JP2006338893A - 電界放出ディスプレイ装置、電界放出型電子源装置 - Google Patents

電界放出ディスプレイ装置、電界放出型電子源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 輝度の不均一を抑えた電界放出ディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 電荷の衝突により発光する蛍光材3と、この蛍光材3に向けて電荷を放出する複数のナノチューブ10と、複数のナノチューブ10に1対1に対応しており、対応するナノチューブ10に電荷を供給する複数のコンデンサ11と、複数のナノチューブ10との間に電界を発生させて、ナノチューブ10から電子を放出させるための放電ゲート電極15と、ナノチューブ10から放出された電荷を蛍光材3に導くように電界を発生させるための放電アノード電極4と、を備える電界放出ディスプレイ装置である。複数のナノチューブ10は、各々が一回で放出する電荷の量が、他のナノチューブ10とほぼ同じになるように配列されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電界放出型電子源装置及び電界放出型のディスプレイ装置(以下、「FED:Field Emission Display」という)に関し、特に放出する電荷のバラツキを抑えた電界放出型電子源装置及びこのような電界放出型電子源装置を用いたFEDに関する。
FEDは、次世代のディスプレイ装置の一つとして、研究、開発が行われている。FEDは、原理的にCRT(Cathode Ray Tube)と多くの点で共通しているために、広視野であり、発色やレスポンス速度が優れている。また、液晶ディスプレイ装置のようにフラット化、薄型化が容易である。
FEDは、概略的に言うと、CRTにおいて一つだけ用いられる大きな電子源を、小さい多数の電子源に置き換えた構成である。電子源の構成は、CRTが電子放出源を熱することにより電子を放出させる熱電子放出型電子源であるのに対して、FEDは電界放出型電子源である。
「電界放出」とは、固体表面に強い電界がかかると、固体表面に閉じ込められていた電子が、表面のポテンシャル障壁が低くなるために、トンネル効果で真空中に飛び出す現象である。
電界放出を観測するには、非常に高い電圧を固体に印加しなくてはならない。しかし電圧をかける面積が小さくなればその分だけ電界が集中するので、金属針のように先端の尖ったものならより低い電圧で済む。そのため「電界放出型電子源」には、先端の鋭くとがったものが用いられている。この明細書では、このような電界放出を行う固体を「電荷放出体」という。
近年、カーボンナノチューブを用いたFEDについての研究が国内外で進んでいる。カーボンナノチューブは、アスペクト比(縦横比)が非常に大きくて、先端が尖鋭であり、また化学的に安定しており、機械的に強靱であるるために、電界放出型電子源装置の電荷放出体に適した素材である。
FEDの電界放出型電子源装置には、多数のカーボンナノチューブが林立するナノチューブアレイが使われる。ナノチューブアレイは、半導体微細加工のように複雑な工程を必要とせず、「自己組織化」をコントロールできれば、比較的簡単な工程で作ることができる。
カーボンナノチューブから放出される電子が、発光体に衝突することで発光体が発光する。RGBの3つの発光体一組から発せられた可視光が1ピクセルに相当する。そのために、1ピクセルにはカーボンナノチューブが少なくとも3つ必要になる。
このようなカーボンナノチューブを用いたFEDでは、輝度のバラツキが問題になっている。これは、カーボンナノチューブの均一化が困難なことに由来している。しかしカーボンナノチューブは、その長さを精密に揃えることが困難である。カーボンナノチューブが不均一なので、ナノチューブアレイを構成するカーボンナノチューブの各々に不均一な電界がかかることになる。不均一な電界がカーボンナノチューブにかかることで、放出される電荷の量にもバラツキが生じる。
FEDでは、発光体に衝突する電荷の量によって輝度が決まる。しかし、上記のように、カーボンナノチューブから放出される電荷の量がばらついているために、輝度が不均一になる。
本発明は、このような輝度の不均一を抑えることで、画質が向上した電界放出ディスプレイ装置を提供することを課題とする。
