JP2006337357A - 電圧検出装置 - Google Patents

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信 宮下
Kiyoshi Inami
潔 井波
Yusaku Horinouchi
雄作 堀之内
Hiroyuki Haneuma
洋之 羽馬
Keita Ito
啓太 伊東
Kazumi Ishigaki
一三 石垣
Fumio Ito
文雄 伊藤
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    • H02B13/02Arrangement of switchgear in which switches are enclosed in, or structurally associated with, a casing, e.g. cubicle with metal casing
    • H02B13/035Gas-insulated switchgear
    • H02B13/0356Mounting of monitoring devices, e.g. current transformers

Abstract

【課題】中間電極と接地金属タンクとの間のキャパシタンス、および電圧検出用コンデンサを含む閉回路における共振現象を抑制して、該閉回路内の各部に過電圧が発生することを防止する。
【解決手段】接地金属タンク1内に母線2と所定の距離を隔てかつ同軸に筒状に形成された中間電極3と接地金属タンク1とで構成される第1のコンデンサと、電圧検出用の第2のコンデンサ10との分圧を電圧センサ12に印加して母線2の電圧検出を行う装置構成である。そして、中間電極3と接地金属タンク1との間のキャパシタンス、および第2のコンデンサ2を含む閉回路(1)内に抵抗21を設置して閉回路(1)における共振現象を抑制する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電圧検出装置に関し、特に、ガス絶縁開閉装置等のガス絶縁機器に適用される電圧検出装置に関するものである。
ガス絶縁機器に適用される従来の電圧検出装置について以下に示す。図22は、従来の電圧検出装置の構成を示す断面図である。
図22に示すように、導電部材からなる導電性容器としての接地金属タンク1は、ガス絶縁開閉器等のガス絶縁機器の筒状外被を構成する。高電圧導体としての母線2は、接地金属タンク1の内部に同軸に配設されている。筒状の中間電極3は接地金属タンク1と母線2との間に接地金属タンク1と同軸に配設され、接地金属タンク1と母線2とのそれぞれと電気的に絶縁して取り付けられている。中間電極3は絶縁支持部材5によって接地金属タンク1の内面に絶縁支持されている。
接地金属タンク1の内部空間9において、中間電極3は、母線2との間で第1のコンデンサとなるキャパシタンスC1を構成する。中間電極3には電圧を引き出すための接続導体6が取り付けられ、接続導体6は絶縁スペーサ部材8を貫通して第2のコンデンサ10の高圧側に接続される。第2のコンデンサ10の低圧側は接地電位にある外箱11に接続される。
光電圧センサ12は第2のコンデンサ10と並列に接続され、即ち、該光電圧センサ12の一端がリード線13により第2のコンデンサ10の高圧側に接続され、他端は外箱11に接続される。光電圧センサ12の出力部には信号処理部14が光ファイバケーブル15を介して接続されている。
電圧検出動作について説明する。母線2と中間電極3との間で構成される第1のコンデンサとしてのキャパシタンスC1と、第2のコンデンサ10によるキャパシタンスC2との静電容量比による分圧比によって、光電圧センサ12への印加電圧が決定される。そして、光電圧センサ12への印加電圧に応じた検出出力が光ファイバケーブル15を介して信号処理部14へ導出され、高電圧導体としての母線2の電圧を検出する。
このように構成される電圧検出装置では、母線2に高周波サージ電圧が発生すると、第2のコンデンサ10と光電圧センサ12とを含む閉回路にて共振現象が発生し、第2のコンデンサ10の両端に発生する電圧および光電圧センサ12の両端に発生する電圧が大きくなるものであった。このため、第2のコンデンサ10と光電圧センサ12との接続を無誘導性抵抗体にて行い、光電圧センサ12に印加されるサージ電圧を抑制すると共に、サージ継続時間を短くしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−202001号公報
上述した従来の電圧検出装置では、第2のコンデンサ10と光電圧センサ12とを含む閉回路内の共振現象には抑制対策が施され、光電圧センサ12や信号処理部14を保護できるものであったが、中間電極3の低圧側には、中間電極3と接地金属タンク1との間のキャパシタンスおよび第2のコンデンサ10を含む閉回路も形成される。該閉回路においても、母線2に高周波サージ電圧が発生すると共振現象が発生して、閉回路内の絶縁物端子間の電圧が上昇して過電圧が発生する、また絶縁抵抗の低下や絶縁破壊が発生するという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、中間電極と接地電位部分との間のキャパシタンス、および電圧検出用コンデンサである第2のコンデンサを含む閉回路における共振現象を抑制して、該閉回路内の各部に過電圧が発生することを防止することを目的とする。
この発明に係る電圧検出装置は、電圧検出対象部分と対向するように接地電位部分から絶縁して設けられ上記電圧検出対象部分との間で第1のコンデンサを形成する中間電極と、上記中間電極と上記接地電位部分との間に接続された第2のコンデンサと、該第2のコンデンサに並列に接続された電圧センサとを備えて、上記第1のコンデンサと上記第2のコンデンサとの分圧電圧を上記電圧センサに印加することにより上記電圧検出対象部分の電圧を検出する装置構成である。そして、上記中間電極と上記接地電位部分との間のキャパシタンス、および上記第2のコンデンサを含む閉回路内に共振抑制用抵抗を挿入したものである。
