JP2008071910A - 窒化物半導体発光ダイオード素子およびその製造方法 - Google Patents

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晋 平岡
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Abstract

【課題】光取出し効率が高く、かつ簡便に製造することのできる、窒化物半導体発光ダイオード素子を提供すること。
【解決手段】窒化物半導体発光ダイオード素子10は、基板11上に形成されたn型窒化物半導体層12aと、n型窒化物半導体層12aに電流を注入するための第2の電極P12とを有し、n型窒化物半導体層12a上の縁部を含まない第1の領域には、発光層13を含む複数の窒化物半導体層が、n型窒化物半導体層12bの厚さ方向に積層されてなる積層構造体S10が形成されており、積層構造体S10上には、第2の電極P12とは反対の極性を有する第1の電極P11が形成されており、発光層13をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、n型窒化物半導体層12aから離れるにつれて増加している。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子構造の主要部を窒化物半導体で構成した窒化物半導体発光ダイオード素子とその製造方法に関する。
窒化物半導体は、化学式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される化合物半導体であり、3族窒化物半導体、窒化ガリウム系半導体などとも呼ばれる。上記化学式において、3族元素の一部をB(ホウ素)、Tl(タリウム)などで置換したもの、また、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)などで置換したものも、窒化物半導体に含まれる。ダブルヘテロpn接合型の発光素子構造を窒化物半導体で構成した窒化物半導体発光ダイオード素子(以下、「窒化物LED」ともいう。)は、現在、表示装置用の光源として広く使用されているが、照明装置用の光源としても期待されており、そのために、窒化物LEDの発光効率の改善を目的とした研究開発が盛んに行われている。なお、本明細書では、特に断らない限り、窒化物半導体発光ダイオード素子または窒化物LEDという場合、ウェハから切り出された後のチップ状のLED素子(ダイス)のことを指すものとする。
図6に、特許文献1に開示された従来の窒化物LEDの断面構造を示す。この従来例では、サファイア基板101の上にn型窒化物半導体層102が積層され、そのn型窒化物半導体層102上の異なる領域に、窒化物半導体からなる発光層103とp型窒化物半導体層104とを含む積層構造体S100と、負電極P102とが、それぞれ形成されている。積層構造体S100の上には正電極P101が形成されている。正電極P101は、透光性電極P101aとボンディングパッドP101bとから構成されている。
図6に示す従来の窒化物LED100の特徴は、LED素子の外周部において、積層構造体S100の側面とn型窒化物半導体層102の側面とが連続した傾斜面を構成しており、この傾斜面と積層構造体S100の上面とがなす角βが鋭角となっているところである。この構造によって、発光層103で発生した光のうち、ダブルヘテロ構造に起因する光閉じ込めによって、発光層103内を該層と平行な方向に進行する光が、発光層103の側面で光取出し方向(透光性電極P101a側)に反射されるようになるため、素子の光取出し効率が高められる。
特開2003−347589号公報
ところで、図1に示す窒化物LED100では、上述のように、積層構造体S100の側面だけでなく、n型窒化物半導体層102の側面をも傾斜面としている。ここで、n型窒化物半導体層102は、発光層103を気相成長により形成する際の下地層となることから、その結晶性を良好なものとするために、厚く形成することが望ましいとされている。また、この例のように、n型窒化物半導体層102内を、該層に平行な方向に電流が流れるように構成した素子(いわゆる水平型の素子)では、順方向電圧が高くならないように、n型窒化物半導体層の膜厚を大きくして、そのシート抵抗を低くする必要がある。このような理由から、n型窒化物半導体層102は、少なくとも2μm以上の厚さに形成されるのが普通である。しかし、そのような厚いn型窒化物半導体層102の側面をエッチング加工により傾斜面にしようとすると、加工に多大な時間を要することになり、LED素子の製造効率が著しく低下することになる。また、エッチング時間が長くなるとエッチングマスクの予期せぬ損傷や変形が起こり、所定のエッチング形状が得られないというトラブルが発生し易いために、歩留りが低くなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、光取出し効率が高く、かつ簡便に製造することのできる、窒化物半導体発光ダイオード素子を提供することである。
本発明者等は、ダブルヘテロ構造を有する窒化物半導体発光ダイオード素子においては、発光層への光の閉じ込めの度合がかなり大きく、そのために、膜厚の大きなn型窒化物半導体層の側面までをも傾斜面としなくても、活性層の側面を傾斜面とするだけで十分な光取出し効率の向上を達成できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子およびその製造方法は、次の特徴を有する。
(1)基板上に形成されたn型窒化物半導体層と、該n型窒化物半導体層に電流を注入するための第2の電極とを有し、前記n型窒化物半導体層上の縁部を含まない第1の領域には、発光層を含む複数の窒化物半導体層が、前記n型窒化物半導体層の厚さ方向に積層されてなる積層構造体が形成されており、前記積層構造体上には、前記第2の電極とは反対の極性を有する第1の電極が形成されており、前記発光層をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加している、窒化物半導体発光ダイオード素子。