また本発明は、複数の電荷放出体からほぼ同量の電荷が放出されるように構成された電界放出型電子源装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の電界放出ディスプレイは、電荷の衝突により発光する発光体と、の発光体に向けて前記電荷を放出する複数の第1ナノチューブと、前記複数の第1ナノチューブに1対1に対応しており、各々が対応する第1ナノチューブと端面で対向し且つ所定の間隔を開けて設けられる複数の第2ナノチューブと、前記複数の第1ナノチューブとの間に電界を発生させて、第1ナノチューブから前記電荷を放出させるための第1電極と、前記第1ナノチューブから放出された前記電荷を前記発光体に導くように電界を発生させるための第2電極と、前記第1ナノチューブとこの第1ナノチューブに対応する前記第2ナノチューブとの間に電界を発生させ、当該第2ナノチューブから当該第1ナノチューブに前記電荷を放出させるための第3電極と、を備えている。前記第1ナノチューブは、対応する第2ナノチューブから放出された前記電荷を蓄電するように構成され、前記複数の第1ナノチューブの各々から一回で放出される前記電荷の量が、ほぼ同じになるように構成される。
このような電界放出ディスプレイ装置は、第1ナノチューブと第2ナノチューブとの間の所定の間隔が、第1ナノチューブと第2ナノチューブとの組のそれぞれでほぼ同じに構成されるので、各第1ナノチューブに蓄えられる電荷がほぼ同じである。そのために、複数の第1ナノチューブの各々からほぼ同じ量の電荷を放出させることができる。電界放出ディスプレイ装置では、発光体に衝突する電荷の量によって輝度が決まるので、以上のような本発明の構成により、複数の第1ナノチューブから放出されて発光体に衝突する電荷の量がほぼ均一になり、従来のような輝度のバラツキを抑制することができる。
本発明の他の電界放出ディスプレイ装置は、電荷を蓄える蓄電体と、前記蓄電体に蓄えられた前記電荷を放出するための複数の電荷放出体と、前記電荷の衝突により発光する発光体と、前記複数の電荷放出体との間に電界を発生させて、電荷放出体から前記電荷を放出させるための第1電極と、前記電荷放出体から放出された前記電荷を前記発光体に導くように電界を発生させるための第2電極と、を備えて構成されている。前記蓄電体は、各電荷放出体に一回に供給する前記電荷の量がほぼ同じになるように構成されており、前記複数の電荷放出体は、各々が一回で放出する前記電荷の量が、他の電荷放出体とほぼ同じになるように配列されている。
このような電界放出ディスプレイ装置は、蓄電体から各電荷放出体に供給される電荷の量がほぼ同じである。電荷放出体は供給される電荷を放出するようになっているので、各電荷放出体から放出される電荷の量はほぼ同じである。このような本発明の構成により、複数の電荷放出体から放出されて発光体に衝突する電荷の量がほぼ均一になり、従来のような輝度のバラツキを抑制することができる。
前記電荷放出体は、例えば金属の性質を有するナノチューブにより構成することができる。前述の通り、ナノチューブは電界放出ディスプレイに適した素材であり、本発明の電界放出ディスプレイにも適用可能である。
前記蓄電体は、前記電荷放出体に1対1に対応するように複数設けてもよい。この場合各々の蓄電体に、ほぼ同じ量の電荷が蓄電されるように構成する。また前記複数の電荷放出体の各々を、対応する蓄電体から蓄電された前記電荷が供給されるように構成する。このような構成では、複数の蓄電体にほぼ同量の電荷が蓄えられ、これが対応する電荷放出体から放出される。そのために複数の電荷放出体の各々からは、ほぼ同量の電荷が放出される。複数の蓄電体を用いるために、複数の電荷放出体から容易に、同時に電荷を放出することができる。
複数の蓄電体を有する場合、以下のような構成を実現することもできる。すなわち、複数の前記蓄電体の各々を、所定の間隔を開けて配列された金属の性質を有するナノチューブの組により構成して、一方のナノチューブを、前記電荷放出体としてその端部から前記電荷を放出するように構成する。つまり、電荷放出体と蓄電体とを、一組のナノチューブにより一体として構成できる。一体として構成するので、製造が容易になる。