この発明によれば、中間電極と接地電位部分との間のキャパシタンス、および第2のコンデンサを含む閉回路内に共振抑制用抵抗を挿入したため、上記閉回路における共振現象を抑制でき、該閉回路内の各部に過電圧が発生することが防止でき、絶縁抵抗の低下や絶縁破壊も防止できる。このため、異常電圧の抑制対策をより的確に推進でき万全を期し得る電圧検出装置を提供することができる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を、ガス絶縁機器に適用される電圧検出装置について以下に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による電圧検出装置の概略構成図である。
導電部材からなる導電性容器としての接地金属タンク1は、ガス絶縁開閉器等のガス絶縁機器の筒状外被を構成しSF6ガス等の絶縁ガスが充填されている。
電圧検出対象部分の高電圧導体としての母線2は、接地金属タンク1の内部に同軸に配設されている。筒状の中間電極3は接地金属タンク1と母線2との間に接地金属タンク1と同軸に配設され、接地金属タンク1と母線2とのそれぞれと電気的に絶縁して取り付けられている。中間電極3は絶縁支持部材20によって接地金属タンク1の内面に絶縁支持されている。
接地金属タンク1の内部空間9において、中間電極3は、母線2との間で第1のコンデンサとなるキャパシタンスC1を構成する。中間電極3には電圧を引き出すための接続導体6が取り付けられ、接続導体6は、接地金属タンク1の内部空間9であるガス空間と外側の気中とを仕切る絶縁スペーサ部材8を貫通し、第2のコンデンサ10の高圧側に共振抑制用抵抗としての抵抗21を介して接続される。第2のコンデンサ10の低圧側は接地電位にある外箱11に接続される。22は、外箱11と接地金属タンク1とを接続する接地線である。
抵抗21と第2のコンデンサ10との直列接続体は、電圧センサ12と並列に接続され、抵抗21、第2のコンデンサ10および電圧センサ12は外箱11に収納される。電圧センサ12の出力部には、図示しない信号処理部が接続される。
電圧検出動作について説明する。母線2と中間電極3との間で構成される第1のコンデンサとしてのキャパシタンスC1と、第2のコンデンサ10によるキャパシタンスC2との分圧比によって、電圧センサ12への印加電圧が決定される。そして、電圧センサ12への印加電圧に応じた検出出力が信号処理部へ導出され、信号処理により高電圧導体としての母線2の電圧が検出される。電圧センサ12は、例えば、第2のコンデンサ10で電圧分担されたアナログ電圧信号をデジタルに変換するA/D変換器や、抵抗を介して検出した電流を積分して電圧として出力する装置である。
図1で示す電圧検出装置の等価回路図を図2に示す。
図2において、C1〜C4、L1〜L4およびR1、R2は次のように定義される。
C1:母線2と中間電極3との間のキャパシタンス(第1のコンデンサ10のキャパシタンス)。
C2:第2のコンデンサ10のキャパシタンス。
C3:中間電極3と接地金属タンク1との間のキャパシタンス(絶縁支持部材20のキャパシタンスおよび浮遊キャパシタンス)。
C4:電圧センサ12のキャパシタンス。
L1:電圧センサ12を接続するリード線のインダクタンス。
L2:第2のコンデンサ10から接地部位までのインダクタンス(第2のコンデンサ10が持つインダクタンスを含む)。
L3:絶縁支持部材20から接地部位までのインダクタンス。
L4:接続導体6のインダクタンス。
R1:放電抵抗。
R2:抵抗21の抵抗値。
母線2に印加される電圧を検出する電圧検出装置において、中間電極3の低圧側で分担する分担電圧V2について以下に説明する。
まず、共振を考慮しない場合の低圧側の分担電圧V2について説明する。
図2において、電圧分担比(分圧比)は電圧検出装置中のC1のインピーダンスとC1の低圧側の総インピーダンスとの比で決定される。このときの電圧分担比は、電圧センサ12のキャパシタンスC4およびR1によるインピーダンスが非常に大きいため、Z1のインピーダンス対Z2、Z3の合同インピーダンスの比となる。ここで、Z1はC1によるインピーダンスである。Z2は、L4、R2、C2、およびL2によるインピーダンスである。Z3は、C3およびL3によるインピーダンスである。
母線2に印加される電圧波形が100kHz以下の低周波成分のみであれば、通常の構成ではC2のインピーダンスよりL2、L3、L4、R2のインピーダンスは十分小さく、C3のインピーダンスは十分大きい。このため、分担電圧V2は、C1とC2とのインピーダンス分担で決定され、母線2の印加電圧をVLFとすると、低圧側の分担電圧V2は式(1)のように表される。
V2=(C1/(C1+C2))×VLF…(1)
一方、断路器や遮断器などの動作によって生じるサージのような100kHzを越える高周波成分を持つ電圧VHFが母線2に印加された場合は、L2、L3、L4、C3はC2のインピーダンスと比較して無視できなくなるため、分担電圧V2が変化する。この場合、低圧側の分担電圧V2は、下記の式(2)のようになる。なお、ωは角周波数である。
V2=(ZL/Z)×VHF…(2)
ただし、Z1=1/(ωC1)、Z3=ωL3+1/(ωC3)、
Z2=ω(L2+L4)+1/(ωC2)+R2、ZL=1/(1/Z2+1/Z3)として、Z=Z1+ZLとする。
(2)式よりC2の端子間電圧VC2は、
VC2=((1/ωC2)/Z2)×V2…(3)
中間電極3を支持する絶縁支持部材20によるC3部の電圧VC3は、
VC3=((1/ωC3)/Z3)×V2…(4)
図2に示すように、C1の低圧側にはC2およびC3を含む閉回路(1)が形成され、この閉回路(1)内に抵抗21のR2が挿入されている。
サージ電圧が印加された際、電圧検出装置内部で共振現象が発生しなければ、閉回路(1)内のC2部である第2のコンデンサ10の端子間電圧は式(3)からVC2、C3部である絶縁支持部材20の電圧は式(4)からVC3として求められる。また絶縁スペーサ部材8の電圧V2aは、中間電圧3に印加される分担電圧V2よりわずかに低い電圧となる。
次に、サージに起因した共振現象の発生メカニズムについて述べる。