(2)前記積層構造体をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加している、前記(1)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(3)基板上に形成されたn型窒化物半導体層と、該n型窒化物半導体層に電流を注入するための第2の電極とを有し、前記n型窒化物半導体層上の縁部を含まない第1の領域には、発光層を含む複数の窒化物半導体層が、前記n型窒化物半導体層の厚さ方向に積層されてなる積層構造体が形成されており、前記積層構造体上には、前記第2の電極とは反対の極性を有する第1の電極が形成されており、前記発光層の側面と前記積層構造体の上面がなす角が鋭角となるように、該発光層の側面が傾斜している、窒化物半導体発光ダイオード素子。
(4)前記積層構造体の側面と該積層構造体の上面とがなす角が鋭角となるように、該積層構造体の側面が傾斜している、前記(3)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(5)前記n型窒化物半導体層上の、前記第1の領域とは異なる第2の領域に、前記第2の電極が形成されている、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(6)前記n型窒化物半導体層上に、前記第1の領域を取り囲む誘電体膜が形成されており、該誘電体膜の側面と前記発光層の側面とが接している、請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(7)前記誘電体膜が前記n型窒化物半導体層上の縁部を除く領域に形成されている、前記(6)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(8)前記誘電体膜に貫通孔または切り欠き部が設けられており、該貫通孔または切り欠き部に露出した前記n型窒化物半導体層の表面に接するように前記第2の電極が形成されている、前記(6)または(7)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(9)(イ)結晶基板上に成長したn型窒化物半導体層上に、該n型窒化物半導体層の厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が該n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加する貫通孔を有する、誘電体膜を形成する工程と、(ロ)前記n型窒化物半導体層上の前記貫通孔を通して露出した領域に、発光層を含む複数の窒化物半導体層を成長させて、積層構造体を形成する工程と、を有し、前記(ロ)の工程において、前記発光層を、その側面が前記第1の貫通孔の内壁に接するように成長させることによって、該発光層をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積を、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加させる、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
(10)(イ)結晶基板上に成長したn型窒化物半導体層上に、該n型窒化物半導体層の厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が該n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加する貫通孔を有する、誘電体膜を形成する工程と、(ロ)前記n型窒化物半導体層上の前記貫通孔を通して露出した領域に、発光層を含む複数の窒化物半導体層を成長させて、積層構造体を形成する工程と、を有し、前記(ロ)の工程において、前記積層構造体を、その側面が前記第1の貫通孔の内壁に接するように成長させることによって、該積層構造体をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積を、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加させる、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子では、発光層の側面と発光層を含む積層構造体の上面とがなす角が鋭角となるように、発光層の側面を傾斜させている。それによって、発光層に閉じ込められて、発光層内を該層に平行な方向に進行する光が、発光層の側面で反射されて、該積層構造体の上面に向かう方向に進行方向を変えるので、素子の光取り出し効率が高くなる。
また、本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子は、製造する際に、膜厚の大きなn型窒化物半導体層の側面をエッチング加工する必要がないので、製造に要する時間が短く、かつ、歩留りよく製造することができる。