ナノチューブの組には、直接電源を接続して蓄電させてもよいが、以下のような構成で蓄電することも可能である。すなわち、電界放出ディスプレイ装置が、前記一方のナノチューブと他方のナノチューブとの間に電界を発生させるための第3電極をさらに備えて、前記他方のナノチューブは、前記第3電極によって発生した電界により、電荷を放出するように構成され、前記一方のナノチューブは、前記他方のナノチューブから放出された電荷を蓄電するように構成される。
また、このような電界放出ディスプレイは、交番信号が入力されて、この交番信号の一方の論理のときに前記蓄電体に電荷を蓄えさせるための電圧を印加し、他方の論理のときに前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電界を発生させるための電圧を印加する制御手段をさらに備えて構成されてもよい。このような構成では、一つの交番信号により蓄電と電荷放出体からの電荷の放出を制御することができ、同時動作による誤動作を防止することができる。
本発明の電界放出型電子源装置は、電荷を蓄える蓄電体と、前記蓄電体に蓄えられた前記電荷を放出するための複数の電荷放出体と、前記複数の電荷放出体との間に電界を発生させて、電荷放出体から前記電荷を放出させるための第1電極と、を備えている。前記蓄電体は、各電荷放出体に一回で供給する前記電荷の量がほぼ同じになるように構成され、前記複数の電荷放出体は、各々が一回で放出する前記電荷の量が、他の電荷放出体とほぼ同じになるように配列されている。このような電界放出型電子源装置により、複数の電荷放出体からほぼ均一な量の電荷が放出される。
本発明の他の電界放出型電子源装置は、電荷を放出するための複数の第1ナノチューブと、前記複数の第1ナノチューブに1対1に対応しており、各々が対応する第1ナノチューブと端面で対向し且つ所定の間隔を開けて設けられる複数の第2ナノチューブと、前記複数の第1ナノチューブとの間に電界を発生させて、第1ナノチューブから前記電荷を放出させるための第1電極と、を備えており、前記第1ナノチューブとこの第1ナノチューブに対応する前記第2ナノチューブとの間に電界を発生させ、当該第2ナノチューブから当該第1ナノチューブに前記電荷を放出させるための第3電極と、を備えており、前記第1ナノチューブは、対応する第2ナノチューブから放出された前記電荷を蓄電するように構成されており、前記複数の第1ナノチューブの各々から一回で放出する前記電荷の量は、ほぼ同じになるように構成される。このような電界放出型電子源装置により、複数の第1ナノチューブからほぼ均一な量の電荷が放出される。
以上のような本発明によれば、蓄電体を用いることでナノチューブから放出される電荷の量が安定して、発光体に向けて放出される電荷の量がほぼ均一になる。そのために、輝度がほぼ均一になりディスプレイ装置の画質が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のFEDの構成を説明するための図である。
FED1は、電界放出型電子源装置2、発光体の一例である蛍光材3、及び放電アノード電極4を有している。電界放出型電子源装置2は、複数のナノチューブ10によるナノチューブアレイを有しており、電界の発生により各ナノチューブ10から電子などの電荷を放出するようになっている。放出された電荷は、放電アノード電極4により発生する電界により加速されて蛍光材3に衝突する。電荷の衝突により蛍光材3が発光する。蛍光材3にはRGBそれぞれに対応するものが用意されており、これにより光の3原色の発光が得られる。蛍光材3及び放電アノード電極4は、従来から用いられているものであり、従来と同様の構成で実現可能である。
電界放出型電子源装置2は、複数のナノチューブ10によるナノチューブアレイの他に、複数のナノチューブ10に1対1に対応して設けられる蓄電体となるコンデンサ11、帯電アノード電極12、カソード電極13、帯電ゲート電極14、及び放電ゲート電極15を備えている。
ナノチューブ10は、一方の先端から電荷を放出する電荷放出体である。ナノチューブ10はRGBの各蛍光材3に対して少なくとも1つ設けられており、1ピクセルの表示に少なくとも3つ用いられる。ナノチューブ10は、金属の性質を持つものであり、例えばカーボンを用いたカーボンナノチューブにより形成される。各ナノチューブ10からは、ほぼ同量の電荷が放出されるようになっている。