母線2にサージ電圧が印加されると、図2の閉回路(1)内に式(2)に従って分担電圧V2が分担され、その後に印加電圧波形の周波数に同調して閉回路(1)内で共振が発生して過電圧が発生する。図2で示す閉回路(1)で発生する共振は、C2、C3、L2、L3、L4による直列共振となり、その周波数fは式(5)のように表せる。
f=1/(2π×√(L×C))…(5)
ただし、L=L2+L3+L4、C=1/(1/C2+1/C3)である。
例えばC2=10000pf、C3=100pf、L2=L3=0.5μHとすると共振周波数はf≒70MHzと算出できる。サージ電圧の周波数はDCから100MHz程度まで成分を有しており、上記周波数は充分これに含まれる。サージの周波数成分の中で式(5)に従った周波数に同調して共振現象が起こる。
閉回路(1)内で共振現象が発生すると、共振による電流は閉回路(1)内を流れ抵抗21を通過する際にエネルギを消費するため、共振が抑制され、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で過電圧が発生するのが抑制される。また、C2部、即ち第2のコンデンサ10にかかる過電圧が抑制できるため、電圧センサ12にかかる電圧も抑制することができる。
図3は、抵抗21の設置による共振抑制効果を説明する図であり、サージ電圧が印加された時のC2部の共振波形を用いて説明する。図3において、FWは第1波、Aは比較例として抵抗設置無しの場合の電圧波形、Bは抵抗設置有りの場合の電圧波形である。電圧波形Aによる包絡線をAp、電圧波形Bによる包絡線をBpで示す
抵抗21を設置しない比較例の場合は、電圧波形Aおよびその包絡線Apに示すように、閉回路(1)内で発生した共振によって閉回路(1)内の電圧が上昇する。
一方、抵抗21を設置した場合、適切な抵抗値を有することで、電圧波形Bおよびその包絡線Bpに示すように、サージの高周波成分に呼応した共振に対して抵抗21で減衰させることができ、電圧上昇を抑制できる。
このことにより、閉回路(1)内のサージ電流を抑制できるため、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で過電圧が発生するのが抑制される。
なお、断路器や遮断器などの動作によって生じるサージについて述べたが、接地金属タンク1内部で起こる地絡によるサージに対しても同様に効果がある。
次に、抵抗設置の有無による電圧検出装置の閉回路(1)内部の発生電圧の違いについて説明する。図4〜図6は、共振現象の抑制作用を説明するためのオシロスコープ測定波形例およびスペクトルアナライザ測定波形例である。
母線2にサージ電圧を模擬して図4で示すような100MHzまでの高周波成分を含むステップ波を入力した場合に、抵抗設置の有無による電圧検出装置の閉回路(1)内部の発生電圧の違いについて説明する。図5および図6は、閉回路(1)内部の発生電圧におけるオシロスコープ測定波形例およびスペクトルアナライザ測定波形例を示す図である。特に、図5は抵抗21を設置しない比較例の場合、図6は抵抗21を設置した場合を示す。なお、閉回路(1)内部の発生電圧は、この場合、接地タンク2から絶縁スペーサ部材8の間の電圧を測定したが、C2部、あるいはC3部の電圧を測定しても、電圧レベルは異なるが同様の現象が観測できる。
抵抗21を設置しない比較例の場合、C2の端子間電圧は電圧分担されたステップ電圧に、電圧検出装置内の閉回路(1)で共振した電圧が重畳する。図5(b)に示すように特定の周波数、この回路では20〜25MHz付近で共振が発生し、図5(a)に示すように電圧のピーク値が上昇してしまう。過電圧の大きさは図5(a)によれば、ステップ電圧に対する電圧分担分が約40mVであり、これに振動電圧が28mV程度重畳しており、共振現象により、68mV÷40mV=約1.75倍程度電圧が上昇している。もし、ここで母線2に印加されるステップ電圧が実際に発生しうる電圧レベルであれば、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で絶縁破壊が起る可能性がある。
一方、抵抗21を設置した場合、ステップ電圧が電圧分担された後に同様に共振が発生するが、抵抗21により抑制されるため、図6(a)に示すように過電圧が抑制されている。過電圧の大きさは図6(a)によれば、ステップ電圧に対する電圧分担分が40mVに対して振動電圧が10mV程度に抑制されている。図5で示した抵抗無しの場合の振動電圧上昇分が28mVであることから、抵抗設置による振動電圧抑制効果は、10mV÷28mV=約1/3となる。
以上のように、この発明による実施の形態1の電圧検出装置では、中間電極3と接地金属タンク1との間のキャパシタンスC3および第2のコンデンサ10のキャパシタンスC2を含む閉回路(1)内に抵抗21を挿入したため、閉回路(1)内で共振が抑制され、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で過電圧が発生するのが抑制される。また、C2部、即ち第2のコンデンサ10にかかる過電圧が抑制できるため、電圧センサ12にかかる電圧も抑制することができる。
さらに、共振現象による過電圧を抑制できるため、第2のコンデンサ10や電圧センサ12とこれを覆う外箱11との間の絶縁距離を小さくすることができ、電圧検出装置の外箱11の構成をコンパクト化できる。同様に接地金属タンク1の内部に関しても、電圧検出装置の各部の過電圧を抑制できることから、絶縁支持部材20の絶縁耐電圧を小さくでき、中間電極3と接地金属タンク1との距離を短く、あるいは、絶縁支持部材20の沿面長を短くできるため、絶縁支持部材20のコンパクト化が図れる。また絶縁スペーサ部材8の絶縁耐電圧も小さくでき絶縁スペーサ部材8をコンパクト化することができる。
また、抵抗21は接地金属タンク1の外側の気中に設置されているため、既設の電圧検出装置にも、ガス処理作業をすることなく簡易に抵抗21を装着でき、共振現象を抑制することができる。
なお、共振抑制用の抵抗21は、材質としては例えばカーボン抵抗のように、多数回のサージによって累積的なエネルギが注入されても熱的に破壊せず、抵抗値の変動が小さいものを使用する。形状については、沿面耐電圧性能を考慮する必要があるが、抵抗21の端子間に発生する電圧は10〜数十kV程度であるので、抵抗21を電圧検出装置の接地金属タンク1外側の気中部に設置する場合は、電圧のかかる方向に対する厚みが数mm以上あれば良い。
