JP2006339629A - 半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Si基板10を有するSi半導体の保護素子部110と、該基板10上に、窒化物半導体層130が積層された発光素子構造部120と、を有し、該保護素子部110と発光素子構造部120の接合部20が、p型Si半導体とn型窒化物半導体層とで形成されている半導体素子。その半導体素子100が、三端子素子であり、該三端子が、前記発光構造部120のp,n電極26, 25と、前記基板10の前記発光素子構造部120が設けられた主面に対向する主面に設けられた保護素子部110のn電極15である。
【選択図】 図1
Description
例えば図1〜3に見るように、Si基板上に積層された窒化物半導体の発光素子部と、Siの保護素子とが、n型窒化物半導体とp-Siとで接合された半導体素子であることで、該n-GaN/p-Si界面において、従来よりも小さな電圧にて電流を流すことができ、各素子、すなわち、LEDの駆動、保護素子の駆動が好適になされ、各素子の特性が向上する。
この構成により、従来問題であった異種材料の接合部となる発光素子部と保護素子部との間において、電荷のトンネリングにより、移動させることで、この接合部におけるバンド障壁などを解決でき、異種材料で形成された相互の素子それぞれを好適に動作させることができる。
この構成により、例えば図1,3Bに示すように、Si半導体の保護素子の一対の電極の内一方を、発光素子部の窒化物半導体の電極に設けることで、保護素子は窒化物半導体層を介して、電流が流れる構造となり、逆並列に接続された際に、好適に保護される。また、LED素子の駆動においては、LED素子に設けられた電極を用いて駆動でき、その特性を維持できる。
この構成により、従来のようにSi基板面内で、LEDとその駆動回路部(MOS)などが集積される構造に比して、小さな面積で集積可能であり、配線も不要とできる。また、発光素子として、発光装置などへの実装に際して、光源をチップの全体とでき、発光素子の特性を低下させずに、発光装置への搭載が可能となる。
図3に示すように、p-Si基板とn型窒化物半導体層との接合において、上記異種材料間に係るバンド障壁の問題が解決できる。また、所望のpn接合領域が形成でき、Si半導体の保護素子部の特性を好適なものとできる。
Si半導体の保護素子の構造が、例えば図1〜3に示すように、基板上にp-Si層を設ける構造とすることで、このSi半導体と窒化物半導体との接合部におけるバンド障壁の問題を解決することができる。
積層されたp-Si層により、上述した接合部におけるバンド障壁の問題を解決でき、且つ窒化物半導体の結晶性を良好とすることができる。
共通電極を有する構成とすることで、例えば図1〜3に示すような素子構造とでき、各素子の電極間の配線が不要となり、高密度での集積が可能で、それにより、上述した発光素子の特性を損なわずに、チップ面内全体での発光が可能な素子とできる。
Si基板10は、半導体素子の構造、例えば発光素子の例である図1,2に示すように、電極構造により、p型基板10a、n型基板10b、非導電性基板10cと様々な導電性、若しくは部分的な導電性を有する基板を用いることができる。
本発明において、Si/GaN異種接合部、若しくはトンネル接合部として設けられるSi(半導体)層・Si(Si半導体)領域、Si基板面としては、p型または多数キャリアがホールである。このホール濃度を限定するものではないが、このホール濃度は、略1×1018cm-3以上略1×1021cm-3以下とするのが好ましく、略1×1019cm-3以上略2×1020cm-3以下とすればより好ましい。また、このp型不純物(ホウ素やアルミニウムなど)の濃度を限定するものではないが、このp型不純物(ホウ素やアルミニウムなど)の濃度は、略1×1018cm-3以上略1×1022cm-3以下とするのが好ましく、略1×1019cm-3以上略2×1021cm-3以下とすればより好ましい。
本発明において、後述の実施例で示すように、図1,2,4の例においては、基板10とSi半導体層・領域11とは異なる導電型、後述実施例では基板10がn型Si基板10aであり、Si半導体層・領域11がp型層・領域、で保護素子部を形成する。図3,8の例では、基板10及びSi半導体層・領域11と領域12とは異なる導電型、後述実施例では基板10がp型Si基板10b、Si半導体層・領域11がp型層・領域であり、Si領域12は、n型である。本発明は、このような保護素子構造、具体的にはツェナーダイオード構造、に限らず、様々な保護素子、その構造を設けることができる。