コンデンサ11は、ナノチューブ10から放出するための電荷を蓄電するようになっている。コンデンサ11は、ナノチューブ10に1対1で対応している。コンデンサ11のナノチューブ10側の電極は、対応するナノチューブ10に接続されており、蓄電した電荷が、当該ナノチューブ10に供給されるようになっている。各コンデンサ11の蓄電する電荷の量はほぼ同じである。そのために各コンデンサ11から対応するナノチューブ10に一回で供給される電荷の量もほぼ同じである。コンデンサ11のナノチューブ10側の電極は、帯電アノード電極12により電圧が印加できるようになっている。帯電アノード電極12は、ナノチューブ10に設けられているが、ナノチューブ10とコンデンサ11のナノチューブ10側の電極は導通状態にあるので、帯電アノード電極12に電圧が印加されることで、同じ電圧がコンデンサ11のナノチューブ10側の電極にも印加される。コンデンサ11の基板16側の電極は、カソード電極13により電圧が印加できるようになっている。
帯電ゲート電極14は、コンデンサ11に電荷を蓄電させるために設けられている。帯電ゲート電極14はナノチューブ10を挟むように複数設けられており、挟んだナノチューブ10に接続されるコンデンサ11に電荷を蓄電できるようになっている。
なお帯電ゲート電極14は、図3に示すような、コンデンサ11に電源から直接蓄電する形態では不要である。しかし、図4に示すような本発明の特徴的な蓄電方式では必要となってくる。図3、図4に示すコンデンサ11への蓄電については、後述する。
放電ゲート電極15は、ナノチューブ10に電荷を放出させるために設けられている。放電ゲート電極15は、ナノチューブ10を挟むように、ナノチューブ10の蛍光材3側の端部近傍に複数設けられている。放電ゲート電極15に電圧を印加して、ナノチューブ10との間に電位差が生じると電界が発生する。この電界により、電界放出現象が発生して挟んだナノチューブ10の蛍光材3側の端部から電荷が放出される。ナノチューブ10から放出された電荷は、放電アノード電極4に電圧が印加されることで発生する電界によって、蛍光材3に導かれて衝突するようになっている。
カソード電極13は基板16上に、帯電アノード電極12及び帯電ゲート電極14は基板17に、放電ゲート電極15は基板18上に、それぞれ設けられる。基板16と基板17との間の空間、基板17と基板18との間の空間は、それぞれ真空になっている。各電極は、それぞれの基板16〜18に、従来の半導体製造で行われているような写真食刻などを用いて、形成することができる。
図2は、電界放出型電子源装置2の具体的な構成の例示図である。
この電界放出型電子源装置2は、コンデンサ11を2つのナノチューブにより形成しており、図1のナノチューブ10とコンデンサ11とが一体になった構成である。その他の構成は、図1に示しているものに同様である。
図2の電界放出型電子源装置2は、一組のナノチューブ10a、10bを有している。一組のナノチューブ10a、10bは、一直線上に、それぞれの端部が対向し且つ所定の間隔を開けて配置される。これらのナノチューブ10a、10bは、ともに金属の性質を有するものであり、且つ直径が同じものである。このようなナノチューブ10a、10bは、2つの電極を所定の間隔を開けて設置されたものと同じである。そのためにナノチューブ10a、10bは、コンデンサ11を形成することになる。
このようなナノチューブ10a、10bは、例えば、一本のナノチューブを切断することにより実現できる。元々一本のナノチューブを切断することで、同じ直径のナノチューブ10a、10bを生成できる。また切断部分をそのままにするので、互いの対向する端部の間隔を極小にでき、コンデンサ11の静電容量を大きくできる。
コンデンサ11には、図3又は図4に示すようにして電荷を蓄電することができる。
図3では、カソード電極13に電圧源の正電極を接続し、帯電アノード電極12に電圧源の負電極を接続することで、コンデンサ11に直接蓄電する。これにより、コンデンサ11のナノチューブ10b側に正電荷が蓄電され、ナノチューブ10a側に負電荷が蓄電される。各コンデンサ11の静電容量がほぼ同じであれば、一つの電源により、各コンデンサ11にほぼ同量の電荷を蓄電することができる。
図4では、ナノチューブ10bに基準電圧を印加しておき、ナノチューブ10aに基準電圧よりも高い電圧を印加する。さらに、帯電ゲート電極14にナノチューブ10aに印加される電圧よりもさらに高い電圧を印加する。カソード電極13に基準電圧を印加することで、ナノチューブ10bには基準電圧が印加される。帯電アノード電極12に電圧を印加することで、ナノチューブ10aに電圧が印加される。