この実施の形態1では、抵抗21と第2のコンデンサ10とを直列接続し、この直列接続体と電圧センサ12とを並列に接続したものを示したが、電圧検出装置は図7に示すように構成しても良い。即ち、中間電極3から絶縁スペーサ部材8を貫通して外箱11に導入される接続導体6と第2のコンデンサ10との間に抵抗21が挿入された状態で接続され、第2のコンデンサ10と電圧センサ12とは並列に接続される。この場合も、図1で示した電圧検出装置と同様に、抵抗21は接地金属タンク1の外側の気中に設置され、閉回路(1)内で共振が抑制されて過電圧が発生するのが抑制できるため、上述した同様の効果が得られる。
次に、図1、図7で示したこの実施の形態による電圧検出装置で用いる抵抗21の具体的設置構成を説明する。図8(a)は抵抗21の詳細構成を含む電圧検出装置全体の構成を示す断面図、図8(b)は図8(a)のVIII(b)−VIII(b)線における断面図を示している。
図8に示すように、中間電極3から絶縁スペーサ部材8を貫通して外箱11の内部に導入される接続導体6の下端には押さえ金具6aが設けられる。また、抵抗21を筒状に構成し、その中空部に接続導体6を貫通させ、抵抗21の一方の端子部21aと押さえ金具6aとは、これらの間に配設される抵抗押さえ用バネ6dを介して圧接される。また、端子部21aと押さえ金具6aとは導通用金具6b、6cにて短絡され、接続導体6と抵抗21との間の電気的接続が確保される。抵抗21の他方の端子は第2のコンデンサ10に接続される。
図8で示した抵抗21は、接続導体6を囲む筒状に形成されて表面積を大きくしているため、放熱量を増大できる。このため、過電圧や商用電圧印加に伴う発熱による抵抗素子の破壊や抵抗値低下を防止できる。また、抵抗21の断面積を大きくすることで抵抗21の内部のインダクタンスを小さくする効果もある。
なお、図8で示した抵抗21は筒状に構成したが、図9に示すように、環状に形成された一方の端子部21aにカーボン抵抗からなる複数の棒状抵抗体21nを接続して抵抗21を構成しても良い。複数の棒状抵抗体21nは接続導体6の長手方向に平行に延在し接続導体6を囲むように配置される。この場合も、接続導体6の下端の押さえ金具6aと端子部21aとは抵抗押さえ用バネ6dを介して圧接され、端子部21aと押さえ金具6aとは導通用金具6b、6cにて短絡される。そして、図8で示した構成と同様に、放熱量が増大できると共に、インダクタンスの低減が図れ、同様の効果が得られる。
実施の形態2.
上記実施の形態1による電圧検出装置は、第2のコンデンサ10および電圧センサ12が収納される外箱11内に抵抗21を配設したが、電圧検出装置は図10に示すように構成しても良い。即ち、抵抗21は、外箱11と接地金属タンク1とを接続する接地線22の途中に挿入した状態で接続され、第2のコンデンサ10の低圧側から接地金属タンク1への導電経路内に挿入されたものとなる。また、外箱11を接地線電位に接続する接地用リード線30を設ける。その他の構成は図1で示した電圧検出装置と同様である。
図10で示す電圧検出装置の等価回路図を図11に示す。図11内のC1〜C4、L1〜L4、R1およびR2は上記実施の形態1の図2で示した場合と同様であり、L5は、接地用リード線30のインダクタンスである。この場合も、上記実施の形態1と同様に、C1の低圧側にはC2およびC3を含む閉回路(1)が形成され、この閉回路(1)内に抵抗21のR2が挿入されている。また、抵抗21は接地金属タンク1の外側の気中に設置される。
接地用リード線30のインダクタンスL5は、商用周波数ではC2のインピーダンスおよびR2より十分小さい値であり、高周波ではR2よりも大きい値となる。例えばL5=1mH、R2=100Ω、C2=15000pfとすると、商用周波数60HzでL5のインピーダンスは約0.38Ω、C2のインピーダンスは177000Ωである。また、10MHzの高周波が母線2に印加された場合、L5のインピーダンスは約63000ΩでR2よりも大きくなる。
このように、商用周波数が母線2に印加された場合、L5のインピーダンスはC2のインピーダンスより十分小さいため、図11内のP部の電位は接地電位に近い値となる。従って、R2やL5の挿入により位相角度ずれが発生しない。低圧側の分担電圧V2も上記実施の形態1で示した式(1)に従うため、電圧分担比に影響しない。また、高周波が母線2に印加された場合、L5のインピーダンスはR2より大きいために無視できる。閉回路(1)内で共振現象が発生した場合、閉回路(1)内に設けられた抵抗21のR2により、共振が抑制される。
以上のように、この実施の形態2においても、閉回路(1)内に設けられた抵抗21のR2により、閉回路(1)内の共振現象が抑制されて過電圧が発生するのが抑制できるため、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、中間電極3と母線2との間のキャパシタンスC1と第2のコンデンサ10のキャパシタンスC2との間に抵抗21が入らないために、位相角度ずれが発生しない。
このため、商用周波数に対して中間電極3の低圧側の電圧分担比が、抵抗21の有無により変わらないため、既設の電圧検出装置に抵抗21を設置しても電圧分担比の再調整をする必要が無く、既設の電圧検出装置の利用が容易になる。
図10では、外箱11と接地金属タンク1とを接続する接地線22の途中に抵抗21を挿入したが、この接地線22を、接地金属タンク1内側のガス空間と外側の気中とを仕切る絶縁スペーサ部材8の周辺部で構成した例を以下に示す。
図12は実施の形態2による抵抗21の詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図である。図12に示すように、共振現象を抑制するための抵抗21を、カーボン抵抗等からなる抵抗体で構成して絶縁スペーサ部材8の外周部に配置する。この抵抗21は、接続導体6と平行に延在する棒状抵抗体を絶縁スペーサ部材8の外周部に複数本配置して構成しても良いし、インダクタンス低減のために円筒形状あるいはドーナツ形状に構成しても良い。抵抗21の両端子21a、21bはそれぞれタンクフランジFA、FBに接続される。タンクフランジFAは接地金属タンク1側のフランジ、タンクフランジFBは外箱11に接続されるフランジであり、タンクフランジFAとタンクフランジFBとの間の導電経路により接地線22が形成され、この導電経路内に抵抗21が挿入される。