本発明の発光素子部の半導体積層構造120は、窒化物半導体を所定の導電型で形成することにより構成することができる。その窒化物半導体材料は、特に限定されないが、具体的には、GaN、AlN、もしくはInN、又はこれらの混晶であるIII−V族窒化物半導体(InαAlβGa1−α−βN、0≦α、0≦β、α+β≦1)を用いることができ、またこれに加えて、III族元素として一部若しくは全部にBなどを用いたり、V族元素としてNの一部をP、As、Sbなどで置換したりした混晶を利用してもよい。
(n型窒化物半導体層21)
n型窒化物半導体層21は、たとえば、単層でも複数の層でもよいが、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層21を得るために、GaN又は混晶比fが0.2以下のAlfGa1−fNとすることが好ましい。また、n型窒化物半導体層21の膜厚は、結晶性、特にSi基板上への異種基板成長であるためクラック発生、抵抗値、素子の順方向電圧(Vf)を考慮して、好ましくは0.1μm以上5μm以下とすることで、Vfの低い窒化物半導体素子を得ることができる。また0.3μm以上1μm以下とすることがさらに好ましく、0.3μm以上とすることで、n型層21の結晶性が良く、その上の活性層22、p型層23が得られ、また1μm以下とすることで窒化物半導体素子構造にクラックが発生しにくくなり、歩留まりが向上する傾向にある。n型層には、n側クラッド層のキャリア閉込めなど様々な素子機能層などの層を設けることで発光素子特性が高くなり好ましいが、その層と基板若しくは層・領域11との間に、バッファ層、下地層を設けることが好ましく、厚く結晶成長させて好適に結晶性を高めるGaN層を一部、周期構造の一部として下地層を設けることが好ましく、Si基板からn型窒化物半導体層に最も好適に電子が注入されるようになる。
活性層22には、単一量子井戸構造や多重量子井戸構造を用いることができ、In及びGaを含有する窒化物半導体、好ましくは、InaGa1−aN(0≦a<1)で形成される。多重量子井戸構造を用いる場合には、活性層5が障壁層および井戸層を有することとなるが、障壁層は例えばアンドープGaNとし、井戸層は例えばアンドープIn0.35Ga0.65Nとすることができる。また、活性層全体の膜厚はとくに限定されるものではなく、発光波長等を考慮して、障壁層及び井戸層の各積層数や積層順を調整し活性層の各膜厚を設定することができる。
p型窒化物半導体層23は、単層でも複数の層でもよいが、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、活性層を設けるダブルへテロ接合の窒化物半導体素子構造を有する場合には、p側クラッド層として、活性層よりもバンドギャップエネルギーの大きいp型層が少なくともあればよく、機能的に説明するとn型窒化物半導体層側からの電子のオーバーフローを防ぎ、活性層での発光再結合の確率を高める層が少なくともあればよい。
また好ましくは、Si基板10側から順に、p型クラッド層(図示せず)と正電極が形成されるp型コンタクト層(図示せず)とを有する。
図6は、本発明の接合部20を理解するために、Si基板上にn型層、活性層、p型層の窒化物系半導体発光素子を設けて、基板をp型Si基板、n型Si基板として作製した素子のVfを測定する実験である。p型Si基板、すなわちp-Si基板/n型GaN系半導体層/活性層/p型GaN系半導体層の積層構造、におけるVfと、従来の窒化物系半導体素子(n型Si基板、すなわちn-Si基板/n型GaN系半導体層/活性層/p型GaN系半導体層の積層構造)におけるVfと、を比較する図である。この実験でのLEDチップサイズは、100μm×100μmであり、現在一般的なLED(□300μm)の面積の約10分の1のサイズとなっている。
図1に示す実施形態1について説明すると、Si基板10をn型として、基板電極(n電極)15を設けて、この電極形成面に対向する基板主面側に、Si層・領域11を設け、その上に、窒化物半導体の発光素子構造部が設けられ、発光素子構造部のp型層(図では積層部120表面)と、n型層(図では一部露出されたn型層露出面)とにそれぞれp、n電極が設けられている。ここで、n電極は、保護素子部のp電極(アノード電極)との共通電極で形成されている。このとき、図では共通電極を積層構造体130の一部露出された1つの電極形成面に設けているが、発光素子部と保護素子部の一方の電極、すなわち、接合部20近傍に配置される電極を、それぞれ別々に設けても良い。具体的には、図1(実施例1)において、発光素子部のn電極25に加えて、Si層・領域11を一部露出させて、そこに保護素子部のp電極を設けて、これらn電極25とp電極とを互いに接続する配線(電極で兼ねることも可能)を設ける構造とすることができる。しかし、このように各素子部に別個の電極を設ける場合には、配線構造が必要であり、該構造を積層構造体130中に設けると、発光領域、具体的には活性層の領域、pn接合面、のチップ、Si基板に占める面積が小さくなるが、本発明の異種接合界面20でのトンネル接合が不要となりVf低下が期待できる。