図4では、カソード電極13に基準電圧として接地電圧が印加されることで、ナノチューブ10bに接地電圧が印加される。ナノチューブ10aには所定の電圧値の正電圧V1が印加される。帯電ゲート電極14には正電圧V1の電圧値よりも高い電圧値の正電圧V2が印加される。
ナノチューブ10a、b及び帯電ゲート電極14の各々に上記のような接地電圧、正電圧V1、V2が印加されると、ナノチューブ10b内の電子がナノチューブ10a及び帯電ゲート電極14に印加された正電圧V1、V2により引きつけられる。その後、ナノチューブ10bの電子は、トンネル現象によってナノチューブ10aに放出される。
このようにしてナノチューブ10bには、電子が放出されるために正孔が残る。ナノチューブ10aは、ナノチューブ10bから受け取った電子を蓄える。電圧V1、V2の印加の終了により蓄電が終了する。各電極への電圧の印加時間により、ナノチューブ10aに蓄電される電荷の量が決まる。
図5は、ナノチューブ10aに蓄電された電荷の放出を説明するための図である。コンデンサ11への蓄電が終了すると、図5に示すように放電ゲート電極15に正電圧V3を印加する。これにより電界放出現象が起こり、ナノチューブ10aの先端から、ナノチューブ10aに保持されている負電荷が放出される。また、放電アノード電極4に正電圧V3よりも高い電圧値の正電圧V4を印加すると、放出された負電荷が蛍光材3に向かって移動して衝突する。これにより蛍光材3が発光する。
図2のような構成の電界放出型電子源装置2では、コンデンサ11がナノオーダで形成されるので容量が非常に小さい。そのために、コンデンサ11からナノチューブ10aに供給される電荷の量が少なく、ナノチューブ10aから放出される電荷も少ない。そこで上記のようなコンデンサ11への蓄電、放電を繰り返し行う。つまり、図3→図5、あるいは図4→図5を繰り返し行うことで、ナノチューブ10aに連続的に負電荷を蓄電、放電させて、蛍光材3を連続的に発光させる。この繰り返しの回数で、輝度が決定する。回数が多いほど蛍光材3が発光する回数が多くなり、高輝度になる。
そのためにこの実施形態のFED1は、各電極への電圧印加を制御するための制御装置5を備える。図6は、制御装置5の一例である。制御装置5は、正電圧V1〜V4を生成する電圧生成部19、及びFED1内の他の制御装置から供給される制御信号により、電界放出型電子源装置2の各電極に電圧を印加する印加制御部20を有する。
電圧生成部19は、FED1に供給される電源電圧VEEから正電圧V1〜V4を生成する。正電圧V1〜V4は、V1<V2、V3<V4の関係にある。正電圧V1と正電圧V3、正電圧V2と正電圧V4は、その電圧値の大小に決まりがない。例えば、V1=V3、V2=V4であってもよい。また、VEE=V2=V4であってもよい。そのために、電圧生成部19は、少なくとも正電圧V1=正電圧V3を電源電圧VEEから生成するように構成されていればよい。
印加制御部20は、電圧生成部19により生成された正電圧V1〜V4を、帯電アノード電極12、帯電ゲート電極、放電ゲート電極15、及び放電アノード電極4に、印加するか否かを制御するように構成される。コンデンサ11への蓄電時には、帯電アノード電極12に正電圧V1を印加するとともに帯電ゲート電極14に正電圧V2を印加する。ナノチューブ10aから電荷を放出するときには、放電ゲート電極15に正電圧V3を印加するとともに放電アノード電極4に正電圧V4を印加する。
印加制御部20が、帯電アノード電極12及び帯電ゲート電極14に印加するか、放電ゲート電極15及び放電アノード電極4に印加するかは、制御装置5の外部から入力される制御信号によって切り替えられる。制御信号は、例えば図7に示すような交番信号である。この例では、交番の回数がそのまま蛍光材3の発光回数となる。輝度が高いほど発光回数が多いので、交番の回数が多くなる。逆に、輝度が低いほど発光回数が少ないので、交番の回数が少なくなる。図7の例では、図7(a)が蓄電、放電の回数が最も多いので、蛍光材3の発光回数が最も多く、最も輝度が高くなる。次いで図7(c)の輝度が高く、図7(b)の場合が、蛍光材3の発光回数が最も少なく最も輝度が低くなる。