絶縁スペーサ部材8は、ボルト部材BLを用いて接地金属タンク1に締結されているが、ボルト部材BLは絶縁部材BLaにより片側がタンクフランジFBと絶縁されているので、ボルト部材BLを介してタンクフランジFAとタンクフランジFBとが直接に導通することはない。電流はタンクフランジFAとタンクフランジFBとの間を抵抗21を介して流れる。
このように、抵抗21を絶縁スペーサ部材8の外周部に配置するため、既設の電圧検出装置に対して抵抗21の設置が容易となる。
なお、絶縁スペーサ部材8の外周部に配置する抵抗21は、図13に示すように、抵抗21の両端をタンクフランジFA、FBにて挟み込んで配置しても良い。この場合も、ボルト部材BLは絶縁部材BLaにより片側がタンクフランジFBと絶縁され、電流はタンクフランジFAとタンクフランジFBとの間を抵抗21を介して流れる。このような抵抗21は、例えば、リング状のカーボン抵抗からなる抵抗体で構成したり、あるいは、カーボン等の導電材料を混ぜたエポキシ絶縁物で構成して配置する。また抵抗21を絶縁スペーサ部材8と一体化して注型しても良い。
次に、抵抗21を、絶縁スペーサ部材8を接地金属タンク1に締結するボルト部材BLの軸部外周にボルト部材BLに接して配置する例を示す。この場合、第2のコンデンサ10の低圧側から接地金属タンク1への導電経路内に、抵抗21とボルト部材BLとが挿入されたものとなる。
図14(a)は、実施の形態2の別例による抵抗21の詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図であり、図14(b)は図14(a)の部分拡大図である。図14に示すように、絶縁材料へ導電材料を混ぜた材料、例えばカーボンを含んだエポキシ樹脂注型層で構成される抵抗21を、絶縁スペーサ部材8の内部に埋め込んで形成する。ここでは、抵抗21は、ボルト部材BLの軸部外周部分にボルト部材BLに接して配置される。ボルト部材BLは絶縁部材BLaにより片側がタンクフランジFBと絶縁され、タンクフランジFBは抵抗21を介してボルト部材BLに接続される。さらに他方のタンクフランジFAは、空隙SPにより抵抗21と絶縁される。
この場合、タンクフランジFAとタンクフランジFBとの間の導電経路により図10で示した接地線22が形成され、この導電経路内にボルト部材BLと抵抗21とが挿入される。電流はタンクフランジFAとタンクフランジFBとの間を、図14(b)に示すようにボルト部材BLと抵抗21とを介して流れる。
この場合も抵抗21は絶縁スペーサ部材8に配設されるため、既設の電圧検出装置に対して抵抗21の設置が容易となる。
なお、ボルト部材BLの軸部外周に配置される抵抗21は、図15に示すように、ボルト部材BLの片側とタンクフランジFBとの間に配置しても良い。即ち、上記図12〜図14で示した絶縁部材BLaと同様の形状および配置で抵抗21を構成する。この場合も、タンクフランジFAとタンクフランジFBとの間の導電経路内にボルト部材BLと抵抗21とが挿入され、電流はタンクフランジFAとタンクフランジFBとの間を、ボルト部材BLと抵抗21とを介して流れる。
実施の形態3.
上記実施の形態1、2で用いた共振抑制用の抵抗21における抵抗値について説明する。
一般に抵抗値Rを大きくすると、閉回路中で発生する共振の鋭さを示すQは下記の(6)式で表せる。
Q=1/R×√(L/C)…(6)
図2の等価回路にあてはめると、
L=L2+L3+L4、C=1/(1/C2+1/C3)、R=R2…(7)
となる。Qが大きいほど共振が大きくなるので、抵抗21の抵抗値R2を大きくすればするほど閉回路(1)内の共振を抑制できる。
ところで、図2を用いて説明したように、電圧分担比(分圧比)は電圧検出装置中のC1のインピーダンスとC1の低圧側の総インピーダンスとの比で決定される。抵抗21の抵抗値を大きくすると、共振抑制効果は大きくなるものであるが、サージ電圧が印加された場合の低圧側の分担電圧V2に関しては、低圧側のインピーダンスが大きくなるため、上記式(2)に示すように、分担電圧V2が大きくなり、絶縁スペーサ部材8にかかる電圧も大きくなる。また上記式(4)に示すように、C3部の電圧も大きくなる。
従って、設置する抵抗21の抵抗値は共振現象を抑える効果と、逆に分担電圧を大きくしてしまう悪影響とのバランスをみて設定する必要がある。
図16は共振現象抑制と低圧側の分担電圧との関係を示す特性線図である。図16(a)で示すようなサージ電圧が母線2に印加された際、抵抗21を設置しない比較例における低圧側の電圧波形を図16(b)に、抵抗値が比較的小さい抵抗21を用いた場合における低圧側の電圧波形を図16(c)に、抵抗値が比較的大きい抵抗21を用いた場合における低圧側の電圧波形を図16(d)に示す。
図16(b)に示すように、抵抗21を設置しない比較例では、サージの高周波成分に呼応した共振による電圧上昇分がサージ電圧による分担電圧分に重畳した電圧波形となるため、過電圧が発生する。
図16(c)、図16(d)に示すように、抵抗21を用いた場合は、サージの高周波成分に呼応した共振に対して抵抗21で減衰させるため共振現象は抑制されるが、サージ電圧による分担電圧は上昇する。なお、抵抗21を設置しない場合と比較して包絡線を図示した。
抵抗21の抵抗値が比較的小さい図16(c)の場合は、共振現象を抑制して過電圧を抑制でき、また分担電圧の上昇は小さい。
抵抗21の抵抗値が比較的大きい図16(d)の場合は、減衰時定数τ=2L/Rが小さくなるため共振現象の抑制効果は増大するが、分担電圧の上昇が大きい。抵抗値を更に大きくすると共振の影響はほぼ無くすことができるが、分担電圧が更に大きくなり、抵抗値無しの場合と同等の過電圧が発生する可能性がある。なお、ここで過電圧の問題となる分担電圧は、サージ波頭電圧の瞬時分担電圧である。