図2の実施形態2では、保護素子部のSi層・領域11に共通電極(ここでは発光素子部のn電極と保護素子部のp電極を兼用)を設けており、異種接合部20のほぼ界面で設けた例(図2A)と、所望の深さで露出された面に設けた例(図2B)である。図1の形態に比して、異種接合部20が発光素子部側に設けられており、発光素子部への電流注入において、トンネル接合で供給される構造となっている。
図3の実施形態3では、実施形態1,2(図1、2)に比して、保護素子部110、特に基板の構造が異なり、基板の電極形成面側の面内に部分的にSi領域12を設けて、該領域内に基板電極15(ここではn電極)が設けられた構造である。還元すれば、図1,2に比して、図1、2の形態では異種接合部20と保護素子部のpn接合は、同じ若しくは同一導電型のSi層・領域11のそれぞれ発光素子部側と基板側に設けられている構造に対し、図3の形態では異種接合部20を構成するSi層・領域11と、保護素子部のpn接合部(基板と領域12の接合部)と、が別々に設けられた構造となっている。このような基板面に対して部分的なpn接合領域は、図1,2の形態と異なり、表面電流の発生が抑えられ、好適な保護機能を発揮することができる。 図3Aと3Bとの相違点は、上記図1、2Aの相違点と同様である。
図4の実施形態4は、実施形態1〜3(図1〜3)に比して、保護素子部と発光素子部とを逆並列に接続する際に、その接続の一方を半導体素子構造中に設けた構造を有している。図4に示すように、発光素子部の一方の電極(ここではp電極の上に設けられたパッド電極27)と、基板の発光素子部側に露出され設けられた電極形成面の電極とを、図4Bに示すように、配線40により接続している。このように半導体素子構造内で、逆並列の一方の接続を担うことで、基板電極を実装面側とすれば、実装面での接続と、発光素子部の電極へのワイヤー接続により、駆動可能な半導体素子とでき、1本ワイヤーの実装・駆動が可能となり、ワイヤー本数を減らせ、半導体素子が搭載された発光装置において、封止部材の熱膨張などが原因で発生するワイヤー切断不良を減らすことができる。また、配線部で発光素子部が覆われることによる遮光作用で、光取り出し効率が減少することが考えられるが、他方発光素子部の電極へのワイヤー接続では、φ50〜100μmのボンディング領域(パッド電極)を必要とし、これによる遮光がある。一方で実施形態4の例では、パッド電極27(電極26)は配線40の接続であるので、ワイヤー接続の場合よりも、小さい面積で形成可能であり、光取り出し効率の大幅な減少にならない傾向にある。
図8の実施形態5では、実施形態3(図3A)に比して、保護素子部110、特に基板の構造が異なり、基板の電極形成面側の面内に部分的にSi領域12を設けて、該領域内に2以上の基板電極15’(ここではn電極)が設けられた構造であり、保護素子部内において複数の保護回路が並列接続されている。実施形態3と同様に、表面電流の発生が抑えられ、好適な保護機能を発揮することに加え、保護素子部と基板電極との間での静電耐圧が向上する。換言すれば、2以上の基板電極のうち、いずれか1つの基板電極と保護素子部との間で絶縁破壊が発生しても、他の基板電極が導通されているので、素子として機能し続けることができる。この2以上の基板電極15’は、図8に示すように、Si領域12内において、絶縁性膜17に囲まれて配置されることが好ましい。絶縁性膜を設ける場合は、図8のように絶縁性膜17を形成した後に基板電極15’を形成することが好ましく、具体的方法としては、まず先に絶縁性膜17を形成して複数の領域にSi基板を露出させ、その露出した領域にイオン注入でSi領域12を、さらに基板電極15’を形成する方法が好ましい。その他、Si領域12と基板電極15’を先に形成し、続いて絶縁性膜17を、基板電極15’を囲むように形成する方法をとることもできる。
このような基板電極を複数有する半導体素子は、図8にあるように、その他の構造においては実施形態3(特に図3A)と同様な形態で説明したが、これに限るものではなく、実施形態1,2および4についても適用できることはいうまでもない。
