JPS6119508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は放電装置に設けられる変流器を備えた
サージ吸収装置の改良に関する。

受変電所の電気機器を雷サージより保護するた
めに放電装置が設けられている。この放電装置例
えばガスギヤツプ装置は第１図に示すように適当
な間隙を設けて対向させた一対の高電圧電極３と
接地線８を接続した接地電極４とを接地された金
属容器（以下ケースと称する）２に六弗化硫黄
（SF₆）ガスのような絶縁ガス５とともに収納され
て構成されている。このガスギヤツプ装置におい
て、保護する電気機器の充電部に侵入した雷サー
ジによりギヤツプが放電した場合に、高周波サー
ジが接地線８に流れ込み、接地線電位が急激に上
昇するため、ケース２から絶縁部材７によつて絶
縁封着された接地端子６がケース２との間で気中
せん絡を起すことがある。このような気中せん絡
は、接地端子６の絶縁部材７に損傷を与えるだけ
でなく、このガスギヤツプ装置の近傍に布設され
た低圧制御ケーブルへの新たなサージ源となり関
連する制御器具の誤動作や破壊を招く可能性があ
る。

このような、ガスギヤツプサージによる接地端
子６の気中せん絡を防止するために第２図に示す
ように接地端子６とケース２の間にサージ吸収装
置９が取付けられている。このサージ吸収装置９
は商用周波に対して高インピーダンスであり、高
周波に対して低インピーダンスとして動作するコ
ンデンサや非直線性抵抗体あるいはこれらを組合
せたサージ吸収素子９ａが使用される。また高周
波サージは非常に偏向性が強く浮遊静電容量に左
右されるため、サージ吸収素子９ａは接地端子６
周辺に等配に設けられる。この等配されたサージ
吸収素子９ａは板状導体１１によつて接地端子導
体６ａと電気的に接続し、サージ吸収装置９を構
成する。

ガスギヤツプ装置の放電時に、サージ電流はサ
ージ吸収装置９のない場合は第１図に破線で示す
ようにすべて接地線８を通つて大地に流入する。
したがつて、サージ電流検出変流器１０は接地線
８のどこに設置してもよい。しかし、サージ吸収
装置９を取付けた場合、第２図に破線で示すよう
にサージ電流１２は、接地線８側の接地電流路１
２ｂに流れる電流とサージ吸収装置９側のサージ
電流分流路１２ａに流れる電流とに分流する。こ
の場合、サージ電流検出変流器１０を第２図に示
す位置に取付けると接地線を流れるサージ電流が
サージ吸収装置９へ分流するため、本来の値より
も低く、変流器１０の２次側出力が十分に取れな
くなつて、ガスギヤツプの放電を検出できないと
いうおそれがある。

本考案の目的は上記の点にかんがみてなされた
もので、サージ電流検出変流器の誤動作を防止す
ることのできるサージ吸収装置を提供することで
ある。

以下、本考案を第３図及び第４図に示す実施例
を参照して説明する。第１図及び第２図と同一部
分は同符号を付した。第３図においてガスキヤツ
プ装置１はケース２内にSF₆ガスのような絶縁ガ
ス５を封入し、このケース２内には図示していな
い高電圧電極と対向して設けられた絶縁部材７を
介してケース２に密封して取付けられる接地電極
と一体の接地端子導体６ａには接地線８が接続さ
れている。接地端子導体６ａの接地線８の接続さ
れた側にこの接地端子導体６ａと接続される板状
導体１１を設け、この板状導体１１とケース２と
の間に均等に配置されるコンデンサ又は非直線抵
抗体あるいはこれらの組合せからなるサージ吸収
素子９ａが配置接続され、このサージ吸収素子９
ａは商用周波に対して高インピーダンスとなり、
高周波に対して低インピーダンスとして動作す
る。

サージ吸収装置９と接地端子導体６ａとこれら
を電気的に接続する板状導体１１とによつて形成
されるサージ電流分流路１２ａと接続される接地
端子導体６ａにこれと鎖交するように変流器１０
を置けばガスギヤツプのサージ電流１２のすべて
がサージ電流検出変流器１０と鎖交し、２次側出
力も所期の値が得られ検出機能を果たすことがで
きる。第４図に本考案の実施例の等価回路を示
す。ガス絶縁機器の充電部１３と高電圧電極を接
続されるギヤツプ装置１の接地端子側にサージ電
流検出変流器１０を設け、サージ吸収装置９と接
地線８に分路して接地されている。

なお、上記の実施例では変流器１０が気中にあ
る場合を示したが、サージ電流分流路と鎖交する
部分であればSF₆ガス中に設置してもよい。ま
た、放電装置としてガスギヤツプ装置について述
べたがガス絶縁開閉装置の接地装置の接地端子に
適用してもよい。

以上本考案によればサージ電流分流路と放電々
流検変流器が鎖交する位置にこの変流器を設置す
ることにより、ガスギヤツプ放電々流の全部がサ
ージ電流検出変流器と鎖交して、この変流器２次
側出力が正確に得られて検出機能を発揮すること
ができるサージ吸収装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガスギヤツプ装置の要部を示す
一部切欠き断面図、第２図は従来のサージ吸収装
置の要部を示す一部切欠き断面図、第３図及び第
４図は夫々本考案のサージ吸収装置の要部を示す
一部切欠き断面図及び回路図である。 １……ガスギヤツプ装置、２……ケース、３…
…高電圧電極、４……接地電極、５……絶縁ガ
ス、６……接地端子、６ａ……接地端子導体、７
……絶縁部材、８……接地線、９……サージ吸収
装置、９ａ……サージ吸収素子、１０……サージ
電流検出変流器、１１……板状導体、１２……ガ
スギヤツプ装置のサージ電流、１２ａ……サージ
電流分流路、１２ｂ……接地電流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁ガスを封入したケース内部に放電ギヤツプ
   を収納し、この放電ギヤツプ部の接地電極と一体
   の接地端子導体を絶縁部材を介して前記ケースか
   ら絶縁しかつ気密に導出し、この接地側導体とサ
   ージ吸収素子の一方端を接続し、このサージ吸収
   素子と接地端子導体との接続箇所から接地線を介
   して接地し、また前記サージ吸収素子の他方端を
   接地し、共通電路となる前記接地端子導体にサー
   ジ電流検出用の変流器を鎖交するように設置した
   ことを特徴とするサージ吸収装置。