図17は抵抗21の抵抗値と発生電圧との関係を示す特性線図である。図18は断路器サージの印加電圧波形を示し、図18で示すようなサージ電圧が印加された場合のC3部、C2部、絶縁スペーサ部材8および抵抗21の各端子間電圧を演算して図17に示す。
図18に示すサージ電圧波形は変電所で発生しうる波形を実際に模擬し、回路定数としてC2=15000pf、L2=L3=L4=0.01μF、C3=100pfとした。
抵抗21の抵抗値R2の選定について、閉回路(1)の時定数はτ=2×(L2+L3+L4)/R2で決まるため、上記(5)式で決まる共振周波数fの逆数で決まるサージ周期=1/fと同程度となるように抵抗値R2を選定してやることにより、共振現象が抑えられて発生電圧が小さくなり、例えば1Ωでも抵抗21を設置すれば共振抑制効果が発揮される。
一方、抵抗21の抵抗値を増やすと抵抗21の端子間電圧が上昇し、上記(2)式の分担電圧V2も上昇してしまう。このように、共振現象の抑制と分担電圧の上昇とにより、C3部と絶縁スペーサ部材8との各電圧波形は、図17で示すようにV字型の曲線となる。各部の電圧が、抵抗21を設置しない場合の電圧を超えないようにするために、抵抗21の抵抗値上限を100Ω程度とする。このため、抵抗21の抵抗値範囲を1〜100Ωとすることにより、分担電圧上昇の悪影響よりも大きな共振抑制効果が得られ、過電圧抑制効果が得られる。
なお、この場合の演算結果では、最適な抵抗値は5〜10Ωであり、抵抗21の設置により過電圧を半分以下にすることができる。実際の変電所における断路器サージのバラツキや回路定数の設定により、最適な抵抗値は若干の変動がある。
この実施の形態3によれば、上記実施の形態1、2による電圧検出装置の構成において、共振抑制用の抵抗21の抵抗値を1Ω以上としたため、共振現象抑制の効果が得られる。また、抵抗21の抵抗値上限を100Ωとしたので抵抗値増大による低圧側の分担電圧上昇を抑制することができる。これにより、閉回路(1)内のC3部、絶縁スペーサ部材8および抵抗21の各端子間に過電圧が発生するのが抑制され、電圧検出装置内部の絶縁破壊を防止でき、電圧検出が信頼性よく実施できる。
また、抵抗21の抵抗値を1〜100Ωとしたので、商用周波数等の低い周波数電圧では、抵抗21の設置によって中間電極3低圧側のインピーダンス増加が極めて小さい。このため、商用周波数に対して低圧側の電圧分担比が、抵抗21の有無によりほぼ変わらず、既設の電圧検出装置に抵抗21を設置しても電圧分担比の再調整をする必要が無く、既設の電圧検出装置の利用が容易になる。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、抵抗21の抵抗値上限を100Ωとして抵抗値増大による低圧側の分担電圧上昇を抑制したが、C3部、絶縁スペーサ部材8および抵抗21の各部が耐電圧の高い構造であれば、分担電圧上昇の抑制を考慮しなくても良い。この実施の形態4では、上記実施の形態1、2で用いた共振抑制用の抵抗21における抵抗値について説明するもので、抵抗21の設置によって発生する電圧位相角度のずれを許容範囲に抑える抵抗値を設定する。
抵抗21を設置した場合に位相角度がずれる現象について説明する。抵抗やインダクタンスが無く単純にキャパシタンスC1の第1のコンデンサとキャパシタンスC2の第2のコンデンサとが直列に接続されている場合は、C2部の発生電圧V2は、全体の印加電圧Vに対して、V2=C1/(C1+C2)×Vで求められる。
次に、このC1とC2と間に直列に抵抗が配置されると、第1、第2のコンデンサ間に流れる電流が抵抗を介することにより抵抗端子間に電流に応じた電圧が発生する。このため、C2部の電圧と全体の印加電圧との位相に差異ができる。
図2で示した等価回路に用いて、C2部の電圧V2、および母線2の印加電圧VLHに対する位相角度のずれを演算して以下に示す。
商用周波数に対してLのインピーダンスLωはコンデンサのインピーダンス1/Cωより充分に大きく、C2に比べてC3、C4、R1のインピーダンスも大きいため、図2の回路はC1とC2、R2のみを考慮して、C2部の電圧V2は次の数式(8)で表せる。なお位相の関係を求めるため複素数を考慮した。
Figure 2006337357
上記式(8)より、C2部の電圧V2における印加電圧VLHに対する位相ずれ角度θは次の式(9)で表現できる。
Figure 2006337357
図19は、設置される抵抗21の抵抗値R2を変えた場合の位相ずれ角度を表す。位相ずれ角度は、図2で示した等価回路にて、商用周波数が60Hzの印加電圧波形を用いて上記式(9)に従って演算した。
この結果、抵抗21の抵抗値R2の上限を1MΩ程度とすると、位相ずれ角度が、規定されている確度階級の限度値、例えば40分に対して精度上で裕度があることが判る。
また、抵抗値を大きくすると商用周波数に対するC2部の発生電圧が上昇するが、C2部の電圧分担比の変化は僅かであり電気的な回路常数を大きく変更する必要がない。このC2部の電圧分担比の変化を上記式(8)に従って計算すると、1MΩの抵抗21を設置した時でも抵抗無しの状態と比較して0.5%程度の増大となり、問題ない程度である。
上記実施の形態3で述べたように、共振現象抑制の効果を得るために、抵抗21の抵抗値R2は1Ω以上とすることが望ましい。このため、この実施の形態4では、抵抗値R2を1Ω〜1MΩとする。これにより、共振現象に起因した過電圧を抑制でき、しかも抵抗設置による電圧位相角度のズレを許容範囲内に収めることができる。
これまで述べたように設置する抵抗値を大きくすると閉回路中の共振現象を抑制でき、抵抗値が大きいほど共振現象の抑制効果は大きい。また、抵抗21の抵抗値R2を大きくした場合、サージ電圧が印加されると、分担電圧によって発生するC2部の電圧VC2は、上記式(3)にて演算される。このC2部の電圧VC2は、抵抗値R2の増大によるZ2インピーダンスが増加するために更に小さくなり、C2部での過電圧の発生は抑制される。
なお、抵抗値R2が大きい場合は、分担電圧により抵抗21にかかる過電圧を防止するために、抵抗21の沿面長を適正に長くしておく。
実施の形態5.