図7の交番信号では、ロー論理のときに、印加制御部20が帯電アノード電極12に正電圧V1を印加するとともに帯電ゲート電極14に正電圧V2を印加する。ハイ論理のときに、印加制御部20が放電ゲート電極15に正電圧V3を印加するとともに放電アノード電極4に正電圧V4を印加する。印加制御部20は、例えば正電圧V1〜V4のそれぞれの供給経路上にスイッチ素子を有して、このスイッチ素子が制御信号により開閉することで、容易に電圧の印加を制御できる。一つの制御信号により蓄電、放電を切り替えるために、同時動作による誤動作を防止することができる。
このような印加制御部20は、例えばピクセル毎に設けられる。1ピクセルに対してナノチューブ10aが3つ対応する場合には、当該3つに同じ電圧を印加するために、一つの印加制御部20から3つのナノチューブ10aにかかわる電極に電圧が印加される。
図3のように、帯電ゲート電極14に電圧を印加しない場合には、制御装置5から帯電アノード電極12及びカソード電極13に電圧が印加される。図3のようにナノチューブ10aに負電荷を蓄電する場合には、例えば電圧V1<電圧V2の場合に、電圧V1を帯電アノード電極12に印加し、電圧V2をカソード電極13に印加する。
なお、この図3〜図5ではナノチューブ10aに負電荷、ナノチューブ10bに正電荷を蓄電させる例を説明したが、この極性は逆であってもよい。この場合、正電圧V1〜V4の極性が逆になり、ナノチューブ10aからは正電荷が放出される。電圧V1〜V4は、電圧V1>電圧V3、電圧V2>電圧V4の関係になる。
この実施形態ではコンデンサ11がナノチューブ10に1対1で対応しているが、これに限らず、1つのコンデンサ11から複数のナノチューブ10に対して電荷を供給するようにしてもよい。ただし、各ナノチューブ10に対して一回に供給される電荷の量は常に一定である。あるいは、1つのナノチューブ10に複数のコンデンサ11が対応するように構成してもよい。この場合、ナノチューブ10にいくつのコンデンサ11から電荷を供給するかを制御することで、放出する電荷の量を制御可能になる。制御装置5から電荷を供給するコンデンサ11についてのみ蓄電を行わせることで、電荷の供給を制御できる。
ナノチューブ10a、10bによるコンデンサ11では、静電容量が少ない場合に、これ以外に、別のコンデンサを設けるようにしてもよい。この別のコンデンサに、例えば蛍光材3が発光するために必要な電荷の量のギリギリの電荷を蓄電しておき、ナノチューブ10に供給するようにする。コンデンサ11からの電荷とこの別のコンデンサからの電荷とにより、蛍光材3が発光するのに必要な電荷が得られる。
また、蓄電体はコンデンサ11に限らず、各ナノチューブ10に一定量の電荷を供給できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
本実施形態のFEDの構成を説明するための図。 電界放出型電子源装置の構成の例示図。 コンデンサへの蓄電を説明するための図。 コンデンサへの蓄電を説明するための図。 電荷の放出を説明するための図。 制御装置の構成図。 放電期間と蓄電期間の例を表す図であり、図7(a)〜(c)はそれぞれ蓄電、放電の回数が異なっていることを表している。
符号の説明
1 FED
2 電界放出型電子源装置
3 蛍光材
4 放電アノード電極
5 制御装置
10、10a、10b ナノチューブ
11 コンデンサ
12 帯電アノード電極
13 カソード電極
14 帯電ゲート電極
15 放電ゲート電極
16、17、18 基板
19 電圧生成部
20 印加制御部

Claims (9)

  1. 電荷の衝突により発光する発光体と、
    この発光体に向けて前記電荷を放出する複数の第1ナノチューブと、
    前記複数の第1ナノチューブに1対1に対応しており、各々が対応する第1ナノチューブと端面で対向し且つ所定の間隔を開けて設けられる複数の第2ナノチューブと、
    前記複数の第1ナノチューブとの間に電界を発生させて、第1ナノチューブから前記電荷を放出させるための第1電極と、
    前記第1ナノチューブから放出された前記電荷を前記発光体に導くように電界を発生させるための第2電極と、
    前記第1ナノチューブとこの第1ナノチューブに対応する前記第2ナノチューブとの間に電界を発生させ、当該第2ナノチューブから当該第1ナノチューブに前記電荷を放出させるための第3電極と、を備えており、