本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法によれば、本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子を極めて簡便に製造することができる。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る窒化物LEDの構造を図1に示す。図1(a)に上面図を、図1(a)のX−Y線の位置における断面図を図1(b)に示す。本実施形態では、サファイア基板などの結晶基板11の上に第1のn型窒化物半導体層12aが積層され、第1のn型窒化物半導体層12a上の異なる領域に、第2のn型窒化物半導体層12b、窒化物半導体からなる発光層13およびp型窒化物半導体層14を含む積層構造体S10と、負電極P12とが、それぞれ形成されている。積層構造体S10の上には正電極P11が形成されている。正電極P11は、透光性電極P11aとボンディングパッドP11bとから構成されている。第1のn型窒化物半導体層12a上には、また、積層構造体S10を取り囲む誘電体膜Dが形成されており、積層構造体S10の側面は、この誘電体膜Dの側面と接している。また、誘電体膜Dには貫通孔T12が形成されており、負電極P12は、この貫通孔T12に露出した第1のn型窒化物半導体層12aの表面上に形成されている。
図1に示す窒化物LED10では、発光層13をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、前記第1のn型窒化物半導体層12aから離れるにつれて増加しており、発光層13の側面が傾斜面となっている。発光層13の側面と、積層構造体S10の上面とがなす角αは鋭角である。かかる構成により、発光層13で発生する光のうち、発光層13内に閉じ込められて、該層と平行な方向に進行する光が、発光層13の側面で透光性電極P11a側に反射されるので、素子の光取出し効率が高められる。この効果を最大限に利用するには、透光性電極P11a側が光取出し方向となるように素子を実装する、すなわち、基板11の裏面をリードフレームや回路基板に接着固定する実装方式を採用することが望ましい。このようなLED素子の実装方式は伝統的なものであり、フリップチップ実装のような高度な技術を必要としない。よって、窒化物LED10は、高い光取り出し効率を有しながらも、汎用の装置を用いて、高速でかつ歩留りよく実装することが可能な素子ということができる。
次に、本実施形態の窒化物LED10の製造方法を次に説明する。
まず、図2(a)に断面図を示すように、サファイアなどからなるウェハサイズの結晶基板11の上に、MOVPE法(有機金属化合物気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子ビームエピタキシー法)などの気相成長法を用いて、第1のn型窒化物半導体層12aを成長させる。第1のn型窒化物半導体層12aは、例えば、キャリア濃度1×1018cm−3〜1×1019cm−3のSiドープGaNを用いて、2μm〜5μmの厚さに形成する。ここで、結晶基板11の表面には、予め窒化物半導体結晶のラテラル成長を発生させるための加工、例えば、酸化ケイ素からなるマスクパターンの形成や、エッチングによる凹凸加工を施してもよい。また、結晶基板11と第1のn型窒化物半導体層12aとの間には、格子不整を緩和するためのバッファ層を介在させることが好ましい。好適なバッファ層として、窒化物半導体からなる低温バッファ層や高温バッファ層が挙げられる。
次に、図2(b)に断面図を示すように、第1のn型窒化物半導体層12a上に、その表面からは窒化物半導体結晶の成長が生じない誘電体膜Dを、0.8μmの厚さに形成する。誘電体膜Dとしては、公知のELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法においてマスクとして用いられる誘電体膜を適宜用いることができ、具体的には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ジルコニウムなどからなる非晶質膜が例示される。
次に、図2(c)に断面図を示すように、エッチング法を用いて誘電体膜Dに貫通孔T11を形成する。貫通孔T11を形成する領域は、後の工程で発光層13を含む積層構造体S10を成長させる領域とする。貫通孔T11は、第1のn型窒化物半導体層12aの厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積(孔の断面積)が、第1のn型窒化物半導体層12aから離れるにつれて増加するように形成する。言い換えれば、その内壁面と第1のn型窒化物半導体層12aの上面とがなす角θが、鈍角となるように形成する。θの好ましい値は、120度〜150度であり、より好ましくは、130度〜140度である。θは、エッチング時のエッチングマスクと誘電体膜Dのエッチング選択比を変化させることなどにより、調節することができる。また、エッチングマスクの断面形状によっても調節することができる。この図では貫通孔T11の内壁面の傾斜を一定とした場合を示しているが、この傾斜は一定でなくてもよく、貫通孔T11の内壁面は図4(a)に示すような凹面であってもよいし、図4(b)に示すような凸面であってもよい。
次に、図2(d)に断面図を示すように、第1のn型窒化物半導体層12a上の、貫通孔T11を通して露出した領域に、気相成長法を用いて、第2のn型窒化物半導体層12b、発光層13、p型窒化物半導体層14を順次成長させて、積層構造体S10を形成する。第2のn型窒化物半導体層12bは、例えば、キャリア濃度5×1017cm−3〜5×1018cm−3のSiドープGaNで、500nmの厚さに形成する。発光層13は、例えば、In組成の異なるInGaN井戸層とInGaN障壁層とを交互に積層した、総膜厚100nmの多重量子井戸(MQW)層とする。p型窒化物半導体層14は、例えば、発光層13と接する側を膜厚50nmのMgドープAlGaNクラッド層とし、その上に膜厚150nmのMgドープGaNコンタクト層を積層した2層構造とする。各窒化物半導体層をステップフローモードで成長させると、成長面が平坦となる一方、横方向の成長は誘電体膜Dにより制限される。その結果、積層構造体S10の形状は、その厚さ方向に直交する断面で切断したときにできる断面の面積が、第1のn型窒化物半導体層12aから離れるにつれて増加する形状となり、また、積層構造体S10の側面と、その上面とがなす角αが、鋭角となる。