図20は、この発明の実施の形態5による電圧検出装置の概略構成図である。上記実施の形態1、2では、共振抑制用の抵抗21を接地金属タンク1外側の気中に配設したが、この実施の形態5では、抵抗21を接地金属タンク1内のガス空間9に配設する。
図20に示すように、中間電極3と絶縁スペーサ部材8との間を接続する接続導体6の途中に抵抗21を設ける。その他の構成は、図1で示した上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様に、中間電極3と接地金属タンク1との間のキャパシタンスC3および第2のコンデンサ10のキャパシタンスC2を含む閉回路(1)内に抵抗21を挿入するため、閉回路(1)内で共振が抑制され、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で過電圧が発生するのが抑制される。また、C2部、即ち第2のコンデンサ10にかかる過電圧が抑制できるため、電圧センサ12にかかる電圧も抑制することができる。
また、抵抗21を接地金属タンク1内のガス空間9に配設することにより、水分や異物が抵抗21の表面に付着して耐電圧低下を招くことを防止できる。サージ電圧が印加された場合に抵抗21の端子間に電圧が分担されるが、抵抗21がガス空間9にあるため、ガスの耐電圧が高いことや汚損の心配が無いため、抵抗21の沿面距離を小さくして抵抗21を小型化できる。特に、ガス成分にSF6等の高性能絶縁ガスが含まれている場合はガスの絶縁性能が高いため、抵抗21をさらに小型化できる。
。また、抵抗21を気中部分に取り付けずに、接地金属タンク1内としたことで電圧検出装置における接地金属タンク1の外側構成を小型化することができる。
なお、ガス空間9に配設する抵抗21は、図21で示すように、絶縁支持部材20と接地金属タンク1との間に配設しても、また絶縁支持部材20と中間電極3との間に配設しても良い。この場合についても、図20で示した場合と同様の効果が得られる。さらにこの場合、中間電極3と母線2との間のキャパシタンスC1と第2のコンデンサ10のキャパシタンスC2との間に抵抗21が入らないために、位相角度ずれが発生しないという効果もある。
また、この実施の形態5においても、上記実施の形態3、4で説明したように抵抗21の抵抗値を設定することで、上記実施の形態3、4で説明した同様の効果が得られる。
実施の形態6.
上記実施の形態1では、電圧センサ12には、第2のコンデンサ10で電圧分担されたアナログ電圧信号をデジタルに変換するA/D変換器や、抵抗を介して検出した電流を積分して電圧として出力する装置を用いたが、この実施の形態6では、電圧センサ12を光電圧素子を用いた光電圧センサとする。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、共振抑制用の抵抗21が閉回路(1)内に挿入されているため、閉回路(1)内のC3部、C2部、および絶縁スペーサ部材8で過電圧が発生するのが抑制される。また、C2部、即ち第2のコンデンサ10にかかる過電圧が抑制できるため、電圧センサ12にかかる電圧も抑制することができる。これにより、光電圧素子(電圧センサ12)を絶縁破壊から保護することができる。光電圧素子を用いた電圧センサ12には、信号処理部となる例えば端末システムが絶縁されて接続されるものであるが、端末システムが過電圧の影響を受けるのを防止でき、高性能で信頼性の高い電圧検出が行える。
実施の形態7.