    前記第1ナノチューブは、対応する第2ナノチューブから放出された前記電荷を蓄電するように構成されており、
    前記複数の第1ナノチューブの各々から一回で放出される前記電荷の量が、ほぼ同じになるように構成されている、
    電界放出ディスプレイ装置。
  2. 電荷を蓄える蓄電体と、
    前記蓄電体に蓄えられた前記電荷を放出するための複数の電荷放出体と、
    前記電荷の衝突により発光する発光体と、
    前記複数の電荷放出体との間に電界を発生させて、電荷放出体から前記電荷を放出させるための第1電極と、
    前記電荷放出体から放出された前記電荷を前記発光体に導くように電界を発生させるための第2電極と、を備えており、
    前記蓄電体は、各電荷放出体に一回に供給する前記電荷の量がほぼ同じになるように構成されており、
    前記複数の電荷放出体は、各々が一回で放出する前記電荷の量が、他の電荷放出体とほぼ同じになるように配列されている、
    電界放出ディスプレイ装置。
  3. 前記電荷放出体は、金属の性質を有するナノチューブにより構成される、
    請求項2記載の電界放出ディスプレイ装置。
  4. 前記蓄電体は、前記電荷放出体に1対1に対応するように複数設けられており、各々の蓄電体にほぼ同じ量の電荷が蓄電されるように構成され、
    前記複数の電荷放出体の各々は、対応する蓄電体から蓄電された前記電荷が供給されるように構成されている、
    請求項2記載の電界放出ディスプレイ装置。
  5. 複数の前記蓄電体の各々は、所定の間隔を開けて配列された金属の性質を有するナノチューブの組により構成されており、
    一方のナノチューブは、前記電荷放出体としてその端部から前記電荷を放出するように構成されている、
    請求項4記載の電界放出ディスプレイ装置。
  6. 前記一方のナノチューブと他方のナノチューブとの間に電界を発生させるための第3電極をさらに備えており、
    前記他方のナノチューブは、前記第3電極によって発生した電界により、電荷を放出するように構成されており、
    前記一方のナノチューブは、前記他方のナノチューブから放出された電荷を蓄電するように構成されている、
    請求項5記載の電界放出ディスプレイ装置。
  7. 交番信号が入力されて、この交番信号の一方の論理のときに前記蓄電体に電荷を蓄えさせるための電圧を印加し、他方の論理のときに前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電界を発生させるための電圧を印加する制御手段をさらに備えている、
    請求項2記載の電界放出ディスプレイ装置。
  8. 電荷を蓄える蓄電体と、
    前記蓄電体に蓄えられた前記電荷を放出するための複数の電荷放出体と、
    前記複数の電荷放出体との間に電界を発生させて、電荷放出体から前記電荷を放出させるための第1電極と、を備えており、
    前記蓄電体は、各電荷放出体に一回で供給する前記電荷の量がほぼ同じになるように構成されており、
    前記複数の電荷放出体は、各々が一回で放出する前記電荷の量が、他の電荷放出体とほぼ同じになるように配列されている、
    電界放出型電子源装置。
  9. 電荷を放出するための複数の第1ナノチューブと、
    前記複数の第1ナノチューブに1対1に対応しており、各々が対応する第1ナノチューブと端面で対向し且つ所定の間隔を開けて設けられる複数の第2ナノチューブと、
    前記複数の第1ナノチューブとの間に電界を発生させて、第1ナノチューブから前記電荷を放出させるための第1電極と、を備えており、
    前記第1ナノチューブとこの第1ナノチューブに対応する前記第2ナノチューブとの間に電界を発生させ、当該第2ナノチューブから当該第1ナノチューブに前記電荷を放出させるための第3電極と、を備えており、
    前記第1ナノチューブは、対応する第2ナノチューブから放出された前記電荷を蓄電するように構成されており、
    前記複数の第1ナノチューブの各々から一回で放出する前記電荷の量は、ほぼ同じになるように構成されている、
    電界放出型電子源装置。
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