルタ13のクッション性によって衝撃が緩和されるので、落下衝撃や落下旋流は生じない。溶融アルミニウム合金の溶湯はセラミックフィルタ13の中に染み込み、その中で緩やかに水平に方向転換し、水平湯道11の方へ排出される。溶融アルミニウム合金中に混入していたスラグやその他の固形酸化物はセラミックフィルタ13によって捕捉される。セラミックフィルタ13内では緩やかに方向転換され、整流されるので、気泡の混入は生じない。スラグやその他の固形酸化物が除去され整流状態19となった溶湯は水平湯道11内を進み、注湯口12を経て製品部空間8へ静かに注入される。
以上詳述したように、本実施形態のタイヤ成形用金型鋳造装置1においては、鉛直湯道10の下端部にセラミックフィルタ13が設けられているので、セラミックフィルタ13のクッション作用によって、溶湯の落下衝撃が緩和され、落下旋流の発生が防止され、従ってセラミックフィルタ13に流入する前の溶湯において、気泡や酸化物の混入が低減される。
また、セラミックフィルタ13の内部で、セラミックフィルタ13からの溶湯の流出方向が水平湯道11の方向となるように緩やかに方向転換され、整流されて流出するので、乱流は発生しない。したがって、気泡や酸化物の混入が生じない。
さらに、セラミックフィルタ13から流出した溶湯は、水平湯道11を経て直ちに製品部空間8へ送られ、従来のような、セラミックフィルタから出た後、再び落下するということはないので、落下衝撃や落下旋流による気泡や酸化物の混入は起こらない。したがって、鋳造巣発生や酸化物による製品の鋳造不良が防止される。
1…本発明のタイヤ成形用金型鋳造装置、2…石膏製の鋳型、3…中央保持部材、4…上部保持部材、5…中子、6…環状枠型、7…底型、8…製品部空間、9…溶湯受け口、10…鉛直湯道、11…水平湯道、12…注湯口、13…セラミックフィルタ、14…溶湯、15…湯道底面、16…湯道内壁面、19…整流状態。
Claims (1)
- 溶湯を注入するために、ほぼ鉛直な第1湯道と、上記第1湯道の下端部に連なるほぼ水平な第2湯道とを備えた金型鋳造装置において、
上記第1湯道の下端部にセラミックフィルタが設けられ、上記セラミックフィルタの上面と上記第2湯道に連なる側面とを除く外面は湯道底面または湯道内壁面に密着して塞がれ、上方から上記第1湯道内を落下し上記セラミックフィルタに達した溶湯が、流れ方向をセラミックフィルタ内でほぼ水平に方向を変え、上記第2湯道へ流出し、製品部空間へ充填されることを特徴とする金型製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004231996A JP2006043756A (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | 金型鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004231996A JP2006043756A (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | 金型鋳造装置 |
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JP2006043756A true JP2006043756A (ja) | 2006-02-16 |
Family
ID=36022907
Family Applications (1)
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JP2004231996A Pending JP2006043756A (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | 金型鋳造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102717033A (zh) * | 2012-07-02 | 2012-10-10 | 苏州明志科技有限公司 | 轴杆类铸件端面出气集渣冒口 |
CN110666106A (zh) * | 2019-10-09 | 2020-01-10 | 安庆中船柴油机有限公司 | 油缸的浇注系统及方法 |
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2004
- 2004-08-09 JP JP2004231996A patent/JP2006043756A/ja active Pending
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