この実施の形態7では、上記実施の形態1で用いた共振抑制用の抵抗21に、無誘導抵抗を用いる。この無誘導抵抗には、無誘導巻きを利用した抵抗が広く利用される。この実施の形態7では、上記実施の形態1と同様の効果を得ると共に、抵抗21を無誘導抵抗とすることで、カーボン抵抗などに比べて抵抗内部にあるインダクタンス分が極めて小さいため、抵抗21端子間に生じる過電圧を抑制できる。
なお、この発明で示す電圧検出装置は、3相絶縁ガス開閉装置(GIS)用の電圧検出装置への適用も可能である。例えば、相別に3台の電圧検出装置に各々適用することができる。
この発明の実施の形態1における電圧検出装置の概略構成図である。 図1で示す電圧検出装置の等価回路図である。 この発明の実施の形態1における共振現象の抑制作用を説明する図である。 この発明の実施の形態1における共振現象の抑制作用を説明するためのオシロスコープ測定波形例およびスペクトルアナライザ測定波形例である。 この発明の実施の形態1における共振現象の抑制作用を説明するためのオシロスコープ測定波形例およびスペクトルアナライザ測定波形例である。 この発明の実施の形態1における共振現象の抑制作用を説明するためのオシロスコープ測定波形例およびスペクトルアナライザ測定波形例である。 この発明の実施の形態1の別例による電圧検出装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態1における抵抗の詳細構成を含む電圧検出装置の断面構成図である。 この発明による実施の形態1における抵抗の別例による詳細構成図である。 この発明の実施の形態2における電圧検出装置の概略構成図である。 図10で示す電圧検出装置の等価回路図である。 この発明の実施の形態2における抵抗の詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図である。 この発明の実施の形態2における抵抗の別例による詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図である。 この発明の実施の形態2における抵抗の別例による詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図である。 この発明の実施の形態2における抵抗の別例による詳細構成を含む電圧検出装置の部分断面図である。 この発明の実施の形態3における共振現象抑制と分担電圧との関係を示す特性線図である。 この発明の実施の形態3における共振抑制用抵抗の抵抗値と発生電圧との関係を示す特性線図である。 この発明の実施の形態3における断路器サージの印加電圧波形を示す図である。 この発明の実施の形態4における共振抑制用抵抗の抵抗値と位相ずれ角度の関係を示す特性線図である。 この発明の実施の形態5における電圧検出装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態5の別例における電圧検出装置の概略構成図である。 従来の電圧検出装置の構成を示す概略構成図である。
符号の説明
1 接地電位部分としての導電性容器(接地金属タンク)、
2 電圧検出対象部分としての高電圧導体(母線)、3 中間電極、6 接続導体、
8 絶縁スペーサ部材、9 ガス空間、10 第2のコンデンサ、12 電圧センサ、
21 共振抑制用抵抗、21n 棒状抵抗体、22 接地線、BL ボルト部材。

Claims (15)

  1. 電圧検出対象部分と対向するように接地電位部分から絶縁して設けられ上記電圧検出対象部分との間で第1のコンデンサを形成する中間電極と、上記中間電極と上記接地電位部分との間に接続された第2のコンデンサと、該第2のコンデンサに並列に接続された電圧センサとを備えて、上記第1のコンデンサと上記第2のコンデンサとの分圧電圧を上記電圧センサに印加することにより上記電圧検出対象部分の電圧を検出する電圧検出装置において、
    上記中間電極と上記接地電位部分との間のキャパシタンス、および上記第2のコンデンサを含む閉回路内に共振抑制用抵抗を挿入したことを特徴とする電圧検出装置。
  2. 上記共振抑制用抵抗の抵抗値を、1Ω〜1MΩとしたことを特徴とする請求項1に記載の電圧検出装置。
  3. 上記共振抑制用抵抗の抵抗値の上限を100Ωとしたことを特徴とする請求項2に記載の電圧検出装置。
  4. 上記第2のコンデンサに並列接続される上記電圧センサに光電圧素子を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電圧検出装置。
  5. 上記共振抑制用抵抗を無誘導抵抗としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電圧検出装置。
  6. 絶縁ガスが封入された筒状の導電性容器と、該導電性容器内に同軸に配設された高電圧導体と、上記導電性容器内に上記高電圧導体と所定の距離を隔てかつ同軸に筒状に形成された筒状中間電極とによりガス絶縁機器を構成し、該ガス絶縁機器の上記導電性容器、上記高電圧導体、上記筒状中間電極をそれぞれ上記接地電位部分、上記電圧検出対象部分、上記中間電極とし、上記第2のコンデンサおよび上記電圧センサを上記導電性容器外側の気中に配設して、上記高電圧導体の電圧を検出することを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載の電圧検出装置。
  7. 上記共振抑制用抵抗を上記導電性容器内のガス空間に配設したことを特徴とする請求項6に記載の電圧検出装置。
  8. 上記共振抑制用抵抗を上記導電性容器外側の気中に配設したことを特徴とする請求項6に記載の電圧検出装置。
  9. 上記中間電極を上記第2のコンデンサへ電気的に接続する接続導体を備え、該接続導体から上記第2のコンデンサの高圧側への導電経路内に上記共振抑制用抵抗を挿入したことを特徴とする請求項8に記載の電圧検出装置。
  10. 上記共振抑制用抵抗を筒状に構成してその中空部に上記接続導体を貫通させたことを特徴とする請求項9に記載の電圧検出装置。
  11. 上記接続導体の長手方向に平行に延在する複数の棒状抵抗体を上記接続導体を囲むように配置して上記共振抑制用抵抗を構成したことを特徴とする請求項9に記載の電圧検出装置。
  12. 上記第2のコンデンサの低圧側から上記導電性容器への導電経路内に上記共振抑制用抵抗を挿入したことを特徴とする請求項8に記載の電圧検出装置。
  13. 上記導電性容器内側のガス空間と外側の気中とを仕切る絶縁スペーサ部材と、該絶縁スペーサ部材を貫通して上記中間電極を上記第2のコンデンサへ電気的に接続する接続導体とを備え、上記絶縁スペーサ部材に上記共振抑制用抵抗を配設したことを特徴とする請求項12に記載の電圧検出装置。
  14. 上記共振抑制用抵抗を上記絶縁スペーサ部材の外周部に配設し、上記第2のコンデンサの低圧側から上記導電性容器への導電経路内に上記共振抑制用抵抗を挿入したことを特徴とする請求項13に記載の電圧検出装置。
  15. 上記絶縁スペーサ部材を上記導電性容器に締結するボルト部材を備え、該ボルト部材の軸部外周に該ボルト部材に接して上記共振抑制用抵抗を配置し、上記第2のコンデンサの低圧側から上記導電性容器への導電経路内に上記ボルト部材および上記共振抑制用抵抗を挿入したことを特徴とする請求項13に記載の電圧検出装置。
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