本実施形態において、積層構造体S10の最下層として設けた第2のn型窒化物半導体層12bは、その上に成長させる発光層13の結晶性を向上させるための下地層である。この層は、GaNで形成する代わりに、発光層13に含まれる井戸層よりも大きなバンドギャップを有するInGaNで形成してもよいし、また、そのようなInGaNとGaNとを交互に積層した超格子層としてもよい。また、発光層13の発光波長が短波長(380nm以下)の場合には、発光層13の下にキャリア閉じ込めに十分なバンドギャップを有するAlGaNクラッド層を設けることが好ましい。なお、積層構造体S10の総膜厚に応じて誘電体膜Dの膜厚を設定することにより、少なくとも発光層13の上面の位置が、誘電体膜Dの上面の位置よりも、第1のn型窒化物半導体層12a側となるようにする。好ましくは、積層構造体S10の側面全体が傾斜面となるように、積層構造体S10の上面の位置が、誘電体膜Dの上面の位置よりも、第1のn型窒化物半導体層12a側となるように、誘電体膜Dの膜厚を設定する。
次に、図3(e)に断面図を示すように、積層構造体S10上に正電極P11(P11a、P11b)を形成するとともに、エッチング法を用いて誘電体膜Dに貫通孔T12を形成し、該貫通孔T12に露出した第1のn型窒化物半導体層12aの表面に、負電極P12を形成する。正電極P11、負電極P12の材料や形成方法については、従来公知の技術を適宜参照することができる。変形実施形態として、誘電体膜Dの代わりに、積層構造体S10の一部をエッチングにより除去し、それによって露出する第1のn型窒化物半導体12aの表面に負電極P12を形成することもできる。他の変形実施形態として、正負の電極を形成する前に、ウェットエッチングによって誘電体膜Dの全部をいったん除去してしまい、正負の電極を形成する前、または、形成した後に、保護が必要な部分を覆う誘電体保護膜を新たに形成してもよい。
次に、図3(f)に断面図を示すように、後の工程でウェハを切断してチップ状のLED素子を切り出す際の切断線が通る領域から、誘電体膜Dを除去する。誘電体膜Dの除去はエッチング法を用いて行う。このようにすることで、ウェハを切断する際の振動や応力が誘電体膜Dを介して積層構造体S10に伝わり、積層構造体S10内の発光層13などが損傷を受けるのを、防ぐことができる。
最後に、必要に応じて結晶基板11の裏面を研磨して、その厚みを落とした後、スクライビング、ダイシング、レーザ加工など、この分野で通常用いられている方法を用いて、図3(g)に示すようにウェハを切断して、チップ状のLED素子を得る。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係る窒化物LEDの断面図を図5に示す。本実施形態では、結晶基板21として、GaN基板、SiC基板、ZnO基板、Si基板などの導電性基板を用いている。そのために、結晶基板21の裏面に負電極P22が形成可能となっている。その他の点は、第一の実施形態の場合と略同様であり、結晶基板21の上に第1のn型窒化物半導体層22aが積層され、その第1のn型窒化物半導体層22a上に、第2のn型窒化物半導体層22b、窒化物半導体からなる発光層23、p型窒化物半導体層24をこの順に含む積層構造体S20が形成されている。積層構造体S20上には正電極P21(P21a、P21b)が形成されている。発光層23は、その厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、第1のn型窒化物半導体層22aから離れるにつれて増加しており、その側面は傾斜面となっている。発光層23の側面と、積層構造体S20の上面とがなす角αは鋭角である。
(その他の実施形態1)
上記の各実施形態では、窒化物半導体層の成長に用いた結晶基板が、最終製品であるLED素子中にも含まれていたが、必須ではなく、ウェハを切断する前に、この結晶基板を別途準備した支持基板に置換してもよい。支持基板として低融点ガラスなどの絶縁体からなるものを用いる場合には、上記第一の実施形態の場合のように、正電極と負電極を素子の同一面側に設ける水平型の素子構成とする。一方、支持基板として、金属(合金を含む)や半導体からなる導電性基板を用いる場合には、水平型の素子構成と、上記第二の実施形態の場合のような垂直型の素子構成の、いずれを採用することもできる。支持基板は、窒化物半導体層に対して、接着や熱圧着の方法により接合することができる。また、窒化物半導体層の表面に適当な下地層を形成し、その上に電気メッキや無電解メッキなどの方法で形成した厚膜の金属層を支持基板とすることもできる。
(その他の実施形態2)
本発明の窒化物LEDにおいて、発光層を含む複数の窒化物半導体からなる積層構造体は、キャリアが逆方向にトンネリングし得るトンネル接合を含んでいてもよい。例えば、前記第一の実施形態の窒化物LED10において、第1のn型窒化物半導体層12aと発光層13との間に、第2のn型窒化物半導体層12bを設ける代わりにトンネル接合を設け、そのトンネル接合の上にp型層を介して発光層13を形成するとともに、発光層の上にはp型窒化物半導体層14に代えて第3のn型窒化物半導体層を形成すると、発光層13に対して、第1のn型窒化物半導体層12aの側から正孔を注入し、第3のn型窒化物半導体層の側から電子を注入する素子構成とすることができる(この場合、第1のn型窒化物半導体層12a上に形成する電極が正電極となり、第3のn型窒化物半導体上に形成する電極が負電極となる。)。
本発明は上記説明した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を損なわない範囲内で、種々の変形が可能である。