2inchφのn-Si基板10(キャリア濃度1×1018/cm3、Sbドープ)を用意し、MOCVD法などにより、以下の層を成長させる。
実施例1において、n型Si基板を用意して、基板表面から熱拡散により不純物をドープしてp型Si領域11を形成し、n型基板領域10とで保護素子部110とする他は、実施例1と同様にして図2Aに示す半導体素子を形成する。図示していないが、窒化物半導体層140表面側に、短絡防止(絶縁構造形成)、表面保護のために、透光性の絶縁膜、例えばSiO2、を電極から露出された領域に形成しても良い。ここで、発光素子部120の負電極25は、保護素子部110の正電極を兼ねる共通電極となるが、実施例1と異なり、保護素子部のp型Si領域11に形成されており、トンネル接合部20はSi領域11とn型窒化物半導体層21との間に設けられている。その他は、実施例1と同様に逆並列で接続して駆動可能な三端子素子となる。
20…pn接合部{20a…pn接合部(保護素子側、Si系半導体側)、20b…pn接合部(発光素子側、窒化物系半導体側)}
21…n型層(n型窒化物半導体層)、22…活性層(GaN系半導体)、23…p型層(p型窒化物半導体層)
25…n電極(発光素子部)とp電極(保護素子)の共通電極、26…p電極(発光素子部)、27…pパッド電極(発光素子部)
30…絶縁膜、40…配線部、
100…半導体素子、110…保護素子部(Si系半導体素子)、120…発光素子部(窒化物系半導体素子)、130…積層構造体、200…素子100の外部回路(配線)
Claims (16)
- Si基板を有するSi半導体の保護素子部と、該基板上に、窒化物半導体層が積層された発光素子構造部と、を有し、該保護素子部と発光素子構造部の接合部が、p型Si半導体とn型窒化物半導体層とで形成されている半導体素子。
- n型Si基板上に、p型Si層を有する保護素子部と、該p型Si層の上に、n型窒化物半導体層、p型窒化物半導体層を積層した発光素子構造部と、を有する素子。
- Si基板を有するSi半導体の保護素子部と、該基板上に、窒化物半導体層が積層された発光素子構造部と、を有し、前記保護素子部又は前記発光素子構造部内で、トンネル接合が形成されている半導体素子。
- Si基板を有するSi半導体の保護素子部と、該基板上に、窒化物半導体層が積層された発光素子構造部と、を有し、前記保護素子部が、前記発光素子部の窒化物半導体層と、Si半導体とにそれぞれ一対の電極が設けられた保護素子である半導体素子。
- 前記保護素子部がSi基板上にSi層を積層して形成され、発光素子部が前記保護素子部上に積層され、各素子部が重層された積層構造体である請求項1乃至4記載の半導体素子。
- 前記保護素子部が、p型Si基板内にn型領域を有する請求項1乃至5記載の半導体素子。
- 前記保護素子部が、n型Si基板上にp型Si層を設けた構造を有する請求項1乃至5記載の半導体素子。
- 前記保護素子部が、n型Si基板上にp型Si層が積層された構造を有する請求項7記載の半導体素子。
- 前記保護素子部と発光素子構造部が1つの共通電極を有する請求項1乃至8記載の半導体素子。
- 前記保護素子部のカソード電極とアノード電極との間に、トンネル接合が形成され、該アノード電極が、発光素子部のカソード電極と共通電極である請求項9記載の半導体素子。
- 前記発光素子部のカソード電極が、前記保護素子部のp型Si層に設けられ、該発光素子部のカソード電極とアノード電極との間に、トンネル接合が形成される請求項1乃至10記載の半導体素子。
- 前記発光素子部のカソード電極及び/又はアノード電極は、前記保護素子部のカソード電極が形成されたSi基板の主面に対向する基板主面に配置されている請求項1乃至11記載の半導体素子。
- 前記発光素子構造部のn電極が、基板の発光素子構造部形成面側に露出されたn型窒化物半導体層に設けられている請求項12記載の半導体素子。
- 前記半導体素子が、三端子素子であり、該三端子が、前記発光構造部のp,n電極と、前記基板の前記発光素子構造部が設けられた主面に対向する主面に設けられた保護素子部のn電極である請求項1乃至13記載の半導体素子。
- 前記半導体素子が、前記基板の前記発光素子構造部が設けられた主面に設けられたn電極と発光構造部のp電極とが接続されるように半導体素子に配線が設けられた内部回路を有する請求項1乃至13記載の半導体素子。
- 前記半導体素子が、二端子素子であり、該二端子が、前記発光構造部のn電極と、発光構造部が設けられた基板主面に対向する主面に設けられた保護素子部のn電極である請求項1乃至13、15記載の半導体素子。
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