本発明の第一の実施形態に係る窒化物半導体発光ダイオード素子の構造を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のX−Y線の位置における断面図である。 図1に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための図である。 図1に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための図である。 誘電体膜に設ける貫通孔の内壁面の形状例を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る窒化物半導体発光ダイオード素子の断面図である。 従来の窒化物半導体発光ダイオード素子の構造を示す断面図である。
符号の説明
10、20 窒化物半導体発光ダイオード素子
11、21 結晶基板
12、22 n型窒化物半導体層
13、23 発光層
14、24 p型窒化物半導体層
P11、P21 正電極
P12、P22 負電極
S 積層構造体
D 誘電体膜

Claims (10)

  1. 基板上に形成されたn型窒化物半導体層と、該n型窒化物半導体層に電流を注入するための第2の電極とを有し、
    前記n型窒化物半導体層上の縁部を含まない第1の領域には、発光層を含む複数の窒化物半導体層が、前記n型窒化物半導体層の厚さ方向に積層されてなる積層構造体が形成されており、
    前記積層構造体上には、前記第2の電極とは反対の極性を有する第1の電極が形成されており、
    前記発光層をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加している、窒化物半導体発光ダイオード素子。
  2. 前記積層構造体をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加している、請求項1に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  3. 基板上に形成されたn型窒化物半導体層と、該n型窒化物半導体層に電流を注入するための第2の電極とを有し、
    前記n型窒化物半導体層上の縁部を含まない第1の領域には、発光層を含む複数の窒化物半導体層が、前記n型窒化物半導体層の厚さ方向に積層されてなる積層構造体が形成されており、
    前記積層構造体上には、前記第2の電極とは反対の極性を有する第1の電極が形成されており、
    前記発光層の側面と前記積層構造体の上面がなす角が鋭角となるように、該発光層の側面が傾斜している、窒化物半導体発光ダイオード素子。
  4. 前記積層構造体の側面と該積層構造体の上面とがなす角が鋭角となるように、該積層構造体の側面が傾斜している、請求項3に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  5. 前記n型窒化物半導体層上の、前記第1の領域とは異なる第2の領域に、前記第2の電極が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  6. 前記n型窒化物半導体層上に、前記第1の領域を取り囲む誘電体膜が形成されており、該誘電体膜の側面と前記発光層の側面とが接している、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  7. 前記誘電体膜が前記n型窒化物半導体層上の縁部を除く領域に形成されている、請求項6に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  8. 前記誘電体膜に貫通孔または切り欠き部が設けられており、該貫通孔または切り欠き部に露出した前記n型窒化物半導体層の表面に接するように前記第2の電極が形成されている、請求項6または7に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
  9. (イ)結晶基板上に成長したn型窒化物半導体層上に、該n型窒化物半導体層の厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が該n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加する貫通孔を有する、誘電体膜を形成する工程と、
    (ロ)前記n型窒化物半導体層上の前記貫通孔を通して露出した領域に、発光層を含む複数の窒化物半導体層を成長させて、積層構造体を形成する工程と、
    を有し、
    前記(ロ)の工程において、前記発光層を、その側面が前記第1の貫通孔の内壁に接するように成長させることによって、該発光層をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積を、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加させる、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
  10. (イ)結晶基板上に成長したn型窒化物半導体層上に、該n型窒化物半導体層の厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積が該n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加する貫通孔を有する、誘電体膜を形成する工程と、
    (ロ)前記n型窒化物半導体層上の前記貫通孔を通して露出した領域に、発光層を含む複数の窒化物半導体層を成長させて、積層構造体を形成する工程と、
    を有し、
    前記(ロ)の工程において、前記積層構造体を、その側面が前記第1の貫通孔の内壁に接するように成長させることによって、該積層構造体をその厚さ方向に直交する平面で切断したときにできる断面の面積を、前記n型窒化物半導体層から離れるにつれて増加させる、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
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